JP2016178878A - 増殖礁 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きな波力が加わる浅海域に安定的に設置することが可能であると共に、飼料生物を増殖させる十分な表面積を確保することが可能で、さらに、表面側から内奥側に亘る全体で、恒常的に良好な潮通しを確保することが可能で、効率的な増殖作用を長期間にわたって確保できる増殖礁を提供する。【解決手段】縦向きの筒体状増殖用モジュール2と、増殖用モジュールの周側面を覆って設けられるコンクリート部とを備え、増殖用モジュールは、上端開口5a及び下端開口5bが格子材8a,8bで封鎖されたケーシング5と、ケーシング内部に設けられた充填層Aと生息用空間層Bとから構成され、充填層は、充填される多数の充填材9間に、上端開口及び下端開口と連通される通水経路が形成され、生息用空間層は、通水経路と相互に通水可能な洞空間Xを形成する立体フレームパーツ10を含み、生息用空間層は、ケーシング内部で、充填層の間に配置して設けられる。【選択図】図3

Description

本発明は、耐久性や腐食による強度劣化を避けることが可能であり、大きな波力が加わる浅海域に安定的に設置することが可能であると共に、コストアップを生じることなく、飼料生物を増殖させる十分な表面積を確保することが可能で、さらに、表面側から内奥側に亘る全体で、恒常的に良好な潮通しを確保することが可能で、効率的な増殖作用を長期間にわたって確保できる増殖礁に関する。
浅瀬である浅海域は、波高が頻繁に上下し、波速も速く、波の影響を受けやすい厳しい環境である。このような浅海域に設置され、魚介類などの餌となる飼料生物を育成し増殖させる増殖礁は、耐久性や腐食による強度劣化を防ぐために、コンクリートブロックや石材を充填した石籠の形態で形成されている。石籠の場合、容易に動いてしまうことがないように、コンクリート製土台上に載せて設置する場合もある。
多くの場合、増殖礁は、波力によって動かされることを避けるために、重量を確保しやすいコンクリートブロックで形成されている。飼料生物は増殖礁の表面に付着して増殖していくため、生物量は、コンクリートブロックの表面積の広さ次第となる。コンクリートブロックでは、表面積を広くしようとすると、その分材料費が嵩み、コストアップになってしまう。
石籠に多数の石材を詰めてコンクリート製土台に設置する方法だと、詰め込んだ石材個々の表面積により、コンクリートブロックの場合よりも、広い表面積を確保できる。石籠では、石材同士の間の狭い隙間に海水等が流れ、これにより潮通しが確保される。
多数の石材を単に充填しただけの石籠では、石材同士の隙間は、石籠の表面側でも、また内奥側でも、狭いものであり、恒常的な潮通しを石籠全体に確保することが難しく、次第に目詰まりが広がっていくと共に、石材同士が締め固まっていく経年劣化も相俟って、石材間の隙間がさらに狭まり、あるいは消失してしまって、結局、石籠の場合も、コンクリートブロックと同様に、飼料生物は石籠の表面でしか増殖しない。
コンクリート製土台を有する石籠では、石籠が受ける波力を土台で受けるため、安定的に設置するためには、土台が大型化し、そのためにコストアップになるという不利な点もある。
この種の増殖礁に関する技術として、特許文献1及び2が知られている。特許文献1の「人工魚礁ブロックおよび人工魚礁」は、従来のコンクリートブロックの人工魚礁に比べて、より安価に製造でき、付着性動植物の増殖が速く、自然環境を汚すことがなく、かつ、貝殻という産業廃棄物を利用することが可能な人工魚礁ブロックの実現を課題とし、海底に沈めて魚礁を構成する人工魚礁ブロックを、外周を形成する普通コンクリート体と、この普通コンクリート体外周部内に設けられた貝殻ポーラスコンクリート成形体とで構成している。
特許文献2の「丸鋼で加工した石籠の構造物」は、従来、金網篭を使用した石篭やコンクリートと複合して木の枝を立て込みながら魚礁林を海底に構築する魚類の増殖林などが提供されているが、前者には網加工の技術者が必要なこと、石を入れる石工技術者の問題、後者には公害汚染の問題があるとの課題に対し、石篭本体と石篭蓋部と大割石などの石から構成され、石篭本体は、丸鋼を四角目合いに溶接した網状体をもって形成された平面方形の底面枠と、底面枠の前後辺に起立する前後面枠と、底面枠の左右辺に起立する左右面枠から構成され、各枠は丸鋼コイルで連結され、石篭本体に大割石などの石を詰め込み、石篭蓋部をかぶせて、石篭蓋部の四辺と石篭本体とを丸鋼コイルで連結して構成している。石篭本体には、外側に面して、空間を形成する魚の隠れ家用円筒状網篭が部分的に配設されている。
