JP2016161166A - 蒸気加熱システム、および、その運転方法 - Google Patents

蒸気加熱システム、および、その運転方法 Download PDF

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曉識 白石
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Abstract

【課題】起動時のエネルギー消費を抑制してシステム全体の省エネルギー化を図ることができる蒸気加熱システム、および、その運転方法を提供する。
【解決手段】蒸気加熱システムは、蒸気を発生させる蒸気発生部2と、蒸気発生部2で発生させた蒸気が供給される蒸気負荷3A〜3Cと、定常運転時に蒸気に基づく熱による蓄熱を行うとともに、起動時にこの蓄熱した熱を、蒸気発生部2に供給される水に対して放熱する蓄熱部30A〜30Cと、を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、蒸気加熱システム、および、その運転方法に関する。
蒸気加熱システムは、ボイラによって高温高圧の蒸気を生成する。このボイラによって生成された蒸気は、必要加熱能力が異なる複数の蒸気加熱設備に対して圧力調整された後に分配される。蒸気加熱設備により使用済みの蒸気は、凝縮して液体のドレインとして蒸気加熱設備より排出される。このドレインは、低圧環境に晒されると、基幹蒸気よりも圧力が低下したいわゆるフラッシュ蒸気を発生させる。フラッシュ蒸気は、ドレインタンクと称される容器内にドレインと共に回収される。このドレインタンクに回収されたフラッシュ蒸気とドレインとは、気液分離される。また、ドレインタンク内で気液分離されたドレインは、ボイラ等で再利用される。一方で、ドレインタンク内で分離されたフラッシュ蒸気は、ボイラで用いる軟水タンク内の水の加熱などに再利用されることもあるが、多くの場合は、再利用せずに系外へ排出される。
特許文献1には、加熱能力が高い蒸気加熱設備のドレインから生じるフラッシュ蒸気を、加熱能力が相対的に低い蒸気加熱設備の供給蒸気へ混合することで、フラッシュ蒸気を再利用して省エネルギー化を図る技術が提案されている。
特開2009−045780号公報
上述した特許文献1に記載の技術は、蒸気加熱システムを定常運転しているときの省エネルギー化に関する技術である。一方で、上述した蒸気加熱システムにおいては、定常運転時には、温度の高い水がフラッシュタンクやドレインタンク等から供給されるため、ボイラにおいて小さいエネルギーで容易に蒸気を得ることができる。しかし、起動時等の冷間時には、フラッシュタンクやドレインタンク等の水が温度低下しているため、低温の水から蒸気を生成する必要がある。そのため、この低温の水を加熱して蒸気を得る際に多大なエネルギーが必要になるという課題がある。
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、起動時のエネルギー消費を抑制してシステム全体の省エネルギー化を図ることができる蒸気加熱システム、および、その運転方法を提供することを目的とする。
この発明の第一態様によれば、蒸気加熱システムは、蒸気を発生させる蒸気発生部と、前記蒸気発生部で発生させた蒸気が供給される蒸気負荷と、定常運転時に前記蒸気に基づく熱による蓄熱を行うとともに、起動時にこの蓄熱した熱を、前記蒸気発生部に供給される水に対して放熱する蓄熱部と、を備える。
このように構成することで、定常運転時に蓄熱した熱を利用して、起動時に蒸気発生部に供給される水の温度を上昇させることができる。その結果、起動時のエネルギー消費を抑制して、システム全体の省エネルギー化を図ることができる。
この発明の第二態様によれば、蒸気加熱システムは、第一態様における蓄熱部が、顕熱蓄熱材、潜熱蓄熱材、および、化学蓄熱材のうち、少なくとも一種の蓄熱材を備えるようにしてもよい。
