JP2016169173A - オキシムスルホネート化合物、光酸発生剤、レジスト組成物、カチオン重合開始剤、およびカチオン重合性組成物 - Google Patents

オキシムスルホネート化合物、光酸発生剤、レジスト組成物、カチオン重合開始剤、およびカチオン重合性組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】光酸発生剤およびカチオン重合開始剤として有用なオキシムスルホネート化合物、光酸発生剤、レジスト組成物、カチオン重合開始剤、およびカチオン重合性組成物を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)、

で表されるオキシムスルホネート化合物であり、上記式(I)中、Rは、炭素原子数4以上の直鎖、環状または分岐アルキル基であり、Rは、炭素原子数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜20のアリール基等で表される基を表す。
【選択図】図1

Description

本発明は、オキシムスルホネート化合物、光酸発生剤、レジスト組成物、カチオン重合開始剤、およびカチオン重合性組成物に関し、詳しくは、光酸発生剤およびカチオン重合開始剤として有用なオキシムスルホネート化合物、光酸発生剤、レジスト組成物、カチオン重合開始剤、およびカチオン重合性組成物に関する。
オキシムスルホネート化合物は、光等のエネルギー線照射を受けることで酸を発生する物質であり、半導体等の電子回路形成に用いるフォトリソグラフィー用レジスト組成物における光酸発生剤や、光造形用樹脂組成物、塗料、コーティング、接着剤、インク等の光重合性組成物におけるカチオン重合開始剤等に使用されている。
特許文献1には、所定の構造を有するオキシムスルホネートを含有する、高感度で高解像度の、化学的に増幅されたポジティブ機能性及びネガティブ機能性ホトレジストが開示されている。また、特許文献2には、露光に使用する活性光に対する透明性が優れ、かつ発生する酸の強度が高く、レジスト溶媒に対する溶解性の良好なオキシムスルホネート化合物が開示されておいる。さらに、特許文献3には、高感度且つ高い透明性を実現するレジストを作製できるベンジルシアニド系オキシムスルホネート化合物が開示されている。
特許3486850号 特許3830183号 特許5339028号
しかしながら、特許文献1のオキシムスルホネート化合物は、特許文献1中の一般式(I)において、Rがベンゼン環であるときの置換基であるR−Xは、Rが水素原子、炭素原子数1ないし4のアルキル基、またはフェニル基、Xが酸素原子または硫黄原子であることが開示されているが、これらの置換の種類、置換の数、置換の位置等による性質や性能の違いについては検討されていない。また、特許文献2におけるオキスムスルホネート化合物においては、特許文献2中の一般式において、Rが非芳香族性炭化水素基であることが開示されているのみである。
また、特許文献3のベンジルシアニド系オキシムスルホネート化合物は、特許文献3中の一般式(I)において、ベンゼン環の置換基であるR、Rとして、炭素原子数1〜10のアルコキシ基が開示されているが、これらの置換の種類、置換の数、置換の位置等による性質や性能の違いについては検討されていない。
フォトレジストに使用される光酸発生剤または光造形用樹脂組成物、接着剤、インク等に使用されるカチオン重合開始剤の光源としては、EUV(ExtremeUltra−Violet)、X線、F、ArF、KrF、I線、H線、G線等の遠紫外線、電子線、放射線がよく用いられている。これらの光源を用いる場合には、i線(365nm)の吸収が低いものが、深部硬化性が高く、厚膜において有用であるため優位である。また、高精細パターニングへの対応、工程の短縮化への対応の観点では、フォトレジストやカチオン重合系には、充分な量の酸発生剤を含有させるか、酸発生率が良好な酸発生剤を用いることが望まれる。従って、酸発生剤として、有機溶剤に対する溶解性が高いものや、充分な酸発生率を有するものが要望されている。
そこで、本発明の目的は、波長365nmの光に対する吸収が低く、深部硬化性が高く膜厚が大きい膜においても十分に酸発生能を発現し、有機溶媒への溶解性が高いオキシムスルホネート化合物、光酸発生剤、レジスト組成物、カチオン重合開始剤、およびカチオン重合性組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、所定構造を有するオキシムスルホネート化合物が、波長365nmの光に対する吸収が低く、深部硬化性が高く膜厚が大きい膜においても十分に酸発生能を発現することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のオキシムスルホネート化合物は、下記一般式(I)、
(式(I)中、Rは、炭素原子数4以上の直鎖、環状または分岐アルキル基であり、Rは、炭素原子数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、アシル基で置換された炭素原子数7〜20のアリール基、炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基、10−カンファーイル基または下記一般式(II)、
(一般式(II)中、Yは、単結合または炭素原子数1〜4のアルカンジイル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素原子数2〜6のアルカンジイル基、炭素原子数2〜6のハロゲン化アルカンジイル基、炭素原子数6〜20のアリーレン基または炭素原子数6〜20のハロゲン化アリーレン基を表し、Rは、炭素原子数1〜18の直鎖または分岐鎖アルキル基、炭素原子数1〜18のハロゲン化直鎖または分岐鎖アルキル基、炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数6〜20のハロゲン化アリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基または炭素原子数7〜20のハロゲン化アリールアルキル基を表し、a、bは、0または1を表し、a、bのどちらか一方は1である。)で表される基を表し、Rの脂肪族炭化水素基、アリール基、アリールアルキル基、脂環式炭化水素基は、置換基を有しないか、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基および炭素原子数1〜18のアルキルチオ基から選ばれる基で置換される。)で表されることを特徴とするものである。
本発明のオキシムスルホネート化合物においては、Rは炭素原子数4〜8の直鎖、環状または分岐アルキル基であるものが好ましい。また、本発明のオキシムスルホネート化合物においては、Rが置換または無置換の炭素原子数6〜20のアリール基、置換または無置換の炭素原子数1〜8のアルキル基、または、10−カンファーイル基であるものが好ましい。さらに、本発明のオキシムスルホネート化合物は、前記一般式(I)において、オキシム部位の幾何異性体比率がE:Z=10:90以上であるものが好ましい。
本発明の光酸発生剤は、本発明のオキシムスルホネート化合物からなることを特徴とするものである。
本発明のレジスト組成物は、本発明の光酸発生剤を含有してなることを特徴とするものである。
