JP2016144194A - 無線通信装置および無線通信システム、並びに無線通信方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】移動体との間で通信を行うための無線通信装置は、通信に用いられるビームの照射方向及びビーム幅を調節するためのビーム調節部と、前記移動体に前記ビームが追従可能に前記照射方向を調節するよう前記ビーム調節部を制御するための照射方向制御部と、少なくとも前記無線通信装置と前記移動体との間の距離を示す距離情報に基づいて前記ビーム幅を調節するよう前記ビーム調節部を制御するためのビーム幅制御部と、を備える。
【選択図】 図1
Description
例えば、無指向性のアンテナを用いた場合、高速移動体に対する追従性は上がるものの、通信距離が短くなる。なお、指向性のアンテナに移動体の自動追尾機能を付加したものが知られているが、この自動追尾機能は機械走査方式が主流であり、その追従性は例えば1deg/s程度と低く、高速移動中の対象を追尾することは難しい。一方、通信距離の長距離化には電波の指向性を高めることが有効であるが、そうした場合、近距離における通信可能な角度範囲が狭まるため、高速移動体の追従性は低下してしまう。そこで、長距離化を図るために送信出力を上げると、電波の多重反射による干渉によって信号が劣化してしまい、通信品質の低下に繋がる。
このように、無線通信技術においては、移動体との通信距離の長距離化及び通信の信頼性向上が要求されるが、従来の無線通信では、これらの要求を両立可能なシステムは提案されていなかった。
移動体との間で通信を行うための無線通信装置であって、
通信に用いられるビームの照射方向及びビーム幅を調節するためのビーム調節部と、
前記移動体に前記ビームが追従可能に前記照射方向を調節するよう前記ビーム調節部を制御するための照射方向制御部と、
少なくとも前記無線通信装置と前記移動体との間の距離を示す距離情報に基づいて前記ビーム幅を調節するよう前記ビーム調節部を制御するためのビーム幅制御部と、を備えることを特徴とする。
前記ビーム幅制御部は、前記距離が第1距離のときの前記ビーム幅をW1とし、前記距離が前記第1距離よりも大きい第2距離であるときの前記ビーム幅をW2としたとき、W1>W2の関係を満たすよう前記ビーム調節部を制御するように構成されている。
上記(2)の構成によれば、移動体との距離が第1距離よりも大きい第2距離におけるビーム幅を、第1距離におけるビーム幅よりも小さくしている。そのため、移動体との距離が比較的大きい第2距離においてビームの指向性を高めて、通信の信頼性を向上させることができる。一方、移動体との距離が比較的小さい第1距離においては、ビーム幅を広げて高速追従性を向上させることができる。
前記ビーム幅制御部は、前回制御時における前記距離情報と今回制御時における前記距離情報との比較結果に基づいて今回制御時の前記ビーム幅が決定されるように、前記距離情報に基づく前記ビーム調節部の制御を繰り返すように構成されている。
上記(3)の構成によれば、移動体との距離に応じた適切なビーム幅(移動体との通信距離の長距離化及び通信の信頼性向上の両立を可能とするようなビーム幅)にて該移動体との通信可能な状態を維持できる。
前記ビーム幅制御部は、
前記前回制御時に比べて前記今回制御時の方が前記距離が大きいとき、前記前回制御時よりも前記今回制御時における前記ビーム幅を小さくし、
前記前回制御時に比べて前記今回制御時の方が前記距離が小さいとき、前記前回制御時よりも前記今回制御時における前記ビーム幅を大きくする
ように構成されている。
上記(4)の構成によれば、移動体との距離が比較的小さい場合には、ビーム幅を大きくして、高速で移動中の移動体に対しても通信可能状態を維持できる。また、移動体との距離が比較的大きい場合には、ビーム幅を小さくしてビームの指向性を高めることで、高い信頼性での通信が即座に開始できるように移動体との通信可能状態を維持できる。
前記移動体から戻ってくる電波の受信電力を測定するための受信電力測定部をさらに備え、
