JP2016183195A - 溶出が良好なイルベサルタン含有医薬組成物および口腔内崩壊錠 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコールから選ばれる1種以上の結合剤を含むイルベサルタン含有医薬組成物。(1)D−マンニトール、(2)イルベサルタン、(3)クロスポビドン及びカルメロースから選ばれる1種以上の崩壊剤、(4)ヒドロキシプロピルセルロース及びポリビニルアルコールから選ばれる1種以上の結合剤、及び(5)フマル酸ステアリルナトリウム及びショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の滑
沢剤を含有する口腔内崩壊錠。
【選択図】なし
Description
塩酸1000mL、パドル速度50rpmで溶出試験を行うとき、約80%またはそれ以上が30分以内に溶出するという溶出挙動を示すイルベサルタンの経口製剤が示されている。
更に、本発明者らは、(1)D−マンニトール、(2)イルベサルタン、(3)クロスポビドンおよび/またはカルメロース、(4)ヒドロキシプロピルセルロースおよび/またはポリビニルアルコール、および(5)フマル酸ステアリルナトリウムおよび/またはショ糖脂肪酸エステルを組み合わせることで、従来の圧縮成形機では調製が困難と考えられていた口腔内で1分以内、更に好ましくは45秒以内に崩壊し、かつ実用的な硬度を有し、更に良好な溶出性を示すイルベサルタンを含有する錠剤が得られることを見いだした。
〔1〕ヒドロキシプロピルセルロースおよびポリビニルアルコールから選ばれる1種以上の結合剤を含むイルベサルタン含有医薬組成物(以下、「本発明のイルベサルタン含有医薬組成物」または「本発明組成物」ともいう。)。
〔2〕(1)賦形剤、(2)イルベサルタン、(3)崩壊剤、(4)ヒドロキシプロピルセルロースおよびポリビニルアルコールから選ばれる1種以上の結合剤、および(5)滑沢剤を含有する、上記〔1〕記載の医薬組成物。
〔3〕賦形剤が乳糖水和物、無水乳糖およびD−マンニトールから選ばれる1種以上の化合物である、上記〔2〕記載の医薬組成物。
〔4〕滑沢剤がステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリル、ステアリン酸マグネシウム、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸およびタルクから選ばれる1種以上の化合物である、上記〔2〕または〔3〕に記載の医薬組成物。
〔5〕(1)D−マンニトール、(2)イルベサルタン、(3)クロスポビドンおよびカルメロースから選ばれる1種以上の崩壊剤、(4)ヒドロキシプロピルセルロースおよびポリビニルアルコールから選ばれる1種以上の結合剤、および(5)フマル酸ステアリルナトリウムおよびショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の滑沢剤を含有する口腔内崩壊錠(以下、「本発明の口腔内崩壊錠」ともいう。)。
〔6〕崩壊剤がクロスポビドンである、上記〔5〕記載の口腔内崩壊錠。
〔7〕結合剤がヒドロキシプロピルセルロースである、上記〔5〕または〔6〕に記載の口腔内崩壊錠。
〔8〕ヒドロキシプロピルセルロースの粘度が2〜10mPa・sである、上記〔5〕〜〔7〕のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
〔9〕滑沢剤がフマル酸ステアリルナトリウムである、上記〔5〕〜〔8〕のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
〔10〕クロスポビドンおよびカルメロースから選ばれる1種以上の崩壊剤の含量が1w/w%〜20w/w%である、上記〔5〕〜〔9〕のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
〔11〕ヒドロキシプロピルセルロースおよびポリビニルアルコールから選ばれる1種以上の結合剤の含量が0.01w/w%〜2w/w%である、上記〔5〕〜〔10〕のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
〔12〕フマル酸ステアリルナトリウムおよびショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の滑沢剤の含量が0.01w/w%〜5w/w%である、上記〔5〕〜〔11〕のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
〔13〕D−マンニトールの平均粒子径が30μmより大きく150μm以下である、上記〔5〕〜〔12〕のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
〔14〕D−マンニトールがβ型結晶である、上記〔5〕〜〔13〕のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
〔15〕さらに、デンプンを含有する、上記〔5〕〜〔14〕のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
