JP2016144004A - 画像処理装置およびその方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 再現する対象物の質感と質感再現範囲のミスマッチを解消する。【解決手段】 データ入力部1101は、再現する対象物の少なくとも色情報と光沢情報を含む質感データを入力する。マッピング方法取得部1111は、質感データのマッピング方法を取得する。質感マッピング部1103は、質感再現装置209の質感再現範囲を示す情報に基づき、質感データを質感再現範囲にマッピングする。信号生成部1110は、マッピング後の質感データに基づき質感再現装置209に出力する出力信号を生成する。質感データには色情報を表す色信号と光沢情報を表す光沢信号が含まれ、質感マッピング部1103は、色信号にカラーマッピングを施し、光沢信号にマッピング方法に従う光沢マッピングを施す。【選択図】 図7

Description

本発明は、対象物の質感を再現するための画像処理に関する。
色に加えて光沢などを制御することで物体の質感を再現するプリンタが求められている。特許文献1は、記録媒体に含まれる熱融着性粒子を加熱溶融することで光沢を再現する技術を開示する。また、特許文献2は、質感を良好に再現するため、光沢データを量子化する技術を開示する。
しかし、特許文献1および2が開示する技術は、再現対象の物体(以下、対象物)の質感の範囲と、プリンタなどの質感再現装置が再現可能な質感の範囲(以下、質感再現範囲)の間のミスマッチの解消を考慮しない。そのため、対象物の質感の範囲と質感再現装置の質感再現範囲がマッチしない場合、当該対象物の質感を適切に再現することができない。
特開2001-047732号公報 特開2010-246049号公報
JIS Z 8722「色の測定方法-反射及び透過物体色」 JIS Z 8781-4「測色-第4部:CIE 1976 L*a*b*色空間」 JIS Z 8741「鏡面光沢度-測定方法」 JIS K 7374「プラスチック-像鮮明度の求め方」 JIS H 8686-1「アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の写像性試験方法-第1部:視感測定方法」 ISO 13803「Paints and varnishes」 ASTM E430「Standard Test Methods for Measurement of Gloss of High-Gloss Surfaces by Abridged Goniophotometry」 JIS Z 8730「色の表示方法-物体色の色差」
本発明は、再現する対象物の質感と質感再現範囲のミスマッチを解消することを目的とする。
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。
本発明にかかる、対象物の質感を再現するための画像処理は、再現する対象物の少なくとも色情報と光沢情報を含む質感データを入力し、前記質感データのマッピング方法を取得し、質感再現装置の質感再現範囲を示す情報に基づき、前記質感データを前記質感再現範囲にマッピングし、前記マッピング後の質感データに基づき前記質感再現装置に出力する出力信号を生成する。前記質感データには前記色情報を表す色信号と前記光沢情報を表す光沢信号が含まれ、前記マッピングにおいて、前記色信号にカラーマッピングが施され、前記光沢信号に前記マッピング方法に従う光沢マッピングが施される。
本発明によれば、再現する対象物の質感データを質感再現範囲にマッピングすることで、対象物の質感と質感再現範囲のミスマッチを解消して、対象物の質感がより適切に再現された再現物を得ることができる。
質感再現処理の一例を説明するフローチャート。 光沢マッピングを説明する図。 実施例の画像処理を実行する情報処理装置の構成例を示すブロック図。 質感再現装置の構成例を説明する概観図。 マルチパス記録を説明する図。 ヘッドカートリッジの構成例を示す図。 質感再現システムにおける処理構成例を説明するブロック図。 質感再現装置のデバイス特性テーブルの一例を示す図。 パスマスクの一例を示す図。 均一な光沢度が必要になる例を説明する図。 光沢均一性重視の質感マッピングを説明するフローチャート。 例外処理を説明するフローチャート。 光沢度の階調性が必要になる例を説明する図。 光沢度の階調性重視の質感マッピングを説明するフローチャート。 典型的な変角反射光特性を示す図。
以下、本発明にかかる実施例の画像処理装置および画像処理方法を図面を参照して詳細に説明する。なお、実施例は特許請求の範囲にかかる本発明を限定するものではなく、また、実施例において説明する構成の組み合わせのすべてが本発明の解決手段に必須とは限らない。
[質感再現]
まず、質感再現について説明する。なお、以下では、質感を含めて再現すべき対象の物体を「対象物」、対象物を再現する質感再現装置によって得られるものを「再現物」と呼ぶ。質感再現は、対象物と同一物に見える再現物を得ることであり、ここでは、対象物と再現物を比較観察したとき、両者が同一物に見えるために両者で一致させるべき一連の特性を「質感」と呼ぶ。
質感を数値で定量的に表現することができれば、この数値が対象物と一致するように再現物を生成することにより、対象物と同一物に見える再現物を得ることができる。以下では、質感を表す数値を「質感信号」と呼ぶ。
以下では、質感が、例えば、色、光沢、内部散乱、形状などの要素から構成されるものとする。平らで表面の凹凸が充分に小さい印刷物が対象物の場合、同種の平面メディアに画像を記録することで、形状が対象物と略一致する再現物を得ることができる。また、不透明な物体における内部散乱の違いは、見た目の違いに対する影響は小さい。これらの場合、質感として重要な要素は色と光沢であり、これら二つの要素から質感が構成されると見做すことができる。また、他の場合においても色と光沢は質感の主要な要素である。
色の数値表現である色信号には、例えば、非特許文献1に従い測定され、非特許文献2に従い計算されるCIELAB値を利用することができる。CIELABは、主に、拡散反射光の明るさと色度に関する特性を表す。正反射方向と正反射方向近傍の方向を除く方向が拡散反射方向とすると、拡散反射光は、拡散反射方向への反射光に相当する。CIELAB値が対象物と一致するように再現物を形成すれば、拡散反射方向の見えを対象物と略一致させることができる。
光沢の数値表現である光沢信号には、例えば、非特許文献3に従い測定される鏡面光沢度や、非特許文献4や非特許文献5に従い測定される像鮮明度、非特許文献6や非特許文献7に従い測定される反射ヘイズの値を利用することができる。
鏡面光沢度は正反射光の明るさに関する特性を表し、像鮮明度および鏡面光沢度を反射ヘイズで除算した値は、試料に写り込んだ照明像の鮮明さに関する特性を表す。以下、この照明像の鮮明さに関する特性を「写像性」と呼ぶ。写像性が大きいとは、像鮮明度が大きく、鏡面光沢度を反射ヘイズで除算した値が大きいことを意味する。
鏡面光沢度の値と写像性の値、つまり像鮮明度および/または鏡面光沢度を反射ヘイズで除算した値が対象物と一致するように再現物を形成すれば、正反射方向の見えを対象物と略一致させることができる。