本発明のレジスト組成物は、i線用化学増幅型ポジ型またはネガ型レジスト組成物であることが好ましい。また、本発明のレジスト組成物は、膜厚10〜200μmのレジスト層を形成するのに好適である。
本発明のカチオン重合開始剤は、本発明のオキシムスルホネート化合物からなることを特徴とするものである。
本発明のカチオン重合性組成物は、本発明のカチオン重合開始剤を含有してなることを特徴とするものである。
本発明のオキシムスルホネート化合物は、365nm波長の光に対する吸収が小さく、良好な酸発生率を有していため、本発明によれば、光酸発生剤およびカチオン重合開始剤として有用なオキシムスルホネート化合物、光酸発生剤、レジスト組成物、カチオン重合開始剤、およびカチオン重合性組成物を提供することができる。
本発明に係る化合物No.6の化合物のX線結晶構造解析の結果を示す図である。
以下、本発明について、実施の形態に基づき詳細に説明する。
本発明のオキスムスルホネート化合物は、下記一般式(I)、
で表されるか構造を有する。ここで、式(I)中、Rは、炭素原子数4以上の直鎖、環状または分岐アルキル基であり、Rは、炭素原子数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、アシル基で置換された炭素原子数7〜20のアリール基、炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基、10−カンファーイル基または下記一般式(II)、
で表される基を表し、Rの脂肪族炭化水素基、アリール基、アリールアルキル基、脂環式炭化水素基は、置換基を有しないか、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基および炭素原子数1〜18のアルキルチオ基から選ばれる基で置換される。
で表される炭素原子数4以上の直鎖、環状または分岐アルキル基としては、1−ブチル、2−ブチル、イソブチル、第3ブチル、シクロブチル、1−ペンチル、イソペンチル、第3ペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、へプチル、2−へプチル、3−へプチル、イソへプチル、シクロへキシル、シクロへキシルメチル、第3へプチル、シクロヘプチル、1−オクチル、イソオクチル、第3オクチル、シクロオクチル、2−エチルヘキシル、1−ノニル、イソノニル、1−デシル、1−ドデシルが挙げられる。これらの中でも、溶解性と酸発生率の両方が良好なので、炭素原子数4〜8の直鎖、環状または分岐アルキル基が好ましい。
上記一般式(I)におけるRは、炭素原子数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、アシル基で置換された炭素原子数7〜20のアリール基、炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基、10−カンファーイル基、または上記一般式(II)で表される基を表す。このうち、脂肪族炭化水素基、アリール基、アリールアルキル基、脂環式炭化水素基は、置換基を有さなくともよく、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基および炭素原子数1〜18のアルキルチオ基から選ばれる基で置換されてもよい。
ここで、置換基であるハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素が挙げられる。また、炭素原子数1〜4のハロゲン化アルキル基としては、トリフルオロメチル基等のパーフルオロアルキル基が挙げられる。
炭素原子数1〜18のアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、第3ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、へプチルオキシ、オクチルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、ウンデ、シルオキシ、ドデシルオキシ、トリデシルオキシ、テトラデシルオキシ、ペンタデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、へプタデシルオキシ、オクタデシルオキシ等が挙げられる。
炭素原子数1〜18のアルキルチオ基としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、第2ブチルチオ、第3ブチルチオ、イソブチルチオ、ペンチルチオ、イソペンチルチオ、第3ペンチルチオ、ヘキシルチオ、へプチルチオ、イソへプチルチオ、第3へプロチルチオ、オクチルチオ、イソオクチルチオ、第3オクチルチオ、2ーエチルヘキシルチオ、ノニルチオ、デシルチオ、ウンデシルチオ、ドデシルチオ、トリデシルチオ、テトラデシルチオ、ペンタデシルチオ、ヘキサデシルチオ、へプタデシルチオ、オクタデシルチオ等が挙げられる。
がとりうる炭素原子数1〜18の脂肪族炭化水素基としては、アルケニル基、アルキル基、アルキル基中のメチレン基が脂環式炭化水素基で置換された基、アルキル基中のメチレン基のプロトンが脂環式炭化水素基で置換された基またはアルキル基の末端に脂環式炭化水素基が存在する基が挙げられる。
アルケニル基としては、アリル、2−メチル−2−プロペニルが挙げられ、アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第2ブチル、第3ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、第3ペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、へプチル、2−へプチル、3−へプチル、イソへプチル、第3へプチル、オクチル、イソオクチル、第3オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、へブロタデシル、オクタデシルが挙げられる。脂環式炭化水素基としては、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等が挙げられる。
ハロゲン原子で置換された炭素原子数1〜18の脂肪族炭化水素基としては、例えばトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、2−クロロエチル、2−ブロモエチル、へプタフルオロプロピル、3−ブロモプロピル、ノナフルオロブチル、トリデカフルオロヘキシル、へプタデカフルオロオクチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、1,1−ジフルオロプロピル、1,1,2,2−テトラフルオロプロピル、3,3,3−トリプルオロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、ノルボルニル−1,1−ジフルオロエチル、ノルボルニルテトラフルオロエチル、アダマンタン−1,1,2,2−テトラフルオロプロピル、ビシクロ[2.2.1]へプタン−テトラフルオロメチル等のハロゲン化アルキル基が挙げられる。
炭素原子数1〜18のアルコキシ基で置換された炭素原子数1〜18の脂肪族炭化水素としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、ブトキシメチル基、エトキシエチル基、エトキシプロピル基、プロポキシブチル基等が挙げられる。
