JP2016160394A - エマルション組成物、及び該組成物から得られる光拡散フィルム - Google Patents

エマルション組成物、及び該組成物から得られる光拡散フィルム Download PDF

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章 山川
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Abstract

【課題】 高い光透過性と優れた光拡散性をともに備えた光拡散フィルムを簡易に得るための材料として有用なエマルション組成物を提供する。【解決手段】 本発明のエマルション組成物は、高屈折率ナノ粒子と硬化性化合物の乳化粒子とを含有することを特徴とする。前記高屈折率ナノ粒子は、ダイヤモンド、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタンから選ばれるナノ粒子であることが好ましい。高屈折率ナノ粒子の含有量は、高屈折率ナノ粒子と硬化性化合物の総量に対して、0.5〜20重量%であるのが好ましい。高屈折率ナノ粒子の一次粒子の粒子径D50は、例えば、1〜100nmである。【選択図】 なし

Description

本発明は、光拡散フィルムを得るうえで有用な、高屈折率微粒子を含有するエマルション組成物、該組成物から得られる光拡散フィルム、及び該光拡散フィルムを利用した透過型スクリーンに関する。
近年、高屈折率微粒子を用いた光拡散体の研究が進められている。特許文献1には、***法で得られたグラファイト相を有するナノダイヤモンドを、特定組成の超臨界流体中で酸化処理して得られる、粒子径0.1〜50μmのダイヤモンド微粒子を含有する光散乱板が開示されている。この文献には、上記粒子径を有する粒子は、いわゆるミー散乱により可視光を散乱させることができること、この発明のダイヤモンド含有粒子は、ダイヤモンド微粒子のコアと有機ポリマー、無機材料等のシェルとからなるコア/シェル構造の複合粒子であること、ダイヤモンドを粒子内に含有させることにより、ダイヤモンドを単独で使用する場合に比べて、使用する分散媒に応じて粒子の性質を選択することができるので、粒子の分散安定性の付与が容易であることが記載されている。また、この文献には、***法で得られたダイヤモンドは1〜10nm程度の径を有するナノサイズのダイヤモンドが凝集したメジアン径30〜250nmの粒子であり、可視光を散乱させるには粒子径が小さすぎるので、凝集させてミー散乱が起こる程度の粒子径(0.1〜50μmの粒子径)にする必要があるが、ナノサイズのダイヤモンドをコアとした複合粒子とすることで、容易に所望のサイズの粒子を得ることができると記載されている。そして、実施例では、メジアン径2.1μmのダイヤモンド微粒子とウレタン系樹脂を含む水分散液をアクリル板に塗布し、乾燥することにより光散乱板を作製している。ダイヤモンド微粒子とウレタン系樹脂の比率(前者/後者)は、67:33(重量比)である。
特許文献2には、基板と、該基板上に設けた透明薄膜層と、前記透明薄膜層に含まれるメジアン径0.01〜1μmの光散乱体からなる透過型スクリーンであって、前記光散乱体が***法で得られたグラファイト相を有するナノダイヤモンドを酸化処理して得られたダイヤモンド微粒子であることを特徴とする透過型スクリーンが開示されている。この文献には、透明薄膜層はポリビニルアセタール系樹脂が好ましく、透明薄膜層の厚みは5〜1000μmが好ましいこと、光散乱体のメジアン径は1μm以下であり、400nm以下であるのが好ましく、200nm以下であるのがより好ましいこと、メジアン径が0.01μmより小さくなると後方散乱がほとんど起こらなくなり、透過型スクリーンの散乱反射性が低下することが記載されている。そして、実施例には、ポリビニルブチラール100質量部と可塑剤40質量部を含むメチルエチルケトン溶液(ポリビニルブチラール:10質量%)に、メジアン径415nmのフッ素化ダイヤモンド微粒子(フッ素含有量12重量%)を2質量%添加し、超音波洗浄器を用いて均一分散させた分散液を、透明ガラス基板の片面にディップ法により塗布し、乾燥することにより、200μmの厚みの透明薄膜層を有する透過型スクリーンを作製している。透明薄膜層中のダイヤモンド粒子の含有量は13重量%である。
特許文献3には、ナノカーボン粒子を分散媒体中に分散させたナノカーボン・ナノコンポジットであって、前記ナノカーボン粒子の表面に厚み0.001〜1nmの表面改質層を有し、前記表面改質層の量はナノカーボン粒子に対して0.01〜5体積%であることを特徴とするナノカーボン・ナノコンポジットが開示されている。また、ナノカーボン粒子の表面に空気等で修飾処理する第1の工程と、前記第1の工程で得られたナノカーボン粒子を表面改質剤が添加された沸点30℃以上250℃未満の分散溶剤溶液中に投入し、解砕及び分散させながら前記ナノカーボン粒子の表面に厚み0.001〜1nmの表面改質層を、前記ナノカーボン粒子に対して0.01〜5体積%の量となるように形成する第2の工程と、250℃以下で前記分散溶剤溶液を撹拌真空脱溶剤処理し、前記ナノカーボン粒子の表面に前記表面改質層が固定化処理された表面改質層固定化ナノカーボン粒子を得る第3の工程と、前記表面改質層固定化ナノカーボン粒子を前記分散媒体及び分散補助剤としての前記分散溶剤の混合溶剤中に分散させて分散体1のマスターバッチを製造する第4の工程と、前記分散体1中に、さらに前記分散媒を添加して分散体2の成形前分散体を製造する第5の工程と、前記分散体2を成形して所定形状のナノカーボン・ナノコンポジットを製造する第6の工程とを備えることを特徴とするナノカーボン・ナノコンポジットの製造方法がが開示されている。実施例では、表面改質剤、分散媒体として、ポリビニルアルコール、シクロオレフィンポリマーなどが用いられている。
特許文献4には、高屈折率ナノ粒子を分散媒中に分散させた高屈折率ナノ粒子・ナノコンポジットであって、前記分散媒体と同質又は類似した材料を含む高屈折率ナノ粒子複合体の平均サイズが40〜4000nmであることを特徴とする高屈折率ナノ粒子複合体を含有する透明光拡散体が開示されている。この文献には、高屈折率ナノ粒子複合体の相対標準偏差は5〜50%が好ましいこと、高屈折率ナノ粒子の含有量は0.2〜40重量%が好ましいこと、膜厚は0.2〜400μmが好ましいこと、高屈折率ナノ粒子として、一次粒子サイズが100nm以下のダイヤモンド、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタニウムが例示されている。実施例では、ナノ粒子としてナノダイヤモンドと分散媒体としてポリビニルアルコール(PVA)と蒸留水から水−8質量%PVAの溶液を調製し、超音波ホモジナイザーを用いて均一分散液とし、ガラス基板上に前記分散液をスピンコートすることにより透明光拡散体を作製している。また、ナノ粒子としてナノダイヤモンドを用い、分散媒としてシクロオレフィンポリマー、PMMA又はポリカーボネートを用いてナノコンポジットシートを作製している。
特開2011−22261号公報 特開2011−113068号公報 特開2012−240891号公報 特開2014−153708号公報
しかしながら、従来の製造方法では、工程が複雑であったり、工程管理が煩雑であったりして、光透過性と光拡散性の両方をともに満足しうる光拡散フィルムを簡易に得ることは困難であった。
