JP2016155686A - 印刷装置 - Google Patents

印刷装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016155686A
JP2016155686A JP2016004161A JP2016004161A JP2016155686A JP 2016155686 A JP2016155686 A JP 2016155686A JP 2016004161 A JP2016004161 A JP 2016004161A JP 2016004161 A JP2016004161 A JP 2016004161A JP 2016155686 A JP2016155686 A JP 2016155686A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
printing
print medium
unit
paper
determination
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016004161A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016155686A5 (ja
JP6728689B2 (ja
Inventor
千葉 悟志
Satoshi Chiba
悟志 千葉
小池 良和
Yoshikazu Koike
良和 小池
和紀 森
Kazunori Mori
和紀 森
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to US15/049,484 priority Critical patent/US9962961B2/en
Publication of JP2016155686A publication Critical patent/JP2016155686A/ja
Publication of JP2016155686A5 publication Critical patent/JP2016155686A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6728689B2 publication Critical patent/JP6728689B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Handling Of Sheets (AREA)
  • Accessory Devices And Overall Control Thereof (AREA)
  • Dot-Matrix Printers And Others (AREA)
  • Feeding Of Articles By Means Other Than Belts Or Rollers (AREA)

Abstract

【課題】除電部による印刷媒体からの電荷の除去効率の低下を抑制することができる印刷装置を提供する。
【解決手段】印刷装置は、用紙Pを搬送する搬送ベルト53と、搬送ベルト53に電荷を供給する帯電ローラー56と、搬送ベルト53に静電吸着されている用紙Pの印刷面にインクを付着させる印刷ヘッド141と、除電位置と退避位置との間で変位可能であるとともに、用紙Pの印刷面に接触することにより同印刷面から電荷を除去する除電部581と、除電部581の位置を制御する除電制御装置と、を備えている。
【選択図】図2A

