JP2016166888A - 多機能時計用ムーブメントおよび多機能時計 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モード切替え時に動作するクロノグラフ機構に構成される複数のレバーを利用し、通常時刻モードでは、おしどり115に設けられたリブ115bとレバー22が接しないので巻真14の引き操作が可能であるが、一方、クロノグラフモードでは、おしどり115のリブ115bとレバー22が近接して、おしどり115の回転をロックすることで、巻真14の引き操作が不可能となる。
【選択図】図20
Description
この種の時計のクロノグラフ輪列を構成するクロノグラフ車は、クロノグラフ歯車、クロノグラフ真、ハートカム等で構成され、クロノグラフ真の先端にクロノグラフ針が取り付けられている。クロノグラフ機構には複数のレバーが構成されており、その一部である復針レバーが作動することによってハートカムを回転させ、クロノグラフ針を初期位置に帰零させている。
また、時計の製造工程において、時計の完成ムーブメントに針付けを行う際、巻真着脱などの巻真操作が必要不可欠であることは文献を挙げるまでもなく周知である。
巻真の脱着をオシドリの一端を押して巻真の溝係合部を解除して行うことは、例えば特許文献2で公知であり、時計の完成ムーブメントには巻針脱着のためのオシドリを操作するスペースが設けられている。
本発明は、通常時刻モードとクロノグラフモードを容易に確認でき、誤ったモードで針付けが行えないように構造的にも制限を与えた時計を提供することを目的とする。
該第1のモードと該第2のモードの切り替えを行うための外部操作部材と、
該外部操作部材のモード切り替え操作に連動して移動する作動部品と、
リブを有する***作部品と、を有し、
前記第1のモードでは、前記作動部品と前記リブが当接せず、前記***作部品は動作可能であり、
前記第2のモードで、前記作動部品が前記リブの近傍に位置してロックすることで、前記***作部品の動作を不可能とすることを特徴とする。
前記***作部品は、おしどりであり、前記第2のモードで、前記作動部品が前記リブの近傍に位置して、前記おしどりの回転をロックすることで、巻真の引き操作を不可能とすることを特徴とする。
最初に、本実施形態における、指針表示などの時計仕様について説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る、クロノグラフ付時計100の通常時刻モード時の平面図、 図2は、本発明の第一実施形態に係る、クロノグラフ付時計100のクロノグラフモード時の平面図である。
図1及び図2において、1は時計の外装である胴、2は文字板、3は時針、4は分針、5は秒針である。秒針5は秒クロノグラフ針としても兼用される。6は時クロノグラフ針、7は分クロノグラフ針、8は1/10秒クロノグラフ針、9は1/100秒クロノグラフ針、10は1/1000秒クロノグラフ針であり、これらの針はクロノグラフ専用である。11は竜頭であり、時針3、分針4、秒針5で示される通常時刻の修正などで使用される。12a,12b,12cは操作ボタンであり、クロノグラフの各種操作や通常時刻モードとクロノグラフモードとの切り替えに使用される。13はバンド固定部である。
図2に示すクロノグラフモードでは、時針3、分針4は、クロノグラフモード内の状態に係らず、常に時刻を表示している。クロノグラフをスタートさせていないリセット状態の場合においては、秒クロノグラフ針としても兼用される秒針5は12時方向を指した状態で停止している。
(以下、秒針5を、通常時刻モードでは「秒針5」、クロノグラフモードでは、「秒クロノグラフ針5」と記載する。)
操作ボタン12bによりクロノグラフがスタートされたラン状態の場合においては、秒クロノグラフ針5と時クロノグラフ針6、分クロノグラフ針7、1/10秒クロノグラフ針
8、1/100秒クロノグラフ針9、1/1000秒クロノグラフ針10が動く。クロノグラフ動作中の再度の操作ボタン12bの操作によりストップさせると、操作時点の経過時間を示す。このとき、時針3、分針4はクロノグラフをスタートさせていない場合同様の動きをし、時刻を示す。図2は、ストップ状態における指針の状態を示している。
従って、指針が付いた完成時計状態では、通常時刻モードとクロノグラフモード、あるいはクロノグラフモードにおけるラン、ストップ、リセットのいずれの状態かは判別可能であるものの、指針の無いムーブメント状態で表示面側を見ても、その判別は不可能である。
図3は、本実施形態に係る、クロノグラフ付時計ムーブメント200の通常時刻モード時の内部構成を裏蓋側から視た模式図であり、図4は、図3のA−A線による断面図である。図5は本実施形態に係る、クロノグラフ付時計ムーブメント200の通常時刻モード時の内部構成を分かり易くするために、後述の電池支持枠押さえ27を透視した図である。
図3、4及び図5において、12aは通常時刻モードとクロノグラフモードを切替える操作ボタン、12bはクロノグラフをスタート・ストップさせる操作ボタン、12cはクロノグラフをリセットさせる操作ボタンである。
