JP2016147779A - 自己熱型改質器 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、触媒の利用率を向上できる自己熱型改質器を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の自己熱型改質器は、酸化及び改質触媒を含む酸化改質層を備え、この酸化改質層にて炭化水素及び水蒸気の混合ガスに含まれる上記炭化水素の一部を燃焼させ、この燃焼熱により上記炭化水素の水蒸気改質反応を行う自己熱型改質器であって、上記酸化改質層に酸素含有ガスを供給する配管と、上記配管の先端部に付設され、上記混合ガスを分散噴出する多孔質体とを備え、上記多孔質体の少なくとも一部が上記酸化改質層中に挿入されていることを特徴とする。上記多孔質体が、上記配管の先端に接合されていてもよい。上記多孔質体が、上記配管内に嵌合されており、上記配管が、上記多孔質体挿入領域に多孔質体が露出する複数の開口部を有してもよい。上記多孔質体の融点が改質触媒及び酸化触媒の担体の融点よりも高いとよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、自己熱型改質器に関する。
水蒸気改質法は水素の代表的な製造方法である。この水蒸気改質法においては、天然ガス、ナフサ、灯油、メタノールなどの炭化水素含有ガスと水蒸気との混合ガスを改質触媒の存在下で改質して一酸化炭素と水素とを生成させる。この改質反応は吸熱反応であり、改質反応に必要な熱源として上記炭化水素の酸化反応熱、つまり燃焼熱を用いる自己熱型改質器が知られている。
一般に、自己熱型改質器は、酸化反応を促進する触媒と改質反応を促進する触媒とを含む酸化改質層を備えており、水素製造の際には、この酸化改質層に上記混合ガスに加えて少量の酸素含有ガスを供給する。こうすることで、酸化改質層内において酸化触媒の存在により炭化水素の一部が酸化、つまり燃焼し、この燃焼熱を利用して上記改質反応を進めることができる。
上記酸化改質層内における混合ガス中の酸素濃度が高いと、過剰な酸化反応が生じて温度が過度に上昇することにより触媒の活性が失われるおそれがある。このため、従来の自己熱型改質器では、酸化改質層への酸素含有ガスの供給量が制限される一方、酸化改質層の下流側では酸素が不足して改質反応を十分に進めることができない場合がある。
そこで、酸化改質層内で酸化反応が局所的に生じないようにするために、酸化改質層内に延在するよう酸素供給管を配設し、この酸素供給管に複数の開口を設けることにより、酸化触媒に対して複数箇所から酸化改質層内に酸素を供給することが提案されている(特開2007−153665号公報参照)。
しかしながら、上記公報に開示されるように複数の開口を有する酸素供給管を用いて酸素含有ガスを供給しても、その開口近傍における酸化反応が局所的に過剰となるおそれがあるため、触媒の能力を最大限に発揮させるには至っておらず、触媒の利用率をさらに向上させる余地がある。
特開2007−153665号公報
本発明は、上述のような事情に基づいてなされたものであり、触媒の利用率を向上できる自己熱型改質器を提供することを課題とする。
本発明の自己熱型改質器は、酸化及び改質触媒を含む酸化改質層を備え、この酸化改質層にて炭化水素及び水蒸気の混合ガスに含まれる上記炭化水素の一部を燃焼させ、この燃焼熱により上記炭化水素の水蒸気改質反応を行う自己熱型改質器であって、上記酸化改質層に酸素含有ガスを供給する配管と、上記配管の先端部に付設され、上記混合ガスを分散噴出する多孔質体とを備え、上記多孔質体の少なくとも一部が上記酸化改質層中に挿入されていることを特徴とする。
