JP2016150349A - 溶接システム - Google Patents

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博紀 溝渕
Hiroki Mizobuchi
博紀 溝渕
耕治 山本
Koji Yamamoto
耕治 山本
山本 隆公
Takakimi Yamamoto
隆公 山本
裕二 村山
Yuji Murayama
裕二 村山
延樹 赤澤
Nobuki Akazawa
延樹 赤澤
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Abstract

【課題】溶接ロボットによる連続溶接を行う場合、仮付溶接の部分を回避する必要がある。従来の溶接システムでは、複数の検出点の座標を逐次記憶し、この記憶したものと検出されたものとを比較して仮付溶接部分かどうかを判定したり、仮付溶接部分の代用点を算出したりするため、計算の負荷が増大し、溶接システムの負荷が増大するという問題があった。よって計算の負荷を軽減し、動作の安定した溶接システムを提供する。
【解決手段】溶接システムの制御部は、位置判定手段が、偏倚距離が所定の値以下でないと判断すると、記憶手段により記憶された偏倚距離のうち、位置判定手段で所定の値以下でないと判断したときより前の偏倚距離の値を、溶接基準点の値とする位置変更手段を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶接システムに関する。さらに詳しくは、仮付溶接が行われたワークを溶接する溶接システムに関する。
クレーン車等に備えられるブームは、例えば特許文献1にあるように、断面U字型に曲折された上下の部材を突合せ溶接で溶接して、断面四角形の筒状体に形成される。溶接の際には、上下の鋼板の端縁に複数箇所仮付溶接を行ったうえで、二つの部材の端縁が連続溶接される。詳細には、ブーム等の長尺の連続溶接を行う際に、作業者により溶接開始点と溶接終了点とが溶接ロボットに教示され、その二つの点を結ぶ線に沿って溶接ロボットにより連続溶接が行われる。ところで、このような比較的長尺のワークの端縁は溶接前の曲げ加工等において数mm程度変形していることがある。このため溶接ロボットは、連続溶接の精度を確保するために、溶接トーチの進行方向側にレーザセンサを備え、このレーザセンサからの値により、二つの平板部分同士の溶接の基準線を定めて、二つの平板部分が正確に溶接されるようにしている。
しかし、上記レーザセンサを用いて連続溶接を行うと、仮付溶接の部分において、仮付溶接の輪郭形状に沿った値をレーザセンサが出力し、本来二つの部材の中心を溶接すべきところを、異なる場所を溶接するようになる。これによりロボットが仮付溶接部付近で迷走したり、急停止したりすることになり、溶接作業の遂行自体に支障をきたすという問題があった。また溶接開始点と溶接終了点との間に仮付溶接の部分を含まないようにすることも可能であるが、両点の教示作業を繰り返し行う必要があり、作業能率が低下するという問題もあった。
上記問題を解決するため、特許文献2では、溶接ロボットによる連続溶接を行う際の、仮付溶接の部分を回避する方法が開示されている。すなわちシステムの制御部が、レーザセンサの検出値のみを用いて、仮付溶接部分と仮付溶接部分でない部分とを判定し、仮付溶接部分でない部分はレーザセンサによる検出値に基づいた溶接基準線に基づいて溶接ロボットを動作させる。これに対し制御部が、仮付部分に溶接ロボットが到達したと判断すると、仮付溶接に到達する前の複数の点から、代用点を算出し、その代用点を結んだ線を溶接基準線として溶接ロボットを動作させる。
しかしこの方法では、複数の検出点の座標を逐次記憶し、この記憶したものと検出されたものとを比較して仮付溶接部分かどうかを判定したり、仮付溶接部分の代用点を算出したりするため、計算の負荷が増大し、溶接システムの負荷が増大するという問題があった。
特開2012−206848号公報 特開平10−34334号公報