炭素原子数1〜18のアルキルチオ基で置換された炭素原子数1〜18の脂肪族炭化水素としては、2−メチルチオエチル、4−メチルチオブチル、4−ブチルチオエチル等が挙げられ、ハロゲン原子および炭素原子数1〜18のアルキルチオ基で置換された炭素原子数1〜18の脂肪族炭化水素基としては、1,1,2,2−テトラフルオロ−3ーメチルチオプロピル等が挙げられる。
炭素原子数6〜20のアリール基としては、例えばフェニル、ナフチル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニル、4−メチルフェニル、4−ピニルフェニル、3−イソプロピルフェニル、4−イソプロピルフェニル、4−ブチルフェニル、4−イソブチルフェニル、4−第三ブチルフェニル、4ーヘキシルフェニル、4ーシクロヘキシルフェニル、4−オクチルフェニル、4−(2−エチルヘキシル)フェニル、2,3−ジメチルフェニル、2,4−ジメチルフェニル、2,5−ジメチルフェニル、2,6−ジメチルフェニル3,4−ジメチルフェニル、3,5−ジメチルフェニル、2,4−ジ第3ブチルフェニル、2,5−ジ第3ブチルフェニル、2,6−ジ−第3ブチルフェニル、2,4−ジ第3ペンチルフェニル、2,5−ジ第3アミルフェニル、2,5−ジ第3オクチルフェニル、シクロヘキシルフェニル、ビフェニル、2,4,5−トリメチルフェニル、2,4,6−トリメチルフェニル、2,4,6−トリイソプロピルフェニル等が挙げられる。
ハロゲン原子で置換された炭素原子数6〜20のアリール基としては、ペンタフルオロフェニル、クロロフェニル、ジクロロフェニル、トリクロロフェニル、2,4−ビス(トリフルオロメチル)フェニル、4−トリフルオロメチルフェニル、ブロモエチルフェニル等が挙げられる。
炭素原子数1〜18のアルキルチオ基で置換された炭素原子数6〜20のアリール基としては、4−メチルチオフェニル、4−ブチルチオフェニル、4−オクチルチオフェニル、4−ドデシルチオフェニルが挙げられる。
ハロゲン原子および炭素原子数1〜18のアルキルチオ基で置換された炭素原子数6〜20のアリール基としては、1,2,5,6−テトラフルオロ−4−メチルチオフェニル、1,2,5,6−テトラフルオロ−4−ブチルチオフェニル、1,2,5,6ーテトラフルオロ−4−ドデシルチオフェニル等が挙げられる。
炭素原子数7〜20のアリールアルキル基としては、べンジル、フェネチル、2−フェニルプロパン−2−イル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、スチリル、シンナミル等が挙げられる。
ハロゲン原子で置換された炭素原子数7〜20のアリールアルキル基としては、例えば、ペンタフルオロフェニルメチル、フェニルジフルオロメチル、2−フェニルーテトラフルオロエチル、2−(ペンタフルオロフェニル)エチル等が挙げられる。
炭素原子数1〜18のアルキルチオ基で置換された炭素原子数7〜20のアリールアルキル基としては、p−メチルチオベンジル等が挙げられる。
ハロゲン原子および炭素原子数1〜18のアルキルチオ基で置換された炭素原子数7〜20のアリールアルキル基としては、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルチオフェニルエチル等が挙げられる。
アシル基で置換された炭素原子数7〜20のアリール基の炭素原子数は、アシル基を含むものである。例えば、アセチルフェニル、アセチルナフチル、ベンゾイルフェニル、1−アントラキノリル、2−アントラキノリルが挙げられる。
炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基としては、これを構成するシクロアルカン名で例示すると、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロへプタン、シクロオクタン、シクロデカン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]へプタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、アダマンタンが挙げられる。
また、上記一般式(II)中、Yは、単結合または炭素原子数1〜4のアルカンジイル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素原子数2〜6のアルカンジイル基、炭素原子数2〜6のハロゲン化アルカンジイル基、炭素原子数6〜20のアリーレン基または炭素原子数6〜20のハロゲン化アリーレン基を表し、Rは、炭素原子数1〜18の直鎖または分岐鎖アルキル基、炭素原子数1〜18のハロゲン化直鎖または分岐鎖アルキル基、炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数6〜20のハロゲン化アリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基または炭素原子数7〜20のハロゲン化アリールアルキル基を表し、a、bは、0または1を表し、a、bのどちらか一方は1である。
一般式(II)は、エーテル基である。一般式(II)において、Yで表される炭素原子数1〜4のアルカンジイル基としては、メチレン、エチレン、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、ブチレン、ブタン−1,3−ジイル、ブタン−2,3−ジイル、ブタン−1,2−ジイルが挙げられる。
、Rで表される炭素原子数2〜6のアルカンジイル基としては、エチレン、プロパン−1,3−ジイル、プロパン−1,2−ジイル、ブチレン、ブタン−1,3−ジイル、ブタン−2,3−ジイル、ブタン−1,2−ジイル、ペンタン−1,5−ジイル、ぺンタン−1,3−ジイル、ペンタン−1,4−ジイル、ペンタン−2,3−ジイル、ヘキサン−1,6−ジイル、ヘキサン−1,2−ジイル、ヘキサン−1,3−ジイル、ヘキサン−1,4−ジイル、ヘキサン−2,5−ジイル、ヘキサン−2,4−ジイル、ヘキサン−3,4−ジイル等が挙げられる。
炭素原子数2〜6のハロゲン化アルカンジイル基としては、上記の炭素原子数2〜6のアルカンジイル基中の少なくとも1つのプロトンがハロゲン原子で置換されたものである。ハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素が挙げられる。例えば、テトラフルオロエチレン、1,1−ジフルオロエチレン、1−フルオロエチレン、1,2−ジフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロパン1,3ジイル、1,1,2,2−テトラフルオロプロパン−1,3ジイル、1,1,2,2−テトラフルオロペンタン−1,5ジイル等が挙げられる。
一般式(II)において、R、Rで表される炭素原子数6〜20のアリーレン基としては、1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、2,5−ジメチル−1,4−フェニレン、4,4’−ビフェニレン、ジフェニルメタン−4,4’−ジイル2,2−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイル、ナフタレン−1,2−ジイル、ナフタレン−1,3−ジイル、ナフタレン−1,4−ジイル、ナフタレン−1,5−ジイル、ナフタレン−1,6−ジイル、ナフタレン−1,7−ジイル、ナフタレン−1,8−ジイル、ナフタレン−2,3−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、ナフタレン−2,7−ジイル等が挙げられる。