当該自己熱型改質器は、多孔質体を介して酸化改質層内に酸素含有ガスを分散噴出するので、酸化改質層内の酸素濃度の局所的上昇を抑制できる。このため、酸化改質層内での局所的な温度上昇を防止しながら、酸化改質層全体に酸素を供給して触媒の利用率を向上させ、改質反応を促進することができる。
上記多孔質体が、上記配管の先端に接合されていてもよい。このように、多孔質体が、配管の先端に接合されることにより、多孔質体の全周面から酸素含有ガスを容易に噴出させることができ、酸素濃度の局所的上昇をより効率よく抑制できる。
上記多孔質体が、上記配管内に嵌合されており、上記配管が、上記多孔質体挿入領域に多孔質体が露出する複数の開口部を有してもよい。このように、多孔質体を配管内に嵌合させ、配管に開口部を形成することにより、酸素含有ガスを分散噴出させると共に多孔質体の強度を配管によって補強することができ、特に起動及び停止時の熱応力による多孔質体の損傷を防止できる。
上記多孔質体の平均孔径としては0.1μm以上10μm以下が好ましい。このように、多孔質体の平均孔径が上記範囲内であることによって、多孔質体の上流部分に偏って酸素含有ガスが噴出することが防止されるため、多孔質体からの酸素含有ガスの噴出をより均一にできる。
上記多孔質体の気孔率としては、20%以上80%以下が好ましい。このように、多孔質体の気孔率が上記範囲内であることによっても、多孔質体の上流部分に偏って酸素含有ガスが噴出することが防止されるため、多孔質体からの酸素含有ガスの噴出をより均一にできる。
上記多孔質体の融点が改質触媒及び酸化触媒の担体の融点よりも高いとよい。このように、多孔質体の融点が改質触媒及び酸化触媒の担体の融点よりも高いことによって、万一酸化改質層内の温度が過度に上昇しても多孔質体の損傷を防止することができるので、当該自己熱型改質器を長寿命化できる。
上記多孔質体の下流端が、酸化改質層の下流端より上流側、かつ酸化改質層の下流端を基準として酸化改質層の長さの0.2倍上流側の点より下流側に位置するとよい。このように、多孔質体の下流端が上記範囲内に位置することによって、酸化改質層における触媒の利用率を向上しながら、酸化改質層内で酸素を略全て燃焼させることができる。
上記多孔質体の上流端が、酸化改質層の上流端より上流側、かつ酸化改質層の上流端を基準とし、酸化改質層の長さの0.2倍上流側の点より下流側に位置するとよい。このように、多孔質体の上流端が上記範囲内に位置することによって、酸化改質層における触媒の利用率を向上しながら酸化改質層の上流端における過剰な燃焼を防止できる。
上記多孔質体近傍での配管内の平均圧力と多孔質体近傍での酸化改質層内の平均圧力との差の多孔質体近傍での酸化改質層内の平均圧力に対するとしては、0.0125以上0.25以下が好ましい。このように、多孔質体近傍での配管内の平均圧力と酸化改質層内の平均圧力との差、つまり多孔質体における平均圧力損失の酸化改質層内の平均圧力に対する比が上記範囲内であることによって、多孔質体からの酸素含有ガスの噴出量を適切に調整することが容易となる。
ここで、「酸化及び改質触媒」とは、酸化触媒と改質触媒との混合物に加え、酸化反応に対する触媒機能と改質反応に対する触媒機能とを併せ持つ触媒をも含む。「多孔質体」とは、連続気孔を有する材質で形成される部材を意味し、連続気孔を有せず、独立した貫通孔を設けただけのものは含まない。また、「多孔質体の平均孔径」及び「多孔質体の気孔率」は、細孔分布測定装置により測定される値である。
以上のように、本発明の自己熱型改質器は、触媒の利用率を向上できる。
