JP2016149205A - 有機電界発光素子(oled)パネル - Google Patents
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Abstract
【課題】使用者が所望の形状にカットしても使用できる、OLEDパネルを提供することを課題とする。【解決手段】基板上に、一対の電極で有機層を挟持してなるOLEDセルを複数備え、該OLEDセルが封止層により封止されたOLEDパネルであって、前記複数のOLEDセルは、隣り合うセル間で電気的に接続されており、前記封止層は、電極を露出させるスリットを2つ以上有する、OLEDパネルにより課題を解決する。【選択図】図5
Description
本発明は有機電界発光素子(以下、単にOLEDとも称する。)パネルに関し、より詳しくは、使用者によって所望の大きさにカットして使用できるOLEDパネルに関する。
OLEDは、発光部が有機物からなるため、LEDのような無機物を用いた発光ダイオードと比較して可撓性に富み、硬度が低い。そのため、使用者自身によって所望の大きさにカット可能なEL発光パネルが提案されている(例えば特許文献1参照)。
また、建築現場において現場加工が可能な有機EL照明パネルの要望に対し、複数の発光セグメントを有し、これらのセグメント相互間は接続用導体によって電気的に直列接続されたEL照明パネルが提案されている(例えば特許文献2参照)。
本発明は、使用者が所望の形状にカットしても使用できる、OLEDパネルを提供することを課題とする。
上記特許文献1は、本発明と同様の課題に対し解決手段を提案したものであるが、発光部がパネル全体において1つのセグメントになっているため、カットすることで形状どおりに発光しない、乃至はパネル全体が発光しないという問題を含むと考えられる。そのため本発明者らは、所望の形状にカットした場合であっても、略所望の形状で発光するOLEDパネルを開発すべく検討をした。
そして検討の結果、電気的に接続されたOLEDセルを複数備え封止されたOLEDパネルにおいて、前記封止層に電極を露出させるスリットを2つ以上設けることで、上記課題を解決できることを見出した。
加えて、別の解決手段として、電気的に接続されたOLEDセルを複数備え封止されたOLEDパネルにおいて、OLEDパネルの外周部に少なくとも一対の電極が存在することで、上記課題を解決できることを見出した。
そして検討の結果、電気的に接続されたOLEDセルを複数備え封止されたOLEDパネルにおいて、前記封止層に電極を露出させるスリットを2つ以上設けることで、上記課題を解決できることを見出した。
加えて、別の解決手段として、電気的に接続されたOLEDセルを複数備え封止されたOLEDパネルにおいて、OLEDパネルの外周部に少なくとも一対の電極が存在することで、上記課題を解決できることを見出した。
本発明の第1の実施態様は、
基板上に、一対の電極で有機層を挟持してなるOLEDセルを複数備え、該OLEDセルが封止層により封止されたOLEDパネルであって、
前記複数のOLEDセルは、隣り合うセル間で電気的に接続されており、
前記封止層は、電極を露出させるスリットを2つ以上有する、OLEDパネルである。
上記OLEDパネルにおいて、前記封止層に備えられたスリットは、剥離可能な層で封止されていることが好ましい。
基板上に、一対の電極で有機層を挟持してなるOLEDセルを複数備え、該OLEDセルが封止層により封止されたOLEDパネルであって、
前記複数のOLEDセルは、隣り合うセル間で電気的に接続されており、
前記封止層は、電極を露出させるスリットを2つ以上有する、OLEDパネルである。
上記OLEDパネルにおいて、前記封止層に備えられたスリットは、剥離可能な層で封止されていることが好ましい。
また、本発明の第2の実施態様は、
基板上に、一対の電極で有機層を挟持してなるOLEDセルを複数備え、該OLEDセルが封止層により封止されたOLEDパネルであって、
前記複数のOLEDセルは、隣り合うセル間で電気的に接続されており、
OLEDパネルの外周部に少なくとも一対の電極が存在する、OLEDパネルである。
上記OLEDパネルは、外周部の実質的に全周に及んで一対の電極が交互に存在することが好ましい。
基板上に、一対の電極で有機層を挟持してなるOLEDセルを複数備え、該OLEDセルが封止層により封止されたOLEDパネルであって、
