JP2016148446A - 作業機の油圧システム及び作業機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】油圧システムは、作動油を吐出する油圧ポンプ66a,66bと、作動油によって作動する油圧機器57と、作動油の圧力に応じて作動状態が変化することで油圧機器を制御する複数の油圧制御部63,59と、複数の油圧制御部に接続され且つ当該油圧制御部に供給する作動油の圧力を設定可能な比例弁45とを備えている。油圧機器は、走行モータ57を含み、複数の油圧制御部は、作動油の圧力によって作動状態が変化して走行モータの速度を変更可能な第1油圧切換弁63と、作動油の圧力によって作動状態が変化して走行モータの制動と当該制動の解除とを行うブレーキ機構59と、を含んでいる。
【選択図】図1
Description
特許文献1に開示された油圧システムは、斜板式の可変容量型アキシャルモータ(HSTモータ)を使用して変速を行うシステムである。油圧システムでは、HSTモータの速度を変更可能な速度変更機構を有している。速度変更機構は、方向切換弁と、方向切換弁によって位置が切り換えられる油圧切換弁と、この油圧切換弁及びHSTモータに接続された斜板切換シリンダとを備えている。速度変更機構では、まず、方向切換弁を用いて油圧切換弁の位置を変更することにより斜板切換シリンダを伸縮させる。斜板切換シリンダが伸縮すると、HSTモータの斜板の角度が変わり、当該HSTモータが1速、或いは、2速に切り換わる。
作業機の油圧システムは、作動油を吐出する油圧ポンプと、作動油によって作動する油圧機器と、作動油の圧力に応じて作動状態が変化することで前記油圧機器を制御する複数の油圧制御部と、前記複数の油圧制御部に接続され且つ当該油圧制御部に供給する作動油の圧力を設定可能な比例弁と、を備えている。
作業機の油圧システムは、前記複数の油圧制御部のうち、任意の油圧制御部である第1油圧制御部に作用する作動油の圧力と、前記第1油圧制御部とは異なる第2油圧制御部に作用する作動油の圧力とを異ならせる差圧部を備えている。
作業機の油圧システムは、前記複数の油圧制御部のうち、任意の油圧制御部である第1油圧制御部に作用する作動油の圧力と、前記第1油圧制御部とは異なる第2油圧制御部に
作用する作動油の圧力とを異ならせる差圧部と、少なくとも前記第2油圧制御部に作用する作動油の圧力を測定する測定装置と、前記測定装置で測定された圧力に基づいて前記比例弁を制御する制御装置と、を備えている。
前記第1油圧切換弁は、前記走行モータの速度を1速に変える第1位置と、前記走行モータの速度を2速に変える第2位置とに切換可能な弁であって、前記比例弁は、前記第1油圧切換弁及び前記ブレーキ機構に付与する作動油の圧力を、前記1油圧切換弁に対しては第1位置に保持し且つ、前記ブレーキ機構に対しては前記走行モータの制動を解除する圧力に設定する。
前記比例弁は、前記油圧制御部及びリモコン弁に供給する作動油を停止する。
作業機の油圧システムは、前記油圧制御部に作用する作動油の圧力を測定する測定装置と、前記測定装置で測定された圧力に基づいて前記比例弁を制御する制御装置と、を備えている。
前記制御装置は、前記測定装置の圧力に基づいて前記比例弁の状態を検出する状態判断部を有している。
て前記電磁弁の状態を検出する状態判断部と、を有している。
<第1実施形態>
まず、作業機の全体の構成から説明する。
本発明に係る作業機1は、図17及び図18に示すように、機体フレーム2と、この機体フレーム2に装着した作業装置3と、機体フレーム2を支持する走行装置4とを備えている。尚、図17及び図18では、作業機の一例としてトラックローダを示しているが、本発明に係る作業機はトラックローダに限定されず、例えば、トラクタ、スキッドステアローダ、コンパクトトラックローダ、バックホー等であってもよい。尚、本発明において、作業機の運転席に着座した運転者の前側(図17の左側)を前方、運転者の後側(図1
7の右側)を後方、運転者の左側(図17の手前側)を左方、運転者の右側(図17の奥側)を右方として説明する。
キャビン5内には運転席13が設けられている。運転席13の一側(例えば、左側)には、走行装置4を操作するための走行用操作装置14が配置されている。