このように構成することで、例えば、蒸気負荷の廃熱の温度範囲に応じた最適な蓄熱材を適宜選択して使用すれば、蓄熱効率を向上して、更なる省エネルギー化を図ることができる。
この発明の第三態様によれば、蒸気加熱システムの運転方法は、蒸気を発生させる蒸気発生部と、前記蒸気発生部で発生させた蒸気が供給される蒸気負荷と、を備える蒸気加熱システムの運転方法であって、定常運転時に前記蒸気に基づく熱による蓄熱を行う蓄熱工程と、起動時に、前記蓄熱工程により蓄熱した熱を、前記蒸気発生部に供給される水に対して放熱する放熱工程と、を含む。
このようにすることで、蓄熱を行うための専用の発熱源を設けることなく蓄熱することができるとともに、この蓄熱した熱を、消費エネルギーが増大する蒸気加熱システムの起動時に有効利用して、省エネルギー化を図ることができる。
上記蒸気加熱システム、および、運転方法によれば、起動時のエネルギー消費を抑制してシステム全体の省エネルギー化を図ることができる。
この発明の実施形態における蒸気加熱システムの概略構成を示す図である。 スチームコンプレッサーの概略構成を示す図である。 この発明の実施形態における非定常状態のときに軟水タンクからボイラへ水を供給する構成を示す図である。 この発明の実施形態における蒸気加熱システムの運転方法のフローチャートである。 この発明の実施形態の変形例における図3に相当する図である。
次に、この発明の一実施形態に係る蒸気加熱システム、および、運転方法について説明する。
図1は、この発明の実施形態における蒸気加熱システムの概略構成を示す図である。
以下、この発明の一実施形態に係る蒸気加熱システムについて説明する。
図1は、この実施形態における蒸気加熱システムの概略構成を示す図である。
図1に示すように、この実施形態の蒸気加熱システム1は、ボイラ2と、蒸気加熱設備3A〜3Cと、減圧弁4と、スチームトラップ5A,5Bと、ドレイン回収ポンプ6と、回収部7と、スチームコンプレッサー8と、軟水タンク9と、蓄熱装置30と、を備えている。
ボイラ2は、燃料を燃焼させることで水を加熱し高圧蒸気(飽和蒸気)を発生させる。
ボイラには、発生させた蒸気を複数の蒸気加熱設備3A〜3Cへ供給するための基幹配管10が接続されている。ボイラ2により発生させる蒸気の圧力は、複数の蒸気加熱設備3A〜3Cのうち、最も加熱能力の高い蒸気加熱設備が必要とする圧力以上とされている。基幹配管10の途中には、安全弁11が取り付けられており、異常圧力となった場合に蒸気を外部へ逃がすことが可能になっている。
蒸気加熱設備3A〜3Cは、蒸気を利用して作動する装置である。この実施形態における蒸気加熱設備3A〜3Cのうちの少なくとも一つは、蒸気タービンを備える。蒸気加熱設備3A〜3Cは、それぞれ加熱能力が異なる。これら蒸気加熱設備3A〜3Cは、それぞれ分岐配管12を介して基幹配管10に接続されている。分岐配管12の途中には、各蒸気加熱設備3A〜3Cで必要とする圧力まで基幹蒸気の圧力を低下させるための減圧弁4が取り付けられている。つまり、減圧弁4と蒸気加熱設備3A〜3Cとの間の分岐配管12に流れる基幹蒸気の圧力は、各蒸気加熱設備3A〜3Cで必要とする圧力にそれぞれ調整されている。また、蒸気加熱設備3A〜3Cは、それぞれの加熱能力が、蒸気加熱設備3A≧蒸気加熱設備3B≧蒸気加熱設備3Cとされている。この実施形態においては、3つの蒸気加熱設備3A〜3Cを備える場合を一例に説明するが、蒸気加熱設備の数は複数であればよく3つに限られない。
スチームトラップ5Aは、蒸気加熱設備3Aに生じるドレイン(凝縮水)を、蒸気加熱設備3Aからの蒸気の漏れを抑制しつつ排出する装置である。スチームトラップ5Aは、蒸気加熱設備3Aのドレイン管13の途中に取り付けられている。
同様に、スチームトラップ5Bは、蒸気加熱設備3Bに生じるドレインを、蒸気加熱設備3Bからの蒸気の漏れを抑制しつつ排出する。スチームトラップ5Bは、蒸気加熱設備3Bのドレイン管13の途中に取り付けられている。