炭素原子数6〜20のハロゲン化アリーレン基としては、上記の炭素原子数6〜20のアリーレン基中の少なくとも1つのプロトンがハロゲン原子で置換されたものである。ハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素が挙げられる。例えばテトラフルオロフェニレンが挙げられる。
一般式(II)において、Rで表される炭素原子数1〜18のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第2ブチル、第3ブチル、イソブチル、ペンチル、イソペンチル、第3ペンチル、ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、へプチル、2−へプチル、3−へプチル、イソヘプチル、第3へプチル、オクチル、イソオクチル、第3オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、イソノニル、デシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、へプタデシル、オクタデシルが挙げられる。
炭素原子数1〜18のハロゲン化アルキル基は、上記の炭素原子数1〜18のアルキル基中の少なくとも1つのプロトンがハロゲン原子で置換されたものである。ハロゲン原子としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素が挙げられる。例えば、トリプルオロメチル、ペンタフルオロエチル、へプタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル、トリデカフルオロヘキシル、へプタデカフルオロオクチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,1−ジフルオロエチル、1,1−ジフルオロプロピル、1,1,2,2−テトラフルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル、1,1,2,2−テトラフルオロテトラデシル等のハロゲン化アルキル基が挙げられる。
一般式(II)において、Rで表される炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基としては、これを構成するシクロアルカン名で例示すると、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロデカン、ビシクロ[2.1.1]ヘキサン、ビシクロ[2.2.1]へプタン、ビシクロ[3.2.1]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、アダマンタン等が挙げられる。
一般式(II)において、Rで表される炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数6〜20のハロゲン化アリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基又は炭素原子数7〜20のハロゲン化アリールアルキル基としては、Rとして例示した基が挙げられる。
としては、炭素原子数6〜20のアリーレン基、炭素原子数7〜20のアリールアルキレン基又は炭素原子数1〜8のアルキレン基であるものが、酸発生能力が高く、高い感度を与えるので好ましい。
上記一般式(I)において、オキシム部位の幾何異性体比率がE:Z=10:90以上となるものが、酸発生能力が高く、高い感度を与えるので好ましい。
本発明のオキシムスルホネート化合物の具体例としては、下記化合物No.1〜No.20が挙げられる。
上記一般式(I)におけるRは、用途に応じて適正な有機スルホン酸を放出するように選択すればよい。高感度、高精細なパターニングのためには、酸強度が強く、高い感度を与えるアリールスルホン酸が最も有用である。従って、本発明の化合物におけるRとしては、置換または無置換の炭素原子数6〜20のアリール基、置換または無置換の炭素原子数1〜8のアルキル基、または、10−カンファーイル基である。
本発明のオキシムスルホネート化合物の製造方法については、特に制限されず、周知の化学反応を応用して合成することができる。例えば、下記のように合成する方法が挙げられる。
ここで、上記反応式中、RおよびRは、上記一般式(1)と同様の基を表し、XおよびX’はハロゲン原子を表す。
本発明のオキシムスルホネート化合物は、EUV(Extreme Ultra−Violet)、X線、F、ArF、KrF、i線、h線、g線等の遠紫外線、電子線、放射線、高周波等の活性エネルギー線の照射によりルイス酸を放出する特性を有し、酸反応性有機物質に作用して分解や重合をすることが可能である。本発明のオキシムスルホネート化合物は、ポジ型またはネガ型フォトレジストの光酸発生剤として、または平板、凸版用印刷板の作成、プリント基板やIC、LSI作製のためのフォトレジスト、レリーフ像や画像複製等の画像形成、光硬化性のインキ、塗料、接着剤等、広範囲のカチオン重合開始剤として有用である。
本発明のオキシムスルホネート化合物を酸反応性有機物質に対して使用する場合、その使用量は、特に制限されるものではないが、酸反応性有機物質100質量部に対して、好ましくは0.05〜100質量部、更に好ましくは0.5〜20質量部の割合である。ただし、酸反応性有機物質の性質、光の照射強度、反応に要する時間、物性、コスト等の要因により、配合量を上述の範囲より増減させて用いることも可能である。
本発明のレジスト組成物は、特に、化学増幅型レジストとして有用である。化学増幅型レジストには、露光により光酸発生剤から発生した酸の作用によって、エステル基或いはアセタール基等の化学結合の切断等、レジストベース樹脂側鎖の脱保護反応で誘起される極性変化で現像液に可溶化させるポジ型レジストと、重合または架橋等化学的な連鎖反応を起こし、レジストベース樹脂の架橋反応や極性変化で現像液に不溶化させ、現像の際に未露光部分だけが選択的に除去されるネガ型レジストの2通りがある。
レジストベース樹脂としては、ポリヒドロキシスチレンおよびその誘導体;ポリアクリル酸およびその誘導体;ポリメタクリル酸およびその誘導体;ヒドロキシスチレン、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらの誘導体から選ばれ形成される2以上の共重合体;ヒドロキシスチレン、スチレンおよびそれらの誘導体から選ばれ形成される2以上の共重合体;ポリオレフィンおよびその誘導体、シクロオレフィンおよびその誘導体、無水マレイン酸、並びに、アクリル酸およびその誘導体から選ばれる3以上の共重合体;シクロオレフィンおよびその誘導体、マレイミド、並びに、アクリル酸およびその誘導体から選ばれる3以上の共重合体;ポリノルボルネン;メタセシス開環重合体からなる一群から選択される1種以上の高分子重合体;シリコーン樹脂等が挙げられる。
