JP2016156787A - 表面増強ラマン散乱素子及びその製造方法 - Google Patents

表面増強ラマン散乱素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】好適なナノギャップによって表面増強ラマン散乱の強度を増大させることができる表面増強ラマン散乱素子及びその製造方法を提供する。【解決手段】SERS素子3は、基板4と、基板4の表面4a上に形成され、複数のピラー11を有する微細構造部7と、微細構造部7上に形成され、表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部10を構成する導電体層6と、を備える。各ピラー11の外面には、溝12が設けられている。導電体層6には、溝12の内面の少なくとも一部が露出した状態で各ピラー11の外面に導電体層6が形成されることにより、複数のギャップGが形成されている。【選択図】図3

Description

本発明は、表面増強ラマン散乱素子及びその製造方法に関する。
従来の表面増強ラマン散乱素子として、表面増強ラマン散乱(SERS:Surface Enhanced Raman Scattering)を生じさせる微小金属構造体を備えるものが知られている(例えば、特許文献1及び非特許文献1参照)。このような表面増強ラマン散乱素子においては、ラマン分光分析の対象となる試料が微小金属構造体に接触させられ、その状態で当該試料に励起光が照射されると、表面増強ラマン散乱が生じ、例えば10倍程度にまで増強されたラマン散乱光が放出される。
ところで、例えば特許文献2には、基板の一面、及び当該基板の一面に形成された複数の微小突起部の上面(又は、当該基板の一面に形成された複数の微細孔の底面)のそれぞれに、非接触状態となるように(最短部分の間隔が5nm〜10μm程度となるように)金属層が形成された微小金属構造体が記載されている。
特開2011−33518号公報 特開2009−222507号公報
"Q-SERSTM G1 Substrate"、[online]、株式会社オプトサイエンス、[平成24年7月19日検索]、インターネット<URL:http://www.optoscience.com/maker/nanova/pdf/Q-SERS_G1.pdf>
上述したように、いわゆるナノギャップが微小金属構造体に形成されていると、励起光が照射された際に局所的な電場の増強が起こり、表面増強ラマン散乱の強度が増大される。
そこで、本発明は、好適なナノギャップによって表面増強ラマン散乱の強度を増大させることができる表面増強ラマン散乱素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の表面増強ラマン散乱素子は、基板と、基板の表面上に形成され、複数の凸部を有する微細構造部と、微細構造部上に形成され、表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部を構成する導電体層と、を備え、複数の凸部のそれぞれの外面には、陥凹領域が設けられており、導電体層には、陥凹領域の内面の少なくとも一部が露出した状態で複数の凸部のそれぞれの外面に導電体層が形成されることにより、複数のギャップが形成されている。
この表面増強ラマン散乱素子では、陥凹領域の内面の少なくとも一部が露出した状態で複数の凸部のそれぞれの外面に導電体層が形成されており、それにより、光学機能部を構成する導電体層に複数のギャップが形成されている。この導電体層に形成されたギャップは、局所的な電場の増強が起こるナノギャップとして好適に機能する。したがって、この表面増強ラマン散乱素子によれば、好適なナノギャップによって表面増強ラマン散乱の強度を増大させることができる。
本発明の表面増強ラマン散乱素子では、複数の凸部は、表面に沿って周期的に配列されていてもよい。この構成によれば、表面増強ラマン散乱の強度を安定的に増大させることができる。
本発明の表面増強ラマン散乱素子では、陥凹領域は、1つの凸部に対して複数設けられてもよい。この構成によれば、ナノギャップとして好適に機能するギャップを増加させることができる。
本発明の表面増強ラマン散乱素子では、陥凹領域は、凸部の中心線に沿うように延在する溝であってもよいし、或いは、陥凹領域は、凸部の中心線を包囲するように延在する溝であってもよい。いずれの構成によっても、陥凹領域に対応する位置に形成されたギャップをナノギャップとして好適に機能させることができる。
本発明の表面増強ラマン散乱素子は、基板と、基板の表面上に形成され、複数の凹部を有する微細構造部と、微細構造部上に形成され、表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部を構成する導電体層と、を備え、複数の凹部のそれぞれの内面には、陥凹領域が設けられており、導電体層には、陥凹領域の内面の少なくとも一部が露出した状態で複数の凹部のそれぞれの内面に導電体層が形成されることにより、複数のギャップが形成されている。
この表面増強ラマン散乱素子では、陥凹領域の内面の少なくとも一部が露出した状態で複数の凹部のそれぞれの内面に導電体層が形成されており、それにより、光学機能部を構成する導電体層に複数のギャップが形成されている。この導電体層に形成されたギャップは、局所的な電場の増強が起こるナノギャップとして好適に機能する。したがって、この表面増強ラマン散乱素子によれば、好適なナノギャップによって表面増強ラマン散乱の強度を増大させることができる。
本発明の表面増強ラマン散乱素子では、複数の凹部は、表面に沿って周期的に配列されていてもよい。この構成によれば、表面増強ラマン散乱の強度を安定的に増大させることができる。
本発明の表面増強ラマン散乱素子では、陥凹領域は、1つの凹部に対して複数設けられていてもよい。この構成によれば、ナノギャップとして好適に機能するギャップを増加させることができる。
本発明の表面増強ラマン散乱素子では、陥凹領域は、凹部の中心線に沿うように延在する溝であってもよいし、或いは、陥凹領域は、凹部の中心線を包囲するように延在する溝であってもよい。いずれの構成によっても、陥凹領域に対応する位置に形成されたギャップをナノギャップとして好適に機能させることができる。
本発明の表面増強ラマン散乱素子の製造方法は、それぞれの外面に陥凹領域が設けられた複数の凸部を有する微細構造部を、基板の表面上に形成する第1工程と、表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部を構成する導電体層を、気相成長によって微細構造部上に形成する第2工程と、を備え、第2工程では、陥凹領域の内面の少なくとも一部が露出した状態で気相成長を停止させる。
この表面増強ラマン散乱素子の製造方法では、導電体層を微細構造部上に形成するための気相成長を、陥凹領域の内面の少なくとも一部が露出した状態で停止させる。これにより、局所的な電場の増強が起こるナノギャップとして好適に機能するギャップが、導電体層において陥凹領域及び凸部の基端部のそれぞれに対応する部分に形成され易くなる。したがって、この表面増強ラマン散乱素子の製造方法によれば、好適なナノギャップによって表面増強ラマン散乱の強度を増大させ得る表面増強ラマン散乱素子を得ることができる。
本発明の表面増強ラマン散乱素子の製造方法は、それぞれの内面に陥凹領域が設けられた複数の凹部を有する微細構造部を、基板の表面上に形成する第1工程と、表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部を構成する導電体層を、気相成長によって微細構造部上に形成する第2工程と、を備え、第2工程では、陥凹領域の内面の少なくとも一部が露出した状態で気相成長を停止させる。
この表面増強ラマン散乱素子の製造方法では、導電体層を微細構造部上に形成するための気相成長を、陥凹領域の内面の少なくとも一部が露出した状態で停止させる。これにより、局所的な電場の増強が起こるナノギャップとして好適に機能するギャップが、導電体層において陥凹領域及び凹部の底部のそれぞれに対応する部分に形成され易くなる。したがって、この表面増強ラマン散乱素子の製造方法によれば、好適なナノギャップによって表面増強ラマン散乱の強度を増大させ得る表面増強ラマン散乱素子を得ることができる。
本発明の表面増強ラマン散乱素子の製造方法では、気相成長は、蒸着であってもよい。蒸着は、異方性に優れた気相成長であるため、陥凹領域への導電体層の入り込みを抑制して、導電体層において陥凹領域に対応する部分に、局所的な電場の増強が起こるナノギャップとして好適に機能するギャップを形成することができる。