図1は、本発明の一実施形態の自己熱型改質器を示す模式的断面図である。 図2は、図1の自己熱型改質器の模式的A−A線断面図である。 図3は、図1の自己熱型改質器の配管先端部の多孔質体の模式的拡大断面図である。 図4は、図3とは異なる実施形態の自己熱型改質器の配管先端部の多孔質体の模式的拡大断面図である。 図5は、図3及び図4とは異なる実施形態の自己熱型改質器の配管先端部の多孔質体の模式的拡大側面図である。 図6は、図5の配管先端部の多孔質体のB−B線断面図である。 図7は、図3から図6とは異なる実施形態の自己熱型改質器の配管先端部の多孔質体の模式的拡大断面図である。 図8は、図3から図7とは異なる実施形態の自己熱型改質器の配管先端部の多孔質体の模式的拡大断面図である。 図9は、図3から図8とは異なる実施形態の自己熱型改質器の配管先端部の多孔質体の模式的拡大断面図である。
[本発明の実施形態の説明]
以下、本発明に係る自己熱型改質器の各実施形態について図面を参照しつつ詳説する。
[第1実施形態]
図1及び図2の自己熱型改質器は、炭化水素及び水蒸気の混合ガスに含まれる炭化水素の一部を燃焼させ、この燃焼熱により炭化水素の水蒸気改質反応により水素を含有する改質ガスの生成を行う装置である。
この自己熱型改質器は、二重管から形成され、この二重管の間に断面が環状のガスの流路となる内部空間を形成する内容器1と、この内容器1を収容する外容器2と、内容器1の内管の内側を貫通して軸方向に延伸し、内容器1の上流側で複数に分岐して、それぞれの先端部が内容器1の内部空間の上流側端部に挿入される酸素供給配管3と、酸素供給配管3の複数の先端部にそれぞれ付設される複数の多孔質体4とを備える。
<内容器>
内容器1は、その内部に形成され、酸化及び改質触媒を含む酸化改質層5と、この酸化改質層5の下流側に位置するCO変成層6とを備える。図1の自己熱型改質器では、後述するように上端から混合ガスが供給されるため、酸化改質層5の下方にCO変成層6が形成されている。また、図1の内容器1は、上端が開放され、下端が封止されると共に、外管の下端部近傍に改質ガスを流出させる排出管7が接続されている。
(酸化改質層)
酸化改質層5は、内容器1内に配設された通気性を有する支持部材8の上に、酸化及び改質触媒を例えば粒子状の担体に担持させたものを積層して形成され、空隙を有することによってガスが通過できるように形成される。当該自己熱型改質器では、この酸化改質層5にて、炭化水素及び水蒸気の混合ガスに含まれる炭化水素の一部を燃焼させ、この燃焼熱により炭化水素の水蒸気改質反応を行う。
酸化及び改質触媒は、一般に、炭化水素の酸化、つまり燃焼を促進する酸化触媒と、炭化水素を水蒸気と反応させる水蒸気改質反応を促進する改質触媒とを混合したものが用いられる。
上記酸化触媒は、炭化水素を酸化させて、水蒸気改質反応に必要な熱を得るものである。上記酸化触媒としては、特に限定されず公知のものを用いることができ、例えば、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
上記酸化触媒及び改質触媒の合計に対する酸化触媒の含有量は、用いられる炭化水素の種類等によって適宜選択されるが、例えば1質量%以上15質量%以下とされる。なお、炭化水素としてメタンを使用する場合は1質量%以上5質量%以下が好ましく、メタノールを使用する場合は1質量%以上3質量%以下が好ましい。
上記改質触媒は、炭化水素を水蒸気と反応させて水素を生成させる水蒸気改質反応を促進する。この水蒸気改質反応では、炭化水素と水蒸気とを反応させて一酸化炭素と水素とを生成するが、生成された一酸化炭素が水蒸気と反応して二酸化炭素と水素とを生成する水性ガスシフト反応を伴う。
上記改質触媒としては、特に限定されず公知のものを用いることができ、例えば、NiO−A1O、NiO−SiO・A1、WO−SiO・A1、NiO−WO・SiO・A1等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