したがって、本発明の目的は、高い光透過性と優れた光拡散性をともに備えた光拡散フィルムを簡易に得るための材料として有用なエマルション組成物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、高い光透過性と優れた光拡散性をともに備えるとともに、簡易な方法で作製できる光拡散フィルム、及びこれを利用した透過型スクリーンを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、上記特性を有するとともに、表面硬度が高く、したがって耐久性に優れた光拡散フィルム、及びこれを利用した透過型スクリーンを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、高屈折率ナノ粒子と硬化性化合物の乳化粒子とを含有するエマルションを薄膜化し、乾燥、硬化させると、高い光透過性と優れた光拡散性をともに備えた光拡散体を簡易に作製できることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、高屈折率ナノ粒子と硬化性化合物の乳化粒子とを含有することを特徴とするエマルション組成物を提供する。
前記高屈折率ナノ粒子は、ダイヤモンド、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタンから選ばれるナノ粒子であることが好ましい。
前記高屈折率ナノ粒子の含有量は、高屈折率ナノ粒子と硬化性化合物の総量に対して、0.5〜20重量%であることが好ましい。
前記高屈折率ナノ粒子の一次粒子の粒子径D50は、例えば1〜100nmである。
前記硬化性化合物は、分子内に硬化性基を2個以上有する多官能の硬化性化合物であることが好ましい。
前記硬化性化合物は、ラジカル重合性不飽和基含有化合物、エポキシ基含有化合物、オキセタニル基含有化合物、ビニルエーテル基含有化合物、及びアルコキシシリル基若しくはヒドロキシシリル基含有化合物から選択された少なくとも1種の化合物であってもよい。
前記ラジカル重合性不飽和基含有化合物は、(メタ)アクリロイル基含有化合物であることが好ましい。
前記(メタ)アクリロイル基含有化合物は、ウレタン(メタ)アクリレートであってもよい。
前記エマルション組成物は水系エマルションであってもよい。
本発明は、また、前記のエマルション組成物を薄膜化し、乾燥、硬化して得られる光拡散フィルムを提供する。
前記光拡散フィルムにおいて、フィルムの厚みは、例えば0.2〜500μmである。
光拡散フィルム中に分散している高屈折率ナノ粒子凝集体の粒子径D50は、100nm以上1μm未満であることが好ましい。
また、前記光拡散フィルムにおいて、フィルム表面単位面積当たりの高屈折率ナノ粒子の量は、1×10-7〜1×10-3g/cm2であるのが好ましい。
本発明は、さらに、前記の光拡散フィルムを利用した透過型スクリーンを提供する。
本発明のエマルション組成物を材料とすることで、高い光透過性と優れた光拡散性(光散乱性)をともに備えた光拡散フィルムを簡易に得ることができる。
また、本発明の光拡散フィルムは、高い光透過性と優れた光拡散性をともに備えるとともに、簡易に作製することができる。
さらに、本発明の光拡散フィルムは、上記特性に加え、表面硬度が高く、したがって耐久性に優れるという特性を有する。
実施例1〜12および比較例1〜3で得られた各硬化塗膜の全光線透過率の測定結果を示す図である。 実施例1〜12および比較例1〜3で得られた各硬化塗膜の散乱角度−45°における光散乱強度の測定結果を示す図である。 実施例2、5、8、11及び比較例2で得られた各硬化塗膜の散乱角度0°〜−60°における光散乱強度の測定結果を示す図である。 実施例2で得られた硬化塗膜のTEM画像である。 実施例5で得られた硬化塗膜のTEM画像である。 実施例8で得られた硬化塗膜のTEM画像である。 実施例11で得られた硬化塗膜のTEM画像である。
[高屈折率ナノ粒子]
高屈折率ナノ粒子としては、屈折率が2.2以上(例えば、2.2〜3.0、好ましくは2.3〜2.8)のナノ粒子が好ましく、例えば、ダイヤモンド、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタンから選ばれるナノ粒子が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2以上を組み合わせて用いてもよい。これらのなかでも、分散性の点で、ナノダイヤモンド、酸化チタンが好ましく、特にナノダイヤモンドが好ましい。
前記高屈折率ナノ粒子の一次粒子の粒子径D50(メジアン径)は、例えば1〜100nmであり、好ましくは3.5〜50nm、より好ましくは4〜10nmである。なお、本明細書において、高屈折率ナノ粒子の粒子径D50(メジアン径)は、一次粒子についてはTEM観察により、凝集体については動的光散乱法により測定される値である。なお、前記TEM観察においては、対象となる試料について1視野当たりの一次粒子数が200〜300個になるような画像を撮影し、その画像上の粒子約200〜300個について各々の粒子の一次粒子径を画像解析ソフトで求め、メジアン径を算出する。
前記エマルション組成物において、高屈折率ナノ粒子の含有量は、高屈折率ナノ粒子の種類によっても異なるが、光透過性と光拡散性とのバランスの観点から、高屈折率ナノ粒子と硬化性化合物の総量に対して、例えば、0.5〜20重量%、好ましくは0.8〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは1.2〜5重量%である。上記の範囲では、特に、優れた光透過性及び光拡散性を高いレベルで両立できる。
高屈折率ナノ粒子としてナノダイヤモンドを用いる場合、該ナノダイヤモンドの比表面積は、分散性等の観点から、例えば、150m2/g以上、好ましくは200m2/g以上、より好ましくは250m2/g以上、特に好ましくは280m2/g以上である。前記比表面積の上限は、例えば500m2/gであり、400m2/gであってもよい。
また、ナノダイヤモンドとしては、分散性等の観点から、ナノダイヤモンド表面に酸性官能基を有していることが好ましい。酸性官能基としては、例えば、カルボキシル基が挙げられる。前記酸性官能基の少なくとも一部は塩を形成していてもよい。塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩などが挙げられる。
ナノダイヤモンドにおける酸性官能基の含量(以下、「酸性官能基含量」と称する場合がある)は、分散性等の観点から、例えば、0.2mmol/g以上、好ましくは0.3mmol/g以上、より好ましくは0.4mmol/g以上である。酸性官能基の含量の上限は、例えば、1.5mmol/gである。なお、酸性官能基の含量とは、遊離の酸性官能基だけでなく塩を形成している酸性官能基をも含めた総含量を意味する。
酸性官能基を有するナノダイヤモンドは、人工ナノダイヤモンド粒子から製造することができる。人工ナノダイヤモンド粒子は炭素からなる元素鉱物(例えば、グラファイト等)を原料として、例えば、爆轟法(***法)、フラックス法、静的高圧法、高温高圧法等により製造できる。一次粒子の平均粒子径が極めて小さいナノダイヤモンド粒子を得ることができるという点から、爆轟法(特に、酸素欠乏爆轟法)で生成したナノダイヤモンド由来のものが好ましい。