レジストベース樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、通常1,000〜500,000、好ましくは2,000〜200,000、更に好ましくは3,000〜100,000である。この場合、レジストベース樹脂のMwが1,000未満では、レジストとしての耐熱性が低下する傾向があり、一方500,000を超えると、レジストとしての現像性や塗布性が低下する傾向がある。
ポジ型レジストにおいては、上記レジストベース樹脂に酸の作用により分解する保護基を導入した高分子重合体が用いられる。保護基としては、三級アルキル基、トリアルキルシリル基、オキソアルキル基、アリール基置換アルキル基、テトラヒドロピラン−2−イル基等の複素脂環基、三級アルキルカルボニル基、三級アルキルカルボニルアルキル基、三級アルキルオキシカルボニル基、三級アルキルオキシカルボニルアルキル基、アルコキシアルキル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル、チオフラニル基等のアセタール基等が挙げられる。
ネガ型レジストにおいては、上記レジストベース樹脂と架橋剤を反応させた樹脂が用いられる。架橋剤としては、架橋剤として慣用されているものの中から任意に選択して用いることができ、例えば、ヒドロキシル基またはアルコキシル基を有するアミノ樹脂、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、グリコールウリル‐ホルムアルデヒド樹脂、スクシニルアミド−ホルムアルデヒド樹脂、エチレン尿素−ホルムアルデヒド樹脂等を挙げることができる。これらはメラミン、尿素、グアナミン、グリコールウリル、スクシニルアミド、エチレン尿素を沸騰水中でホルマリンと反応させてメチロール化、あるいはこれにさらに低級アルコールを反応させてアルコキシル化したものを用いることができる。
上記架橋剤としては市販のものを用いることもでき、例えばニカラックMX−750、ニカラックMW−30、ニカラックMX−290(三和ケミカル社製)が挙げられる。
本発明のレジスト組成物中の光酸発生剤は、本発明のオキシムスルホネート化合物を必須成分として含有するものであれば、これ以外の光酸発生剤を任意成分として使用してもよい。光酸発生剤の使用量は、レジストとしての感度および現像性を確保する観点から、レジストベース樹脂100質量部に対して、通常、0.05〜100質量部、好ましくは0.5〜20質量部である。光酸発生剤の使用量が0.05質量部未満では、感度および現像性が低下する場合がある。
本発明のオキシムスルホネート化合物を光酸発生剤として使用する場合は、ヨードニウム塩化合物、スルホニウム化合物等の他の光酸発生剤と併用してもよい。併用する場合の使用量は、本発明のオキシムスルホネート化合物100質量部に対して、好ましくは10〜200質量部とする。
本発明のオキシムスルホネート化合物を光酸発生剤として使用したフォトレジストには、各種添加剤を配合してもよい。各種添加剤としては、塩基クエンチャー、酸増殖剤、酸拡散剤、塩基発生剤、無機フィラー、有機フィラー、顔料、染料等の着色剤、消泡剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤、安定剤、レベリング剤等の各種樹脂添加物等が挙げられる。これらの各種添加剤の使用量は、本発明のレジスト組成物中、好ましくは合計で50質量%以下とする。
本発明のレジスト組成物は、通常、その使用に際して、全固形分濃度が、通常5〜80質量%、好ましくは10〜50質量%となるように溶剤に溶解した後、例えば、孔径0.2μm程度のフィルターで濾過することによって調整される。本発明のレジスト組成物は、本発明のオキシムスルホネート化合物からなる光酸発生剤、これ以外の光酸発生剤、レジストベース樹脂およびその他の任意成分を混合、溶解或いは混練等の方法により調製することができる。
上記レジスト組成物の露光で使用される光源としては、使用する光酸発生剤の種類に応じて、g線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線、荷電粒子線等から適宜選定して使用されるが、本発明のオキシムスルホネート化合物は、ArFエキシマーレーザー(波長193nm)、KrFエキシマーレーザー(波長248nm)等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線、電子線、EUV等の荷電粒子線等、各種の放射線を使用するレジストにおいて好適に使用することが可能である。
本発明のレジスト組成物は、ガラス基板等の基板上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布後、所定のマスクを通して露光し、レジストのみかけの感度を向上させるためにポストベークを行い、現像することにより良好なレジストパターンを得ることができる。本発明のレジスト組成物を基板上に塗布して露光・現像して得られるレジスト層の膜厚は、0.1〜250μmであるのが好ましく、10〜200μmであるのが更に好ましい。本発明のオキシムスルホネート化合物は、i線(365nm)での吸収が低いため、深部硬化性が高く、厚膜において有用である。
本発明のオキシムスルホネート化合物をカチオン重合性組成物中のカチオン重合開始剤として使用する場合、カチオン重合性組成物には、光照射により活性化したカチオン重合開始剤により高分子化または架橋反応を起こすカチオン重合性化合物を1種類または2種類以上混合して使用される。
カチオン重合性化合物として代表的なものは、エポキシ化合物、オキセタン化合物、環状ラクトン化合物、環状アセタール化合物、環状チオエーテル化合物、スピロオルトエステル化合物、ビニル化合物等であり、これらの1種または2種以上使用することができる。中でも入手するのが容易であり、取り扱いに便利なエポキシ化合物及びオキセタン化合物が適している。
このうちエポキシ化合物としては、脂環族エポキシ化合物、芳香族エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物等が適している。
脂環族エポキシ化合物の具体例としては、少なくとも1個の脂環族環を有する多価アルコールのポリグリシジルエーテルまたはシクロヘキセンやシクロペンテン環含有化合物を酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイドやシクロペンテンオキサイド含有化合物が挙げられる。例えば、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキシル−3,4−エポキシ−1−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−6−メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル等が挙げられる。
脂環族エポキシ樹脂として好適に使用できる市販品としては、UVR−6100、UVR−6105、UVR−6110、UVR−6128、UVR−6200(以上、ユニオンカーバイド社製)、セロキサイド2021、セロキサイド2021P、セロキサイド2081、セロキサイド2083、セロキサイド2085、セロキサイド2000、セロキサイド3000、サイクロマーA200、サイクロマーM100、サイクロマーM101、エポリードGT−301、エポリードGT−302、エポリード401、エポリード403、ETHB、エポリードHD300(以上、ダイセル化学工業(株)製)、KRM−2110、KRM−2199(以上、ADEKA(株)製)等を挙げることができる。