ドレイン回収ポンプ6は、蒸気加熱設備3A〜3Cのうち、加熱能力が最も低い蒸気加熱設備3Cのドレイン管13の途中に取り付けられている。このドレイン回収ポンプ6には、高圧供給管14が接続されている。高圧供給管14は、基幹配管10から分岐してドレイン回収ポンプ6に接続されている。この高圧供給管14によって基幹蒸気の一部をドレイン回収ポンプ6へ供給することが可能となっている。ドレイン回収ポンプ6は、高圧供給管14により供給される基幹蒸気の一部を利用して、蒸気加熱設備3Cで発生するドレインを昇圧する。
各ドレイン管13は、集合ドレイン管15に合流接続されている。集合ドレイン管15は、回収部7に接続されている。
回収部7は、集合ドレイン管15によって集められたドレイン、および、ドレインが再蒸発して生じるフラッシュ蒸気をそれぞれ回収する。つまり、集合ドレイン管15の内部には、ドレインとフラッシュ蒸気とがそれぞれ混在している。回収部7は、ドレインタンク16と、フラッシュタンク17と、制御弁18と、を備えている。
ドレインタンク16は、液体状態のドレインを貯留する。このドレインタンク16には、所定量のドレインが貯留可能となっている。このドレインタンク16は、第一ドレイン供給管19を介してボイラ2に接続されている。つまり、ドレインタンク16内に貯留されたドレインは、第一ドレイン供給管19を介してボイラ2に供給される。このドレインタンク16から供給されたドレインは、その温度が常温よりも十分に高いため、ボイラ2で再利用される。
さらに、ドレインタンク16には、第一フラッシュ供給管20を介して軟水タンク9が接続されている。ドレインタンク16内で発生した蒸気は、第一フラッシュ供給管20を介して軟水タンク9に供給される。この軟水タンク9に供給された蒸気は、その温度が常温よりも十分に高いため、軟水タンク9内に収容されている水の加温などに用いられる。
フラッシュタンク17は、フラッシュ蒸気を回収するタンクである。フラッシュタンク17には、所定量のフラッシュ蒸気が貯留可能となっている。このフラッシュタンクには、第二ドレイン供給管21を介してボイラ2が接続されている。つまり、フラッシュタンク17内で凝縮して発生したドレインは、第二ドレイン供給管21を介してボイラ2に供給される。このフラッシュタンク17内で発生したドレインは、ボイラ2で再利用される。
さらに、フラッシュタンク17には、第二フラッシュ供給管22を介してスチームコンプレッサー8が接続されている。フラッシュタンク17に収容されているフラッシュ蒸気は、第二フラッシュ供給管22を介してスチームコンプレッサー8に供給される。
制御弁18は、集合ドレイン管15内のドレインおよびフラッシュ蒸気を、気液分離するための弁である。制御弁18を介して気液分離されたドレインは、ドレインタンク16に導入され、制御弁18により気液分離されたフラッシュ蒸気は、フラッシュタンク17に導入される。
スチームコンプレッサー8は、相対的に低圧な蒸気を、相対的に高圧な蒸気と混合することで中圧〜高圧の蒸気を発生させる装置である。スチームコンプレッサー8は、蒸気加熱設備3Cと、基幹配管10とを接続する分岐配管12の途中に配置されている。また、スチームコンプレッサー8と、基幹配管10との間の分岐配管12の途中には、減圧弁23が取り付けられている。この減圧弁23により、スチームコンプレッサー8へ流入する蒸気の圧力が調整可能となっている。
軟水タンク9は、系内のドレインや蒸気が系外に排出された場合に、その分の水をボイラ2に補給する。この軟水タンク9には、不純物が取り除かれた軟水が貯留され、この軟水を必要に応じてボイラ2へ供給する。軟水タンク9に貯留された軟水は、定常運転時には、ドレインタンク16で発生するフラッシュ蒸気により加温される。
図2は、スチームコンプレッサー8の概略構成を示す図である。