本発明は上記事情に鑑み、レーザセンサの検出値に基づいて連続溶接を行う溶接システムであって、その制御部が計算負荷を軽減しながら仮付溶接部を回避する手段を有するものを提供することを目的とする。
第1発明の溶接システムは、二つの部材を略平板となるように溶接装置で溶接する溶接システムであって、この溶接システムの制御部は、レーザセンサからの出力に基づいて算出される溶接基準点に溶接装置を位置させると共に、溶接装置が教示される溶接開始点と溶接終了点との間において、レーザセンサからの出力信号に基づいて溶接トーチの先端位置を算出する先端位置算出手段と、この先端位置算出手段により算出された溶接トーチの先端位置を、溶接基準点とする溶接基準点決定手段と、溶接開始点と溶接終了点とを結んだ教示線分に対する、先端位置算出手段により算出された溶接トーチの先端位置の偏倚距離が所定の値以下であるか否かを判定する位置判定手段と、偏倚距離を記憶する記憶手段と、位置判定手段が、偏倚距離が所定の値以下でないと判断すると、記憶手段により記憶された偏倚距離のうち、位置判定手段で所定の値以下でないと判断したときより前の偏倚距離の値を、溶接基準点の値とする位置変更手段と、を備えることを特徴とする。
第2発明の溶接システムは、第1発明において、位置変更手段は、位置判定手段が、偏倚距離が所定の値以下でないと判断すると、記憶された偏倚距離のうち、位置判定手段で所定の値以下でないと判断したときの直前の偏倚距離の値を、溶接基準点の値とすることを特徴とする。
第3発明の溶接システムは、第1発明において、位置変更手段は、位置判定手段が、偏倚距離が所定の値以下でないと判断すると、記憶された偏倚距離のうち、位置判定手段で所定の値以下でないと判断したときより、あらかじめ定められた時間だけ前の偏倚距離の値を、溶接基準点の値とすることを特徴とする。
第4発明の溶接システムは、第1発明から第3発明において、溶接トーチは、レーザアーク溶接用のトーチであることを特徴とする。
第5発明の溶接システムは、第1発明から第4発明において、平板は、二つの部材の平板部分の端縁を突き合わせて溶接されることを特徴とする。
第6発明の溶接システムは、第1発明から第4発明において、平板は、二つの部材を重ね合わせ、一方の端縁に隅肉を設けることで溶接されることを特徴とする。
第1発明によれば、制御部が、溶接開始点と溶接終了点とを結んだ教示線分を基準として、偏倚距離が所定の値以下であるかどうかを判定する、すなわち、溶接装置の溶接動作前に記憶させた溶接開始点と溶接終了点とを基準に座標を定めているので、判定のための計算負荷を低減できる。また偏倚距離のみによって判定を行っているのでこの点でも計算負荷を低減できる。
また、位置判定手段で所定の値以下でないと判断したときよりも前の偏倚距離の値を、溶接基準点の値とする位置変更手段を備えたことにより、制御部の、溶接基準点の値を計算する負荷を低減できる。
以上のごとき計算負荷の低減により、溶接システム全体の安定性を向上することができる。
第2発明によれば、位置変更手段は、位置判定手段が、偏倚距離が所定の値以下でないと判断すると、記憶された偏倚距離のうち、位置判定手段で所定の値以下でないと判断したときの直前の偏倚距離の値を、溶接基準点の値とすることにより、特にレーザセンサの検出周期が長いときに、溶接トーチの先端を適切に位置させることができ溶接品質が向上する。
第3発明によれば、位置変更手段は、位置判定手段が、偏倚距離が所定の値以下でないと判断すると、記憶された偏倚距離のうち、位置判定手段で所定の値以下でないと判断したときより、あらかじめ定められた時間だけ前の偏倚距離の値を、溶接基準点の値とすることにより、特にレーザセンサの検出周期が短いときに、溶接トーチの先端を適切に位置させることができ、溶接品質が向上する。
第4発明によれば、溶接トーチが、アーク溶接手段と、レーザ溶接手段とを備えるレーザアーク溶接用のトーチであることにより、すきまが大きくなっている接合部であっても確実に溶接により接合することができる。また、レーザ溶接手段を後行させた場合、溶融金属を深さ方向に溶け込ませることができるので、少ない入熱で鋼板を溶接できる。