脂環族エポキシ樹脂の中でも、シクロヘキセンオキシド構造を有するエポキシ樹脂が、硬化性(硬化速度)の点で好ましい。
また、芳香族エポキシ樹脂の具体例としては、少なくとも1個の芳香族環を有する多価フェノールまたは、そのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、例えばビスフェノールA、ビスフェノールF、又はこれらに更にアルキレンオキサイドを付加した化合物のグリシジルエーテルやエポキシノボラック樹脂等が挙げられる。
更に、脂肪族エポキシ樹脂の具体例としては、脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付加物のポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシジルエステル、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートのビニル重合により合成したホモポリマー、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートとその他のビニルモノマーとのビニル重合により合成したコポリマー等が挙げられる。代表的な化合物として、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテル、ソルビトールのテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールのヘキサグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールのジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジルエーテル等の多価アルコールのグリシジルエーテル、またプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル、脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステルが挙げられる。さらに、脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノール、また、これらにアルキレンオキサイドを付加することによって得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステル、エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシステアリン酸ブチル、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
芳香族および脂肪族エポキシ樹脂として好適に使用できる市販品としては、エピコート801、エピコート828(以上、油化シェルエポキシ社製)、PY−306、0163、DY−022(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、KRM−2720、EP−4100、EP−4000、EP−4080、EP−4900、ED−505、ED−506(以上、(株)ADEKA製)、エポライトM−1230、エポライトEHDG−L、エポライト40E、エポライト100E、エポライト200E、エポライト400E、エポライト70P、エポライト200P、エポライト400P、エポライト1500NP、エポライト1600、エポライト80MF、エポライト100MF、エポライト4000、エポライト3002、エポライトFR−1500(以上、共栄社化学(株)製)、サントートST0000、YD−716、YH−300、PG−202、PG−207、YD−172、YDPN638(以上、東都化成(株)製)等を挙げることができる。
また、オキセタン化合物の具体例としては、例えば、以下の化合物を挙げることができる。3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、4−メトキシ−[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、[1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル]フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等を例示することができる。これらオキセタン化合物は、特に可撓性を必要とする場合に使用すると効果的であり、好ましい。
カチオン重合性化合物のその他の化合物の具体例としては、β−プロピオラクトン、ε−カプロラクトン等の環状ラクトン化合物;トリオキサン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキサンシクロオクタン等の環状アセタール化合物;テトラヒドロチオフェン誘導体等の環状チオエーテル化合物;上述のエポキシ化合物とラクトンの反応によって得られるスピロオルトエステル化合物;エチレングリコールジビニルエーテル、アルキルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、プロピレングリコールのプロペニルエーテル等のビニルエーテル化合物、スチレン、ビニルシクロヘキセン、イソブチレン、ポリブタジエン等のエチレン性不飽和化合物等のビニル化合物;テトラヒドロフラン、2,3−ジメチルテトラヒドロフラン等のオキソラン化合物;エチレンスルフィド、チオエピクロルヒドリン等のチイラン化合物;1,3−プロピンスルフィド、3,3−ジメチルチエタン等のチエタン化合物;シリコーン類等周知の化合物が挙げられる。
本発明のオキシムスルホネート化合物をカチオン重合開始剤として使用する場合の使用量は、カチオン重合性化合物100質量部に対して、好ましくは0.01〜質量部〜10質量部、更に好ましくは0.1質量部〜5質量部である。この使用量が0.01質量部より少ないと、硬化が不充分となる場合があり、一方、10質量部を超えても使用効果の増加が得られないばかりでなく、硬化物の物性に悪影響を与える場合がある。
また、本発明のオキシムスルホネート化合物は、上記カチオン重合性化合物と共に各種添加剤を配合して、カチオン重合性組成物として使用される。各種添加剤としては、架橋剤;有機溶剤;光ラジカル開始剤;熱カチオン開始剤;ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾエート系の紫外線吸収剤;フェノール系、リン系、硫黄系酸化防止剤;カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等からなる帯電防止剤;ハロゲン系化合物、リン酸エステル系化合物、リン酸アミド系化合物、メラミン系化合物、フッ素樹脂又は金属酸化物、(ポリ)リン酸メラミン、(ポリ)リン酸ピペラジン等の難燃剤;炭化水素系、脂肪酸系、脂肪族アルコール系、脂肪族エステル系、脂肪族アマイド系または金属石けん系の滑剤;染料、顔料、カーボンブラック等の着色剤;フュームドシリカ、微粒子シリカ、けい石、珪藻土類、クレー、カオリン、珪藻土、シリカゲル、珪酸カルシウム、セリサイト、カオリナイト、フリント、長石粉、蛭石、アタパルジャイト、タルク、マイカ、ミネソタイト、パイロフィライト、シリカ等の珪酸系無機添加剤;ガラス繊維、炭酸カルシウム等の充填剤;造核剤、結晶促進剤等の結晶化剤、シランカップリング剤、可撓性ポリマー等のゴム弾性付与剤、塩基性化合物、酸増殖剤、酸拡散剤、増感剤等が挙げられる。これらの各種添加剤の使用量は、本発明のカチオン重合性組成物中、合計で、50質量%以下とする。