酸化及び改質触媒としては、上記酸化触媒及び改質触媒を混合して用いる代わりに、酸化反応を促進する触媒機能と改質反応を促進する触媒機能とを兼ね備える触媒を用いることもできる。例えばNiO−A1O、NiO−SiO・A1、WO−SiO・A1、NiO−WO・SiO・A1等を基材とし、この基材の表面に酸化機能を付与する酸化反応活性種として例えば白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等を付着させた触媒を用いることができる。
このような酸化及び改質触媒は、担体によって担持される。担体としては、特に限定されず公知のものを用いることができ、例えばアルミナ、シリカ、ゼオライト等が用いられる。
酸化及び改質触媒を担体によって担持した担持体の形状としては、特に限定されず、ペレット型やモノリス型などのものを用いることができる。
酸化及び改質触媒を支持する支持部材8は、酸化及び改質触媒の担持体が通過せず、ガスを通気させ、かつ十分な強度を有するものであればよく、例えば多孔板、ワイヤーメッシュ等によって形成される。
(CO変成層)
CO変成層6は、内容器1内に配設された通気性を有する支持部材9の上に、CO変成触媒を例えば粒子状の担体に担持させたものを積層して形成され、空隙を有することによって気体が通過できるように形成される。
CO変成触媒は、酸化改質層の下流側に、酸化改質層から流出した改質ガス中に残留する一酸化炭素と水蒸気との水性シフト反応を促進する。
CO変成触媒としては、特に限定されず公知のものを用いることができ、また高温変成触媒層と低温変成触媒層との2段構成としてもよい。上記変成触媒としては、特に限定されず公知のものを用いることができ、例えば、CuO−ZnO、Fe、Fe、酸化銅等を挙げることができる。これらは、1種又は2種以上を混合して用いることができる。
CO変成触媒は、上記酸化及び改質触媒と同様に、担体に担持されて粒状物とされ、内容器1内に積層されることによりCO変成層6を形成する。
CO変成触媒を支持する支持部材9は、酸化及び改質触媒を支持する支持部材9と同様のものとされる。
<外容器>
外容器2は、内容器1を収容し、両端が封止された円筒状の容器である。この外容器2は、下端近傍に混合ガスが供給される供給路10が設けられている。このような構成により、外容器2は、内容器1の内管の内面及び外管の外面に沿って混合ガスを案内し、混合ガスを内容器1の熱により予熱してから内容器1の上端に供給する。
<配管>
酸素供給配管3は、内容器1内の酸化改質層5に酸素を含む酸素含有ガスを供給する。酸素供給配管3は、外容器2の下流側の外壁を貫通して内容器1の内管のさらに内側の空間を上下方向に延伸し、内容器1の上方で先端部が複数に分岐している。この酸素供給配管3の複数の先端部は、平面視で酸化改質層5の領域内に略等間隔に配設される。この酸素供給配管3は、分岐する前の上流部が内容器1の内管の内側を通るよう配設されることで、酸素含有ガスを予熱する効果を有する。
酸素供給配管3を介して供給される酸素含有ガスとしては、酸素を含むガスであればよいが、通常は空気もしくは純酸素が使用される。
<多孔質体>
多孔質体4は、円筒状に形成され、混合ガスの流れ方向に沿って上下に延在するよう配設される。この多孔質体4は、少なくとも一部が上記酸化改質層5中に挿入されており、酸素供給配管3から供給される酸素含有ガスを分散噴出する。図1の自己熱型改質器における多孔質体4は、図3に示すように、酸素供給配管3の先端に接合された管状の部材であり、先端が封止部材11によって封止されている。
多孔質体4の酸素供給配管3への接合方法及び多孔質体4への封止部材11の接合方法としては、例えば溶接、拡散接合、ねじ等による機械的接合などが適用できる。
多孔質体4の材質としては、炭化水素の燃焼熱に耐えられる耐熱性を有し、酸素含有ガスを分散噴出できるような連続気孔(小さい気孔が互いに連通し合うもの)を有するものであればよいが、例えば焼結金属やセラミックス等が使用される。
