JP2016150693A - フロントグリル - Google Patents
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Abstract
【課題】部分めっきの工数が少なくて済むフロントグリルを提供する。
【解決手段】フロントグリル1は、枠体と、枠体に囲まれた空間を仕切る仕切部3を有する。仕切部3は、易めっき性樹脂からなる前方部32と、易めっき性樹脂のめっき工程でめっき困難な難めっき性樹脂からなる後方部33とを一体にもつ樹脂本体31、及び前方部32の表面を被覆するめっき層5、を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、部分めっきを施したフロントグリルに関する。
車両用のフロントグリルは、図5に示すように、枠体で囲まれた空間を仕切る仕切部95を有している。フロントグリル9は、車体に取り付けられ、仕切部95間に形成された開口90から車体内部のエンジン側に空気を流通させる。
フロントグリル9の仕切部95は、近年、樹脂本体92の表面を部分的に金属めっき層93で被覆して作製したものが多い。
一般的な部分めっき方法として、全面マスキング塗装方法がある。全面マスキング塗装方法でフロントグリル9に部分めっきを行う場合には、樹脂本体92の全面をめっきした後に、めっきを必要とする部分にマスク99をして、めっきを必要としない部分に塗膜94を形成する。
また、他の部分めっき法として、特許文献1、2には、樹脂本体92の表面のうち、めっきを必要とする部分とめっきを必要としない部分との境界部分に、断面略V字状の条溝を環状に形成し、めっきを必要とする部分にのみ電気めっきを形成することが開示されている。
しかしながら、一般的な全面マスキング塗装方法では、一旦全面めっきを行った後に、マスク工程や塗装工程を行う必要がある。また、特許文献1,2に記載の方法でも、部分めっきの工数が多い。更に、場合によっては、不要な部分をエッチングで除去する必要が生じうる。このため、部分めっきの工数が少なくて済むフロントグリルの開発が求められている。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、部分めっきの工数が少なくて済むフロントグリルを提供することを課題とする。
本発明のフロントグリルは、枠体と、前記枠体に囲まれた空間を仕切る仕切部とを有するフロントグリルであって、前記仕切部は、易めっき性樹脂からなる第1樹脂部と、前記易めっき性樹脂のめっき工程でめっき困難な難めっき性樹脂からなる第2樹脂部とを一体にもつ樹脂本体、及び前記第1樹脂部の表面を被覆するめっき層、を有することを特徴とする。
本発明によれば、仕切部の樹脂本体は、易めっき性樹脂からなる第1樹脂部と、易めっき性樹脂のめっき工程でめっき困難な難めっき性樹脂からなる第2樹脂部とを一体にもつ。このため、易めっき性樹脂にめっき層を形成するに適しためっき工程を行うことで、第2樹脂部にはめっき層を形成することなく、第1樹脂部の表面にはめっき層を形成することができる。ゆえに、部分めっきの工数が少なくてすむ。
一方、一般的な部分めっき方法として、全面マスキング塗装方法がある。全面マスキング塗装方法でフロントグリルに部分めっきを行う場合には、樹脂本体の全面をめっきした後に、めっきを必要とする部分にマスクをして、めっきを必要としない部分に塗膜を形成する。全面マスキング塗装方法では、多数の工程を行う必要がある。
これに対して、本発明では、めっきを必要とする部分を易めっき性樹脂からなる第1樹脂部で形成し、めっきを必要としない部分を難めっき性樹脂からなる第2樹脂部で形成している。このため、本発明のフロントグリルでは、マスキング工程や塗装工程を必要としない。ゆえに、部分めっきの工数を大幅に削減できる。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係るフロントグリルについて図面を用いて説明する。本実施形態において、上、下、右、左、前、後は、フロントグリルを車両の車体前側に取り付けた状態で運転席側から見たときの方向である。
本発明の第1実施形態に係るフロントグリルについて図面を用いて説明する。本実施形態において、上、下、右、左、前、後は、フロントグリルを車両の車体前側に取り付けた状態で運転席側から見たときの方向である。