前記複数のOLEDセルは、隣り合うセル間で電気的に接続されており、
OLEDパネルの外周部に少なくとも一対の電極が存在する、OLEDパネルである。
上記OLEDパネルは、外周部の実質的に全周に及んで一対の電極が交互に存在することが好ましい。
前記複数のOLEDセルは、それぞれの発光面積が1cm2以下であることが好ましく、前記封止層は、ラミネート封止によりなることが好ましい。
本発明により、使用者が所望の形状にカットしても使用できる、OLEDパネルを提供することができる。
以下、本発明について、具体的な態様を示しながら詳細に説明するが、本発明は例示する具体的態様に限定されないことはいうまでもない。
本発明の実施態様に係るOLEDパネルは、基板上に一対の電極で有機層を挟持してなるOLEDセルを複数備え、該OLEDセルが封止部材により封止されたOLEDパネルである。
本発明の実施態様に係るOLEDパネルは、基板上に一対の電極で有機層を挟持してなるOLEDセルを複数備え、該OLEDセルが封止部材により封止されたOLEDパネルである。
<1.基板>
本実施態様で用いられる基板は、有機OLEDセルを保持する部材であり、通常無機ガラス及び各種の樹脂から選択される材料が用いられる。樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。
容易にカットしやすいOLEDパネルとするためには、薄膜ガラス、または樹脂を用いることが好ましい。
基板の厚みは特に規定されないが、容易にカットできるOLEDパネルとするためには、通常10μm以上であり、好ましくは12μm以上、また、通常1mm以下であり、好ましくは0.8mm以下である。
なお、基板が発光面側である場合には、視認性の観点から基板は透明であることが好ましい。
本実施態様で用いられる基板は、有機OLEDセルを保持する部材であり、通常無機ガラス及び各種の樹脂から選択される材料が用いられる。樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル系樹脂等を用いることができる。
容易にカットしやすいOLEDパネルとするためには、薄膜ガラス、または樹脂を用いることが好ましい。
基板の厚みは特に規定されないが、容易にカットできるOLEDパネルとするためには、通常10μm以上であり、好ましくは12μm以上、また、通常1mm以下であり、好ましくは0.8mm以下である。
なお、基板が発光面側である場合には、視認性の観点から基板は透明であることが好ましい。
<2.OLEDセル>
本実施態様では、基板上にOLEDセルが複数備えられる。OLEDセルは、有機発光材料を利用し、有機発光材料層に電流を流すことにより励起子(エキシトン)を生成後、それが安定化する際に光を放出(蛍光・燐光どちらでも良いが省エネの観点からは燐光発光素子が好ましい)する有機発光素子を含む。OLEDセルは、一対の電極で有機層を挟持してなる。
本実施態様では、基板上にOLEDセルが複数備えられる。OLEDセルは、有機発光材料を利用し、有機発光材料層に電流を流すことにより励起子(エキシトン)を生成後、それが安定化する際に光を放出(蛍光・燐光どちらでも良いが省エネの観点からは燐光発光素子が好ましい)する有機発光素子を含む。OLEDセルは、一対の電極で有機層を挟持してなる。
本実施態様のOLEDパネルは、OLEDセルを複数備える。OLEDパネルを所望の大きさ・形状にカットした際に、カットした形状に近い発光領域を確保するためには、それぞれのOLEDセルの大きさを小さくして、セルの数を多くすることが好ましい。
各OLEDセルの発光面積は、1cm2以下であることが好ましく、0.8cm2以下であることがより好ましく、0.25cm2以下であることが特に好ましい。下限は限定されず通常0.25mm2以上である。
また、OLEDパネル全体において、OLEDセルは複数備えられればよいが、好ましくは25個以上、より好ましくは100個以上、さらに好ましくは400個以上である。
また、各OLEDセルの形状は特段限定されず、円状、楕円状などの円形状、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形などの多角形状などを採用できる。製造の容易性から、矩形であることが好ましい。なお、各OLEDの形状、大きさは、同一パネル状においては略同一であることが好ましいが、大きさや形の異なるセルが存在していてもよい。