この多孔質体4の融点は、酸化及び改質触媒の担体の融点よりも高いことが好ましい。多孔質体4の融点が酸化及び改質触媒の担体の融点よりも低い場合、多孔質体4が溶融して当該自己熱型改質器の寿命を縮めるおそれがある。融点が高い多孔質材料としては、例えばジルコニア、スピネル、イットリア等のセラミックス、多孔質焼結金属体などが挙げられる。
多孔質体4の平均外径としては、特に限定されないが、例えば1mm以上10mm以下とされる。一方、多孔質体4の平均内径としては、特に限定されないが、例えば0.5mm以上8.0mm以下とされる。
多孔質体4の下流端の下流側の限界位置としては、酸化改質層5の下流端が好ましく、酸化改質層5の下流端を基準として酸化改質層5の流れ方向の長さの0.05倍上流側の点がより好ましい。逆に、多孔質体4の下流端の上流側の限界位置としては、酸化改質層5の下流端を基準として酸化改質層5の流れ方向の長さの0.2倍上流側の点が好ましく、酸化改質層5の流れ方向の長さの0.15倍上流側の点がより好ましい。多孔質体4の下流端が上記下流側の限界位置よりも下流側に位置する場合、酸素含有ガスにより供給される酸素を消費できず酸化改質層5から下流側に酸素をキャリーオーバーさせるおそれがある。逆に、多孔質体4の下流端が上記上流側の限界位置よりも上流側に位置する場合、酸化改質層5の下流側の酸素が供給されない領域が大きくなり、触媒利用率が低下するおそれがある。
多孔質体4の上流端の下流側の限界位置としては、酸化改質層5の上流端が好ましく、酸化改質層5の上流端を基準として酸化改質層5の流れ方向の長さの0.05倍上流側の点がより好ましい。逆に、多孔質体4の上流端の上流側の限界位置としては、酸化改質層5の上流端を基準として酸化改質層5の流れ方向の長さの0.2倍上流側の点が好ましく、酸化改質層5の流れ方向の長さの0.15倍上流側の点がより好ましい。多孔質体4の上流端が上記下流側の限界位置よりも下流側に位置する場合、酸化改質層5の上流側の酸素が供給されない領域が大きくなり、酸化及び改質触媒の利用率が不十分となるおそれがある。逆に、多孔質体4の上流端が上記上流側の限界位置よりも上流側に位置する場合、酸化改質層5の上流端に酸素が過剰に供給され、過度の燃焼が生じて酸化及び改質触媒が活性を失うおそれがある。
多孔質体4の平均孔径の下限としては、0.1μmが好ましく、0.5μmがより好ましい。一方、多孔質体4の平均孔径の上限としては、10μmが好ましく、5μmがより好ましい。多孔質体4の平均孔径が上記下限に満たない場合、多孔質体における混合ガスの通過抵抗が大きすぎて、十分な量の酸素含有ガスを噴出できず、混合ガスを十分に改質できないおそれがある。逆に、多孔質体4の平均孔径が上記上限を超える場合、多孔質体4における混合ガスの通過抵抗が小さすぎて、多孔質体4の上流部分からの混合ガスの噴出量が大きくなり、部分的に酸素が過剰供給されて酸化及び改質触媒が活性を失うおそれがある。
また、多孔質体4の空隙率の下限としては、20%が好ましく、25%がより好ましい。一方、多孔質体4の空隙率の上限としては、80%が好ましく、60%がより好ましい。多孔質体4の空隙率が上記下限に満たない場合、多孔質体における混合ガスの通過抵抗が大きすぎて、十分な量の酸素含有ガスを噴出できず、混合ガスを十分に改質できないおそれがある。逆に、多孔質体4の空隙率が上記上限を超える場合、多孔質体4における混合ガスの通過抵抗が小さすぎて、多孔質体4の上流部分からの混合ガスの噴出量が大きくなり、部分的に酸素が過剰供給されて酸化及び改質触媒が活性を失うおそれがある。