前記ビーム幅制御部は、前記受信電力の大きさに基づき、前記ビーム調節部を制御して前記ビーム幅を調節するように構成されている。
上記(5)の構成によれば、通信用の電波の受信電力の大きさ(信号強度)は、移動体との距離に応じて変化するので、前記距離情報として受信電力の大きさを用いてビーム幅を調節するようにしている。そのため、距離情報をリアルタイムで且つ容易に取得することができ、ビーム幅を適正に調節可能である。
前記ビーム幅制御部は、通信によって前記移動体から取得した前記移動体の位置情報に基づき、前記ビーム調節部を制御して前記ビーム幅を調節するように構成されている。
上記(6)の構成によれば、前記距離情報として、移動体との通信によって取得した移動体の位置情報を用いることにより、精度の高い距離情報を取得できることからビーム幅のより適正な調節が可能となる。
前記ビーム幅制御部は、前記移動体の加速度情報に基づいて算出された前記位置情報に基づいて前記ビーム幅を調節するように構成されている。
上記(7)の構成によれば、移動体の加速度情報に基づいて算出された移動体の位置情報に基づいてビーム幅を調節することで、移動体との通信距離の長距離化と、通信の信頼性向上とを両立させることができる。
前記ビーム幅制御部は、前記移動体の姿勢情報に基づいて前記移動体の前記位置を補正し、補正後の前記位置に基づいて前記ビーム幅を調節するように構成されている。
上記(8)の構成によれば、移動体の加速度情報に基づいて算出される移動体の位置情報を移動体の姿勢情報によって補正することで、移動体の高精度な位置情報を取得可能である。よって、ビーム幅の調節をより適切に行うことができ、移動体との通信距離の長距離化及び通信の信頼性向上を効果的に両立させることができる。
前記ビーム幅制御部は、前記距離情報に加えて、前記移動体の移動速度を示す速度情報に基づいて前記ビーム幅を調節するよう前記ビーム調節部を制御するように構成されている。
上記(9)の構成によれば、移動体の移動速度を示す速度情報に基づいてビーム幅を調節するようにしたので、移動体への追従性及び通信の信頼性をより一層向上できる。
前記ビーム幅制御部は、前記移動速度が閾値を超えているとき、前記移動速度が前記閾値以下である場合に比べて前記ビーム幅を大きくするよう前記ビーム調節部を制御する。
上記(10)の構成によれば、移動速度が閾値を超えているときに、ビーム幅を大きくすることによって、移動速度の速い移動体に対しても追従性を確保できる。なお、移動速度が閾値以下である場合はビーム幅を大きくせず、指向性を優先させる。
上記(1)乃至(10)に記載の無線通信システムと、
前記移動体に搭載され、前記無線通信装置との間で無線通信を行うように構成された移動体端末と、を備える。
上記(10)の無線通信システムによれば、移動体との通信距離の長距離化及び通信の信頼性向上を両立可能なシステムを提供できる。
移動体との間で通信を行う無線通信方法であって、
通信に用いられるビームが前記移動体に追従するように前記ビームの照射方向を調節する照射方向制御ステップと、
少なくとも前記無線通信装置と前記移動体との間の距離を示す距離情報に基づいて前記ビーム幅を調節するビーム幅制御ステップと、を備えることを特徴とする。
前記ビーム幅制御ステップでは、前記距離が第1距離のときの前記ビーム幅をW1とし、前記距離が前記第1距離よりも大きい第2距離であるときの前記ビーム幅をW2としたとき、W1>W2の関係を満たすよう前記ビーム幅を調節する。
上記(13)の方法によれば、移動体との距離が第1距離よりも大きい第2距離におけるビーム幅を、第1距離におけるビーム幅よりも小さくしている。そのため、移動体との距離が比較的大きい第2距離においてビームの指向性を高めて、通信の信頼性を向上させることができる。一方、移動体との距離が比較的小さい第1距離においては、ビーム幅を広げて高速追従性を向上させることができる。