作業装置3は、ブーム22Lとブーム22Rからなる一対のブーム22と、該ブーム22の先端に装着したバケット23(作業具)とを備える。ブーム22Lは、機体フレーム2の左に配置されている。ブーム22Rは、機体フレーム2の右に配置されている。ブーム22Lとブーム22Rとは、連結体によって相互に連結されている。ブーム22L及びブーム22Rは、第1リフトリンク24及び第2リフトリンク25に支持されている。ブーム22L及びブーム22Rの基部側と機体フレーム2の後下部との間には、複動式の圧シリンダからなるリフトシリンダ26が設けられている。リフトシリンダ26を同時に伸縮させることによりブーム22L及びブーム22Rが上下に揺動する。ブーム22L及びブーム22Rの先端側には、それぞれ装着ブラケット27が横軸回りに回動自在に枢支され、左及び右に設けられた装着ブラケット27にバケット23の背面側が取り付けられている。
バケット23は、装着ブラケット27に対して着脱自在とされている。バケット23を取り外して装着ブラケット27に各種のアタッチメント(後述する油圧アクチュエータを有する油圧駆動式の作業具)を取り付けることで、掘削以外の各種の作業(又は他の掘削作業)を行えるように構成されている。
次に、本発明に係る作業機の油圧システムについて説明する。
図1は、走行系の油圧システムの全体図を示している。図2は、作業系の油圧システムの全体図を示している。
図1及び図2に示すように、油圧システム(油圧回路)は、第1ポンプP1と、第2ポンプP2とを有している。第1ポンプP1及び第2ポンプP2は、エンジン29の動力によって駆動して作動油を吐出する油圧ポンプであって、例えば、定容量型のギヤポンプによって構成されている。
第1駆動回路32Aは、HSTポンプ(走行用の油圧ポンプ)66を備えている。HS
Tポンプ66は、一対の変速用油路100h,100iによって対応する第1走行部21L,21RのHSTモータ57に接続されている。なお、第2駆動回路32Bは、第1駆動回路32Aと同じ構造であるため説明を省略する。
受圧部66a,66bに作用するパイロット圧によって斜板の角度が変更される。斜版の角度が変更すると、作動油の吐出方向や吐出量が変わり、これによって第1走行部21L,21Rの回転出力を変更する。
そして、このアクセルセンサAS及び回転センサRSの検出信号に基づいて、エンジン29がアクセル操作部材53の操作量に応じた(アクセル操作部材53によって決定される)回転数(目標エンジン回転数)となるように、コントローラECUによってインジェクタの燃料噴射量が制御される。
吐出油路100aからは、第1供給路100b、第2供給路100cが分岐している。第2供給路100cには、走行操作装置14のポンプポート50が接続され、第2ポンプP2の吐出油であるパイロット油は、第2供給路100cを通って走行操作装置14に供給される。
に作用すると共に第2シャトル弁42から第2流路47を介して第2駆動回路32Bの前進用受圧部66aに作用する。これにより、第1走行部21L及び第2走行部21Rの出力軸57aが走行レバー40の傾動量に比例した速度で正転(前進回転)してトラックローダ1が前方に直進する。
すなわち、走行レバー40を左斜め前側に傾動操作すると該走行レバー40の傾動角度に対応した速度でトラックローダ1が前進しながら左旋回し、走行レバー40を右斜め前側に傾動操作すると該走行レバー40の傾動角度に対応した速度でトラックローダ1が前進しながら右旋回し、走行レバー40を左斜め後側に傾動操作すると該走行レバー40の傾動角度に対応した速度でトラックローダ1が後進しながら左旋回し、走行レバー40を右斜め後側に傾動操作すると該走行レバー40の傾動角度に対応した速度でトラックローダ1が後進しながら右旋回する。
走行モータ57は、HSTモータであって、パイロット油(作動油)によって作動する油圧機器である。走行モータ57は、例えば、高低2速に変速可能な斜板形可変容量アキシャルモータである。
走行モータ57の斜板に連結する斜板切換シリンダ58が設けられ、作動状態が変わる