特開2004−166655号公報 特開平11−293644号公報
特許文献1の貝殻ポーラスコンクリート成形体は、ポーラスが小さくかつ狭いため、潮通しに難点があり、十分な増殖作用が得られにくく、また、低強度かつ軽量であるため、耐久性が懸念されると共に、浅海域に安定的に設置するためには、普通コンクリート体を大型化する必要があって、コストアップになってしまうという課題がある。
特許文献2では、石篭本体内に、石を詰め込むことに加えて、空間を形成できる網篭が外側に面して部分的に配設されているが、石篭本体の内奥には、石同士の狭い隙間が形成されるだけであり、石篭本体に恒常的な潮通しを確保することが難しく、やはり次第に目詰まりが広がっていくと共に、石材同士が締め固まっていく経年劣化も相俟って、石間の隙間がさらに狭まり、あるいは消失してしまって、結局、飼料生物は石籠本体の表面でしか増殖できないという課題がある。
また、ウエイトとなるコンクリート部分が見受けられない分、重量不足が懸念され、浅海域に安定的に設置しておくことが難しいという課題がある。
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、耐久性や腐食による強度劣化を避けることが可能であり、大きな波力が加わる浅海域に安定的に設置することが可能であると共に、コストアップを生じることなく、飼料生物を増殖させる十分な表面積を確保することが可能で、さらに、表面側から内奥側に亘る全体で、恒常的に良好な潮通しを確保することが可能で、効率的な増殖作用を長期間にわたって確保できる増殖礁を提供することを目的とする。
本発明にかかる増殖礁は、上下方向縦向きの筒体状増殖用モジュールと、該増殖用モジュールの周側面を覆って設けられるコンクリート部とを備え、上記増殖用モジュールは、上端開口及び下端開口が格子材で封鎖されたケーシングと、該ケーシング内部に設けられた充填層と生息用空間層とから構成され、上記充填層は、充填される多数の充填材間に、上記上端開口及び上記下端開口と連通される通水経路が形成され、上記生息用空間層は、上記通水経路と相互に通水可能な洞空間を形成する立体フレームパーツを含み、上記生息用空間層は、上記ケーシング内部で、上記充填層の間に配置して設けられることを特徴とする。
前記生息用空間層は、前記立体フレームパーツが前記充填材中に分散配置されて構成され、前記充填層に対し、上下に重ねて配置されることを特徴とする。
前記生息用空間層は、前記増殖用モジュールの縦向き方向に一連に通水可能に、前記ケーシングの前記上端開口から前記下端開口に達する長さで形成された前記立体フレームパーツで構成され、前記充填層に対し、前後左右に並べて配置されることを特徴とする。
本発明にかかる増殖礁にあっては、耐久性や腐食による強度劣化を避けることができ、大きな波力が加わる浅海域に安定的に設置することができると共に、コストアップを生じることなく、飼料生物を増殖させる十分な表面積を確保することができ、さらに、表面側から内奥側に亘る全体で、恒常的に良好な潮通しを確保することができて、効率的な増殖作用を長期間にわたって確保することができる。
本発明に係る増殖礁の第1実施形態を示す斜視図である。 図1に示した増殖礁に備えられる筒体状増殖用モジュールを示す斜視図である。 図2に示した増殖用モジュールの側断面図である。 図2に示した増殖用モジュールの平面図である。 図2に示した増殖用モジュールに用いられる立体フレームパーツを示す斜視図である。 図1に示した増殖礁を製作するために、図2に示した増殖用モジュールをコンクリート打設用外型枠内方に設置した様子を示す斜視図である。 本発明に係る増殖礁の第2実施形態に備えられる増殖用モジュールを示す側断面図である。 図7に示した増殖用モジュールの平面図である。 図7に示した増殖用モジュールに用いられる立体フレームパーツを説明する説明図であって、図9(A)は角筒状タイプ、図9(B)は円筒状タイプの斜視図である。 第1及び第2実施形態で説明した増殖礁を上下に重ねて設置した様子を示す側面図である。