上記方法で得られるナノダイヤモンド粒子(ナノダイヤモンド煤)には、製造装置等に含まれるFe、Co、Ni等の金属の酸化物(例えば、Fe23、Fe34、Co23、Co34、NiO、Ni23等)が混入し易い。そのため、上記方法で得られたナノダイヤモンド粒子(ナノダイヤモンド煤)は、強酸を使用して前記金属の酸化物(=金属酸化物)を溶解・除去することが好ましい(酸処理)。酸処理に用いる強酸としては、鉱酸が好ましく、例えば、塩酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、王水などが挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
前記ナノダイヤモンド煤には、上記金属成分のほか、グラファイト(黒鉛)が含まれている。このグラファイトを除去するため、ナノダイヤモンド煤(好ましくは、該ナノダイヤモンド煤を前記酸処理に付したもの)を酸化処理に付すのが好ましい。
酸化処理に用いる酸化剤としては、例えば、濃硝酸、発煙硝酸、発煙硫酸;クロム酸、無水クロム酸、二クロム酸、過マンガン酸、過塩素酸又はこれらの塩;過酸化水素などが挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、酸化剤として、クロム酸、無水クロム酸、二クロム酸、過マンガン酸、過塩素酸若しくはこれらの塩、及び過酸化水素からなる群より選択された少なくとも1種を用いるのが好ましい。上記酸化処理は、グラファイトの除去効率の点から、鉱酸の共存下で行うのが好ましい。鉱酸としては、前記例示のものが挙げられる。好ましい鉱酸は硫酸である。
上記ナノダイヤモンド煤を酸処理及び酸化処理に付して得られるナノダイヤモンド粒子は、一般に、ナノダイヤモンド一次粒子が粒子間凝集(ファンデルワールス凝集)した凝集体として存在する。このナノダイヤモンド凝集体の粒子径D50(メジアン径)は、通常20nm以上であり、一般には100nm〜10μmの範囲である。
なお、酸化処理後のナノダイヤモンドをアルカリ溶液(例えば、水酸化ナトリウム水溶液等)で処理することにより、ナノダイヤモンド表面の酸性官能基(例えば、カルボキシル基)を塩(例えば、カルボン酸塩)に変換することができる。さらに、上記アルカリ処理したナノダイヤモンドを酸(例えば、塩酸など)で処理することにより、ナノダイヤモンド表面を再度、遊離の酸性官能基とすることができる。
酸化処理後のナノダイヤモンド、酸化処理後のナノダイヤモンドをアルカリ処理したもの、或いはこれをさらに酸処理に付したものに対し、水洗を繰り返すことで、不純物である電解質(NaCl等)を除去できる。電解質を除去することにより、ナノダイヤモンドの分散性及び分散安定性を向上できる。
このようにして得られたナノダイヤモンド粒子(凝集体)(必要に応じて分級処理をしてもよい)を分散媒に分散させて懸濁液とし、該懸濁液を解砕処理(「分散処理」ともいう)に付すことで、極小サイズ、特に一桁ナノサイズのナノダイヤモンド粒子を得ることができる。
前記分散媒としては、水;メタノール、エタノール、エチレングリコール等のアルコール、アセトン等のケトン、N−メチルピロリドン等のラクタム又はアミドなどの極性有機溶媒;これらの混合溶媒などが挙げられる。これらのなかでも、水を少なくとも含む(例えば、水を50重量%以上含む)分散媒が好ましく、特に水が好ましい。
前記分散処理は、例えば、高剪断ミキサー、ハイシアーミキサー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミル等の分散機を使用することにより行うことができる。これらのなかでも、効率の点で、ビーズミル、超音波ホモジナイザーを用いて分散する方法が好ましい。
ナノダイヤモンドの懸濁液を分散処理に付す際、最終的に得られるナノダイヤモンド粒子の分散性及び分散安定性を向上させる点から、該懸濁液のpHを8以上(例えば、8〜12)、好ましくは9以上(例えば、9〜11)、さらに好ましくは9.5〜10.5とした状態で分散処理に付すことが望ましい。分散処理の後、必要に応じて分級処理を施してもよい。
こうして得られるナノダイヤモンドの分散液(懸濁液)から、公知の方法、例えば、超遠心分離法、濃縮乾燥法、凍結乾燥法、スプレードライヤー法等によって水分を除去することにより、ナノダイヤモンド粉体を得ることができる。
[硬化性化合物]
前記硬化性化合物としては、光等の活性エネルギー線または熱により硬化する化合物であれば特に限定されない。硬化性化合物の代表的な例として、例えば、ラジカル重合性不飽和基含有化合物、エポキシ基含有化合物、オキセタニル基含有化合物、ビニルエーテル基含有化合物、及びアルコキシシリル基若しくはヒドロキシシリル基含有化合物などが挙げられる。これらの硬化性化合物は単独で用いてもよく、2以上を組み合わせて用いてもよい。
前記硬化性化合物としては、硬化により架橋構造を形成し、フィルムの硬度を高めるという点からは、分子内に硬化性基を2個以上(好ましくは3個以上、さらに好ましくは4個以上、特に好ましくは6個以上)有する多官能の硬化性化合物が好ましい。
前記ラジカル重合性不飽和基含有化合物としては、例えば、分子内に(メタ)アクリロイル基を有する化合物[例えば、(メタ)アクリル酸エステル構造を有する化合物]、オレフィン系化合物、スチレン系化合物などが挙げられる。これらの中でも、分子内に(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。
分子内に(メタ)アクリロイル基を有する化合物には、単官能(メタ)アクリレート、多官能(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルシリコーンなどが含まれる。
単官能(メタ)アクリレートとして、例えば、イソステアリルアクリレート、ステアリルメタクリレート、イソボルニルアクリレート、フェノールEO変性アクリレート、o−フェニルフェノールEO変性アクリレート、パラクミルフェノールEO変性アクリレート、ノニルフェノールEO変性アクリレート、2−エチルヘキシルEO変性アクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキシルヘキサヒドロフタルイミド、メトキシポリエチレングリコールアクリレートなどが挙げられる。
多官能(メタ)アクリレートとして、例えば、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、グリセリンジメタクリレート、トリシクロデカンジメタールジアクリレート、トリシクロデカンジメタールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート、PO変性ネオペンチルグリコールジアクリレート、ビスフェノールF EO変性ジアクリレート、ビスフェノールA EO変性ジアクリレート、ビスフェノールA EO変性ジメタクリレート、ビスフェノールA PO変性ジアクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンなどの二官能(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールトリ及びテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンPO変性トリアクリレート、グリセリンPO変性トリアクリレート、ジグリセリンEO変性アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジ及びトリアクリレート、ペンタエリスリトールEO変性テトラアクリレートなどの三官能以上の(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートとしては、芳香族ウレタン(メタ)アクリレート、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレート等の何れであってもよい。