14は竜頭11が取り付けられる巻真、15は巻真14を外すために操作するためのおしどり、15aは巻真を外す際に操作性を向上させるためにおしどり15に設けられた凹み、16は操作ボタン12aに連動する作動レバー、17は作動カム、18は通常時刻モードとクロノグラフモードを切替える操作ボタン12aを初期位置に戻すための、クロノグラフ作動レバーばねである。19は切替えレバー、20は復針レバー(1)、21は復針レバー(2)、22は発停伝えレバー、22aは発停伝えレバー22の先端、23は発停レバーであり、これらはクロノグラフ機構を構成する部品の一部である。24は不図示のクロノグラフ真(1)に圧入固定されるハートカム(1)であり、クロノグラフ真(1)と分クロノグラフ針7は固着されている。25は不図示のクロノグラフ真(2)に圧入固定されるハートカム(2)であり、クロノグラフ真(2)と時クロノグラフ針6は固着されている。26は地板、27は不図示の電池などを押さえるための金属製の電池支持枠押さえ、27aはおしどりを操作するために電池支持枠押さえ27に設けられたおしどり操作穴である。
、凹み15aと発停伝えレバー22の先端22aとは平面視で重なっていない。従って、おしどり操作穴27aを通しておしどり15の操作が可能であり、巻真14の取り外しが可能となる。
図5の通常時刻モードにおいて、通常時刻モードとクロノグラフモードを切替える操作ボタン12aを押すと作動レバー16が押されて動き、作動レバー16と噛合っている作動カム17が連動して回転する。そして作動カム17と噛合っている切替えレバー19も連動して動き、切替えレバー19のピンと係合されている発停伝えレバー22が連動し、図6に示す発停レバー23と連動する位置まで移動し、クロノグラフが使用できるようになる。
例えば、針付け作業において、まずおしどり操作穴27aを視認してモードを判別し、クロノグラフモードであれば通常時刻モードにモード変更してから針付け作業を行うようにすれば、針付け時の指針位置ズレなどを未然に防ぐことが可能となる。
第1の実施形態の「モード切替え時に動作する部品を用いて、モードAのときには部品Cを隠し、モードBのときは部品Cを隠さない」、という機構を利用すると以下のような実施形態も考えられる。
28は回路基板、28aは回路基板28に配置されている時計ムーブメント状態で通常時刻モードに関する検査を行うための検査端子、122は発停伝えレバー、122bは発停伝えレバー122の膨らみ部、127は電池支持枠押さえ、127dは電池支持枠押さえ127に検査端子を操作するために設けられた検査端子操作穴である。これらは第1実施形態と比較して、変形及び追加されたものである。図10は、図9のC−C線による断面図である。
図11は本発明の第2実施形態に係る、クロノグラフ付時計ムーブメント300のクロノグラフモードの内部構成を分かり易くするために、電池支持枠押さえ127を透視した図である。図12は、図11のD−D線による断面図である。なお、通常時刻モードからクロノグラフモードに切替わる機構は、第1実施形態と同様のため省略する。
図11、図12に示すように、クロノグラフモードでは、検査端子操作穴127dにおいて、検査端子28aと発停伝えレバー122の膨らみ部122bとは平面視で重なっている。
(実際には、検査端子28aは見えないが、説明をわかりやすくするために、実線で記載している。)
従って、検査端子操作穴127dを通して検査端子28aの操作が不可能となり、時計ムーブメント状態で時刻運針の作動確認が不可能となる。従って、クロノグラフモードで誤って、通常時刻モードに関する検査が行われることを防ぐことが可能となる。
回路基板28に搭載のIC(不図示)のシステムリセット用端子としても良い。
る。
続いて、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態は、本発明を用いて、所
定のモードで電池の取り外しを不可能にした実施例である。なお、既出の構成要素と同一の構成要素については、同一の番号を付し、説明を省略する。
図13は本発明の第3実施形態に係る、クロノグラフ付時計ムーブメント400の通常時刻モードの内部構成を分かり易くするために、電池支持枠押さえ27を透視した図である。31は電池、29は、電池31を押さえることで、クロノグラフ付時計ムーブメント400に固定するための電池押さえ、29aは電池押さえ29のねじ止め部、30はねじ止め部29aをクロノグラフ付時計ムーブメント400に固定するための電池押さえねじ、22は切替えレバー、22bは切替えレバー22の先端部である。これらは第1実施形態と比較して、変形及び追加されたものである。図14は、図13のE−E線による断面図である。
上記より、クロノグラフモードは通常時刻モードと比較すると、切替えレバー119の先端部119aにより電池31が強固に保持されており、電池外れを防ぎやすい。例えば、時計使用者がクロノグラフで時間計測中、落下等により、時計に強い衝撃を与えてしまった場合においても、電池外れを防ぎやすく、時間計測を継続することが可能である。
第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態では「モード切替え時に動作する部品を用いて、モードAのときには部品Cを隠し、モードBのときは部品Cを隠さない」、という機構を利用したが、「モード切替え時に動作する部品を用いて、モードAのときには部品C固定させ、モードBのときは部品Cを固定させない」という機構も考えられ、これを利用すると、以下のような実施形態も考えられる。