〔16〕デンプンがトウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コメデンプン、およびコムギデンプンから選ばれる1種以上である、上記〔15〕記載の口腔内崩壊錠。
〔17〕さらに、界面活性剤を含有する、上記〔5〕〜〔16〕のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
〔18〕イルベサルタンおよび界面活性剤を含有する顆粒と滑沢剤を混合する工程を含んで製造される口腔内崩壊錠であって、界面活性剤がラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート類、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油およびポロクサマー類(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール)から選ばれる1種以上である、上記〔17〕記載の口腔内崩壊錠。
〔19〕界面活性剤がポリソルベート類およびポロクサマー類から選ばれる1種以上である、上記〔18〕記載の口腔内崩壊錠。
〔20〕さらに、矯味剤を含む、上記〔5〕〜〔19〕のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
〔21〕矯味剤がアスパルテーム、タウマチン、スクラロース、アセスルファムKおよびネオテームから選ばれる1種以上である、上記〔20〕記載の口腔内崩壊錠。
〔22〕矯味剤がスクラロースである、上記〔21〕記載の口腔内崩壊錠。
〔23〕さらに、有機酸またはその塩あるいはそれらの溶媒和物を含む、上記〔5〕〜〔22〕のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
〔24〕有機酸がリンゴ酸、クエン酸、酒石酸およびアスコルビン酸から選ばれる1種以上である、上記〔23〕記載の口腔内崩壊錠。
〔25〕さらに、香料を含む、上記〔5〕〜〔24〕のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。〔26〕香料がコーヒー香料、グレープフルーツ香料およびチェリー香料から選ばれる1種以上である、上記〔25〕記載の口腔内崩壊錠。
〔27〕(1)平均粒子径が30μmより大きく150μm以下であるD−マンニトール、(2)20w/w%〜60w/w%であるイルベサルタン、(3)1w/w%〜20w/w%であるクロスポビドンおよび/またはカルメロース、(4)2w/w%以下であるヒドロキシプロピルセルロース、(5)5w/w%〜20w/w%であるデンプン、および(6)0.1w/w%〜5w/w%であるフマル酸ステアリルナトリウムを含有する、上記〔5〕〜〔26〕のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
〔28〕さらに、ポリソルベート80を0.01w/w%〜0.5w/w%含有する、上記〔5〕〜〔27〕のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
〔29〕口腔内で60秒以内に崩壊し、かつ絶対硬度が1.0N/mm2以上である、上記〔5〕〜〔28〕のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
〔30〕口腔内で45秒以内に崩壊し、かつ絶対硬度が1.5N/mm2以上である、上記〔5〕〜〔29〕のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
〔31〕イルベサルタンを含有する混合物を湿式造粒して得られる顆粒を用いて製造されることを特徴とする、上記〔5〕〜〔30〕のいずれかに記載の口腔内崩壊錠。
〔32〕D−マンニトール、イルベサルタンおよび崩壊剤を含有する混合物を湿式造粒して得られる顆粒を用いて製造されることを特徴とする、上記〔31〕記載の口腔内崩壊錠。
〔33〕イルベサルタンを含有する混合物を湿式造粒して得られる顆粒と、スクラロースを含有する顆粒を混合する工程を含んで製造されることを特徴とする、上記〔31〕または〔32〕に記載の口腔内崩壊錠。
〔34〕イルベサルタンを含有する混合物を湿式造粒して得られる顆粒と、スクラロースと有機酸を含有する顆粒を混合する工程を含んで製造されることを特徴とする、上記〔31〕または〔32〕に記載の口腔内崩壊錠。
〔35〕イルベサルタンを含有する混合物を湿式造粒して得られる顆粒を、スクラロースを含有する混合物と混合する工程を含んで製造されることを特徴とする、上記〔31〕または〔32〕に記載の口腔内崩壊錠。
〔36〕第15改正日本薬局方の溶出第2液における溶出試験の結果、イルベサルタンが15分で70%以上溶出する、上記〔1〕〜〔35〕のいずれかに記載の医薬組成物または口腔内崩壊錠。
1)イルベサルタンの含量が高く、小型化された錠剤を製造することができ、それによって患者の服薬コンプライアンスが高められ、(2)イルベサルタンの放出において優れた特性(良好な溶出性)を有する。