OLEDセルの厚みは特段限定されないが、通常10μm以上であり、好ましくは12μm以上、また、通常1cm以下であり、好ましくは5mm以下であり、特に好ましくは1mm以下である。
各OLEDセルの発光面積は、1cm2以下であることが好ましく、0.8cm2以下であることがより好ましく、0.25cm2以下であることが特に好ましい。下限は限定されず通常0.25mm2以上である。
また、OLEDパネル全体において、OLEDセルは複数備えられればよいが、好ましくは25個以上、より好ましくは100個以上、さらに好ましくは400個以上である。
また、各OLEDセルの形状は特段限定されず、円状、楕円状などの円形状、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形などの多角形状などを採用できる。製造の容易性から、矩形であることが好ましい。なお、各OLEDの形状、大きさは、同一パネル状においては略同一であることが好ましいが、大きさや形の異なるセルが存在していてもよい。
OLEDセルの厚みは特段限定されないが、通常10μm以上であり、好ましくは12μm以上、また、通常1cm以下であり、好ましくは5mm以下であり、特に好ましくは1mm以下である。
<2−1.陽極>
OLEDセルを構成する陽極は、一例としては透明電極であり、例えばITO薄膜、ZnO薄膜を用いることができる。陽極に透明電極を用いることで、陽極側を発光面とすることができる。なお、陽極側を発光面としない場合には、必ずしも透明電極を用いる必要はなく、他の薄膜金属を用いてもよい。
陽極の厚みは、厚すぎる場合には、カットが困難になる場合があることから、通常50nm以上であり、好ましくは70nm以上、また、通常1μm以下であり、好ましくは0.8μm以下である。
OLEDセルを構成する陽極は、一例としては透明電極であり、例えばITO薄膜、ZnO薄膜を用いることができる。陽極に透明電極を用いることで、陽極側を発光面とすることができる。なお、陽極側を発光面としない場合には、必ずしも透明電極を用いる必要はなく、他の薄膜金属を用いてもよい。
陽極の厚みは、厚すぎる場合には、カットが困難になる場合があることから、通常50nm以上であり、好ましくは70nm以上、また、通常1μm以下であり、好ましくは0.8μm以下である。
<2−2.陰極>
OLEDセルを構成する陰極は、陽極に透明電極を用いる場合には、AgやAlなどの薄膜金属を用いることができる。一方で陰極側を発光面とする場合には、ITOなどの透明な電極とする必要がある。
陰極の厚みは、厚すぎる場合には、カットが困難になる場合があることから、通常20nm以上であり、好ましくは30nm以上、また、通常1μm以下であり、好ましくは0.8μm以下である。
OLEDセルを構成する陰極は、陽極に透明電極を用いる場合には、AgやAlなどの薄膜金属を用いることができる。一方で陰極側を発光面とする場合には、ITOなどの透明な電極とする必要がある。
陰極の厚みは、厚すぎる場合には、カットが困難になる場合があることから、通常20nm以上であり、好ましくは30nm以上、また、通常1μm以下であり、好ましくは0.8μm以下である。
<2−3.有機層>
有機層の発光材料は特に限定されず、蛍光発光材料でも、燐光発光材料であってもよい。また、有機層には、発光材料のほか、正孔輸送の性質を有する化合物(正孔輸送性化合物)、或いは電子輸送の性質を有する化合物(電子輸送性化合物)が含まれることが好ましい。例えば、発光材料をドーパント材料とし、正孔輸送性化合物や電子輸送性化合物等、又はその混合物をホスト材料とするものが挙げられる。
有機層の厚みは、通常5nm以上であり、好ましくは10nm以上、また、通常0.5μm以下であり、好ましくは0.4μm以下である。
有機層の発光材料は特に限定されず、蛍光発光材料でも、燐光発光材料であってもよい。また、有機層には、発光材料のほか、正孔輸送の性質を有する化合物(正孔輸送性化合物)、或いは電子輸送の性質を有する化合物(電子輸送性化合物)が含まれることが好ましい。例えば、発光材料をドーパント材料とし、正孔輸送性化合物や電子輸送性化合物等、又はその混合物をホスト材料とするものが挙げられる。
有機層の厚みは、通常5nm以上であり、好ましくは10nm以上、また、通常0.5μm以下であり、好ましくは0.4μm以下である。
<3.封止層>