以下に、本発明にかかる増殖礁の好適な実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係る増殖礁の第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1に示した増殖礁に備えられる筒体状増殖用モジュールを示す斜視図、図3は、図2に示した増殖用モジュールの側断面図、図4は、図2に示した増殖用モジュールの平面図、図5は、図2に示した増殖用モジュールに用いられる立体フレームパーツを示す斜視図、図6は、図1に示した増殖礁を製作するために、図2に示した増殖用モジュールをコンクリート打設用外型枠内方に設置した様子を示す斜視図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る増殖礁1は、中央に配置され、飼料生物を増殖させるための増殖用モジュール2と、増殖用モジュール2の外周囲に形成され、増殖礁1を波力の強い浅海域に安定して設置できるようにするためのウエイトとなるコンクリート部3とから構成される。
図中、4は、コンクリート部3に定着して設けられ、増殖礁1の吊り上げなどに利用されるフックである。図示例では、増殖礁1は、平面外形輪郭が四角形状のブロック形態で形成されているが、円形状や多角形状など、どのような平面外形輪郭のブロック形態に形成してもよい。
図2〜図4に示すように、増殖用モジュール2は、上下方向に立てて用いられる、縦向きの筒体状に形成される。図示例では、増殖用モジュール2は、増殖礁1の平面外形輪郭に合わせて、平断面四角形状の筒体、言い換えれば直方体状に形成されているが、円筒体や、その他の平断面多角形状の筒体に形成してもよい。
増殖用モジュール2は主に、ケーシング5と、ケーシング5内部に設けられる充填層A及び生息用空間層Bとから構成される。ケーシング5は本実施形態にあっては、前後左右4つの側面、上面及び底面を区画する直方体状フレーム6と、各側面に内張りされてこれら側面を封鎖する面材7とから構成される。
直方体状フレーム6のすべての側面が面材7で封鎖されることにより、ケーシング5には、上面及び底面に、上端開口5a及び下端開口5bが形成される。これら上端開口5a及び下端開口5bは、直方体状フレーム6に取付固定される上格子材8a及び下格子材8bにより、ケーシング5内部へ通水可能に封鎖される。
直方体状フレーム6は詳細には、四隅に配設される柱材6aと、隣接する柱材6a同士を、ケーシング5の周方向に沿って、上下三段で横方向に連結する上桟材6b、中桟材6c及び下桟材6dとから構成される。上桟材6b、中桟材6c及び下桟材6dの長さ方向両端部がそれぞれ柱材6aに接合されて、直方体状フレーム6が構成される。これら柱材6a、上桟材6b、中桟材6c、並びに下桟材6dにはいずれも、断面L型の鉄材やFRP材が用いられる。
特に、中桟材6cは、その出隅を柱材6a側に向けて接合され、これにより、ケーシング5外方へ迫り出して、定着用突縁6eが形成される。
面材7は、鉄板やFRP板で形成され、ケーシング5の各側面を塞ぐように、少なくとも隣接する一対の柱材6a及び下桟材6dに対して接合される。下格子材8bは、ケーシング5の底面、すなわち下端開口5bを塞ぐように、下桟材6dに接合固定される。上格子材8aは、充填層A及び生息用空間層Bをケーシング5内に組み込んだ後、当該ケーシング5の上面、すなわち上端開口5aを塞ぐように、上桟材5bに接合固定される。これら格子材8a,8bも鉄材やFRP材で形成される。
増殖用モジュール2内部では、生息用空間層Bは、充填層Aの間に配置して設けられる。第1実施形態では図3に示すように、生息用空間層Bは、充填層Aに対し、上下に重ねて配置される。具体的には、ケーシング5、あるいは増殖用モジュール2の最上層及び最下層に充填層Aが配置され、これら充填層Aの間に生息用空間層Bが配置される。
充填層Aは、図3及び図4に示すように、充填材9と充填材9との間の隙間が通水経路となるように、多数の充填材9が充填されて形成される。
第1実施形態では、最上層と最下層に充填層Aが形成され、最上層の充填層Aは、上端開口5aと連通され、ひいては増殖用モジュール2外方の海中と連通されると共に、最下層の充填層Aは、下端開口5bと連通され、最上層の充填層Aと同様に、増殖用モジュール2外方の海中と連通される。これにより、増殖用モジュール2内部の充填層Aには、その通水経路に海水が流通される。