さらに、(1)D−マンニトール、(2)イルベサルタン、(3)クロスポビドンおよびカルメロースから選ばれる1種以上の崩壊剤、(4)ヒドロキシプロピルセルロースおよびポリビニルアルコールから選ばれる1種以上の結合剤、および(5)フマル酸ステアリルナトリウムおよびショ糖脂肪酸エステルから選ばれる1種以上の滑沢剤を含有する本発明の口腔内崩壊錠は、口腔内において速やかな崩壊性を示し、かつ流通過程で崩れない適度な強度を有し、イルベサルタンを高濃度に含有させた場合でも、良好な溶出性を示す。また、本発明の口腔内崩壊錠は、特別な装置を必要とせず、簡便に製造することができる。
本発明において、有効成分であるイルベサルタンとしては、取扱い性または溶出性の改善等、必要に応じて解砕物または粉砕物を用いてもよい。また、苦味マスキング、溶出制御、安定化等の目的でその表面の一部または全部を水溶性高分子等の結合剤またはコーティング剤で被覆しても良い。
本発明組成物中のイルベサルタンの含量は、通常65w/w%以下であり、好ましくは60w/w%以下が挙げられる。含量の下限は特に限定されないが、通常20w/w%以上であり、好ましくは30w/w%を超える量が挙げられる。更に好ましくは20w/w%以上60w/w%以下、より好ましくは30w/w%を超えて60w/w%以下が挙げられる。
本発明組成物に用いる上記結合剤は、イルベサルタンを含有する顆粒の造粒を促進するだけでなく、イルベサルタンの溶出性をも促進する。本発明組成物の結合剤として用いるヒドロキシプロピルセルロースは、好ましくは、2%水溶液の20℃における粘度が2〜10mPa・sのものが挙げられる。
ヒドロキシプロピルセルロースおよびポリビニルアルコールから選ばれる1種以上の結合剤の本発明組成物中含量は特に限定されないが、10w/w%以下が挙げられる。好ましくは5w/w%以下が挙げられ、より好ましくは3w/w%以下が挙げられる。また、0.01w/w%以上、好ましくは0.05w/w%以上が挙げられる。より好ましくは0.01w/w%〜3w/w%が挙げられ、更に好ましくは0.05w/w%〜3w/w%が挙げられる。ヒドロキシプロピルセルロースおよびポリビニルアルコールを組合せて使用する場合は、それらの総含量として、上記範囲が例示される。
賦形剤の本発明組成物中含量は特に限定されないが、通常20w/w%〜75w/w%が挙げられ、好ましくは25w/w%〜50w/w%が挙げられる。賦形剤を2種以上使用する場合の賦形剤全量の本発明組成物中含量も上記と同量である。
崩壊剤の本発明組成物中含量は特に限定されないが、通常1〜20w/w%が挙げられ、好ましくは1w/w%〜15w/w%が挙げられる。崩壊剤を2種以上使用する場合の崩壊剤全量の本発明組成物中含量も上記と同量である。
滑沢剤の本発明組成物中含量は特に限定されないが、通常0.01w/w%〜5w/w%が挙げられ、好ましくは0.01w/w%〜4w/w%が挙げられる。滑沢剤を2種以上使用する場合の滑沢剤全量の本発明組成物中含量も上記と同量である。
ヒドロキシプロピルセルロースおよびポリビニルアルコール以外の結合剤の本発明組成物中含量は本発明の効果に影響を与えない範囲であれば、特に限定されない。
本発明組成物中の界面活性剤の含量は、好ましくは0.01w/w%〜2w/w%、さらに好ましくは0.01w/w%〜0.5w/w%が挙げられる。
本発明組成物中の流動化剤の含量は、好ましくは3w/w%以下、さらに好ましくは2w/w%以下が挙げられる。
ここで、本明細書において、平均粒子径とは、レーザー回折式粒度分布計により乾式法にて測定した粒度分布より算出された、体積基準によるメジアン径をいう。
本発明組成物を口腔内崩壊錠とする場合には、ヒドロキシプロピルセルロースとしては、2%水溶液の20℃における粘度が2〜10mPa・sのものを用いることが好ましい。
クロスポビドンおよびカルメロース以外の崩壊剤の製剤中含量は本発明の効果に影響を与えない範囲であれば、特に限定されない。
本発明組成物を口腔内崩壊錠とする場合には、滑沢剤は、イルベサルタンおよび任意の添加剤(例えば、界面活性剤)を含有する顆粒(好ましくは湿式造粒して得られる顆粒)を製造した後、混合して用いられることが好ましい。
製剤中の有機酸またはその塩あるいはそれらの溶媒和物の含量は、好ましくは0.025w/w%〜7.5w/w%、さらに好ましくは0.25w/w%〜2.5w/w%が挙げられる。
上記(1)〜(5)の成分を含有する本発明の口腔内崩壊錠は、本発明組成物について前述した良好な溶出性を有するだけでなく、口腔内で速やかな崩壊性を有し、かつ、流通過程で崩れない適度な強度を有する。具体的には、本発明の口腔内崩壊錠は、通常口腔内で60秒以内(好ましくは45秒以内)に崩壊し、かつ通常絶対硬度が1.0N/mm2以上(好ましくは1.5N/mm2以上)である。絶対硬度の上限は特に限定されないが通常4N/mm2以下である。
本発明の口腔内崩壊錠は、イルベサルタンを20w/w%以上、好ましくは30w/w%を超える高濃度に含有させた場合でも、上記の良好な溶出性、崩壊性、適度な強度を有する点で有用である。