ことによって、斜板切換シリンダ58を伸縮させて、走行モータ57の斜板の角度を切り換える。これにより、走行モータ57は、1速又は2速に変速する。
このブレーキ機構59は、第2ポンプP2から吐出されたパイロット油(作動油)によって、走行モータ57を制動する作動状態となったり、制動を解除する作動状態に変化する。例えば、ブレーキ機構59は、走行モータ57の出力軸57aに設けられた第1ディスクと、移動可能な第2ディスクと、第2ディスクが第1ディスクに接触する側へ付勢するバネとを備えている。また、ブレーキ機構59は、第1ディスク、第2ディスク及びバネを収容する収容部(収容ケース)59aを備えている。この収容部59aであって、第2ディスクが納められている部分には、第3供給路100dが接続されている。収容部59aの格納部に、パイロット油を供給して格納部内を所定の圧力にすると、第2ディスクが制動とは反対側(バネの付勢方向とは反対側)に移動して、ブレーキ機構59による制動を解除することができる。一方、収容部59aの格納部において、パイロット油の圧力が所定以下になると、第2ディスクが第1ディスクに接触する側へ移動し、走行モータ57の制動をすることができる。第2走行部21Rは、第1走行部21Lと同じ構造であるため、詳しい図示及び説明を省略する。
図3は、第1油圧切換弁63の作動状態及びブレーキ機構59の作動状態と、パイロット油の圧力との関係を示した図である。
図2に示すように、第1油圧ポンプP1には、第4供給路100fが設けられている。この第4供給路100fには、複数の制御弁80が接続されている。複数の制御弁80は、ブーム制御弁80A、バケット制御弁80B、予備制御弁80Cであって、油圧制御部と言える。ブーム制御弁80Aは、リフトシリンダ26を制御する弁であって、バケット制御弁80Bは、チルトシリンダ28を制御する弁であって、予備制御弁80Cは、予備アタッチメントの油圧アクチュエータを制御する弁である。なお、作業系の油圧システムでは、リフトシリンダ26、チルトシリンダ28、予備アタッチメントの油圧アクチュエータ等が油圧機器である。
操作部材81を前側に傾動させると、下降用リモコン弁82Aが操作されて当該下降用リモコン弁82Aからパイロット圧が出力される。このパイロット圧は、ブーム制御弁80Aの受圧部に作用し、当該ブーム制御弁80Aに入った作動油をリフトシリンダ26のロッド側に供給することにより、ブーム22は下降する。
即ち、ブーム制御弁80Aは、操作部材81の操作によって設定された作動油の圧力(下降用リモコン弁82Aによって設定されたパイロット圧、上昇用リモコン弁82Bによ
って設定されたパイロット圧)に応じて、リフトシリンダ26に流れる作動油の流量を制御可能である。
操作部材81を左側に傾動させると、バケットスクイ用のリモコン弁82Dが操作され、バケット制御弁80Bの受圧部にパイロット油が作用する。その結果、バケット制御弁80Bは、チルトシリンダ28を縮小させる方向に作動し、操作部材81の傾動量に比例した速度でバケット23がスクイ動作する。
<第2実施形態>
図4及び図5は、本発明に係る油圧システムの第2実施形態を示している。第2実施形態は、走行モータ及び第1油圧切換弁を変更した変形例である。第2実施形態で示す走行モータ及び第2油圧切換弁は、全ての実施形態に適用可能である。なお、第1実施形態と同様の構成は説明を省略する。
図5Aは、第2実施形態における第1油圧切換弁163の作動状態、ブレーキ機構59の作動状態及びパイロット油の圧力の関係を示した図である。
例えば、図5Aに示すように、比例弁45を閉鎖した状態(全閉した状態)では、第1油圧切換弁163に作用するパイロット圧は略零であって、第1油圧切換弁163は、第1位置63aとなる。また、比例弁45を全閉した状態では、ブレーキ機構59の格納部に作用するパイロット圧は略零であって、走行モータ57は制動された状態である。ここで、比例弁45の開度を大きくし、ブレーキ機構59の格納部に作用するパイロット圧を、制動解除圧以上にすると、走行モータ57の制動を解除することができる。このとき、第1油圧切換弁63は第1位置63aに保持されている。つまり、第2実施形態でも、第1油圧切換弁63を第1位置63aに保持した状態で、ブレーキ機構59による走行モータ57の制動を解除することができる。