前記ビーム幅制御ステップでは、前回制御時における前記距離情報と今回制御時における前記距離情報との比較結果に基づいて今回制御時の前記ビーム幅が決定されるように、前記距離情報に基づく前記ビーム幅の制御を繰り返す。
上記(14)の方法によれば、移動体との距離に応じた適切なビーム幅(移動体との通信距離の長距離化及び通信の信頼性向上の両立を可能とするようなビーム幅)にて該移動体との通信可能な状態を維持できる。
前記ビーム幅制御ステップでは、前記距離情報に加えて、前記移動体の移動速度を示す速度情報に基づいて前記ビーム幅を調節する。
上記(15)の方法によれば、移動体の移動速度を示す速度情報に基づいてビーム幅を調節するようにしたので、移動体への追従性及び通信の信頼性をより一層向上できる。
無線通信装置2は、移動体3(3A,3B)との間で通信を行うために、必要に応じて移動体3を探索し、移動体3を捕捉したら移動体3を追尾する。そして、通信要求があった場合に、無線通信装置2と移動体3との間で無線通信によりデータを送受信する。例えば、探索時には、無線通信装置2のアンテナ20からビーム幅を絞ったビーム10を用いてスキャンし、移動体3を探索する。移動体3の追尾時には、無線通信装置2から送信したビーム10を移動体3に追従させ、移動体3を追尾する。無線通信時には、無線通信装置2はビーム10を介して移動体3との間でデータを送受信する。
具体的には、図1に示されるように近距離の移動体3Aに対しては、アンテナ20から照射されるビーム10のビーム幅W1を大きく(広域)する。一方、長距離の移動体3Bに対しては、アンテナ20から照射されるビーム10のビーム幅W2を小さく(狭域)する。
なお、ビーム幅W1,W2とは、ビーム10の照射方向D1,D2におけるアンテナ20からの距離が基準距離Lのときの各ビームの照射幅であってもよい。あるいは、ビーム幅W1,W2とは、各ビームの拡がり角(角度幅)θ1,θ2であってもよい。この場合、ビーム幅θ1,θ2は、アンテナ20の前方を基準とし、ビーム10を送信したときにその左右で電力が半分になる点の間の角度であってもよい。
図2に示されるように、一実施形態に係る無線通信システム1は、無線通信装置2と、移動体3と、を備える。
移動体3には、無線通信のための通信制御部31を有する移動体端末30が搭載されている。また、移動体3には、この移動体3の位置又は状態を検出するための少なくとも一つの検出部が設けられていてもよい。検出部としては、例えば、移動体3の加速度を検出する加速度センサ32、移動体3のGPS位置情報を取得するためのGPS受信機33、あるいは移動体3の姿勢を検出するための角速度センサ34が挙げられる。なお、移動体3は、小型無人航空機(UAV)等の航空機、車両、船舶、あるいは人物等であってもよい。
無線通信装置2の主な機能は、移動体3との間で無線通信によってデータの送受信を行うことである。また、無線通信装置2は、移動体3との無線通信を実現するために、移動体3の探索又は追従を実行する機能も有している。例えば、無線通信装置2は、複数の移動体3との間でそれぞれ無線通信可能な小型の基地局(地上局)である。なお、無線通信装置2は、図2に示す移動体3とは別の移動体に搭載されて移動可能であってもよいし、地上局のように固定的に設置されていてもよい。
ビーム調節部21は、通信に用いられるビーム10の照射方向及びビーム幅を調節するように構成される。
照射方向制御部27は、移動体3にビーム10が追従可能なように、ビーム調節部21を制御してビーム10の照射方向を調節するように構成される。
ビーム幅制御部28は、少なくとも無線通信装置2と移動体3との間の距離を示す距離情報に基づいて、ビーム調節部21を制御してビーム幅を調節するように構成される。
アンテナ20は、ビーム調節部21によって照射方向およびビーム幅が調節されたビーム10を送受信するように構成される。アンテナ20は、全方位にビーム10を送信可能な自動追尾式のアンテナであってもよい。
通信制御部26は、無線LANモジュール22を介した移動体3との無線通信を制御するように構成される。
照射方向制御部27及びビーム幅制御部28の基本的な構成は、上述した通りである。