本発明によれば、好適なナノギャップによって表面増強ラマン散乱の強度を増大させることができる表面増強ラマン散乱素子及びその製造方法を提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態の表面増強ラマン散乱素子を備える表面増強ラマン散乱ユニットの平面図である。 図1のII−II線に沿っての表面増強ラマン散乱ユニットの断面図である。 図2の表面増強ラマン散乱素子の断面図である。 図3のピラー及び導電体層の断面図である。 図4のV−V線に沿ってのピラー及び導電体層の断面図である。 図3の表面増強ラマン散乱素子の製造工程を示す断面図である。 図3の表面増強ラマン散乱素子の製造工程を示す断面図である。 比較例の表面増強ラマン散乱素子のピラー及び導電体層の断面図である。 表面増強ラマン散乱素子の光学機能部のSEM写真である。 図5のピラー及び導電体層の一部の断面図である。 本発明の第2実施形態の表面増強ラマン散乱素子の断面図である。 図11のピラー及び導電体層の断面図である。 図11の表面増強ラマン散乱素子の製造工程を示す断面図である。 図11の表面増強ラマン散乱素子の製造工程を示す断面図である。 比較例の表面増強ラマン散乱素子のピラー及び導電体層の断面図である。 図12のピラー及び導電体層の一部の断面図である。 本発明の第2実施形態の表面増強ラマン散乱素子の第1変形例のピラー及び導電体層の断面図である。 本発明の第2実施形態の表面増強ラマン散乱素子の第2変形例のピラー及び導電体層の断面図である。 本発明の第2実施形態の表面増強ラマン散乱素子の第3変形例のピラー及び導電体層の断面図である。 本発明の第3実施形態の表面増強ラマン散乱素子の断面図である。 図20の孔及び導電体層の断面図である。 図21のXXII−XXII線に沿っての孔及び導電体層の断面図である。 比較例の表面増強ラマン散乱素子の孔及び導電体層の断面図である。 本発明の第4実施形態の表面増強ラマン散乱素子の断面図である。 図24の孔及び導電体層の断面図である。 比較例の表面増強ラマン散乱素子の孔及び導電体層の断面図である。 本発明の一実施形態の表面増強ラマン散乱素子の第1変形例のピラーの断面図である。 本発明の一実施形態の表面増強ラマン散乱素子の第2変形例のピラーの断面図である。 本発明の一実施形態の表面増強ラマン散乱素子のピラー及び孔の一部拡大断面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
[第1実施形態]
図1及び図2に示されるように、第1実施形態のSERSユニット(表面増強ラマン散乱ユニット)1は、ハンドリング基板2と、ハンドリング基板2上に取り付けられたSERS素子(表面増強ラマン散乱素子)3と、を備えている。ハンドリング基板2は、矩形板状のスライドガラス、樹脂基板又はセラミック基板等である。SERS素子3は、ハンドリング基板2の長手方向における一方の端部に片寄った状態で、ハンドリング基板2の表面2aに配置されている。
SERS素子3は、ハンドリング基板2上に取り付けられた基板4と、基板4上に形成された成形層5と、成形層5上に形成された導電体層6と、を備えている。基板4は、シリコン又はガラス等によって矩形板状に形成されており、数百μm×数百μm〜数十mm×数十mm程度の外形及び100μm〜2mm程度の厚さを有している。基板4の裏面4bは、ダイレクトボンディング、半田等の金属を用いた接合、共晶接合、レーザ光の照射等による溶融接合、陽極接合、又は樹脂を用いた接合によって、ハンドリング基板2の表面2aに固定されている。
図3に示されるように、成形層5は、微細構造部7と、支持部8と、枠部9と、を含んでいる。微細構造部7は、周期的パターンを有する領域であり、成形層5の中央部において基板4と反対側の表層に形成されている。微細構造部7には、数nm〜数百nm程度の直径及び高さを有する円柱状の複数のピラー(凸部)11が、基板4の表面4aに沿って、数十nm〜数百nm程度(好ましくは、250nm〜800nm)のピッチで周期的に配列されている。微細構造部7は、基板4の厚さ方向から見た場合に、数百μm×数百μm〜数十mm×数十mm程度の矩形状の外形を有している。支持部8は、微細構造部7を支持する矩形状の領域であり、基板4の表面4aに形成されている。枠部9は、支持部8を包囲する矩形環状の領域であり、基板4の表面4aに形成されている。支持部8及び枠部9は、数十nm〜数十μm程度の厚さを有している。このような成形層5は、例えば、基板4上に配置された樹脂(アクリル系、フッ素系、エポキシ系、シリコーン系、ウレタン系、PET、ポリカーボネート、無機有機ハイブリット材料等)又は低融点ガラスをナノインプリント法によって成形することで、一体的に形成される。
導電体層6は、微細構造部7から枠部9に渡って形成されている。微細構造部7においては、導電体層6は、基板4と反対側に露出する支持部8の表面8aに達している。導電体層6は、数nm〜数μm程度の厚さを有している。このような導電体層6は、例えば、ナノインプリント法によって成形された成形層5に金属(Au,Ag、Al、Cu又はPt等)等の導電体を蒸着することで、形成される。SERS素子3では、微細構造部7、及び支持部8の表面8aに形成された導電体層6によって、表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部10が構成されている。
図4及び図5に示されるように、各ピラー11の側面(外面)11aには、断面矩形状の溝(陥凹領域)12が設けられている。溝12は、ピラー11の中心線CLに沿うように延在しており、1つのピラー11に対して複数(第1実施形態のSERS素子3では、中心線CLに対して90度ごとに4つ)設けられている。溝12は、数nm〜数十nm程度の幅及び深さを有している。導電体層6は、支持部8の表面8a及び各ピラー11の外面に形成されている。導電体層6は、溝12の内面12aの全部を覆っておらず、且つ溝12の開口部を完全には塞いでいない。つまり、溝12の内面12aの少なくとも一部は、溝12の外部に露出している。導電体層6には、各溝12の内面12aの少なくとも一部が露出した状態で各ピラー11の側面11aに導電体層6が形成されることにより、複数のギャップGが形成されている。つまり、光学機能部10を構成する導電体層6には、ピラー11の側面11aに沿う導電体層6が溝12によって隔てられ、各溝12に沿ってギャップGが形成されている。ギャップGは、0〜数十nm程度の間隔を有している。なお、ピラー11の中心線CLとは、当該中心線CLに垂直なピラー11の各断面形状についてその重心を通る線である。
以上のように構成されたSERSユニット1は、次のように使用される。まず、ハンドリング基板2の表面2aに、例えばシリコーン等からなる環状のスペーサを、SERS素子3を包囲するように配置する。続いて、ピペット等を用いて、スペーサの内側に溶液の試料(或いは、水又はエタノール等の溶液に粉体の試料を分散させたもの)を滴下し、光学機能部10上に試料を配置する。続いて、レンズ効果を低減させるために、スペーサ上にカバーガラスを載置し、溶液の試料と密着させる。
続いて、SERSユニット1をラマン分光分析装置にセットし、光学機能部10上に配置された試料に、カバーガラスを介して励起光を照射する。これにより、光学機能部10と試料との界面で表面増強ラマン散乱が生じ、試料由来のラマン散乱光が例えば10倍程度にまで増強されて放出される。よって、ラマン分光分析装置では、高精度なラマン分光分析が可能となる。
なお、光学機能部10上への試料の配置の方法には、上述した方法の他に、次のような方法がある。例えば、ハンドリング基板2を把持して、溶液である試料(或いは、水又はエタノール等の溶液に粉体の試料を分散させたもの)に対してSERS素子3を浸漬させて引き上げ、ブローして試料を乾燥させてもよい。また、溶液である試料(或いは、水又はエタノール等の溶液に粉体の試料を分散させたもの)を光学機能部10上に微量滴下し、試料を自然乾燥させてもよい。また、粉体である試料をそのまま光学機能部10上に分散させてもよい。
以上説明したように、第1実施形態のSERS素子3では、溝12の内面12aの少なくとも一部が露出した状態で各ピラー11の側面11aに導電体層6が形成されており、それにより、光学機能部10を構成する導電体層6に複数のギャップGが形成されている。この導電体層6に形成されたギャップGは、局所的な電場の増強が起こるナノギャップ(以下、単に「ナノギャップ」という)として好適に機能する。したがって、第1実施形態のSERS素子3によれば、好適なナノギャップによって表面増強ラマン散乱の強度を増大させることができる。