本発明の口腔内崩壊錠としては、さらに、ポリソルベート80を0.01w/w%〜0.5w/w%含有する、口腔内崩壊錠が好ましい。
本発明において錠剤の製造方法は特に限定されないが、たとえば以下の方法により製造することが出来る。
イルベサルタンおよび任意の添加剤[例えば、賦形剤(例えば、D−マンニトール、結晶セルロース)、崩壊剤(例えば、クロスポビドン、カルメロース、クロスカルメロースナトリウム)、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン)、着色剤(例えば、黄色三二酸化鉄)等]を混合し、得られた混合物を、必要に応じて界面活性剤(例えば、ポリソルベート80、ポリソルベート188)を含有させた結合剤(ヒドロキシプロピルセルロースおよびポリビニルアルコールから選ばれる1種以上の結合剤)の水溶液で造粒し、乾燥する。得られたイルベサルタンを含む造粒物に、任意の添加剤[例えば、滑沢剤(例えば、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム)、流動化剤(例えば、軽質無水ケイ酸)、甘味剤または矯味剤(例えば、スクラロース)、香料または着香剤(例えば、コーヒー香料、チェリー香料、グレープフルーツ香料)、有機酸(例えば、クエン酸、リンゴ酸)、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン)等]を混合して、圧縮成形することで錠剤を得ることができる。また、上記のイルベサルタンを含む造粒物に、任意の添加剤[例えば、甘味剤または矯味剤(例えば、スクラロース)、香料または着香剤(例えば、コーヒー香料、チェリー香料、グレープフルーツ香料)、有機酸(例えば、クエン酸、リンゴ酸)、デンプン(例えば、トウモロコシデンプン)等]を含有する顆粒、および滑沢剤(例えば、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル)、流動化剤(例えば、軽質無水ケイ酸)等を混合して、圧縮形成してもよい。
イルベサルタンは、苦味マスキング、溶出制御、安定化等の目的でその表面の一部または全部を水溶性高分子等の結合剤またはコーティング剤で被覆して用いても良い。
なお、本発明の錠剤(口腔内崩壊錠)は、外部滑沢法を用いなくとも圧縮成型が可能であるが、勿論、外部滑沢法を用いても成型可能である。この場合には、滑沢剤を除く成分を混合した後、滑沢剤を杵臼に噴霧しながら打錠を行うか、あるいは、滑沢剤の一部をあらかじめ混合した後、残りの滑沢剤を杵臼に噴霧しながら打錠を行う。
圧縮成形力は、錠剤(口腔内崩壊錠)に十分な強度を与える程度であれば特に限定されないが、1kN(約100kgf)以上の圧縮力が好ましい。本発明で得られる錠剤(口腔内崩壊錠)の形状は、特に限定されず、円形錠、円形R錠、円形隅角錠、円形2段R錠や各種異形錠等いずれの形状でもよく、また分割錠としても良い。
本発明において、口腔内崩壊錠の製造方法としては、好ましくは以下の工程を含む。
(1)イルベサルタンを含有する混合物を湿式造粒して顆粒を得る工程
(2)上記(1)で得られた顆粒と、スクラロースを含有する顆粒(好ましくは、スクラロースと有機酸を含有する顆粒)またはスクラロースを含有する混合物を混合する工程
(3)上記(2)で得られた混合物を成形する工程
本発明のイルベサルタン含有医薬組成物、本発明の口腔内崩壊錠は、ヒト等の哺乳類に対して、安全に経口投与することができる。
投与量は、年齢、体重、疾患の重症度等によって適宜選択し得るが、例えば、成人に対して、1日当たり、50〜300mgを投与する。
下記処方に従い、イルベサルタン、D−マンニトール、結晶セルロース(セオラスPH−101、旭化成工業製)、クロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−Sol、FMC社製)を小型万能混合機(調剤ミキサー、株式会社品川工業所製)に、仕込み、混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達製)水溶液を添加して練合した。練合物を乾燥し、整粒した。得られた造粒物に、ステアリン酸マグネシウムを混合後、単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、直径8mm、曲率半径12mmの円形錠用金型にて、約4kNの圧縮力で成型し、錠剤を得た。
下記処方に従い、イルベサルタン、D−マンニトール、結晶セルロース(セオラスPH−101、旭化成工業製)、クロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−Sol、FMC社製)を小型万能混合機(調剤ミキサー、株式会社品川工業所製)に、仕込み、混合した後、ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−05、日本合成化学製)水溶液を添加して練合した。練合物を乾燥し、整粒した。得られた造粒物に、ステアリン酸マグネシウムを混合後、単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、直径8mm、曲率半径12mmの円形錠用金型にて、約4kNの圧縮力で成型し、錠剤を得た。