ウレタン(メタ)アクリレートの市販品として、例えば、「EBECRYL204」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL205」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL210」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL215」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL220」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL230」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL244」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL245」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL264」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL265」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL270」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL284」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL285」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL1259」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL1290」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL4820」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL4858」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL5129」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL8210」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL8254」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL8307」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL8311」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL8402」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL8405」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL8411」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL8465」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL8701」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL8800」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL8804」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL8807」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL9260」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL9270」(ダイセル・オルネクス社製)、「KRM8200」(ダイセル・オルネクス社製)、「KRM7735」(ダイセル・オルネクス社製)、「KRM8296」(ダイセル・オルネクス社製)、「KRM8452」(ダイセル・オルネクス社製)、「KRM8904」(ダイセル・オルネクス社製)、「KRM8667」(ダイセル・オルネクス社製)、「KRM8528」(ダイセル・オルネクス社製)、「ビームセット502H」(荒川化学工業社製)、「ビームセット504H」(荒川化学工業社製)、「ビームセット505A−6」(荒川化学工業社製)、「ビームセット550B」(荒川化学工業社製)、「ビームセット575」(荒川化学工業社製)、「ビームセット577」(荒川化学工業社製)、「U−2PPA」(新中村化学工業社製)、「U−6LPA」(新中村化学工業社製)、「U−10HA」(新中村化学工業社製)、「U−10PA」(新中村化学工業社製)、「UA−1100H」(新中村化学工業社製)、「U−15HA」(新中村化学工業社製)、「UA−53H」(新中村化学工業社製)、「UA−33H」(新中村化学工業社製)、「U−200PA」(新中村化学工業社製)、「UA−160TM」(新中村化学工業社製)、「UA−290TM」(新中村化学工業社製)、「UA−4200」(新中村化学工業社製)、「UA−4400」(新中村化学工業社製)、「UA−122P」(新中村化学工業社製)、「UA−7100」(新中村化学工業社製)、「UA−W2A」(新中村化学工業社製)、「ユピカ8932」(日本ユピカ社製)、「ユピカ8940」(日本ユピカ社製)、「ユピカ8965」(日本ユピカ社製)、「ユピカ8966A」(日本ユピカ社製)、「ユピカ8967A」(日本ユピカ社製)、「アロニックスM−1100」(東亞合成社製)、「アロニックスM−1200」(東亞合成社製)、「ニューフロンティアR−1000シリーズ」(第一工業製薬社製)などが挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートの水系ディスパージョン(エマルション)として、例えば、「UCECOAT7571」(ダイセル・オルネクス社製)、「UCECOAT7849」(ダイセル・オルネクス社製)、「UCECOAT7655」(ダイセル・オルネクス社製)、「ビームセットEM−90」(荒川化学工業社製)、「ビームセットEM−92」(荒川化学工業社製)などが挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートの市販品として、例えば、「EBECRYL600」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL605」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL645」