JP2016144828A - 部材の製造方法、及び、部材の製造システム - Google Patents

部材の製造方法、及び、部材の製造システム Download PDF

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健介 田中
清明 西井
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清明 西井
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Kengo Yamada
憲吾 山田
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Abstract

【課題】 材料歩留まりを向上しつつ消費エネルギーを低減する部材の製造方法を提供する。【解決手段】 被加工部材の外径に比べ小さい外径を有する小径部と被加工部材の径方向に突出する突出部とを有する部材の製造方法では、S103において、被加工部材が有する小径部成形部位の外周壁面の一部に第一当接板及び第二当接板を押し付けつつ被加工部材を転がす。これにより、小径部成形部位の材料が被加工部材の中心軸に沿う方向に移動し、小径部が成形される。また、S104において、ローラを被加工部材が有する突出部成形部位の外周壁面の一部に押し付けつつ被加工部材に対し径方向へ相対移動する。これにより、突出部成形部位の材料が被加工部材の径外方向に移動し、突出部が成形される。【選択図】 図5

Description

本発明は、部材の製造方法、及び、部材の製造システムに関する。
従来、金属からなる被加工部材に圧力を加え所望の形状とする鍛造加工方法が知られている。鍛造加工方法の一つである熱間鍛造加工方法では、再結晶温度以上に加熱された被加工部材がセットされた鍛造用金型に圧力を加え、鍛造用金型の内部空間と同じ形状の部材を成形する。このとき、鍛造用金型の内部空間には、成形される部材に空隙ができないよう内部空間の容積より大きい体積の被加工部材がセットされる。鍛造用金型に圧力を加えたとき内部空間からはみ出す被加工部材の材料の一部は成形された部材のバリとなるため、熱間鍛造加工における材料歩留まりは比較的低くなる。
そこで、例えば、特許文献1には、被加工部材に当接可能な環状突起を有する二本の転造ローラ及び二本のフラットローラを備え、転造ローラによって被加工部材の外周面に環状の突出部を成形すると同時にフラットローラによって当該突出部の径方向外側の外壁を平坦にする部材の製造方法が記載されている。
特開平9−271879号公報
一般に、鍛造加工において被加工部材に作用させる成形荷重は、被加工部材と当該被加工部材に当接する工具との接触面積に比例して大きくなる。特許文献1に記載の部材の製造方法では、被加工部材の中心軸に平行に設けられる二本の転造ローラ及び二本のフラットローラが被加工部材の径方向外側の外壁に押し付けられている。このため、二本の転造ローラ及び二本のフラットロールと被加工部材との接触面積は比較的大きい。当該接触面積が大きくなると、二本の転造ローラ及び二本のフラットロールが被加工部材に作用させる成形荷重が大きくなり、鍛造加工における消費エネルギーが増大するおそれがある。
本発明の目的は、材料歩留まりを向上しつつ部材の製造に必要なエネルギーを低減する部材の製造方法を提供することにある。
本発明は部材の製造方法であって、第一成形工程と第二成形工程とを含む。
第一成形工程は、回転可能に設けられている被加工部材の第一外周壁面の一部に第一工具を押し付け、被加工部材の外径に比べ小さい外径を有する小径部を成形する。
第二成形工程は、第二工具を被加工部材の第二外周壁面の一部に押し付けつつ被加工部材に対し径方向へ相対移動し、被加工部材の径方向に突出する突出部を成形する。
本発明の部材の製造方法では、第一成形工程において、回転可能に設けられている被加工部材の第一外周壁面に第一加工具を押し付けると、被加工部材の第一外周壁面を有する部位の材料が被加工部材の中心軸に沿う方向に移動する。これにより、被加工部材の外径より小さい外径を有する小径部が被加工部材に成形される。
第二成形工程においては、被加工部材の第二外周壁面の一部に押し付けられている第二工具を被加工部材に対し被加工部材の径方向へ相対移動すると、被加工部材の第二外周壁面を有する部位の材料が被加工部材の径方向に移動し、被加工部材の径方向に突出する突出部が被加工部材に形成される。
このように、本発明の部材の製造方法では、第一工具及び第二工具を被加工部材の外周壁面に押し付けることによって被加工部材内で材料を移動し、小径部及び突出部を有する部材を成形する。これにより、被加工部材の材料を全て部材の材料とすることできる。したがって、本発明の部材の製造方法は、材料歩留まりを向上することができる。
また、本発明の部材の製造方法では、被加工部材の第一外周壁面の一部に第一工具を押し付けることで小径部を成形する。被加工部材の第二外周壁面の一部に第二工具を押し付けることで突出部を成形する。すなわち、小径部または突出部のそれぞれを別々の工程において成形する。これにより、被加工部材の全体を一度に成形する場合に比べて被加工部材に作用させる成形荷重を小さくすることができる。
また、本発明の部材の製造方法では、第一工具及び第二工具は、被加工部材の所定の部位の外周壁面の一部に押し付けられる。これにより、第一工具と被加工部材との接触面積、及び、第二工具と被加工部材との接触面積は、被加工部材の全体を一度に成形する場合に比べて小さくなるため、成形荷重がさらに小さくなる。したがって、部材の製造に必要なエネルギーを小さくすることができる。
本発明の第一実施形態による部材の製造システムの模式図である。 本発明の第一実施形態による部材の製造システムが備える小径部成形装置の模式図である。 本発明の第一実施形態による部材の製造システムが備える突出部成形装置の模式図である。 本発明の第一実施形態による部材の製造方法によって成形される被加工部材及び製造された部材の斜視図である。 本発明の第一実施形態による部材の製造方法のフローチャートである。 本発明の第一実施形態による部材の製造方法における小径部成形工程を説明する模式図である。 本発明の第一実施形態による部材の製造方法における突出部成形工程を説明する模式図である。 本発明の第一実施形態による部材の製造方法における被加工部材の形状の変化を説明する模式図である。 本発明の第一実施形態による部材の製造方法の効果を説明する模式図である。 本発明の第二実施形態による部材の製造システムが備える小径部成形装置の模式図である。 本発明の第二実施形態による部材の製造方法における小径部成形工程を説明する模式図である。 本発明の第二実施形態による部材の製造方法における小径部成形工程を説明する模式図であって、図11の続きを説明する模式図である。 本発明の第三実施形態による部材の製造システムの模式図である。 本発明の第三実施形態による部材の製造システムが備える材料寄せ装置の模式図である。 本発明の第三実施形態による部材の製造方法のフローチャートである。 本発明の第三実施形態による部材の製造方法における材料寄せ工程を説明する模式図である。 本発明の第三実施形態による部材の製造方法における材料寄せ工程の効果を説明する模式図である。
