JP2016169469A - 繊維強化樹脂用繊維の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】繊維間にマトリックス樹脂が含浸しやすい繊維強化樹脂用繊維の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の繊維強化樹脂用繊維の製造方法は、サイジング剤が付着した炭素繊維を、波長400nm以下の紫外線照射及びプラズマ処理からなる群から選ばれる少なくとも一つの処理をすることにより、マトリックス樹脂の含浸性を高める。これにより、マトリックス樹脂との濡れ性を高くし、繊維間にマトリックス樹脂が含浸しやすい炭素繊維を提供できる。前記波長400nm以下の紫外線照射は、エキシマランプ照射または低圧水銀ランプ照射が好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂の含浸性を高めた繊維強化樹脂用繊維の製造方法に関する。
炭素繊維強化樹脂(CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics)やガラス繊維強化樹脂は、高強度、軽量等の特色を生かして、ゴルフクラブのシャフト、釣竿等の各種スポーツ用品、航空機、自動車、圧力容器などに広く応用され或いは今後の応用が期待されている。繊維強化樹脂の一般的な成形方法として、例えばハンドレイアップ法、スプレーアップ法などの接触圧成形法、フィラメント・ワインディング(FW)法、引き抜き法、連続積層法などの連続成形法などを使用して目的の成形物に成形している。使用されるマトリックス樹脂は、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が使用されている。また、マトリックス樹脂との親和性を高めるため、マトリックス樹脂に応じたサイジング剤を強化用繊維表面に付着させている(以上、非特許文献1)。
従来技術として、アクリル基とエポキシ基を有する炭素繊維用サイジング剤を使用する提案がある(特許文献1)。また、サイジング剤を付着させる前の炭素繊維表面をオゾン酸化させる提案もある(特許文献2)。
特開2000−355884号公報 特開2009−79344号公報
繊維学会編「第3版繊維便覧」,丸善,2004年12月15日,598−601頁,614−615頁
しかし、従来技術のサイジング剤を付着させた炭素繊維は、ガラス繊維に比べ繊維径が小さいため、ガラス繊維と比較してマトリックス樹脂が含浸しにくいという問題があった。また、ガラス繊維についても、さらに高い樹脂の含浸性が求められていた。
本発明は、前記従来の問題を解決するため、マトリックス樹脂との濡れ性を高め、繊維間にマトリックス樹脂が含浸しやすい樹脂強化用繊維の製造方法を提供する。
本発明の繊維強化樹脂用繊維の製造方法は、繊維は炭素繊維及びガラス繊維から選ばれる少なくとも一つであり、サイジング剤が付着した繊維を、オゾン酸化、波長400nm以下の紫外線照射及びプラズマ処理からなる群から選ばれる少なくとも一つの処理をすることにより、マトリックス樹脂の含浸性を高めたことを特徴とする。
本発明は、サイジング剤が付着した炭素繊維をオゾン酸化、エキシマランプ照射や低圧水銀ランプ照射等の波長400nm以下の紫外線照射及びプラズマ照射からなる群から選ばれる少なくとも一つの処理をすることにより、マトリックス樹脂との濡れ性を高め、炭素繊維間にマトリックス樹脂が含浸しやすい炭素繊維を提供できる。また、ガラス繊維についても、親和性を上げるためにサイジング剤を付着していることが多く、炭素繊維に比べると樹脂の含浸性は高いが、より高めることにより、含浸作業工程を短縮化できるメリットがある。
図1は本発明の一実施形態を示す多軸挿入たて編物の概念斜視図である。 図2は本発明の一実施例の樹脂含浸性を示すグラフである。 図3は本発明の一実施例のインフュージョン成形を説明する模式図である。