本実施形態のフロントグリル1は、図1に示すように、枠体2と、枠体2により囲まれた空間8を仕切る複数の仕切部3とを有する。複数の仕切部3は、空間8において上下方向に延び且つ互いに平行に配列されていて、仕切部3間に開口80を形成している。各仕切部3の上端部及び下端部で枠体2に固定されている。
図2に示すように、各仕切部3は、前方部32と後方部33とを一体に有する樹脂本体31と、前方部32を被覆するめっき層5とからなる。各仕切部3の断面は、U字形状をなし、前方部32から後方部33に向けて幅が徐々に大きくなっている。仕切部3の頂部3aの幅W1は15mmであり、仕切部3の基端部3bの幅W2は20mmである。前方部32の表面はめっき層5により被覆されており、後方部33の表面にはめっき層5は被覆されておらず、後方部33はそれ自体が黒色をなす。
仕切部3の高さHは、5〜35mmがよい。仕切部3の頂部3aの幅W1は1〜15mmがよい。隣り合う仕切部3の間の開口80の幅W3は1.6〜10mmがよい。この場合には、仕切部3の意匠性を確保しつつ、フロントグリル1の通気性を向上させることができる。
本実施形態においては、仕切部3の高さHは、35mm、仕切部3の頂部3aの幅W1は3〜30mm、隣り合う仕切部3の間の開口80の幅W3は30mmとする。
仕切部3の高さHに対する隣り合う仕切部3間の開口80の幅W3の比率(W3/H)は0.33以上がよい。この場合には、開口80を比較的広くすることができ、フロントグリル1の通気性を向上させることができる。なお、フロントグリルの意匠性、特に隣り合う複数の仕切部3の見栄えの観点から、上記比率(W3/H)は3以下がよく、更には1以下が好ましい。
仕切部3の基端部3bの幅W2に対する隣り合う仕切部3間の開口80の幅W3の比率(W3/W2)は0.5以上5以下がよく、更に、隣り合う複数の仕切部3の見栄えの観点から、0.5以上3以下が好ましい。
本実施形態において、比率(W3/H)は0.85(30/35)であり、比率(W3/W2)は1.5(30/20)である。
本実施形態において、前方部32は、本発明の第1樹脂部に相当し、後方部33は、本発明の第2樹脂部に相当する。
前方部32は、易めっき性樹脂からなる。後方部33は、易めっき性樹脂のめっき工程でめっき困難な難めっき性樹脂からなる。前方部32の易めっき性樹脂は、例えば、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)である。後方部33の難めっき性樹脂は、例えば、ポリカーボネート−イソソルバイド共重合体、又はポリカーボネート−ポリジメチルシロキサン(PDMS)共重合体である。その他に、前方部32の易めっき性樹脂としては、ABSとPCとの共重合体が挙げられる。後方部33の難めっき性樹脂としては、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)が挙げられる。後方部33には、難めっき性樹脂の他に、着色材としてピアノブラック材が含まれていて、後方部33は、光沢があり深みのある黒色を呈している。
本実施形態においては、前方部32を被覆しているめっき層5は、銅めっき、ニッケルめっき及びクロムめっきを積層してなる。前方部32を被覆しているめっき層5は、その他に、銅めっき、ニッケルめっき、又はクロムめっきのいずれか、または2種類組み合わせて用いてもよい。また、めっき層5の厚みは13〜60μmがよい。めっき層5の厚みが薄すぎると、めっき層5が剥がれるおそれがある。めっき層5が過剰に厚い場合には、それに見合う効果はない。本実施形態においては、めっき層5は45μmとする。
また、図1に示すように、枠体2は、前方部32と同じ易めっき性樹脂からなる樹脂本体23と、樹脂本体23の表面を被覆するめっき層5とからなる。枠体2の樹脂本体23の表面を被覆するめっき層5と、仕切部3の前方部32の表面を被覆するめっき層5とは同じものである。仕切部3の樹脂本体31と枠体2の樹脂本体23は、一体成形された成形品をなす。
本実施形態のフロントグリル1の製造方法について説明する。
まず、成形品を、2色成形機を用いた2色成形法により形成する。
次に、ABSの標準めっき工程でめっきを行う。ABSの標準めっき工程は、以下のようである。
1.脱脂工程:成形品の表面汚れ、ゴミ等を除去する。