以下では、例えば、前記の規格に従い測定されたCIEALB値、鏡面光沢度、写像性に対応する質感信号から構成されるデータを「質感データ」と呼ぶ。質感データは、対象物の少なくとも色情報と光沢情報を含む一種の画像データであり、微小領域ごとに質感信号を有する。質感信号は、例えば、CIEALBに対応した色信号と、鏡面光沢度および写像性に対応した光沢信号を有する。なお、写像性は、像鮮明度でもよいし、鏡面光沢度を反射ヘイズで除算した値でもよい。また、以下では、質感信号が対応する微小領域を「領域」または「画素」と呼ぶ。
[質感再現処理]
図1のフローチャートにより質感再現処理の一例を説明する。まず、対象物の質感データが入力される(S101)。なお、対象物の質感が領域によって異なる場合は、領域ごとの質感信号に対応した質感データを入力する。例えば、カラー画像データは、領域ごとのCIELAB値に対応した質感信号を有する。
次に、入力された質感データから質感信号(色信号と光沢信号)が取得され(S102)、質感再現装置の質感再現範囲を示す情報が取得される(S103)。質感再現装置の質感再現範囲は、当該装置で再現可能なCIELAB値、鏡面光沢度、写像性の値の組み合わせを示す情報(以下、再現範囲情報)として予め記憶装置に格納されている。
次に、ユーザが選択した質感マッピング方法が取得される(S104)。質感マッピング方法として、鏡面光沢度重視、写像性重視などのマッピング方法があり、ユーザはそれらマッピング方法から所望するマッピング方法を選択する。
次に、ステップS104で取得した質感マッピング方法に従い、再現範囲情報が示す質感再現範囲に基づき、ステップS102で取得した質感信号が質感再現装置において再現可能な質感に対応する質感信号に変換される(S105)。この工程における変換が「質感マッピング」であり、質感マッピングの詳細は後述する。
次に、質感マッピング後の質感信号に基づき質感再現装置に出力される出力信号が生成される(S106)。質感再現装置は、例えば、プリンタなどの画像記録装置であり、出力信号は、例えば、画像記録装置が備える色材の量に関する信号であるが、詳細は後述する。
次に、質感再現装置により、出力信号に基づき再現物が生成される(S107)。なお、質感信号で構成される「質感データ」に対して、出力信号で構成されるデータを「制御データ」と呼ぶ。言い替えれば、ステップS105は、入力された質感データを質感再現装置が再現可能な質感に対応する質感データに変換する工程であり、ステップS106は、ステップS105で得られた質感データを質感再現装置の制御データに変換する工程である。
なお、上記の手順は一例であり、例えば、質感データの入力前に、再現範囲情報の取得や質感マッピング方法の取得を行ってもよい。
●質感マッピング
質感マッピング(S105)においては、ステップS102で取得された質感信号が質感再現範囲に含まれるか否か、言い替えれば、質感再現装置によって再現可能な質感信号か否かが判定される(S1501)。つまり、質感信号におけるCIELAB値、鏡面光沢度、写像性の値の組み合わせが質感再現範囲に含まれていれば、質感再現装置によって再現可能な質感信号と判定され、質感信号はそのまま質感マッピング後の質感信号として出力される(S1502)。
他方、質感再現装置によって再現不可能な質感信号と判定された場合、再現範囲情報が示す色再現範囲に基づき、質感信号の色信号が質感再現装置において再現可能な色に対応する色信号に変換される(S1503)。この工程における変換が「カラーマッピング」である。
カラーマッピングは、公知の方法で実施すればよい。例えば、質感信号の色信号は、色相角を維持して色差ΔEが最小の、質感再現装置によって再現可能な色に対応する色信号に変換される。色相角と色差ΔEにはそれぞれ、非特許文献2に定義されているab色相角の値、非特許文献8に定義されているCIEDE2000の値が利用可能である。
次に、再現範囲情報が示す光沢再現範囲に基づき、質感信号の光沢信号が質感再現装置において再現可能な光沢に対応する光沢信号に変換され、質感マッピング後の質感信号として出力される(S1504)。この工程における変換を「光沢マッピング」と呼ぶ。
●光沢マッピング
図2により光沢マッピングを説明する。図2に示すグラフの横軸は写像性の値、縦軸は鏡面光沢度の値を示し、領域21は光沢再現範囲を示し、点22は質感信号の光沢信号を示す。例えば、鏡面光沢度重視の質感マッピング方法が設定されている場合、光沢信号22は点23にマッピングされ、入力された質感データの鏡面光沢度に近い光沢信号が出力される。その結果、入力された質感データが示す鏡面光沢度との差が小さい再現物が得られる。
一方、写像性重視の質感マッピング方法が設定されいる場合、光沢信号22は点24にマッピングされ、入力された質感データの写像性に近い光沢信号が出力される。その結果、入力された質感データが示す写像性との差が小さい再現物が得られる。
ユーザは、好みや用途に応じて光沢マッピング方法を変更することができる。例えば、写像性に対応する光沢信号の分布に高周波成分が多い場合、写像性よりも鏡面光沢度の違いが見た目の違いに大きく影響することを考慮し、鏡面光沢度重視の質感マッピング方法を選択することができる。
[装置の構成]
図3のブロック図により実施例の画像処理を実行する情報処理装置の構成例を示す。マイクロプロセッサ(CPU)201は、RAMなどのメインメモリ202をワークメモリとして、HDDまたはSSDなどの記憶部203やROM204に格納されたプログラムを実行し、システムバス205を介して後述する構成を制御する。なお、記憶部203やROM204には、物体の質感を再現する、上述した質感再現処理(S101-S106)を実現するプログラムや各種データが格納されている。
USBなど汎用インタフェイス(I/F)206には、キーボードやマウスなどの指示入力部207、USBメモリやメモリカードなどの記録メディア(コンピュータが読み取り可能な記録媒体)208、質感再現装置209などが接続される。また、ビデオカード(VC)210に接続されたモニタ211には、CPU201によって、ユーザインタフェイス(UI)や処理経過や処理結果を示す情報が表示される。
例えば、CPU201は、指示入力部207を介して入力されるユーザ指示に従いROM204、記憶部203または記録メディア208に格納されたアプリケーションプログラム(AP)をメインメモリ202の所定領域にロードする。そして、APを実行し、APに従いモニタ211にUIを表示する。
次に、CPU201は、ユーザ指示に従い記憶部203や記録メディア208に格納された各種データをメインメモリ202の所定領域にロードする。そして、APに従いメインメモリ202にロードした各種データに所定の演算処理を施す。そして、CPU201は、ユーザ指示に従い演算処理結果をモニタ211に表示したり、記憶部203や記録メディア208に格納したり、質感再現装置209に出力したりする。また、CPU201は、汎用I/F206を介して、質感再現装置209から各種情報を取得することができる。
なお、CPU201は、システムバス205に接続された図示しないネットワークI/Fを介して、有線または無線ネットワーク上のコンピュータ装置やサーバ装置との間でプログラム、データ、演算処理結果の送受信を行うこともできる。また、モニタ211と指示入力部207は、それらを重ねたタッチパネルであってもよく、その場合、情報処理装置はタブレットデバイスまたはスマートフォンのようなコンピュータ機器である。