第5発明によれば、平板が、二つの部材の平板部分の端縁を突き合わせて溶接されていることにより、レーザセンサの測定対象が略二次元となり、計算負荷を低減できる。これにより溶接システム全体の安定性を向上できる。
第6発明によれば、平板が、二つの部材を重ね合わせ、一方の端縁に隅肉を設けることで溶接されていることにより、レーザセンサの測定対象が略二次元となり、計算負荷を低減できる。これにより溶接システム全体の安定性を向上できる。
本発明の実施形態に係る溶接システムの、溶接基準点の決定方法の説明図である。 本発明の実施形態に係る溶接システムの、溶接ロボットのレーザセンサ配置図である。 本発明の実施形態に係る溶接システムの、ブロック構成図である。 本発明の実施形態に係る溶接システムの、制御フロー図である。 本発明の実施形態に係る溶接システムの構成図である。 図5の溶接システムにより溶接した溶接対象物の斜視図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図5には、本発明の実施形態に係る溶接システムの構成図を、図6にはこの溶接システムにより溶接した溶接対象物であるクレーンブーム14の斜視図を示す。本発明に係る溶接システムは、数mから十数m程度の長尺のワークに対して、その長尺方向に溶接ロボット10により溶接するシステムである。溶接対象物は、例えばクレーンブーム14であり、その溶接箇所は、クレーンブーム14の側面の、上部材20と下部材21との端縁の突合せ部である。ただし溶接対象物はこれに限定されるものではない。
クレーンブーム14は、長尺の鋼板製筒状構造物であり、作業時には大きな曲げ負荷が作用する。このクレーンブーム14の材料は、厚さが4〜12mm程度の、高張力鋼板が主に使用される。クレーンブーム14は、断面U字状に曲げ加工した長尺鋼板である上部材20と下部材21とが、それぞれの端縁で突き合わされている。即ちクレーンブーム14の側面を構成する上部材20の平板部分と、同様に側面を構成する下部材21の平板部分とは、互いに平行であり、その平板部分が突合せ溶接で溶接され、クレーンブーム14は筒状構造粒として形成される。
長尺のワークは、溶接の進行により母材である上部材20と下部材21とがひずんだり、母材同士の相対的な位置関係が変化したりする。また、クレーンブーム14の場合、ブーム長手方向が長いので、曲げ加工により端縁の形状が理想的な直線とならず、変形することがある。そのため、事前に仮付溶接により形状や位置関係を固定する。クレーンブーム14では、上部材20と下部材21とは、事前に仮付溶接され、それにより相対的な位置関係を固定する。その後、本発明に係る溶接システムを用いて、上部材20と下部材21とは、その仮付溶接部を含むように連続溶接され、溶接部22により一体化される。本実施形態に係る溶接装置は、多関節型の溶接ロボット10と、この溶接ロボット10を制御する制御部11とを備える。また溶接ロボット10の手先部には、レーザアーク溶接用の溶接トーチ12と、この溶接トーチ12に隣接するレーザセンサ13とを備える。レーザアーク溶接とは、アーク溶接とレーザ溶接とのハイブリッド溶接であり、溶接トーチ12は、アーク溶接が先行し、レーザ溶接が後行するように構成されている。たとえば長尺ブームの突合せ溶接において、突合せ部に数mmの隙間が生じる部位があるが、溶接トーチ12が、アーク溶接が先行し、レーザ溶接が後行するレーザアーク溶接用のトーチであることにより、確実に溶接により接合することができる。特に溶接トーチ12がレーザ溶接単独のトーチである場合は、レーザセンサ13の検出精度が落ちると溶接ができなくなる場合があるが、レーザアーク溶接用のトーチであることにより溶接が可能となる。また、後行するレーザ溶接で溶融金属を深さ方向に溶け込ませることができるので、少ない入熱で鋼板を溶接できる。レーザセンサ13の構成は、例えば特許文献2にもあるように公知のものである。レーザセンサ13は、溶接トーチ12の進行方向側を検出するように配置する。なおレーザアーク溶接のトーチは上記に記載のものに限定されるものではなく、レーザ溶接が先行し、アーク溶接が後行する場合もありうる。また、レーザセンサ13は、溶接対象物までの距離を測定できるセンサであればよくレーザを使用するものに限定されない。