なお、図5Bに示すように、比例弁45において、制動解除圧未満であって且つ、第1油圧切換弁163に作用するパイロット油の圧力が所定値未満である場合、制動且つ1側の状態で、比例弁45から作動油を少しだけ流すことができ、比例弁45の暖機を行うことが可能である。
<第3実施形態>
図6、図7は、本発明に係る油圧システムの第3実施形態を示している。第3実施形態は、作業系の油圧システム(油圧回路)を変更した変形例である。第3実施形態で示す作業系の油圧システムは、上述した第1実施形態及び第2実施形態の作業系の油圧システムに適用可能である。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同様の構成は説明を省略する。
詳しくは、第2油圧切換弁90は、パイロット油の圧力(パイロット圧)に応じて、第3位置90aと第4位置90bとに位置変更が可能な二位置切換弁である。第2油圧切換
弁90は、当該第2油圧切換弁90に作用するパイロット圧が所定の圧力に達すると第3位置90aに切り換わり、作動状態が変わる。また、第2油圧切換弁90は、該第2油圧切換弁90に作用するパイロット圧が所定圧未満になると第4位置90bに切り換わり、作動状態が変わる。
図7は、第2油圧切換弁90の作動状態及びリモコン弁82の作動状態と、パイロット油の圧力との関係を示した図である。
なお、比例弁45における開度の制御は、制御装置70で行う。制御装置70には、操作部材96、97が接続されている。操作部材96、97は、例えば、揺動自在なシーソ型スイッチ、スライド自在なスライド型スイッチ、或いは、押圧自在なプッシュ型スイッチ、或いは、レバーで構成されている。
以上、第3実施形態では、第2油圧切換弁90及びパイロット弁82に比例弁45を接続している。そのうえで、パイロット圧に関して、第2油圧切換弁90が第3位置90aから第4位置90bに切り換わる圧力(第4圧力)よりも、油圧ロックの解除状態にするロック解除圧以上を低く設定しているため、油圧ロックを解除した状態でフロートの状態にすることができる。
また、走行モータ57の速度切換に関して、1速及び2速について説明をしたが、速度切換は上述した実施形態に限定されず、3速以上の多段であってもよい。図8は、走行モータ57を1速〜3速まで切り換えた場合の比例弁45で制御するパイロット圧を示した図である。なお、図8では、比例弁45の下流側にリモコン弁82及びブレーキ機構59を設けると共に、第1油圧切換弁63の切換位置を第1位置、第2位置、第3位置に切換可能であることが前提である。
図9Aは、走行系の油圧回路の一部を示した図であって、ブレーキ機構59と、走行用の油圧ポンプ66と、この油圧ポンプ66によって駆動する走行モータ57とを示している。走行用の油圧ポンプ66及び走行モータ57は、上述した実施形態と同様であるため説明を省略する。
より接続されている。走行モータ57、第3油圧切換弁59B及び油圧ポンプ66は、環状の第9供給路100rにより接続されている。
<第4実施形態>
図10Aは、本発明に係る油圧システムの第4実施形態を示している。第4実施形態の油圧システムは、上述した実施形態の油圧システムに、差圧部200を設けたシステムである。第1実施形態〜第3実施形態と同様の構成については省略する。
を接続する第3供給路100dに設けられたブリード回路(ブリードオフ回路)201と、絞り部203とを有している。ブリード回路201は、第1油圧切換弁163の受圧部163aと作動油タンク31とを接続する排出油路201aと、排出油路201aに設けられた絞り部201bとを含んでいる。絞り部203は、第3供給路100dであって当該第3供給路100dの分岐部101と排出油路201aとの間に設けられている。なお、絞り部203の代わりに、分岐部101と排出油路201aとの間に圧損が大きな油圧ホース等を採用してもよい。
<第5実施形態>
図11は、本発明に係る油圧システムの第5実施形態を示している。第5実施形態の油圧システムは、上述した第4実施形態の油圧システムに、測定装置210を設けたシステムである。第5実施形態に示した内容も全ての実施形態に適用可能である。上述した実施形態と同様の構成については省略する。