2.エッチング工程:クロム酸−硫酸の混酸液に成形品を漬浸する。このとき、ABSのブタジエン成分が混酸液中に溶出して、ABSからなる前方部32及び枠体2の樹脂本体23の表面が粗化される。一方、共重合PCからなる後方部33は粗化されない。後方部33の表面は、粗化されないため、以後の工程において触媒及びめっき金属は付着しない。
3.中和工程:成形品を塩酸水に浸漬して、成形品表面に付着しているクロム酸を除去する。
4.触媒工程:成形品を化学めっきを析出させるための触媒を含む触媒溶液に浸漬する。これにより、触媒が前方部32及び樹脂本体23に付与される。
5.触媒活性化工程:付与した触媒を活性化する。
6.化学めっき:化学銅めっき溶液に成形品を浸漬して、前方部32及び枠体2の樹脂本体23の表面に化学銅めっき層を形成する。
7.電気めっき:化学銅めっき層に通電しながら、各種電気めっき溶液に成形品を浸漬する。成形品は、順に、銅めっき溶液、半光沢ニッケルめっき溶液、光沢ニッケルめっき溶液、及びクロムめっき溶液に浸漬する。これにより、前方部32及び枠体2の樹脂本体23の表面において、化学銅めっき層の上に、順に、電気銅めっき層、電気半分光沢ニッケルめっき層、電気光沢ニッケルめっき層、及び電気クロムめっき層を積層しためっき層5が形成される。
1.脱脂工程:成形品の表面汚れ、ゴミ等を除去する。
2.エッチング工程:クロム酸−硫酸の混酸液に成形品を漬浸する。このとき、ABSのブタジエン成分が混酸液中に溶出して、ABSからなる前方部32及び枠体2の樹脂本体23の表面が粗化される。一方、共重合PCからなる後方部33は粗化されない。後方部33の表面は、粗化されないため、以後の工程において触媒及びめっき金属は付着しない。
3.中和工程:成形品を塩酸水に浸漬して、成形品表面に付着しているクロム酸を除去する。
4.触媒工程:成形品を化学めっきを析出させるための触媒を含む触媒溶液に浸漬する。これにより、触媒が前方部32及び樹脂本体23に付与される。
5.触媒活性化工程:付与した触媒を活性化する。
6.化学めっき:化学銅めっき溶液に成形品を浸漬して、前方部32及び枠体2の樹脂本体23の表面に化学銅めっき層を形成する。
7.電気めっき:化学銅めっき層に通電しながら、各種電気めっき溶液に成形品を浸漬する。成形品は、順に、銅めっき溶液、半光沢ニッケルめっき溶液、光沢ニッケルめっき溶液、及びクロムめっき溶液に浸漬する。これにより、前方部32及び枠体2の樹脂本体23の表面において、化学銅めっき層の上に、順に、電気銅めっき層、電気半分光沢ニッケルめっき層、電気光沢ニッケルめっき層、及び電気クロムめっき層を積層しためっき層5が形成される。
本実施形態においては、上記の1〜7のめっき工程を行ったが、ABSに対してめっきを形成するに適しており、且つ共重合PCに対してめっき困難な標準めっき方法であれば、これに限定されない。
本実施形態によるめっき工程では、上記工程の4と5の間又は5と6の間に、酸化剤を主成分とする酸化工程を追加する。酸化工程において、酸化剤は樹脂表面に付着した触媒を不活性化又は除去する機能を有するため、触媒の付着が多い易めっき性樹脂であるABS上に付着した触媒は残り、付着していたとしてもわずかしか触媒が付着しない難めっき性樹脂である共重合PC上の触媒は除去される。
酸化剤としては、過マンガン酸カリウム、過酸化水素水、ホルムアルデヒド、アンモニア等種々の酸化剤を用いることができる。酸化力の強い酸化剤では1ppm以上で、酸化力の弱い酸化剤では飽和溶液で、20℃から50℃、5秒から5分間処理することが好ましい。たとえば、酸化剤が過マンガン酸カリウムの場合は、0.01g/Lで25℃、1分の処理を行うと特に良好な結果が得られた。本実施形態に於けるこの条件は、ABSの成形条件、エッチング条件、特に触媒付与工程の液組成及び条件によって変化するので、あらかじめ条件試作を行った方がよい。前記酸化工程を経た後、残りの標準工程を行い化学めっきを施した後、銅、ニッケル、クロムからなる電気めっきを行うことにより、仕切部3の前方部32及び枠体2のみ金属光沢を持った、部分めっき品としてのフロントグリル1が得られる。
