JP2016149176A - 磁気ディスク基板用洗浄剤及び磁気ディスク基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】砥粒や研磨屑に対する洗浄性が非常に高く、かつ、洗浄後の基板の表面荒れが少ない磁気ディスク基板用洗浄剤を提供することを目的とする。
【解決手段】リン原子含有キレート剤(A)、無機アルカリ(B)及び水を含む磁気ディスク基板用洗浄剤であって、前記洗浄剤の重量に基づいて(A)の含有量が5〜25重量%、及び(B)の含有量が5〜25重量%であって、(A)の(B)に対する重量比(A/B)が0.5〜2.0である磁気ディスク基板用洗浄剤。
【選択図】なし
【解決手段】リン原子含有キレート剤(A)、無機アルカリ(B)及び水を含む磁気ディスク基板用洗浄剤であって、前記洗浄剤の重量に基づいて(A)の含有量が5〜25重量%、及び(B)の含有量が5〜25重量%であって、(A)の(B)に対する重量比(A/B)が0.5〜2.0である磁気ディスク基板用洗浄剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、磁気ディスク基板用洗浄剤、及び磁気ディスク基板の製造方法に関する。
さらに詳しくは、磁気ディスク基板の製造において、その表面の研磨の後の砥粒、研磨屑の除去に好適かつ、表面荒れが少ない洗浄剤、及び該洗浄剤を使用した磁気ディスク基板の製造方法に関する。
さらに詳しくは、磁気ディスク基板の製造において、その表面の研磨の後の砥粒、研磨屑の除去に好適かつ、表面荒れが少ない洗浄剤、及び該洗浄剤を使用した磁気ディスク基板の製造方法に関する。
電子材料、とりわけ磁気ディスクは、年々小型化、高容量化の一途をたどっており、磁気ヘッドの浮上量もますます小さくなってきている。そのため、磁気ディスク基板の製造工程で、砥粒や研磨屑等の残留のない基板が求められている。また、表面精度の向上(表面粗さ、微少うねり、スクラッチ、ピット等の低減)も求められている。
磁気ディスク製造工程には、平坦化した基板を作成する工程であるサブストレート工程(1)と、磁性層を基板にスパッタする工程であるメディア工程(2)を含む。
このうち、サブストレート工程(1)では、基板の平坦化のために砥粒を含むスラリーによる研磨を行い、その後、スラリー及び発生した研磨屑等のパーティクルをリンスして洗い流し、さらに、リンスで取り除けなかったパーティクルを後工程の洗浄工程で洗浄して完全に除去する。
このうち、サブストレート工程(1)では、基板の平坦化のために砥粒を含むスラリーによる研磨を行い、その後、スラリー及び発生した研磨屑等のパーティクルをリンスして洗い流し、さらに、リンスで取り除けなかったパーティクルを後工程の洗浄工程で洗浄して完全に除去する。
ところで、磁気ディスクの近年の高記録密度化につれて、2段階以上の研磨プロセスを用いた検討がなされてきている。すなわち、1段階目の研磨においては基板表面の比較的大きなうねり、大きなピット及びその他の表面欠陥を除去することが主たる目的で研磨がなされ、2段階目の研磨により、目的の表面粗さとしながら、細かなスクラッチ、ピットを除去する方式を採っている。
1段階目の研磨で得られた基板の表面に、その研磨工程で使用した砥粒や研磨屑が残留していると、それらの大部分は2段階目の研磨工程において除去されるが、取りきれずに残留してしまったものは欠陥となる。
また、1段階目の残留砥粒や研磨屑は、2段階目の研磨工程中にスクラッチの原因になり悪影響をおよぼす。
これらの問題点を解決するには、各段階で行われる研磨工程終了時に砥粒や研磨屑が除去されていること、また2段階目の研磨工程前の基板にそのような残留物が付着されていないことが必要であり、このような残留物除去のために、高性能な洗浄剤が必要となってきている。
1段階目の研磨で得られた基板の表面に、その研磨工程で使用した砥粒や研磨屑が残留していると、それらの大部分は2段階目の研磨工程において除去されるが、取りきれずに残留してしまったものは欠陥となる。
また、1段階目の残留砥粒や研磨屑は、2段階目の研磨工程中にスクラッチの原因になり悪影響をおよぼす。
これらの問題点を解決するには、各段階で行われる研磨工程終了時に砥粒や研磨屑が除去されていること、また2段階目の研磨工程前の基板にそのような残留物が付着されていないことが必要であり、このような残留物除去のために、高性能な洗浄剤が必要となってきている。