本実施態様のOLEDパネルでは、基板上に備えられたOLEDセルは、封止層により封止される。OLEDパネルは封止されることで、耐衝撃性を有し、耐久性が向上する。本発明の封止は、基板上に備えられたOLEDセル上に接着層とバリア層をこの順に有する封止層にて封止するラミネート封止であることが好ましい。
接着層として積層される材料には、透過率が比較的高い樹脂材料で、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル
酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、合成ゴム等を使用することができ、これらの1種以上の混合体、若しくは共重合体を使用できる。
接着層の厚さは、通常500nm以上であり、1μm以上であることがより好ましい。一方、通常800μm以下であり、500μm以下であることがより好ましく、特に好ましくは100μm以下である。
バリア層は、水蒸気および酸素を透過しない部材を用いる。バリア層は、薄い銅箔やアルミニウム箔などの金属箔を用いることができる。また、接着層上に直接金属酸化物の薄膜をバリア層として形成してもよい。
封止層はさらに、吸湿剤を有することが好ましい。吸湿剤は接着層中に混合してもよいし、OLEDセルと接着層の間に形成してもよいし、接着層とバリア層の間にも形成してもよいし、OLEDセルの周囲を囲むように基板と封止層との間に形成してもよい。
封止層全体の厚さは、特段限定されないが、通常1μm以上であり、10μm以上であることがより好ましい。一方、通常1mm以下であり、500μm以下であることがより好ましく、特に好ましくは250μmm以下である。
本実施態様のOLEDパネルでは、基板上に備えられたOLEDセルは、封止層により封止される。OLEDパネルは封止されることで、耐衝撃性を有し、耐久性が向上する。本発明の封止は、基板上に備えられたOLEDセル上に接着層とバリア層をこの順に有する封止層にて封止するラミネート封止であることが好ましい。
接着層として積層される材料には、透過率が比較的高い樹脂材料で、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル
酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、プロピレン−エチレン−α−オレフィン共重合体などのポリオレフィン樹脂、ブチラール樹脂、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ウレタン樹脂、シリコン樹脂、合成ゴム等を使用することができ、これらの1種以上の混合体、若しくは共重合体を使用できる。
接着層の厚さは、通常500nm以上であり、1μm以上であることがより好ましい。一方、通常800μm以下であり、500μm以下であることがより好ましく、特に好ましくは100μm以下である。
バリア層は、水蒸気および酸素を透過しない部材を用いる。バリア層は、薄い銅箔やアルミニウム箔などの金属箔を用いることができる。また、接着層上に直接金属酸化物の薄膜をバリア層として形成してもよい。
封止層はさらに、吸湿剤を有することが好ましい。吸湿剤は接着層中に混合してもよいし、OLEDセルと接着層の間に形成してもよいし、接着層とバリア層の間にも形成してもよいし、OLEDセルの周囲を囲むように基板と封止層との間に形成してもよい。
封止層全体の厚さは、特段限定されないが、通常1μm以上であり、10μm以上であることがより好ましい。一方、通常1mm以下であり、500μm以下であることがより好ましく、特に好ましくは250μmm以下である。
本発明の第一の実施態様では、上記封止層は、電極を露出させるスリットを2つ以上有する。スリットにより電極を露出させることで、電源を接続してOLEDセルを発光させることができる。スリットの配置箇所は任意で設定することができ、パネルにおけるカットの自由度を向上させるために、一定間隔のセルごとにスリットを設けてもよく、全てのセルにスリットを設けてもよい。また、カット後の形状が決まっている場合には、カット後の形状において両端に位置づけられるセルにのみスリットを設けてもよい。
スリットは、電源となる電線等に接続できる大きさであればよく、通常0.25mm2以上、好ましくは1mm2以上である。一方、通常1cm2以下、好ましくは0.64cm2以下である。スリットの形状も特段限定されず、円形、矩形など、電線等と露出した電極が電気的に接続可能であればよい。