実施例1、2の錠剤について、第15改正日本薬局方溶出試験法(パドル法)に従って、溶出試験第2液での溶出試験を実施し、15分時点における溶出率を求めたところ、いずれも70%以上であった(表3)。
下記処方に従い、イルベサルタン、D−マンニトール、トウモロコシデンプン、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)を小型万能混合機(調剤ミキサー、株式会社品川工業所製)に仕込み、混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達製)水溶液を添加して練合した。練合物を乾燥し、整粒した。得られた造粒物に、軽質無水ケイ酸(アドソリダー101、フロイント産業製)およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)を混合後、単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、直径9mm、曲率半径14mmの円形錠用金型にて、約6kNの圧縮力で成型し、錠剤を得た。
下記処方に従い、トウモロコシデンプン(造粒用)および黄色三二酸化鉄を予備混合したのち、イルベサルタン、D−マンニトール、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)とともに小型万能混合機(調剤ミキサー、株式会社品川工業所製)に仕込み、混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達製)水溶液を添加して練合した。練合物を乾燥し、整粒した。得られた造粒物に、スクラロース、トウモロコシデンプン(粉末混合用)、コーヒー香料、軽質無水ケイ酸およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)を混合後、単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、直径8mm、曲率半径12mmの円形錠用金型にて、約4kNの圧縮力で成型し、錠剤を得た。
下記処方に従い、トウモロコシデンプン(造粒用)および黄色三二酸化鉄を予備混合したのち、イルベサルタン、D−マンニトール、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)とともに小型万能混合機(調剤ミキサー、株式会社品川工業所製)に仕込み、混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達製)水溶液を添加して練合した。練合物を乾燥し、整粒した。得られた造粒物に、スクラロース、トウモロコシデンプン(粉末混合用)、クエン酸、チェリー香料、軽質無水ケイ酸およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)を混合後、単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、直径8mm、曲率半径12mmの円形錠用金型にて、約4kNの圧縮力で成型し、錠剤を得た。
下記処方に従い、トウモロコシデンプン(造粒用)および黄色三二酸化鉄を予備混合したのち、イルベサルタン、D−マンニトール、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)とともに小型万能混合機(調剤ミキサー、株式会社品川工業所製)に仕込み、混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達製)およびポリソルベート80(NIKKOL TO−10MV、日光ケミカルズ製)を水に溶解した液を添加して練合した。練合物を乾燥し、整粒した。得られた造粒物に、スクラロース、トウモロコシデンプン(粉末混合用)、リンゴ酸、グレープフルーツ香料、軽質無水ケイ酸およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)を混合後、単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、直径8mm、曲率半径12mmの円形錠用金型にて、約4kNの圧縮力で成型し、錠剤を得た。
下記処方に従い、トウモロコシデンプン(造粒用)および黄色三二酸化鉄を予備混合したのち、イルベサルタン、D−マンニトール、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)を小型万能混合機(調剤ミキサー、株式会社品川工業所製)に仕込み、混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達製)およびポロクサマー188(プルロニックF68、株式会社ADEKA製)を水に溶解した液を添加して練合した。練合物を乾燥し、整粒した。得られた造粒物に、スクラロース、トウモロコシデンプン(粉末混合用)、リンゴ酸、グレープフルーツ香料、軽質無水ケイ酸およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)を混合後、単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、直径8mm、曲率半径12mmの円形錠用金型にて、約4kNの圧縮力で成型し、錠剤を得た。