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL648」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL860」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL1606」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL3500」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL3603」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL3608」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL3700」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL3701」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL3702」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL3703」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL3708」(ダイセル・オルネクス社製)、「EBECRYL6040」(ダイセル・オルネクス社製)、「ビームセット371」(荒川化学工業社製)、「ビームセット1200」(荒川化学工業社製)、「ネオポール8026」(日本ユピカ社製)、「ネオポール8101」(日本ユピカ社製)、「ネオポール8125」(日本ユピカ社製)、「ネオポール8197」(日本ユピカ社製)、「ネオポール8250」(日本ユピカ社製)、「ネオポール8260」(日本ユピカ社製)、「ネオポール8355」(日本ユピカ社製)、「ネオポール8360」(日本ユピカ社製)、「ネオポール8400」(日本ユピカ社製)、「ネオポール8411」(日本ユピカ社製)、「ネオポール8327」(日本ユピカ社製)、「ネオポール8351」(日本ユピカ社製)、「ネオポール8475」(日本ユピカ社製)、「ネオポール8476」(日本ユピカ社製)などが挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートの市販品として、例えば、「アロニックスM−6000シリーズ」(東亞合成社製)、「アロニックスM−7000シリーズ」(東亞合成社製)、「アロニックスM−8000シリーズ」(東亞合成社製)、「アロニックスM−9000シリーズ」(東亞合成社製)などが挙げられる。
エポキシ基含有化合物(エポキシ環を1分子内に1個以上有する化合物)としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシルレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシルレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシルレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを付加することにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル類;脂肪族長鎖二塩基酸のジグリシジルエステル類;脂肪族高級アルコールのモノグリシジルエーテル類;フェノール、クレゾール、ブチルフェノールまたはこれらにアルキレンオキサイドを付加して得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジルエーテル類;高級脂肪酸のグリシジルエステル類;シリコーンエポキシ等、及びこれらの誘導体等を挙げることができる。
エポキシ基含有化合物の市販品として、例えば、「セロキサイド2021P」(ダイセル社製)、「セロキサイド2081」(ダイセル社製)、「セロキサイド2000」(ダイセル社製)、「EHPE3150」(ダイセル社製)、「エポリードPB3600」(ダイセル社製)、「エポリードPB4700」(ダイセル社製)、「エポリードGT401」(ダイセル社製)、「サイクロマーM100」(ダイセル社製)などが挙げられる。
オキセタニル基含有化合物(オキセタン環を1分子内に1個以上有する化合物)としては、例えば、3,3−ビス(ビニルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシルオキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−[(フェノキシ)メチル]オキセタン、3−エチル−3−(ヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(クロロメチル)オキセタン、3,3−ビス(クロルメチル)オキセタン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、ビス{[1−エチル(3−オキセタニル)]メチル}エーテル、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビシクロヘキシル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]シクロヘキサン、1,4−ビス{〔(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ〕メチル}ベンゼン、3−エチル−3{〔(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン等、及びこれらの誘導体等を挙げることができる。
オキセタニル基含有化合物の市販品としては、例えば、「アロンオキセタンOXT−101」(東亞合成社製)、「アロンオキセタンOXT−212」(東亞合成社製)、「アロンオキセタンOXT−121」(東亞合成社製)、「アロンオキセタンOXT−221」(東亞合成社製)などが挙げられる。
ビニルエーテル基含有化合物(ビニルエーテル基を1分子内に1個以上有する化合物)としては、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシイソプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、2−ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、1−メチル−3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、1−メチル−2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、1−ヒドロキシメチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル、1,6−ヘキサンジオールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,3−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,2−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、p−キシレングリコールモノビニルエーテル、m−キシレングリコールモノビニルエーテル、o−キシレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル、ペンタエチレングリコールモノビニルエーテル、オリゴエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノビニルエーテル、ジプロピレングリコールモノビニルエーテル、トリプロピレングリコールモノビニルエーテル、テトラプロピレングリコールモノビニルエーテル、ペンタプロピレングリコールモノビニルエーテル、オリゴプロピレングリコールモノビニルエーテル、ポリプロピレングリコールモノビニルエーテル等、及びこれらの誘導体等を挙げることができる。