通常の炭素繊維は樹脂との親和性を上げるためにサイジング剤が付着した状態で販売されている。本発明はこのような市販のサイジング剤が付着した炭素繊維をオゾン酸化、エキシマランプ照射や低圧水銀ランプ照射等の波長400nm以下の紫外線照射及びプラズマ照射からなる群から選ばれる少なくとも一つの処理をする。同様にガラス繊維も、市販のサイジング剤が付着したガラス繊維、あるいはサイジング剤を付着させた後のガラス繊維にオゾン酸化、エキシマランプ照射や低圧水銀ランプ照射等の波長400nm以下の紫外線照射及びプラズマ照射からなる群から選ばれる少なくとも一つの処理をする。これにより、サイジング剤を活性化しマトリックス樹脂との濡れ性をさらに良好にして含浸性をさらに高めることができる。
(1)オゾン酸化
オゾンの発生方法としては、無声放電方式、沿面放電方式、紫外線照射方式、電気分解方式などがある。大容量のオゾン生成には効率の面から、主に無声放電方式が利用されている。現在、放電型オゾナイザとして最も一般的に用いられている放電方式である。一対の平行電極の一方または両方に誘電体(主にガラスやセラミックス)の層を設け、両電極間に交流高電圧が印加されると無声放電が生じる。オゾン濃度は例えば40000ppmとする。処理時間は2〜30分間が好ましい。
(2)エキシマランプ照射
エキシマランプとは、誘電体バリア放電の短時間放電が多数生じる特徴を生かして、希ガス原子や、希ガス原子とハロゲン原子によって形成されるエキシマからの光を放射する放電ランプのことである。エキシマランプの代表的放射波長には、Ar2*(126nm)、Kr2*(146nm)、Xe2*(172nm)、KrCl*(222nm)、XeCl*(308nm)などがある。ランプは石英ガラスの二重構造になっており、内管の内側には金属電極、外管の外側には金属網電極がそれぞれ施され、石英ガラス管内には放電ガスが充填されている。電極に交流の高電圧を印加すると、2つの誘電体の間で細い針金状の放電プラズマ(誘電体バリア放電)が多数発生する。この放電プラズマは高エネルギーの電子を包含しており、かつ、瞬時に消滅するという特徴を持っている。この放電プラズマにより、放電ガスの原子が励起され、瞬間的にエキシマ状態となる。このエキシマ状態から元の状態(基底状態)に戻るときに、そのエキシマ特有のスペクトルを発光(エキシマ発光)する。発光スペクトルは、充填された放電ガスによって設定することができる。
好ましい照射条件は波長によって異なる。波長172nmの場合、光強度は例えば5〜6mW/cm2とすると、照射時間は0.5〜30分程度が好ましい。波長222nmの場合、光強度は例えば40〜60mW/cm2とすると、照射時間は2〜30分程度が好ましい。ランプと被処理物との間に空気層(ギャップ)があると、波長172nmの場合、空気中の酸素が光エネルギーを吸収してオゾンが発生するので、オゾンによる酸化作用も起きる。
(3)低圧水銀ランプ照射
低圧水銀ランプ(低圧UVランプ)は、点灯中の水銀圧力が100Pa以下の水銀蒸気中のアーク放電の発光を利用する。発光管にはアルゴンガスなどの希ガスと、水銀又はそのアマルガムが封入されている。波長185nm,254nmなどの紫外放射のランプがある。光強度は例えば40〜60mW/cm2とする。照射時間は2〜30分程度が好ましい。
(4)プラズマ照射処理
プラズマは一般的には気体を構成する分子が部分的に又は完全に電離し、陽イオンと電子に分かれて自由に運動している状態のものである。プラズマ処理装置を使用して炭素繊維にプラズマ照射する条件は、照射量としてワット密度(W・分/m2)で表現すると、1000〜50000W・分/m2が好ましい。また、窒素ガス又は窒素+酸素ガス雰囲気で処理速度(被処理物移動速度)0.05〜1m/minが好ましい。
以上の処理は単独でも任意に組み合わせても良い。これらの処理により、繊維表面のサイジング剤を活性化し、マトリックス樹脂との濡れ性をさらに良好にして含浸性をさらに高めることができる。より具体的にはサイジング剤の分子を切断したり、水酸基、カルボニル基、カルボキシル基、アンモニウム基、或いはこれらの遷移状態の中間体や類似基を形成して活性化されると推測される。繊維表面のサイジング剤の活性化の程度は、水との接触角により評価できる。後記する実施例においては、繊維表面の水との接触角を測定することにより評価した。
繊維は単繊維であっても良いし、複数本の場合は少なくとも一方向に揃えて配列されていてもよい。単繊維の繊度はいかなる繊度であっても良い。
複数本の繊維はシート状に形成されていてもよい。このような繊維としては、例えば構成繊維を一方向に揃えたスダレ状基材、織物、編み物、組物又は多軸挿入たて編み物等がある。