一方、メディア工程(2)では、基板上に磁性層を均一にスパッタリングするために、適宜受入れ洗浄が行われる。この受入れ洗浄においても、洗浄工程で使用される薬剤(スラリー、洗剤等)や、洗浄工程で発生するパーティクルの除去が十分でないという問題があり、高い洗浄性が必要となってきている。
従来、これら目的のために、pHが高いアルカリ性洗浄剤が提案されている。例えば、無機アルカリ、アルドン酸を含有してpHが10以上の洗浄剤を用いてコロイダルシリカの除去性を向上させる方法(特許文献1)が提案されている。
しかしながら、上記の特許文献1の洗浄剤では、一定の洗浄力を有するが、対象となるガラス基板の表面の表面粗さが洗浄後に増加する。磁気ディスクの高記録密度化のため、表面精度を向上する(例えば表面荒れを抑える)ことが今後ますます求められることが予想されるが、これらの洗浄剤では、洗浄後の表面荒れが大きく高記録密度化が困難である。
また、ホスホン酸系キレート剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤を特定の濃度比で配合し、2%に純水で希釈した際の25℃におけるpHが5以下の洗浄剤を用いて酸化セリウムやコロイダルシリカを洗浄する方法(特許文献2)も提案されている。
また、ホスホン酸系キレート剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤を特定の濃度比で配合し、2%に純水で希釈した際の25℃におけるpHが5以下の洗浄剤を用いて酸化セリウムやコロイダルシリカを洗浄する方法(特許文献2)も提案されている。
しかし、特許文献2の洗浄剤では、表面荒れを抑えることに一定の効果はあるが、洗浄力が弱く、近年の洗浄に求められるレベルには不十分である。
そこで、砥粒や研磨屑に対する洗浄性が非常に高く、かつ、洗浄後の基板の表面荒れが少ない磁気ディスク基板用洗浄剤及び磁気ディスク基板の製造方法を提供することを目的とする。
そこで、砥粒や研磨屑に対する洗浄性が非常に高く、かつ、洗浄後の基板の表面荒れが少ない磁気ディスク基板用洗浄剤及び磁気ディスク基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。すなわち、本発明は、リン原子含有キレート剤(A)、無機アルカリ(B)及び水を含む磁気ディスク基板用洗浄剤であって、前記洗浄剤の重量に基づいて(A)の含有量が5〜25重量%、及び(B)の含有量が5〜25重量%であって、(A)の(B)に対する重量比(A/B)が0.5〜2.0である磁気ディスク基板用洗浄剤である。
本発明の磁気ディスク基板用洗浄剤及び磁気ディスク基板の製造方法は、磁気ディスク基板の製造工程において問題となる微細な砥粒や研磨屑に対する洗浄性に優れ、かつ洗浄後の基板の表面荒れが少ない。
そのため、高記録密度化で要求され、例えば、磁性膜を均一にスパッタリングするために要求される清浄度及び表面精度の高い電子材料を提供することができる。
そのため、高記録密度化で要求され、例えば、磁性膜を均一にスパッタリングするために要求される清浄度及び表面精度の高い電子材料を提供することができる。
本発明の磁気ディスク基板用洗浄剤は、リン原子含有キレート剤(A)、無機アルカリ(B)及び水を含む磁気ディスク基板用洗浄剤であって、前記洗浄剤の重量に基づいて(A)の含有量が5〜25重量%、及び(B)の含有量が5〜25重量%であって、(A)の(B)に対する重量比(A/B)が0.5〜2.0である磁気ディスク基板用洗浄剤である。
本発明において、磁気ディスク基板とは、ハードディスク用ガラス基板、ハードディスク用アルミニウム基板及びNi−Pメッキが施されたハードディスク用アルミニウム基板が挙げられ、表面精度の悪化を抑える観点で好ましくはハードディスク用ガラス基板である。
本発明におけるリン原子含有キレート剤(A)としては、ホスホン酸系キレート剤(A−1)及び縮合リン酸系キレート剤(A−2)等が挙げられる。ホスホン酸系キレート剤(A−1)としては、1−ヒドロキシエチリデン−1、1−ジホスホン酸(HEDP)、ニトリロトリスメチレンホスホン酸(NTMP)及びエチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTMP)並びにそれらの塩等が挙げられる。縮合リン酸系キレート剤(A−2)としては、ピロリン酸及びトリポリリン酸並びにそれらの塩等が挙げられる。