図2に示すように、スチームコンプレッサー8は、高圧蒸気を駆動流体として、低圧蒸気を吸入し混合する。スチームコンプレッサー8は、高圧蒸気入口8aと、ノズル8bと、吸入室8cと、吸入口8dと、ディフューザ8eとを備えている。高圧蒸気入口8aから流入する高圧蒸気は、ノズル8bから吸入室8cに噴射される。この噴射された蒸気はディフューザ8eへ向かって直進する。これにより吸入室8cの圧力が低下し、吸入口8dから低圧のフラッシュ蒸気が吸い上げられる。この際、吸入室8c内で、高圧蒸気と低圧のフラッシュ蒸気とが混合されて、中圧蒸気としてディフューザ8eを介してスチームコンプレッサー8から排出される。このスチームコンプレッサー8は、低圧側への蒸気の逆流が起こらず、高圧蒸気、および、低圧蒸気の各系統の圧力が維持されるようになっている。
この実施形態におけるスチームコンプレッサー8は、高圧蒸気として基幹配管の基幹蒸気が供給され、低圧蒸気としてフラッシュタンク17のフラッシュ蒸気が供給されている。これら基幹蒸気とフラッシュ蒸気とが混合された蒸気は、蒸気加熱設備3Cの基幹蒸気として利用される。
図1に示すように、蓄熱装置30は、流路を流れる流体の熱を熱交換により蓄熱する一方で、軟水タンク9に貯留されている水に対して熱交換して放熱する。この蓄熱装置30は、第一蓄熱部30Aと、第二蓄熱部30Bと、第三蓄熱部30Cと、を備えている。これら第一蓄熱部30Aと、第二蓄熱部30Bと、第三蓄熱部30Cとは、それぞれ蓄熱材(図示せず)を有している。
第一蓄熱部30Aは、蒸気加熱システム1が定常運転をしているときに、ドレインタンク16から軟水タンク9に向かって流れるフラッシュ蒸気と熱交換して蓄熱材に蓄熱する。同様に、第二蓄熱部30Bは、蒸気加熱システム1が定常運転をしているときに、ドレインタンク16からボイラ2へ向かって流れるドレインと熱交換して蓄熱材に蓄熱する。さらに、第三蓄熱部30Cは、蒸気加熱システム1が定常運転をしているときに、フラッシュタンク17からボイラ2へ向かって流れるドレインと熱交換して蓄熱材に蓄熱する。第一蓄熱部30A、第二蓄熱部30B、および、第三蓄熱部30Cは、蓄熱した熱が外部に逃げないように、外部との間には十分な断熱処理が行われている。
図3は、この発明の実施形態における非定常状態のときに軟水タンクからボイラへ水を供給する構成を示す図である。
図3に示すように、この実施形態の蒸気加熱システム1は、起動時などの非定常運転時に、軟水タンク9からボイラ2へ水を供給するための3つの水供給配管31A,31B,31Cを備えている。これら水供給配管31A,31B,31Cは、軟水タンク9とボイラ2との間に並列接続されている。これら水供給配管31A,31B,31Cは、起動時などの非定常運転時にのみ、切り替え弁(図示せず)等により開放されて、軟水タンク9から通水される。
水供給配管31Aは、その途中に第一蓄熱部30Aが配置されている。この水供給配管31A内を流れる水は、ボイラ2に供給される前に定常運転時に蓄熱された第一蓄熱部30Aの蓄熱材と熱交換して加温される。
水供給配管31Bは、その途中に第二蓄熱部30Bが配置されている。この水供給配管31A内を流れる水は、ボイラ2に供給される前に定常運転時に蓄熱された第二蓄熱部30Bの蓄熱材と熱交換して加温される。
水供給配管31Cは、その途中に第三蓄熱部30Cが配置されている。この水供給配管31C内を流れる水は、ボイラ2に供給される前に定常運転時に蓄熱された第三蓄熱部30Cの蓄熱材と熱交換して加温される。
この実施形態における第一蓄熱部30A、第二蓄熱部30B、および、第三蓄熱部30Cの備える各蓄熱材は、顕熱蓄熱材と、潜熱蓄熱材とのうち、少なくとも一種を用いることができる。
顕熱蓄熱材としては、熱容量が大きく、熱伝導率が高く、更に熱損失の少ない水、油、レンガ等を用いることができる。この顕熱蓄熱材を用いる場合、例えば、起動、停止の周期が短く、廃熱が低温(例えば、25℃から100℃程度)の蒸気加熱システム1に適している。