[質感再現装置の構成]
図4の概観図により質感再現装置209の構成例を説明する。なお、図4には、質感再現装置209としてインクジェット方式の画像形成装置の例を示す。
キャリッジ3202に交換可能に搭載されたヘッドカートリッジ3201は、複数の記録材吐出口に対応する複数の記録素子を有す記録ヘッドと、記録ヘッドにインクを供給するインクタンクを有する。さらに、ヘッドカートリッジ3201は、各記録素子の駆動信号など記録ヘッドの信号を送受信するためのコネクタを有する。
キャリッジ3202は、コネクタを介してヘッドカートリッジ3201に信号を伝達するためのコネクタホルダを有し、ガイドシャフト3203に沿って往復移動が可能である。つまり、キャリッジ3202は、主走査モータ3204を駆動源とするモータプーリ3205と従動プーリ3206、および、タイミングベルト3207などから構成される駆動機構によって、その位置と移動が制御される。ヘッドカートリッジ3201の吐出口面は、キャリッジ3202から下方へ突出して記録紙3208と平行になるように保持されている。キャリッジ3202のガイドシャフト3203に沿った移動が「主走査」であり、移動方向が「主走査方向」である。
記録紙3208は、オートシートフィーダ(ASF)3210に搭載される。画像形成時、ピックアップローラ3212はギアを介して給紙モータ3211に駆動され、ASF3210から記録紙が一枚ずつ分離され給紙される。そして、記録紙3208は、搬送ローラ3209の回転により、キャリッジ3202上のヘッドカートリッジ3201の吐出口面に対向する記録開始位置に搬送される。搬送ローラ3209は、ギアを介してラインフィード(LF)モータ3213に駆動される。記録紙3208が記録開始位置に搬送されたか否かの判定は、ペーパエンドセンサ3214による記録紙3208の通過検知によって行われる。
記録紙3208が記録開始位置に搬送された後、キャリッジ3202が記録紙3208上をガイドシャフト3203に沿って移動し、移動の際、駆動信号に応じて記録ヘッドの各吐出口からインクが吐出される。移動するキャリッジ3202がガイドシャフト3203の一端に達すると、搬送ローラ3209により、主走査方向に直交する方向に記録紙3208が所定距離、搬送される。この記録紙3208の搬送が「紙送り」または「副走査」であり、その搬送方向が「紙送り方向」または「副走査方向」である。
記録紙3208の紙送りが終了すると、再び、キャリッジ3202がガイドシャフト3203に沿って移動し、駆動信号に応じて記録ヘッドの各吐出口からインクが吐出される。このように、キャリッジ3202による主走査と紙送り(副走査)を繰り返して、記録紙3208上に画像が形成される。
図5により記録ヘッドによって記録紙3208の同一ライン上を複数回走査して画像を形成するマルチパス記録を説明する。図5は2パス記録を示し、例えば、主走査において記録ヘッドの記録幅L分の画像記録を行い、一主走査分の記録が終了するごとに記録紙3208を副走査方向に距離L/2分搬送する。図5に示す領域Aの記録はm回目の主走査とm+1回目の主走査によって完了し、領域Bの記録はm+1回目の主走査とm+2回目の主走査により完了する。
nパス記録を行う場合、一主走査分の記録が終了するごとに記録紙3208を副走査方向に距離L/n分搬送し、記録紙3208の同一ライン上を記録ヘッドがn回主走査することで画像が形成されることになる。なお、記録幅Lは、吐出口列の副走査方向の長さに相当し、質感再現装置209が一主走査で記録可能な領域の副走査方向の長さに相当する。
一般に、記録パス数が多いほど、画像形成に要する時間が長くなるが、記録ヘッドのインク吐出口ごとの吐出量や吐出方向のばらつきの影響が抑制されて濃度むらが目立ち難くなる。また、記録パス数が多いほど、質感再現範囲を拡げることができる。さらに、一回のパスで記録するインク量が少なくなり、一回のパスで形成されるドットが分散する。そして、複数回のパスの記録によって、粒状のドットが重畳して記録紙3208の表面に微小な凹凸が形成される。その結果、表面反射光の散乱が大きくなり、写像性が小さい光沢を再現することができる。
逆に、記録パス数を制限し、少ない記録パス数で画像形成を行うと、一回のパスで記録するインク量が多くなり、インクが層を形成し記録紙3208の表面の平滑化に寄与する結果、表面反射光の散乱が小さくなり、写像性が大きい光沢を再現することができる。ただし、形成される表面凹凸のレベルは記録材の物性に依存し、記録材の種類によって異なる。また、再現する色によって色材量も変化する。そのため、色によって、制御可能な写像性の範囲が異なる。言い替えれば、色によって写像性の再現範囲が変化する。
図5に示すマルチパス記録においてnパス記録を行う場合、一主走査ごとに記録紙3208を副走査方向に距離L/n分搬送するため、一主走査における記録幅はL/nである。一方、本実施例においては、詳細は後述するが、質感再現装置が一主走査で記録可能な領域を単位記録領域として、同じ単位記録領域を複数回主走査して再現物を生成することになる。
●記録ヘッド
図6によりヘッドカートリッジ3201の構成例を示す。ヘッドカートリッジ3201は、記録材としてのインクを貯蔵するインクタンク601と、インクタンク601から供給されるインクを吐出信号に応じて吐出する記録ヘッド602を有する。ヘッドカートリッジ3201は、例えば、イエローY、マゼンタM、シアンC、ブラックK、第一の光沢調整材A、第二の光沢調整材Bの各インクタンクを独立に備える。各インクタンク601は、図6(b)に示すように、記録ヘッド602に対して着脱自在である。
光沢調整材Aおよび光沢調整材Bは、屈折率が異なる無色透明の材料であることが望ましい。しかし、光沢調整材は、完全に透明ではない若干着色した材料でもよく、無色透明に近い材料であればよい。光沢調整材Aの屈折率は、光沢調整材Bの屈折率よりも大きい。
屈折率が大きい光沢調整材Aが記録面の最上面(最表面)に記録された領域は反射率が大きく、鏡面光沢度が大きい光沢を再現することができる。逆に、屈折率が小さい光沢調整材Bが最表面に記録された領域は反射率が小さく、鏡面光沢度が小さい光沢を再現することができる。そして、領域における光沢調整材AとBの使用比率を調整すれば、それらを単体で使用した場合の鏡面光沢度の中間的な鏡面光沢度を再現することができる。
ただし、記録可能な記録材の総量には制限がある。また、再現する色によって使用される色材量が変化するため、使用可能な光沢調整材の量は色によって変化する。そのため、色によって、制御可能な鏡面光沢度の範囲が異なる。言い替えれば、色によって鏡面光沢度の再現範囲が変化する。
[質感再現システムの処理構成]
図7のブロック図により質感再現システムにおける処理構成例を説明する。図7に示す処理構成および機能は、CPU201による上述した画像処理(S101-S106)用のプログラムの実行によって実現される画像処理装置1100、および、CPU201の指示に基づく質感再現装置209の動作により実現される。
データ入力部1101は、記憶部203、記録メディア208または図示しないサーバ装置などから質感信号で構成される質感データを入力する。質感信号は、色信号と光沢信号から構成され、質感データの各画素は、一般的な色信号RGBに加えて、光沢信号GlSpを有する。光沢信号Glは鏡面光沢度に対応する信号であり、光沢信号Spは写像性に対応する信号である。