サイジング剤は、マトリックス樹脂と親和性の高いものを使用することが多く、本発明にはどのような種類のサイジング剤でも適用できる。さらに好ましいサイジング剤は汎用性の高いエポキシ系樹脂である。サイジング剤の好ましい付着量は0.1〜5.0重量%であり、さらに好ましくは0.2〜3.0重量%である。
マトリックス樹脂は、熱硬化性樹脂を使用でき、例としてエポキシ、不飽和ポリエステル、フェノールなどの樹脂がある。
次に図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施形態における繊維シート10の斜視図である。この繊維シート10は、多軸挿入たて編み物の概念図を示している。サイジング剤が付着された炭素繊維又はガラス繊維1〜6は、予め本発明の活性化処理を行うか、または繊維シートにした後に活性化処理を行う。この複数本の繊維を束ねた繊維束が一方向に引き揃えられ繊維シート10が形成される。この繊維1〜6を図1に示すように複数方向に異ならせて積層し、編針7に掛けられたステッチング糸8,9によって厚さ方向にステッチング(結束)し、一体化する。このような多軸挿入たて編み物を繊維シート10とし、マトリックス樹脂と一体成形する。この多軸状の積層シートは、多方向の補強効果に優れた繊維強化樹脂を得ることが可能となる。ステッチング糸の代わりに、熱融着糸又は併用してバインダーを用いても良い。
なお、本発明の繊維強化樹脂用繊維の動的接触角の前進接触角または後退接触角は、未処理品に比べて低いことが必要で、好ましくは5°以上低く、10°以上低いことがより好ましい。繊維の動的接触角の前進接触角及び後退接触角の測定方法は実施例において説明する。
以下実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜6、比較例1)
(1)炭素繊維
炭素繊維は三菱レーヨン社製、品番:PYROFILE TRH50 60M、形状:ラージトゥ フィラメント、単繊維繊度6μmを使用した。この炭素繊維にはエポキシ系化合物がサイジング剤として付着されている。
(2)炭素繊維の表面処理
(a)エキシマランプ照射処理
エキシマランプは下記の2種類がある。
(a-1)エキシマランプ(エネルギー波長:172nm)
メーカー:ウシオ電機社製
ランプ:キセノン
型式:H0011
光強度:5.5mW/cm2(実測値)
石英ガラスとの被処理物とのギャップの違いでオゾン酸化のあり、なし条件を設定できる。ギャップがあると空気中の酸素が光エネルギーを吸収してオゾンが発生する。ランプと被処理物との間は窓板で仕切られ、ランプ側は窒素ガス下で、被処理物側は空気下である。窓板からの距離(ギャップ)0mm(窓板に密着)の場合と0.5〜1mmの場合について処理を行った。光強度と処理時間は表1に示す。
(a-2)エキシマランプ(エネルギー波長:222nm)
メーカー:エム・ディ・エキシマ社製
ランプ:クリプトン塩素
型式:MEIR-1-200-222-K
光強度:53mW/cm2(実測値)
ランプおよび被処理物は空気下にある。
(b)低圧水銀ランプ照射処理
セン特殊光源社製、低圧水銀ランプ照射装置、型式:UVL10D(エネルギー波長:185nm,254nm)を用いた。光強度と処理時間は表1に示す。なお、低圧水銀ランプは、185nm、254nmの2種類の発光スペクトルを同時に発光している。185nmのスペクトルがオゾンを発生させる。ランプおよび被処理物は空気下にある。
(c)オゾン酸化処理
酸素ボンベから酸素を供給して、下記のオゾンガス発生器でオゾンを発生させた。単繊維のオゾン酸化処理は、ある密閉空間に単繊維を入れて、オゾン雰囲気にさらして行った。オゾン生成能力は、1ユニットで2.16g/h(電圧100V、酸素ガス濃度90%、流量1L/min)のものを3台使用して約6g/hとなる。
オゾン発生器
メーカー:リガルジョイント社製
型番:ORZ−3.2
生成方法:無声放電
オゾン濃度:40000ppm
(d)プラズマ処理
メーカー:積水化学工業社製
方式:積水化学社独自のパルスプラズマ方式(パルスプラズマ方式は、パルス電源によって、ガスを選ばない大気圧プラズマで、プラズマ空間にて生成したラジカルを効率的に活用して、濡れ性・密着性を向上している。)