以下、本発明の複数の実施形態について図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態による部材の製造システムを図1〜3に示す。「部材の製造システム」としての鍛造加工システム1は、図4(a)に示す被加工部材18を鍛造加工し、図4(b)に示す「部材」としての加工済部材10を成形する。加工済部材10は、例えば、燃料噴射弁が噴射する燃料を蓄えることが可能なコモンレールである。
最初に、加工済部材10と被加工部材18との形状の違いについて図4に基づいて説明する。
図4(a)に被加工部材18の斜視図を示す。被加工部材18は、鍛造加工システム1において成形される前の断面が略円形状の柱状の部材である。被加工部材18は、例えば、金属から形成されている。
加工済部材10は、図4(b)に示すように、柱状に形成されている複数の小径部と小径部に隣り合うよう設けられる複数の突出部とから構成されている。第一実施形態では、加工済部材10は、四個の小径部と三個の突出部とが交互に組み合わせられている。便宜的に、加工済部材10が有する小径部を図4(b)の紙面手前側から順に小径部11、13、15、17とする。また、加工済部材10が有する突出部を図4(b)の紙面手前側から順に突出部12、14、16とする。
小径部11、13、15、17は、軸方向の断面が四個とも同じ外径D10を有する円形状となる円柱状に形成されている。小径部11、13、15、17の中心軸は、四個とも同軸上に設けられている。ここで、小径部11、13、15、17の中心軸を加工済部材10の中心軸C10とする。小径部11、13、15、17の外径D10は、被加工部材18の外径D18に比べ小さい。
突出部12、14、16は、中心軸C10に垂直な断面が矩形状となる直方体状に形成されている。突出部12、14、16は、小径部11、13、15、17の中心軸C10に対して径方向に突出するよう形成されている。第一実施形態では、図4(b)に示すように、突出部12、14、16は、全て図4(b)の紙面の上側に突出するよう形成されている。
次に、鍛造加工システム1の構成について図1に基づいて説明する。鍛造加工システム1は、図1に示すように、制御部8、小径部成形装置20、及び、突出部成形装置30などから構成されている。
制御部8は、内部にいずれも図示しないCPU、ROM、RAMなどを備えている。制御部8は、小径部成形装置20及び突出部成形装置30のそれぞれと信号線L20、L30によって電気的に接続している。制御部8は、外部から入力される加工済部材10の形状に関する情報に基づいて小径部成形装置20及び突出部成形装置30の作動を制御する。
小径部成形装置20は、「第一工具」としての第一当接板21、「第一工具」としての第二当接板22、ベース23、駆動板24、加圧部25、駆動部26などを有する。小径部成形装置20では、被加工部材18は、回転可能に設けられている。なお、説明の便宜上、図2の上側を「天側」、図2の下側を「地側」とするが、小径部成形装置20が設置される向きはこれに限定されない。
第一当接板21は、小径部成形装置20にセットされる被加工部材18の天側に位置する。第一当接板21は、駆動板24に支持されている。第一当接板21は、被加工部材18の外周壁面、例えば、被加工部材18が有する小径部成形部位A11(図4参照)の「第一外周壁面」としての外周壁面110の一部に当接可能に設けられる。第一当接板21は、小径部成形装置20にセットされている被加工部材18の中心軸C18方向の長さが加工済部材10の小径部11、13、15、17の中心軸C10方向の長さ以下となるよう形成されている。
第二当接板22は、小径部成形装置20にセットされる被加工部材18の地側であって第一当接板21と被加工部材18の中心軸C18を挟む位置に設けられる。第二当接板22は、水平面上に固定されているベース23上に固定されている。第二当接板22は、被加工部材18の地側の外周壁面、例えば、小径部成形部位A11の外周壁面110の一部に当接可能に設けられる。第二当接板22は、小径部成形装置20にセットされている被加工部材18の中心軸C18方向の長さが第一当接板21の中心軸C18方向の長さと同じ長さになるよう形成されている。
駆動板24は、一方の端部に第一当接板21が設けられる。他方の端部は、駆動部26に連結している。駆動板24は、小径部成形装置20にセットされている被加工部材18の中心軸C18に対して垂直な方向(図2に示す実線矢印F21)に移動可能に設けられている。これにより、第一当接板21は、中心軸C18に対して垂直な方向に移動可能である。このとき、被加工部材18は、第一当接板21の動きに合わせて図2に示す実線矢印F22の方向に転がりながら移動する。
加圧部25は、駆動板24の天側に設けられる。加圧部25は、駆動板24を介して第一当接板21を被加工部材18に押し付け可能である。
駆動部26は、信号線L20によって制御部8と電気的に接続している。また、駆動部26は、信号線L21によって加圧部25と電気的に接続している。駆動部26は、制御部8が出力する制御信号に応じて、第一当接板21を被加工部材18に押し付けつつ駆動板24を実線矢印F21の方向に駆動させることが可能である。
突出部成形装置30は、「第二工具」としての二つのローラ31、32、上ベース331、下ベース332、支持シャフト34、加圧部35、駆動部36などを有する。なお、説明の便宜上、図3の上側を「天側」、図3の下側を「地側」とするが、突出部成形装置30が設置される向きはこれに限定されない。
二つのローラ31、32は、被加工部材18の径方向外側に中心軸C18を挟む位置に設けられる。二つのローラ31、32は、それぞれ上ベース331、下ベース332に回転可能に支持されている。二つのローラ31、32は、被加工部材18の外周壁面、例えば、被加工部材18が有する突出部成形部位A12(図4参照)の「第二外周壁面」としての外周壁面120の一部に当接可能である。
上ベース331及び下ベース332は、被加工部材18の天側及び地側に設けられる。上ベース331及び下ベース332は、複数の支柱333によって天地方向の間隔を変更可能なよう連結されている。
支持シャフト34は、一方の端部に被加工部材18が接続する。他方の端部は、駆動部36に連結している。支持シャフト34は、突出部成形装置30にセットされている被加工部材18に対して被加工部材18の径方向(図3に示す実線矢印F31)に移動可能に設けられている。
加圧部35は、上ベース331の天側に設けられる。加圧部35は、上ベース331を介してローラ31を被加工部材18に押し付け可能である。