アルコキシシリル基若しくはヒドロキシシリル基含有化合物としては、分子内に1個以上のアルコキシシリル基若しくはヒドロキシシリル基を有する化合物であればよい。
硬化性化合物として、多官能の硬化性化合物、例えば、分子内に(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物、特に、多官能ウレタン(メタ)アクリレートを用いると、フィルムの表面硬度を著しく高めることができ、耐擦傷性に優れた光拡散フィルムを得ることができる。
[エマルション組成物]
本発明のエマルション組成物は、高屈折率ナノ粒子と硬化性化合物の乳化粒子とを含有する。エマルションの分散媒としては、水、メチルイソブチルケトン等のケトン、エタノール等のアルコール、酢酸等のカルボン酸、無水酢酸等のカルボン酸無水物などが挙げられる。これらの中でも、高屈折率ナノ粒子の分散性の点で水が好ましい。
本発明のエマルション組成物の製造方法としては、例えば、(i)高屈折率ナノ粒子又はその凝集体の分散液(水分散液等)と硬化性化合物のエマルションとを混合する方法、(ii)高屈折率ナノ粒子又はその凝集体を硬化性化合物のエマルションに添加して混合する方法、(iii)高屈折率ナノ粒子又はその凝集体と硬化性化合物を分散媒(水等)に入れて混合し、乳化する方法などが挙げられる。これらの中でも、高屈折率ナノ粒子の分散性の点で、(i)の方法が好ましい。なお、エマルションの形態をとらず、例えば、硬化性化合物そのものに高屈折率粒子を分散性よく分散させることは一般に困難である。
原料として用いる高屈折率ナノ粒子又はその凝集体の粒子径D50(メジアン径)としては、例えば、1nm〜100μm、好ましくは3.5nm〜50μm、より好ましくは4nm〜10μmである。原料として用いる高屈折率ナノ粒子又はその凝集体の粒子径D50が大きい場合は、硬化性化合物と混合する前、又は硬化性化合物と混合する際、せん断や超音波を与えるなどして、その粒子径D50を、例えば10μm以下(特に、1μm未満)に低下させるのが好ましい。
本発明のエマルション組成物では、前記硬化性化合物は乳化粒子を形成しており、高屈折率ナノ粒子は該乳化粒子のコアには入り込まず、乳化粒子の周囲に存在する。その状態で、薄膜の形成(コーティング)、乾燥(分散媒の除去)、硬化を行うと、高屈折率ナノ粒子の凝集に粗密が発生し、高屈折率ナノ粒子の多いところは高屈折率となり、逆に少ないところは硬化樹脂(硬化後の樹脂)の屈折率となるため、その差により散乱が発生する。また、前記乾燥及び硬化の過程で、高屈折率ナノ粒子は凝集して、光散乱に適した大きさ(例えば、100nm以上10μm以下、好ましくは100nm以上1μm未満)の凝集体となる。すなわち、本発明のエマルション組成物によれば、高屈折率ナノ粒子の凝集体部位と硬化樹脂の部位との濃淡により、優れた光透過性と高い光散乱特性とが両立した光拡散体を得ることができる。これに対し、ポリマーの溶液中に高屈折率ナノ粒子又はその凝集体を分散させ、乾燥して光拡散フィルムを作製する方法では、該高屈折率粒子又はその凝集体の大きさによっては、光拡散に適した大きさにならないので、薄膜形成工程において操作条件等を精密に制御する必要があり、煩雑である。
本発明のエマルション組成物には、高屈折率ナノ粒子及び硬化性化合物に加え、前記硬化性化合物を硬化させるための光硬化剤や熱硬化剤、その他適宜な添加剤(例えば、レベリング剤、消泡剤等)を配合することができる。
[光拡散フィルム]
本発明の光拡散フィルムは、上記のエマルション組成物を、例えば、基材や基板上に塗布して薄膜化し、乾燥、硬化させることにより製造できる。
基材としては、例えば、ガラス板、プラスチック板(ポリエチレンテレフタレート板等)、金属板などが挙げられる。
薄膜化の手段としては、特に限定されず、例えば、バーコーター、スプレー塗布、スピンコーター、ディップコート、ダイコーター、コンマコーター、グラビアコーターなどが挙げられる。
光拡散フィルムの厚みは、例えば、0.2〜500μm、好ましくは0.3〜200μm、さらに好ましくは0.5〜50μm、特に好ましくは0.6〜20μmである。
光拡散フィルム中に分散している高屈折率ナノ粒子凝集体の粒子径D50(メジアン径)は、例えば、100nm以上10μm以下、好ましくは100nm以上1μm未満である。前記高屈折率ナノ粒子凝集体の粒子径D50がこの範囲にあると、特に、光拡散性に優れるとともに硬化樹脂の透明性を損なわない。
本発明の光拡散フィルムにおいて、高屈折率ナノ粒子の含有量は、高屈折率ナノ粒子の種類によっても異なるが、光透過性と光拡散性とのバランスの観点から、高屈折率ナノ粒子と硬化性化合物の硬化物の総量に対して、例えば、0.5〜20重量%、好ましくは0.8〜15重量%、より好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは1.2〜5重量%である。
また、本発明の光拡散フィルムにおいて、フィルム表面単位面積当たりの高屈折率ナノ粒子の量は、例えば、1×10-7〜1×10-3g/cm2、好ましくは5×10-7〜5×10-4g/cm2、より好ましくは1×10-6〜1×10-4g/cm2、さらに好ましくは1×10-6〜3×10-5g/cm2である。前記フィルム表面単位面積当たりの高屈折率ナノ粒子の量が上記の範囲にある場合は、特に、透明性と散乱強度のバランスに優れる。なお、上記のフィルム表面単位面積当たりの高屈折率ナノ粒子の量x(g/cm2)は、次式により求めることができる。
x(g/cm2)=フィルム中の高屈折率ナノ粒子の含量(重量%)×10-2×フィルムの密度(g/cm3)×フィルムの厚み(μm)×10-4
本発明の光拡散フィルムにおいて、全光線透過率は、例えば70%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上である。
本発明の光拡散フィルムにおいて、−45°における光散乱強度(レーザー波長:633nm)は、例えば1×10-6以上、好ましくは2×10-6以上、より好ましくは3×10-6以上である。−45°における光散乱強度(レーザー波長:633nm)の上限は、例えば、1×10-4である。
本発明の光拡散フィルムは、優れた透明性と高い光散乱特性と有するため、例えば、透過型スクリーンに利用することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
調製例1