本実施形態によれば、仕切部3の樹脂本体31は、易めっき性樹脂からなる前方部32と、易めっき性樹脂のめっき工程でめっき困難な難めっき性樹脂からなる後方部33とを一体にもつ。このため、易めっき性樹脂にめっき層5を形成するに適しためっき処理を行うことで、難めっき性樹脂からなる後方部33にはめっき層5は形成させることなく、易めっき性樹脂からなる前方部32の表面にはめっき層5を形成することができる。ゆえに、部分めっきの工数が少なくてすむ。
また、易めっき性樹脂にめっきを行う標準めっき工程でめっきを行うと、難めっき性樹脂からなる後方部33にはめっきは形成されない。
一般的な部分めっき方法として、全面マスキング塗装方法がある。全面マスキング塗装方法で部分めっきを行う場合には、図5に示すように、樹脂本体92の全面をめっきした後に、めっきを必要とする部分にマスク99をして、めっきを必要としない部分に塗膜を形成する。樹脂本体92のめっきを必要とする部分とめっきを必要としない部分の境界には、マスク99を載置するための段状部910が必要である。
しかしながら、本実施形態においては、図2に示すように、めっきを必要とする前方部32は易めっき性樹脂からなり、めっきを必要としない後方部33は難めっき性樹脂からなる。このため、本実施形態では、一般の全面マスキング塗装工程のように、前方部32と後方部33との境界部に段状部910を形成する必要はない。前方部32と後方部33との境界を平坦面にすることができる。ゆえに、仕切部3間の開口80の幅W3を広くすることができ、通気性のよいフロントグリル1を得ることができる。
めっきされた隣り合う前方部32同士を段状部910の分だけ近接でき、めっきによる微細で緻密な意匠を実現できる。
更に後方部33に着色材を含有するため、塗装する必要がない。このため、フロントグリルに部分めっきをするための工数を大幅に削減できる。
(第2実施形態)
本実施形態のフロントグリルは、図3に示すように、前方部32と後方部33との境界部に嵌合部35を設けている点で、第1実施形態と相違する。
本実施形態のフロントグリルは、図3に示すように、前方部32と後方部33との境界部に嵌合部35を設けている点で、第1実施形態と相違する。
本実施形態において、嵌合部35は、後方部33の前端中央部に設けられ前方側に突出する嵌合突部35aと、前方部32の後端中央部に設けられ嵌合突部35aを嵌合する嵌合凹部35bとからなる。なお、嵌合部35の嵌合突部35aは前方部32に設けられ、嵌合凹部35bは後方部33に設けられていてもよい。
仕切部3の前方部32と後方部33との境界部に嵌合部35を設けることにより、前方部32と後方部33との接合強度が向上する。
(第3実施形態)
本実施形態のフロントグリルは、図4に示すように、前方部32の頂部32aに、凹状部36を設けている。前方部32は凹状部36を含めてめっき層5により被覆されている。前方部32は、易めっき性樹脂からなるため、第1実施形態と同様のめっき処理を行うことで、凹状部36を含めた前方部32にめっき層5を形成できる。
本実施形態のフロントグリルは、図4に示すように、前方部32の頂部32aに、凹状部36を設けている。前方部32は凹状部36を含めてめっき層5により被覆されている。前方部32は、易めっき性樹脂からなるため、第1実施形態と同様のめっき処理を行うことで、凹状部36を含めた前方部32にめっき層5を形成できる。
一般の全面マスキング塗装方法で、前方部32にめっきを行う場合、前方部32に凹状部36が形成されていると、前方部32をマスクで被覆した時に凹状部36とマスク99との間に塗料が進入してしまい、凹状部36とその近傍の前方部32まで塗装されるおそれがある(図5参照)。
しかし、本実施形態では、前方部32を易めっき性樹脂で形成し、めっきを必要としない後方部33を難めっき性樹脂により形成している。このため、前方部32には、凹状部36を含めてめっき処理によりめっき層5が形成され、後方部33には同じめっき処理ではめっき層5は形成されない。ゆえに、本実施形態によれば、一般の全面マスキング塗装方法では困難であった凹状部36にもめっき層5を形成できる。
第1〜第3実施形態では、前方部32を易めっき性樹脂で形成してめっき層5で被覆し、後方部33を難めっき性樹脂で形成しているが、前方部32を難めっき性樹脂で形成し、後方部33を易めっき性樹脂で形成して後方部33をめっき層5で被覆してもよい。
第1〜第3実施形態では、難めっき性樹脂からなる後方部33は着色材が含まれているが、後方部33の着色が不要な場合には着色材を後方部33に含める必要はない。