スリットは、電源となる電線等に接続できる大きさであればよく、通常0.25mm2以上、好ましくは1mm2以上である。一方、通常1cm2以下、好ましくは0.64cm2以下である。スリットの形状も特段限定されず、円形、矩形など、電線等と露出した電極が電気的に接続可能であればよい。
スリットの作成方法は特段限定されず、OLEDパネル全体を封止した後の封止層に対し切り込みを入れてスリットを形成してもよく、予め所定の位置にスリットを設けた封止層により封止し、該スリット上に剥離可能な層でスリットを封止してもよい。剥離可能な層としては、例えば粘着層を用いればよい。なお、通常OLEDの有機層は水分に弱いため、封止層にスリットを入れることは行わないが、通常の照明用途ではなく、OLEDパネルに長時間の発光が求められない用途、例えば教材用やデモ用として用いる場合であれば、このような封止層にスリットを入れても十分な動作時間を確保できることを本発明者らは確認している。
<4.製造方法>
本実施態様に係るOLEDパネルは、公知の方法の組み合わせにより製造されるが、その一例を図1に示す。
図1は、本発明のOLEDパネルの具体的実施態様における、製造方法の一例を示す断面模式図である。図1(d)に示すOLEDパネル100は、ITO電極2とAl電極4との間が絶縁層5により絶縁されている一方、隣り合うOLEDセル同士が並列に電気的に接続されているが、本発明におけるOLEDパネルは、隣り合うOLEDセル同士が直列に電気的に接続されていてもかまわない。
本実施態様に係るOLEDパネルは、公知の方法の組み合わせにより製造されるが、その一例を図1に示す。
図1は、本発明のOLEDパネルの具体的実施態様における、製造方法の一例を示す断面模式図である。図1(d)に示すOLEDパネル100は、ITO電極2とAl電極4との間が絶縁層5により絶縁されている一方、隣り合うOLEDセル同士が並列に電気的に接続されているが、本発明におけるOLEDパネルは、隣り合うOLEDセル同士が直列に電気的に接続されていてもかまわない。
図1(a)において、薄膜ガラス1とITO電極2との積層膜が形成される。薄膜ガラス1は、有機層3からの光を透過させる程度に透過性を有することが好ましい。また、容易にカットできる程度の厚さであることが好ましい。薄膜ガラス1上へのITO電極の積層は、蒸着による方法でもよく、塗布による方法でもよく、スパッタリングによる方法で
もよい。
図1(b)では、上記形成した積層膜上に、絶縁層5とバンク6を形成する。絶縁層5は、OLEDパネル100において、ITO電極2とAl電極4との電気的な接触を遮断するものであり、OLEDセルが直列に接続される場合には特段絶縁層を設ける必要はない。絶縁層としては、例えば公知の絶縁樹脂材料を用いることができる。
バンク6は、後述する有機層3及びAl電極4を積層する際に必要となり、複数のOLEDセルを形成するための、セル間を形成するために必要となるマスクである。バンク6を形成しなくとも、複数のOLEDセルが形成されれば、バンク6は特段必要ない。
もよい。
図1(b)では、上記形成した積層膜上に、絶縁層5とバンク6を形成する。絶縁層5は、OLEDパネル100において、ITO電極2とAl電極4との電気的な接触を遮断するものであり、OLEDセルが直列に接続される場合には特段絶縁層を設ける必要はない。絶縁層としては、例えば公知の絶縁樹脂材料を用いることができる。
バンク6は、後述する有機層3及びAl電極4を積層する際に必要となり、複数のOLEDセルを形成するための、セル間を形成するために必要となるマスクである。バンク6を形成しなくとも、複数のOLEDセルが形成されれば、バンク6は特段必要ない。
図1(c)では、有機層3及びAl電極4を順に積層させる。この際、Al電極4とITO電極2とが、直接接触しないよう、Al電極4を積層させる。ここでバンク6の存在により複数のOLEDセルが形成されるため、この時点でバンク6は取り除いてもよく、そのまま存在させていてもかまわない。
その後、形成された積層体を封止層7により封止し、図1(d)のようにOLEDパネル100が製造される。封止は公知の方法を用いればよいが、ラミネート封止によることが好ましい。
その後、形成された積層体を封止層7により封止し、図1(d)のようにOLEDパネル100が製造される。封止は公知の方法を用いればよいが、ラミネート封止によることが好ましい。