図1には、本発明の実施形態に係る溶接システムの、溶接基準点の決定方法の説明図を、図2には、溶接ロボットのレーザセンサ配置図を示す。なお図2(b)では溶接トーチ12を省略している。本明細書においては、作業者によって指定される溶接開始点T1と溶接終了点T2とを含む直線と平行な方向をY軸とし、溶接対象物である平板上の平面と垂直な方向をZ軸とし、このY軸及びZ軸と垂直な方向をX軸とする。Y軸は、溶接開始点T1を原点、溶接終了点T2に向かって正方向とし、Z軸は、溶接対象物である二つの平板部分のいずれか(例えば、上部材20の表面の位置)を原点とし、レーザセンサ13に向かって正方向とし、X方向は、溶接基準点から構成される溶接基準線を原点として、平板部分の端縁から離れる方向で正負の方向(本実施例では、部材D1から離れる方向を正)とする。
なお作業者により教示される溶接開始点T1、及び溶接終了点T2は、溶接対象物である平面上にあるものとするが、使用されるレーザセンサ等との関係で実際にこの平面上にない場合は(レーザセンサは非接触のセンサであるため、教示する際には溶接トーチの位置、すなわち溶接開始点等は溶接対象物から一定の距離を保っている)、教示された溶接開始点T1等をこの平面上に下した点を言い、前記平面上でこれらの点を結んだ線を「教示線分」とする。また、この「教示線分」に対する「偏倚距離」とは、その点におけるX座標の絶対値を言う。
レーザセンサ13は、測定対象物からレーザ照射口までの距離とレーザの照射方向とを同時に測定するセンサであり、図2(b)の一点鎖線で示すように、X方向に所定の幅を持って、その幅の間にある複数の点を測定する。制御部11は、レーザセンサ13からの複数点の位置信号により、二つの部材の合わせ面(例えば距離と方向により、上部材20と下部材21の段差となる合わせ面)がどこにあるかを判断し、その合わせ面に対し最適な位置に溶接トーチ12の先端位置を位置させるように制御する。このレーザセンサ13により検出された、二つの部材の合わせ面上の点を「溶接トーチの先端位置」とし、通常は二つの部材の合わせ面の真上、即ちZ方向に所定の高さを持った点を意味する。この「溶接トーチの先端位置」に溶接トーチ12の先端を位置させることで、通常最適な溶接が可能となる。
図3には、本発明の実施形態に係る溶接システムの、ブロック構成図を示す。溶接システムは、制御部11と、この制御部11に接続する溶接ロボット10と、溶接ロボット10の先端部に設けられたレーザセンサ13と、同じく溶接ロボット10先端に設けられた溶接トーチ12と、を含んで構成される。制御部11にはシステム全体を制御するCPU31と、ROM32等のメモリと、制御部11からの情報を作業者に表示する液晶表示部35と、作業者からの指示を受け付ける操作盤36等とがバスラインにより接続されている。またバスラインには、溶接トーチ12に電力を供給する溶接電源部37と、溶接ロボット10に電力を供給するサーボアンプ38とが合わせて接続される。
ROM32には、CPU31が溶接ロボット等の制御を行うための各種プログラムが格納されている。RAM33は、データの一次記憶や演算のために使用されるメモリである。不揮発性メモリ34には、各種パラメータの設定値などが格納される。
図1により、仮付溶接部Eがある状態で、溶接基準点を決定する方法について説明する。本実施形態に係る溶接システムの制御部11は、作業者が溶接開始点T1と溶接終了点T2を教示した後、制御部11が、溶接開始点T1と溶接終了点T2との間を、レーザセンサ13からの出力信号に基づいて、溶接トーチ12の先端位置を逐次算出する先端位置算出手段を備える。