多孔質体4近傍での酸素供給配管3内の平均圧力つまり混合ガスの供給圧力Psと、多孔質体4近傍での酸化改質層5内の平均圧力つまり混合ガスが改質されるときの改質圧力Pcとの差の多孔質体近傍での酸化改質層5内の平均圧力Pcに対する圧力比(Ps−Pc)/Pcの下限としては、0.0125が好ましく、0.05がより好ましい。一方、上記圧力比(Ps−Pc)/Pcの上限としては、0.25が好ましく、0.2がより好ましい。上記圧力比(Ps−Pc)/Pcが上記下限に満たない場合、ガスを十分に分配することができず、多孔質体4の上流部分からの混合ガスの噴出量が大きくなり、部分的に酸素が過剰供給されて酸化及び改質触媒が活性を失うおそれがある。逆に、上記圧力比(Ps−Pc)/Pcが上記上限を超える場合、酸素含有ガスの供給圧力を高くする必要があり、エネルギー効率が悪化するおそれや、供給圧力不足により十分な量の酸素含有ガスを噴出できず、混合ガスを十分に改質できないおそれがある。
多孔質体4の下流端を封止する封止部材11は、通常、無孔性の材料で形成されることが好ましいが、支持部材8までの距離が大きい場合には、多孔質材料から形成されることが好ましい場合もある。封止部材11を多孔質材料で形成する場合、多孔質体4と気孔の平均孔径及び空隙率が異なる材料を使用してもよい。
また、上記改質圧力Pcの下限としては、0.2MPaが好ましく、0.5MPaがより好ましい。一方、上記改質圧力Pcの上限としては、1.5MPaが好ましく、1.2MPaがより好ましい。上記改質圧力Pcが上記下限に満たない場合、CO変成層6等の下流側での圧力損失により十分な流量を確保できないおそれがある。逆に、上記改質圧力Pcが上記上限を超える場合、当該自己熱型改質器の耐圧性が不足するおそれや、耐圧化のために当該自己熱型改質器が高価となるおそれがある。特に、上記改質圧力Pcを1.0MPa未満とすれば、法令上高圧ガスとして取り扱われないため、設備コスト及び運用コストを低減することができる。
<利点>
当該自己熱型改質器は、酸素供給配管3の先端に接合される多孔質体4の周面全体から略一様に酸素含有ガスが噴出するので、酸素濃度の局所的上昇を効率よく抑制して、酸化改質層5内での酸化反応の偏りを効果的に防止できる。このため、酸化改質層5に酸素含有ガスを十分に供給し、酸化及び改質触媒の利用率を向上しながら、局所的に温度が上昇して酸化及び改質触媒が失活することを防止できる。
[第2実施形態]
図4は、図3の自己熱型改質器の酸素供給配管3の先端部及び多孔質体4に替えて用いることができる酸素供給配管3aの先端部及び多孔質体4aを示す。
図4の多孔質体4aは、酸素供給配管3a内に嵌合されており、この酸素供給配管3は、多孔質体4a挿入領域に多孔質体4aが露出する複数の開口部12が形成されている。この酸素供給配管3aの先端部は、多孔質体4aと共に酸化改質層5中に挿入される。また、この酸素供給配管3aの先端は、封止部材11によって封止されている。図4の多孔質体4aの酸化改質層5に対する位置関係は、図3の自己熱型改質器の多孔質体4と同様である。
<利点>
図4の酸素供給配管3a及び多孔質体4aを用いることによって、多孔質体4aに高い機械的強度が要求されないので、多孔質体4aの材質選択可能性が拡がると共に、多孔質体4aを酸化改質層5中に挿入する作業が容易となる。
また、多孔質体4aが配管3a内に嵌合されることによって保持されていることで、当該自己熱型改質器の起動及び停止時の熱応力の影響を緩和することができる。具体的には、図4の構成とすることにより、多孔質体4aと配管3aとの熱膨張率の差に起因してこれらの接合面に作用する熱応力が多孔質体4aを配管3aから脱離させる危険性を低減できる。
[第3実施形態]
図5及び図6は、図3の自己熱型改質器の酸素供給配管3の先端部及び多孔質体4に替えて用いることができる別の酸素供給配管3bの先端部及び多孔質体4bを示す。