(1)本実施形態のフロントグリル1は、枠体2と、枠体2に囲まれた空間8を仕切る仕切部3とを有するフロントグリル1であって、前記仕切部3は、易めっき性樹脂からなる第1樹脂部(前方部32)と、易めっき性樹脂のめっき工程でめっき困難な難めっき性樹脂からなる第2樹脂部(後方部33)とを一体にもつ樹脂本体31、及び第1樹脂部の表面を被覆するめっき層5、を有することを特徴とする。
上記構成によれば、仕切部3の樹脂本体31は、易めっき性樹脂からなる第1樹脂部と、易めっき性樹脂のめっき工程でめっき困難な難めっき性樹脂からなる第2樹脂部とを一体にもつ。このため、易めっき性樹脂にめっき層5を形成するに適しためっき処理を行うことで、難めっき性樹脂からなる第2樹脂部にはめっき層5は形成させることなく、易めっき性樹脂からなる第1樹脂部の表面にはめっき層5を形成することができる。ゆえに、部分めっきの工数を低減させることができる。
一方、一般的な部分めっき方法として、全面マスキング塗装方法がある。全面マスキング塗装方法でフロントグリルに部分めっきを行う場合には、樹脂本体31の全面をめっきした後に、めっきを必要とする部分にマスクをして、めっきを必要としない部分のめっきの上に塗膜を形成する。この場合、めっきを必要とする部分とめっきを必要としない部分の境界部にマスクを配置するための段状部が必要となる。このため、仕切部3の樹脂本体31の幅W2が広くなり、仕切部3間の開口80の幅が狭くなって、フロントグリルの通気性が低下する。
これに対して、本発明では、めっきを必要とする部分を易めっき性樹脂からなる第1樹脂部で形成し、めっきを必要としない部分を難めっき性樹脂からなる第2樹脂部で形成している。このため、めっきを必要とする部分をマスクで被覆する必要がないため、マスクを配置するための段状部を設ける必要はない。ゆえに、仕切部3の樹脂本体31の幅W2を狭くできる。仕切部3間の開口80を広くして、フロントグリル1の通気性を向上させることができる。また、本発明のフロントグリル1では、マスキング工程や塗装工程を必要としない。また、めっきの不要な部分をエッチングで除去する必要もない。ゆえに、部分めっきの工数を大幅に削減できる。
(2)仕切部3は、前方側に配置された第1樹脂部と、第1樹脂部よりも後方側に配置された第2樹脂部とを有することが好ましい。前方側にめっき層5が配置され、フロントグリル1の見栄えがよくなる。
(3)第1樹脂部の表面と第2樹脂部の表面とは、連続した平坦面で接続されていることが好ましい。
第1樹脂部は易めっき性樹脂からなり、第2樹脂部は難めっき性樹脂からなる。このため、易めっき性樹脂にめっきを行う標準めっき工程でめっきを行うと、難めっき性樹脂からなる第2樹脂部にはめっきは形成されない。一般的な全面マスキング塗装方法のようにめっきをする必要がある第1樹脂部とめっきを必要としない第2樹脂部との境界部に段状部を形成する必要はない。第1樹脂部と第2樹脂部との境界を平坦面にすることができる。ゆえに、仕切部3間の開口80の幅を広くすることができ、通気性のよいフロントグリル1を得ることができる。
(4)第2樹脂部は着色材が含まれていることが好ましい。第2樹脂部について製造工数を増やすことなく着色できる。
1:フロントグリル、2:枠体、3:仕切部、31:樹脂本体、32:前方部、33:後方部、35:嵌合部、36:凹状部、8:空間、80:開口
Claims (4)
- 枠体と、前記枠体に囲まれた空間を仕切る仕切部とを有するフロントグリルであって、
前記仕切部は、易めっき性樹脂からなる第1樹脂部と、前記易めっき性樹脂のめっき工程でめっき困難な難めっき性樹脂からなる第2樹脂部とを一体にもつ樹脂本体、
及び前記第1樹脂部の表面を被覆するめっき層、を有することを特徴とするフロントグリル。 - 前記仕切部は、前方側に配置された前記第1樹脂部と、前記第1樹脂部よりも後方側に配置された前記第2樹脂部とを有する請求項1に記載のフロントグリル。
- 前記第1樹脂部の表面と前記第2樹脂部の表面とは、連続した平坦面で接続されている請求項1又は2に記載のフロントグリル。
- 前記第2樹脂部は着色材が含まれている請求項1〜3のいずれかに記載のフロントグリル。
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