Description

本発明は、搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体に印刷を施す印刷装置に関する。
特許文献1には、搬送ベルトと、印刷媒体に向けてインクなどの印刷材を吐出する印刷ヘッドとを備える印刷装置の一例が記載されている。こうした印刷装置では、帯電部によって搬送ベルトが帯電されると、同搬送ベルト上に給送された印刷媒体が同搬送ベルトに静電吸着される。そして、搬送ベルトの稼働によって印刷媒体が搬送されると、同印刷媒体の両面のうち、同搬送ベルトに接触していない面である印刷面に、印刷ヘッドからの印刷材が付着される。
特開2004−149280号公報
ところで、搬送ベルトによる印刷媒体の静電吸着の効率を高めるためには、印刷媒体の印刷面から電荷を除去することが望ましい。そこで、こうした印刷装置には、印刷媒体の印刷面に接触することにより、同印刷面から電荷を除去する除電部が設けられていることもある。
しかしながら、この場合、印刷媒体の印刷面から電荷を除去するために、除電部を印刷媒体に接触させることとなるため、同除電部が徐々に劣化することとなる。そして、このように除電部の劣化が進むと、同除電部による印刷媒体からの電荷の除去効率が低下してしまう。
本発明の目的は、除電部による印刷媒体からの電荷の除去効率の低下を抑制することができる印刷装置を提供することにある。
上記目的を達成するための印刷装置は、印刷媒体を搬送する搬送ベルトと、前記搬送ベルトに電荷を供給する帯電部と、印刷媒体の両面のうち前記搬送ベルトに接触している面を接触面とし、前記接触面の反対側の面を印刷面とした場合、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体の前記印刷面に印刷材を付着させる印刷ヘッドと、前記搬送ベルトによって搬送されている印刷媒体に接触可能な位置である除電位置と前記印刷媒体に接触不能な位置である退避位置との間で変位可能であるとともに、前記印刷媒体の前記印刷面に接触することにより前記印刷面から電荷を除去する除電部と、前記除電部の位置を制御する除電制御装置と、を備え、前記除電制御装置は、前記搬送ベルトに静電吸着されて搬送される前記印刷媒体が前記除電部と接触可能な位置にあるとき、前記除電部を前記除電位置に配置する。
上記構成によれば、印刷媒体への印刷に際し、搬送ベルトによって搬送されている印刷媒体に除電部を接触させること、及び、同印刷媒体に除電部を接触させないことを選択することができる。そのため、除電部が除電位置に常時配置されている場合と比較し、除電部が印刷媒体や搬送ベルトに接触する機会を減らすことができる分、除電部の劣化が遅くなる。そして、このように除電部の劣化を遅らせることにより、除電部による印刷媒体からの電荷の除去効率の低下を抑制することができるようになる。
上記印刷装置において、前記除電制御装置は、印刷対象となる印刷媒体の種類に応じ、前記搬送ベルトによって搬送されている印刷媒体に前記除電部を接触させるか否かを判定し、前記判定結果に基づいて前記除電部の位置を制御することが好ましい。
印刷媒体の種類を特定することにより、印刷材の付着によってカールの発生しやすい印刷媒体であるか否か、抵抗値が高い印刷媒体であるか否かなどを判断することが可能となる。そして、カールが発生しやすい印刷媒体であるとき、又は、抵抗値の高い印刷媒体であるときには、除電部によって印刷媒体の印刷面から電荷を除去することにより、搬送ベルトによる印刷媒体の静電吸着力を大きくすることが望ましい。その一方で、カールが発生しにくい印刷媒体であるとき、又は、抵抗値の低い印刷媒体であるときには、搬送ベルトによる印刷媒体の静電吸着力をそれほど高くしなくてもよい。そこで、上記構成では、印刷対象となる印刷媒体の種類に応じて除電部を除電位置に配置するか退避位置に配置するかを判定し、同判定結果に基づいて除電部の位置を制御するようにした。これにより、搬送ベルトによる印刷媒体の静電吸着力を大きくしなくてもよいと判断できるときには印刷媒体と除電部との接触を回避することができる。そのため、印刷対象となる印刷媒体の種類によっては印刷時に除電部を退避位置に配置することができるため、除電部が除電位置に常時配置されている場合と比較し、除電部が劣化しにくくなる。その結果、除電部による印刷媒体からの電荷の除去効率の低下を抑制することができる。
上記印刷装置において、前記除電制御装置は、前記印刷装置の設置環境の湿度に基づき、前記搬送ベルトによって搬送されている印刷媒体に前記除電部を接触させるか否かを判定し、前記判定結果に基づいて前記除電部の位置を制御することが好ましい。
印刷装置の設置環境の湿度が高いほど印刷媒体の抵抗値が低くなりやすい。そして、印刷媒体の抵抗値が低いときには、除電部によって印刷媒体の印刷面から電荷を除去しなくても、印刷面の電荷が自然に中和されやすくなる。すなわち、除電部によって印刷媒体の印刷面から電荷を除去しなくても、搬送ベルトによる印刷媒体の静電吸着力が大きくなる。そこで、上記構成では、印刷装置の設置環境の湿度を鑑みて除電部の位置を制御するようにしている。そのため、印刷装置の設置環境の湿度によっては印刷時に除電部を退避位置に配置することができる。その結果、除電部が除電位置に常時配置されている場合と比較し、除電部が劣化しにくくなり、除電部による印刷媒体からの電荷の除去効率の低下を抑制することができる。
上記印刷装置は、前記印刷装置の設置環境の温度と湿度とに基づき、印刷対象となる印刷媒体の抵抗値が高くなっているか否かを判定する判定装置を備え、前記除電制御装置は、前記判定装置によって印刷媒体の抵抗値が高くなっていると判定されているときには前記除電部を前記除電位置に配置する一方、前記判定装置によって印刷媒体の抵抗値が低くなっていると判定されているときには前記除電部を前記退避位置に配置することが好ましい。
印刷装置の設置環境の温度及び湿度によって印刷媒体の抵抗値が変化する。そして、こうした設置環境の温度及び湿度と、印刷媒体の抵抗値との関係は実験やシミュレーションなどによってある程度把握することができる。すなわち、設置環境の温度及び湿度に基づいて印刷媒体の抵抗値を推定することができる。そこで、上記構成では、印刷装置の設置環境の温度及び湿度に基づいて印刷媒体の抵抗値が高くなっているか否かを判定し、同抵抗値が高くなっていると判定できるときには、搬送ベルトによって搬送されている印刷媒体に除電部を接触させるようにしている。反対に、印刷媒体の抵抗値が低くなっていると判定できるときには、搬送ベルトによって搬送されている印刷媒体に除電部を接触させないようにしている。すなわち、除電部によって印刷媒体の印刷面から電荷を除去しなくても同印刷面の電荷が自然に中和されやすいと予測できるときには、搬送ベルトによる印刷媒体の静電吸着力が比較的大きいため、除電部を印刷媒体に接触させない。そのため、印刷装置の設置環境の温度及び湿度とは関係なく除電部が除電位置に常時配置されている場合と比較し、除電部が劣化しにくくなる分、除電部による印刷媒体からの電荷の除去効率の低下を抑制することができる。
上記印刷装置は、印刷媒体の両面のうち第1の面への印刷が終了した後に、前記第1の面が前記接触面となるとともに前記第1の面の反対側の面である第2の面が前記印刷面となるように、前記印刷媒体の表裏を反転させて前記印刷媒体を前記搬送ベルト上に導く反転機構を備え、前記印刷ヘッドは、前記除電位置よりも搬送方向下流に配置されており、前記除電制御装置は、前記反転機構から前記搬送ベルト上に導かれた印刷媒体の前記第2の面に対して印刷を施すときには前記除電部を前記除電位置に配置することが好ましい。
印刷媒体に両面印刷を行う際、第1の面への印刷によって印刷材が付着している状況下で第2の面への印刷を行うときに搬送ベルト上で印刷媒体にカールが発生しやすい。そこで、上記構成では、反転機構から搬送ベルト上に導かれた印刷媒体の第2の面に印刷を行うときには、除電部を除電位置に配置し、除電部によって印刷媒体の第2の面から電荷を除去するようにしている。このように第2の面から電荷を除去することにより、搬送ベルトによる印刷媒体の静電吸着力を大きくすることができ、ひいては搬送ベルト上で印刷媒体がカールしにくくなる。その結果、印刷媒体が印刷ヘッドなどに接触する事象が発生しにくくなる分、印刷不良の発生を抑制することができる。
上記印刷装置は、印刷媒体の両面のうち第1の面への印刷が終了した後に、前記第1の面が前記接触面となるとともに前記第1の面の反対側の面である第2の面が前記印刷面となるように、前記印刷媒体の表裏を反転させて前記印刷媒体を前記搬送ベルト上に導く反転機構を備え、前記除電制御装置は、印刷媒体の前記第1の面への印刷によって前記印刷媒体がカールするか否かを判定し、印刷媒体の前記第1の面への印刷によって前記印刷媒体がカールすると判定しているときには、前記印刷媒体の前記第2の面への印刷に際して前記除電部を前記除電位置に配置する一方、印刷媒体の前記第1の面への印刷によって前記印刷媒体がカールしないと判定しているときには、前記印刷媒体の前記第2の面への印刷に際して前記除電部を前記退避位置に配置することが好ましい。
上記構成によれば、第1の面に印刷を行っても印刷媒体がカールしないと判定している場合、第2の面への印刷時に除電部が印刷媒体に接触されない。そのため、第1の面への印刷態様によらず、第2の面への印刷時には除電部が除電位置に常時配置される場合と比較し、除電部が劣化しにくくなる分、除電部による印刷媒体からの電荷の除去効率の低下を抑制することができる。
上記印刷装置は、印刷媒体の両面のうち第1の面への印刷が終了した後に、前記第1の面が前記接触面となるとともに前記第1の面の反対側の面である第2の面が前記印刷面となるように、前記印刷媒体の表裏を反転させて前記印刷媒体を前記搬送ベルト上に導く反転機構を備え、印刷媒体は、4つの側辺を有するとともに、2つの前記側辺の接続部分である角を有しており、印刷媒体の前記第1の面を複数の領域に分割し、前記各領域のうち前記印刷媒体の角を含む領域を判定領域とした場合、前記除電制御装置は、前記印刷ヘッドから前記判定領域への印刷材の吐出によって前記判定領域に付着させることのできる印刷材の最大量である最大吐出量を算出し、印刷媒体の前記第1の面への印刷に採用される印刷データに基づき、前記印刷ヘッドから前記判定領域に吐出される印刷材の量である吐出量を算出し、前記吐出量の前記最大吐出量に対する割合である吐出割合を算出し、前記判定領域で前記吐出割合が判定割合未満となるときには、前記印刷媒体の前記第2の面への印刷に際して前記除電部を前記退避位置に配置する一方、前記判定領域で前記吐出割合が前記判定割合以上となるときには、前記印刷媒体の前記第2の面への印刷に際して前記除電部を前記除電位置に配置することが好ましい。
第1の面への印刷によって印刷媒体の角を含む領域に付着する印刷材の量が多いほど、印刷媒体がカールしやすい。そこで、上記構成では、第1の面を分割した複数の領域のうち、印刷媒体の角を含む領域を判定領域とし、この判定領域の上記吐出割合が判定割合以上であるときには、第1の面への印刷によって印刷媒体がカールする可能性があると判定できるため、除電部を印刷媒体に接触させて搬送ベルトによる印刷媒体の静電吸着力を大きくした上で、第2の面への印刷を行っている。そのため、第2の面への印刷に際して印刷媒体が印刷ヘッドなどに接触する事象が生じにくくなる分、印刷不良の発生を抑制することができる。一方、判定領域の上記吐出割合が判定割合未満であるときには、第1の面への印刷によって印刷媒体がカールしないと判定できるため、除電部を印刷媒体に接触させないで、第2の面への印刷を行っている。このように除電部が印刷媒体に接触する機会を減らすことができる分、除電部の劣化が抑制され、除電部による印刷媒体からの電荷の除去効率の低下を抑制することができる。
上記印刷装置は、印刷媒体の両面のうち第1の面への印刷が終了した後に、前記第1の面が前記接触面となるとともに前記第1の面の反対側の面である第2の面が前記印刷面となるように、前記印刷媒体の表裏を反転させて前記印刷媒体を前記搬送ベルト上に導く反転機構を備え、印刷媒体は、4つの側辺を有するとともに、2つの前記側辺の接続部分である角を有しており、印刷媒体の前記第1の面を複数の領域に分割し、前記各領域のうち前記印刷媒体の角を含む領域である端部領域と前記端部領域に隣接する領域とで構成される領域を判定領域とした場合、前記除電制御装置は、前記印刷ヘッドから前記判定領域への印刷材の吐出によって前記判定領域に付着させることのできる印刷材の最大量である最大吐出量を算出し、印刷媒体の前記第1の面への印刷に採用される印刷データに基づき、前記印刷ヘッドから前記判定領域に吐出される印刷材の量である吐出量を算出し、前記吐出量の前記最大吐出量に対する割合である吐出割合を算出し、前記判定領域で前記吐出割合が判定割合未満となるときには、前記印刷媒体の前記第2の面への印刷に際して前記除電部を前記退避位置に配置する一方、前記判定領域で前記吐出割合が前記判定割合以上となるときには、前記印刷媒体の前記第2の面への印刷に際して前記除電部を前記除電位置に配置することが好ましい。