また、複数のピラー11が基板4の表面4aに沿って周期的に配列されているので、表面増強ラマン散乱の強度を安定的に増大させることができる。
また、溝12が1つのピラー11に対して複数設けられているので、ナノギャップとして好適に機能するギャップGを増加させることができる。
次に、第1実施形態のSERS素子3の製造方法について説明する。まず、図6の(a)に示されるように、マスタモールドMM及びフィルム基材Fを用意する。マスタモールドMMは、微細構造部7に対応する微細構造部M7と、微細構造部M7を支持する支持部M8と、を含んでいる。支持部M8上には、複数の微細構造部M7がマトリックス状に配列されている。続いて、図6の(b)に示されるように、マスタモールドMMにフィルム基材Fを押し当て、その状態で加圧及び加熱することにより、複数の微細構造部M7のパターンをフィルム基材Fに転写する。続いて、図6の(c)に示されるように、フィルム基材FをマスタモールドMMから離型することにより、複数の微細構造部M7のパターンが転写されたレプリカモールド(レプリカフィルム)RMを得る。なお、レプリカモールドRMは、フィルム基材F上に樹脂(例えば、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ウレタン樹脂、又は有機無機ハイブリッド樹脂等)を塗布して形成されたものであってもよい。フィルム基材F上に塗布する樹脂がUV硬化性を有する場合には、熱ナノインプリントではなく、UVを照射してフィルム基材F上に塗布した樹脂を硬化させることにより、レプリカモールドRを得ることができる(UVナノインプリント)。
続いて、図7の(a)に示されるように、基板4となるシリコンウェハ40を用意し、その表面40aにUV硬化性の樹脂を塗布することにより、成形層5となるナノインプリント層50をシリコンウェハ40上に形成する。続いて、図7の(b)に示されるように、ナノインプリント層50にレプリカモールドRMを押し当て、その状態でUVを照射してナノインプリント層50を硬化させることにより、レプリカモールドRMのパターンをナノインプリント層50に転写する。続いて、図7の(c)に示されるように、レプリカモールドRMをナノインプリント層50から離型することにより、複数の微細構造部7が形成されたシリコンウェハ40を得る。なお、樹脂の硬化を確実にするために熱キュアを施してもよい。
以上の工程が、それぞれの側面11aに複数の溝12が設けられた複数のピラー11を有する微細構造部7を、基板4の表面4a上に形成する第1工程である。
続いて、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着等の蒸着法によって、Au、Ag等の金属を成形層5上に成膜し、導電体層6を形成する。このとき、光学機能部10を構成する導電体層6に複数のギャップGが形成される。この工程が、表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部10を構成する導電体層6を、気相成長によって微細構造部7上に形成する第2工程である。第2工程では、導電体層6が各溝12の内面12aの全部を覆う前に、各溝12の内面12aの少なくとも一部が露出した状態で気相成長を停止させる。
続いて、微細構造部7ごとに(換言すれば、光学機能部10ごとに)シリコンウェハ40を切断することより、複数のSERS素子3を得る。SERSユニット1を得るためには、上述のように製造したSERS素子3をハンドリング基板2上に取り付ければよい。
以上説明したように、第1実施形態のSERS素子3の製造方法では、導電体層6を微細構造部7上に形成するための気相成長を、導電体層6が各溝12の内面12aの全部を覆う前に、各溝12の内面12aの少なくとも一部が露出した状態で停止させる。これにより、溝12の開口部が導電体層6によって塞がれ難くなり、図4に示されるように、ナノギャップとして好適に機能するギャップGが、導電体層6において溝12に対応する部分に形成され易くなる。このとき、導電体層6の厚さが薄くて済むため、溝12の形状に応じた所望のギャップGが形成され易くなる。更に、ナノギャップとして好適に機能するギャップGが、導電体層6においてピラー11の基端部11bに対応する部分(ピラー11の側面11aと支持部8の表面8aとの隅部)にも形成され易くなる。すなわち、ピラー11の基端部11bに対応する部分に、ピラー11の側面11aに沿う導電体層6と支持部8の表面8aに沿う導電体層6とによって、ピラー11が突出する方向(すなわち、基板4の厚さ方向)から見た場合に各ピラー11を包囲するように、基板4の反対側に開口するギャップGが形成される。このギャップGの最深部においては、ピラー11の側面11aに沿う導電体層6と支持部8の表面8aに沿う導電体層6とが繋がっていてもよいし、離れていてもよい(ギャップGの最深部において支持部8の表面8aが露出していてもよい)。一例として、ピラー11の基端部11bに対応する部分において、ギャップGは、ピラー11が突出する方向から見た場合に各ピラー11を包囲するように円環状に延在する溝状に形成される。以上により、第1実施形態のSERS素子3の製造方法によれば、好適なナノギャップによって表面増強ラマン散乱の強度を増大させ得るSERS素子3を得ることができる。
仮に、導電体層6を微細構造部7上に形成するための気相成長を、導電体層6が各溝12の内面12aの全部を覆うまで続けると、図8に示されるように、導電体層6においてピラー11の基端部11bに対応する部分に***部E(ピラー11の側面11aに沿う導電体層6と支持部8の表面8aに沿う導電体層6との合流部分に多くの導電体が堆積して盛り上がった部分)が形成され、ナノギャップとして好適に機能するギャップGが形成され難くなる。図9の(a)は、導電体層6において溝12及びピラー11の基端部11bのそれぞれに対応する部分に、ナノギャップとして好適に機能するギャップGが形成された場合における光学機能部10のSEM写真である(実施例)。図9の(b)は、導電体層6においてピラー11の基端部11bに対応する部分に***部Eが形成された場合における光学機能部10のSEM写真である(比較例)。
また、導電体層6を微細構造部7上に形成するための気相成長として、異方性に優れた(異方性の高い)気相成長である蒸着を実施するため、各溝12への導電体層6の入り込みを抑制して、導電体層6において溝12に対応する部分に、ナノギャップとして好適に機能するギャップGを形成することができる。また、異方性に優れた気相成長法である蒸着法においては、ピラー11が突出する方向から、粒子化した導電体(導電体粒子)を堆積させると、支持部8の表面8a、及びピラー11の先端付近(頂部付近)に、導電体粒子が付着し易く、一方、ピラー11の先端付近に付着した導電体粒子による射影効果によって、ピラー11の根元(ピラー11の基端部11bに対応する部分)には、導電体粒子が到達し難くなる。そのため、ピラー11の基端部11bに対応する部分に***部Eが形成されるのを抑制して、ナノギャップとして好適に機能するギャップGを形成することができる。
また、レプリカモールドRMの2次元形状のパターンを転写するのみで、ピラー11の中心線CLに沿うように延在する溝12をピラー11の側面11aに形成することができる。レプリカモールドRMにおいて2次元形状のパターンを設計変更することは容易であるため、好適なナノギャップが形成されたSERS素子3を歩留まり良く製造することができる。
なお、ナノインプリント法としては、上述したUVナノインプリントの他に、熱ナノインプリントを用いることもできる。熱ナノインプリントの場合には、モールド材として、ニッケル、シリコン等を用いることができる。
また、上述したナノインプリント法に代えて、2次元形状のパターンを有するマスクをホトエッチ、電子ビーム描写等によって形成し、当該マスクを用いたエッチングによって、基板4上に微細構造部7を形成してもよい。この場合にも、マスクにおいて2次元形状のパターンを設計変更することは容易であるため、好適なナノギャップが形成されたSERS素子3を歩留まり良く製造することができる。