駆動部36は、信号線L30によって制御部8と電気的に接続している。また、駆動部36は、信号線L31によって加圧部35と電気的に接続している。駆動部36は、制御部8が出力する制御信号に応じてローラ31を被加工部材18に押し付けつつ被加工部材18を実線矢印F31の方向に移動させる。これにより、被加工部材18の径方向外側の外壁に当接している二つのローラ31、32は、回転(図3(a)の実線矢印F32、F33)しながら被加工部材18に押し付けられる。
次に、第一実施形態による「部材の製造方法」としての被加工部材18の鍛造加工について、図4〜8に基づいて説明する。被加工部材18の鍛造加工は、図5に示すフローチャートに沿って進められる。
最初に、ステップ101(以下、単に「S」と標記する)において、加工済部材10の形状に基づいて小径部が成形される小径部成形部位または突出部が成形される突出部成形部位のいずれかを被加工部材18に設定する。具体的には、S101では、図4(a)に示すように、加工済部材10と被加工部材18との関係から被加工部材18に小径部11、13、15、17が成形される部位を小径部成形部位A11、A13、A15、A17、及び、突出部12、14、16が成形される部位を突出部成形部位A12、A14、A16を設定する。
次に、S102において、これから成形する予定の被加工部材18の部位が小径部成形部位A11、A13、A15、A17であるか、または、突出部成形部位A12、A14、A16であるかを判定する。これから成形する予定の被加工部材18の部位が小径部成形部位A11、A13、A15、A17である場合、S103に移行する。これから成形する予定の被加工部材18の部位が突出部成形部位A12、A14、A16である場合、S104に移行する。第一実施形態の鍛造加工では、被加工部材18が四個の小径部成形部位と三個の突出部成形部位とから構成されていることから、後述するS103またはS104において、それぞれ四個の小径部成形部位または三個の突出部成形部位をまとめて連続して成形する。
S102に続く「第一成形工程」としてのS103において、被加工部材18を小径部成形装置20にセットし、小径部成形部位を小径部に成形する。ここで、図6に基づいて、S103における小径部の成形方法を小径部成形部位A11の成形を例として説明する。
図6は、S103における小径部の成形方法を説明する模式図である。小径部成形装置20にセットされた被加工部材18が有する小径部成形部位A11の外周壁面110の一部には、第一当接板21及び第二当接板22が当接する。第一当接板21は、駆動板24によって実線矢印F21の方向に往復移動しながら加圧部25によって外周壁面110の一部に押し付けられる(図6(b)参照)。これにより、被加工部材18は、第一当接板21によって第二当接板22に押し付けられつつ、第一当接板21と第二当接板22との間を転がる。このとき、小径部成形部位A11の材料の一部は、中心軸C18に沿った方向に移動するため、小径部成形部位A11の外径が被加工部材18の外径より小さくなる。(図6(c)参照)。また、小径部成形装置20によって成形された小径部11は、小径部成形部位A11に比べて中心軸C18の方向の長さが長くなる。S103では、小径部成形部位A13、A15、A17についてもそれぞれの「第一外周壁面」としての外周壁面130、150、170に第一当接板21及び第二当接板22を押し付けつつ被加工部材18を転がし、小径部13、15、17を成形する。
S102に続く「第二成形工程」としてのS104において、被加工部材18を突出部成形装置30にセットし、突出部成形部位を突出部に成形する。ここで、図7に基づいて、S104における突出部の成形方法を突出部成形部位A12の成形を例として説明する。
図7は、S104における突出部の成形方法を説明する模式図である。突出部成形装置30にセットされた被加工部材18(図7(a)参照)が有する突出部成形部位A12の外周壁面120の一部には、二つのローラ31、32が当接する。二つのローラ31、32は、外周壁面120に押し付けられつつ、突出部12が突出する予定の方向(図7(b)に示す白抜き矢印F182の方向)に突出部成形部位A12の材料を寄せるよう実線矢印F32、F33の方向に移動する。これにより、突出部成形部位A12は、白抜き矢印F182の方向に突出した突出部12となる(図7(c)参照)。S104では、突出部成形部位A14、A16についてもそれぞれの「第二外周壁面」としての外周壁面140、160に二つのローラ31、32を押し付けつつ突出部14、16が突出する予定の方向を移動し、突出部14、16を成形する。
S103またはS104の次にS105において、直前のステップにおいて成形した被加工部材18の部位が最後の部位であるか否かを判定する。直前のステップにおいて成形した被加工部材18の部位が最後の部位でない場合、S106に移行する。直前のステップにおいて成形した被加工部材18の部位が最後の部位である場合、今回の鍛造加工を終了する。
第一実施形態では、この後、加工済部材10の内部に燃料を導入可能な燃料流路を形成し、コモンレールが完成する。
S105の次にS106において、被加工部材18の成形する部位を変更する。
次に、S102に戻り、当該変更された成形する部位が小径部成形部位であるか突出部成形部位であるかを判定する。以下、S102の判定に基づいてS103またはS104を行い、被加工部材18を加工済部材10の形状となるよう成形する。
ここで、被加工部材18の鍛造加工における被加工部材18の形状の変化を図8に示す。
図8(a)には、図4(a)に示す被加工部材18と同じ状態、すなわち、成形される前の被加工部材18の形状を示す。図8(b)〜(d)には、鍛造加工システム1によって成形される順に変化する被加工部材18の形状を示している。図8(e)には、図4(b)に示す加工済部材10の形状を示す。なお、図8(b)〜(e)には、便宜的に、被加工部材18の外径がわかるよう二点鎖線L18を示してある。
最初に、被加工部材18の一端に位置する小径部成形部位A11のみを小径部成形装置20によって加工する。これにより、図8(a)に示す円柱状の被加工部材18は、外径が他の小径部成形部位A13、A15、A17や突出部成形部位A12、A14、A16の外径に比べ小さい小径部11を有する一次成形品101となる(図8(b)参照)。その後、一次成形品101の小径部成形部位A13、A15、A17を小径部成形装置20によって成形すると、図8(b)に示す一次成形品101は、外径が突出部成形部位A12、A14、A16の外径に比べ小さい小径部11、13、15、17を有する二次成形品102となる(図8(c)参照)。
次に、二次成形品102の突出部成形部位A12のみを突出部成形装置30によって成形すると、図8(c)に示す二次成形品102は、小径部11と小径部13との間に位置し径方向に突出部12を有する三次成形品103となる(図8(d)参照)。その後、三次成形品103の突出部成形部位A14、A16を突出部成形装置30によって成形すると、小径部11、13、15、17、及び、被加工部材18の径方向に突出する突出部12、14、16を有する加工済部材10となる。