図1は、二つの長尺の部材D1、D2が、突合せ溶接されていく状態を、その二つの部材D1、D2の正面から見た図である。T1が作業者から教示された溶接開始点、T2が溶接終了点で、S1は、T1が部材D1、D2で構成する平面(部材D1が上部材20に相当する場合は、部材20の平面)に下した点、SrはT2がその平面に下した点である。S1、Sr間を結んだ直線が「教示線分」であり、図1では点線で表示されている。
二つの部材D1、D2の合わせ面は、図1では教示線分の下側に示された実線で表されている。レーザセンサ13はこの合わせ面を、あらかじめ定めた周期で測定する。合わせ面上のレーザセンサ13による検出点を、それぞれSi(iは1から任意の数のrまでの数値で1<m<n<r)として示す。溶接ロボット10は制御部11により一定の速度で動作させられているので、合わせ面のレーザによる検出点Siは、Y方向に一定の間隔を有している。制御部11が、溶接開始点T1と溶接終了点T2との間を、レーザセンサ13からの出力信号に基づいて溶接トーチ12の先端位置を算出する先端位置算出手段を備えていることにより、教示線分ではなく、合わせ面に沿って溶接トーチ12の先端位置が算出される。そして制御部11は、この溶接トーチ12の先端位置を溶接基準点とする溶接基準点決定手段を備えているので、この合わせ面に沿って溶接が行われている。
合わせ面には複数の仮付溶接部Eが設けられている。レーザセンサ13は部材D1、D2の表面の位置を計測しているため、仮付溶接部Eにより二つの部材D1、D2の合わせ面が表面に露出していない時には、これらの合わせ面でなく、仮付溶接部Eの輪郭部分を検出するようになる。よってS1からSm−1までは、合わせ面上にレーザの測定点Siが存在するが、SmからSn−1までは二つの部材D1、D2の合わせ面から離れた場所がレーザセンサ13で検出される。
本実施形態で制御部11は、先端位置算出手段により算出された溶接トーチ12の先端位置の偏倚距離が、所定の値以下であるか否かを逐次判定する位置判定手段を備える。具体的には、図1に示すように溶接開始点T1と溶接終了点T2とを結んだ教示線分と平行に、ΔXだけ離れた位置に平行線が設けられ、レーザの検出点Siがその平行線を超えた場合は、レーザセンサ13の検出点が二つの部材D1、D2の合わせ面上にないと判定する。
制御部11が、溶接開始点T1と溶接終了点T2とを結んだ教示線分を基準として、偏倚距離が所定の値以下であるかどうかを逐次判定する、すなわち、溶接ロボット10の溶接動作前に記憶させた溶接開始点T1と溶接終了点T2とを基準に座標を定めているので、判定のための計算負荷を低減できる。また偏倚距離のみによって判定を行っているのでこの点でも計算負荷を低減できる。この計算負荷の低減により、溶接システム全体の安定性を向上することができる。
また本実施形態で制御部11は、偏倚距離を逐次記憶する記憶手段を備える。即ちレーザセンサ13で測定された、合わせ面上のSiの各点の座標を逐次記憶する。その際、X座標の値の絶対値を、偏倚距離の値として記憶する。
さらに、本実施形態で制御部11は、位置判定手段が、偏倚距離、即ちレーザセンサ13の検出点SiのX座標の値の絶対値が、所定の値以下でないと判断すると、溶接基準点のX座標の値を、レーザセンサ13の検出点のX座標の値から変更する位置変更手段を備える。溶接基準点のX座標は、記憶手段により記憶された偏倚距離のうち、位置判定手段で所定の値以下でないと判断したときよりも時間的に前の偏倚距離の値を用いる。例えば長尺ブームの突合せ溶接では、部材D1、D2の合わせ面は教示線分に対して、略平行となるため、上記のように偏倚距離の値を用いることで、溶接を継続できる。
位置判定手段で所定の値以下でないと判断したときよりも前の偏倚距離の値を、溶接基準点の値とする位置変更手段を備えたことにより、仮付溶接部Eにおいても、部材D1、D2の合わせ面に沿って溶接を行うことができる。また、仮付溶接部Eにおいて、実際に計測できない部材D1、D2の合わせ面を、仮付溶接部E直前の検出点(Sm−1)での値を用いることにより、教示線分と平行な線分として合わせ面を簡易的に推定し、溶接を継続することができ、制御部11の、溶接基準点の値を計算する負荷を低減できる。この計算負荷の低減によっても、溶接システム全体の安定性を向上することができる。