また、照射方向制御部27及びビーム幅制御部28は、現在のビーム10の照射方向(ビーム方位)と、無線通信装置2及び移動体3間の距離情報とに基づいて、次の照射方向及びビーム幅を含むアンテナ制御情報を作成するための制御PCと、このアンテナ制御情報から各ビーム調節部21の制御情報を生成するためのアンテナ制御回路と、を含んでいてもよい。
この構成において、ビーム幅制御部28は、ビーム幅W1,W2が上記関係を満たす第1距離L1及び第2距離L2が存在するように、ビーム調節部21を制御すればよい。すなわち、L1>L2の関係にある全ての第1距離L1及び第2距離L2において、ビーム幅W1,W2がW1>W2の関係を満たさなければならないというわけではない。例えば、第1距離L1と第2距離L2との差が小さい場合、第1距離L1及び第2距離L2のビーム幅W1,W2が一致(W1=W2)していてもよい。このように、少なくとも一部の距離範囲においては、ビーム幅が一定であってもよい。
また、上記構成において、無線通信装置2と移動体3の間の距離が大きくなるにつれて、ビーム幅が単調減少するように、ビーム幅制御部28がビーム調節部21を制御してもよい。この場合においても、少なくとも一部の距離範囲においては、ビーム幅が一定であってもよい。
このとき、ビーム幅制御部28は、前回制御時に比べて今回制御時の方が距離が大きいとき、前回制御時よりも今回制御時におけるビーム幅を小さくするように構成される。一方、ビーム幅制御部28は、前回制御時に比べて今回制御時の方が距離が小さいとき、前回制御時よりも今回制御時におけるビーム幅を大きくするように構成される。
同図に示すように、一実施形態に係る無線通信装置2は、移動体3から戻ってくる電波の受信電力を測定するための受信電力測定部23をさらに備えている。図示される例では、受信電力測定部23は、無線LANモジュール22に組み込まれた構成となっている。ただし、受信電力測定部23の構成はこれに限定されるものではなく、例えば無線LANモジュール22とは別に設けられてもよい。
この場合、ビーム幅制御部28は、受信電力測定部23で測定された受信電力の大きさ(信号強度)に基づき、ビーム調節部21を制御してビーム幅を調節するようになっている。
同図に示すように、ビーム幅制御部28は、通信によって移動体3から取得した移動体3の位置情報に基づき、ビーム調節部21を制御してビーム幅を調節するように構成されている。この位置情報とは、移動体3の位置に関連した情報であり、移動体3の位置を直接的に表すものであってもよいし、移動体3の位置を間接的に表すものであってもよい。
例えば、ビーム幅制御部28が、移動体3の加速度情報に基づいて算出された位置情報に基づいてビーム幅を調節するように構成されている場合、移動体3との通信距離の長距離化と、通信の信頼性向上とを両立させることができる。
このように、距離情報として、移動体3との通信によって取得した移動体3の位置情報を用いることにより、精度の高い距離情報を取得できることからビーム幅のより適正な調節が可能となる。
このように、移動体3の加速度情報に基づいて算出される移動体3の位置情報を移動体3の姿勢情報によって補正することで、移動体3の高精度な位置情報を取得可能である。よって、ビーム幅の調節をより適切に行うことができ、移動体3との通信距離の長距離化及び通信の信頼性向上を効果的に両立させることができる。
この構成によれば、移動体3の移動速度を示す速度情報に基づいてビーム幅を調節するようにしたので、移動体3への追従性及び通信の信頼性をより一層向上できる。すなわち、移動体3の移動速度が閾値を超えているときに、ビーム幅を大きくすることによって、移動速度の速い移動体3に対しても追従性を確保できる。なお、移動速度が閾値以下である場合はビーム幅を大きくせず、指向性を優先させる。
照射方向制御ステップは、通信に用いられるビーム10が移動体3に追従するようにビーム10の照射方向を調節する。
ビーム幅制御ステップは、少なくとも無線通信装置2と移動体3との間の距離を示す距離情報に基づいてビーム幅を調節する。