一方で、潜熱蓄熱材としては、0℃から100℃未満の温度範囲において、パラフィン系潜熱蓄熱材、酢酸ナトリウム水和物を含む潜熱蓄熱材を用いることができる。さらに、潜熱蓄熱材としては、100℃以上から150℃未満の範囲において、糖アルコール類を含む潜熱蓄熱材を用いることができる。さらに、潜熱蓄熱材としては、150℃以上の範囲において、金属溶融塩等を含む潜熱蓄熱材を用いることができる。ここで、上述した潜熱蓄熱材は、貝粒子等の他素材を混ぜ込み、状態変化温度域を調整するようにしても良い。上述した潜熱蓄熱材を用いる場合、例えば、起動、停止の周期が短く、廃熱が中から高温(例えば、100℃から300℃程度)の蒸気加熱システム1に適している。つまり、顕熱蓄熱材と潜熱蓄熱材とは、蒸気加熱設備3A〜3Cの廃熱の温度範囲に応じて最適なものを選択することができる。
図4は、この発明の実施形態における蒸気加熱システムの運転方法のフローチャートである。
上述した蒸気加熱システム1は、最初の起動時には、未だ蓄熱装置30に蓄熱がなされていない。そのため、軟水タンク9に予め貯留された水をボイラ2に供給して、ボイラ2で蒸気を生成する。ここで、軟水タンク9に貯留された水を、予めヒータ等により加温するようにしても良い。
ボイラ2の蒸気が蒸気加熱設備3A,3B,3Cに供給されると、それぞれ蒸気加熱設備3A,3B,3Cが運転を開始する。すると、これら蒸気加熱設備3A,3B,3Cから排出される十分に高温のドレイン、および、このドレインから発生するフラッシュ蒸気が、それぞれドレインタンク16、および、フラッシュタンク17に回収されるようになる。これにより、ドレインタンク16、および、フラッシュタンク17内のドレインがボイラ2に供給される図4に示す定常運転の状態となる(ステップS01)。
次いで、上述した定常運転を継続している間に蓄熱工程を行う(ステップS02)。より具体的には、ドレインタンク16から軟水タンク9に向かって流れるフラッシュ蒸気の熱を第一蓄熱部30Aで蓄熱し、ドレインタンク16からボイラ2に向かって流れるドレインの熱を第二蓄熱部30Bで蓄熱し、更に、フラッシュタンク17からボイラ2に向かって流れるドレインの熱を第三蓄熱部30Cで蓄熱する。これら第一蓄熱部30A、第二蓄熱部30B、および、第三蓄熱部30Cにより蓄熱された熱は、蒸気加熱システム1が停止(ステップS03)した後も、必要とする温度以上で所定時間保持される。
その後、所定時間以内で蒸気加熱システム1が再起動されると(ステップS04)、軟水タンク9からそれぞれ第一蓄熱部30A、第二蓄熱部30B、および、第三蓄熱部30Cを経由してボイラ2に水が供給される。この際、軟水タンク9から供給される水は、それぞれ第一蓄熱部30A、第二蓄熱部30B、および、第三蓄熱部30Cとの間で熱交換を行い加温される。すなわち、第一蓄熱部30A、第二蓄熱部30B、および、第三蓄熱部30Cの蓄熱材が水との熱交換により放熱される(ステップS05:放熱工程)。この第一蓄熱部30A、第二蓄熱部30B、および、第三蓄熱部30Cの放熱は、蒸気加熱システム1が再び定常運転(ステップS01)となるまで継続される。つまり、蒸気加熱システム1を断続運転する場合には、上述したステップS01からステップS05の工程が繰り返し行われることとなる。
したがって、上述した実施形態によれば、定常運転時に蓄熱した熱を利用して、起動時にボイラ2に供給される水の温度を上昇させることができる。その結果、起動時のエネルギー消費を抑制して、システム全体の省エネルギー化を図ることができる。
また、蓄熱装置30において、蒸気加熱設備3A〜3Cの廃熱の温度範囲に応じて顕熱蓄熱材と潜熱蓄熱材とを適宜選択して使用すれば、最適な蓄熱を行うことができる。その結果、蓄熱効率を向上して、更なる省エネルギー化を図ることができる。
さらに、蓄熱を行うための専用の発熱源を設けることなく蓄熱することができるとともに、この蓄熱した熱を、消費エネルギーが増大する蒸気加熱システム1の起動時に有効利用して、省エネルギー化を図ることができる。また、特に断続運転する場合に、有利となる。