図17は本発明の第4実施形態に係る、クロノグラフ付時計ムーブメント500の通常時刻モード且つ巻真0段引き状態の内部構成を分かり易くするために、電池支持枠押さえ27を透視した図である。なお、既出の構成要素と同一の構成要素については、同一の番号を付し、説明を省略する。115はおしどり、115aは巻真を外す際に操作性を向上さ
せるためにおしどり115に設けられた凹み、115bはおしどり115に設けられたリブ、115cはおしどり115の回転の軸となるおしどり軸穴であり、おしどり軸穴115cは地板に固定された不図示のおしどり軸と係合している。これらは第1実施形態と比較して、変形及び追加されたものである。図18は、図17のG−G線による断面図である。
図17、図18に示すように、通常時刻モードでは、おしどり操作穴27aにおいて、凹み115aと発停伝えレバー22の先端22aとは平面視で重なっていない。従って、おしどり操作穴27aを通しておしどり115の操作が可能であり、巻真14の取り外しが可能となる。
図17において、巻真14を時計ムーブメントから引張ると、0段引き状態から、1段引き状態、2段引き状態と切り替わる。この際、巻真14と係合しているおしどり115は、おしどり軸穴115cを回転の軸として反時計回りに回転する。従って巻真14を引張るとともに、おしどり115のおしどり軸穴115cより右の部分は上方向に、おしどり軸穴115cより左の部分は下方向に移動する。
図20、図21に示すように、クロノグラフモードでは、おしどり操作穴27aにおいて、凹み115aと発停伝えレバー22の先端22aとは平面視で重なっている。従って、おしどり操作穴27aを通しておしどり115の操作が不可能となり、巻真14の取り外しが不可能となる。従って、クロノグラフモードで誤って、巻真14の取り外しが行われることを防ぐことが可能となる。
また、図17と図20からわかるように、通常時刻モードではおしどり操作穴27aを通して発停伝えレバー22の先端22aが見えないのに対し、クロノグラフモードではおしどり操作穴27aを通して発停伝えレバー22の先端22aがはっきり視認できる。従って、おしどり操作穴27aの内部を視認することでクロノグラフ付時計ムーブメント500のモードが認識できる。
でしか針付けを行えない時計を提供することができ、生産性の向上とASの場においての問題発生を抑制することが可能である。
また、***作部品が通常時刻モードで作動しては困るような、例えば、クロノグラフモード専用の検査端子の場合は、通常時刻モードを第2のモードとしても良い。
その他、この発明の主旨を逸脱しない範囲での変形が可能である。
2 文字板
3 時針
4 分針
5 秒針(秒クロノグラフ針と兼用)
6 時クロノグラフ針
7 分クロノグラフ針
8 1/10秒クロノグラフ針
9 1/100秒クロノグラフ針
10 1/1000秒クロノグラフ針
11 竜頭
12a モード切替えボタン
12b クロノグラフのスタート・ストップボタン
12c クロノグラフのリセットボタン
13 バンド固定部
14 巻真
15 115 おしどり
15a 115a おしどりの凹み部
115b おしどりに設けられたリブ
115c おしどり軸穴
16 作動レバー
17 作動カム
18 クロノグラフ作動レバーばね
19 119 切替えレバー
119a 切替えレバーの先端
20 復針レバー(1)
21 復針レバー(2)
22 122 発停伝えレバー
22a 発停伝えレバーの先端
122b 発停伝えレバーの膨らみ部
23 発停レバー
24 ハートカム(1)
25 ハートカム(2)
26 地板
27 127 電池支持枠押さえ
27a 127a おしどり操作穴
27b 27c 確認穴
127d 検査端子用操作穴
28 回路基板
28a 検査端子29 電池押さえ
29a ねじ止め部
30 電池押さえねじ
Claims (5)
- 第1のモードと第2のモードを切り替え可能な多機能時計用ムーブメントであって、
該第1のモードと該第2のモードの切り替えを行うための外部操作部材と、
該外部操作部材のモード切り替え操作に連動して移動する作動部品と、
リブを有する***作部品と、を有し、
前記第1のモードでは、前記作動部品と前記リブが当接せず、前記***作部品は動作可能であり、
前記第2のモードで、前記作動部品が前記リブの近傍に位置してロックすることで、前記***作部品の動作を不可能とする
ことを特徴とする多機能時計用ムーブメント。 - 前記***作部品は、おしどりであり、
前記第2のモードで、前記作動部品が前記リブの近傍に位置して、前記おしどりの回転をロックすることで、巻真の引き操作を不可能とする
ことを特徴とする請求項1に記載の多機能時計用ムーブメント。 - 前記第1のモードが通常時刻モードである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の多機能時計用ムーブメント。 - 前記第2のモードがクロノグラフモードであり、
前記作動部品がクロノグラフ機能を実現するためのレバー類である
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の多機能時計用ムーブメント。 - 請求項1から4のいずれか1つに記載の多機能時計用ムーブメントを使用した多機能時計。
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2016
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