これらのステップを備えることより、無線通信装置2と移動体3との間の通信距離の長距離化と、通信の信頼性向上とを両立させることができる。
このように、移動体3の移動速度を示す速度情報に基づいてビーム幅を調節することにより、移動体3への追従性及び通信の信頼性をより一層向上できる。
ステップS11では、ビーム10を移動体3に追従させた状態で、移動体3からの応答信号の受信電力を受信電力測定部23で測定する。次いで、ステップS12においてビーム幅制御部28は、今回測定された受信電力の測定結果と、前回の受信電力の測定結果とを比較する。ビーム幅制御部28は、今回の受信電力の測定結果の方が前回の受信電力の測定結果よりも大きい場合、ステップS13において、無線通信装置2と移動体3との間の距離が小さくなっている(近づいている)と判断し、ビーム幅が大きくなるようにビーム調節部21を制御する。一方、ビーム幅制御部28は、今回の受信電力の測定結果の方が前回の受信電力の測定結果よりも小さい場合、ステップS14において、無線通信装置2と移動体3との間の距離が大きくなっている(遠ざかっている)と判断し、ビーム幅が小さくなるようにビーム調節部21を制御する。ステップS13又はステップS14でビーム幅を制御した後、ステップS15において制御後のビーム幅での受信電力を測定し、測定結果を記憶部に保存しておく。記憶部に保存された受信電力の測定結果は、上記した前回の受信電力の測定結果として用いられる。なお、ビーム幅を制御した後に受信電力を再度測定する理由は、ビーム幅が異なると同一の距離であっても受信電力が異なってしまうため、受信電力の測定結果を同一の基準で比較し、正確に判断するためである。このステップS15を行った後、図5に示すステップS5に戻る。
図7に示す第2追従ループの手順において、ステップS21〜ステップS27はビーム幅制御ステップである。このビーム幅制御ステップでは、上述した少なくとも何れかの実施形態を採用することができる。
ステップS21では、無線通信装置2のアンテナ20から移動体3に向けてステータス信号を送信する。ステップS22では、ステータス信号に対して応答があるか否かを判定し、応答がない場合には、図5に示すステップS1まで戻る。一方、応答がある場合には、ステップS23において、ビーム10を移動体3に追従させた状態で、移動体3からの応答信号の受信電力を受信電力測定部23で測定する。次いで、ステップS24においてビーム幅制御部28は、今回測定された受信電力の測定結果と、前回の受信電力の測定結果とを比較する。ビーム幅制御部28は、今回の受信電力の測定結果の方が前回の受信電力の測定結果よりも大きい場合、ステップS25において、無線通信装置2と移動体3との間の距離が小さくなっている(近づいている)と判断し、ビーム幅が大きくなるようにビーム調節部21を制御する。一方、今回の受信電力の測定結果の方が前回の受信電力の測定結果よりも小さい場合、ステップS26において、ビーム幅制御部28は、無線通信装置2と移動体3との間の距離が大きくなっている(遠ざかっている)と判断し、ビーム幅が小さくなるようにビーム調節部21を制御する。ステップS25又はステップS26でビーム幅を制御した後、ステップS27において制御後のビーム幅での受信電力を測定し、測定結果を記憶部に保存しておく。記憶部に保存された受信電力の測定結果は、上記した前回の受信電力の測定結果として用いられる。このステップS27を行った後、図5に示すステップS5に戻る。
ステップS41では、ビーム10を移動体3に追従させた状態で、移動体3からの応答信号のから位置情報を取得する。なお、位置情報は、例えばGPS情報等のように、移動体3の応答信号から直接受け取る場合に限定されるものではなく、例えば、他の端末から位置情報を取得してもよい。次いで、ステップS42においてビーム幅制御部28は、今回取得した位置情報と、前回取得した位置情報とを比較する。ビーム幅制御部28は、今回の位置情報の方が前回の位置情報よりも近くなっている場合、ステップS43において、ビーム幅が大きくなるようにビーム調節部21を制御する。一方、ビーム幅制御部28は、今回の位置情報の方が前回の位置情報よりも遠くなっている場合、ステップS44において、ビーム幅が小さくなるようにビーム調節部21を制御する。ステップS43又はステップS44でビーム幅を制御した後、図8に示すステップS35に戻る。