次に、この発明の実施形態の変形例に係る蒸気加熱システムを図面に基づき説明する。この実施形態の変形例における蒸気加熱システムは、上述した実施形態の蒸気加熱システムと、使用する蓄熱材の種類が異なるだけである。そのため、図1を援用し、上述した実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。
図1に示すように、蒸気加熱システム1は、ボイラ2と、蒸気加熱設備3A〜3Cと、減圧弁4と、スチームトラップ5A,5Bと、ドレイン回収ポンプ6と、回収部7と、スチームコンプレッサー8と、軟水タンク9と、蓄熱装置30と、を備えている。
蓄熱装置30は、第一蓄熱部30Aと、第二蓄熱部30Bと、第三蓄熱部30Cと、を備えている。これら第一蓄熱部30Aと、第二蓄熱部30Bと、第三蓄熱部30Cとは、それぞれ蓄熱材として化学蓄熱材(図示せず)を有している。
第一蓄熱部30Aは、蒸気加熱システム1が定常運転をしているときに、ドレインタンク16から軟水タンク9に向かって流れるフラッシュ蒸気と熱交換して化学蓄熱材を加熱して脱水反応(吸熱)を生じさせる。同様に、第二蓄熱部30Bは、蒸気加熱システム1が定常運転をしているときに、ドレインタンク16からボイラ2へ向かって流れるドレインと熱交換して化学蓄熱材を加熱して脱水反応(吸熱)を生じさせる。さらに、第三蓄熱部30Cは、蒸気加熱システム1が定常運転をしているときに、フラッシュタンク17からボイラ2へ向かって流れるドレインと熱交換して化学蓄熱材を加熱して脱水反応(吸熱)を生じさせる。
図5は、この発明の実施形態の変形例における図3に相当する図である。
図5に示すように、この実施形態の変形例における蒸気加熱システム1は、起動時などの非定常運転時に、第一蓄熱部30Aと、第二蓄熱部30Bと、第三蓄熱部30Cとに、それぞれ蒸気を送り込む蒸気供給配管131A,131B,131Cを備えている。これら蒸気供給配管131A,131B,131Cは、起動時などの非定常運転時にのみ、切り替え弁(図示せず)等により開放されて、ボイラ2から蒸気が供給される。ここで、起動時などの非定常運転時にボイラ2で生成される蒸気は、軟水タンク9から供給される水を加熱して得られる。また、起動時にボイラ2から第一蓄熱部30Aと、第二蓄熱部30Bと、第三蓄熱部30Cとにそれぞれ供給される蒸気は、定常運転時の基幹蒸気よりも十分に低温となっている。
第一蓄熱部30A、第二蓄熱部30B、および、第三蓄熱部30Cの各化学蓄熱材は、ボイラ2から蒸気が供給されると、水和反応を起こして発熱する。この発熱によりボイラ2から供給された蒸気(水)が十分に加熱されてボイラ2に戻される。このボイラ2に戻された蒸気は、基幹蒸気として利用可能な温度まで昇温されているので、ボイラ2から各蒸気加熱設備3A〜3Cに向けて供給される。
上述した化学蓄熱材の脱水反応、および、水和反応は可逆的な反応であり、以下に化学蓄熱材として酸化マグネシウムを利用した場合の化学式を示す。
MgO+HO⇔Mg(OH)、ΔH=−81.0kJmol−1
化学蓄熱材は、上述した酸化マグネシウムに限られない。水が吸着する反応熱を利用できる例えば、ゼオライト、塩化カルシウム、および、酸化カルシウム等を用いることができる。これら化学蓄熱材の種類は、フラッシュ蒸気の温度範囲や、基幹蒸気の必要温度、必要圧力、および、設備コスト等を考慮して最適なものを選択すればよい。
したがって、上述した実施形態の変形例によれば、化学蓄熱材を使用することで、他の蓄熱材を使用する場合と比較して、熱容量を格段に大きくできるとともに、長期間の蓄熱が可能となる。その結果、起動、停止の周期が長い場合であっても、起動時のボイラ2で消費するエネルギーを効率よく低減することができる。また、化学蓄熱材を使用することで、蓄熱した熱が外部に逃げないように断熱処理をする必要がないため、設備コストを低減できる。