図5及び図6の多孔質体4bは、円筒状の部材の外周面に軸方向の係合溝13が形成されている。この係合溝13には、酸素供給配管3bの先端から軸方向に伸びるように突設、好ましくは酸素供給配管3bを構成するパイプの他の部分を切除して形成された延出部14が係合している。多孔質体4bの下流端を封止するよう配設される封止部材11は、上記延出部14の先端に接合されている。
<利点>
図5及び図6の酸素供給配管3bの先端部及び多孔質体4bは、図3の実施形態と比べて酸素供給配管3bと多孔質体4bとの接合強度が高く、かつ図4の実施形態と比べて多孔質体4bの周面がより大きく露出するので酸素含有ガスの噴出の均一性が高い。
[第4実施形態]
図7は、図3の自己熱型改質器の酸素供給配管3の先端部及び多孔質体4に替えて用いることができるさらなる酸素供給配管3cの先端部及び多孔質体4cを示す。
図7の多孔質体4cは、概略円筒状に形成され、酸素供給配管3cの先端部外周に嵌装されている。また、酸素供給配管3cの多孔質体4c嵌装領域には複数の開口部12cが形成されている。酸素供給配管3cの先端は、多孔質体4cの下流端の内側に嵌合する封止部材11によって封止されている。
<利点>
図7の酸素供給配管3cの先端部及び多孔質体4cは、酸素供給配管3cが多孔質体4cを内側から補強する。また、多孔質体4cは、酸素供給配管3cの複数の開口部12cから流出する酸素含有ガスをさらに分散して酸化改質層5に放出することで、酸化改質層5の局所的加熱を防止する。
[第5実施形態]
図8は、図3の自己熱型改質器の酸素供給配管3の先端部及び多孔質体4に替えて用いることができるさらなる酸素供給配管3dの先端部及び多孔質体4dを示す。
図8の酸素供給配管3dの先端部外周には、雄ねじ15が形成され、有底円筒状の多孔質体4dの開放側端部の内周に形成された雌ねじ16に螺合している。また、多孔質体4dは、酸素供給配管3dの数倍の外径を有している。
<利点>
図8の酸素供給配管3dの先端部及び多孔質体4dは、ねじ15,16の螺合により接合されるので、製造が容易で、比較的簡単に多孔質体4dのみを交換することもできる。また、多孔質体4dは、周面の表面積が大きいので、多孔質体4bから噴出する酸素含有ガスの流速が小さく、酸化改質層5の局所的加熱をより効果的に抑制できる。
[第6実施形態]
図9は、図3の自己熱型改質器の酸素供給配管3の先端部及び多孔質体4に替えて用いることができるさらなる酸素供給配管3eの先端部及び多孔質体4eを示す。
図9の多孔質体4eは、流れ方向に空隙率の異なる3つの部分17,18,19からなる。多孔質体4eの上流部分17よりも中流部分18の方が空隙率が大きく、中流部分18よりも下流部分19の方がさらに空隙率が大きい。
<利点>
図9の多孔質体4eは、酸素供給配管3eの先端に接合され、下流側程空隙率が大きいので、酸素含有ガスの放出により圧力が低下する下流側程多孔質体4eの透過抵抗が小さくなり、上流側と下流側との酸素含有ガスの噴出量の差を小さくすることができる。これにより、酸化改質層5の酸化及び改質触媒の利用率をさらに向上できる。
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本発明の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて各構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本発明の範囲に属するものと解釈されるべきである。
上記実施形態では、酸化改質層に供給する混合ガス及び酸素含有ガスを酸化改質層において発生する熱によって予熱する構成としたが、混合ガス及び酸素含有ガスを予熱せずに酸化改質層に供給してもよく、別の手段によって予熱してもよい。