本実施形態では、充填材9として割瓦が用いられる。充填材9として、石材や貝殻を用いるようにしてもよい。瓦材は、素焼・釉薬・いぶしなどの塗装による表面処理が施されているものが多い。アーチ状の瓦を割った割瓦の場合には、増殖用モジュール2を上から見下ろして、アーチが目視されるように立てて充填することで、適切に十分な容量で通水経路を確保することができる。
生息用空間層Bは、充填層Aの通水経路と相互に通水可能で、当該通水経路の経路内径よりも十分に大きな容積の洞空間Xを形成する立体フレームパーツ10を含んで構成される。第1実施形態では、生息用空間層Bは、充填材9中に、充填材9よりも小さな立体フレームパーツ10が分散配置されて構成される。
本実施形態では、立体フレームパーツ10は図5に示すように、各辺を線材でつないだ立方体状もしくは直方体状に形成されている。立体フレームパーツ10は、球体状等、その他の形態であってもよい。立体フレームパーツ10も、鉄材もしくはFRP材で形成される。
立体フレームパーツ10が形成する洞空間Xは、立体フレームパーツ10を取り囲む充填材9の通水経路と連通され、通水経路に流通する海水が流れ込み、また通水経路へと流れ出して、増殖用モジュール2内に良好な潮通しを確保する。
図6に示すように、増殖用モジュール2は、コンクリート部3を形成するための外型枠11内部に設置され、これら外型枠11と増殖用モジュール2との間にコンクリートが充填される。充填されるコンクリートによって、増殖用モジュール2の周側面を覆ってコンクリート部3が形成され、これにより、増殖礁1が作製される。中桟材6cの定着用突縁6eにより、増殖用モジュール2とコンクリート部3との付着性が高められて、これらが一体化される。
次に、第1実施形態に係る増殖礁1の作用について説明する。増殖礁1は、増殖用モジュール2内の充填材9及びコンクリート部3がウエイトとなって、浅海域に設置される。増殖礁1には、格子材8a,8bで封鎖されたケーシング5の上端開口5a及び下端開口5bから海水が浸入する。浸入した海水は、増殖用モジュール2の充填層Aの通水経路を流通し、また当該通水経路から、生息用空間層B中に立体フレームパーツ10で形成した洞空間Xへも流入し、当該洞空間Xから流出する。
充填層Aと生息用空間層Bとを分け、生息用空間層Bに洞空間Xを形成したので、通水経路を海水がより流通しやすくなり、また、飼料生物の生息域も確保できると共に、増殖用モジュール2の表面側(上端開口5a及び下端開口5b)から内奥側(生息用空間層B)までにわたり、恒常的に良好な潮通しを確保できて、飼料生物の増殖を促進することができる。
また、恒常的に良好な潮通しが確保されることにより、少なくとも通水経路が短期に目詰まりしてしまうことを抑制できる。本実施形態では、充填材9として割瓦を採用しているので、一般的な石材を用いる場合よりも、目詰まりしにくく、また配列を揃えるなどすることで、締め固まっていく経年変化も抑制することができる。従って、長期にわたり、飼料生物の効率的な増殖作用を維持・促進することができる。
増殖礁1は、コンクリート部3を備えて構成されているので、大きな波力が加わる浅海域に安定して設置することができる。増殖礁1は、割瓦を採用した充填材9、鉄製やFRP製のケーシング5及び格子材8a,8b、並びにコンクリート部3から構成されるので、耐久性に優れ、腐食による強度劣化を抑制することができる。割瓦を用いた充填層Aや生息用空間層Bを備えるので、飼料生物を増殖させる表面積を、コストアップなく確保することができる。
図7〜図9には、本発明に係る増殖礁の第2実施形態が示されている。以下、第1実施形態と異なる構成について説明する。図7は、第2実施形態に係る増殖礁の増殖用モジュールを示す側断面図、図8は、図7に示した増殖用モジュールの平面図、図9は、図7に示した増殖用モジュールに用いられる立体フレームパーツを説明する説明図であって、図9(A)は角筒状タイプ、図9(B)は円筒状タイプの斜視図である。
第2実施形態では、図7及び図8に示すように、生息用空間層Bは、増殖用モジュール2を構成するケーシング5の上下縦向き方向に一連に通水可能に、ケーシング5の上端開口5aから下端開口5bに達する長さで形成された立体フレームパーツ10で構成される。
立体フレームパーツ10は、図9(A)に示すように、四隅の縦向き線材10aと、隣接する縦向き線材10a同士を、上下多段で横方向に連結する横向き線材10bとによって、角筒状に形成される。あるいは、立体フレームパーツ10は、図9(B)に示すように、上下方向に間隔を隔てて配列した円形状線材10cを、それらの周りに配列した複数本の縦向き線材10aで連結して、円筒状に形成される。