この発明は、上述した実施形態、および、変形例に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態、および、変形例に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態や変形例で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態の減圧弁23、スチームコンプレッサー8、および、第二フラッシュ供給管22を省略しても良い。また、ドレイン回収ポンプ6を、スチームトラップに置き換えて、高圧供給管14を省略しても良い。
また、上述した実施形態においては、蓄熱装置30が第一蓄熱部30A、第二蓄熱部30B、および、第三蓄熱部30Cを備える場合について説明した。しかし、第一蓄熱部30A、第二蓄熱部30B、および、第三蓄熱部30Cのうち、少なくとも一つを設ければ良い。例えば、実施形態のように第一蓄熱部30A、第二蓄熱部30B、および、第三蓄熱部30Cの全てを設けた場合、熱容量を大きくできる点で有利となる。
上述した実施形態においては、蒸気加熱設備3A〜3Cの少なくとも一つが蒸気タービンの場合について説明した。しかし、蒸気加熱設備3A〜3Bは、蒸気タービンに限られない。蒸気タービンの他に、蒸気を用いる加熱装置などであってもよい。
また、上述した実施形態においては、蒸気加熱設備を3つ設ける場合について説明したが、蒸気加熱設備の数は2つに限られない。
さらに、実施形態においては、回収部7がドレインタンク16とフラッシュタンク17とを備える場合を一例に説明した。しかし、この構成に限られるものではない。例えば、ドレインタンク16のみを設けて、ドレインタンク16で発生したフラッシュ蒸気をスチームコンプレッサー8へ供給して再利用するようにしても良い。
1 蒸気加熱システム
2 ボイラ(蒸気発生部)
3A 蒸気加熱設備(蒸気負荷)
3B 蒸気加熱設備(蒸気負荷)
3C 蒸気加熱設備(蒸気負荷)
4 減圧弁
5A,5B スチームトラップ
6 ドレイン回収ポンプ
7 回収部
8 スチームコンプレッサー
8a 高圧蒸気入口
8b ノズル
8c 吸入室
8d 吸入口
8e ディフューザ
9 軟水タンク
10 基幹配管
11 安全弁
12 分岐配管
13 ドレイン管
14 高圧供給管
15 集合ドレイン管
16 ドレインタンク
17 フラッシュタンク
18 制御弁
19 第一ドレイン供給管
20 第一フラッシュ供給管
21 第二ドレイン供給管
22 第二フラッシュ供給管
23 減圧弁
30A 第一蓄熱部(蓄熱部)
30B 第二蓄熱部(蓄熱部)
30C 第三蓄熱部(蓄熱部)
31A,31B,31C 水供給配管
131A,131B,131C 蒸気供給配管

Claims (3)

  1. 蒸気を発生させる蒸気発生部と、
    前記蒸気発生部で発生させた蒸気が供給される蒸気負荷と、
    定常運転時に前記蒸気に基づく熱による蓄熱を行うとともに、起動時にこの蓄熱した熱を、前記蒸気発生部に供給される水に対して放熱する蓄熱部と、
    を備える蒸気加熱システム。
  2. 前記蓄熱部は、顕熱蓄熱材、潜熱蓄熱材、および、化学蓄熱材のうち、少なくとも一種の蓄熱材を備える請求項1に記載の蒸気加熱システム。
  3. 蒸気を発生させる蒸気発生部と、
    前記蒸気発生部で発生させた蒸気が供給される蒸気負荷と、を備える蒸気加熱システムの運転方法であって、
    定常運転時に前記蒸気に基づく熱による蓄熱を行う蓄熱工程と、
    起動時に、前記蓄熱工程により蓄熱した熱を、前記蒸気発生部に供給される水に対して放熱する放熱工程と、を含む蒸気加熱システムの運転方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112097555A (zh) * 2020-07-24 2020-12-18 中国电力工程顾问集团中南电力设计院有限公司 基于熔盐储能***的火力发电厂低负荷脱硝***

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