測定装置210は、第3供給路100dの分岐部101以降の油路に接続されている。この実施形態では、測定装置210は、第2油圧制御部163の受圧部163aの近傍に接続されている。
<第6実施形態>
図12は、本発明に係る油圧システムの第6実施形態を示している。第6実施形態の油圧システムは、ロードセンシングシステム及び馬力制御システムを有している。第6実施形態に示した内容も全ての実施形態に適用可能である。上述した実施形態と同様の構成に
ついては省略する。
第1検出油路250(PLS油路ということがある)は、制御弁80A、80B、80Cに接続されていて、制御弁80A、80B、80Cが作動したときの負荷圧を検出する油路である。また、第1検出油路250は、流量補償弁252にも接続されていて、各制御弁80A、80B、80Cの負荷圧のうち最高の負荷圧である「PLS信号圧」を流量補償弁252に伝達する。第2検出油路251(PPS油路ということがある)は、第1油圧ポンプP1の吐出側と流量補償弁252を接続していて、第1油圧ポンプP1の作動油の吐出圧である「PPS信号圧」を流量補償弁252に伝達する。
馬力制御システムは、第2油圧ポンプP2から吐出した作動油(パイロット油)の圧力である第1圧力(Pi)と、第2油圧ポンプP2から吐出した流量を減少させた後の作動油(パイロット油)の圧力である第2圧力(PA)との差圧(第2差圧:PA−Pi)に基づいて、第1油圧ポンプP1を制御する装置である。
差圧作動部261のボトム側には、第1取出油路255の一端が接続され、差圧作動部261のロッド側には、第2取出油路256の一端が接続されている。第1取出油路255の他端及び第2取出油路256の他端は、第3供給路100dにおいて、比例弁45の下流側に接続されている。なお、第1取出油路255及び第2取出油路256は、第3供給路100dの一部である。
第1圧力(Pi)は、第1取出油路255を流れる作動油の圧力であり、第2圧力(PA)は、第2取出油路256を流れる作動油の圧力である。馬力制御システムでは、第1圧力が第2圧力よりも大きくなると、差圧作動部261のピストン261aがロッド261cを伸長させる方向に移動し、第2圧力が第1圧力よりも大きくなると、ピストン261aがロッド261cを収縮させる方向に移動する。そして、ロッド261cは、流量補償弁252に接続されていて、当該ロッド261cはスプリング252aに抗してスプールを移動させることができる。即ち、ロッド261cによって流量補償弁252の開度が変更可能である。馬力制御システムによれば、第2差圧に応じて、流量補償弁252の開度が変わるため、当該第2差圧に応じて第1油圧ポンプP1の出力を変更することが可能である。
<第7実施形態>
図13は、本発明に係る油圧システムの第7実施形態を示している。上述した実施形態では、比例弁45で2つの油圧制御部を制御していたが、第7実施形態では、比例弁45で3つの油圧制御部を制御している。第7実施形態では、3つの油圧制御部として、ブレーキ機構59、第1油圧切換弁163、シャット弁270を採用している。なお、本発明は、第7実施形態に示した油圧制御部に限定されず、全ての実施形態に示した全ての油圧制御部の組合せが適用可能である。
第3供給路100dにおいて、比例弁45とブレーキ機構59とを接続する区間、比例弁45と第1油圧切換弁163とを接続する区間には、差圧部200が設けられている。
路271の中途部と、バケット制御弁80Bとチルトシリンダ28とを接続する油路272の中途部に設けられている。
なお、この実施形態では、油圧アクチュエータとして、油圧シリンダを例示したが、油圧アクチュエータであれば何でもよい。
<第8実施形態>
図14A〜図14Cは、本発明に係る油圧システムの第8実施形態を示している。第8実施形態の油圧システムは、上述した実施形態の油圧システムにおいて、設定圧部を設けたシステムである。上述した実施形態と同様の構成については省略する。
図14Aに示すように、ブレーキ機構59及び第1油圧切換弁163が比例弁45で制御する油圧制御部として採用されている。設定圧部300Aは、ブレーキ機構59(第1油圧制御部)に付与される圧力と、第1油圧切換弁163(第2圧力制御部)に付与される圧力との差を所定の圧力に設定する。