図10に示す第2追従ループの手順において、ステップS51〜ステップS56はビーム幅制御ステップである。このビーム幅制御ステップでは、上述した少なくとも何れかの実施形態を採用することができる。
ステップS51では、無線通信装置2のアンテナ20から移動体3に向けてステータス信号を送信する。ステップS52では、ステータス信号に対して応答があるか否かを判定し、応答がない場合には、図8に示すステップS31まで戻る。一方、応答がある場合には、ステップS53において、ビーム10を移動体3に追従させた状態で、移動体3からの応答信号から移動体3の位置情報を取得する。次いで、ステップS54においてビーム幅制御部28は、今回取得した位置情報と、前回取得した位置情報とを比較する。ビーム幅制御部28は、今回取得した位置情報の方が前回取得した位置情報よりも近くなっている場合、ステップS55において、ビーム幅が大きくなるようにビーム調節部21を制御する。一方、今回取得した位置情報の方が前回取得した位置情報よりも遠くなっている場合、ステップS56において、ビーム幅制御部28は、ビーム幅が小さくなるようにビーム調節部21を制御する。ステップS55又はステップS56でビーム幅を制御した後、図8に示すステップS35に戻る。
同図に示すように無線通信装置2は、ステップS61にて移動体3の移動角度方向を特定した後、ステップS62において、その角度方向の移動速度に関する速度情報を取得する。速度情報は、加速度センサ32(図2参照)で検出した加速度情報に基づいて取得可能である。あるいは、速度情報は、GPS受信機33(図2参照)のGPS位置情報に基づいて取得可能である。また、角速度センサ34(図2参照)で検出された移動体3の姿勢情報に基づいて、速度情報を補正してもよい。角速度センサ34としては、例えば3軸のジャイロセンサが用いられる。
例えば、図3及び図5〜図7に示す実施形態では受信電力を用いてビーム幅を制御する構成となっており、一方、図4及び図8〜図10に示す実施形態では位置情報を用いてビーム幅を制御する構成となっているが、これらの実施形態を組み合わせて、受信電力及び位置情報を用いてビーム幅を制御する構成としてもよい。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
2 無線通信装置
3,3A,3B 移動体
10 ビーム
20 アンテナ
20a アンテナ素子
21 ビーム調節部
22 無線LANモジュール
23 受信電力測定部
25 制御ユニット
26 通信制御部
27 照射方向制御部
28 ビーム幅制御部
30 移動体端末
31 通信制御部
32 加速度センサ
33 GPS受信機
34 角速度センサ
Claims (15)
- 移動体との間で通信を行うための無線通信装置であって、
通信に用いられるビームの照射方向及びビーム幅を調節するためのビーム調節部と、
前記移動体に前記ビームが追従可能に前記照射方向を調節するよう前記ビーム調節部を制御するための照射方向制御部と、
少なくとも前記無線通信装置と前記移動体との間の距離を示す距離情報に基づいて前記ビーム幅を調節するよう前記ビーム調節部を制御するためのビーム幅制御部と、を備えることを特徴とする無線通信装置。 - 前記ビーム幅制御部は、前記距離が第1距離のときの前記ビーム幅をW1とし、前記距離が前記第1距離よりも大きい第2距離であるときの前記ビーム幅をW2としたとき、W1>W2の関係を満たすよう前記ビーム調節部を制御するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の無線通信装置。