第一実施形態による部材の製造方法では、加工済部材10を構成する小径部11、13、15、17及び突出部12、14、16の形状及び位置にあわせて被加工部材18を成形する。
S103では、被加工部材18は、小径部成形部位A11、A13、A15、A17の外周壁面110、130、150、170に第一当接板21及び第二当接板22が押し付けられつつ、第一当接板21と第二当接板22との間を転がる。これにより、小径部成形部位A11、A13、A15、A17の材料の一部が中心軸C18に沿った方向に移動するため、小径部成形部位A11、A13、A15、A17の外径が被加工部材18の外径より小さくなり、小径部11、13、15、17が成形される。
また、S104では、被加工部材18は、突出部成形部位A12、A14、A16の外周壁面120、140、160に二つのローラ31、32が押し付けられつつ突出部が突出する予定の方向に往復移動する。これにより、突出部成形部位A12、A14、A16の材料の一部が被加工部材18の径方向に移動するため、被加工部材18の径方向に突出する突出部12、14、16が成形される。
このように、第一実施形態による部材の製造方法では、被加工部材18が加工済部材10の小径部11、13、15、17または突出部12、14、16を有するよう被加工部材18内での材料の移動を第一当接板21及び第二当接板22並びに二つのローラ31、32の押し付けによって行う。これにより、第一実施形態による部材の製造方法では、被加工部材18の材料を全て加工済部材10の材料とすることができる。したがって、第一実施形態による部材の製造方法は、材料歩留まりを向上することができる。
また、第一実施形態による部材の製造方法では、S101において被加工部材18を構成する部位が小径部成形部位A11、A13、A15、A17または突出部成形部位A12、A14、A16のいずれかに設定される。すなわち、被加工部材18が小径部成形部位A11、A13、A15、A17または突出部成形部位A12、A14、A16のいずれかに分割設定される。分割設定されたそれぞれの部位は、小径部成形装置20または突出部成形装置30において別々に加工される。これにより、小径部成形装置20における第一当接板21及び第二当接板22と被加工部材18との接触面積、及び、突出部成形装置30における二つのローラ31、32と被加工部材18との接触面積は、比較的小さくなるため、第一当接板21及び第二当接板22または二つのローラ31、32に作用させる成形荷重を小さくすることができる。
また、小径部11、13、15、17を成形するとき、第一当接板21及び第二当接板22は、小径部成形部位A11、A13、A15、A17の外周壁面110、130、150、170の一部に当接する。また、突出部12、14、16を成形するとき、二つのローラ31、32は、突出部成形部位A12、A14、A16の外周壁面120、140、160の一部に当接する。これにより、小径部成形装置20における第一当接板21及び第二当接板22と被加工部材18との接触面積、及び、突出部成形装置30における二つのローラ31、32と被加工部材18との接触面積は、被加工部材の外壁全面に接触する場合に比べて小さくなるため、成形荷重をさらに小さくすることができる。したがって、加工済部材10の成形に必要な消費エネルギーを小さくすることができる。
また、第一実施形態による部材の製造方法によって製造された加工済部材10は、例えば、熱間鍛造加工方法によって製造される加工済部材に比べて強度が向上している。この点について、図9を参照して説明する。
図9に加工済部材の断面図を示す。図9は、加工済部材の断面に現れるファイバーフローを示している。ここで、ファイバーフローとは、金属の結晶粒が比較的密な状態となっている部位が連続することで部材内に現れる線である。図9(a)は、第一実施形態による部材の製造方法によって製造された加工済部材10の断面図を示す。図9(b)には、比較例として、熱間鍛造加工方法によって製造された加工済部材90の断面図を示す。
比較例の加工済部材90を加工するとき、鍛造用金型の内部空間に内部空間の容積より大きい体積の被加工部材をセットし鍛造用金型に圧力をかけるため、内部空間からはみ出る被加工部材の材料はバリとなる。このバリは、鍛造用金型から取り出した後、切削などによって加工済部材90から除去される。このため、図9(b)に示すように、突出部92の当該突出部92に隣り合う小径部91、93から突出している部位の側面921、922には、切削によって切断されたファイバーフローFf90の端部eF9が露出することとなる。露出しているファイバーフローFf90の端部eF9に外力が加わると、端部eF9を起点として突出部92が破損するおそれがある。
一方、加工済部材10は、上述したように被加工部材18の材料を移動させて突出部12、14、16を成形するため、突出部12、14、16に形成されているファイバーフローFf10が切断されることはない。このため、図9(a)に示すように、突出部12の側面121、122にファイバーフローFf10の端部が露出することはないため、突出部12の側面121、122に外力が加わっても突出部12は破損しにくい。これは、他の突出部14、16についても同様である。
このように、加工済部材10は、突出部12、14、16のファイバーフローFf10の全てが突出部12、14、16に隣り合う小径部11、13、15、17のファイバーフローFf10と連続しているため、ファイバーフローFf10の端部が突出部12、14、16の側面に露出しない。これにより、加工済部材10は、ファイバーフローの露出する端部を起点として破損することがなくなるため、比較例の加工済部材90に比べて外力に対する強度を向上することができる。第一実施形態では、加工済部材10をコモンレールとして使用する。コモンレールでは、突出部12、14、16の突出した先端に燃料噴射弁が組み付けられ、内部に燃料噴射弁が噴射可能な程度の比較的高圧の燃料が蓄えられる。第一実施形態による部材の製造方法で製造されたコモンレールでは、突出部12、14、16の強度が熱間比鍛造加工方法によって成形された加工済部材90に比べて大きいため、外力によって突出部12、14、16が破損し燃料が外部に流出することを防止することができる。
また、第一実施形態による部材の製造方法では、S101において加工済部材10の形状に基づいて小径部成形部位A11、A13、A15、A17または突出部成形部位A12、A14、A16のいずれかを設定するため、加工済部材10の形状の変更に対応することができる。したがって、形状の自由度を大きくすることができる。