質感データを構成する質感信号RGBGlSpは、例えば、各要素が8ビット、合計40ビットのディジタル信号である。なお、質感データのフォーマットは、上記に限らず、例えば、色信号RGBで構成される画像データと、光沢信号GlSpで構成される光沢データの二種類のデータを入力する構成でもよい。
質感信号取得部1102は、入力される質感信号をCIELABに対応する色信号Labと、鏡面光沢度に対応する光沢信号g、写像性に対応する光沢信号sに変換する。質感信号取得部1102が出力する質感信号Labgsは、好適には、測定値に対応した、装置に非依存の信号である。
色信号RGBから色信号Labへの変換には、sRGBやAdobeRGBなどの標準色空間に対して規定された変換方法を用いればよい。あるいは、記憶部203などに格納された色信号RGBと色信号Labの対応関係が記述されたカラーテーブル(三次元ルックアップテーブル)を参照する公知の補間演算を用いて色信号RGBに対応する色信号Labを算出してもよい。
光沢信号Glから光沢信号gへの変換、および、光沢信号Spから光沢信号sへの変換にも、定義された標準の変換方法を用いればよい。あるいは、記憶部203などに格納された光沢信号Glと光沢信号gの対応関係および光沢信号Spと光沢信号sの対応関係が記述された光沢テーブルを参照する補間演算により変換を行えばよい。
カラーテーブルや光沢テーブルを利用する場合、好適には、質感データの種類や質感データを生成した質感取得装置ごとにカラーテーブルや光沢テーブルを用意して、例えば質感データのヘッダに記述された識別情報に基づき変換に利用するテーブルを選択する。勿論、ユーザ指示に基づいて変換に利用するテーブルを選択してもよい。
マッピング方法取得部1111は、例えばUIを介して質感マッピング方法を取得する。質感マッピング方法としては、上述したように、鏡面光沢度重視、写像性重視などの方法がある。質感マッピング部1103は、前述したカラーマッピングと質感マッピング方法に従う光沢マッピングにより、質感信号Labgsを質感再現範囲にマッピングした質感信号L'a'b'g's'を生成する。なお、質感マッピング部1103は、記憶部203などに格納された質感再現装置209の再現範囲情報を参照する。
信号変換部1104は、質感信号L'a'b'g's'を質感再現装置209の記録材の量に対応する記録材量信号(色材量信号CMYKと光沢調整材量信号AB)と、質感再現装置209の記録方法を示す記録方法信号(以下、パス数信号P)に変換する。信号変換部1104の変換は、記憶部203などに格納された質感再現装置209のデバイス特性テーブルを参照して行われる。
図8により質感再現装置209のデバイス特性テーブルの一例を示す。デバイス特性テーブルには、離散的な記録材量信号CMYKABとパス数信号Pに対応する質感信号Labgsが記述されている。色材量信号CMYKは色材量に関する信号であり、例えば、各色8ビットのディジタル信号ある。光沢調整材量信号ABはそれぞれ、光沢調整材AとBの量に関する信号であり、例えば、それぞれ8ビットのディジタル信号である。パス数信号Pは、記録パス数nに関する信号である。パス数信号Pは、例えば1から16の値をとり、パス数信号P=1は1パス記録を、パス数信号P=2は2パス記録を、…、パス数信号P=16は16パス記録をそれぞれ示す。
ハーフトーン処理部1105は、信号変換部1104が出力する記録材量信号CMYKABに誤差拡散法や組織的ディザ法によるハーフトーン処理を施し、質感再現装置209の解像度に対応する二値信号C'M'Y'K'A'B'を出力する。二値信号C'M'Y'K'A'B'は、色材および光沢調整材のドットの記録または非記録を示し、言い替えれば、色材および光沢調整材のドットの記録位置を示す。ドットは、例えば、信号値が‘1’の位置に記録され、信号値が‘0’の位置には記録されない。
出力信号生成部1106は、パス数信号P、並びに、色材および光沢調整材のドット配置を示すハーフトーン処理後の二値信号C'M'Y'K'A'B'に基づき、パス分解処理を行って質感再現装置209に出力する出力信号を生成する。パス分解処理により、パスマスクと二値信号C'M'Y'K'A'B'の論理積が計算され、各パスで記録する記録材のドット配置を示すドット配置信号C"M"Y"K"A"B"が出力信号として生成される。
パスマスクは、例えば、1パス記録用から16パス記録用までの16セットで構成され、出力信号生成部1106は、パス数信号Pに対応するパスマスクセットを選択的に利用する。例えば、パス数信号P=2の場合、第一パスのシアン色材のドット配置は、2パス記録用のパスマスクセットの第一パス用のパスマスクと、シアン色材のドット記録位置を示す二値信号C'との論理積によって生成される。
図9によりパスマスクの一例を示す。なお、図9には、簡単のために、パスマスクが4×4の例(記録ヘッドの記録材当りのノズル数が4で、最大4パス記録の例)を示す。1パス記録から16パス記録を行う場合、少なくとも、記録材当りのノズル数は16になり、パスマスクは16×16になる。
図9(a)は1パス記録用の第一パス用のパスマスクを示す。1パス記録においては第一パスで全ドットを記録するため、当該パスマスクの全セルに‘1’が設定される。
図9(b)(c)は2パス記録用のパスマスクセットを示し、図9(b)が第一パス用のパスマスク、図9(c)が第二パス用のパスマスクである。2パス記録においてはドットを第一パスと第二パスに分けて記録するため、第一パス用のパスマスクの各セルの値を反転した値が第二パス用のパスマスクの各セルに設定される。
図9(d)から図9(g)は4パス記録用のパスマスクセットを示し、図9(d)が第一パス用のパスマスク、図9(e)が第二パス用のパスマスク、図9(f)が第三パス用とパスマスク、図9(g)が第四パス用のパスマスクである。4パス記録においてはドットを第一から第四パスの四つのパスに分けて記録するため、値‘1’のセルが、パスマスク間において重複せず、かつ、各パスマスクにおいて均等配置になるように、セルの値が設定される。
このように、nパス記録においてはドットを第一パスから第nパスのnパスに分けて記録するため、値‘1’のセルが、パスマスク間において重複せず、かつ、各パスマスクにおいて均等配置になるように、セルの値が設定される。なお、記録材の種類ごとに異なるパスマスクを用意してもよい。
質感信号取得部1102、質感マッピング部1103、信号変換部1104、ハーフトーン処理部1105、出力信号生成部1106の処理は画素単位に行われる。従って、出力信号生成部1106が画素ごとのパス数信号Pに応じてパス分解に適用するパスマスクセットを切り替えることで、画素ごとに記録パス数が制御されたドット配置信号C"M"Y"K"A"B"が生成される。
出力信号生成部1106は、記録パスごとのドット配置信号C"M"Y"K"A"B"をメインメモリ202または記憶部203に割り当てられたパスバッファ1107に格納する。パスバッファ1107は、複数ラインのデータ記憶が可能なラインバッファに類似し、複数の記録パスのドット配置信号C"M"Y"K"A"B"を記憶することができる。