第1の面への印刷によって印刷媒体の角を含む領域に付着する印刷材の量が多いほど、印刷媒体がカールしやすい。そこで、上記構成では、第1の面を分割した複数の領域のうち、印刷媒体の角を含む端部領域と同端部領域に隣接する領域とで構成される領域が判定領域とされる。そして、この判定領域の上記吐出割合が判定割合以上であるときには、第1の面への印刷によって印刷媒体がカールする可能性があると判定できるため、除電部を印刷媒体に接触させて搬送ベルトによる印刷媒体の静電吸着力を大きくした上で、第2の面への印刷を行っている。そのため、第2の面への印刷に際して印刷媒体が印刷ヘッドなどに接触する事象が生じにくくなる分、印刷不良の発生を抑制することができる。一方、判定領域の上記吐出割合が判定割合未満であるときには、第1の面への印刷によって印刷媒体がカールしないと判定できるため、除電部を印刷媒体に接触させないで、第2の面への印刷を行っている。このように除電部が印刷媒体に接触する機会を減らすことができる分、除電部の劣化が抑制され、除電部による印刷媒体からの電荷の除去効率の低下を抑制することができる。
上記印刷装置において、印刷媒体の前記第1の面には、1つの前記角を含む前記判定領域が複数設定されるようになっており、前記除電制御装置は、全ての前記判定領域で前記吐出割合が前記判定割合未満となるときには、前記印刷媒体の前記第2の面への印刷に際して前記除電部を前記退避位置に配置する一方、前記各判定領域のうち、少なくとも1つの前記判定領域で前記吐出割合が前記判定割合以上となるときには、前記印刷媒体の前記第2の面への印刷に際して前記除電部を前記除電位置に配置することが好ましい。
上記構成によれば、判定領域毎に上記吐出割合が判定割合以上であるか否かを判定し、上記吐出割合が判定割合以上となる判定領域が1つでもあるときには、第1の面への印刷によって印刷媒体がカールする可能性があると判定できる。そのため、除電部を印刷媒体に接触させて搬送ベルトによる印刷媒体の静電吸着力を大きくした上で、第2の面への印刷を行っている。一方、上記吐出割合が判定割合以上となる判定領域が1つもないときには、第1の面への印刷によって印刷媒体がカールしないと判定できるため、除電部を印刷媒体に接触させないで、第2の面への印刷を行っている。このように除電部が印刷媒体に接触する機会を減らすことができる分、除電部の劣化が抑制され、除電部による印刷媒体からの電荷の除去効率の低下を抑制することができる。
上記印刷装置において、前記除電部が前記除電位置にあって、前記搬送ベルトに静電吸着された前記印刷媒体に対する前記除電部の押圧力を変化可能な押圧力可変機構部を備え、前記除電制御装置は、前記押圧力可変機構部を用いて、前記吐出割合に応じて前記除電部の前記押圧力を変化させることが好ましい。
吐出割合が高いと印刷媒体のカールの度合い、すなわち印刷媒体の湾曲した曲率が大きくなる可能性が高い。そこで、上記構成によれば、吐出割合が高いと除電部の押圧力を大きくさせることができるので、印刷媒体に除電部が接触する際の抵抗力を抑制するとともに、カールした形状の印刷媒体を伸ばし、印刷媒体における搬送ベルトとの接触面積を大きくすることができる。
上記印刷装置において、前記除電制御装置は、印刷媒体の前記第1の面に印刷を施すときには前記除電部を前記退避位置に配置することが好ましい。
第2の面への印刷時とは異なり、第1の面への印刷時には、印刷媒体に印刷材が未だ付着していないため、印刷媒体がカールしている可能性が低い。そこで、上記構成では、第1の面への印刷時にあっては、除電部を退避位置に配置し、除電部を印刷媒体に接触させないようにした。これにより、第1の面への印刷時でも除電部を除電位置に配置する場合と比較し、除電部が劣化しにくくなる分、除電部による印刷媒体からの電荷の除去効率の低下を抑制することができる。
上記印刷装置は、前記除電位置よりも搬送方向上流に配置され、印刷媒体を前記搬送ベルトに押し付けるサポートローラーを備え、前記サポートローラーは、前記搬送ベルトの稼働によって従動回転することが好ましい。
上記構成によれば、印刷媒体がサポートローラーによって搬送ベルトに押し付けられるため、印刷媒体と搬送ベルトとの密着度合いを高めることができる分、印刷媒体を適切に分極させることができる。その結果、搬送ベルトに印刷媒体を静電吸着させやすくすることができる。
上記印刷装置において、前記サポートローラーは、接地されていることが好ましい。
上記構成によれば、サポートローラーが接地されているため、印刷媒体の印刷面にサポートローラーが接触することにより、同印刷面からある程度電荷を除去することができる。
第1の実施形態の印刷装置の概略構成を示す側面図。 印刷装置の静電搬送部とその周辺部材の構成を示す模式図。 印刷装置の静電搬送部とその周辺部材の構成を示す模式図。 用紙が搬送ベルトに静電吸着される様子を示す作用図。 用紙が搬送ベルトに静電吸着される様子を示す作用図。 同印刷装置の設置環境の温度及び湿度に基づき、用紙の抵抗値が高くなっているか否かを判断するためのマップ。 同印刷装置の機能構成を説明するブロック図。 同印刷装置において、用紙に印刷を行う際の処理手順を説明するフローチャート。 第2の実施形態の印刷装置において、用紙に印刷を行う際の処理手順を説明するフローチャート。 同印刷装置において、第1の面への印刷によって用紙がカールする可能性があるか否かを判定するための処理手順を説明するフローチャート。 同印刷装置において、用紙の第1の面で判定領域を設定する様子を説明するための模式図。 別の実施形態における印刷装置において、用紙の第1の面で判定領域を設定する様子を説明するための模式図。
(第1の実施形態)
以下、印刷装置を、インクジェット式のプリンターに具体化した第1の実施形態を図1〜図6に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の印刷装置11の筐体12内には、印刷媒体の一例である用紙Pを媒体搬送路20に沿って搬送する搬送装置29と、搬送されている用紙Pに印刷を施す印刷ユニット14とが設けられている。図1において紙面と直交する方向を用紙の幅方向とした場合、媒体搬送路20は、用紙の幅方向と交差する方向、望ましくは幅方向と直交する方向に用紙Pを搬送するように形成されている。
印刷ユニット14は、用紙の幅方向の略全域に渡って印刷材の一例であるインクを同時に吐出可能なラインヘッド型の印刷ヘッド141を備えている。そして、この印刷ヘッド141から吐出されたインクが用紙Pに付着することにより、用紙Pに画像が形成される。
搬送装置29は、印刷済みとなった用紙Pを筐体12外に排出する排出機構部25と、印刷前の用紙Pを媒体搬送路20に沿って給送する給送機構部30とを備えている。
排出機構部25は、媒体搬送路20に沿って配置されている複数の排出ローラー対19を有している。この排出機構部25によって搬送される用紙Pは、筐体12に形成されている媒体排出口26から筐体12外に排出される。つまり、この媒体排出口26が、媒体搬送路20の下流端、すなわち媒体の搬送経路の最下流となっている。そして、媒体排出口26から排出された用紙Pは、図1に二点鎖線で示すように、載置台60上に積層状態で載置される。
給送機構部30は、第1の媒体供給部21と、第2の媒体供給部22と、第3の媒体供給部23と、静電搬送部50とを有している。静電搬送部50は、印刷ユニット14の図中直下に配置されている。すなわち、静電搬送部50によって搬送されている用紙Pに対し、印刷ヘッド141からインクが吐出される。
筐体12の一側面(図1では右側面)には開閉可能なカバー12Fが設けられており、このカバー12Fが開放されることにより挿入口12aが露出される。第1の媒体供給部21は、このように露出した挿入口12aから筐体12内に挿入された用紙Pを挟持する第1の給送ローラー対41を備えている。そして、この第1の給送ローラー対41を構成する2つのローラーの回転によって、用紙Pが静電搬送部50に向けて給送される。
また、筐体12の図1における下部には、印刷前の用紙Pが積層状態でセットされる媒体カセット12cが設けられている。第2の媒体供給部22は、媒体カセット12cから用紙Pを給送するための供給部である。すなわち、第2の媒体供給部22は、媒体カセット12c内の最上位の用紙Pを媒体カセット12c外に送り出すピックアップローラー16aと、複数枚の用紙Pが重なって搬送されることを抑制する分離ローラー対16bと、分離ローラー対16bを通過した1枚の用紙Pを挟持する第2の給送ローラー対42とを備えている。そして、この第2の給送ローラー対42を構成する2つのローラーの回転によって、用紙Pが静電搬送部50に向けて給送される。
第3の媒体供給部23は、用紙Pに対して両側のシート面に印刷する両面印刷を行うときに、片側のシート面(第1の面)が印刷済みとなった用紙Pを、再び静電搬送部50に導くための供給部である。すなわち、静電搬送部50よりも用紙の搬送方向下流には、媒体搬送路20から分岐する分岐搬送路24が形成されている。そして、第3の媒体供給部23には、静電搬送部50よりも用紙の搬送方向下流に配置され、用紙Pの搬送経路を媒体搬送路20又は分岐搬送路24に切り替える分岐機構27と、分岐搬送路24に配置され、正逆両方向への回転が可能な分岐搬送路ローラー対44とが設けられている。
両面印刷を行う場合、片側のシート面が印刷済みとなった用紙Pは、静電搬送部50から分岐機構27によって分岐搬送路24に導かれる。このとき、分岐搬送路ローラー対44を構成する各ローラーの正方向への回転によって、用紙Pが搬送方向下流に搬送される。そして、用紙Pの後端が分岐搬送路24に導かれると、分岐搬送路ローラー対44を構成する各ローラーが逆方向に回転するようになり、用紙Pが逆方向に搬送されるようになる。すると、用紙Pは、図1において印刷ユニット14よりも上方に位置する反転供給路31に導かれる。そして、この反転供給路31上に配置されている複数の反転搬送ローラー対45の回転によって、用紙Pが反転供給路31に沿って給送される。これにより、用紙Pが、静電搬送部50よりも用紙の搬送方向上流で媒体搬送路20に合流される。その後、当該用紙Pが静電搬送部50に再び導かれる。
このように静電搬送部50に用紙Pが再び導かれると、印刷済みとなったシート面(第1の面)が静電搬送部50に接触し、印刷されていないシート面(第2の面)が印刷ヘッド141に対向することとなる。なお、用紙Pの両面のうち、静電搬送部50に接触するシート面のことを「接触面」といい、接触面の反対側の面を「印刷面」ということもある。すなわち、本実施形態の印刷装置11では、第3の媒体供給部23により、用紙Pの両面のうち第1の面への印刷が終了した後に、同第1の面が接触面となるとともに第2の面が印刷面となるように、用紙Pの表裏を反転させて同用紙Pを静電搬送部50に導く「反転機構」の一例が構成される。
次に、図2A、図2Bを参照し、静電搬送部50とその周辺部材の構成について説明する。図2A、図2Bに示すように、静電搬送部50は、印刷ヘッド141よりも用紙の搬送方向上流(すなわち、図中右側)に配置されている搬送用駆動ローラー51と、印刷ヘッド141よりも用紙の搬送方向下流(すなわち、図中左側)に配置されている搬送用従動ローラー52とを備えている。また、これら各ローラー51,52に、無端状の搬送ベルト53が掛送されている。搬送用従動ローラー52は、図2Aに矢印で示すように、搬送用駆動ローラー51から離れる方向(図中左方)に付勢されている。そして、搬送モーター54の駆動が搬送用駆動ローラー51に伝達されることにより、搬送ベルト53が稼働され、用紙Pが搬送方向下流に搬送される。すなわち、搬送ベルト53の外面が、用紙Pの接触面に接触する支持面として機能することとなる。
また、印刷ヘッド141の直下には、搬送ベルト53を通じて用紙Pを支持する金属製のバックアッププレート55が設けられている。なお、バックアッププレート55は、接地されている。また、バックアッププレート55は、搬送ベルト53の支持面の反対側の面となる搬送ベルト53の内面に接触しているとともに、同搬送ベルト53を印刷ヘッド141側に付勢している。
また、搬送用駆動ローラー51よりも搬送方向上流(図中右側)には、帯電部の一例である帯電ローラー56が設けられている。この帯電ローラー56は、搬送ベルト53の外面に接触している。そして、搬送用駆動ローラー51の回転が搬送ベルト53を通じて帯電ローラー56に伝達されることにより、帯電ローラー56が搬送用駆動ローラー51に対して従動回転する。このとき、帯電ローラー56が搬送ベルト53の外面における接触箇所に電圧を印加することにより、搬送ベルト53における当該接触箇所が帯電される。すなわち、搬送ベルト53は、帯電ローラー56との接触によって帯電される。なお、本実施形態の印刷装置11では、帯電ローラー56は、接触している搬送ベルト53に対し、正の電荷と負の電荷とを交互に供給する。
また、印刷ヘッド141よりも用紙の搬送方向上流(図中右側)には、静電搬送部50に給送された用紙Pを搬送ベルト53に押し付けるサポートローラー57が設けられている。このサポートローラー57は、例えば、金属などの導電材料で構成されており、接地されている。そして、搬送用駆動ローラー51の回転が搬送ベルト53を通じてサポートローラー57に伝達されることにより、サポートローラー57が搬送用駆動ローラー51に対して従動回転する。
さらに、用紙の搬送方向におけるサポートローラー57と印刷ヘッド141との間には、除電装置58が設けられている。この除電装置58は、ブラシ583などによって構成されている除電部581と、除電部581を変位させるアクチュエーター582とを備えている。この除電部581は、用紙の幅方向を主成分とする延出方向に延びており、用紙の幅方向における全域に接触可能である。そして、搬送ベルト53によって搬送されている用紙Pの印刷面に除電部581が接触すると、同除電部581が、同印刷面から電荷を除去するようになっている。