次に、寸法の一例について説明する。上述したように、微細構造部7において、数nm〜数百nm程度の直径及び高さを有する円柱状の複数のピラー11が、基板4の表面4aに沿って、数十nm〜数百nm程度(好ましくは、250nm〜800nm)のピッチで周期的に配列されている場合、溝12は、数nm〜数十nm程度の幅及び深さを有しており、導電体層6は、数nm〜数μm程度の厚さを有している。そして、その場合、ギャップGは、0〜数十nm程度の間隔を有している。ただし、図4に示されるように、導電体層6において溝12及びピラー11の基端部11bのそれぞれに対応する部分に、ナノギャップとして好適に機能するギャップGを形成することを考慮すると、図10に示されるように、溝12の幅Wを導電体層6の厚さの1/200〜1程度に相当する幅とし、溝12の深さDを1nm〜数百nm程度(ピラー11の直径の1/2未満に相当する深さ)とすることが好ましい。そして、導電体層6の厚さTを数nm〜数百nm程度とすることが好ましい。これらにより、導電体層6において溝12及びピラー11の基端部11bのそれぞれに対応する部分に、数Å〜数十nm程度の間隔を有するギャップGが形成される。
[第2実施形態]
図11に示されるように、第2実施形態のSERS素子3は、微細構造部7が基板4の表面4aに形成されている点、及び溝12がピラー11の中心線CLを包囲するように延在している点(図12参照)で、上述した第1実施形態のSERS素子3と主に相違している。第2実施形態のSERS素子3においては、微細構造部7は、基板4の表面4aの中央部に形成されており、基板4の厚さ方向から見た場合に、数百μm×数百μm〜数十mm×数十mm程度の矩形状の外形を有している。微細構造部7のピラー11は、基板4の表面4aに沿って、数十nm〜数百nm程度(好ましくは、250nm〜800nm)のピッチで周期的に配列されている。
導電体層6は、微細構造部7から基板4の表面4aに渡って形成されている。導電体層6は、微細構造部7において露出する基板4の表面4aに達している。SERS素子3では、微細構造部7、及び微細構造部7において露出する基板4の表面4aに形成された導電体層6によって、表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部10が構成されている。
図12に示されるように、溝12は、ピラー11の中心線CLを包囲するように円環状に延在しており、1つのピラー11に対して1つ設けられている。導電体層6は、基板4の表面4a及び各ピラー11の外面に形成されている。導電体層6は、溝12の内面12aの全部を覆っておらず、且つ溝12の開口部を完全には塞いでいない。つまり、溝12の内面12aの少なくとも一部は、溝12の外部に露出している。導電体層6には、各溝12の内面12aの少なくとも一部が露出した状態で各ピラー11の側面11aに導電体層6が形成されることにより、複数のギャップGが形成されている。つまり、光学機能部10を構成する導電体層6には、ピラー11の側面11aに沿う導電体層6が溝12によって隔てられ、各溝12に沿ってギャップGが形成されている。
以上説明したように、第2実施形態のSERS素子3では、溝12の内面12aの少なくとも一部が露出した状態で各ピラー11の側面11aに導電体層6が形成されており、それにより、光学機能部10を構成する導電体層6に複数のギャップGが形成されている。この導電体層6に形成されたギャップGは、ナノギャップとして好適に機能する。したがって、第2実施形態のSERS素子3によれば、好適なナノギャップによって表面増強ラマン散乱の強度を増大させることができる。
また、複数のピラー11が基板4の表面4aに沿って周期的に配列されているので、表面増強ラマン散乱の強度を安定的に増大させることができる。
次に、第2実施形態のSERS素子3の製造方法について説明する。まず、図13の(a)に示されるように、基板4となるシリコンウェハ40を用意する。続いて、図13の(b)に示されるように、シリコンウェハ40の表面40aに、SiOからなる犠牲層13を形成する。続いて、図13の(c)に示されるように、犠牲層13の表面13aに、ポリシリコンからなる表層14を形成する。
続いて、図14の(a)に示されるように、表層14の表面14aに、レジスト層RLを形成する。レジスト層RLは、ホトエッチ、電子ビーム描画、或いはナノインプリントリソグラフィ等によって形成されたパターンを有している。レジスト層RLのパターンは、複数の微細構造部7に対応しており、微細構造部7ごとに、ピラー11に対応する部分をマスクしている。続いて、図14の(b)に示されるように、レジスト層RLをマスクとしたドライエッチングによって、レジスト層RLにマスクされていなかった領域の表層14、犠牲層13及びシリコンウェハ40の表層を除去し、その後に、残ったレジスト層RLを除去する。続いて、図14の(c)に示されるように、側方に露出した犠牲層13の表層を、別のエッチャントによるドライエッチング又はウェットエッチングによって選択的に除去し、ピラー11の側面11aに溝12を形成する。これにより、複数の微細構造部7が形成されたシリコンウェハ40を得る。
なお、SOIウェハを用いても同様に製作することが可能である。また、ピラー11の材質はシリコンに限ったものではなく、犠牲層13の材質はSiOに限ったものではない。ピラー11の材質及び犠牲層13の材質は、それぞれ、犠牲層13がピラー11に対して選択的にエッチングされるものであればよい。また、基板4の材質とピラー11の先端部の材質とが同一である必要もない。例えば、基板4がシリコンウェハであり、犠牲層がSiOであり、ピラー11の先端部が樹脂であってもよい。ピラー11の先端部が樹脂の場合には、ナノインプリント法によって形成してもよい。
以上の工程が、それぞれの側面11aに複数の溝12が設けられた複数のピラー11を有する微細構造部7を、基板4の表面4a上に形成する第1工程である。
続いて、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着等の蒸着法によって、Au、Ag等の金属をシリコンウェハ40上に成膜し、導電体層6を形成する。このとき、光学機能部10を構成する導電体層6に複数のギャップGが形成される。この工程が、表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部10を構成する導電体層6を、気相成長によって微細構造部7上に形成する第2工程である。第2工程では、導電体層6が各溝12の内面12aの全部を覆う前に、各溝12の内面12aの少なくとも一部が露出した状態で気相成長を停止させる。
続いて、微細構造部7ごとに(換言すれば、光学機能部10ごとに)シリコンウェハ40を切断することより、複数のSERS素子3を得る。SERSユニット1を得るためには、上述のように製造したSERS素子3をハンドリング基板2上に取り付ければよい。
以上説明したように、第2実施形態のSERS素子3の製造方法では、導電体層6を微細構造部7上に形成するための気相成長を、導電体層6が各溝12の内面12aの全部を覆う前に、各溝12の内面12aの少なくとも一部が露出した状態で停止させる。これにより、溝12の開口部が導電体層6によって塞がれ難くなり、図12に示されるように、ナノギャップとして好適に機能するギャップGが、導電体層6において溝12に対応する部分に形成され易くなる。このとき、導電体層6の厚さが薄くて済むため、溝12の形状に応じた所望のギャップGが形成され易くなる。更に、ナノギャップとして好適に機能するギャップGが、導電体層6においてピラー11の基端部11bに対応する部分(ピラー11の側面11aと基板4の表面4aとの隅部)にも形成され易くなる。すなわち、ピラー11の基端部11bに対応する部分に、ピラー11の側面11aに沿う導電体層6と基板4の表面4aに沿う導電体層6とによって、ピラー11が突出する方向(すなわち、基板4の厚さ方向)から見た場合に各ピラー11を包囲するように、基板4の反対側に開口するギャップGが形成される。このギャップGの最深部においては、ピラー11の側面11aに沿う導電体層6と基板4の表面4aに沿う導電体層6とが繋がっていてもよいし、離れていてもよい(ギャップGの最深部において基板4の表面4aが露出していてもよい)。一例として、ピラー11の基端部11bに対応する部分において、ギャップGは、ピラー11が突出する方向から見た場合に各ピラー11を包囲するように円環状に延在する溝状に形成される。以上により、第2実施形態のSERS素子3の製造方法によれば、好適なナノギャップによって表面増強ラマン散乱の強度を増大させ得るSERS素子3を得ることができる。