例えば1パス記録から16パス記録を行う場合、パスバッファ1107の第一パスに対応する記憶領域のデータは第一パスにおいて各記録材を吐出すべき位置を示す。同様に、第二パスに対応する記憶領域のデータは第二パスにおいて各記録材を吐出すべき位置を示し、…、第16パスに対応する記憶領域のデータは第16パスにおいて各記録材を吐出すべき位置を示す。言い替えれば、パスバッファ1107の各記録パスに対応する記憶領域に記憶されたデータの論理和は、記録ヘッドの記録幅Lに相当する単位記録領域において各記録材を吐出すべき位置を示すことになる。
質感再現装置209の記録部1108は、単位記録領域を例えば16回主走査する。その際、画像処理装置1100の出力信号として、主走査に対応する、パスバッファ1107の記憶領域からドット配置信号C"M"Y"K"A"B"が順次出力される。記録部1108は、ドット配置信号C"M"Y"K"A"B"に基づき記録ヘッドを駆動して各ノズルに記録材を吐出させる。単位記録領域の記録が終了すると、記録部1108は、記録紙3208を記録幅L分搬送して、次の単位記録領域の記録を行う。このような単位記録領域の記録動作が繰り返されて再現物1109が生成される。
なお、パスバッファ1107の各記憶領域に記憶されたデータの論理和が‘0’の場合、当該記憶領域に対応する記録パスにおいて記録材を吐出する必要がない。そのような場合、記録部1108は、当該記録パスの主走査を省略して次の記録パスの処理に進むことができる。つまり、パス数信号Pが例えば1から16の値をとるように設定されている場合も、単位記録領域当り常に16回の主走査が必要になるわけではない。言い替えれば、単位記録領域の主走査は一回から、パス数信号Pの最大値に対応する所定回数の範囲で繰り返される。
また、ドット配置信号の出力順は第一パスから第nパスの昇順でもよいし降順でもよい。あるいは、ランダムな出力順も可能である。また、パスバッファ1107の各記憶領域は、nパス記録分の主走査に関する記録部1108の処理(必ずしもnパス分の記録ヘッドの移動が必要なわけではない)が終了した後にクリアされる。あるいは、記憶領域に対応する記録パスの主走査に関する記録部1108の処理(必ずしも当該記録パスにおいて記録ヘッドの移動が必要なわけではない)が終了した時点で当該記憶領域がクリアされてもよい。
このように、質感信号が質感再現装置209の質感再現範囲外の場合は質感マッピングにより、また、画素ごとの記録パス数nの制御により画素ごとに写像性を制御して、質感データが示す対象物の質感を好適に再現した再現物1109を生成することができる。さらに、質感マッピング方法のユーザ指定が可能であり、再現物1109に対する要求や再現物1109の用途に応じて、鏡面光沢度の再現を重視した質感再現や、写像性を重視した質感再現が可能になる。
また、図1に示す質感再現手順のステップS101はデータ入力部1101、ステップS102は質感信号取得部1102、ステップS103とS105は質感マッピング部1103、ステップS104はマッピング方法取得部1111が実施する処理である。同様に、ステップS106は信号生成部1110を構成する信号変換部1104、ハーフトーン処理部1105、出力信号生成部1106が実施する処理であり、ステップS107は記録部1108が実施する処理である。
また、図7には、画像処理装置1100のデータ入力部1101から出力信号生成部1106が、図1に示す画像処理を実行する図3に示す情報処理装置によって実現される例を示したが、それら処理部を質感再現装置209に組み込むことも可能である。
以下、本発明にかかる実施例2の画像処理装置および画像処理方法を説明する。なお、実施例2において、実施例1と略同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する場合がある。
実施例1では、質感マッピング方法として、鏡面光沢度重視と写像性重視の二つのマッピング方法を有する例を説明した。実施例2では、さらに、鏡面光沢度の均一性を重視するマッピング方法と、写像性の均一性を重視するマッピング方法を有する例を説明する。つまり、実施例2では、マッピング方法取得部1111によって、鏡面光沢度重視、写像性重視、鏡面光沢度均一性重視、または、写像均一性重視のユーザ指定が可能である。
以下では、鏡面光沢度均一性重視に対応する質感マッピング方法を例に説明を行うが、写像均一性重視についても同様である。また、以下では、鏡面光沢度と写像性を区別する必要がない場合、両者をまとめて「光沢度」と呼ぶ場合がある。
[均一な光沢度が必要な理由]
図10により均一な光沢度が必要になる例を説明する。図10(a)は光沢信号gの分布例を表し、この例では、すべての画素位置において一定かつ高い値の光沢信号gが入力されている。図10(b)は、光沢度の再現範囲(以下、光沢再現範囲)の一例を表し、各画素位置における光沢再現範囲を破線のバーで示す。
図10(b)に示すように、画素によって光沢再現範囲が異なるのは、画素の色信号の影響である。つまり、ある色信号が表す色の再現に必要な色材量CMYKが異なるため、記録媒体上に形成される色材層の凹凸、厚み、屈折率分布などが異なり、それらの違いが光沢再現範囲に影響する。
光沢再現範囲は、図8に示すデバイス特性テーブルを参照して取得することができる。例えば、デバイス特性テーブルから注目質感信号LabgsのLabを囲むLabg値を取得し、それらLabg値に含まれる最大g値と最小g値を光沢再現範囲とすればよい。
屈折率が異なる光沢調整材AおよびBを用いることにより光沢度を調整することが可能である。しかし、記録媒体に浸透または定着可能な記録材の量に限界があるため、色材量に応じて光沢調整材量も制約を受け、所望する光沢度の実現に必要な量の光沢調整材の使用が難しい場合がある。また、色材層の凹凸が大きい場合は、光沢調整材を用いても充分に平滑化できないことがある。従って、すべての色について任意の光沢度を得ることはできず、色信号に応じて光沢再現範囲が変化することになる。
図10(c)は、図10(a)に示す光沢信号gを図10(b)に示す光沢再現範囲に単純マッピングした結果を表す。なお、図10(c)に示す例は、各画素においてマッピング前後の誤差を最小にするマッピング方法を用いている。図10(c)に示すように、マッピング後の光沢信号gの分布は一様にならず、画素間に光沢差が発生する。図10(c)の例では、入力信号に存在しない光沢の変化が発生し、とくに、光沢度の均一性が要求される写真印刷において、質感の再現が不充分という評価になり易い。従って、光沢度の均一性が要求されるケースにおいては、図10(d)に示すマッピング結果が得られることが望ましい。
[光沢均一性重視の質感マッピング]
図11のフローチャートにより光沢均一性重視の質感マッピングを説明する。図11に示す処理は、図1に示す質感マッピング(S105)の内部処理に相当する。
まず、注目画素近傍の光沢信号gから光沢度の平均値gaが取得される(S301)。注目画素の近傍領域は、例えば、注目画素を含む所定サイズの矩形範囲とすればよいが、近傍領域のサイズおよび形状は任意であり、画像全体でもよい。
次に、注目画素近傍の共通光沢再現範囲が取得される(S302)。共通光沢再現範囲は、近傍領域において最も狭い光沢再現範囲に相当する。つまり、画素ごに色信号が異なれば、画素ごとに光沢再現範囲が異なる。そこで、近傍領域の各画素の光沢再現範囲の最大値を取得し、最大値の集合中の最小値を共通光沢再現範囲の上限値ULに設定する。同様に、近傍領域の各画素の光沢再現範囲の最小値を取得し、最小値の集合中の最大値を共通光沢再現範囲の下限値LLに設定する。