水系紫外線硬化性樹脂(商品名「UCECOAT7655」、多官能ウレタンアクリレート、ディスパージョンタイプ、ダイセル・オルネクス社製、固形分35重量%、重量平均分子量Mw:10000、硬化物のTg:145℃)9.375g、ナノダイヤモンド水分散液(商品名「Vox D」、一桁分散ナノダイヤモンドグレート、表面化学性:主にカルボキシル基、Carbodeon社製、濃度5重量%)0.625g、及び紫外線硬化剤(商品名「DAROCURE1173」、BASF社製)164mgを混合して、塗布液を調製した。塗布液中のナノダイヤモンドの量は、水系紫外線硬化性樹脂(固形分換算)とナノダイヤモンド(ND)の総量に対して1重量%である。
調製例2
水系紫外線硬化性樹脂(商品名「UCECOAT7655」、多官能ウレタンアクリレート、ディスパージョンタイプ、ダイセル・オルネクス社製、固形分35重量%、重量平均分子量Mw:10000、硬化物のTg:145℃)8.75g、ナノダイヤモンドの水分散液(商品名「Vox D」、一桁分散ナノダイヤモンドグレート、表面化学性:主にカルボキシル基、Carbodeon社製、濃度5重量%)1.25g、及び紫外線硬化剤(商品名「DAROCURE1173」、BASF社製)153mgを混合して、塗布液を調製した。塗布液中のナノダイヤモンドの量は、水系紫外線硬化性樹脂(固形分換算)とナノダイヤモンド(ND)の総量に対して2重量%である。
調製例3
水系紫外線硬化性樹脂(商品名「UCECOAT7655」、多官能ウレタンアクリレート、ディスパージョンタイプ、ダイセル・オルネクス社製、固形分35重量%、重量平均分子量Mw:10000、硬化物のTg:145℃)7.5g、ナノダイヤモンドの水分散液(商品名「Vox D」、一桁分散ナノダイヤモンドグレート、表面化学性:主にカルボキシル基、Carbodeon社製、濃度5重量%)2.5g、及び紫外線硬化剤(商品名「DAROCURE1173」、BASF社製)131mgを混合して、塗布液を調製した。塗布液中のナノダイヤモンド(ND)の量は、水系紫外線硬化性樹脂(固形分換算)とナノダイヤモンドの総量に対して4.5重量%である。
調製例4
水系紫外線硬化性樹脂(商品名「UCECOAT7655」、多官能ウレタンアクリレート、ディスパージョンタイプ、ダイセル・オルネクス社製、固形分35重量%、重量平均分子量Mw:10000、硬化物のTg:145℃)5g、ナノダイヤモンドの水分散液(商品名「Vox D」、一桁分散ナノダイヤモンドグレート、表面化学性:主にカルボキシル基、Carbodeon社製、濃度5重量%)5g、及び紫外線硬化剤(商品名「DAROCURE1173」、BASF社製)87.5mgを混合して、塗布液を調製した。塗布液中のナノダイヤモンド(ND)の量は、水系紫外線硬化性樹脂(固形分換算)とナノダイヤモンドの総量に対して12.5重量%である。
調製例5
水系紫外線硬化性樹脂(商品名「UCECOAT7655」、多官能ウレタンアクリレート、ディスパージョンタイプ、ダイセル・オルネクス社製、固形分35重量%、重量平均分子量Mw:10000、硬化物のTg:145℃)10g、及び紫外線硬化剤(商品名「DAROCURE1173」、BASF社製)175mgを混合して、塗布液を調製した。塗布液中にナノダイヤモンド(ND)は含まれていない。
実施例1
A6サイズのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「A4300」、厚み190μm、TOYOBO社製)の上部に、上記調製例1で得られた塗布液を1〜2ml滴下し、30番のバーコーターを用いて塗布した。すぐに、塗布したフィルムを乾燥機に入れて60℃で3分乾燥させ水を蒸発させた。この乾燥後の塗布フィルムに、紫外線照射装置(型名「UVC−02516S1RC02」、USHIO社製)により、160W、4m/min(大気雰囲気下)の硬化条件でUV照射して塗膜層を硬化させ、硬化塗膜を作製した。硬化塗膜の厚みは15μmであった。フィルム(硬化塗膜)表面単位面積当たりのナノダイヤモンドの量は、1.5×10-5g/cm2である。
実施例2
10番のバーコーターを用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、硬化塗膜を作製した。硬化塗膜の厚みは4μmであった。フィルム(硬化塗膜)表面単位面積当たりのナノダイヤモンドの量は、4.1×10-6g/cm2である。
実施例3
2番のバーコーターを用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、硬化塗膜を作製した。硬化塗膜の厚みは1μmであった。フィルム(硬化塗膜)表面単位面積当たりのナノダイヤモンドの量は、1.0×10-6g/cm2である。
実施例4
調製例2で得られた塗布液を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、硬化塗膜を作製した。硬化塗膜の厚みは15μmであった。フィルム(硬化塗膜)表面単位面積当たりのナノダイヤモンドの量は、3.1×10-5g/cm2である。
実施例5
10番のバーコーターを用いたこと以外は実施例4と同様の操作を行い、硬化塗膜を作製した。硬化塗膜の厚みは4μmであった。フィルム(硬化塗膜)表面単位面積当たりのナノダイヤモンドの量は、8.2×10-6g/cm2である。
実施例6
2番のバーコーターを用いたこと以外は実施例4と同様の操作を行い、硬化塗膜を作製した。硬化塗膜の厚みは1μmであった。フィルム(硬化塗膜)表面単位面積当たりのナノダイヤモンドの量は、2.1×10-6g/cm2である。
実施例7
調製例3で得られた塗布液を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、硬化塗膜を作製した。硬化塗膜の厚みは15μmであった。フィルム(硬化塗膜)表面単位面積当たりのナノダイヤモンドの量は、7.1×10-5g/cm2である。
実施例8
10番のバーコーターを用いたこと以外は実施例7と同様の操作を行い、硬化塗膜を作製した。硬化塗膜の厚みは4μmであった。フィルム(硬化塗膜)表面単位面積当たりのナノダイヤモンドの量は、1.9×10-5g/cm2である。
実施例9
2番のバーコーターを用いたこと以外は実施例7と同様の操作を行い、硬化塗膜を作製した。硬化塗膜の厚みは1μmであった。フィルム(硬化塗膜)表面単位面積当たりのナノダイヤモンドの量は、4.7×10-6g/cm2である。
実施例10
調製例4で得られた塗布液を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、硬化塗膜を作製した。硬化塗膜の厚みは12.5μmであった。フィルム(硬化塗膜)表面単位面積当たりのナノダイヤモンドの量は、1.1×10-4g/cm2である。
実施例11
10番のバーコーターを用いたこと以外は実施例10と同様の操作を行い、硬化塗膜を作製した。硬化塗膜の厚みは3μmであった。フィルム(硬化塗膜)表面単位面積当たりのナノダイヤモンドの量は、4.1×10-5g/cm2である。
実施例12
2番のバーコーターを用いたこと以外は実施例10と同様の操作を行い、硬化塗膜を作製した。硬化塗膜の厚みは1μmであった。フィルム(硬化塗膜)表面単位面積当たりのナノダイヤモンドの量は、1.4×10-5g/cm2である。
比較例1
調製例5で得られた塗布液を用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、硬化塗膜を作製した。硬化塗膜の厚みは15μmであった。
比較例2
10番のバーコーターを用いたこと以外は比較例1と同様の操作を行い、硬化塗膜を作製した。硬化塗膜の厚みは4μmであった。
比較例3