第一実施形態による部材の製造方法では、被加工部材18が複数の小径部成形部位または複数の突出部成形部位を有する場合、S103またはS104において、それぞれ複数の小径部成形部位または複数の突出部成形部位を連続加工することができる。これにより、加工済部材10の製造時間を短縮することができる。
第一実施形態による鍛造加工システム1では、小径部成形装置20は、小径部成形部位A11、A13、A15、A17の材料の一部を中心軸C18に沿った方向に移動し小径部11、13、15、17を成形する。また、突出部成形装置30は、突出部成形部位A12、A14、A16の材料を被加工部材18の径方向に移動し、突出部12、14、16を成形する。これにより、鍛造加工システム1は、被加工部材18の材料を全て加工済部材10の材料とすることができるため、バリなどの不要な部分が発生せず材料歩留まりを向上することができる。また、不要な部分が発生しないため、製造後の部材からバリを取り除くための工数が不要となる。これにより、加工済部材10の製造時間を短縮することができる。
また、鍛造加工システム1では、小径部成形装置20または突出部成形装置30のいずれかが設定された被加工部材18のそれぞれの部位の加工を別々に行う。また、第一当接板21及び第二当接板22並びに二つのローラ31、32は、被加工部材18の外周壁面110、120、130、140、150、160、170の一部に当接する。これにより、第一当接板21及び第二当接板22と被加工部材18との接触面積は、比較的小さくなるため、第一当接板21及び第二当接板22に作用させる成形荷重を小さくすることができる。また、二つのローラ31、32と被加工部材18との接触面積は、比較的小さくなるため、二つのローラ31、32に作用させる成形荷重を小さくすることができる。したがって、鍛造加工システム1の体格を小さくすることができる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態による部材の製造方法及び部材の製造システムを図10〜12に基づいて説明する。第二実施形態は、小径部成形装置の構成及び小径部成形工程の内容が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第二実施形態による鍛造加工システムが備える小径部成形装置40の模式図を図9に示す。
小径部成形装置40は、「第一工具」としての第一パンチ41、「第一工具」としての第二パンチ42、ベース43、駆動板441、支持シャフト442、加圧部45、駆動部46などを有する。なお、説明の便宜上、図9の上側を「天側」、図9の下側を「地側」とするが、小径部成形装置40が設置される向きはこれに限定されない。
第一パンチ41は、小径部成形装置40にセットされる被加工部材18の天側に位置する。第一パンチ41は、駆動板44に支持されている。第一パンチ41は、被加工部材18の外周壁面、例えば、小径部成形部位A11の外周壁面110に当接可能に設けられる。第一パンチ41は、小径部成形装置40にセットされている被加工部材18の中心軸C18方向の長さが加工済部材10の小径部11、13、15、17の中心軸C10方向の長さより短くなるよう形成されている。
第二パンチ42は、小径部成形装置40にセットされる被加工部材18の地側に位置する。すなわち、第二パンチ42は、被加工部材18の中心軸C18を挟んで第一パンチ41の反対側に位置している。第二パンチ42は、水平面上に固定されているベース43上に固定されている。第二パンチ42は、被加工部材18の外周壁面、例えば、小径部成形部位A11の外周壁面110に当接可能に設けられる。第二パンチ42は、小径部成形装置40にセットされている被加工部材18の中心軸C18方向の長さが第一パンチ41の中心軸C18方向の長さと同じ長さになるよう形成されている。
駆動板441は、一方の端部に第一パンチ41が設けられている。他方の端部は、駆動部46に連結している。駆動板441は、天地方向(図10に示す実線矢印F101)に移動可能に設けられている。これにより、第一パンチ41は、天地方向に移動可能である。
支持シャフト442は、一方の端部に被加工部材18が固定されている。他方の端部は、駆動部46に回転可能に連結している。支持シャフト442は、被加工部材18を天地方向に移動可能(図10に示す実線矢印F102)、かつ、中心軸C18を中心として回転可能(図10に示す実線矢印F103)に設けられている。
加圧部45は、駆動板44の天側に設けられている。加圧部45は、駆動板44を介して第一パンチ41を被加工部材18に押し付け可能である。
駆動部46は、信号線L20によって制御部8と電気的に接続している。また、駆動部46は、信号線L41によって加圧部45と電気的に接続している。駆動部46は、制御部8が出力する制御信号に応じて、第一パンチ41を被加工部材18に押し付けることが可能である。また、駆動部46は、制御部8が出力する制御信号に応じて、支持シャフト442を実線矢印F102の方向に駆動可能であるとともに、実線矢印F103の方向に回転可能である。
次に、第二実施形態による部材の製造方法について、図11、12に基づいて説明する。図11、12は、図10(b)に示した断面における第一パンチ41、第二パンチ42、及び、被加工部材18の位置関係を示した模式図である。図11(a)〜(c)、及び、図12(a)〜(c)は、小径部成形装置40における「小径部成形工程」としてのS103(図5参照)における工程の内容を時間に沿って示している。
最初に、小径部成形装置40にセットされた被加工部材18の小径部成形部位A11を第二パンチ42に当接するよう移動する(図11(a)の実線矢印F111)。次に、中心軸C18を挟んで小径部成形部位A11の第二パンチ42が当接する外周壁面110とは反対側の外周壁面110に第一パンチ41が当接するよう第一パンチ41を移動する(図11(a)の実線矢印F112)。
第一パンチ41が小径部成形部位A11に当接すると、加圧部45によって第一パンチ41を外周壁面110に押し付け、小径部成形部位A11の外周壁面110に加工溝111、112を形成する(図11(b)参照)。
次に、第一パンチ41を小径部成形部位A11から離間させた後、小径部成形部位A11を第二パンチ42から離間させる。小径部成形部位A11から第一パンチ41及び第二パンチ42が離間した後、中心軸C18を中心として被加工部材18を実線矢印F113の方向に所定の角度θだけ回転する。(図11(c)参照)
次に、回転が停止した被加工部材18の小径部成形部位A11が第二パンチ42に当接するよう移動する(図12(a)の実線矢印F121)。このとき、第二パンチ42は、加工溝112の近傍の外壁に当接させる。次に、中心軸C18を挟んで小径部成形部位A11の第二パンチ42が当接する外周壁面110とは反対側の外周壁面110に第一パンチ41が当接するよう第一パンチ41を移動する(図12(a)の実線矢印F122)。このとき、第一パンチ41は、外周壁面110の加工溝111が形成されている近傍に当接させる。すなわち、所定の角度θは、図12(a)に示すように、第一パンチ41を加工溝111が形成されている近傍に当接可能な回転角度である。
