JP2016142349A - 圧力容器 - Google Patents

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一行 寺田
Kazuyuki Terada
一行 寺田
圭吾 吉田
Keigo Yoshida
圭吾 吉田
西本 忠弘
Tadahiro Nishimoto
忠弘 西本
草香 央
Hiroshi Kusaka
央 草香
聡 宮寺
Satoshi Miyadera
聡 宮寺
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Abstract

【課題】 熱可塑性樹脂ライナと繊維強化樹脂補強層からなる圧力容器であって口金部のガスシール性に優れた圧力容器を提供する。
【解決手段】 上記課題は、熱可塑性樹脂のライナと、該ライナの外側面を覆う繊維強化樹脂と、口金とを備える圧力容器であって、圧力容器のバルブと圧力容器とのガスシール部を該ライナの内面に有する圧力容器により解決される。
ライナ胴部の長さとライナ胴部の半径の比が2以上、12以下となる様設定し、ライナをブロー成形法で製作することが好ましい。
本発明によれば、熱可塑性樹脂ライナと繊維強化樹脂補強層からなる圧力容器であって口金部のガスシール性に優れた圧力容器が得られる。
【選択図】 図5

Description

本発明は、ガス、液化ガス等を収容するための圧力容器に係り、特に、樹脂により構成されたライナと、該ライナの外側面を覆う補強層と、金属により構成された口金を有する圧力容器に関する。
各種のガス、液化ガス等は様々な用途に用いられるが、これらのガスを使用、輸送、貯蔵するための容器が必要となる。その中でも移動を伴う容器は効率的な移動を行うため大量のガスを充填できる高圧仕様の容器が求められる。また、移動にかかる燃費を削減するために容器が軽量であることが望まれる。具体的な用途としては自動車の燃料容器や他の場所で消費するための高圧ガスを輸送するための容器があげられる。
従来、圧力容器は金属製のものが主流であったが、最近は、樹脂製ライナと該ライナの外側面を覆う繊維強化プラスチックの補強層とを有する複合材圧力容器が種々提案されている。また、これらの複合材圧力容器には金属製口金が設けられている。これらの口金はガス等の内容物の出入口を構成する目的で貫通孔があるものと、容器の支持をする目的のみで貫通孔がないものとがある。
特許文献1には、ライナがブロー成形により形成され、このライナの内側面に対し口金に含まれるフランジ部が重なる構成の圧力容器が開示されている。特許文献1は、接着樹脂層4が、ポリエチレン系熱可塑性樹脂で形成され、ライナ1と口金3との接着強度を高めることを開示している。
特許文献1は圧力容器5を製造する方法として図2にライナの製造方法を示し、ライナ成形後、ライナ1の外側面を、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂を含浸させた、カーボンファイバー糸もしくは束、ガラス繊維糸あるいは束等の繊維糸、束、またはマット等により被覆し、硬化させてFRP(CFRP、GFRP等)層2を形成することを記載している。
特許文献2には高圧容器むけに耐圧向上の目的でヘリカル層とフープ層に加えて高角度ヘリカル層の配置を提案している。高角度ヘリカル層の役割については破壊モード改善にあるとしている。
特許文献3にはフープ層とヘリカル層の積層態様を最適化し、巻回された繊維による強度発現の効率を向上させるようにしたタンクおよびその製造方法を提案している。
特開2008−164114号公報 特開2004−176898号公報 特許5348570号
特許文献1に開示される圧力容器10は、ライナ製造時に口金3をインサートして形成される。圧力容器が大きくなると、文献中に示されるようなブロー成形時のインサート成形を生産性よく行うことがむずかしくなる。ブロー成形時に不具合が生じた場合に、口金部材を含んだ不良がでて、生産性が落ちる。またこの方式ではライナ樹脂と金属口金の接着部がガスシール部に存在するため高圧のガスや分子量の小さいガスにおいてはその部分でのガスのリークが問題になることがある。
一方、ライナを回転成形法で形成した場合、口金のインサート成形は容易にできるが、成形サイクルがブロー成形に比較して非常に長く生産性が低い。
また粉末樹脂から溶融して成形したライナでは強度が低く、ライナ厚みを大きくしなくてはならず、重量が重くなる。
圧力容器の内容積を大きくするためには長さ、径のいずれかまたは両方を大きくしなければならないが、圧力容器を所定の場所、例えば、自動車や輸送用コンテナに収納するには極端に長いものは問題がある。一方、径を大きくする場合はガスの内圧に耐えるための補強層の厚みを増やさなければならないが、補強層厚みが極端に大きくなると、補強層のマトリクス樹脂の硬化時の発熱によりライナの変形、マトリクス樹脂の異常反応がおこり問題となることがある。容器の製造時及び使用時を考慮して形状を決めなければならない。特に径を大きくした場合、ヘリカル層はライナの胴部から鏡部を経て口金部に集中するため補強繊維の交絡が激しく積層厚みが極端に増すことになる。そのため、口金円筒部高さを大きく取らなければならず、圧力容器の全長を一定とした場合、ライナの胴部の長さを減少させ、容量を下げることになる。また補強層全体の厚みが増した時以上にマトリクス樹脂の硬化時の発熱の影響があり、局部的な発熱問題を回避するため、全体の硬化速度を下げざるをえず、生産性の低いものとなってしまう。