塩としてはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩等のアミン塩が挙げられる。
塩としてはナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩及びアンモニウム塩等のアミン塩が挙げられる。
本発明において、リン原子含有キレート剤(A)の含有量は、磁気ディスク基板用洗浄剤の重量に基づき5〜25重量%である。(A)の含有量は、洗浄性の観点で好ましくは8〜25重量%、更に好ましくは10〜25重量%である。5重量%未満では洗浄性の観点で十分な性能を有さず、25重量%を超えると洗浄剤の安定性の維持が困難になるという問題がある。
本発明における無機アルカリ(B)としては、水酸化カリウム及び水酸化ナトリウム等が挙げられる。
これらのうち、洗浄性および表面焼け防止の観点で好ましくは水酸化カリウムである。
本発明において、無機アルカリ(B)の含有量は、磁気ディスク基板用洗浄剤の重量に基づき5〜25重量%である。無機アルカリ(B)は、好ましくは6〜25重量%、更に好ましくは10〜25重量%である。5重量%未満では洗浄性の観点で十分な性能を有さず、25重量%を超えると洗浄剤の安定性の維持が困難になるという問題がある。
リン原子含有キレート剤(A)の無機アルカリ(B)に対する重量比(A/B)は、0.5〜2.0である。重量比(A/B)は、好ましくは0.8〜1.5、更に好ましくは0.9〜1.3である。0.5未満では洗浄後基板の表面荒れが大きくなり、2.0を超えると洗浄性が不十分となるという問題がある。
本発明における水は、超純水、イオン交換水、RO水及び蒸留水等が挙げられ、清浄度の観点から超純水が好ましい。
本発明の磁気ディスク基板用洗浄剤を水で50倍に希釈した洗浄剤希釈液の25℃におけるpHは、洗浄性と表面荒れの両立の観点から好ましくは9.0〜12.0、更に好ましくは9.5〜10.5、特に好ましくは9.5〜10.0である。
本発明の磁気ディスク基板用洗浄剤には、洗浄性を向上させるために、洗浄対象に合わせて、界面活性剤(C)、(A)以外のキレート剤(D)、安定化剤(E)、有機アルカリ(F)、防錆剤及び防腐剤を適宜配合することができる。
界面活性剤(C)としては、ノニオン性界面活性剤(C1)、アニオン性界面活性剤(C2)、両性界面活性剤、カチオン性界面活性剤が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤(C1)としては、脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物、脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物及びプルロニック型ノニオン活性剤等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤(C2)としては、高分子アニオン性界面活性剤(例えばポリアクリル酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩及びナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、等)や、低分子アニオン性界面活性剤(例えば脂肪酸塩、脂肪族アルコールエステル塩、及び脂肪族アルコールアルキレンオキサイドエステル塩等)が挙げられる。
アニオン性界面活性剤(C2)の塩としては、1級アミン(メチルアミン、エチルアミン及びブチルアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン並びにグアニジン等)塩;2級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン及びジブチルアミン等のジアルキルアミン並びにジエタノールアミン等)塩;3級アミン{トリメチルアミン、トリエチルアミン及びトリブチルアミン等のトリアルキルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン並びに1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等}塩;アミジン{1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