窒素ガス雰囲気中及び窒素+酸素ガス雰囲気中で、発生させたプラズマ中を、被処理物を一定速度でくぐらせることにより処理を行った。ワット密度と処理時間は表1に示す。
(3)炭素繊維と水との動的接触角の測定
炭素繊維とマトリックス樹脂との含浸性は、炭素繊維と水との親和性に相関すると考え、炭素繊維と水との動的接触角の測定をした。測定機器と測定方法は次のとおりである。
(a)測定機器(表面張力計)
メーカー:Biolin Scientific社(日本販売代理店:アルテック社)
測定機器:Sigma700
(b)測定方法
炭素繊維単繊維の動的接触角(前進接触角及び後退接触角)はヒステリシスを測定することで算出した。まず、10本の単繊維を並列に並べてアルミ箔に貼り付け、水(蒸留水)と垂直になるように10本の単繊維を同時に水にある一定の深さまで含浸させ、引き抜く操作を5サイクル実施した。この5サイクルのヒステリシスを測定し、前進接触角及び後退接触角を計算した。
(c)測定条件
Speed up: 5 mm/min
Speed down: 5 mm/min
Start depth: -1 mm
Immersion depth: 3 mm
Ignore first: 0 mm
Wait when up: 0 sec
Wait when down: 0 sec
Sample interval: 0 sec
Detect range: 5 mN/m
Return position: 5 mm
Return speed: 40 mm/min
R(周長) *10本換算: 0.19 mm
(d)計算方法
前進接触角及び後退接触角をヒステリシス測定と次式で算出する。
Wetting force = γLVRcosθ
(γLV:溶液の表面張力、R:試料の周長、θ:接触角)
なお、計算ソフトは表面張力計に組み込まれている。
以上の実施例1〜6の結果を表1にまとめて示す。なお、比較例1は表面処理の無い炭素繊維とした。
Figure 2016169469
表1から明らかなとおり、サイジング剤が付着した炭素繊維をオゾン酸化、エキシマランプ照射、低圧水銀ランプ照射、プラズマ処理するにより、水との動的接触角は小さくなった。このことは、炭素繊維表面のサイジング剤を活性化させ、マトリックス樹脂との濡れ性を高め、繊維間にマトリックス樹脂が含浸しやすい炭素繊維が得られたことを意味する。
次に前記と同様に表面処理した炭素繊維を使用して樹脂含浸性評価をした。
(1)評価サンプル
短冊状に開繊した炭素繊維(開繊糸)をデシケータ内に入れ、真空にした後、オゾン雰囲気(濃度40000ppm)に30分間接触させて処理したものと、未処理のものを準備した。開繊糸の目付は約94g/m2である。
(2)評価方法
未処理およびオゾン処理した開繊糸それぞれについて、ガラス板上に幅約200mm、長さ約230mmの大きさで並べ、同じ方向に30枚積層して約2820g/m2の目付の基材を準備した。これを図3に示すインフュージョン成形の常法に従い、周囲をシーラント14a,14bで囲み、基材12の上にはく離フィルム13、メディアシート15、フィルム16を重ねて密閉し、長さ方向の一方の排出口19から矢印20方向へ一定の真空度で真空引きし、他方の供給口18からマトリックス樹脂17を流して、樹脂が含浸した面積(%)の時間経過をガラス板11の下面から観察した。
マトリックス樹脂:エポキシ系樹脂(HUNTSMAN社製)
主剤:Araldaite LY1564SP 100重量部
硬化剤:Aradur 3416 34重量部
を混合した(粘度200〜320mPa・s(25℃))。
(3)結果
オゾン処理した炭素繊維は、未処理のものと比較して樹脂含浸面積の広がりで測定したところ、約40%含浸速度が上がった(表2及び図2参照)。
Figure 2016169469
次に、この含浸させて作成した炭素繊維強化樹脂について、力学特性を測定し、未処理品とオゾン処理品を比較した。力学特性として、繊維体積含有率、荷重たわみ温度、引張特性(応力、弾性率、破壊時伸び)、曲げ特性(応力、弾性率)、圧縮特性(応力、弾性率、破壊時伸び)を測定した。
その結果、オゾン処理した炭素繊維で作製した炭素繊維強化樹脂の力学特性は未処理品のそれと差は見られなかった(表3参照)。
Figure 2016169469
(実施例7〜12、比較例2)
次にガラス繊維の表面処理試験を行った。
(1)ガラス繊維