また、カチオン重合性化合物への本発明のオキシムスルホネート化合物の溶解を容易にするため、予め適当な溶媒(例えば、プロピレンカーボネート、カルビトール、カルビトールアセテート、ブチロラクトン、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート等)に溶解して使用することができる。
上記のカチオン重合性組成物は、紫外線等のエネルギー線を照射することにより通常は0.1秒〜数分後に指触乾燥状態或いは溶媒不溶性の状態に硬化することができる。適当なエネルギー線としては、カチオン重合開始剤の分解を誘発する限りいかなるものでもよいが、好ましくは、超高、高、中、低圧水銀ランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、エキシマーランプ、殺菌灯、エキシマーレーザー、窒素レーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、ヘリウムネオンレーザー、クリプトンイオンレーザー、各種半導体レーザー、YAGレーザー、発光ダイオード、CRT光源等から得られる2,000オングストロームから7,000オングストロームの波長を有する電磁波エネルギーや電子線、X線、放射線等の高エネルギー線を利用する。
エネルギー線への暴露時間は、エネルギー線の強度、塗膜厚やカチオン重合性有機化合物によるが、通常は0.1秒〜10秒程度で十分である。しかし、比較的厚い塗装物についてはそれ以上の照射時間をかけたほうが好ましい。エネルギー線照射後0.1秒〜数分後には、ほとんどの組成物はカチオン重合により指触乾燥するが、カチオン重合を促進するため加熱やサーマルヘッド等による熱エネルギーを併用することも場合によっては好ましい。
本発明のレジスト組成物及びカチオン重合性組成物の具体的な用途としては、光学フィルタ、塗料、コーティング剤、ライニング剤、接着剤、印刷版、絶縁ワニス、絶縁シート、積層板、プリント基盤、半導体装置用・LEDパッケージ用・液晶注入口用・有機EL用・光素子用・電気絶縁用・電子部品用・分離膜用等の封止剤、成形材料、パテ、ガラス繊維含浸剤、目止め剤、半導体用・太陽電池用等のパッシベーション膜、薄膜トランジスタ(TFT)・液晶表示装置・有機EL表示装置・プリント基板等に用いられる層間絶縁膜、表面保護膜、ガイドパターン形成用、下地剤、プリント基板、或いはカラーテレビ、PCモニタ、携帯情報端末、CCDイメージセンサのカラーフィルタ、プラズマ表示パネル用の電極材料、印刷インク、歯科用組成物、光造形用樹脂、液状及び乾燥膜の双方、微小機械部品、ガラス繊維ケーブルコーティング、ホログラフィ記録用材料、磁気記録材料、光スイッチ、めっき用マスク、エッチングマスク、スクリーン印刷用ステンシル、透明導電膜等のタッチパネル、MEMS素子、ナノインプリント材料、半導体パッケージの二次元及び三次元高密度実装等のフォトファブリケーション、加飾シート、人工爪、ガラス代替光学フィルム、電子ペーパー、光ディスク、プロジェクター・光通信用レーザー等に用いられるマイクロレンズアレイ、液晶表示装置のバックライトに使用されるプリズムレンズシート、プロジェクションテレビ等のスクリーンに使用されるフレネルレンズシート、レンチキュラーレンズシート等のレンズシートのレンズ部、またはこのようなシートを用いたバックライト等、マイクロレンズ・撮像用レンズ等の光学レンズ、光学素子、光コネクター、光導波路、絶縁用パッキング、熱収縮ゴムチューブ、O−リング、表示デバイス用シール剤、保護材、光ファイバー保護材、粘着剤、ダイボンディング剤、高放熱性材料、高耐熱シール材、太陽電池・燃料電池・二次電池用部材、電池用固体電解質、絶縁被覆材、複写機用感光ドラム、ガス分離膜、コンクリート保護材・ライニング・土壌注入剤・シーリング剤・蓄冷熱材・ガラスコーティング・発泡体等の土木・建築材料、チューブ・シール材・コーティング材料・滅菌処理装置用シール材・コンタクトレンズ・酸素富化膜、バイオチップ等の医療用材料、自動車部品、各種機械部品等の各種の用途に使用することができ、その用途に特に制限はない。
以下、本発明を実施例および比較例を用いて、より詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<オキスムスルホネート化合物の合成>
化合物No.6、No.10.No.12、No.13およびNo.14の製造
<ステップ1>アルキル化体の製造
4−ヒドロキシフェニルアセトニトリル0.19molのジメチルアセトアミド200mL溶液に、室温で炭酸カリウム0.38mol、ハロゲン化アルキル0.22molを加え、70℃で5時間撹拌した。反応液をろ過し、不溶物を除去した後にトルエン/水で洗浄後、有機層から減圧下で溶媒留去し、アルキル化体を得た。
<ステップ2>オキシム体の製造
水酸化ナトリウム0.37molおよびメタノール82gの懸濁液に、氷冷下で、ステップ1で得られたアルキル化体と亜硝酸イソブチル0.22molを30分かけて滴下し、氷冷下で2時間撹拌した。さらに亜硝酸イソブチル0.14molを滴下し、室温まで昇温後、40℃で0.5時間撹拌した。反応液を氷冷下まで冷却した後、35%塩酸を用いて酸性化し、トルエンを用いて抽出した。有機層を3回水洗し、中和してから飽和食塩水で洗浄した。減圧下で溶媒を留去し、オキシム体を得た。
<ステップ3>目的物の製造
ステップ2で得られたオキシム体のトルエン120mL溶液に、氷冷下でトリエチルアミン0.28molを加え、各種スルホン酸クロリド0.19molを加えて室温まで昇温後、1時間撹拌した、反応液に水を加え、有機層を分離した後、水洗を行い、減圧下で溶媒を留去した。アセトニトリル/イソプロパノールより再結晶を2回行い、減圧下40℃で乾燥し、目的物を得た。各種分析を行い、目的物であることを確認した。分析の結果を表1〜表3に示す。
<実施例1−1〜1−3および比較例1−1、1−2>
ポジ型レジスト組成物の調製およびパターニング評価
下記表4の配合に従い、酸発生剤としての化合物濃度が3%、5%、10%となるように、固形分20%のレジスト液をそれぞれ調製した。0.1μmのミクロフィルターでろ過し、これをガラス基板上にスピンコーターで塗布し、90℃で90秒間乾燥した後、20μmのパターン開口部を有するマスクを介して露光量0〜100mJ/cmの光を照射した。120℃で90秒間ベークし、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に30秒間浸漬することにより現像し、イオン交換水で洗浄し、各露光量に対する残膜率を測定した。結果を表5に示す。
尚、残膜率は、下記式により求めた。
(膜厚(μm))/(初期膜厚(μm))×100=(残膜率)
*1:ポリ(p−ヒドロキシスチレン)の50モル%がt−ブトキシカルボニル基で置換された構造を有する樹脂(Mw=18,000)
上記表5より、本願発明の化合物は、比較化合物に比べて、露光量が低くても酸発生剤として十分機能していることが確認された。
[実施例2]ネガ型レジスト組成物の調製および評価