先に説明したように、図1(d)は隣り合うセルが並列に電気的に接続されているため、Al電極4は隣り合うOLEDセルにおけるAl電極4と電気的に接続されている必要がある。隣り合うOLEDセルとの間でAl電極4が接続された例を図2に示す。
図2は、基板及びITO電極積層体上に、有機層3及びAl電極4を積層した積層体を示す上面模式図である。図2中ハッチング部分は、Al電極4の下部に有機層3が積層されていることを示す。
Al電極4は、ITO電極との間を絶縁層により絶縁されていることから、隣り合うOLEDセル同士が並列に接続されるよう、Al電極間がつながっている構造を有する。
OLEDセルが並列に接続されたOLEDパネルでは、所望の形状にカットした場合であっても、正極と陰極の端部にそれぞれ電源を接続することで、発光を発生させることができる。
図2は、基板及びITO電極積層体上に、有機層3及びAl電極4を積層した積層体を示す上面模式図である。図2中ハッチング部分は、Al電極4の下部に有機層3が積層されていることを示す。
Al電極4は、ITO電極との間を絶縁層により絶縁されていることから、隣り合うOLEDセル同士が並列に接続されるよう、Al電極間がつながっている構造を有する。
OLEDセルが並列に接続されたOLEDパネルでは、所望の形状にカットした場合であっても、正極と陰極の端部にそれぞれ電源を接続することで、発光を発生させることができる。
<5.OLEDパネル>
本発明のOLEDパネルは、所望の形状にカットした場合であっても、おおよそ所望の形状で発光するパネルである。所望の形状で発光するOLEDパネルとするために採用した構造を以下に説明する。
図3は、本発明の第2の実施態様に係るOLEDパネル全体を示す模式図である。OLEDパネル200は、矩形のOLEDセル10が縦、横に複数並んで配置されたパネルである。所望の大きさ・形状にカットした場合に、略所望の形状に発光するよう、各OLEDセルは小さいことが好ましい。また、複雑な形状に対応できるように、配置されるOLEDセルの数は多いことが好ましい。各OLEDセルは発光単位であるため、セルの数が小さくて数が多い方がより複雑で細かい発光形状が可能となる。
本発明のOLEDパネルは、所望の形状にカットした場合であっても、おおよそ所望の形状で発光するパネルである。所望の形状で発光するOLEDパネルとするために採用した構造を以下に説明する。
図3は、本発明の第2の実施態様に係るOLEDパネル全体を示す模式図である。OLEDパネル200は、矩形のOLEDセル10が縦、横に複数並んで配置されたパネルである。所望の大きさ・形状にカットした場合に、略所望の形状に発光するよう、各OLEDセルは小さいことが好ましい。また、複雑な形状に対応できるように、配置されるOLEDセルの数は多いことが好ましい。各OLEDセルは発光単位であるため、セルの数が小さくて数が多い方がより複雑で細かい発光形状が可能となる。
OLEDパネル200の外周部には、全周に及んで一対の電極8a及び8bが交互に存在している。そのため、OLEDパネル200を所望の大きさ・形状にカットした場合には、外周部に存在する電極を残してカットすることで、当該外周部の電極に電源を接続してOLEDパネルを発光させることができる。
例えば図4に示すように、OLEDパネルをハートの形状にカットした場合、図5に示すようにカット後のOLEDパネルの外周部に少なくとも一対の電極が存在する。この一対の電極に電源を接続することにより、カット後のOLEDパネルを発光させることができる。なお、電源を接続する電極は、隣り合う電極である必要がなく、例えば図5において、上部に存在する電極と下部に存在する電極との電源を接続してもよい。ただし、接続する電極は、陽極と陰極である必要がある。
例えば図4に示すように、OLEDパネルをハートの形状にカットした場合、図5に示すようにカット後のOLEDパネルの外周部に少なくとも一対の電極が存在する。この一対の電極に電源を接続することにより、カット後のOLEDパネルを発光させることができる。なお、電源を接続する電極は、隣り合う電極である必要がなく、例えば図5において、上部に存在する電極と下部に存在する電極との電源を接続してもよい。ただし、接続する電極は、陽極と陰極である必要がある。