仮に、導電体層6を微細構造部7上に形成するための気相成長を、導電体層6が各溝12の内面12aの全部を覆うまで続けると、図15に示されるように、導電体層6においてピラー11の基端部11bに対応する部分に***部E(ピラー11の側面11aに沿う導電体層6と基板4の表面4aに沿う導電体層6との合流部分に多くの導電体が堆積して盛り上がった部分)が形成され、ナノギャップとして好適に機能するギャップGが形成され難くなる。
また、導電体層6を微細構造部7上に形成するための気相成長として、異方性に優れた気相成長である蒸着を実施するため、各溝12への導電体層6の入り込みを抑制して、導電体層6において溝12に対応する部分に、ナノギャップとして好適に機能するギャップGを形成することができる。また、異方性に優れた気相成長法である蒸着法においては、ピラー11が突出する方向から、粒子化した導電体(導電体粒子)を堆積させると、基板4の表面4a、及びピラー11の先端付近(頂部付近)に、導電体粒子が付着し易く、一方、ピラー11の先端付近に付着した導電体粒子による射影効果によって、ピラー11の根元(ピラー11の基端部11bに対応する部分)には、導電体粒子が到達し難くなる。そのため、ピラー11の基端部11bに対応する部分に***部Eが形成されるのを抑制して、ナノギャップとして好適に機能するギャップGを形成することができる。
また、犠牲層13の厚さ、位置を調整するのみで溝12の幅を容易に変更することができ、犠牲層13の表層のエッチング条件を調整するのみで溝12の深さを容易に変更することができるので、表面増強ラマン散乱の強度を増大させ得る好適なナノギャップが形成されたSERS素子3を歩留まり良く製造することができる。
次に、寸法の一例について説明する。上述したように、微細構造部7において、数nm〜数百nm程度の直径及び高さを有する円柱状の複数のピラー11が、基板4の表面4aに沿って、数十nm〜数百nm程度(好ましくは、250nm〜800nm)のピッチで周期的に配列されている場合、溝12は、数nm〜数十nm程度の幅及び深さを有しており、導電体層6は、数nm〜数μm程度の厚さを有している。そして、その場合、ギャップGは、0〜数十nm程度の間隔を有している。ただし、図12に示されるように、導電体層6において溝12及びピラー11の基端部11bのそれぞれに対応する部分に、ナノギャップとして好適に機能するギャップGを形成することを考慮すると、図16に示されるように、溝12の幅Wを導電体層6の厚さの1/200〜1程度に相当する幅とし、溝12の深さDを「D/W≧1を満たす深さ」とすることが好ましい。そして、導電体層6の厚さTを数nm〜数百nm程度とすることが好ましい。これらにより、導電体層6において溝12及びピラー11の基端部11bのそれぞれに対応する部分に、数Å〜数十nm程度の間隔を有するギャップGが形成される。なお、基板4の表面4aからの溝12の高さHは、基板4の表面4a上に形成される導電体層6に溝12が埋まることがないよう、導電体層6の厚さT以上の大きさとされる。
次に、第2実施形態のSERS素子3の変形例について説明する。図17に示されるように、溝12は、例えば中心線CLに沿って並設されるように、1つのピラー11に対して複数設けられていてもよい。この構成によれば、ナノギャップとして好適に機能するギャップGを増加させることができる。
また、図18に示されるように、溝12の深さ(ピラー11の側面11aから溝12の底面12bまでの距離)が溝12の幅(対向する溝12の側面12c,12d間の距離)よりも小さくなるように、ピラー11に溝12が形成されてもよい。すなわち、溝12の深さDと溝12の幅WとがD/W<1を満たすように、ピラー11に溝12が形成されてもよい。この寸法の一例としては、溝12の深さDを数Å〜数百nm程度とし、溝12の幅Wを数十Å〜数μm程度(より好ましくは、1nm〜3μm程度)とすることが好ましい。ただし、溝12の幅Wは、導電体層6の厚さよりも大きい必要がある。これにより、導電体層6において溝12及びピラー11の基端部11bのそれぞれに対応する部分に、数Å〜数十nm程度の間隔を有するギャップGが形成される。
溝12の深さが溝12の幅よりも小さくなるように、ピラー11に溝12が形成されることで、ピラー11の直径、及び隣り合うピラー11間の距離(ピッチ)を小さくすることが可能となり、その結果、寸法設定の自由度が向上する。なお、導電体層6において溝12に対応する部分では、溝12の底面12bのうちピラー11の先端側の領域、及びピラー11の先端側の溝12の側面12cが露出し、この部分にギャップGが形成される。
また、図19に示されるように、溝12がピラー11の基端部11bに形成されてもよい。そして、導電体層6の厚さが溝12の幅(対向する溝12の側面12cと基板の表面4aとの距離)よりも小さくなるように、溝12がピラー11の基端部11bに形成されてもよい。この場合、導電体層6において溝12の幅方向の両側に対応する部分にギャップGが形成され易くなる。つまり、1つの溝12に形成されるギャップGを増加させることができる。また、蒸着によって導電体層6を形成する際に、溝12よりも上側のピラー11の側面11aに付着した導電体層6が傘となる効果(射影効果)が増すため、導電体層6においてピラー11の基端部11bに対応する部分にギャップGが形成され易くなる。
更に、溝12の幅を調整することで、導電体層6において溝12の幅方向の両側に対応する部分に形成されたギャップG間の距離を容易に制御することができる。その結果、ピラー11に形成された導電体層6に吸着する測定分子の位置分布に応じて、導電体層6にギャップGを効率的且つ効果的に配置することができる。例えば、溝12の幅を大きくして、導電体層6において溝12の幅方向の両側に対応する部分に形成されるギャップG間の距離を大きくすれば、ピラー11の比較的上方側にピラー11の先端側のギャップGが形成されることとなるため、ピラー11の上方側に吸着し易い分子がピラー11の先端側のギャップGの近傍に多く付着し、表面増強ラマン散乱光を効果的に増大させることができる。一方、溝12の幅を小さくして、導電体層6において溝12の幅方向の両側に対応する部分に形成されるギャップG間の距離を小さくすれば、ピラー11の比較的下方側にピラー11の先端側のギャップGが形成されることとなるため、ピラー11の下方側に吸着し易い分子がピラー11の先端側のギャップG及びピラー11の基端側のギャップGの近傍に付着し、表面増強ラマン散乱光を効果的に増大させることができる。例えば、SERS素子3を逆にして溶液試料に浸漬した後に乾燥させることで測定分子を吸着させる場合には、溶液試料が少なければ、ピラー11の上方側に測定分子が配置されると予想されるため、溝12の幅を大きくしておく。一方、SERS素子3に微量の溶液試料を滴下する場合には、ピラー11の下方側に測定分子が配置されると予想されるため、溝12の幅を小さくしておく。
[第3実施形態]
図20に示されるように、第3実施形態のSERS素子3は、ピラー11の代わりに孔(凹部)15が成形層5に形成されている点で、上述した第1実施形態のSERS素子3と主に相違している。第3実施形態のSERS素子3においては、微細構造部7には、数nm〜数百nm程度の直径及び深さを有する円柱状の複数の孔15が、基板4の表面4aに沿って、数十nm〜数百nm程度(好ましくは、250nm〜800nm)のピッチで周期的に配列されている。
導電体層6は、微細構造部7から枠部9に渡って形成されている。微細構造部7においては、導電体層6は、基板4と反対側に露出する支持部8の表面8a(すなわち、各孔15の底面)に達している。SERS素子3では、微細構造部7、及び支持部8の表面8aに形成された導電体層6によって、表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部10が構成されている。
図21及び図22に示されるように、各孔15の側面(内面)15aには、断面矩形状の溝12が設けられている。溝12は、孔15の中心線CLに沿うように延在しており、1つの孔15に対して複数(第3実施形態のSERS素子3では、中心線CLに対して90度ごとに4つ)設けられている。導電体層6は、各孔15の側面15a及び底面(内面)15bに形成されている。導電体層6は、溝12の内面12aの全部を覆っておらず、且つ溝12の開口部を完全には塞いでいない。つまり、溝12の内面12aの少なくとも一部は、溝12の外部に露出している。導電体層6には、各溝12の内面12aの少なくとも一部が露出した状態で各孔15の側面15aに導電体層6が形成されることにより、複数のギャップGが形成されている。つまり、光学機能部10を構成する導電体層6には、孔15の側面15aに沿う導電体層6が溝12によって隔てられ、各溝12に沿ってギャップGが形成されている。なお、孔15の中心線CLとは、当該中心線CLに垂直な孔15の各断面形状についてその重心を通る線である。