1H−イミダゾール、2−メチル−1H−イミダゾール、2−エチル−1H−イミダゾール、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール、2−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール、1,4,5,6−テトラヒドロ−ピリミジン、1,6(4)−ジヒドロピリミジン等}塩、アルカリ金属(ナトリウムカチオン及びカリウムカチオン等)塩、アンモニウム塩及び第4級アンモニウム(テトラアルキルアンモニウム等)塩が挙げられる。
両性界面活性剤としては、4級アンモニウム塩型、アミノ酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、4級アンモニウム塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤(C1)としては、脂肪族アルコールのアルキレンオキサイド付加物、脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物、多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物及びプルロニック型ノニオン活性剤等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤(C2)としては、高分子アニオン性界面活性剤(例えばポリアクリル酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩及びナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、等)や、低分子アニオン性界面活性剤(例えば脂肪酸塩、脂肪族アルコールエステル塩、及び脂肪族アルコールアルキレンオキサイドエステル塩等)が挙げられる。
アニオン性界面活性剤(C2)の塩としては、1級アミン(メチルアミン、エチルアミン及びブチルアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン並びにグアニジン等)塩;2級アミン(ジメチルアミン、ジエチルアミン及びジブチルアミン等のジアルキルアミン並びにジエタノールアミン等)塩;3級アミン{トリメチルアミン、トリエチルアミン及びトリブチルアミン等のトリアルキルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン並びに1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等}塩;アミジン{1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1H−イミダゾール、2−メチル−1H−イミダゾール、2−エチル−1H−イミダゾール、4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール、2−メチル−4,5−ジヒドロ−1H−イミダゾール、1,4,5,6−テトラヒドロ−ピリミジン、1,6(4)−ジヒドロピリミジン等}塩、アルカリ金属(ナトリウムカチオン及びカリウムカチオン等)塩、アンモニウム塩及び第4級アンモニウム(テトラアルキルアンモニウム等)塩が挙げられる。
両性界面活性剤としては、4級アンモニウム塩型、アミノ酸型両性界面活性剤等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、4級アンモニウム塩等が挙げられる。
これらの界面活性剤(C)のうち、パーティクルの再付着防止の観点で、高分子アニオン性界面活性剤を配合することが好ましい。
また、クーラント等の有機物汚れに対する洗浄性の観点で、ノニオン性界面活性剤を配合する方が好ましい。
また、クーラント等の有機物汚れに対する洗浄性の観点で、ノニオン性界面活性剤を配合する方が好ましい。
界面活性剤(C)の含有量は、洗浄性の観点から磁気ディスク基板用洗浄剤の重量に基づき好ましくは0.01〜20重量%であり、更に好ましくは0.1〜10重量%である。