また、除電部581は、アクチュエーター582の駆動によって、用紙Pに接触可能な位置である除電位置と、用紙Pに接触不能な位置である退避位置との間で変位可能となっている。すなわち、矢印に示すように、除電部581は用紙Pの印刷面に対して直交する方向に変位可能となっており、図2Aに示す除電部581の位置が除電位置であり、図2Bに示す除電部581の位置が退避位置である。
本実施形態では、印刷ヘッド141からインクを吐出する方向(用紙Pの印刷面に対して直交する方向)において、印刷ヘッド141と搬送ベルト53との距離L1は、0.9mmである。
図2Aの除電部581が除電位置にあって、ブラシ583が搬送ベルト53に吸着された用紙Pを押圧した状態では、用紙Pの印刷面に対して直交する方向において支持面584から用紙Pまでのブラシ583の距離L2は、5.5mmであり、搬送方向(図中左右方向)において、ブラシ583が搬送ベルト53と当接する範囲の距離L3は、8mmである。
図2Bの除電部581が退避位置にあって、ブラシ583が搬送ベルト53から離れた状態では、用紙Pの印刷面に対して直交する方向において支持面584から立設するブラシ583の長さL4は、6.5mmである。
次に、図3A、図3Bを参照し、用紙Pが搬送ベルト53に静電吸着される際の作用について説明する。
図3Aに示すように、搬送用駆動ローラー51の回転によって搬送ベルト53が稼働されると、帯電ローラー56が従動回転することにより、搬送ベルト53の外面に正の電荷が帯電する部分である正部分71と、負の電荷が帯電する部分である負部分72とが交互に形成される。そして、こうした搬送ベルト53の外面にサポートローラー57によって用紙Pが押し付けられると、用紙Pが搬送ベルト53に密接し、同用紙P内で分極が発生する。すなわち、用紙Pの接触面Pa(図中下面)において搬送ベルト53の正部分71に対向する部分は、負の電荷が帯電する負部分73となる一方、用紙Pの接触面Paにおいて搬送ベルト53の負部分72に対向する部分は、正の電荷が帯電する正部分74となる。したがって、用紙Pの接触面Paにおいても、正部分74と負部分73とが交互に形成されるようになる。
なお、接触面Paの反対側となる用紙Pの印刷面Pbでも、負の電荷が帯電する負部分75と、正の電荷が帯電する正部分76とが交互に形成されることとなる。そして、用紙Pの抵抗値が小さい場合、印刷面Pbに除電部581を接触させなくても、印刷面Pbでは、互いに隣り合う正部分76と負部分75とで電荷が自然に中和されやすい。そのため、図3Bに示すように、用紙Pが印刷ヘッド141の直下に達するまでに、印刷面Pbの電荷のほとんどが除去される。
しかし、用紙Pの抵抗値が高い場合、印刷面Pbでは、互いに隣り合う正部分76と負部分75とで電荷が自然に中和されにくい。この場合、印刷面Pb側の電荷と接触面Pa側の電荷とが互いに引き合うこととなる。印刷面Pb側の電荷と接触面Pa側の電荷との引き合いによって生じる力である引き合い力は、接触面Paを印刷面Pb側に引き寄せる力となる。すなわち、引き合い力は、用紙Pの接触面Paを搬送ベルト53に引き付ける力に対して斥力となる。そのため、搬送ベルト53に用紙Pを引き付ける力、すなわち静電吸着力が大きくなりにくい。したがって、このように用紙Pの抵抗値が大きいと予測される場合には、印刷面Pbに除電部581を接触させることにより、印刷面Pbから電荷のほとんどを除去することができる。これにより、上記の引き合い力が小さくなり、搬送ベルト53による用紙Pの静電吸着力が大きくなる。
ところで、除電部581が除電位置に配置されている場合、サポートローラー57及び帯電ローラー56とは異なり、搬送ベルト53の稼働に対して除電部581が従動回転されない。そのため、搬送ベルト53や用紙Pとの接触に起因する除電部581の劣化は、サポートローラー57及び帯電ローラー56よりも進行しやすい。そして、このように除電部581の劣化が進むにつれて、除電部581による用紙Pからの電荷の除去効率が低下される。
ここで、印刷対象となる用紙Pの抵抗値が高いか否かは、用紙Pの種類、すなわち用紙の組成、用紙の重み、用紙の厚みなどから判断することができる。例えば、印刷装置11のユーザーインターフェイス、又は、印刷装置11と通信可能な外部装置(パーソナルコンピューターやモバイル端末)で、印刷対象となる用紙Pの種類を選択させ、その選択結果に応じた情報を制御装置で解析することにより、印刷対象となる用紙Pの抵抗値が高いか否かを判断することができる。
そこで、本実施形態の印刷装置11では、印刷対象の用紙Pの抵抗値が低いと判断できるときには、同用紙Pへの印刷に際して除電部581を退避位置に配置させる一方、印刷対象の用紙Pの抵抗値が高いと判断できるときには、同用紙Pへの印刷に際して除電部581を除電位置に配置させるようにした。
なお、同一種の用紙Pであっても、印刷装置11の設置環境などによって用紙Pの抵抗値が変化しうる。すなわち、印刷装置11の設置環境の温度TMPが一定である場合、設置環境の湿度HMDが高いほど用紙Pの抵抗値が低くなる。また、印刷装置11の設置環境の湿度HMDが一定である場合、設置環境の温度TMPが高いほど用紙Pの抵抗値が低くなる。
図4には、設置環境の温度TMPと湿度HMDとの関係に基づき、用紙Pの抵抗値が高くなっているか否かを判断するためのマップの一例が図示されている。図4に示すように、設置環境の温度TMPと湿度HMDとを示す点が、境界線L1よりも左下の領域である高抵抗領域A1に含まれる場合、用紙Pの抵抗値が高くなっていると判断することができる。一方、設置環境の温度TMPと湿度HMDとを示す点が、境界線L1よりも右上の領域である低抵抗領域A2に含まれる場合、用紙Pの抵抗値が低くなっていると判断することができる。
そこで、本実施形態の印刷装置11では、設置環境の温度TMP及び湿度HMDに基づき、印刷対象の用紙Pの抵抗値が低くなっていると判断できるときには、同用紙Pへの印刷に際して除電部581を退避位置に配置させるようにした。一方、設置環境の温度TMP及び湿度HMDに基づき、印刷対象の用紙Pの抵抗値が高くなっていると判断できるときには、同用紙Pへの印刷に際して除電部581を除電位置に配置させるようにした。
ところで、インクの付着によって用紙Pにカールが発生すると、用紙Pが印刷ヘッド141などに接触し、用紙Pが汚れたり用紙Pがダメージを受けたりし、結果として、印刷不良が発生するおそれがある。そのため、カールが発生しやすい用紙Pへの印刷時にあっては、印刷不良の発生を抑制するという観点上、搬送ベルト53による用紙Pの静電吸着力が小さいことは望ましくない。その一方で、カールが発生しにくい用紙Pへの印刷時にあっては、搬送ベルト53による用紙Pの静電吸着力が小さくても、上記のような印刷不良が生じにくい。
なお、印刷対象となる用紙Pの種類によっては、用紙Pへのインクの付着によってカールの発生しやすさが相異する。言い換えると、用紙Pの種類を特定することにより、印刷対象の用紙Pのカールの発生しやすさを予測することができる。そこで、例えば、上記のように印刷対象となる用紙Pの種類をユーザーに選択させ、その選択結果に応じた情報を制御装置で解析することにより、印刷装置11で、今回の印刷対象の用紙Pでカールが発生しやすいか否かを判断することが可能となる。
そこで、本実施形態の印刷装置11では、印刷対象の用紙Pがインクの付着によってカールが発生しやすいと判断できるときには、同用紙Pへの印刷に際し、除電部581を除電位置に配置させるようにした。一方、印刷対象の用紙Pがインクの付着によってカールが発生しにくいと判断できるときには、同用紙Pへの印刷に際し、除電部581を退避位置に配置させるようにした。
次に、図5を参照し、印刷装置11の制御装置80について説明する。
図5に示すように、制御装置80には、印刷装置11の設置環境の温度TMPを検出する温度センサーSE1と、印刷装置11の設置環境の湿度HMDを検出する湿度センサーSE2と、ユーザーによって操作されるユーザーインターフェイス81とが電気的に接続されている。また、制御装置80には、パーソナルコンピューターやモバイル端末などの外部装置100と通信可能となっている。
こうした制御装置80は、CPU、ROM及びRAMなどで構成されるマイクロコンピューターと、ASIC(Application Specific IC(特定用途向けIC))と、各種のドライバー回路とを備えている。そして、制御装置80は、ソフトウェア及びハードウェアのうち少なくとも一方で構成される機能部として、入力情報処理部91、温湿度判定部92、用紙判定部93、除電制御部94、搬送制御部95及び印刷制御部96を含んでいる。
入力情報処理部91は、ユーザーインターフェイス81から入力された情報、及び、外部装置100から受信した情報を解析し、その解析結果を用紙判定部93、搬送制御部95及び印刷制御部96に適宜出力する。例えば、入力情報処理部91は、印刷対象となる用紙Pの種類に関する情報を用紙判定部93に出力し、用紙Pの搬送態様に関する情報を搬送制御部95に出力する。また、入力情報処理部91は、印刷精度に関する情報を印刷制御部96に出力する。
なお、用紙Pの搬送態様に関する情報としては、例えば、用紙Pの搬送速度に関する情報、片面印刷又は両面印刷の何れかが選択されている旨の情報などを挙げることができる。また、印刷精度に関する情報としては、例えば、用紙Pに形成する画像に関するデータである印刷データ、及び、用紙Pの印刷面に形成する画像の解像度に関する情報を挙げることができる。
温湿度判定部92は、温度センサーSE1によって検出されている温度TMPと、湿度センサーSE2によって検出されている湿度HMDとに基づき、用紙Pの抵抗値が高くなりやすい環境であるか否かを判定する。このとき、温湿度判定部92は、図4に示すマップを参照し、現時点の設置環境が高抵抗領域A1に含まれるか低抵抗領域A2に含まれるかを判定し、この判定結果に関する情報を除電制御部94に出力する。この点で、温湿度判定部92により、印刷装置11の設置環境の温度TMPと湿度HMDとに基づき、印刷対象となる用紙Pの抵抗値が高くなっているか否かを判定する「判定装置」の一例が構成される。
用紙判定部93は、入力情報処理部91から入力された情報に基づき、印刷対象となる用紙Pが抵抗値の高い用紙であるか否か、インクの付着によってカールが発生しやすい用紙であるか否かなどを判定する。そして、用紙判定部93は、判定結果に関する情報を除電制御部94に出力する。
除電制御部94は、用紙判定部93及び温湿度判定部92から入力された情報に基づき、除電部581を除電位置に配置させるか退避位置に配置させるかを判定する。すなわち、除電制御部94は、用紙Pへの印刷に際し、搬送ベルト53によって搬送されている用紙Pに除電部581を接触させるか否かを判定する。
例えば、除電制御部94は、以下に示す3つの条件のうち少なくとも1つが成立しているときには、除電部581を除電位置に配置させる旨を決定する。一方、除電制御部94は、以下に示す全ての条件が成立していないときには、除電部581を退避位置に配置させる旨を決定する。
・用紙判定部93からの入力情報に基づき、印刷対象となる用紙Pの抵抗値が高いと判定した場合。
・用紙判定部93からの入力情報に基づき、印刷対象となる用紙Pがカールしやすい用紙であると判定した場合。
・温湿度判定部92からの入力情報に基づき、現時点での印刷装置11の設置環境が高抵抗領域A1に含まれている場合。
そして、除電制御部94は、除電部581を除電位置に配置させる旨を決定した場合、搬送ベルト53に静電吸着されて搬送される用紙Pが除電部581と接触可能な位置にあるとき、アクチュエーター582を駆動させることにより除電部581を除電位置に配置する。一方、除電制御部94は、除電部581を退避位置に配置させる旨を決定した場合、アクチュエーター582を駆動させることにより除電部581を退避位置に配置する。この点で、本実施形態の印刷装置11では、除電制御部94により、除電部581の位置を制御する「除電制御装置」の一例が構成される。こうして除電部581の位置制御が完了すると、除電制御部94は、用紙Pの印刷開始を許可する旨を搬送制御部95及び印刷制御部96に出力する。
搬送制御部95は、印刷開始を許可する旨が除電制御部94から入力されると、入力情報処理部91からの入力情報に基づいた態様で用紙Pが搬送されるように搬送装置29を制御する。
印刷制御部96は、印刷データに基づいて印刷ヘッド141からのインク吐出の態様を制御する。このとき、印刷制御部96は、搬送制御部95と協調することにより、用紙Pの印刷面Pbの適切な位置に画像を形成することができる。
次に、図6に示すフローチャートを参照し、用紙Pへの印刷を実行する際の処理手順について説明する。
図6に示すように、まず始めに、ステップS11において、印刷装置11の設置環境の温度TMP及び湿度HMDが取得される。次のステップS12において、温湿度判定処理が実行される。この温湿度判定処理は、温湿度判定部92により実行される。すなわち、取得された温度TMP及び湿度HMDで示される現時点の設置環境が高抵抗領域A1に含まれるのか低抵抗領域A2に含まれるのかが判定される。そして、温湿度判定処理が終了されると、その処理が次のステップS13に移行される。
ステップS13において、用紙種類判定処理が実行される。この用紙種類判定処理は、用紙判定部93によって実行される。すなわち、用紙判定部93に入力された用紙Pの種類に関する情報に基づき、印刷対象となる用紙Pが抵抗値の高い用紙であるか否かが判定される。また、同情報に基づき、印刷対象の用紙Pがインクの付着によってカールが発生しやすい用紙であるか否かが判定される。そして、用紙種類判定処理が終了されると、その処理が次のステップS14に移行される。