また、例外処理が必要なケースとして、近傍領域の画素の光沢再現範囲に共通領域が存在しない場合について説明する。この場合、共通光沢再現範囲の取得を行うと、共通光沢再現範囲の上限値ULが、共通光沢再現範囲の下限値LLよりも小さくなる。そこで、上限値ULと下限値LLの関係から上記例外が発生したか否かが判定され(S303)、例外処理が不要な場合(UL≧LL)、処理はステップS304に進む。他方、例外処理が必要な場合(UL<LL)、後述する例外処理(S309)が実行される。
例外処理が不要な場合、ステップS301で取得した光沢度の平均値gaが共通光沢再現範囲に含まれるか否かが判定される(S304)。光沢度の平均値gaが共通光沢再現範囲に含まれる(LL≦ga≦UL)場合は、注目画素の光沢信号gを光沢度の平均値gaにマッピングした光沢信号g'が出力される(S305)。
また、光沢度の平均値gaが共通光沢再現範囲に含まれない場合、光沢度の平均値gaと共通光沢再現範囲の上限値ULが比較される(S306)。そして、平均値が上限値以上(ga≧UL)であれば、注目画素の光沢信号gを上限値ULにマッピングした光沢信号g'を出力する(S307)。また、平均値が上限値未満(ga<UL)であれば、注目画素の光沢信号gを下限値LLにマッピングした光沢信号g'を出力する(S308)。
●例外処理
図12のフローチャートにより例外処理(S309)を説明する。まず、近傍領域の画素の光沢信号gを共通光沢再現範囲の上限値ULにマッピングした光沢信号g'を生成し、それら光沢信号g'の標本標準偏差を第一の均一性評価値E1として算出する(S501)。また、近傍領域の画素の光沢信号gを共通光沢再現範囲の下限値LLにマッピングした光沢信号g'を生成し、それら光沢信号g'の標本標準偏差を第二の均一性評価値E2として算出する(S502)。
次に、第一および第二の均一性評価値を比較し(S503)、第一の均一性評価値が第二の均一性評価値未満(E1<E2)の場合は、注目画素の光沢信号gを上限値ULにマッピングした光沢信号g'を出力する(S504)。また、第一の均一性評価値が第二の均一性評価値以上(E1≧E2)の場合は、注目画素の光沢信号gを下限値LLにマッピングした光沢信号g'を出力する(S505)。
このように、光沢度の均一性を重視した光沢マッピングが可能になり、光沢度の均一性が要求されるケースに好適な再現物を生成することができる。
また、実施例2によって実現される光沢度の均一性は、入力される光沢信号が同じであっても、入力される色信号に応じて異なる光沢度にマッピングする特徴を有する。これは、色信号に応じて光沢再現範囲が異なり、共通光沢再現範囲の上限値ULや下限値LLも色信号に応じて変化するためである。
光沢均一性を実現する従来の技術は、画像に依らず、光沢度が所定の設計光沢度に近付くように制御信号を生成する。そのため、色信号によっては、光沢度を設計光沢度に充分近付けることができず、光沢均一性が不充分になる場合がある。より詳細に説明すると、画像に依らず、光沢度を設計光沢度に近付ける方法は、質感再現装置が再現可能なすべての色信号における共通光沢再現範囲の光沢度に近付けることに等しい。多くの質感再現装置は、光沢再現範囲に共通領域をもたないことがあり、均一性評価値が最良になる光沢度が設計光沢度に選ばれる。これは、実施例2における例外処理をすべての色信号に対して事前に実施し、設計光沢度を決めていることに等しい。
一方、実施例2においては、画像に応じて共通光沢再現範囲を取得し、所定領域における光沢再現範囲の光沢度に近付くように制御信号を生成する。そのため、光沢再現範囲が共通領域をもたないという問題は比較的発生し難く、従来の技術よりも光沢度を揃え易く、より均一性が高い光沢を再現することができる。
以下、本発明にかかる実施例3の画像処理装置および画像処理方法を説明する。なお、実施例3において、実施例1、2と略同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する場合がある。
実施例3では、質感マッピング方法として、さらに、鏡面光沢度の階調性または写像性の階調性を重視するマッピング方法を有する例を説明する。つまり、実施例2では、マッピング方法取得部1111によって、鏡面光沢度重視、写像性重視、鏡面光沢度均一性重視、写像均一性重視、あるいは、鏡面光沢度の階調性または写像性の階調性重視のユーザ指定が可能である。
以下では、鏡面光沢度の階調性重視に対応する質感マッピング方法を例に説明を行うが、写像性の階調性重視についても同様である。また、以下では、実施例2と同様に、鏡面光沢度と写像性を区別する必要がない場合、両者をまとめて「光沢度」と呼ぶ場合がある。
[光沢度の階調性が必要な理由]
図13により光沢度の階調性が必要になる例を説明する。図13(a)は光沢信号gの分布例を表し、この例では、一部の画素位置において高い値の光沢信号gが入力され、その他の画素位置では低い値の光沢信号gが入力されている。図13(b)は、図10(b)と同様に、各画素位置における光沢再現範囲の一例を破線のバーで示す。
図13(c)は、図13(a)に示す光沢信号gを図13(b)に示す光沢再現範囲に単純マッピングした結果を表す。なお、図13(c)に示す例は、実施例2で説明した光沢均一性重視の質感マッピング方法を用いている。その結果、図13(c)に示すように、マッピング後の光沢信号gの分布は一様になり、入力された光沢信号gにおける光沢差が消失する。言い替えれば、光沢度の階調性が失われたことになる。光沢差の消失は、とくに、光沢による装飾効果を意図する画像の印刷において、質感の再現が不充分という評価になり易い。従って、光沢度の階調性が要求されるケースにおいては、図13(d)に示すマッピング結果が得られることが望ましい。
[光沢度の階調性重視の質感マッピング]
図14のフローチャートにより光沢度の階調性重視の質感マッピングを説明する。図14に示す処理は、図1に示す質感マッピング(S105)の内部処理に相当する。
まず、注目画素近傍の光沢信号gの最大値と最小値の差分が光沢差gdとして取得される(S401)。注目画素の近傍領域は、例えば、注目画素を含む所定サイズの矩形範囲とすればよいが、近傍領域のサイズおよび形状は任意であり、画像全体でもよい。
次に、注目画素近傍の再現光沢差gdrが取得される(S402)。再現光沢差gdrは、近傍領域において最も広い光沢再現範囲に相当する。つまり、近傍領域の各画素の光沢再現範囲の最大値を取得し、最大値の集合中の最大値を最大光沢値gmaxに設定する。同様に、近傍領域の各画素の光沢再現範囲の最小値を取得し、最小値の集合中の最小値を最小光沢値gminに設定する。そして、最大光沢値gmaxと最小光沢値gminの差分gmax-gminを再現光沢差gdrにする。言い替えれば、再現光沢差gdrは注目画素の近傍において再現可能な最大光沢値gmaxと最小光沢値gminの差分である。
次に、再現光沢差gdrが光沢差gd未満か否かを判定する(S403)。つまり、再現光沢差gdrは近傍領域において再現可能な最大の光沢差を表し、再現光沢差が光沢差未満(gdr<gd)の場合、近傍領域の光沢差gdを再現することができない。従って、gdr<gdの場合は、質感マッピングを中断し、光沢差を再現することができない旨の警告メッセージをUIに表示し(S406)、その後、一連の質感再現処理を中止する。