163の受圧特性等(作動圧等)によって設定される。
図14Bに示すように、ブレーキ機構59、第1油圧切換弁163及びシャット弁270が比例弁45で制御する油圧制御部として採用されている。図14に示す設定圧部300A及び設定圧部300Bのうち、設定圧部300Aは、逆止弁(差圧チェック弁)301aと、バイパス回路302aと、絞り部303aとを有している。逆止弁301aは、第3供給路100dの分岐部101と第1油圧切換弁163との区間に設けられている。バイパス回路302aは、逆止弁301aの上流側及び下流側をバイバスする。絞り部303aは、バイパス油路302aに設けられている。絞り部303aの内径(絞り径)は、逆止弁301aが作動する範囲で設定されている。
したがって、シャット弁27を作動させた後、ブレーキ機構59を逆止弁301bで設定された圧力以上で作動させることができる。また、ブレーキ機構59を作動させた後に、第1油圧切換弁163を逆止弁301aの設定圧に設定された圧力以上で作動させることができる。即ち、ブレーキ機構59、第1油圧切換弁163及びシャット弁270を、安定的に作動することができる。
図14Cに示すように、第1油圧ロック弁220及び第2油圧ロック弁230が比例弁45で制御する油圧制御部として採用されている。第1油圧ロック弁220及び第2油圧ロック弁230は、第3供給路100dを介して比例弁45が接続されている。
<第9実施形態>
図15Aは、本発明に係る油圧システムの第9実施形態を示している。第9実施形態の
油圧システムは、上述した実施形態と同様の構成については省略する。
上述した第1実施形態〜第3実施形態では、第1油圧切換弁63による速度切換、ブレーキ機構59による制動制御、第2油圧切換弁90によるフロート制御について説明したが、速度切換、制動制御、フロート制御、油圧ロックの組み合わせは上述した実施形態に限定されない。
27 走行モータ
45 比例弁
59 ブレーキ機構
63 第1油圧切換弁
70 制御装置
80 制御弁
81 操作部材
82 リモコン弁
90 第2油圧切換弁
200 差圧部
201、202 ブリード回路
203 絞り部
210 測定装置
270 シャット弁
P2 油圧ポンプ
Claims (17)
- 作動油を吐出する油圧ポンプと、
作動油によって作動する油圧機器と、
作動油の圧力に応じて作動状態が変化することで前記油圧機器を制御する複数の油圧制御部と、
前記複数の油圧制御部に接続され且つ当該油圧制御部に供給する作動油の圧力を設定可能な比例弁と、
を備えている作業機の油圧システム。 - 前記複数の油圧制御部のうち、任意の油圧制御部である第1油圧制御部の作動状態が変化する圧力と、前記第1油圧制御部とは異なる第2油圧制御部の作動状態が変化する圧力とが異なっている請求項1に記載の作業機の油圧システム。
- 前記複数の油圧制御部のうち、任意の油圧制御部である第1油圧制御部に作用する作動油の圧力と、前記第1油圧制御部とは異なる第2油圧制御部に作用する作動油の圧力とを異ならせる差圧部を備えている請求項1又は2に記載の作業機の油圧システム。
- 前記差圧部は、前記比例弁と前記第2油圧制御部とを接続する油路に設けられたブリードオフ回路と、ブリード回路の上流に設けられた絞り部とを有している請求項3に記載の作業機の油圧システム。
- 前記複数の油圧制御部のうち、任意の油圧制御部である第1油圧制御部に作用する作動油の圧力と、前記第1油圧制御部とは異なる第2油圧制御部に作用する作動油の圧力とを異ならせる差圧部と、
少なくとも前記第2油圧制御部に作用する作動油の圧力を測定する測定装置と、
前記測定装置で測定された圧力に基づいて前記比例弁を制御する制御装置と、
を備えている請求項1又は2に記載の作業機の油圧システム。 - 操作部材を備え、
前記油圧機器は、油圧アクチュエータと、前記操作部材によって設定された作動油の圧力に応じて作動状態が変化することで前記油圧アクチュエータに流れる作動油を制御可能な制御弁と、走行モータとを含み
前記複数の油圧制御部は、