ステップS14において、今回の印刷で、用紙Pの印刷面Pbから電荷を除去する除電処理の実行が必要であるか否かが判定される。この判定は、除電制御部94によって実行される。そして、除電処理の実行が必要であると判定した場合、除電部581を除電位置に配置する旨が決定される。一方、除電処理の実行が不要であると判定した場合、除電部581を退避位置に配置する旨が決定される。
そして、除電処理の実行が必要であると判定された場合(ステップS14:YES)、
除電部581が除電位置に配置され(ステップS15)、その処理が後述するステップS17に移行される。一方、除電処理の実行が不要であると判定された場合(ステップS14:NO)、除電部581が退避位置に配置され(ステップS16)、その処理が次のステップS17に移行される。
ステップS17において、除電部581の位置制御が完了されると、印刷の開始が搬送制御部95及び印刷制御部96に指示される。すると、搬送装置29及び印刷ユニット14が駆動され、用紙Pが搬送されるとともに、搬送ベルト53に静電吸着されている用紙Pの印刷面Pbに、印刷ヘッド141からインクが吐出されるようになる。
そして、ステップS18において、用紙Pへの印刷が完了したか否かが判定される。印刷が未だ完了していない場合(ステップS18:NO)、用紙Pへの印刷が継続される。
一方、印刷が完了した場合(ステップS18:YES)、用紙Pが搬送装置29によって
載置台60に向けて排出され、本処理が終了される。
以上、本実施形態の印刷装置11によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態の印刷装置11では、除電部581を除電位置又は退避位置に配置することが可能となっている。そのため、搬送ベルト53に静電吸着されている用紙Pに除電部581を接触させたり、同用紙Pに除電部581を接触させなかったりすることができる。そのため、除電部581が除電位置に常時配置されている場合と比較し、印刷に際して用紙Pや搬送ベルト53に除電部581を接触させる機会を減らすことができる。その結果、除電部581の劣化が遅くなり、除電部581による用紙Pからの電荷の除去効率の低下を抑制することができる。
(2)例えば、印刷対象となる用紙Pの種類に応じて除電部581を除電位置に配置するか退避位置に配置するかを判定し、同判定結果に基づいて除電部581の位置を制御するようにしている。これにより、搬送ベルト53による用紙Pの静電吸着力を大きくしなくてもよいと判断できるときには用紙Pと除電部581との接触を回避することができる。そのため、印刷対象となる用紙Pの種類によっては印刷時に除電部581を退避位置に配置することができる分、除電部581が除電位置に常時配置されている場合と比較し、除電部581が劣化しにくくなる。その結果、除電部581による用紙Pからの電荷の除去効率の低下を抑制することができる。
(3)また、印刷装置11の設置環境の温度TMP及び湿度HMDに基づいて用紙Pの抵抗値が高くなっているか否かを判定し、同抵抗値が高くなっていると判定できるときには、搬送ベルト53によって搬送されている用紙Pに除電部581を接触させるようにしている。反対に、用紙Pの抵抗値が低くなっていると判定できるときには、搬送ベルト53によって搬送されている用紙Pに除電部581を接触させないようにしている。すなわち、除電部581によって用紙Pの印刷面Pbから電荷を除去しなくても同印刷面Pbの電荷が自然に中和されやすいと予測できるときには、搬送ベルト53による用紙Pの静電吸着力が比較的大きいため、除電部581を用紙Pに接触させない。そのため、印刷装置11の設置環境の温度及び湿度とは関係なく除電部581が除電位置に常時配置されている場合と比較し、用紙Pや搬送ベルト53に除電部581を接触させる機会を減らすことができる。したがって、除電部581の劣化を遅らせることができ、除電部581による用紙Pからの電荷の除去効率の低下を抑制することができる。
(4)そして、このように除電部581による用紙Pからの電荷の除去効率の低下が抑制されることにより、除電部581の交換頻度を低くすることができる。
(5)なお、静電搬送部50に給送された用紙Pをサポートローラー57によって搬送ベルト53に押し付けるようにしている。これにより、用紙Pと搬送ベルト53との密着性を高めることができ、用紙Pが分極されやすくなる。その結果、搬送ベルト53による用紙Pの静電吸着力を大きくすることができる。
(6)また、搬送ベルト53において用紙Pが接触する外面とは反対側の面である内面には、金属製のバックアッププレート55が接触している。そして、このバックアッププレート55は接地されているため、搬送ベルト53の内面側に帯電している電荷をバックアッププレート55によって除去することができる。そのため、搬送ベルト53の外面側に帯電している電荷の量の減少を抑制することができる分、搬送ベルト53による用紙Pの静電吸着力を大きくすることができる。
(第2の実施形態)
次に、印刷装置11を具体化した第2の実施形態を図7〜図9に従って説明する。なお、第2の実施形態では、両面印刷時における第2の面への印刷時に、除電部581を除電位置に配置するか退避位置に配置するかを決定するようにした点が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一の部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
両面印刷を行うに際し、用紙Pの第1の面への印刷時には、用紙Pにインクが未だ付着していない。一方、用紙Pの第2の面への印刷時には、第1の面にインクが既に付着しており、第1の面へのインクの付着態様によっては用紙Pがカールしているおそれがある。
このように用紙Pがカールしている状態で、印刷ヘッド141の直下に搬送されると、用紙Pのカールしている部分が印刷ヘッド141などに接触するおそれがある。
そこで、本実施形態の印刷装置11では、第1の面への印刷態様に基づき、用紙Pがカールする可能性があるか否かを判定し、カールする可能性があると判定したときには、第2の面への印刷を行うに際して除電部581を除電位置に配置するようにしている。これにより、第2の面への印刷を行うべく用紙Pが搬送ベルト53によって搬送される際には、用紙Pの第2の面に除電部581が接触し、第2の面から電荷が除去される。その結果、搬送ベルト53による用紙Pの静電吸着力が大きくなるため、搬送ベルト53上では用紙Pのカールを抑えることが可能となる。
その一方で、第1の面に印刷を行っても用紙Pがカールしないと判定したときには、第2の面への印刷を行うに際して除電部581を退避位置に配置するようにしている。これにより、両面印刷を行うに際し、除電部581が除電位置に常時配置される場合と比較し、除電部581の劣化が進みにくくなる。
なお、本実施形態の印刷装置11では、両面印刷を行う際の第1の面への印刷時、及び、片面のみの印刷時では、除電部581を退避位置に配置するようにしている。こうした点でも、除電部581の劣化の進行を遅らせることができる。
次に、図7に示すフローチャートを参照し、両面印刷を実行する際の処理手順について説明する。
図7に示すように、まず始めに、ステップS31において、用紙Pの第1の面への印刷によって用紙Pがカールする可能性があるか否かを判定するカール判定処理が実行される。このカール判定処理は、除電制御部94によって実行される。なお、このカール判定処理については、図8及び図9を用いて後で詳述する。
次のステップS32において、用紙Pの第1の面への印刷開始に先立って、除電部581が退避位置に配置される。そして、この状態で第1の面に対する印刷処理が開始される(ステップS33)。そのため、第1の面への印刷時にあっては、搬送ベルト53によって搬送されている用紙Pに除電部581が接触しない。
続いて、ステップS34において、このように第1の面に対する印刷処理が終了したか否かが判定される。第1の面に対する印刷処理が未だ終了していない場合(ステップS34:NO)、同印刷処理が継続される。一方、第1の面に対する印刷処理が終了した場合(ステップS34:YES)、その処理が次のステップS35に移行される。
ステップS35において、第3の媒体供給部23を作動させることにより、表裏を反転させて用紙Pを搬送ベルト53上に再び導く反転処理が実行される。この反転処理が実行されることにより、用紙Pが搬送ベルト53に再び導かれたときには、第2の面が印刷面Pbとなり、第1の面が接触面Paとなっている。これにより、第2の面への印刷が可能となる。
次のステップS36において、第2の面への印刷に際して、除電部581によって第2の面から電荷を除去する除電処理の実行が必要であるか否かが判定される。すなわち、上記ステップS31のカール判定処理の実行結果に基づき、第1の面へのインクの付着によって用紙Pがカールする可能性があると判定できるときには、除電処理の実行が必要であると判定される。一方、第1の面にインクが付着しても用紙Pがカールしないと判定できるときには、除電処理の実行が不要であると判定される。そして、除電処理の実行が必要であると判定したときには、除電部581を除電位置に配置する旨が決定される一方、除電処理の実行が不要であると判定したときには、除電部581を退避位置に配置する旨が決定される。
そのため、除電処理の実行が不要であると判定した場合(ステップS36:NO)、除電部581の位置を移動させることなく、すなわち除電部581を退避位置に配置した状態を維持し、その処理が後述するステップS38に移行される。一方、除電処理の実行が必要であると判定した場合(ステップS36:YES)、除電部581が除電位置に移動
される(ステップS37)。そして、その処理が次のステップS38に移行される。なお、このような除電部581の変位は、第3の媒体供給部23が用紙Pを搬送ベルト53上に向けて給送している間に行われる。
ステップS38において、第2の面に対する印刷処理が開始される。そして、ステップS39において、第2の面に対する印刷処理が終了したか否かが判定される。第2の面に対する印刷処理が未だ終了していない場合(ステップS39:NO)、同印刷処理が継続
される。一方、第2の面に対する印刷処理が終了した場合(ステップS39:YES)、用紙Pが搬送装置29によって載置台60に向けて排出される(ステップS40)。その後、本処理が終了される。
次に、図8に示すフローチャート及び図9に示す模式図を参照し、図7のカール判定処理(ステップS31)の一例について説明する。なお、このカール判定処理は、除電制御部94によって実行される処理である。
図8に示すように、第1の面に画像を形成するための印刷データが取得される(ステップS61)。次のステップS62において、用紙Pの第1の面を複数の領域に分割し、複数の分割領域R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9が設定される。
ここで、図9を参照し、分割領域R1〜R9の設定方法の一例について説明する。図9に示すように、用紙Pは、略矩形状をなしており、4つの側辺PE1,PE2,PE3,PE4を有している。そのため、用紙Pは、2つの側辺の接続部分である角PK1,PK2,PK3,PK4を4つ有しており、これら各角PK1〜PK4はほぼ直角となっている。そして、こうした用紙Pの第1の面で、9つの分割領域R1〜R9が設定される。例えば、第1の面を用紙の搬送方向Yに沿って3つに分割するとともに、第1の面を用紙の幅方向Zに沿って3つに分割することにより、合計9つの分割領域R1〜R9が設定される。
なお、図9に示す例では、9つの分割領域R1〜R9には、面積の広い領域と面積の狭い領域とが混在している。しかし、これに限らず、全ての分割領域R1〜R9の面積が等しくなるようにしてもよい。
図8に戻り、次のステップS63において、設定した各分割領域R1〜R9の中から、4つの判定領域HR1,HR2,HR3,HR4が設定される。すなわち、図9に示す9つの分割領域R1〜R9のうち、角PK1〜PK4を含む分割領域が判定領域とされる。この場合、分割領域R1が判定領域HR1とされ、分割領域R3が判定領域HR2とされ、分割領域R7が判定領域HR3とされ、分割領域R9が判定領域HR4とされる。
続いて、ステップS64において、インクの最大吐出量Xmaxが、判定領域HR1〜HR4毎に算出される。この最大吐出量Xmaxは、判定領域全体に満遍なくインクを吐出する、いわゆるべた印刷を行ったと仮定した場合に印刷ヘッド141から吐出されるインクの量に相当する値である。このとき、全ての判定領域HR1〜HR4の面積が同一である場合、4つの最大吐出量Xmaxは全て同一値となる。しかし、各判定領域HR1〜HR4の中に面積の広い領域と面積の狭い領域とが混在している場合、面積の広い判定領域用の最大吐出量Xmaxは、面積の狭い判定領域用の最大吐出量Xmaxよりも大きくなる。
そして、ステップS65において、判定領域に実際に吐出されるインクの量である実インク吐出量Xrが、判定領域HR1〜HR4毎に算出される。例えば、ステップS61で取得した印刷データに基づき、第1の面に画像を形成するに際し、判定領域に形成される画像の形状及び大きさが、判定領域HR1〜HR4毎に把握される。そして、判定領域に当該画像を形成するに際して必要なインクの量が判定領域HR1〜HR4毎に算出される。このようにして算出した値が、判定領域HR1〜HR4の実インク吐出量Xrとされる。