下記処方に従い、トウモロコシデンプン(造粒用)および黄色三二酸化鉄を予備混合したのち、イルベサルタン、D−マンニトール、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)を小型万能混合機(調剤ミキサー、株式会社品川工業所製)に、仕込み、混合した後、ポリビニルアルコール(ゴーセノールEG−05、日本合成化学製)およびポリソルベート80(NIKKOL TO−10MV、日光ケミカルズ製)を水に溶解した液を添加して練合した。練合物を乾燥し、整粒した。得られた造粒物に、スクラロース、トウモロコシデンプン(粉末混合用)、コーヒー香料、軽質無水ケイ酸およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)を混合後、単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、直径8mm、曲率半径12mmの円形錠用金型にて、約4kNの圧縮力で成型し、錠剤を得た。
下記処方に従い、トウモロコシデンプン(造粒用)および黄色三二酸化鉄を予備混合したのち、イルベサルタン、D−マンニトール、カルメロース(NS−300、五徳薬品製)を小型万能混合機(調剤ミキサー、株式会社品川工業所製)に、仕込み、混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達製)およびポリソルベート80(NIKKOL TO−10MV、日光ケミカルズ製)を水に溶解した液を添加して練合した。練合物を乾燥し、整粒した。得られた造粒物に、スクラロース、トウモロコシデンプン(粉末混合用)、コーヒー香料、軽質無水ケイ酸およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)を混合後、単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、直径8mm、曲率半径12mmの円形錠用金型にて、約4kNの圧縮力で成型し、錠剤を得た。
下記処方に従い、イルベサルタン、D−マンニトール、トウモロコシデンプン、クロスカルメロースナトリウム(Ac−Di−Sol、FMC社製)を小型万能混合機(調剤ミキサー、株式会社品川工業所製)に仕込み、混合した後、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達製)水溶液を添加して練合した。練合物を乾燥し、整粒した。得られた造粒物に、軽質無水ケイ酸およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)を混合後、単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、直径9mm、曲率半径14mmの円形錠用金型にて、約6kNの圧縮力で成型し、錠剤を得た。
下記処方に従い、トウモロコシデンプン(造粒用)および黄色三二酸化鉄を予備混合したのち、イルベサルタン、D−マンニトール、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)とともに小型万能混合機(調剤ミキサー、株式会社品川工業所製)に仕込み、混合した後、水を添加して練合した。練合物を乾燥し、整粒した。得られた造粒物に、スクラロース、トウモロコシデンプン(粉末混合用)、コーヒー香料、軽質無水ケイ酸およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)を混合後、単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、直径8mm、曲率半径12mmの円形錠用金型にて、約4kNの圧縮力で成型し、錠剤を得た。
下記処方に従い、トウモロコシデンプン(造粒用)および黄色三二酸化鉄を予備混合したのち、イルベサルタン、D−マンニトール、クロスポビドン(ポリプラスドンXL−10、ISP社製)を小型万能混合機(調剤ミキサー、株式会社品川工業所製)に仕込み、混合した後、メチルセルロース(メトローズSM−15、信越化学製)水溶液を添加して練合した。練合物を乾燥し、整粒した。得られた造粒物に、スクラロース、トウモロコシデンプン(粉末混合用)、クエン酸、チェリー香料、軽質無水ケイ酸およびフマル酸ステアリルナトリウム(PRUV、JRS PHARMA社製)を混合後、単発打錠機(EK0、KORSCH社製)を用いて、直径8mm、曲率半径12mmの円形錠用金型にて、約4kNの圧縮力で成型し、錠剤を得た。