図6は、本発明の第1の実施態様に係るOLEDパネル全体を示す模式図である。OLEDパネル300は、矩形のOLEDセル10が縦、横に複数並んで配置されたパネルである。所望の大きさ・形状にカットした場合に、略所望の形状に発光するよう、各OLEDセルは小さく、配置されるOLEDセルの数は多い方が好ましい。
OLEDパネル300は、その外周部に電極が存在しない代わりに、OLEDセル10を封止する封止層に、スリット9a及び9bが設けてある。そのため、OLEDパネル300を所望の大きさ・形状にカットした場合には、任意の2か所のスリットに電源を接続してOLEDパネルを発光させることができる。
例えば図7−1に示すように、OLEDパネルをハートの形状にカットした場合、図8に示すようにカット後のOLEDパネルには、複数のスリット9a、9bが存在する。このスリットにより露出される電極に電源を接続することにより、カット後のOLEDパネルを発光させることができる。なお、電源を接続する電極は陽極と陰極である必要があることはいうまでもない。一方で、カット後の形状が決まっている場合には、図7−2に示すように、スリット9a、9bは当該形状の周縁部に2つのみ設けることもできる。
図8においては、例えばOLEDセル上に存在するスリットが陰極を露出させており、OLEDセル間に存在するスリットが陽極を露出させる。OLEDセル上及びOLEDセル間に存在するスリットのそれぞれに電源を接続することで、カット後のOLEDパネルを、発光させることができる。
例えば図7−1に示すように、OLEDパネルをハートの形状にカットした場合、図8に示すようにカット後のOLEDパネルには、複数のスリット9a、9bが存在する。このスリットにより露出される電極に電源を接続することにより、カット後のOLEDパネルを発光させることができる。なお、電源を接続する電極は陽極と陰極である必要があることはいうまでもない。一方で、カット後の形状が決まっている場合には、図7−2に示すように、スリット9a、9bは当該形状の周縁部に2つのみ設けることもできる。
図8においては、例えばOLEDセル上に存在するスリットが陰極を露出させており、OLEDセル間に存在するスリットが陽極を露出させる。OLEDセル上及びOLEDセル間に存在するスリットのそれぞれに電源を接続することで、カット後のOLEDパネルを、発光させることができる。
なおスリットは、電極を露出したままとさせないために、例えば粘着層を用いて剥離可能な状態とすることや、電極に接続した配線をスリットを通して導出させ、スリット空隙部分を封止した状態にすることが好ましい。このような態様とすることで、OLEDセルを空気中の水分等から保護することが可能であり、OLEDセルの動作寿命を延ばすことができる。
図9にスリットの拡大模式図を示す。図9(a)に示すように、スリット9aはAl電極4を露出させるように設けられ、また、スリット9bはITO電極2を露出させるように設けられる。スリットの大きさは、電源等に接続できる大きさであればよいため、セルの一部がスリットであってもよく、セルの全体がスリットであってもよい。図9(a)の右図は、スリット9a部を上方から見た図であり、セルの中央部分に丸型のスリット9aが設けられる態様である。
図9(b)及び(c)には、スリット9a、9bをそれぞれシール20で封止した態様を示す。それぞれ右図は、スリット9a部を上方から見た図であり、セルの中央部分に丸型のスリット9aが設けられその上から、図9(b)ではスリット部分のみが、図9(c)ではセル全体がシール20により封止されている。
図9にスリットの拡大模式図を示す。図9(a)に示すように、スリット9aはAl電極4を露出させるように設けられ、また、スリット9bはITO電極2を露出させるように設けられる。スリットの大きさは、電源等に接続できる大きさであればよいため、セルの一部がスリットであってもよく、セルの全体がスリットであってもよい。図9(a)の右図は、スリット9a部を上方から見た図であり、セルの中央部分に丸型のスリット9aが設けられる態様である。
図9(b)及び(c)には、スリット9a、9bをそれぞれシール20で封止した態様を示す。それぞれ右図は、スリット9a部を上方から見た図であり、セルの中央部分に丸型のスリット9aが設けられその上から、図9(b)ではスリット部分のみが、図9(c)ではセル全体がシール20により封止されている。
以上、具体的な実施態様について説明したが、本発明のOLEDパネルは、本発明の趣旨に反しない限り、適宜改変したり、記載のない層を加えることができる。