続いて、ステップS66において、各判定領域HR1〜HR4の吐出割合JRが算出される。すなわち、実インク吐出量Xrを最大吐出量Xmaxで除算した商(=Xr/Xm
ax)が、吐出割合JRとされる。次のステップS67において、各判定領域HR1〜HR4の中に、吐出割合JRが判定割合JRTh以上となる判定領域があるか否かが判定される。
ここで、用紙Pは、角PK1〜PK4周辺に多くのインクが付着するときほどカールしやすい。そこで、角PK1〜PK4を含む分割領域である判定領域HR1〜HR4へのインクの付着量を予測することにより、第1の面への印刷によって用紙Pがカールする可能性があるか否かを予測することができる。すなわち、判定割合JRThは、用紙Pがカールする可能性があるか否かを吐出割合から判断するための判定値である。
そして、全ての判定領域HR1〜HR4で吐出割合JRが判定割合JRTh未満となる場合(ステップS67:NO)、第1の面に印刷を行っても用紙Pがカールしないと判定され(ステップS68)、図7のカール判定処理(ステップS31)が終了する。
一方、各判定領域HR1〜HR4のうち、少なくとも1つの判定領域で吐出割合JRが判定割合JRTh以上となる場合(ステップS67:YES)、第1の面への印刷によって用紙Pがカールする可能性があると判定され(ステップS69)、図7のカール判定処理(ステップS31)が終了する。
以上、本実施形態の印刷装置11によれば、上記第1の実施形態における効果(1)、(4)〜(6)と同等の効果に加え、以下に示す効果をさらに得ることができる。
(7)用紙Pに両面印刷を行う際、第1の面への印刷によってインクが付着している状況下で第2の面への印刷を行うときに用紙Pにカールが発生しやすい。そこで、本実施形態は、用紙Pの第2の面に印刷を行うときには、除電部581を除電位置に配置するか退避位置に配置するかを決定するようにしている。そして、除電部581を除電位置に配置すると決定したときには、搬送ベルト53によって搬送されている用紙Pの第2の面に除電部581を接触させ、第2の面から電荷を除去するようにしている。これにより、搬送ベルト53による用紙Pの静電吸着力が大きくなり、搬送ベルト53上で用紙Pがカールしにくくなる。その結果、用紙Pが印刷ヘッド141などに接触する事象が発生しにくくなる分、印刷不良の発生を抑制することができる。
(8)本実施形態では、第1の面に印刷を行うと用紙Pがカールする可能性があると判定される場合、第2の面への印刷に際して除電部581が除電位置に配置される。そのため、第2の面への印刷時には、この第2の面に除電部581が接触することにより、第2の面から電荷が除去されるため、搬送ベルト53による用紙Pの静電吸着力を大きくすることができる。その結果、搬送ベルト53上で用紙Pがカールしにくくなる。したがって、用紙Pが印刷ヘッド141などに接触する事象が発生しにくくなる分、印刷不良の発生を抑制することができる。一方、第1の面への印刷を行っても用紙Pがカールしないと判定される場合、第2の面への印刷に際して除電部581が退避位置に配置される。そのため、第2の面への印刷時には、用紙Pに除電部581が接触されない。そのため、第1の面への印刷態様によらず、第2の面への印刷時には除電部581を除電位置に常時配置する場合と比較し、除電部581が劣化しにくくなる分、除電部581の劣化を遅らせることができる。
(9)上述したように、用紙Pの角PK1〜PK4周辺へのインクの付着量が多いほど用紙Pがカールしやすい。そこで、本実施形態では、用紙Pの角PK1〜PK4を含む判定領域HR1〜HR4を設定し、この判定領域HR1〜HR4へのインクの付着量が多いと判定できるときに、第1の面への印刷によって用紙Pがカールする可能性があると判定するようにしている。そして、こうした判定結果に基づいて除電部581の位置を決定することにより、用紙Pがカールしないと予測できるときには、第2の面への印刷に際して除電部581が用紙Pに接触されない。したがって、第2の面への印刷時には除電部581を除電位置に常時配置する場合と比較し、除電部581が劣化しにくくなる分、除電部581の劣化を遅らせることができる。
(10)一方、第1の面への印刷時に際しては、第2の面への印刷時とは異なり、用紙Pにインクが未だ付着していないため、用紙Pがカールしている可能性が低い。そこで、本実施形態では、第1の面への印刷時にあっては、除電部581を退避位置に配置し、除電部581を用紙Pに接触させないようにした。これにより、第1の面への印刷時でも除電部581を除電位置に配置する場合と比較し、除電部581が劣化しにくくなる分、除電部581による用紙Pからの電荷の除去効率の低下を抑制することができる。
(第3の実施形態)
次に、印刷装置11を具体化した第3の実施形態を説明する。なお、第3の実施形態では、両面印刷時における第2の面への印刷時に、第1の面における吐出割合に基づいて、除電部581の用紙Pに対する押圧力を変化させる点が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一の部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
本実施形態では、図2Aのアクチュエーター582は、搬送ベルト53に静電吸着されて搬送される用紙Pに対して、除電部581が押圧する押圧力を変化させることができる。すなわちアクチュエーター582は、押圧力可変機構部として構成される。
本実施形態では、図7のステップS37において、除電部581を除電位置に配置する際に、図5の除電制御部94は、図8のステップS66において算出された吐出割合JRに基づいて、アクチュエーター582の駆動制御を行うことにより、除電部581の用紙Pに対する押圧力を設定する。
具体的には、図8のステップS69において、除電制御部94は、用紙がカールする可能性有りと判定されたとき、吐出割合JRが大きいほど、除電部581の用紙Pに対する押圧力が大きくなるように、アクチュエーター582の駆動制御を行う。
本実施形態において両面印刷を実行する際のその他の処理手順は、第2の実施形態で図7、図8のフローチャートを用いて説明した処理手順と同じである。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・各実施形態において、サポートローラー57は、搬送ベルト53の稼働によって従動回転する構成であれば、金属材料以外の材料(例えば、合成樹脂)で構成されたローラーであってもよい。
・各実施形態において、サポートローラー57を接地させなくてもよい。
・各実施形態において、サポートローラー57で用紙Pを搬送ベルト53に押し付けなくても、搬送ベルト53に用紙Pを静電吸着させることができるのであればサポートローラー57を設けなくてもよい。
・第2の実施形態において、判定領域HR1〜HR4の設定方法を、例えば、以下に示すように変更してもよい。すなわち、用紙Pの第1の面を複数に分割し、複数の分割領域を設定する。そして、各分割領域のうち、用紙Pの角を含む分割領域である端部領域と、この端部領域に隣接する領域とで構成される領域を判定領域とするようにしてもよい。
図10には、こうした判定領域の設定方法の一例が図示されている。すなわち、図10に示すように、例えば、角PK1を含む分割領域R1(端部領域)と、同分割領域R1に用紙の搬送方向Yで隣接する分割領域R4とで構成される領域を判定領域HR1とし、角PK2を含む分割領域R3(端部領域)と、同分割領域R3に用紙の幅方向Zで隣接する分割領域R2とで構成される領域を判定領域HR2としてもよい。同様に、角PK3を含む分割領域R9(端部領域)と、同分割領域R9に用紙の搬送方向Yで隣接する分割領域R6とで構成される領域を判定領域HR3とし、角PK4を含む分割領域R7(端部領域)と、同分割領域R7に用紙の幅方向Zで隣接する分割領域R8とで構成される領域を判定領域HR4としてもよい。
そして、このように設定した判定領域HR1〜HR4毎に吐出割合JRを算出し、吐出割合JRが判定割合JRTh以上となる判定領域がある場合には、第1の面への印刷によって用紙Pがカールする可能性があると判定するようにしてもよい。
・第2の実施形態において、第1の面を分割して形成する分割領域の数は、2以上の数であれば9つ以外の任意数であってもよい。
・第2の実施形態で説明したカールの判定方法以外の方法で、第1の面への印刷によって用紙Pがカールするか否かを判定するようにしてもよい。
・第2の実施形態において、両面印刷を行う場合、第1の面への印刷時にも、必要に応じて除電部581を除電位置に配置するようにしてもよい。例えば、高抵抗の用紙Pへの印刷時にあっては、第1の面への印刷時であっても除電部581を用紙Pに接触させるようにしてもよい。
また、このように第1の面への印刷時に除電部581を除電位置に配置するのであれば、第2の面への印刷時にあっては、カール判定処理の判定結果に拘わらず、又は、カール判定処理を行うことなく、除電部581を除電位置に配置すると決定するようにしてもよい。
・第1の実施形態において、用紙Pに両面印刷を行う場合、用紙Pの種類や印刷装置11の設置環境などには拘わらず、第2の面に印刷を行うに際して除電部581を除電位置に配置させるようにしてもよい。
・第1の実施形態において、用紙Pの種類に応じて、除電部581を除電位置に配置するか退避位置に配置するかを決定する構成であれば、印刷装置11の設置環境の温度TMP及び湿度HMDに基づいた除電部581の位置決定を行わないようにしてもよい。
・第1の実施形態において、印刷装置11の設置環境の温度TMP及び湿度HMDに基づいて、除電部581を除電位置に配置するか退避位置に配置するかを決定する構成であれば、用紙Pの種類に応じた除電部581の位置決定を行わないようにしてもよい。
・第1の実施形態において、印刷装置11の設置環境の湿度HMDのみによって、用紙Pの抵抗値が高くなっているか否かを判断することができるのであれば、除電部581の位置決定を行う際のパラメーターに、設置環境の温度TMPを含ませなくてもよい。
・第1の実施形態において、ユーザーによって選択された用紙の種類に関する情報に基づき、印刷対象となる用紙Pが抵抗値の高い用紙であると判定できるときには、印刷装置11の設置環境に拘わらず、除電部581を除電位置に配置するようにしてもよい。
・第1の実施形態において、ユーザーによって選択された用紙の種類に関する情報に基づき、印刷対象となる用紙Pが抵抗値の低い用紙であると判定できるときには、印刷装置11の設置環境に拘わらず、除電部581を退避位置に配置するようにしてもよい。
・第1の実施形態において、ユーザーによって選択された用紙の種類に関する情報に基づき、印刷対象となる用紙Pが抵抗値の高い用紙であると判定できる場合であっても、印刷装置11の設置環境に基づき用紙Pの抵抗値が低くなっていると判定できるときには、除電部581を退避位置に配置するようにしてもよい。
・第1の実施形態において、ユーザーによって選択された用紙の種類に関する情報に基づき、印刷対象となる用紙Pが抵抗値の低い用紙であると判定できる場合であっても、印刷装置11の設置環境に基づき用紙Pの抵抗値が高くなっていると判定できるときには、除電部581を除電位置に配置するようにしてもよい。
・各実施形態では、除電部581を、用紙Pの印刷面Pbと直交する方向に変位させるようにしているが、これに限らず、除電部581を印刷面Pbに接触させたり、除電部581を用紙Pから離間させたりすることができるのであれば任意の方向に除電部581を変位させるようにしてもよい。
・印刷ユニット14は、所定の走査方向に印刷ヘッドを移動させつつ同印刷ヘッドからインクを用紙の印刷面に吐出するユニットであってもよい。また、印刷ユニット14は、用紙の搬送方向に印刷ヘッド141を移動させつつ同印刷ヘッド141から用紙Pにインクを吐出させるラテラルスキャン型のユニットであってもよい。
・各実施形態において、印刷装置は、用紙Pに画像を形成することができるのであれば、印刷材として任意のインクを採用することができる。すなわち、印刷材は、粒状、涙状、糸状に尾を引くものであってもよい。例えば、印刷材は、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状体を含むものとする。また、印刷材は、物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなども含むものとする。印刷材の代表的な例としては上記各実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。
・印刷装置によって印刷を施される印刷媒体は、搬送ベルト53に静電吸着させることのできるものであれば、用紙以外の他の媒体であってもよい。
11…印刷装置、141…印刷ヘッド、23…反転機構の一例である第3の媒体供給部、53…搬送ベルト、56…帯電部の一例である帯電ローラー、57…サポートローラー、581…除電部、92…判定装置の一例である温湿度判定部、94…除電制御装置の一例である除電制御部、HR1〜HR4…判定領域、JR…吐出割合、JRTh…判定割合、P…印刷媒体の一例である用紙、Pa…接触面、Pb…印刷面、PE1〜PE4…側辺、PK1〜PK4…角、R1〜R9…分割領域、HMD…湿度、TMP…温度、Xmax…最大吐出量。