第一パンチ41が小径部成形部位A11に当接すると、加圧部45によって第一パンチ41を外周壁面110に押し付け、小径部成形部位A11の外周壁面110に加工溝113、114を形成する(図12(b)参照)。
以降、第一パンチ41及び第二パンチ42によって小径部成形部位A11の外周壁面110に加工溝を形成すると被加工部材18を所定の角度θだけ回転し、小径部成形部位A11の外周壁面110の全てに加工溝を形成する。これを複数回繰り返すことによって、図12(c)に示すように、被加工部材18の外径D18より小さい外径D10を有する小径部11が形成される。小径部成形部位A13、A15、A17についても同様の成形を行う。
第二実施形態による部材の製造方法では、S103において、小径部成形部位A11、A13、A15、A17の外周壁面110、130、150、170の一部に第一パンチ41及び第二パンチ42を当接させ、複数の加工溝を形成する。複数の加工溝は、その底面が加工済部材10の小径部11、13、15、17の外壁となるよう形成される。また、加工溝の形成によって小径部成形部位から押し出される小径部成形部位の材料は中心軸C18に沿った方向に移動する。これにより、第一パンチ41及び第二パンチ42によって複数の加工溝が形成された小径部成形部位A11、A13、A15、A17は、成形前に比べて外径が小さくなり、所望の外径を有する小径部11、13、15、17を成形することができる。したがって、第二実施形態による部材の製造方法は、第一実施形態と同じ効果を奏する。
また、第二実施形態による鍛造加工システムでは、第一パンチ41及び第二パンチ42は、小径部成形部位A11、A13、A15、A17の外周壁面110、130、150、170の一部に当接する。これにより、第二実施形態による鍛造加工システムは、第一実施形態と同じ効果を奏する。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態による部材の製造方法及び部材の製造システムを図13〜17に基づいて説明する。第三実施形態は、第二成形工程の前に材料寄せ工程を行う点が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第三実施形態による部材の製造システムを図13、14に示す。「部材の製造システム」としての鍛造加工システム3は、制御部8、小径部成形装置20、突出部成形装置30、及び、材料寄せ装置50などから構成されている。
材料寄せ装置50は、「材料寄せ工具」としての材料寄せパンチ51、支持板52、ベース53、駆動板54、加圧部55、駆動部56などを有する。なお、説明の便宜上、図14の上側を「天側」、図13の下側を「地側」とするが、材料寄せ装置50が設置される向きはこれに限定されない。
材料寄せパンチ51は、断面形状が略L字状の部材である。材料寄せパンチ51は、パンチ本体部511、第一当接部512、第二当接部513などから構成されている。なお、図14には、被加工部材18の二つの小径部成形部位A11、A13と二つの突出部成形部位A12、A14とが材料寄せ装置50にセットされている状態を示しているが、材料寄せ装置50では、材料寄せ装置50にセットされる被加工部材の長さに応じて材料寄せパンチ51のパンチ本体部511の長さを変更し、所望の部位の加工を行うことが可能である。
パンチ本体部511は、天地方向に延びるよう形成されている略平板状の部位である。パンチ本体部511の一方の端部は、駆動板54に支持されている。他方の端部には、第一当接部512及び第二当接部513が設けられている。
第一当接部512は、パンチ本体部511の被加工部材18側の側壁から被加工部材18の方向に延びるよう形成されている。第一当接部512の地側の端面514は、地側に向かうに従って被加工部材18の中心軸C18から離れるよう形成されている。第三実施形態では、端面514は、突出部成形部位の側壁、例えば、図14では、突出部成形部位A14の天側の側壁141に当接可能なよう設けられている。
第二当接部513は、パンチ本体部511及び第一当接部512の地側に設けられている。第二当接部513の被加工部材18側の端面515は、被加工部材18に接触するよう形成されている。第三実施形態では、端面515は、突出部成形部位の外周壁面、例えば、図14では、突出部成形部位A14の外周壁面140に当接可能なよう設けられている。
支持板52は、材料寄せ装置50にセットされる被加工部材18において材料寄せパンチ51とは反対側に位置する。支持板52は、ベース53に固定されている。ベース53は、材料寄せパンチ51が押し付けられる被加工部材18の移動を規制する。
駆動板54は、材料寄せパンチ51を支持しつつ、駆動部56に連結している。駆動板54は、材料寄せ装置50にセットされている被加工部材18の中心軸C18に対して垂直な方向(図14に示す実線矢印F51)に移動可能に設けられている。これにより、駆動板54に支持されている材料寄せパンチ51は、中心軸C18に対して垂直な方向に移動可能である。
加圧部55は、駆動板54の天側に設けられている。加圧部55は、駆動板54を介して材料寄せパンチ51を被加工部材18に押し付け可能である。
駆動部56は、信号線L50によって制御部8と電気的に接続している。また、駆動部56は、信号線L51によって加圧部55と電気的に接続している。駆動部56は、制御部8が出力する制御信号に応じて、材料寄せパンチ51を被加工部材18に押し付けつつ駆動板54を実線矢印F51の方向に駆動させることが可能である。これにより、被加工部材18は、支持板52の材料寄せパンチ51側の側壁に沿いながら転がりつつ移動する。
次に、第三実施形態による部材の製造方法について、図15、16に基づいて説明する。第三実施形態の鍛造加工は、図15に示すフローチャートに基づいて進められる。
最初に、S301において、第一実施形態のS101と同様に加工済部材10の形状に基づいて小径部が成形される小径部成形部位または突出部が成形される突出部成形部位のいずれかの部位を被加工部材18に設定する。
次に、「小径部成形工程」としてのS302において、第一実施形態のS103と同様に被加工部材18を小径部成形装置20にセットし、小径部成形部位を小径部に成形する。
次に、「材料寄せ工程」としてのS303において、被加工部材18を材料寄せ装置50にセットし、突出部成形部位に材料寄せ加工を施す。ここで、S303における材料寄せ加工について図16に基づいて説明する。
図16には、小径部成形部位A11側から中心軸C18方向にみた被加工部材18の模式図を示す。図16には、S302における小径部成形部位A11の加工における形状の変化(図16(a)と図16(b))、S303における突出部成形部位A12の材料寄せ加工における形状の変化(図16(b)と図16(c))、及び、次のS304における突出部成形部位A12の加工における形状の変化(図16(c)と図16(d))を模式図で示している。