100、200、300 OLEDパネル
10 OLEDセル
1 薄膜ガラス
2 ITO電極
3 有機層
4 Al電極
5 絶縁層
6 バンク
7 封止層
8a、8b 電極
9a、9b スリット
20 シール
10 OLEDセル
1 薄膜ガラス
2 ITO電極
3 有機層
4 Al電極
5 絶縁層
6 バンク
7 封止層
8a、8b 電極
9a、9b スリット
20 シール
Claims (6)
- 基板上に、一対の電極で有機層を挟持してなるOLEDセルを複数備え、該OLEDセルが封止層により封止されたOLEDパネルであって、
前記複数のOLEDセルは、隣り合うセル間で電気的に接続されており、
前記封止層は、電極を露出させるスリットを2つ以上有する、OLEDパネル。 - 前記封止層に備えられたスリットは、剥離可能な層で封止されている、請求項1に記載のOLEDパネル。
- 基板上に、一対の電極で有機層を挟持してなるOLEDセルを複数備え、該OLEDセルが封止層により封止されたOLEDパネルであって、
前記複数のOLEDセルは、隣り合うセル間で電気的に接続されており、
OLEDパネルの外周部に少なくとも一対の電極が存在する、OLEDパネル。 - 前記OLEDパネルの外周部の実質的に全周に及んで一対の電極が交互に存在する、請求項3に記載のOLEDパネル。
- 前記複数のOLEDセルは、それぞれの発光面積が1cm2以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のOLEDパネル。
- 前記封止層は、ラミネート封止によりなる請求項1〜5のいずれか1項に記載の、OLEDパネル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015024149A JP2016149205A (ja) | 2015-02-10 | 2015-02-10 | 有機電界発光素子(oled)パネル |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2015024149A JP2016149205A (ja) | 2015-02-10 | 2015-02-10 | 有機電界発光素子(oled)パネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016149205A true JP2016149205A (ja) | 2016-08-18 |
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ID=56687987
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JP2015024149A Pending JP2016149205A (ja) | 2015-02-10 | 2015-02-10 | 有機電界発光素子(oled)パネル |
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JP (1) | JP2016149205A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018186377A1 (ja) * | 2017-04-04 | 2018-10-11 | パイオニア株式会社 | 発光装置の製造方法及び発光装置 |
-
2015
- 2015-02-10 JP JP2015024149A patent/JP2016149205A/ja active Pending
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WO2018186377A1 (ja) * | 2017-04-04 | 2018-10-11 | パイオニア株式会社 | 発光装置の製造方法及び発光装置 |
US11152591B2 (en) | 2017-04-04 | 2021-10-19 | Pioneer Corporation | Method for manufacturing light-emitting device, and light-emitting device |
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