(A)以外のキレート剤(D)としては、アミノポリカルボン酸(D1)、ヒドロキシカルボン酸(D2)等が挙げられる。アミノポリカルボン酸(D1)としては、エチレンジアミンテトラ酢酸塩(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸塩(DTPA)、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸(HIDA)等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸(D2)としては、酒石酸、クエン酸、グルコン酸等が挙げられる。これらの酸はアルカリ成分と塩を形成しても良い。
これらのうち、溶解した金属イオンの析出防止の観点で、酒石酸、クエン酸及びその塩であり、特に好ましいのは酒石酸及びその塩である。
キレート剤(D)の含有量は、上記の観点から磁気ディスク基板用洗浄剤の重量に基づき好ましくは0.01〜20重量%であり、更に好ましくは0.1〜10重量%である。
安定化剤(E)としては、安息香酸、トルエンスルホン酸、クメンスルホン酸及びサリチル酸等が挙げられる。
安定化剤(E)の含有量は、洗浄剤の保存安定性の観点から磁気ディスク基板用洗浄剤の重量に基づき好ましくは0.01〜20重量%であり、更に好ましくは0.1〜10重量%である。
有機アルカリ(F)としては、アルカノールアミン(モノイソプロパノールアミン、アミノエチルエタノールアミン、モノエタノールアミン及びトリエタノールアミン等)、4級アンモニウム(テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド等)等が挙げられる。
有機アルカリ(F)の含有量は、磁気ディスク基板へのぬれ性の観点から磁気ディスク基板用洗浄剤の重量に基づき好ましくは0.01〜40重量%であり、更に好ましくは0.1〜20重量%である。
本発明の別の実施態様は、上記の磁気ディスク基板用洗浄剤を用いて、磁気ディスク基板を洗浄する工程を含む磁気ディスク基板の製造方法であり、洗浄性および表面荒れの観点からハードディスク用ガラス基板の製造方法に特に適している。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
[製造例1]ポリアクリル酸DBU塩の合成
温調及び攪拌が可能な反応容器にイソプロピルアルコール300部及び超純水100部を仕込み、窒素置換後、75℃に昇温した。撹拌下で、アクリル酸の75%水溶液407部及びジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートの15%イソプロピルアルコール溶液95部を3.5時間かけてそれぞれ同時に滴下した。滴下終了後、75℃で5時間撹拌した後、系内が固化しないように超純水を間欠的に投入し、イソプロピルアルコールが検出できなくなるまで水とイソプロピルアルコールの混合物を留去した。得られたポリアクリル酸水溶液を1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)(450部)でpHが7になるまで中和し、超純水で濃度調整することにより、アニオン性界面活性剤であるポリアクリル酸DBU塩の40%水溶液を得た。尚、合成したポリアクリル酸DBU塩の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記。)によって、ポリエチレンオキサイドを標準物質として40℃で測定され、たとえば、装置本体:東ソー(株)製HLC−8120、カラム:東ソー(株)製TSKgel G5000 PWXL、G3000 PW XL、検出器:装置本体内蔵の示差屈折計検出器、溶離液:0.2M無水硫酸ナトリウム、10%アセトニトリル緩衝液、溶離液流量:0.8ml/分、カラム温度:40℃、試料:1.0重量%の溶離液溶液、注入量:100μl、標準物質:東ソー(株)製TSK SE−30、SE−15、SE−8、SE−5の条件により測定した。
GPC法による重量平均分子量(Mw)は10,000であった。