以上説明したように、第3実施形態のSERS素子3では、溝12の内面12aの少なくとも一部が露出した状態で各孔15の側面15aに導電体層6が形成されており、それにより、光学機能部10を構成する導電体層6に複数のギャップGが形成されている。この導電体層6に形成されたギャップGは、ナノギャップとして好適に機能する。したがって、第3実施形態のSERS素子3によれば、好適なナノギャップによって表面増強ラマン散乱の強度を増大させることができる。
また、複数の孔15が基板4の表面4aに沿って周期的に配列されているので、表面増強ラマン散乱の強度を安定的に増大させることができる。
また、溝12が1つの孔15に対して複数設けられているので、ナノギャップとして好適に機能するギャップGを増加させることができる。
次に、第3実施形態のSERS素子3の製造方法について説明する。まず、複数の微細構造部7が形成されたシリコンウェハ40を得る工程、すなわち、それぞれの側面15aに複数の溝12が設けられた複数の孔15を有する微細構造部7を、基板4の表面4a上に形成する第1工程は、上述した第1実施形態のSERS素子3の製造方法と同様に、ナノインプリント法によって成形層5に微細構造部7を形成することで、実施される。なお、2次元形状のパターンを有するマスク(上述した第1実施形態のマスクに対して、マスク部分と開口部分とを反転させたもの)を用いたエッチングによって、基板4上に微細構造部7を形成してもよい。
続いて、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着等の蒸着法によって、Au、Ag等の金属を成形層5上に成膜し、導電体層6を形成する。このとき、光学機能部10を構成する導電体層6に複数のギャップGが形成される。この工程が、表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部10を構成する導電体層6を、気相成長によって微細構造部7上に形成する第2工程である。第2工程では、導電体層6が各溝12の内面12aの全部を覆う前に、各溝12の内面12aの少なくとも一部が露出した状態で気相成長を停止させる。
続いて、微細構造部7ごとに(換言すれば、光学機能部10ごとに)シリコンウェハ40を切断することより、複数のSERS素子3を得る。SERSユニット1を得るためには、上述のように製造したSERS素子3をハンドリング基板2上に取り付ければよい。
以上説明したように、第3実施形態のSERS素子3の製造方法では、導電体層6を微細構造部7上に形成するための気相成長を、導電体層6が各溝12の内面12aの全部を覆う前に、各溝12の内面12aの少なくとも一部が露出した状態で停止させる。これにより、溝12の開口部が導電体層6によって塞がれ難くなり、図21に示されるように、ナノギャップとして好適に機能するギャップGが、導電体層6において溝12に対応する部分に形成され易くなる。このとき、導電体層6の厚さが薄くて済むため、溝12の形状に応じた所望のギャップGが形成され易くなる。更に、ナノギャップとして好適に機能するギャップGが、導電体層6において孔15の底部に対応する部分(孔15の側面15aと孔15の底面15bとの隅部)にも形成され易くなる。すなわち、孔15の底部に対応する部分に、孔15の側面15aに沿う導電体層6と孔15の底面15bに沿う導電体層6とによって、孔15の中心線CLが延在する方向(すなわち、基板4の厚さ方向)から見た場合に各中心線CLを包囲するように、基板4の反対側に開口するギャップGが形成される。このギャップGの最深部においては、孔15の側面15aに沿う導電体層6と孔15の底面15bに沿う導電体層6とが繋がっていてもよいし、離れていてもよい(ギャップGの最深部において孔15の底面15bが露出していてもよい)。一例として、孔15の底部に対応する部分において、ギャップGは、孔15の中心線CLが延在する方向から見た場合に各中心線CLを包囲するように円環状に延在する溝状に形成される。以上により、第3実施形態のSERS素子3の製造方法によれば、好適なナノギャップによって表面増強ラマン散乱の強度を増大させ得るSERS素子3を得ることができる。
仮に、導電体層6を微細構造部7上に形成するための気相成長を、導電体層6が各溝12の内面12aの全部を覆うまで続けると、図23に示されるように、導電体層6において孔15の底部に対応する部分に***部E(孔15の側面15aに沿う導電体層6と孔15の底面15bに沿う導電体層6との合流部分に多くの導電体が堆積して盛り上がった部分)が形成され、ナノギャップとして好適に機能するギャップGが形成され難くなる。
また、導電体層6を微細構造部7上に形成するための気相成長として、異方性に優れた気相成長である蒸着を実施するため、各溝12への導電体層6の入り込みを抑制して、導電体層6において溝12に対応する部分に、ナノギャップとして好適に機能するギャップGを形成することができる。また、異方性に優れた気相成長法である蒸着法においては、孔15が開口する側から、粒子化した導電体(導電体粒子)を堆積させると、孔15の底面15b、及び孔15の開口部付近に、導電体粒子が付着し易く、一方、孔15の開口部付近に付着した導電体粒子による射影効果によって、孔15の底部に対応する部分(孔15の側面15aと孔15の底面15bとの隅部)には、導電体粒子が到達し難くなる。そのため、孔15の底部に対応する部分に***部Eが形成されるのを抑制して、ナノギャップとして好適に機能するギャップGを形成することができる。
なお、寸法の一例については、図21に示されるように、導電体層6において溝12及び孔15の底部のそれぞれに対応する部分に、ナノギャップとして好適に機能するギャップGを形成することを考慮すると、第1実施形態のSERS素子3と同様に(図10参照)、溝12の幅Wを導電体層6の厚さの1/200〜1程度に相当する幅とし、溝12の深さDを1nm〜数百nm程度(隣り合う孔15間の距離(ピッチ)の1/2未満に相当する深さ)とすることが好ましい。そして、導電体層6の厚さTを数nm〜数百nm程度とすることが好ましい。これらにより、導電体層6において溝12及び孔15の底部のそれぞれに対応する部分に、数Å〜数十nm程度の間隔を有するギャップGが形成される。
[第4実施形態]
図24に示されるように、第4実施形態のSERS素子3は、微細構造部7が基板4の表面4aに形成されている点、及び溝12が孔15の中心線CLを包囲するように延在している点(図25参照)で、上述した第3実施形態のSERS素子3と主に相違している。第4実施形態のSERS素子3においては、微細構造部7は、基板4の表面4aの中央部に形成されており、基板4の厚さ方向から見た場合に、数百μm×数百μm〜数十mm×数十mm程度の矩形状の外形を有している。微細構造部7の孔15は、基板4の表面4aに沿って、数十nm〜数百nm程度(好ましくは、250nm〜800nm)のピッチで周期的に配列されている。
導電体層6は、微細構造部7から表層14の表面14aに渡って形成されている。導電体層6は、微細構造部7において露出する基板4の表面(すなわち、各孔15の底面)に達している。SERS素子3では、微細構造部7、及び微細構造部7において露出する基板4の表面に形成された導電体層6によって、表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部10が構成されている。
図25に示されるように、溝12は、孔15の中心線CLを包囲するように円環状に延在しており、1つの孔15に対して1つ設けられている。導電体層6は、各孔15の側面15a及び底面(内面)15bに形成されている。導電体層6は、溝12の内面12aの全部を覆っておらず、且つ溝12の開口部を完全には塞いでいない。つまり、溝12の内面12aの少なくとも一部は、溝12の外部に露出している。導電体層6には、各溝12の内面12aの少なくとも一部が露出した状態で各孔15の側面15aに導電体層6が形成されることにより、複数のギャップGが形成されている。つまり、光学機能部10を構成する導電体層6には、孔15の側面15aに沿う導電体層6が溝12によって隔てられ、各溝12に沿ってギャップGが形成されている。