なお、再現光沢差が光沢差未満(gdr<gd)の発生頻度が僅かな質感データの場合、例えば、光沢差gdに所定の係数α(例えば0.7<α<1)を乗算することで、質感マッピングを継続するようにしてもよい。
また、再現光沢差が光沢差以上(gdr≧gd)の場合、近傍領域の光沢差gdが再現可能と判定される。この場合、近傍領域の光沢信号gの最大値MaxGが最大光沢値gmaxにマッピングされ、近傍領域の光沢信号gの最小値MinGが最小光沢値gminにマッピングされるように、光沢マッピングが調整される(S404)。そして、注目画素の光沢信号gをマッピングした光沢信号g'が出力される(S405)。例えば、注目画素の光沢信号gは下式によってマッピングされる。
g' = (g - MinG)×(gmax - gmin)/(MaxG - MinG) +gmin …(1)
このように、光沢度の階調性を重視した光沢マッピングが可能になり、光沢度の階調性が要求されるケースに好適な再現物を生成することができる。
[変形例]
上記では、色信号としてCIELABを説明したが、これに限らず、任意の数値表現および測定条件を用いてもよい。例えば、CIEXYZでもよく、分光波長ごとの反射率データでもよい。質感データの測定条件についても限定されず、測定時の照明と受光センサの位置関係を表す入射角度および受光角度は任意に設定してよい。また、積分球測定器のように、複数の受光角度を積分する条件であってもよい。また、透明度が高いフィルムのような記録媒体の場合、入射光が記録媒体を透過した後の光を受光するようにしてもよい。
鏡面光沢度に対応する光沢信号は、必ずしも規格の条件で測定された値に限らず、他の条件で測定された値や、その関数でもよい。例えば、測定の照明方向は30度であってもよいし、照明および受光の開き角も、規格の条件に限らない。また、鏡面光沢度に対応する信号は、明るさ情報だけでなく色情報を含む信号でもよい。色情報を含む信号には、例えば、波長ごとの正反射光量を測定し、非特許文献1が規定する方法で計算したCIELAB値を利用することができる。この場合、光沢マッピングにおける鏡面光沢度に対応する信号の変換は、三次元色空間における変換になる。変換方法には、色信号の変換と同様に、公知のカラーマッピング方法を利用することができる。
写像性に対応する光沢信号も、必ずしも規格の条件で測定された値に限らず、他の条件で測定された値や、その関数でもよい。例えば、正反射方向近傍で、反射光量が正反射光の半分になる方向が正反射方向となす角度φを測定し、その角度の逆関数を利用してもよい。
図15により典型的な変角反射光特性を示す。図15において、曲線1501は、試料1502の点Aからの反射光量を示す。反射光量が大きい角度θの方向は、照明に対する正反射方向であり、線分ABの長さは正反射方向への反射光量を示す。点Cは、線分ACの長さが線分ABの長さの半分になる点であり、線分ABと線分ACがなす角度が角度φである。写像性が大きい試料は、正反射方向近傍の光拡散が小さく、角度φは小さい値を示す。逆に、写像性が小さい試料の角度φは大きい値を示す。
さらに、写像性に対応する光沢信号として、表面凹凸の測定値やその関数を利用してもよい。表面凹凸が小さい滑らかな表面を有する対象物は、写像性が大きく、表面凹凸が大きい対象物は写像性が小さい。
さらに、光沢信号として、反射光量が最大になる方向に関する要素である「最大反射方向」を含んでもよい。対象物によっては、最大反射方向が領域によって変化する場合がある。この場合、見た目に一致する再現物を得るには、各領域が保持する情報として、鏡面光沢度と写像性に加えて、最大反射方向に関する情報が必要になる。この情報としては、例えば、図15に示す角度θに対応する信号や、角度θと基準角度との差分に対応する信号を利用することができる。
光沢信号に最大反射方向を含める場合、鏡面光沢度に対応する光沢信号として、反射光が最大になる方向の反射光量に関する情報を利用してもよい。言い替えれば、鏡面光沢度に対応する光沢信号として、領域によって異なる方向に対応する光沢信号を利用してもよい。同様に、写像性に対応する光沢信号として、最大反射方向の近傍で反射光量が最大反射光量の半分になる方向が、最大反射方向となす角度に関する情報を利用してもよい。最大反射方向は表面凹凸を制御して再現することができ、表面凹凸は、例えば、UVインクジェットプリンタや3Dプリンタを利用することで形成することができる。
また、ハーフトーン処理方法は限定されず、公知の任意の階調変換方法を適用することが可能である。階調変換後の信号についても三値以上の信号としてもよい。また、パス分解処理としてパスマスクを用いる方法を説明したが、パス分解処理の方法は限定されず、例えば、パスごとにハーフートーン処理を行う公知の方法を用いてもよい。
また、実施例2において均一性評価値として光沢信号g'の標本標準偏差を用いる例を説明したが、均一性の評価方法は限定されず、分散や、最大値と最小値の差を用いてもよい。また、注目画素近傍の光沢度の平均値を用いる例を説明したが、平均値以外の統計値、例えば、最頻値を用いてもよい。
また、実施例3において、式(1)に示した光沢マッピングの正規化方法は限定されない。より主観的に好ましい結果になるような非線形の変換を用いてもよく、LUTを用いる方法でもよい。また、警告メッセージを表示した後、一連の質感再現処理を中止する例を説明したが、勿論、質感再現処理を継続してもよい。
また、印刷モードや記録媒体の種類に連動して、質感マッピング方法が決定される構成としてもよい。例えば、写真印刷モードでは光沢均一性を重視するマッピング方法が選択され、装飾印刷モードでは光沢度の階調性を重視するマッピング方法が選択されるようにすればよい。また、画像に含まれる特徴量に応じて質感マッピング方法を選択する構成としてもよい。
また、質感マッピング方法の指定は、画像全体に対するものとは限らない。例えば、画像領域やオブジェクトに応じて異なる質感マッピング方法を指定または設定してもよい。特定の画像領域やオブジェクトを抽出する方法には、ユーザ指定や、画像特徴量に基づく自動識別方法が適用可能である。
上記では、質感再現装置としてシリアルタイプのインクジェットプリンタを例示したが、質感再現装置としてフルラインタイプのインクジェットプリンタや、電子写真プリンタ、昇華型プリンタ、シルク印刷などを利用することもできる。また、表面形状を形成するUVプリンタや、立体形状を形成する3Dプリンタを質感再現装置として利用してもよい。また、プリンタに限らず、ディスプレイやプロジェクタなどの画像表示装置に質感再現処理を適用してもよい。
また、上記では、質感再現装置の記録材をCMYKABの六種類とする例を説明したが、例えば、赤色、白色、金色の記録材を利用してもよいし、光沢調整材も三種類以上利用してもよい。また、インクジェットプリンタ以外の質感再現装置においては、記録材として、トナーやフィルムなどを用いてもよい。また、インクを吐出するヘッドカートリッジを、複数サイズの液滴を打ち分けられる構成としてもよい。
記録媒体には、光沢紙や普通紙などの紙以外の媒体を用いてもよい。例えば、布やフィルムのような素材でもよいし、表面に凹凸があってもよい。また、再現物が立体造形物のようにシート状ではない場合、記録媒体の搬送に対応した機構を質感再現装置に設ければよい。