- 前記ビーム幅制御部は、前回制御時における前記距離情報と今回制御時における前記距離情報との比較結果に基づいて今回制御時の前記ビーム幅が決定されるように、前記距離情報に基づく前記ビーム調節部の制御を繰り返すように構成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信装置。
- 前記ビーム幅制御部は、
前記前回制御時に比べて前記今回制御時の方が前記距離が大きいとき、前記前回制御時よりも前記今回制御時における前記ビーム幅を小さくし、
前記前回制御時に比べて前記今回制御時の方が前記距離が小さいとき、前記前回制御時よりも前記今回制御時における前記ビーム幅を大きくする
ように構成されたことを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。 - 前記移動体から戻ってくる電波の受信電力を測定するための受信電力測定部をさらに備え、
前記ビーム幅制御部は、前記受信電力の大きさに基づき、前記ビーム制御部を制御して前記ビーム幅を調節するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の無線通信装置。 - 前記ビーム幅制御部は、通信によって前記移動体から取得した前記移動体の位置情報に基づき、前記ビーム制御部を制御して前記ビーム幅を調節するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の無線通信装置。
- 前記ビーム幅制御部は、前記移動体の加速度情報に基づいて算出された前記位置情報に基づいて前記ビーム幅を調節するように構成されたことを特徴とする請求項6に記載の無線通信装置。
- 前記ビーム幅制御部は、前記移動体の姿勢情報に基づいて前記移動体の前記位置情報を補正し、補正後の前記位置情報に基づいて前記ビーム幅を調節するように構成されたことを特徴とする請求項7に記載の無線通信装置。
- 前記ビーム幅制御部は、前記距離情報に加えて、前記移動体の移動速度を示す速度情報に基づいて前記ビーム幅を調節するよう前記ビーム調節部を制御するように構成されたことを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の無線通信装置。
- 前記ビーム幅制御部は、前記移動速度が閾値を超えているとき、前記移動速度が前記閾値以下である場合に比べて前記ビーム幅を大きくするよう前記ビーム調節部を制御することを特徴とする請求項7に記載の無線通信装置。
- 請求項1乃至9に記載の無線通信装置と、
前記移動体に搭載され、前記無線通信装置との間で無線通信を行うように構成された移動体端末と、を備えることを特徴とする無線通信システム。 - 移動体との間で通信を行う無線通信方法であって、
通信に用いられるビームが前記移動体に追従するように前記ビームの照射方向を調節する照射方向制御ステップと、
少なくとも前記無線通信装置と前記移動体との間の距離を示す距離情報に基づいて前記ビームのビーム幅を調節するビーム幅制御ステップと、を備えることを特徴とする無線通信方法。 - 前記ビーム幅制御ステップでは、前記距離が第1距離のときの前記ビーム幅をW1とし、前記距離が前記第1距離よりも大きい第2距離であるときの前記ビーム幅をW2としたとき、W1>W2の関係を満たすよう前記ビーム幅を調節することを特徴とする請求項12に記載の無線通信方法。
- 前記ビーム幅制御ステップでは、前回制御時における前記距離情報と今回制御時における前記距離情報との比較結果に基づいて今回制御時の前記ビーム幅が決定されるように、前記距離情報に基づく前記ビーム幅の制御を繰り返すことを特徴とする請求項12又は13に記載の無線通信方法。
- 前記ビーム幅制御ステップでは、前記距離情報に加えて、前記移動体の移動速度を示す速度情報に基づいて前記ビーム幅を調節することを特徴とする請求項14に記載の無線通信方法。
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