以上説明したように、第4実施形態のSERS素子3では、溝12の内面12aの少なくとも一部が露出した状態で各孔15の側面15aに導電体層6が形成されており、それにより、光学機能部10を構成する導電体層6に複数のギャップGが形成されている。この導電体層6に形成されたギャップGは、ナノギャップとして好適に機能する。したがって、第4実施形態のSERS素子3によれば、好適なナノギャップによって表面増強ラマン散乱の強度を増大させることができる。
また、複数の孔15が基板4の表面4aに沿って周期的に配列されているので、表面増強ラマン散乱の強度を安定的に増大させることができる。
なお、溝12は、例えば中心線CLに沿って並設されるように、1つの孔15に対して複数設けられていてもよい。この構成によれば、ナノギャップとして好適に機能するギャップGを増加させることができる。
また、溝12の深さ(孔15の側面15aから溝12の底面までの距離)が溝12の幅(対向する溝12の側面間の距離)よりも小さくなるように、孔15に溝12が形成されてもよい。すなわち、溝12の深さDと溝12の幅WとがD/W<1を満たすように、孔15に溝12が形成されてもよい。この寸法の一例としては、溝12の深さDを数Å〜数百nm程度とし、溝12の幅Wを数十Å〜数μm程度(より好ましくは、1nm〜3μm程度)とすることが好ましい。ただし、溝12の幅Wは、導電体層6の厚さよりも大きい必要がある。これにより、導電体層6において溝12及び孔15の底部のそれぞれに対応する部分に、数Å〜数十nm程度の間隔を有するギャップGが形成される。
溝12の深さが溝12の幅よりも小さくなるように、孔15に溝12が形成されることで、孔15の直径、及び隣り合う孔15間の距離(ピッチ)を小さくすることが可能となり、その結果、寸法設定の自由度が向上する。なお、導電体層6において溝12に対応する部分では、溝12の底面のうち孔15の開口側の領域、及び孔15の開口側の溝12の側面が露出し、この部分にギャップGが形成される。
また、溝12が孔15の底部に形成されてもよい。そして、導電体層6の厚さが溝12の幅(対向する溝12の側面と孔15の底面15bとの距離)よりも小さくなるように、溝12が孔15の底部に形成されてもよい。この場合、導電体層6において溝12の幅方向の両側に対応する部分にギャップGが形成され易くなる。つまり、1つの溝12に形成されるギャップGを増加させることができる。また、蒸着によって導電体層6を形成する際に、溝12よりも上側の孔15の側面15aに付着した導電体層6が傘となる効果が増すため、導電体層6において孔15の底部に対応する部分にギャップGが形成され易くなる。
更に、溝12の幅を調整することで、導電体層6において溝12の幅方向の両側に対応する部分に形成されたギャップG間の距離を容易に制御することができる。その結果、孔15に形成された導電体層6に吸着する測定分子の位置分布に応じて、導電体層6にギャップGを効率的且つ効果的に配置することができる。例えば、溝12の幅を大きくして、導電体層6において溝12の幅方向の両側に対応する部分に形成されるギャップG間の距離を大きくすれば、孔15の比較的上方側に孔15の先端側のギャップGが形成されることとなるため、孔15の上方側に吸着し易い分子が孔15の先端側のギャップGの近傍に多く付着し、表面増強ラマン散乱光を効果的に増大させることができる。一方、溝12の幅を小さくして、導電体層6において溝12の幅方向の両側に対応する部分に形成されるギャップG間の距離を小さくすれば、孔15の比較的下方側に孔15の先端側のギャップGが形成されることとなるため、孔15の下方側に吸着し易い分子が孔15の先端側のギャップG及び孔15の基端側のギャップGの近傍に付着し、表面増強ラマン散乱光を効果的に増大させることができる。例えば、SERS素子3を逆にして溶液試料に浸漬した後に乾燥させることで測定分子を吸着させる場合には、溶液試料が少なければ、孔15の上方側に測定分子が配置されると予想されるため、溝12の幅を大きくしておく。一方、SERS素子3に微量の溶液試料を滴下する場合には、孔15の下方側に測定分子が配置されると予想されるため、溝12の幅を小さくしておく。
次に、第4実施形態のSERS素子3の製造方法について説明する。まず、複数の微細構造部7が形成されたシリコンウェハ40を得る工程、すなわち、それぞれの側面15aに複数の溝12が設けられた複数の孔15を有する微細構造部7を、基板4の表面4a上に形成する第1工程は、上述した第2実施形態のSERS素子3の製造方法と同様に、2次元形状のパターンを有するマスク(上述した第2実施形態のマスクに対して、マスク部分と開口部分とを反転させたもの)を用いたエッチングを実施することで、実施される。
続いて、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着等の蒸着法によって、Au、Ag等の金属を成形層5上に成膜し、導電体層6を形成する。このとき、光学機能部10を構成する導電体層6に複数のギャップGが形成される。この工程が、表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部10を構成する導電体層6を、気相成長によって微細構造部7上に形成する第2工程である。第2工程では、導電体層6が各溝12の内面12aの全部を覆う前に、各溝12の内面12aの少なくとも一部が露出した状態で気相成長を停止させる。
続いて、微細構造部7ごとに(換言すれば、光学機能部10ごとに)シリコンウェハ40を切断することより、複数のSERS素子3を得る。SERSユニット1を得るためには、上述のように製造したSERS素子3をハンドリング基板2上に取り付ければよい。
以上説明したように、第4実施形態のSERS素子3の製造方法では、導電体層6を微細構造部7上に形成するための気相成長を、導電体層6が各溝12の内面12aの全部を覆う前に、各溝12の内面12aの少なくとも一部が露出した状態で停止させる。これにより、溝12の開口部が導電体層6によって塞がれ難くなり、図25に示されるように、ナノギャップとして好適に機能するギャップGが、導電体層6において溝12に対応する部分に形成され易くなる。このとき、導電体層6の厚さが薄くて済むため、溝12の形状に応じた所望のギャップGが形成され易くなる。更に、ナノギャップとして好適に機能するギャップGが、導電体層6において孔15の底部に対応する部分(孔15の側面15aと孔15の底面15bとの隅部)にも形成され易くなる。すなわち、孔15の底部に対応する部分に、孔15の側面15aに沿う導電体層6と孔15の底面15bに沿う導電体層6とによって、孔15の中心線CLが延在する方向(すなわち、基板4の厚さ方向)から見た場合に各中心線CLを包囲するように、基板4の反対側に開口するギャップGが形成される。このギャップGの最深部においては、孔15の側面15aに沿う導電体層6と孔15の底面15bに沿う導電体層6とが繋がっていてもよいし、離れていてもよい(ギャップGの最深部において孔15の底面15bが露出していてもよい)。一例として、孔15の底部に対応する部分において、ギャップGは、孔15の中心線CLが延在する方向から見た場合に各中心線CLを包囲するように円環状に延在する溝状に形成される。以上により、第4実施形態のSERS素子3の製造方法によれば、好適なナノギャップによって表面増強ラマン散乱の強度を増大させ得るSERS素子3を得ることができる。
仮に、導電体層6を微細構造部7上に形成するための気相成長を、導電体層6が各溝12の内面12aの全部を覆うまで続けると、図26に示されるように、導電体層6において孔15の底部に対応する部分に***部E(孔15の側面15aに沿う導電体層6と孔15の底面15bに沿う導電体層6との合流部分に多くの導電体が堆積して盛り上がった部分)が形成され、ナノギャップとして好適に機能するギャップGが形成され難くなる。
また、導電体層6を微細構造部7上に形成するための気相成長として、異方性に優れた気相成長である蒸着を実施するため、各溝12への導電体層6の入り込みを抑制して、導電体層6において溝12に対応する部分に、ナノギャップとして好適に機能するギャップGを形成することができる。また、異方性に優れた気相成長法である蒸着法においては、孔15が開口する側から、粒子化した導電体(導電体粒子)を堆積させると、孔15の底面15b、及び孔15の開口部付近に、導電体粒子が付着し易く、一方、孔15の開口部付近に付着した導電体粒子による射影効果によって、孔15の底部に対応する部分(孔15の側面15aと孔15の底面15bとの隅部)には、導電体粒子が到達し難くなる。そのため、孔15の底部に対応する部分に***部Eが形成されるのを抑制して、ナノギャップとして好適に機能するギャップGを形成することができる。