また、質感データが表す画像の全領域に質感再現処理を施すことは必須ではない。一部の領域に、質感再現処理を適用しない場合や、一部の領域にのみ質感再現処理を適用する場合も本発明に含まれる。例えば、質感データが表す画像の一部領域を、質感再現処理を施すことなく、特定の色材を使って再現するように処理しても構わない。
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施形態の一以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける一以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、一以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
1101 … データ入力部、1111 … マッピング方法取得部、1103 … 質感マッピング部、1110 … 信号生成部

Claims (18)

  1. 対象物の質感を再現するための質感再現処理を行う画像処理装置であって、
    再現する対象物の少なくとも色情報と光沢情報を含む質感データを入力する入力手段と、
    前記質感データのマッピング方法を取得する取得手段と、
    質感再現装置の質感再現範囲を示す情報に基づき、前記質感データを前記質感再現範囲にマッピングするマッピング手段と、
    前記マッピング後の質感データに基づき前記質感再現装置に出力する出力信号を生成する生成手段とを有し、
    前記質感データには前記色情報を表す色信号と前記光沢情報を表す光沢信号が含まれ、前記マッピング手段は、前記色信号にカラーマッピングを施し、前記光沢信号に前記マッピング方法に従う光沢マッピングを施す画像処理装置。
  2. 前記生成手段は、
    前記質感再現装置のデバイス特性テーブルを参照して、前記マッピング後の質感データを前記質感再現装置の複数の記録材それぞれの量に対応する記録材量信号と、前記質感再現装置における記録方法を示す記録方法信号に変換する変換手段と、
    前記記録材量信号にハーフトーン処理を施すハーフトーン処理手段と、
    前記記録方法信号に基づき、前記出力信号として、前記ハーフトーン処理後の記録材量信号から前記複数の記録材それぞれのドット配置を示すドット配置信号を生成する出力信号生成手段とを有する請求項1に記載された画像処理装置。
  3. 前記出力信号生成手段は、前記記録方法信号が示す記録パス数に基づき、前記ハーフトーン処理後の記録材量信号をパス分解して、記録パスごとの前記ドット配置信号を生成する請求項2に記載された画像処理装置。
  4. さらに、複数の記憶領域を有し、前記記録パスに対応する記憶領域に当該記録パスの前記ドット配置信号を記憶するバッファ手段を有する請求項3に記載された画像処理装置。
  5. 前記バッファ手段の各記憶領域に記憶されたドット配置信号は、順次、前記質感再現装置に出力される請求項4に記載された画像処理装置。
  6. 前記質感再現装置は、各記録パスに対応するドット配置信号に基づき前記複数の記録材のドットを記録する主走査を、単位記録領域において、一回から所定回数の範囲で繰り返す請求項4または請求項5に記載された画像処理装置。
  7. 前記単位記録領域は、前記質感再現装置が一主走査で記録可能な領域に相当する請求項6に記載された画像処理装置。
  8. 前記質感再現装置は、前記複数の記録材として色材および光沢調整材を有する請求項2から請求項7の何れか一項に記載された画像処理装置。
  9. 前記マッピング方法には、鏡面光沢度を重視するマッピング方法と写像性を重視するマッピング方法が含まれる請求項1から請求項7の何れか一項に記載された画像処理装置。
  10. 前記マッピング方法には、鏡面光沢度均一性を重視するマッピング方法と写像均一性を重視するマッピング方法が含まれる請求項1から請求項7の何れか一項に記載された画像処理装置。
  11. 前記鏡面光沢度均一性または前記写像均一性を重視するマッピング方法に従う場合、前記マッピング手段は、注目画素の近傍の光沢信号の平均値、および、前記注目画素の近傍における光沢再現範囲を示す上限値と下限値を取得し、前記平均値が前記光沢再現範囲に含まれる場合は前記注目画素の光沢信号を前記平均値にマッピングする請求項10に記載された画像処理装置。
  12. 前記平均値が前記光沢再現範囲に含まれない場合、前記マッピング手段は、前記平均値が前記上限値以上の場合は前記注目画素の光沢信号を前記上限値にマッピングし、前記平均値が前記上限値未満の場合は前記注目画素の光沢信号を前記下限値にマッピングする請求項11に記載された画像処理装置。
  13. 前記注目画素の近傍の前記光沢再現範囲に共通範囲が存在しない場合、前記マッピング手段は、前記注目画素の近傍の光沢信号を前記上限値にマッピングした場合の第一の評価値と、前記注目画素の近傍の光沢信号を前記下限値にマッピングした場合の第二の評価値とを算出し、前記第一および第二の評価値に基づき、前記注目画素の光沢信号を前記上限値または下限値にマッピングする請求項11または請求項12に記載された画像処理装置。
  14. 前記マッピング方法には、鏡面光沢度の階調性を重視するマッピング方法と写像性の階調性を重視するマッピング方法が含まれる請求項1から請求項7の何れか一項に記載された画像処理装置。
  15. 前記鏡面光沢度の階調性または前記写像性の階調性を重視するマッピング方法に従う場合、前記マッピング手段は、注目画素の近傍の光沢信号の差を示す光沢差、および、前記注目画素の近傍において再現可能な最大光沢値と最小光沢値の差を示す再現光沢差を取得し、前記再現光沢差が前記光沢差以上の場合は前記注目画素の近傍の光沢信号の最大値が前記最大光沢値にマッピングされ、前記注目画素の近傍の光沢信号の最小値が前記最小光沢値にマッピングされるように前記光沢マッピングを調整する請求項14に記載された画像処理装置。
  16. 前記再現光沢差が前記光沢差未満の場合、前記マッピング手段は、前記光沢差を再現することができない旨の警告メッセージを発する請求項15に記載された画像処理装置。
  17. 対象物の質感を再現するための画像処理方法であって、
    再現する対象物の少なくとも色情報と光沢情報を含む質感データを入力し、
    前記質感データのマッピング方法を取得し、
    質感再現装置の質感再現範囲を示す情報に基づき、前記質感データを前記質感再現範囲にマッピングし、
    前記マッピング後の質感データに基づき前記質感再現装置に出力する出力信号を生成し、
    前記質感データには前記色情報を表す色信号と前記光沢情報を表す光沢信号が含まれ、前記マッピングにおいて、前記色信号にカラーマッピングが施され、前記光沢信号に前記マッピング方法に従う光沢マッピングが施される画像処理方法。
  18. コンピュータを請求項1から請求項16の何れか一項に記載された画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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