温調及び攪拌が可能な反応容器にイソプロピルアルコール300部及び超純水100部を仕込み、窒素置換後、75℃に昇温した。撹拌下で、アクリル酸の75%水溶液407部及びジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートの15%イソプロピルアルコール溶液95部を3.5時間かけてそれぞれ同時に滴下した。滴下終了後、75℃で5時間撹拌した後、系内が固化しないように超純水を間欠的に投入し、イソプロピルアルコールが検出できなくなるまで水とイソプロピルアルコールの混合物を留去した。得られたポリアクリル酸水溶液を1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)(450部)でpHが7になるまで中和し、超純水で濃度調整することにより、アニオン性界面活性剤であるポリアクリル酸DBU塩の40%水溶液を得た。尚、合成したポリアクリル酸DBU塩の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記。)によって、ポリエチレンオキサイドを標準物質として40℃で測定され、たとえば、装置本体:東ソー(株)製HLC−8120、カラム:東ソー(株)製TSKgel G5000 PWXL、G3000 PW XL、検出器:装置本体内蔵の示差屈折計検出器、溶離液:0.2M無水硫酸ナトリウム、10%アセトニトリル緩衝液、溶離液流量:0.8ml/分、カラム温度:40℃、試料:1.0重量%の溶離液溶液、注入量:100μl、標準物質:東ソー(株)製TSK SE−30、SE−15、SE−8、SE−5の条件により測定した。
GPC法による重量平均分子量(Mw)は10,000であった。
実施例1〜9及び比較例1〜8
表1に記載の組成となるように、各成分を配合し、25℃、マグネチックスターラーで40rpm、20分間攪拌して、本発明の洗浄剤及び比較のための洗浄剤を得た。
上記洗浄剤をさらに超純水で50倍希釈して、性能試験用のサンプル液を作成した。
表1に記載の組成となるように、各成分を配合し、25℃、マグネチックスターラーで40rpm、20分間攪拌して、本発明の洗浄剤及び比較のための洗浄剤を得た。
上記洗浄剤をさらに超純水で50倍希釈して、性能試験用のサンプル液を作成した。
洗浄剤の洗浄性及び表面荒れの各種性能評価試験は下記の方法で行った。
尚、本評価は大気からの汚染を防ぐため、クラス1,000(FED−STD−209D、米国連邦規格、1988年)のクリーンルーム内で実施した。
尚、本評価は大気からの汚染を防ぐため、クラス1,000(FED−STD−209D、米国連邦規格、1988年)のクリーンルーム内で実施した。
<洗浄性試験>
研磨剤として市販のコロイダルシリカ(フジミインコーポレイテッド製「COMPOL20」、粒径約20nm)を用いて2.5インチのハードディスク用ガラス基板を以下条件で研磨した。
研磨装置:ナノファクター社製「NFD−4BL」
スラリー供給速度:50mL/分
荷重:30g重/cm2
回転数:定盤30rpm、ギア20rpm
研磨時間:10分間
研磨剤として市販のコロイダルシリカ(フジミインコーポレイテッド製「COMPOL20」、粒径約20nm)を用いて2.5インチのハードディスク用ガラス基板を以下条件で研磨した。
研磨装置:ナノファクター社製「NFD−4BL」
スラリー供給速度:50mL/分
荷重:30g重/cm2
回転数:定盤30rpm、ギア20rpm
研磨時間:10分間
基板を研磨し超純水で1分間リンスした後、研磨装置から基板を取り出し、上記のサンプル液を張った超音波洗浄機(出力:200kHz)に浸漬し、25℃で10分間洗浄した。洗浄後の基板を洗浄機から取り出し、1分間流水で基板を洗い流し、窒素ガスで基板を乾燥し評価用基板を得た。
ハードディスク用ガラス基板表面に光を当て、約10μm以上の異物があればそれに当たった反射光を増幅して検出する表面検査装置(ビジョンサイテック社製「Micro−Max VMX−7100」)で観察し、画像解析ソフト「Sigmascan」を用いて基板上の1cm四方に付着している砥粒等のパーティクルの個数を数えた。
なお、ブランクとして超純水での洗浄も実施した。その際の洗浄後の基板上に付着しているパーティクルの個数は840個であった。
洗浄性試験は以下の評価基準で評価し、評価結果を表1に示した。
ハードディスク用ガラス基板表面に光を当て、約10μm以上の異物があればそれに当たった反射光を増幅して検出する表面検査装置(ビジョンサイテック社製「Micro−Max VMX−7100」)で観察し、画像解析ソフト「Sigmascan」を用いて基板上の1cm四方に付着している砥粒等のパーティクルの個数を数えた。
なお、ブランクとして超純水での洗浄も実施した。その際の洗浄後の基板上に付着しているパーティクルの個数は840個であった。