2番のバーコーターを用いたこと以外は比較例1と同様の操作を行い、硬化塗膜を作製した。硬化塗膜の厚みは1μmであった。
評価
実施例1〜12および比較例1〜3で得られた各硬化塗膜について、下記の方法で全光線透過率(%)及び光散乱強度を測定した。全光線透過率の測定結果を図1に、散乱角度−45°における光散乱強度の測定結果を図2に示す。図1において、横軸は硬化塗膜中のND含量(重量%)、縦軸は硬化塗膜の全光線透過率(%)である。図2において、横軸は硬化塗膜中のND含量(重量%)、縦軸は硬化塗膜の−45°における光散乱強度である。図1及び図2において、菱形(◆)は30番のバーコーター、四角(■)は10番のバーコーター、三角(黒三角)は2番のバーコーターをそれぞれ用いた場合のデータを示す。
また、実施例2、5、8、11及び比較例2で得られた各硬化塗膜の散乱角度0°〜−60°における光散乱強度の測定結果を図3に示す。横軸は角度(°)、縦軸は光散乱強度である。
図4に、実施例2で得られた硬化塗膜のTEM画像(ND1重量%、10k倍)を示す。図5に、実施例5で得られた硬化塗膜のTEM画像(ND2重量%、10k倍)を示す。図6に、実施例8で得られた硬化塗膜のTEM画像(ND4.5重量%、10k倍)を示す。図7に、実施例11で得られた硬化塗膜のTEM画像(ND12.5重量%、10k倍)を示す。
<全光線透過率>
日本電色工業社製、商品名「ヘーズメーター300A」により、全光線透過率を測定した。
<光散乱強度>
光散乱装置(商品名「レーザー式光散乱光度計LSD−101」、ネオアーク社製)を用い、レーザー波長633nm、散乱角度−65°〜3°(ステップ1°)の条件で光散乱強度を測定した。
実施例13
水系紫外線硬化性樹脂(商品名「UCECOAT7655」、多官能ウレタンアクリレート、ディスパージョンタイプ、ダイセル・オルネクス社製、固形分35重量%、重量平均分子量Mw:10000、硬化物のTg:145℃)5g、酸化チタン水分散液(商品名「セルミューズ水分散液」、ダイセル社製、濃度10重量%)1.91g、及び紫外線硬化剤(商品名「DAROCURE1173」、BASF社製)87.5mgを混合して、塗布液を調製した。塗布液中の酸化チタンの量は、水系紫外線硬化性樹脂(固形分換算)と酸化チタンの総量に対して12.5重量%である。
A6サイズのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「A4300」、厚み190μm、TOYOBO社製)の上部に、前記で得られた塗布液を1〜2ml滴下し、10番のバーコーターを用いて塗布した。すぐに、塗布したフィルムを乾燥機に入れて60℃で3分乾燥させ水を蒸発させた。この乾燥後の塗布フィルムに、紫外線照射装置(型名「UVC−02516S1RC02」、USHIO社製)により、160W、4m/min(大気雰囲気下)の硬化条件でUV照射して塗膜層を硬化させ、硬化塗膜を作製した。硬化塗膜の厚みは4〜5μmであった。フィルム(硬化塗膜)表面単位面積当たりの酸化チタンの量は、5.6×10-5g/cm2である。
得られた硬化塗膜について、前記と同様にして、全光線透過率及び光散乱強度を測定した。その結果、全光線透過率は73%、散乱角度−45°における光散乱強度は、2×10-5であった。
比較例4
ポリビニルアルコール(商品名「Poly(vinyl Alcohol)500,Completely Hydrolyzed」、和光純薬社製)の9重量%水溶液4.25gに、ナノダイヤモンド水分散液(商品名「Vox D」、一桁分散ナノダイヤモンドグレート、表面化学性:主にカルボキシル基、Carbodeon社製、濃度5重量%)1.35gを加え、超音波ホモジナイザーで処理し、塗布液を調製した。塗布液中のナノダイヤモンドの量は、ポリビニルアルコールとナノダイヤモンドの総量総量に対して15重量%である。
A6サイズのポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「A4300」、厚み190μm、TOYOBO社製)の上部に、前記で得られた塗布液を1〜2ml滴下し、30番のバーコーターを用いて塗布した。すぐに、塗布したフィルムを乾燥機に入れて60℃で3分乾燥させ水を蒸発させた。塗膜の厚みは3μmであった。
得られた塗膜について、前記と同様にして、全光線透過率及び光散乱強度を測定した。その結果、全光線透過率は87.7%であったが、散乱角度−45°における光散乱強度は、3×10-7と低い値であった。

Claims (14)

  1. 高屈折率ナノ粒子と硬化性化合物の乳化粒子とを含有することを特徴とするエマルション組成物。
  2. 高屈折率ナノ粒子が、ダイヤモンド、チタン酸バリウム、酸化ジルコニウム、酸化チタンから選ばれるナノ粒子である請求項1記載のエマルション組成物。
  3. 高屈折率ナノ粒子の含有量が、高屈折率ナノ粒子と硬化性化合物の総量に対して、0.5〜20重量%である請求項1又は2記載のエマルション組成物。
  4. 高屈折率ナノ粒子の一次粒子の粒子径D50が1〜100nmである請求項1〜3の何れか1項に記載のエマルション組成物。
  5. 硬化性化合物が、分子内に硬化性基を2個以上有する多官能の硬化性化合物である請求項1〜4の何れか1項に記載のエマルション組成物。
  6. 硬化性化合物が、ラジカル重合性不飽和基含有化合物、エポキシ基含有化合物、オキセタニル基含有化合物、ビニルエーテル基含有化合物、及びアルコキシシリル基若しくはヒドロキシシリル基含有化合物から選択された少なくとも1種の化合物である請求項1〜5の何れか1項に記載のエマルション組成物。
  7. 前記ラジカル重合性不飽和基含有化合物が、(メタ)アクリロイル基含有化合物である請求項6記載のエマルション組成物。
  8. 前記(メタ)アクリロイル基含有化合物が、ウレタン(メタ)アクリレートである請求項7記載のエマルション組成物。
  9. 水系エマルションである請求項1〜8の何れか1項に記載のエマルション組成物。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載のエマルション組成物を薄膜化し、乾燥、硬化して得られる光拡散フィルム。
  11. フィルムの厚みが0.2〜500μmである請求項10記載の光拡散フィルム。
  12. 光拡散フィルム中に分散している高屈折率ナノ粒子凝集体の粒子径D50が100nm以上1μm未満である請求項10又は11記載の光拡散フィルム。
  13. フィルム表面単位面積当たりの高屈折率ナノ粒子の量が、1×10-7〜1×10-3g/cm2である請求項10〜12の何れか1項に記載の光拡散フィルム。
  14. 請求項10〜13の何れか1項に記載の光拡散フィルムを利用した透過型スクリーン。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016196616A (ja) * 2015-04-02 2016-11-24 株式会社ダイセル ナノダイヤモンド分散組成物および光学部材
WO2017110289A1 (ja) * 2015-12-24 2017-06-29 日華化学株式会社 水分散体、コーティング液及び透過型スクリーンの製造方法
WO2018079597A1 (ja) * 2016-10-28 2018-05-03 株式会社ダイセル 樹脂用添加剤、及び樹脂組成物

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