図16(a)に示す小径部成形部位A11にS302における加工を行う。これにより、小径部11が成形される(図15(b)参照)。このとき、他の小径部成形部位A13、A15、A17も同様に成形しておいてもよい。
次に、図16(b)に示す突出部成形部位A12にS303における材料寄せ加工を施す。このとき、突出部成形部位A12は、白抜き矢印F182の方向に突出するよう成形される。
S303では、突出部成形部位A12の「突出部が突出する側とは反対側」としての領域A121にある材料を突出部成形部位A12の「突出部が突出する側とは反対側と突出部が突出する側との間」としての領域A122、A123に移動するよう材料寄せパンチ51を駆動する。第四実施形態では、突出部成形部位A12の領域A122、A123とは、中心軸C18上の点からみて領域A121に対して略90度の位置にある領域であって、領域A121に比べて「突出部が突出する側」としての領域A120に近い領域である。
材料寄せパンチ51が突出部成形部位A12の外周壁面120に押し付けられつつ白抜き矢印F182の方向に移動すると、領域A121の材料は、図16(c)に示す実線矢印F151、F152のように、領域A122、A123に移動する。これにより、領域A122、A123の肉厚は、材料寄せ加工を施される前の突出部成形部位A12(図15(c)の二点鎖線で示す突出部成形部位A12)の肉厚に比べて厚くなる。このとき、他の突出部成形部位A14、A16も同様の肉寄せ加工を施してもよい。
図15に戻り、S303の次に、「突出部成形工程」としてのS304において、第一実施形態のS104と同様に被加工部材18を突出部成形装置30にセットし、突出部成形部位を突出部に成形する。
このとき、図16(d)に示すように、突出部成形部位A12の領域A122、A123の材料は、二つのローラ31、32によって図16(d)に示す実線矢印F153、F154にように、白抜き矢印F182の方向に移動し、突出部12が成形される。このとき、他の突出部成形部位A14、A16も同様の肉寄せ加工を施してもよい。
第三実施形態による部材の製造方法の作用について、図17に基づいて説明する。図17には、突出部成形部位を突出部に成形するときの材料の移動を示している。図17(a)には、第三実施形態による部材の製造方法において突出部成形部位を突出部に成形するときの材料の移動を示している。また、図17(b)には、比較例として、材料寄せ工程を含まない鍛造加工方法において突出部成形部位を突出部に成形するときの材料の移動を示している。
最初に、比較例の鍛造加工方法における材料の移動を説明する。比較例において突出部成形部位A92から白抜き矢印F982の方向に突出する突出部92を成形する場合、突出部成形部位A92の白抜き矢印F982の方向とは反対側の領域A921の材料を白抜き矢印F982の方向に一度に移動させる必要がある(図17(b)に示す実線矢印F161、F162)。しかしながら、一回の成形における材料の移動距離が長くなるため、移動する材料による他の部位の材料の巻き込みやせん断が発生するおそれがあり、突出部92の強度が低下するおそれがある。
一方、第三実施形態の鍛造加工方法では、S303において突出部成形部位A12の白抜き矢印F182の方向とは反対側の領域A121の材料を一旦、突出部成形部位A12の領域A122、A123に移動させる(図17(a)に示す実線矢印F151、F152)。その後、S304において領域A122、A123の材料を領域A120に移動させ(図17(a)に示す実線矢印F153、F154)、突出部12を成形する。
第三実施形態による部材の製造方法では、最初に、突出部成形部位A12、A14、A16の突出部12、14、16が突出する方向とは反対側の材料を突出部12、14、16が突出する側とは反対側と突出部12、14、16が突出する側との間の領域に移動する。その後、突出部12、14、16が突出する側とは反対側と突出部12、14、16が突出する側との間に移動させた材料を突出部12、14、16が突出する側に改めて移動する。これにより、移動する材料によって他の部位の材料の巻き込みやせん断が発生することを防止することができる。したがって、第三実施形態による部材の製造方法及び部材の製造システムは、第一実施形態と同じ効果を奏するとともに、突出部の強度を向上することができる。
また、第三実施形態による部材の製造方法及び部材の製造システムでは、突出部成形部位A12、A14、A16の突出部12、14、16が突出する方向とは反対側の材料を一度に比較的長い距離移動させなくてもよいため、突出部の成形を容易に行うことができる。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、加工済部材は、柱状に形成されている複数の小径部と小径部に隣り合うよう設けられ被加工部材の径方向に突出している複数の突出部と、から構成されているとした。しかしながら、小径部と突出部との関係はこれに限定されない。加工済部材が複数の小径部を有する場合、小径部の断面の大きさは被加工部材の外径より小さければよい。また、加工済部材が複数の突出部を有する場合、突出部が突出している方向は、異なっていてもよい。
上述の実施形態では、小径部成形装置は、複数の「第一工具」を有し、当該複数の第一工具は、被加工部材の中心軸を挟む位置に設けられるとした。しかしながら、小径部成形装置が有する第一工具は一つであってもよいし、複数ある場合でも被加工部材の中心軸を挟む位置に設けられなくてもよい。
また、上述の実施形態では、突出部成形装置は、複数の「第二工具」を有し、当該複数の第二工具は、被加工部材の中心軸を挟む位置に設けられるとした。しかしながら、突出部成形装置が有する第二工具は一つであってもよいし、複数ある場合でも被加工部材の中心軸を挟む位置に設けられなくてもよい。
上述の実施形態では、被加工部材は、一方の端部側から加工されるとした。しかしながら、被加工部材を加工する順番はこれに限定されない。
上述の実施形態では、加工済部材は、四個の小径部と三個の突出部とから構成されているとした。しかしながら、加工済部材を構成する小径部及び突出部の数はこれに限定されない。一個以上の小径部と一個以上の突出部とから構成されればよい。
第一実施形態では、複数の小径部成形部位及び複数の突出部成形部位を有する被加工部材に対して、複数の小径部成形部位または複数の突出部成形部位のいずれかを先にまとめて加工するとした。しかしながら、小径部成形部位及び突出部成形部位の加工順序はこれに限定されない。被加工部材の一方の端部側から小径部成形部位及び突出部成形部を交互に加工してもよい。
第一、二実施形態では、小径部成形装置の地側には、被加工部材に当接する第二当接板または第二パンチ及びベースが設けられるとした。しかしながら、小径部成形装置の地側の構成はこれに限定されない。被加工部材に当接する第二当接板または第二パンチ、これらを指示するベースに加えて第二当接板または第二パンチを被加工部材に押し付ける加圧部を有していてもよい。