立体フレームパーツ10は例えば、下格子材8bに番線等で仮止めして設置される。立体フレームパーツ10は、増殖用モジュール2内部にこれを上下に貫通する大きな空間を確保する態様で、生息用空間層Bを形成する。第2実施形態では、生息用空間層Bは、上端開口5a及び下端開口5bと直接連通され、増殖用モジュール2外方の海中と連通されて、その内部に海水が流通される。
第2実施形態では、立体フレームパーツ10自体で形成された生息用空間層Bの周囲に、第1実施形態と同様に、充填層Aが形成される。従って、第2実施形態では、生息用空間層Bの周囲に、前後左右に並べる形態で、充填層Aが配置される。第2実施形態では、横並びの充填層Aは、上端開口5a及び下端開口5bと連通され、ひいては増殖用モジュール2外方の海中と連通されて、それらの通水経路に海水が流通される。
立体フレームパーツ10は、これを取り囲む充填層Aの通水経路にも連通され、通水経路を流通する海水が流れ込み、また通水経路へと流れ出して、良好な潮通しが確保される洞空間Xを有する生息用空間層Bを形成する。
次に、第2実施形態に係る増殖礁1の作用について説明する。第2実施形態の増殖礁1には、格子材8a,8bで封鎖されたケーシング5の上端開口5a及び下端開口5bから海水が浸入する。浸入した海水は、洞空間Xを構成する立体フレームパーツ10で形成した生息用空間層Bに直接流入すると同時に、充填層Aの通水経路にも流通し、当該通水経路に流入した海水はさらに、生息用空間層Bの洞空間Xへも流入し、また当該洞空間Xから流出する。
充填層Aと生息用空間層Bとを分け、生息用空間層Bに洞空間Xを形成したので、通水経路を海水がより流通しやすくなり、また、飼料生物の生息域も確保できると共に、増殖用モジュール2の表面側(上端開口5a及び下端開口5b)から内奥側までにわたり、恒常的に良好な潮通しを確保できて、飼料生物の増殖を促進することができる。
また、第2実施形態では、立体フレームパーツ10で形成される洞空間Xが増殖用モジュール2を上下方向に貫通していて、水流を上下に流通させることができるので、波力が増殖礁1を浮き上がらせる揚圧力を緩和することができ、増殖礁1の設置安定性を向上することができる。変形例として、充填層A中の上下中間部分に、上記第1実施形態の立体フレームパーツ10を点在させて設置するようにしてもよい。
図10には、上記第1及び第2実施形態の変形例が示されている。図10は、第1及び第2実施形態で説明した増殖礁1を上下に重ねて設置した様子を示す側面図である。図示するように、コンクリート部3に脚部3aを形成し、上下に配置される増殖礁1間に、脚部3aで海水が流入する間隙を確保するようにして、一箇所に増殖礁1を多段に設置するようにしてもよい。
1 増殖礁
2 増殖用モジュール
3 コンクリート部
5 ケーシング
5a 上端開口
5b 下端開口
8a,8b 格子材
9 充填材
10 立体フレームパーツ
A 充填層
B 生息用空間層
X 洞空間

Claims (3)

  1. 上下方向縦向きの筒体状増殖用モジュールと、該増殖用モジュールの周側面を覆って設けられるコンクリート部とを備え、
    上記増殖用モジュールは、上端開口及び下端開口が格子材で封鎖されたケーシングと、該ケーシング内部に設けられた充填層と生息用空間層とから構成され、
    上記充填層は、充填される多数の充填材間に、上記上端開口及び上記下端開口と連通される通水経路が形成され、
    上記生息用空間層は、上記通水経路と相互に通水可能な洞空間を形成する立体フレームパーツを含み、
    上記生息用空間層は、上記ケーシング内部で、上記充填層の間に配置して設けられることを特徴とする増殖礁。
  2. 前記生息用空間層は、前記立体フレームパーツが前記充填材中に分散配置されて構成され、前記充填層に対し、上下に重ねて配置されることを特徴とする請求項1に記載の増殖礁。
  3. 前記生息用空間層は、前記増殖用モジュールの縦向き方向に一連に通水可能に、前記ケーシングの前記上端開口から前記下端開口に達する長さで形成された前記立体フレームパーツで構成され、前記充填層に対し、前後左右に並べて配置されることを特徴とする請求項1に記載の増殖礁。
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