Claims (13)

  1. 印刷媒体を搬送する搬送ベルトと、
    前記搬送ベルトに電荷を供給する帯電部と、
    印刷媒体の両面のうち前記搬送ベルトに接触している面を接触面とし、前記接触面の反対側の面を印刷面とした場合、前記搬送ベルトに静電吸着されている印刷媒体の前記印刷面に印刷材を付着させる印刷ヘッドと、
    前記搬送ベルトによって搬送されている印刷媒体に接触可能な位置である除電位置と前記印刷媒体に接触不能な位置である退避位置との間で変位可能であるとともに、前記印刷媒体の前記印刷面に接触することにより前記印刷面から電荷を除去する除電部と、
    前記除電部の位置を制御する除電制御装置と、を備え、
    前記除電制御装置は、前記搬送ベルトに静電吸着されて搬送される前記印刷媒体が前記除電部と接触可能な位置にあるとき、前記除電部を前記除電位置に配置することを特徴とする印刷装置。
  2. 前記除電制御装置は、印刷対象となる印刷媒体の種類に応じ、前記搬送ベルトによって搬送されている印刷媒体に前記除電部を接触させるか否かを判定し、前記判定結果に基づいて前記除電部の位置を制御することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記除電制御装置は、前記印刷装置の設置環境の湿度に基づき、前記搬送ベルトによって搬送されている印刷媒体に前記除電部を接触させるか否かを判定し、前記判定結果に基づいて前記除電部の位置を制御することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  4. 前記印刷装置の設置環境の温度と湿度とに基づき、印刷対象となる印刷媒体の抵抗値が高くなっているか否かを判定する判定装置を備え、
    前記除電制御装置は、
    前記判定装置によって印刷媒体の抵抗値が高くなっていると判定されているときには前記除電部を前記除電位置に配置する一方、
    前記判定装置によって印刷媒体の抵抗値が低くなっていると判定されているときには前記除電部を前記退避位置に配置することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  5. 印刷媒体の両面のうち第1の面への印刷が終了した後に、前記第1の面が前記接触面となるとともに前記第1の面の反対側の面である第2の面が前記印刷面となるように、前記印刷媒体の表裏を反転させて前記印刷媒体を前記搬送ベルト上に導く反転機構を備え、
    前記印刷ヘッドは、前記除電位置よりも搬送方向下流に配置されており、
    前記除電制御装置は、前記反転機構から前記搬送ベルト上に導かれた印刷媒体の前記第2の面に対して印刷を施すときには前記除電部を前記除電位置に配置することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  6. 印刷媒体の両面のうち第1の面への印刷が終了した後に、前記第1の面が前記接触面となるとともに前記第1の面の反対側の面である第2の面が前記印刷面となるように、前記印刷媒体の表裏を反転させて前記印刷媒体を前記搬送ベルト上に導く反転機構を備え、
    前記除電制御装置は、
    印刷媒体の前記第1の面への印刷によって前記印刷媒体がカールするか否かを判定し、
    印刷媒体の前記第1の面への印刷によって前記印刷媒体がカールすると判定しているときには、前記印刷媒体の前記第2の面への印刷に際して前記除電部を前記除電位置に配置する一方、
    印刷媒体の前記第1の面への印刷によって前記印刷媒体がカールしないと判定しているときには、前記印刷媒体の前記第2の面への印刷に際して前記除電部を前記退避位置に配置することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  7. 印刷媒体の両面のうち第1の面への印刷が終了した後に、前記第1の面が前記接触面となるとともに前記第1の面の反対側の面である第2の面が前記印刷面となるように、前記印刷媒体の表裏を反転させて前記印刷媒体を前記搬送ベルト上に導く反転機構を備え、
    印刷媒体は、4つの側辺を有するとともに、2つの前記側辺の接続部分である角を有しており、
    印刷媒体の前記第1の面を複数の領域に分割し、前記各領域のうち前記印刷媒体の角を含む領域を判定領域とした場合、
    前記除電制御装置は、
    前記印刷ヘッドから前記判定領域への印刷材の吐出によって前記判定領域に付着させることのできる印刷材の最大量である最大吐出量を算出し、
    印刷媒体の前記第1の面への印刷に採用される印刷データに基づき、前記印刷ヘッドから前記判定領域に吐出される印刷材の量である吐出量を算出し、
    前記吐出量の前記最大吐出量に対する割合である吐出割合を算出し、
    前記判定領域で前記吐出割合が判定割合未満となるときには、前記印刷媒体の前記第2の面への印刷に際して前記除電部を前記退避位置に配置する一方、
    前記判定領域で前記吐出割合が前記判定割合以上となるときには、前記印刷媒体の前記第2の面への印刷に際して前記除電部を前記除電位置に配置することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  8. 印刷媒体の両面のうち第1の面への印刷が終了した後に、前記第1の面が前記接触面となるとともに前記第1の面の反対側の面である第2の面が前記印刷面となるように、前記印刷媒体の表裏を反転させて前記印刷媒体を前記搬送ベルト上に導く反転機構を備え、
    印刷媒体は、4つの側辺を有するとともに、2つの前記側辺の接続部分である角を有しており、
    印刷媒体の前記第1の面を複数の領域に分割し、前記各領域のうち前記印刷媒体の角を含む領域である端部領域と前記端部領域に隣接する領域とで構成される領域を判定領域とした場合、
    前記除電制御装置は、
    前記印刷ヘッドから前記判定領域への印刷材の吐出によって前記判定領域に付着させることのできる印刷材の最大量である最大吐出量を算出し、
    印刷媒体の前記第1の面への印刷に採用される印刷データに基づき、前記印刷ヘッドから前記判定領域に吐出される印刷材の量である吐出量を算出し、
    前記吐出量の前記最大吐出量に対する割合である吐出割合を算出し、
    前記判定領域で前記吐出割合が判定割合未満となるときには、前記印刷媒体の前記第2の面への印刷に際して前記除電部を前記退避位置に配置する一方、
    前記判定領域で前記吐出割合が前記判定割合以上となるときには、前記印刷媒体の前記第2の面への印刷に際して前記除電部を前記除電位置に配置することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  9. 印刷媒体の前記第1の面には、1つの前記角を含む前記判定領域が複数設定されるようになっており、
    前記除電制御装置は、
    全ての前記判定領域で前記吐出割合が前記判定割合未満となるときには、前記印刷媒体の前記第2の面への印刷に際して前記除電部を前記退避位置に配置する一方、
    前記各判定領域のうち、少なくとも1つの前記判定領域で前記吐出割合が前記判定割合以上となるときには、前記印刷媒体の前記第2の面への印刷に際して前記除電部を前記除電位置に配置することを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の印刷装置。
  10. 前記除電部が前記除電位置にあって、前記搬送ベルトに静電吸着された前記印刷媒体に対する前記除電部の押圧力を変化可能な押圧力可変機構部を備え、
    前記除電制御装置は、前記押圧力可変機構部を用いて、前記吐出割合に応じて前記除電部の前記押圧力を変化させることを特徴とする請求項7から請求項9のうち何れか一項に記載の印刷装置。
  11. 前記除電制御装置は、印刷媒体の前記第1の面に印刷を施すときには前記除電部を前記退避位置に配置することを特徴とする請求項5から請求項10のうち何れか一項に記載の印刷装置。
  12. 前記除電位置よりも搬送方向上流に配置され、印刷媒体を前記搬送ベルトに押し付けるサポートローラーを備え、
    前記サポートローラーは、前記搬送ベルトの稼働によって従動回転することを特徴とする請求項1から請求項11のうち何れか一項に記載の印刷装置。
  13. 前記サポートローラーは、接地されていることを特徴とする請求項12に記載の印刷装置。
JP2016004161A 2015-02-25 2016-01-13 印刷装置 Active JP6728689B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US15/049,484 US9962961B2 (en) 2015-02-25 2016-02-22 Printing apparatus