第二実施形態では、第一パンチ及び第二パンチによって小径部成形部位の外周壁面に加工溝を形成した後、被加工部材の中心軸を中心として第一パンチを直前に第一パンチが形成した加工溝が形成されている近傍に当接可能な程度の所定の角度だけ回転するとした。しかしながら、所定の回転角度はこれに限定されない。被加工部材の回転のたびに第一パンチ及び第二パンチによって形成される加工溝によって小径部成形部位の外周壁面の全面に加工溝が形成されるよう回転すればよい。
上述の実施形態では、本願の部材の製造方法によって製造された部材はコモンレールとして使用するとした。しかしながら、部材が適用される例はこれに限定されない。クランクシャフトやカムシャフトなど柱状または筒状に形成されている小径部と当該小径部から径方向に突出する突出部とを有する部材であればよい。
上述の実施形態では、最初に、加工済部材の形状に基づいて小径部が成形される小径部成形部位または突出部が成形される突出部成形部位のいずれかを被加工部材に設定することとした。しかしながら、この工程はなくてもよい。
以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
10・・・加工済部材(部材)
11、13、15、17・・・小径部、
12、14、16・・・突出部
18・・・被加工部材
21・・・第一当接板(第一工具)
22・・・第二当接板(第一工具)
31、32・・・ローラ(第二工具)
41・・・第一パンチ(第一工具)
42・・・第二パンチ(第二工具)
110、130、150、170・・・外周壁面(第一外周壁面)
120、140、160・・・外周壁面(第二外周壁面)

Claims (15)

  1. 回転可能に設けられている被加工部材(18)の第一外周壁面(110、130、150、170)の一部に第一工具(21、22、41、42)を押し付け、前記被加工部材の外径に比べ小さい外径を有する小径部(11、13、15、17)を成形する第一成形工程と、
    第二工具(31、32)を前記被加工部材の第二外周壁面(120、140、160)の一部に押し付けつつ前記被加工部材に対し径方向へ相対移動し、前記被加工部材の径方向に突出する突出部(12、14、16)を成形する第二成形工程と、
    を含む部材の製造方法。
  2. 前記第一成形工程において、前記被加工部材の中心軸(C18)を挟む位置に設けられる複数の前記第一工具を前記被加工部材の前記第一外周壁面の一部に押し付ける請求項1に記載の部材の製造方法。
  3. 前記第一成形工程において、複数の前記第一工具を前記被加工部材の前記第一外周壁面の一部に押し付けつつ前記被加工部材を前記被加工部材の中心軸を回転中心として回転する請求項2に記載の部材の製造方法。
  4. 前記第一成形工程において、前記被加工部材を前記被加工部材の中心軸を回転中心として所定の角度(θ)回転するたびに複数の前記第一工具を前記被加工部材の前記第一外周壁面の一部に押し付ける請求項2に記載の部材の製造方法。
  5. 前記第二成形工程において、前記被加工部材の中心軸を挟む位置に設けられる複数の前記第二工具を前記被加工部材の前記第二外周壁面の一部に押し付けつつ前記被加工部材に対し径方向へ相対移動する請求項1〜4のいずれか一項に記載の部材の製造方法。
  6. 前記第二成形工程の前に、前記第二外周壁面の一部に材料寄せ工具(51)を押し付け、前記突出部が突出する側とは反対側(A121)と前記突出部が突出する側との間の領域(A122、A123)に前記突出部が突出する側とは反対側の前記被加工部材の材料を移動する材料寄せ工程をさらに含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の部材の製造方法。
  7. 前記第二成形工程において、前記被加工部材の前記第二外周壁面を有する部位に形成されるファイバーフロー(Ff10)が全て当該第二外周壁面を有する部位に隣り合う前記被加工部材の前記第一外周壁面を有する部位に形成されるファイバーフローに連続するよう前記突出部を成形する請求項1〜6のいずれか一項に記載の部材の製造方法。
  8. 複数の前記小径部を有する部材を成形するとき、複数回の前記第一成形工程によって複数の前記小径部を全て成形した後に前記第二成形工程によって前記突出部を成形、または、前記第二成形工程によって前記突出部を成形した後に複数回の前記第一成形工程によって複数の前記小径部を全て成形する請求項1〜7のいずれか一項に記載の部材の製造方法。
  9. 複数の前記突出部を有する部材を成形するとき、複数回の前記第二成形工程によって複数の前記突出部を全て成形した後に前記第一成形工程によって前記小径部を成形、または、前記第一成形工程によって前記小径部を成形した後に複数回の前記第二成形工程によって複数の前記突出部を全て成形する請求項1〜8のいずれか一項に記載の部材の製造方法。
  10. 前記部材は、燃料噴射弁が噴射する燃料を貯留することが可能なコモンレールである請求項1〜9のいずれか一項に記載の部材の製造方法。
  11. 回転可能に設けられている被加工部材(18)の第一外周壁面(A110)の一部に押し付け可能な第一工具(21、22、41、42)を有し、前記被加工部材の外径より小さい外径を有する小径部(11、13、15、17)を成形可能な小径部成形装置(20、40)と、
    前記被加工部材(18)の第二外周壁面(A120)の一部に押し付けられつつ前記被加工部材に対し径方向へ相対移動可能な第二工具(31、32)を有し、前記被加工部材の径方向に突出する突出部(12、14、16)を成形可能な突出部成形装置(30)と、
    を備える部材の製造システム。
  12. 前記小径部成形装置は、複数の前記第一工具を有し、
    複数の前記第一工具の少なくとも二つは、前記被加工部材の中心軸(C18)を挟む位置に設けられる請求項11に記載の部材の製造システム。
  13. 前記突出部成形装置は、複数の前記第二工具を有し、
    複数の前記第二工具の少なくとも二つは、前記被加工部材の中心軸を挟む位置に設けられる請求項11または12に記載の部材の製造システム。
  14. 前記被加工部材の前記第二外周壁面の一部に押し付け可能な材料寄せ工具(51)を有し、前記突出部が突出する側とは反対側(A121)の前記被加工部材の材料を前記突出部が突出する側とは反対側と前記突出部が突出する側(A120)との間の領域(A122、A123)に移動可能な材料寄せ装置(50)をさらに備える請求項11〜13のいずれか一項に記載の部材の製造システム。
  15. 前記部材は、燃料噴射弁が噴射する燃料を貯留することが可能なコモンレールである請求項11〜14のいずれか一項に記載の部材の製造システム。
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