特許文献2、特許文献3ではライナの胴部及び、胴部と鏡部の移行部近傍での強度発現に注目して高角度ヘリカル層の導入を行っているが、径の大きいものは口金近傍からライナの胴部に移行するまでの鏡部での強度発現率に問題がある。
上記課題は、以下の構造の圧力容器により解決される。即ち、本発明は、
熱可塑性樹脂のライナと、該ライナの外側面を覆う繊維強化樹脂と、口金とを備える圧力容器であって、
圧力容器のバルブと圧力容器とのガスシール部を該ライナの内面に有する圧力容器である。
ライナ胴部の厚みは3mm以上、12mm以下が好ましい。ライナ胴部の半径は300mm以上、1000mm以下が好ましい。また、ライナ胴部の長さとライナ胴部の半径の比が2以上、12以下となる様設定することが好ましい。これらの形状を持つライナをブロー成形法で製作することが好ましい。
従来技術による圧力容器の概念図である。 従来技術のライナを成形する工程の説明図である。 本発明の圧力容器に用いるライナの形状を示す説明図である。 本発明の圧力容器に用いる口金の形状を示す説明図である。 本発明の圧力容器におけるガスシール部の構造を示す説明図である。
以下に、本発明の圧力用について図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は図面に記載の発明に限定されるものではない。
<補強層>
補強層内の補強繊維が以下のような構造をもつことが好ましい。
補強層の構造は、複数の繊維束を引き揃えたバンドをライナ上に巻回して積層して形成される。バンド幅は広い方がライナ面をより短い時間でカバーできるので好ましいが、広すぎるとバンド端部がライナ面で滑り巻回不良となるのでライナ胴部の外周半径の10分の1以下が好ましい。 繊維束1束あたりの繊維目付をA(g/m)、バンドを構成する繊維束数をB(本)、バンド幅をC(m)とした場合、以下の計算式にてあらわされる値をD(g/m)が150以上、600以上の範囲となるバンド幅Cにてライナ1に巻き付けられていることが好ましい。
計算式 D=A×B÷C
一方、フープ巻き時のバンド幅E(mm)、とヘリカル巻き時のバンド幅F(mm)の比率F/Eが0.85以上であることが好ましい。F/Eはアイの形状、巻回中の容器とアイの位置関係を適宜設定することにより調整できる。
ライナに巻き付ける最初の積層はフープ層であることが好ましい。
ヘリカル層の積層角度は少なくとも4つの設定を行うことが好ましい。4つのヘリカル層は以下の通りとする。容器の軸方向の応力を負担する様に口金円筒部に掛る角度に軸方向に巻いた軸方向ヘリカル層。該軸方向ヘリカル層の口金部周辺への集中を回避する低角度ヘリカル層。鏡からの浮き上がりを抑える中角度ヘリカル層。鏡部の円筒部近傍のヘリカル層の低強度部分を補強する高角度ヘリカル層。
同じ種類のヘリカル層を連続して積層しない。好ましくはヘリカル層に接する該ヘリカル層の上の層はフープ層とすることが好ましい。
<ライナ>
図3に示すように、本発明の圧力容器に用いるのライナ21は円筒形状の胴部22と、この胴部22の両端部をふさぐように配置された回転曲面形状好ましくはアイソテンソイド(isotensoid)の形状を有する鏡部23とを有し、鏡部23の円筒形状胴部の回転軸延長線周辺に口金24を接合するオスネジ部を有する。
ライナは、例えばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂、PPS樹脂、LCP樹脂、DCPD樹脂等の単層構造やEVOH等のガスバリア性を有する層と構造を保持する先にあげた樹脂とを複層に組み合わせた構造でもよい。また多層にする場合はガスバリア層と他の層とを接着するための接着層をその中間に設けてもよいし、ライナのリサイクル材料の層を設けてもよい。その他の硬質樹脂等によって形成されてもよい。
ライナ胴部厚みは小さい方が軽量化にとって好ましいが、小さすぎると大型なライナでは成形時に懸下した時、ライナの形状を保持できない。また大きくなると軽量化がはかれないので、ライナ厚みは3mm以上、12mm以下が好ましい。
ライナの胴部径(外直径)は搭載形態の設計によるが径が小さいと長さが必要になるので、300mm以上が好ましい。また300mm以上であると、金属製ライナの生産性が低下するので、樹脂ライナーが経済的に有利となる。一方、径が大きいと補強層の厚みを大きくする必要があり、補強層の樹脂の硬化時間の問題があるので、ライナの胴部径(外直径)は1000mm以下が好ましい。