なお偏倚距離の値は正である。そのため位置判定手段で所定の値以下でないと判断したときよりも時間的に前の、溶接トーチの先端位置のX座標が正の値である時は、そのまま偏倚距離の値が溶接基準点のX座標の値となり、溶接トーチの先端位置のX座標が負の値である時は、偏倚距離の値に−1を掛けた値が溶接基準点のX座標の値となる。
ここで、「位置判定手段で所定の値以下でないと判断した時よりも前」というのは、その判断の直前であったり、その判断をした時からあらかじめ定められた時間だけ前であったりする。
判断の直前とは、例えばレーザセンサ13の検出周期の一つ手前の時間を言い、例えば、その検出周期が比較的長く、レーザセンサ13の検出点のY方向の間隔が比較的広い場合に効果が高い。レーザセンサ13の検出点のY方向の間隔が比較的広い場合、仮付溶接部Eの形状において、合わせ面の傾きと大きく傾きが異なる部分(図1においてはSm−1からSmに向かう部分やSn−1からSnへ向かう部分)の長さよりも、レーザセンサ13の検出点Siの間隔が広い場合は、位置判定手段の判断の直前の値を溶接基準点の値とすることが望ましい。
位置変更手段が、記憶された偏倚距離のうち、位置判定手段で所定の値以下でないと判断したときの直前の偏倚距離の値を、溶接基準点の値とすることにより、特にレーザセンサ13の検出周期が長いときに、溶接トーチ12の先端を適切に位置させることができ溶接品質が向上する。
また逆に検出周期が比較的短く、レーザセンサ13の検出点SiのY方向の間隔が比較的狭い場合は、「位置判定手段で所定の値以下でないと判断した時よりも前」は、「あらかじめ定められた時間だけ前」とする。検出周期が比較的短い場合は、仮付溶接部Eの形状において、合わせ面の傾きと大きく傾きが異なる部分にレーザセンサ13の検出点Siが存在し、その部分の偏倚距離の値を用いるよりも、いくつか前の偏倚距離の値を用いるほうが、二つの部材の合わせ面に近くなるからである。
位置変更手段が、記憶された偏倚距離のうち、位置判定手段で所定の値以下でないと判断した時より、あらかじめ定められた時間だけ前の偏倚距離の値を、溶接基準点の値とすることにより、特にレーザセンサ13の検出周期が短いときに、溶接トーチ12の先端を適切に位置させることができ、溶接品質が向上する。
本実施形態では、二つの部材の端縁を突合せ溶接して行う場合について説明したが、これに限られるものではない。二つの部材を略平板となるように溶接する場合としては、例えば二つの平板な部材を重ね合わせ、一方の端縁に隅肉を設ける場合も該当する。
本発明の実施形態に係る溶接システムの制御フローを図4用いて説明する。まず作業者は本実施形態の溶接システムを使用する場合、すでに仮付溶接された二つの部材について、連続溶接を行うための溶接開始点T1と溶接終了点T2とを操作盤36等を用いて教示する(ステップ001、以下S001等と表示する)。このとき制御部11は、この溶接開始点T1と溶接終了点T2との座標をRAM33に記憶すると共に、溶接対象である平板に平行な平面に対して下される点、またはその平面から所定の値だけ離れた点を溶接基準点としてRAM33に記憶する。
S002で作業者は、操作盤36からΔXの値を入力し、制御部11はこのΔXの値をRAM33に記憶する。
溶接ロボット10は制御部11により溶接開始点T1に移動させられ、レーザセンサ13が溶接トーチ12の進行方向側を測定し、検出点Siを一定の周期で逐次検出する(S002)。溶接ロボット10はY軸を一定の速度で動くので、検出点SiはY軸方向へ一定の間隔で位置するようになる。
S003で、制御部11は検出点Siの座標を逐次RAM33に記憶する。
S004で、制御部11は、位置判定手段により検出点SiのX座標の値が、ΔX以下でないか否かを検討する。ΔXよりも小さいと判断するとS006へ進み、ΔX以上であると判断するとS009へ進む。