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015035394 2015-02-25
JP2015035394 2015-02-25

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2016155686A true JP2016155686A (ja) 2016-09-01
JP2016155686A5 JP2016155686A5 (ja) 2019-02-14
JP6728689B2 JP6728689B2 (ja) 2020-07-22

Family

ID=56824993

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016004161A Active JP6728689B2 (ja) 2015-02-25 2016-01-13 印刷装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6728689B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108372729A (zh) * 2017-01-31 2018-08-07 精工爱普生株式会社 介质传送装置、记录装置
WO2019003684A1 (ja) * 2017-06-28 2019-01-03 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 インクジェット記録装置

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000025249A (ja) * 1990-08-31 2000-01-25 Canon Inc インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置における電界制御方法
JP2004149280A (ja) * 2002-10-31 2004-05-27 Ricoh Co Ltd 記録シート搬送装置及び画像形成装置
JP2005247479A (ja) * 2004-03-03 2005-09-15 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2005324877A (ja) * 2004-05-12 2005-11-24 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2009143010A (ja) * 2007-12-11 2009-07-02 Seiko Epson Corp カール予測方法、及び、液体吐出装置
JP2011246280A (ja) * 2010-04-27 2011-12-08 Canon Inc 記録装置
US8708450B2 (en) * 2012-07-20 2014-04-29 Xerox Corporation Indirect media flatness measurement

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000025249A (ja) * 1990-08-31 2000-01-25 Canon Inc インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置における電界制御方法
JP2004149280A (ja) * 2002-10-31 2004-05-27 Ricoh Co Ltd 記録シート搬送装置及び画像形成装置
JP2005247479A (ja) * 2004-03-03 2005-09-15 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2005324877A (ja) * 2004-05-12 2005-11-24 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2009143010A (ja) * 2007-12-11 2009-07-02 Seiko Epson Corp カール予測方法、及び、液体吐出装置
JP2011246280A (ja) * 2010-04-27 2011-12-08 Canon Inc 記録装置
US8708450B2 (en) * 2012-07-20 2014-04-29 Xerox Corporation Indirect media flatness measurement

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108372729A (zh) * 2017-01-31 2018-08-07 精工爱普生株式会社 介质传送装置、记录装置
JP2018122494A (ja) * 2017-01-31 2018-08-09 セイコーエプソン株式会社 媒体搬送装置、記録装置
CN108372729B (zh) * 2017-01-31 2020-08-14 精工爱普生株式会社 介质传送装置、记录装置
WO2019003684A1 (ja) * 2017-06-28 2019-01-03 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 インクジェット記録装置
CN109890618A (zh) * 2017-06-28 2019-06-14 京瓷办公信息***株式会社 喷墨记录装置
US20190240975A1 (en) * 2017-06-28 2019-08-08 Kyocera Document Solutions Inc. Inkjet recording apparatus
US10960664B2 (en) 2017-06-28 2021-03-30 Kyocera Document Solutions Inc. Inkjet recording apparatus
CN109890618B (zh) * 2017-06-28 2021-08-17 京瓷办公信息***株式会社 喷墨记录装置
US11491783B2 (en) 2017-06-28 2022-11-08 Kyocera Document Solutions Inc. Inkjet recording apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JP6728689B2 (ja) 2020-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20070118314A (ko) 화상 형성 장치
US8523346B2 (en) Transport device and recording device
JP2016043626A (ja) 記録装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体
JP6728689B2 (ja) 印刷装置
US9962961B2 (en) Printing apparatus
JP2006256855A (ja) 画像形成装置
JP2015047729A (ja) 液体吐出装置
JP5617664B2 (ja) 記録媒体搬送装置及び画像形成装置
JP2012126487A (ja) 搬送制御装置および記録装置
JP6714818B2 (ja) 印刷装置
JP6769035B2 (ja) 印刷装置
JP2007038518A (ja) インクジェット記録装置
JP2016155686A5 (ja)
US9033446B2 (en) Liquid jetting apparatus
JP2017132043A (ja) 印刷装置
US12030301B2 (en) Liquid ejecting device and liquid ejecting method
JP2023080905A (ja) 記録装置、記録装置の制御方法、プログラム
US20220332129A1 (en) Liquid ejecting device and liquid ejecting method
JP6907561B2 (ja) ベルト搬送装置、および記録装置
JP2007126252A (ja) インクジェット記録装置
JP6859727B2 (ja) ベルト搬送装置、および記録装置
JP6984695B2 (ja) 印刷装置
JP5808304B2 (ja) シート搬送装置、画像形成装置、シート搬送方法、帯電制御プログラム、記録媒体
JP7111226B2 (ja) 媒体搬送装置、及び記録装置
JP2017128032A (ja) 印刷装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20180905

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20181107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181225

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191216

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200602

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200615

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6728689

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150