日本化薬製EPPN−201の20gおよび架橋剤(テトラメトキシメチルグリコウリル)0.4gをメチルエチルケトン(MEK)100gに溶解させ樹脂溶液を調製し、化合物No.6の0.05gをこの樹脂溶液8.00gに溶解させレジスト液を調製した。これをガラス基板上にスピンコーターで塗布し、90℃で90秒間乾燥した後、波長365nmの光を照射して露光した。110℃で90秒間ベークし、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に30秒間浸漬することにより現像し、純水で洗浄した。24時間室温に放置後、メチルエチルケトンを付けた綿棒で塗膜を擦った結果200往復しても塗膜は侵されず、硬化が十分に進行していることが確認された。
[実施例3]カチオン重合性組成物の製造および評価
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキシルカルボキシレート80gおよび1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル20gを混合したものに、化合物No.6を4mmol添加し、よく撹拌し均一にした。これをアルミコート紙上に#3のバーコーターで塗布した。これに、ベルトコンベア付き光照射装置を使用して80W/cmの高圧水銀灯の光を照射した。ランプからベルトコンベアまでの距離は10cm、ベルトコンベアのラインスピードは8m/分とした。硬化後24時間室温に放置後、メチルエチルケトンを付けた綿棒で塗膜を擦った結果200往復しても塗膜は侵されず、硬化が十分に進行していることが確認された。
[実施例4−1〜4−5および比較例4−1〜4−3]UV吸収スペクトル評価
化合物No.6、No.10、No.12、No.13およびNo.14をアセトニトリルに溶解し、日光光度計U−3010で吸収スペクトルを測定し、300nm〜400nmの範囲の吸収における付近のλmaxとε(モル吸光係数)及び365nmにおけるεの値を示した。結果を表6に示す。
[実施例5−1〜5−4および比較例5−1〜5−4]溶解性評価
25℃におけるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、シクロペンタノンおよびガンマブチロラクトンに対する溶解性の評価を行った。溶解性は1%質量結果刻みで濃度を上昇させ、溶け残りの発生しなかった濃度で表した。結果を表7に示す。
[実施例6−1〜6−5および比較例6−1〜6−4]酸発生率
化合物No.6、No.10、No.12、No.13およびNo.14並びに比較化合物No.1〜No.4について1.5×10−4mol/Lのアセトニトリル/水の混合溶液(アセトニトリル/水=9/1:容積比)を調製し、内径50mmのシャーレに5.0mLを正確に入れ、HOYA CANDEO OPTRONICS社製UVランプにて、365nm付近の波長のみを透過するカットフィルターを用いて100mW/cmのUVを照射した。照射時間はそれぞれについて1秒、3秒、5秒の3点とした。露光後、HPLCを用いて光分解率(%)を計算し、酸発生率とした。結果を表8に示す。尚、化合物No.6、No.10、No.12、No.13およびNo.14並びに比較化合物No.1〜No.4の光学純度は100%である。
上記表6〜表8から明らかなように、本発明の化合物は、365nmにおける透過率が大きく、膜厚が大きい膜においても十分に酸発生能を発現し、いずれも各種溶媒に対する溶解性が高く、かつ酸発生能力が大きいことが確認できた。
[実施例7]幾何異性体の酸発生率
化合物No.10および化合物No.14の(E+Z)体およびZ体について、実施例例3と同様にして酸発生率を測定した。結果を表9に示す。尚、幾何異性体比率はH−NMRにより確認した。また、化合物No.6がZ体であることを、X線結晶構造解析により確認した。結果を下記図に示す。
上記表9より、化合物No.10の(E+Z)体とZ体は、オキシム位の幾何異性体比率がE:Z=10:90以上であるので酸発生能がどちらも高く、化合物No.14のZ体は、オキシム位の幾何異性体比率がE:Z=10:90未満である(E+Z)体に比べて酸発生能が高いことが明らかである。

Claims (10)

  1. 下記一般式(I)、
    (式(I)中、Rは、炭素原子数4以上の直鎖、環状または分岐アルキル基であり、Rは、炭素原子数1〜18の脂肪族炭化水素基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基、アシル基で置換された炭素原子数7〜20のアリール基、炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基、10−カンファーイル基または下記一般式(II)、
    (一般式(II)中、Yは、単結合または炭素原子数1〜4のアルカンジイル基を表し、RおよびRはそれぞれ独立に、炭素原子数2〜6のアルカンジイル基、炭素原子数2〜6のハロゲン化アルカンジイル基、炭素原子数6〜20のアリーレン基または炭素原子数6〜20のハロゲン化アリーレン基を表し、Rは、炭素原子数1〜18の直鎖または分岐鎖アルキル基、炭素原子数1〜18のハロゲン化直鎖または分岐鎖アルキル基、炭素原子数3〜12の脂環式炭化水素基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数6〜20のハロゲン化アリール基、炭素原子数7〜20のアリールアルキル基または炭素原子数7〜20のハロゲン化アリールアルキル基を表し、a、bは、0または1を表し、a、bのどちらか一方は1である。)で表される基を表し、Rの脂肪族炭化水素基、アリール基、アリールアルキル基、脂環式炭化水素基は、置換基を有しないか、ハロゲン原子、炭素原子数1〜4のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜18のアルコキシ基および炭素原子数1〜18のアルキルチオ基から選ばれる基で置換される。)で表されることを特徴とするオキシムスルホネート化合物。
  2. が炭素原子数4〜8の直鎖、環状または分岐アルキル基である請求項1記載のオキシムスルホネート化合物。
  3. が置換または無置換の炭素原子数6〜20のアリール基、置換または無置換の炭素原子数1〜8のアルキル基、または、10−カンファーイル基である請求項1または2記載のオキシムスルホネート化合物。
  4. 前記一般式(I)において、オキシム部位の幾何異性体比率がE:Z=10:90以上である請求項1〜3のうちいずれか一項記載のオキシムスルホネート化合物。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか一項記載のオキシムスルホネート化合物からなることを特徴とする光酸発生剤。
  6. 請求項5記載の光酸発生剤を含有してなることを特徴とするレジスト組成物。
  7. i線用化学増幅型ポジ型またはネガ型レジスト組成物である請求項6記載のレジスト組成物。
  8. 膜厚10〜200μmのレジスト層を形成する請求項7記載のレジスト組成物。
  9. 請求項1〜4のうちいずれか一項記載のオキシムスルホネート化合物からなることを特徴とするカチオン重合開始剤。
  10. 請求項9記載のカチオン重合開始剤を含有してなることを特徴とするカチオン重合性組成物。
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