前記油圧アクチュエータと前記制御弁との間に設けられ且つ、作動油の圧力によって前記作動状態が変化して前記油圧アクチュエータに作動油を供給する供給状態と作動油を供給しない遮断状態とに切り換わるシャット弁と、
作動油の圧力によって前記作動状態が変化して前記走行モータの制動と当該制動の解除とを行うブレーキ機構と、
を含んでいる請求項1に記載の作業機の油圧システム。 - 操作部材を備え、
前記油圧機器は、油圧アクチュエータと、前記操作部材によって設定された作動油の圧力に応じて作動状態が変化することで前記油圧アクチュエータに流れる作動油を制御可能な制御弁と、走行モータとを含み
前記複数の油圧制御部は、
前記油圧アクチュエータと前記制御弁との間に設けられ且つ、作動油の圧力によって前記作動状態が変化して前記油圧アクチュエータに作動油を供給する供給状態と作動油を供給しない遮断状態とに切り換わるシャット弁と、
作動油の圧力によって前記作動状態が変化して前記走行モータの速度を変更可能な第1
油圧切換弁と、
を含んでいる請求項1に記載の作業機の油圧システム。 - 前記油圧機器は、走行モータを含み、
前記複数の油圧制御部は、
作動油の圧力によって前記作動状態が変化して前記走行モータの速度を変更可能な第1油圧切換弁と、
作動油の圧力によって前記作動状態が変化して前記走行モータの制動と当該制動の解除とを行うブレーキ機構と、
を含んでいる請求項1に記載の作業機の油圧システム。 - 前記第1油圧切換弁は、前記走行モータの速度を1速に変える第1位置と、前記走行モータの速度を2速に変える第2位置とに切換可能な弁であって、
前記比例弁は、
前記第1油圧切換弁及び前記ブレーキ機構に付与する作動油の圧力を、前記1油圧切換弁に対しては第1位置に保持し且つ、前記ブレーキ機構に対しては前記走行モータの制動を解除する圧力に設定する請求項8記載の作業機の油圧システム。 - 操作部材を備え、
前記油圧機器は、作動油によって伸縮する油圧シリンダを含み、
前記油圧制御部は、
前記操作部材によって設定された作動油の圧力に応じて作動状態が変化することで前記油圧シリンダに流れる作動油を制御可能な制御弁と、
前記比例弁によって設定された作動油の圧力によって前記作動状態が変化して前記油圧シリンダに作動油を供給可能とする第3位置と前記油圧シリンダの作動油を抜く第4位置とに切り換え可能な第2油圧切換弁と、
を含んでいる請求項1に記載の作業機の油圧システム。 - 操作部材と、
前記操作部材の操作に応じて作動油の圧力を変化させ且つ変化後の作動油を前記油圧制御部に供給するリモコン弁と、
を備え、
前記比例弁は、前記リモコン弁に接続して当該リモコン弁に供給する作動油を供給可能である請求項1〜10のいずれかに記載の作業機の油圧システム。 - 前記比例弁は、前記油圧制御部及びリモコン弁に供給する作動油を停止する請求項11に記載の作業機の油圧システム。
- 前記油圧制御部に作用する作動油の圧力を測定する測定装置と、
前記測定装置で測定された圧力に基づいて前記比例弁を制御する制御装置と、
を備えている請求項1〜12のいずれかに記載の作業機の油圧システム。 - 前記複数の油圧制御部のうち、任意の油圧制御部である第1油圧制御部に付与される圧力と、前記第1油圧制御部とは異なる第2油圧制御部に付与される圧力との差圧を所定の圧力に設定する設定圧力部を備えている請求項1〜13のいずれかに記載の作業機の油圧システム。
- 前記制御装置は、前記測定装置の圧力に基づいて前記比例弁の状態を検出する状態判断部を有している請求項13又は14に記載の作業機の油圧システム。
- 作動油を吐出する油圧ポンプと、
作動油によって作動する油圧機器と、
作動油の圧力に応じて作動状態が変化することで前記油圧機器を制御する油圧制御部と、
前記油圧制御部に供給する作動油の圧力を設定可能な電磁弁と、
前記電磁弁から油圧制御部へ流れる作動油の圧力を測定する測定装置と、
前記測定装置の圧力に基づいて前記電磁弁の状態を検出する状態判断部と、
を有している作業機の油圧システム。 - 請求項1〜16のいずれかに記載の作業機の油圧システムを備えている作業機。
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