また、当該自己熱型改質器の上下関係は上記実施形態の説明に限定されない。つまり、当該自己熱型改質器は、混合ガスが水平に流れるものであってよく、混合ガスが垂直方向に下から上へ流れるものであってもよく、混合ガスが垂直及び水平とも異なる斜め方向に流れるものであってもよい。この場合、各触媒を保持するため、支持部材の配置は適宜変更される。
当該自己熱型改質器において、複数の多孔質体が酸化改質層に同心円状の複数の列を形成するよう配置されてもよい。
当該自己熱型改質器の断面形状は、上記実施形態のような円環状に限られず、中央に空洞を形成しないものであってもよく、外形が方形等の他の形状であってもよい。また、多孔質体の数及び断面形状も適宜変形が可能である。
当該自己熱型改質器は、多段に水蒸気改質反応を行う改質システムにおける予備改質器として使用することもできる。
本発明は、水素ステーション等に好適に使用することができる。
1 内容器
2 外容器
3,3a,3b,3c,3d,3e 配管
4,4a,4b,4c,4d,4e 多孔質体
5 酸化改質層
6 CO変成層
7 排出管
8,9 支持部材
10 供給管
11 封止部材
12,12c 開口部
13 係合溝
14 延出部
15 雄ねじ
16 雌ねじ
17 上流部分
18 中流部分
19 下流部分

Claims (9)

  1. 酸化及び改質触媒を含む酸化改質層を備え、この酸化改質層にて炭化水素及び水蒸気の混合ガスに含まれる上記炭化水素の一部を燃焼させ、この燃焼熱により上記炭化水素の水蒸気改質反応を行う自己熱型改質器であって、
    上記酸化改質層に酸素含有ガスを供給する配管と、
    上記配管の先端部に付設され、上記混合ガスを分散噴出する多孔質体と
    を備え、
    上記多孔質体の少なくとも一部が上記酸化改質層中に挿入されていることを特徴とする自己熱型改質器。
  2. 上記多孔質体が、上記配管の先端に接合されている請求項1に記載の自己熱型改質器。
  3. 上記多孔質体が、上記配管内に嵌合されており、
    上記配管が、上記多孔質体挿入領域に多孔質体が露出する複数の開口部を有する請求項1に記載の自己熱型改質器。
  4. 上記多孔質体の平均孔径が0.1μm以上10μm以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の自己熱型改質器。
  5. 上記多孔質体の気孔率が20%以上80%以下である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の自己熱型改質器。
  6. 上記多孔質体の融点が改質触媒及び酸化触媒の担体の融点よりも高い請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の自己熱型改質器。
  7. 上記多孔質体の下流端が、酸化改質層の下流端より上流側、かつ酸化改質層の下流端を基準として酸化改質層の長さの0.2倍上流側の点より下流側に位置する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の自己熱型改質器。
  8. 上記多孔質体の上流端が、酸化改質層の上流端より上流側、かつ酸化改質層の上流端を基準とし、酸化改質層の長さの0.2倍上流側の点より下流側に位置する請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の自己熱型改質器。
  9. 上記多孔質体近傍での配管内の平均圧力と多孔質体近傍での酸化改質層内の平均圧力との差の多孔質体近傍での酸化改質層内の平均圧力に対する比が、0.0125以上0.25以下である請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の自己熱型改質器。
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