ガラス繊維はOWENS CORNING社製、品番:Advantex T30、形状:ダイレクトロービング、単繊維繊度17μmを使用した。このガラス繊維にはエポキシシラン系化合物がサイジング剤として付着されている。
(2)ガラス繊維の表面処理
実施例1〜6の炭素繊維と同様に表面処理した。
(3)ガラス繊維と水との動的接触角の測定
ガラス繊維は、5本の単繊維を並列に並べてアルミ箔に貼り付け測定した。5本換算のR(周長)は0.27mm。その他の測定条件は炭素繊維の場合と同じである。結果は表4に示す。
Figure 2016169469
表4からも明らかなとおり、表面処理したガラス繊維は、水との動的接触角は小さくなった。このことは、ガラス繊維表面のサイジング剤を活性化させ、繊維間にマトリックス樹脂が含浸しやすいガラス繊維が得られたことを意味する。
本発明の炭素繊維強化樹脂及びガラス繊維強化樹脂は、風力発電に使用するブレード、ゴルフクラブのシャフト、釣竿等の各種スポーツ用品、航空機、自動車、圧力容器などに広く応用できる。
1〜6 炭素繊維又はガラス繊維
7 編針
8,9 ステッチング糸
10 繊維シート
11 ガラス板
12 基材
13 はく離フィルム
14a,14b シーラント
15 メディアシート
16 フィルム
17 マトリックス樹脂
18 供給口
19 排出口
本発明の繊維強化樹脂用繊維の製造方法は、サイジング剤が付着した炭素繊維を、波長400nm以下の紫外線照射及びプラズマ処理からなる群から選ばれる少なくとも一つの処理をすることにより、マトリックス樹脂の含浸性を高めたことを特徴とする。
本発明は、サイジング剤が付着した炭素繊維を、エキシマランプ照射や低圧水銀ランプ照射等の波長400nm以下の紫外線照射及びプラズマ照射からなる群から選ばれる少なくとも一つの処理をすることにより、マトリックス樹脂との濡れ性を高め、炭素繊維間にマトリックス樹脂が含浸しやすい炭素繊維を提供できる
(1)オゾン酸化(参考例)
オゾンの発生方法としては、無声放電方式、沿面放電方式、紫外線照射方式、電気分解方式などがある。大容量のオゾン生成には効率の面から、主に無声放電方式が利用されている。現在、放電型オゾナイザとして最も一般的に用いられている放電方式である。一対の平行電極の一方または両方に誘電体(主にガラスやセラミックス)の層を設け、両電極間に交流高電圧が印加されると無声放電が生じる。オゾン濃度は例えば40000ppmとする。処理時間は2〜30分間が好ましい。
(実施例1〜4,6、比較例1、実施例5は参考例
(1)炭素繊維
炭素繊維は三菱レーヨン社製、品番:PYROFILE TRH50 60M、形状:ラージトゥ フィラメント、単繊維繊度6μmを使用した。この炭素繊維にはエポキシ系化合物がサイジング剤として付着されている。

Claims (6)

  1. 繊維強化樹脂用繊維の製造方法であって、
    前記繊維は炭素繊維及びガラス繊維から選ばれる少なくとも一つであり、
    サイジング剤が付着した繊維を、オゾン酸化、波長400nm以下の紫外線照射及びプラズマ処理からなる群から選ばれる少なくとも一つの処理をすることにより、マトリックス樹脂の含浸性を高めたことを特徴とする繊維強化樹脂用繊維の製造方法。
  2. 前記波長400nm以下の紫外線照射は、エキシマランプ照射または低圧水銀ランプ照射である請求項1に記載の繊維強化樹脂用繊維の製造方法。
  3. 前記繊維は、少なくとも一方向に揃えて配列されている請求項1又は2に記載の繊維強化樹脂用繊維の製造方法。
  4. 前記繊維はシート状に形成されている請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化樹脂用繊維の製造方法。
  5. 前記サイジング剤は、エポキシ系樹脂である請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化樹脂用繊維の製造方法。
  6. 前記繊維強化樹脂用繊維の動的接触角の前進接触角または後退接触角が未処理品に比べて低い請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化樹脂用繊維の製造方法。
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