S006では、制御部11は、検出点SiのX座標を溶接基準点のX座標とする。またS009では、制御部11は、位置判定手段で所定の値以下でないと判断した直前の値、即ちSm−1のX座標を溶接基準点のX座標とする。本実施例では、検出点Sm、Sm+1、・・・、Sn−1において、Sm−1のX座標を溶接基準線のX座標とする。なお検出点SiのY座標及びZ座標の値は、いずれの場合も逐次検出されている溶接基準点のY座標及びZ座標の値とするか、所定のマージンを加減して溶接基準点のY座標及びZ座標の値とする。
そして制御部はS007で、S006又はS009で決定された溶接基準点に溶接トーチを移動させ、溶接を行う。この溶接は、二つの部材の合わせ面に沿って連続して行われる。
S008で制御部11は、検出点SiのY座標が溶接終了点T2のY座標以下であるかどうかを判断する。溶接終了点T2のY座標以下である場合は、S003の手前までもどり溶接を継続する。Y座標以下でない場合は、溶接を終了する。このようなフローにより連続溶接を行うことで、制御部11の計算負荷を低減し溶接システム全体の安定性が向上した。
10 溶接ロボット
11 制御部
12 溶接トーチ
13 レーザセンサ
14 クレーンブーム
T1 溶接開始点
T2 溶接終了点
Si 検出点

Claims (6)

  1. 二つの部材を略平板となるように溶接装置で溶接する溶接システムであって、
    この溶接システムは、前記溶接装置の手先部に設けられた溶接トーチと、
    この溶接トーチの進行方向側を検出するセンサと、
    このセンサからの出力に基づいて算出される溶接基準点に溶接トーチを位置させる制御部と、を備え、
    この制御部が、
    前記溶接装置が教示される溶接開始点と溶接終了点との間において、前記レーザセンサからの出力信号に基づいて前記溶接トーチの先端位置を算出する先端位置算出手段と、
    この先端位置算出手段により算出された溶接トーチの先端位置を、前記溶接基準点とする溶接基準点決定手段と、
    前記溶接開始点と前記溶接終了点とを結んだ教示線分に対する、前記先端位置算出手段により算出された溶接トーチの先端位置の偏倚距離が所定の値以下であるか否かを判定する位置判定手段と、
    前記偏倚距離を記憶する記憶手段と、
    前記位置判定手段が、前記偏倚距離が所定の値以下でないと判断すると、前記記憶手段により記憶された偏倚距離のうち、前記位置判定手段で所定の値以下でないと判断した時より前の偏倚距離の値を、前記溶接基準点の値とする位置変更手段と、を備える、
    ことを特徴とする溶接システム。
  2. 前記位置変更手段は、前記位置判定手段が、前記偏倚距離が所定の値以下でないと判断すると、前記記憶された偏倚距離のうち、前記位置判定手段で所定の値以下でないと判断したときの直前の偏倚距離の値を、前記溶接基準点の値とする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の溶接システム。
  3. 前記位置変更手段は、前記位置判定手段が、前記偏倚距離が所定の値以下でないと判断すると、前記記憶された偏倚距離のうち、前記位置判定手段で所定の値以下でないと判断したときより、あらかじめ定められた時間だけ前の偏倚距離の値を、溶接基準点の値とする、
    ことを特徴とする請求項1に記載の溶接システム。
  4. 前記溶接トーチは、
    アーク溶接手段と、レーザ溶接手段とを備えるレーザアーク溶接用のトーチであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の溶接システム。
  5. 前記平板は、
    前記二つの部材の平板部分の端縁を突き合わせて溶接されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の溶接システム。
  6. 前記平板は、
    前記二つの部材を重ね合わせ、一方の端縁に隅肉を設けることで溶接されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の溶接システム。
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