実施例3〜10および比較例1〜2の錠剤について、口腔内崩壊錠試験器(富山産業株式会社 型式ODT−101)を用いて、試験液:水(37±1℃)、錘質量:15g、回転数:25rpmの条件にて崩壊時間を測定した。また、錠剤硬度計(富山産業株式会社 TH−203MP)を用いて硬度を測定し、得られた硬度を錠剤の破断面の面積で除した値を絶対硬度として表した。更に、第15改正日本薬局方溶出試験法(パドル法)に従って、溶出試験第2液での溶出試験を実施し、15分時点における溶出率を求めた。また、錠剤を口中に含み完全に崩壊させた際の服用感を判定した。これらの結果を表14に示した。
実施例3〜10の製剤はいずれも、15分溶出率が70%以上で良好であった。崩壊剤としてクロスポビドンまたはカルメロースを含有する実施例3〜9の製剤は、絶対硬度2.0N/mm2以上かつ崩壊時間が45秒以内であり、口腔内崩壊錠として十分な崩壊性を有していた。また、スクラロースを含有する実施例4〜9の製剤は、服用可能なレベルまで苦味が軽減されており、良好な服用感を有していた。
比較例1の製剤は、崩壊時間が27秒と早かったものの、15分溶出率が61%で、良好な溶出性とはいえなかった。比較例2の製剤は、崩壊時間が95秒と遅く、更に、15分溶出率が62%であり、崩壊性、溶出性ともに不十分であった。
Claims (22)
- (1)D−マンニトールを含む賦形剤、(2)イルベサルタン、(3)クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、およびカルメロースからなる群から選択される1種以上の崩壊剤、(4)ヒドロキシプロピルセルロースおよびポリビニルアルコールから選択される1種以上の結合剤、ならびに(5)滑沢剤(但し、ステアリン酸マグネシウムおよびフマル酸ステアリルナトリウムを除く。)を含有する医薬組成物。
- 賦形剤が、D−マンニトール、並びに糖類、糖アルコール類(D−マンニトールを除く。)、カオリン、リン酸水素カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、デンプン、および結晶セルロースからなる群から選択される1種以上を任意に含む、請求項1に記載の医薬組成物。
- 結合剤がポリビニルアルコールである、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
- 結合剤がヒドロキシプロピルセルロースである、請求項1又は2に記載の医薬組成物。
- 滑沢剤がステアリン酸カルシウム、モノステアリン酸グリセリン、パルミトステアリン酸グリセリル、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、タルク、カルナウバロウ、L−ロイシン、およびマクロゴールからなる群から選択される少なくとも1種以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- イルベサルタンの含量が20w/w%〜65w/w%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- イルベサルタンの含量が20w/w%〜60w/w%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- イルベサルタンの含量が30w/w%〜65w/w%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- イルベサルタンの含量が30w/w%〜60w/w%である、請求項8に記載の医薬組成物。
- 賦形剤の含量が20w/w%〜75w/w%である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 崩壊剤の含量が1w/w%〜20w/w%である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 結合剤の含量が0.01w/w%〜10w/w%である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 結合剤の含量が0.01w/w%〜5w/w%である、請求項12に記載の医薬組成物。
- 結合剤の含量が0.01w/w%〜2w/w%である、請求項13に記載の医薬組成物。
- 滑沢剤の含量が0.01w/w%〜5w/w%である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 医薬組成物が錠剤である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 医薬組成物が口腔内崩壊錠である、請求項1〜15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- さらに、デンプンを含有する、請求項17に記載の口腔内崩壊錠。
- さらに、界面活性剤を含有する、請求項17または18に記載の口腔内崩壊錠。
- さらに、矯味剤を含む、請求項17〜19のいずれか一項に記載の口腔内崩壊錠。
- さらに、有機酸またはその塩あるいはそれらの溶媒和物を含む、請求項17〜20のいずれか一項に記載の口腔内崩壊錠。
- さらに、香料を含む、請求項17〜21のいずれか一項に記載の口腔内崩壊錠。
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