洗浄性試験は以下の評価基準で評価し、評価結果を表1に示した。
[洗浄性試験の評価基準]
5:洗浄後基板上に付着しているパーティクルの個数がブランクの10%未満
3:洗浄後基板上に付着しているパーティクルの個数がブランクの10%以上50%未満
1:洗浄後基板上に付着しているパーティクルの個数がブランクの50%以上
5:洗浄後基板上に付着しているパーティクルの個数がブランクの10%未満
3:洗浄後基板上に付着しているパーティクルの個数がブランクの10%以上50%未満
1:洗浄後基板上に付着しているパーティクルの個数がブランクの50%以上
<表面荒れ>
洗浄性試験で使用したハードディスク用ガラス基板を用いて、原子間力顕微鏡(エスアイアイナノテクノロジー製、E−sweep)で下記の条件で表面粗さを測定した。
測定モード:DFM(タッピングモード)
スキャンエリア:10μm×10μm
走査線数:256本(Y方向スキャン)
補正:X、Y方向のフラット補正あり
ブランクとして水で洗浄した基板の表面粗さも同様に測定し、以下の式で表面荒れ(A) を算出した。
A(%)=(洗浄後の基板の表面粗さ−ブランクの表面粗さ)/(ブランクの表面粗さ)×100
表面荒れは以下の評価基準で評価し、評価結果を表1に示した。
洗浄性試験で使用したハードディスク用ガラス基板を用いて、原子間力顕微鏡(エスアイアイナノテクノロジー製、E−sweep)で下記の条件で表面粗さを測定した。
測定モード:DFM(タッピングモード)
スキャンエリア:10μm×10μm
走査線数:256本(Y方向スキャン)
補正:X、Y方向のフラット補正あり
ブランクとして水で洗浄した基板の表面粗さも同様に測定し、以下の式で表面荒れ(A) を算出した。
A(%)=(洗浄後の基板の表面粗さ−ブランクの表面粗さ)/(ブランクの表面粗さ)×100
表面荒れは以下の評価基準で評価し、評価結果を表1に示した。
[表面荒れの評価基準]
5:Aが30%未満
3:Aが30%以上70%未満
1:Aが70%以上
5:Aが30%未満
3:Aが30%以上70%未満
1:Aが70%以上
表1より、実施例1〜9の洗浄液は、ガラス基板上に付着するパーティクルの残存が少なく、かつ洗浄性能が高いことがわかる。また、洗浄後の表面荒れが少ないこともわかる。一方で比較例1の洗浄液は洗浄性に一定の性能を有するが、洗浄後に基板表面が大きく荒れる。また、比較例2の洗浄液は、表面荒れが比較例1の洗浄液と比較してやや抑えられるものの、洗浄性能が低い。比較例3〜6の洗浄液は、洗浄性と表面精度の両立ができていない。
本発明の磁気ディスク基板用洗浄剤は、パーティクルの基板に対する洗浄性を従来の洗浄剤より大幅に向上することができる。また、洗浄後の基板の表面荒れが小さい。そのため、高記録密度化が進んでいるハードディスク基板用洗浄剤として使用することができる。
Claims (4)
- リン原子含有キレート剤(A)、無機アルカリ(B)及び水を含む磁気ディスク基板用洗浄剤であって、前記洗浄剤の重量に基づいて(A)の含有量が5〜25重量%、及び(B)の含有量が5〜25重量%であって、(A)の(B)に対する重量比(A/B)が0.5〜2.0である磁気ディスク基板用洗浄剤。
- 磁気ディスク基板がハードディスク用ガラス基板である請求項1記載の磁気ディスク基板用洗浄剤。
- 水で50倍に希釈した洗浄剤希釈液の25℃におけるpHが9.0〜12.0である請求項1又は2記載の磁気ディスク基板用洗浄剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の磁気ディスク基板用洗浄剤を用いて、磁気ディスク用基板を洗浄する工程を含む磁気ディスク基板の製造方法。
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JP2016020482A Pending JP2016149176A (ja) | 2015-02-09 | 2016-02-05 | 磁気ディスク基板用洗浄剤及び磁気ディスク基板の製造方法 |
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- 2016-02-05 JP JP2016020482A patent/JP2016149176A/ja active Pending
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