なお、寸法の一例については、図25に示されるように、導電体層6において溝12及び孔15の底部のそれぞれに対応する部分に、ナノギャップとして好適に機能するギャップGを形成することを考慮すると、第2実施形態のSERS素子3と同様に(図16参照)、溝12の幅Wを導電体層6の厚さの1/200〜1程度に相当する幅とし、溝12の深さDを「D/W≧1を満たす深さ」とすることが好ましい。そして、導電体層6の厚さTを数nm〜数百nm程度とすることが好ましい。これらにより、導電体層6において溝12及び孔15の底部のそれぞれに対応する部分に、数Å〜数十nm程度の間隔を有するギャップGが形成される。なお、孔15の底面15bからの溝12の高さHは、孔15の底面15b上に形成される導電体層6に溝12が埋まることがないよう、導電体層6の厚さT以上の大きさとされる。
以上、本発明の第1〜第4実施形態について説明したが、本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。例えば、ピラー11及び孔15の配列構造は、2次元配列に限定されず、1次元配列であってもよいし、正方格子状の配列に限定されず、三角格子状の配列であってもよい。また、ピラー11及び孔15の断面形状は、円形に限定されず、楕円、或いは多角形(三角形、四角形等)であってもよい。このように、SERS素子3及びSERSユニット1の各構成の材料及び形状には、上述した材料及び形状に限らず、様々な材料及び形状を適用することができる。
また、微細構造部7は、第1実施形態及び第3実施形態のように、例えば支持部8を介して、基板4の表面4a上に間接的に形成されていてもよいし、第2実施形態及び第4実施形態のように、基板4の表面4a上に直接的に形成されていてもよい。また、導電体層6は、微細構造部7上に直接的に形成されたものに限定されず、微細構造部7に対する金属の密着性を向上させるためのバッファ金属(Ti、Cr等)層等、何らかの層を介して、微細構造部7上に間接的に形成されたものであってもよい。
また、溝12の断面形状は、矩形状に限定されず、U字状、V字状等であってもよい。更に、導電体層6において溝12に対応する部分にギャップGが形成されていれば、支持部8、基板4の表面には、導電体層6が形成されていなくてもよい(例えば、溝12を有するピラー11のみに導電体層6が形成されており、支持部8、基板4の表面において導電体層6が不連続となっていてもよい)。また、ピラー11のような凸部の外面、又は、孔15のような凹部の内面に、溝12以外の陥凹領域が設けられていてもよい。つまり、凸部の外面又は凹部の内面に形成された切欠き部、陥没部等の陥凹領域(凹んだ領域、窪んだ領域、落ち込んだ領域)等、陥凹領域の形状は限定されない。一例として、図27に示されるように、ピラー11の側面11aにおいて山と谷とが繰り返されているような場合には、谷の部分が陥凹領域となる。孔15の側面15aにおいて山と谷とが繰り返されているような場合にも、同様に、谷の部分が陥凹領域となる。また、図28に示されるように、ピラー11の側面11aに多数の突起が設けられているような場合には、隣り合う突起間の部分が陥凹領域となる。孔15の側面15aに多数の突起が設けられているような場合にも、同様に、隣り合う突起間の部分が陥凹領域となる。
ここで、隣り合う一対の凸部(ピラー11に対応するもの)に着目した場合に、一方の凸部の外面に形成された導電体層と、他方の凸部の外面に形成された導電体層との間の距離よりも、凸部の外面に設けられた陥凹領域に対応する部分に形成されたギャップの幅は小さくなっている。これにより、微細構造部の構造のみでは得られないような狭いギャップ(ナノギャップとして好適に機能するギャップ)を容易に且つ安定的に形成することができる。
また、図29の(a),(b),(c)及び(d)に示されるように、溝12によって隔てられた導電体層6が溝12の開口部上に***(突出)することで、溝12の開口部に形成されたギャップGの間隔が溝12の幅よりも小さくなっていてもよい。なお、図29の(a)は、第1実施形態のピラー11の一部拡大断面図であり、図29の(b)は、第2実施形態のピラー11の一部拡大断面図である。図29の(c)は、第3実施形態の孔15の一部拡大断面図であり、図29の(d)は、第4実施形態の孔15の一部拡大断面図である。
3…SERS素子(表面増強ラマン散乱素子)、4…基板、4a…表面、6…導電体層、7…微細構造部、10…光学機能部、11…ピラー(凸部)、11a…側面(外面)、12…溝(陥凹領域)、12a…内面、15…孔(凹部)、15a…側面(内面)、G…ギャップ、CL…中心線。

Claims (13)

  1. 基板と、
    前記基板の表面上に形成され、複数の凸部を有する微細構造部と、
    前記微細構造部上に形成され、表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部を構成する導電体層と、を備え、
    前記複数の凸部のそれぞれの外面には、陥凹領域が設けられており、
    前記導電体層には、前記陥凹領域の内面の少なくとも一部が露出した状態で前記複数の凸部のそれぞれの前記外面に前記導電体層が形成されることにより、複数のギャップが形成されている、表面増強ラマン散乱素子。
  2. 前記複数の凸部は、前記表面に沿って周期的に配列されている、請求項1記載の表面増強ラマン散乱素子。
  3. 前記陥凹領域は、1つの前記凸部に対して複数設けられている、請求項1又は2記載の表面増強ラマン散乱素子。
  4. 前記陥凹領域は、前記凸部の中心線に沿うように延在する溝である、請求項1〜3のいずれか一項記載の表面増強ラマン散乱素子。
  5. 前記陥凹領域は、前記凸部の中心線を包囲するように延在する溝である、請求項1〜3のいずれか一項記載の表面増強ラマン散乱素子。
  6. 基板と、
    前記基板の表面上に形成され、複数の凹部を有する微細構造部と、
    前記微細構造部上に形成され、表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部を構成する導電体層と、を備え、
    前記複数の凹部のそれぞれの内面には、陥凹領域が設けられており、
    前記導電体層には、前記陥凹領域の内面の少なくとも一部が露出した状態で前記複数の凹部のそれぞれの前記内面に前記導電体層が形成されることにより、複数のギャップが形成されている、表面増強ラマン散乱素子。
  7. 前記複数の凹部は、前記表面に沿って周期的に配列されている、請求項6記載の表面増強ラマン散乱素子。
  8. 前記陥凹領域は、1つの前記凹部に対して複数設けられている、請求項6又は7記載の表面増強ラマン散乱素子。
  9. 前記陥凹領域は、前記凹部の中心線に沿うように延在する溝である、請求項6〜8のいずれか一項記載の表面増強ラマン散乱素子。
  10. 前記陥凹領域は、前記凹部の中心線を包囲するように延在する溝である、請求項6〜8のいずれか一項記載の表面増強ラマン散乱素子。
  11. それぞれの外面に陥凹領域が設けられた複数の凸部を有する微細構造部を、基板の表面上に形成する第1工程と、
    表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部を構成する導電体層を、気相成長によって前記微細構造部上に形成する第2工程と、を備え、
    前記第2工程では、前記陥凹領域の内面の少なくとも一部が露出した状態で前記気相成長を停止させる、表面増強ラマン散乱素子の製造方法。
  12. それぞれの内面に陥凹領域が設けられた複数の凹部を有する微細構造部を、基板の表面上に形成する第1工程と、
    表面増強ラマン散乱を生じさせる光学機能部を構成する導電体層を、気相成長によって前記微細構造部上に形成する第2工程と、を備え、
    前記第2工程では、前記陥凹領域の内面の少なくとも一部が露出した状態で前記気相成長を停止させる、表面増強ラマン散乱素子の製造方法。
  13. 前記気相成長は、蒸着である、請求項11又は12記載の表面増強ラマン散乱素子の製造方法。
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