ライナの胴部の長さと胴部径(外直径)の比率は使用時に許容される空間によるが、小さくなると容器中の鏡部の比率が上がり圧力容器の単位長さあたりの容量が小さくなる。また必要となる補強層の量が増えることから好ましくない。一方大きくなる場合はライナの製造が困難になること、たわみが発生しやすくなりライナ厚みを上げ重量が増加することからライナの胴部の長さとライナの胴部径(外直径)の比は2以上、12以下の範囲が好ましい。
ライナの成形法としては生産性、成形後の樹脂の物性からブロー成形法が好ましい。回転成形法は成形時間が長く、樹脂物性も低い。その他射出成形法では大きさに限度があり、大きなものを製造する場合は多部材を接合する必要があり、工数が増え経済的に不利である。
ライナの外表面には、口金や補強層と接着するために必要に応じて接着樹脂や反応剤を塗布することや、ガスバーナー等の炎による酸化処理等により、適宜処理を実施してもよい。
<口金>
口金はアルミ合金、鉄、真鍮等の金属から形成される。金属部材は他素材との接触による電蝕を防ぐ目的で酸化被膜層を設けること、腐食防止塗料を塗布することが好ましい。
開孔部をもつ口金は圧力容器の使用方法により1個ないしは2個設置する。開孔部を有する口金を1個のみ設置する場合は、容器の支持用として開孔のない口金を対極側に用いることが好ましい。
口金はバルブ組付け、取外し時に負荷されるトルクに耐えるよう、図4に示すように、口金円筒部の上部に補強層と嵌合して係止できる多角形構造をもつ構造とすることが好ましい。角数が少ないと係止する力は高まるがエッジが立ち、その部分に巻かれる補強繊維が鋭角に曲げられ傷む恐れがあり、一方角数が多いと繊維へのダメージは低減するが引掛りが少なく負荷されたトルクにより補強層が外れる可能性があるので角数は4以上12以下がよい。好ましくは6以上12以下がよい。また円筒部から多角形部のつなぎ部、多角形の角部には擦過防止用のRをつけることが好ましい。
口金の円筒内部にはライナとの締結のためのメスネジを施す。そのネジ形状は特に限定されないが、このメスネジの谷は容器中央側の斜面が容器軸方向に対し90±10°、容器端部側の斜面が容器軸方向に対し45±10°の角度をもつバットレスネジが外れ防止の目的で好ましい。
口金とライナの締結時に口金とライナの接触面に接着剤を塗布し接着することが好ましい。各部材と接着剤にそれぞれ適したプライマーを先に塗布してもよい。
<補強繊維>
補強繊維としては、引張強度が高いものが好ましい。さらに引張弾性率が高いと高圧ガス充填時のライナや口金の変形量を抑えることができ、繰返し充填放出による疲労に対して有効であるので好ましい。炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維等の繊維が好ましい。高強度かつ高弾性の炭素繊維が好ましい。引張強度としては4000MPa以上が好ましく、5000MPa以上がさらに好ましい。引張弾性率としては230GPa以上が好ましく、250GPa以上がさらに好ましい。補強繊維の目付としては大きいものは一度に巻回できる繊維量が大きくなり生産性の観点から好ましいが繊維束同士の重なりで繊維の蛇行等を起こさずに巻くことが難しく、圧力容器の性能面からは大きいことに問題があり0.2g/mから4g/mが好ましい。0.8g/mから2g/mがさらに好ましい。
<マトリクス樹脂>
補強層である繊維強化樹脂のマトリクス樹脂材料としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などの熱硬化性樹脂や、ポリプロピレン樹脂、ナイロン樹脂、PPS樹脂、LCP樹脂、DCPD樹脂等の熱可塑性樹脂が用いられる。好ましくは補強繊維への含浸性がよい低粘度の熱硬化性樹脂がよい。
<補強層の形成方法>
補強層の形成方法としてはライナに補強繊維を巻きつけて積層するフィラメントワインディング工程において樹脂を含浸する方法や前もって補強繊維に樹脂を含浸した中間材を準備しこの中間材をライナに巻回する方法、補強繊維のみを積層後に樹脂を含浸する方法等がもちいられる。
補強繊維をフィラメントワインディング(以下FW)装置によってライナ21に巻きつけて積層する方法について説明する。
補強繊維として、炭素繊維を用いる場合には、フィラメント数が3000〜60000程度の繊維束を1束または複数束を引き揃えて、マトリクス樹脂組成物を含浸した後、バンド状にしてライナ21に巻き付ける。繊維束のバンド厚みが幅方向に厚みが均一で繊維束間に隙間がないものが好ましい。この巻き付けられる際に引き揃えられたバンド幅が狭いと補強層の各層を隙間なく巻くのに時間がかかる。バンド幅が広過ぎるとバンド内の各繊維束に掛る張力により巻き滑りが生じ所望の位置に補強繊維を巻くことができなくなり、圧力容器の破裂強度などの物性が低下する要因となる。バンド幅はライナの胴部径の1/10以下が好ましい。
補強繊維として密度が1.75〜1.85g/cm程度である炭素繊維を用いる場合、1束あたりの繊維目付A(g/m)×繊維束数B(本)÷引き揃えた複数束の繊維幅C(m)で算出されるD(g/m)が、150<D<600の範囲となる繊維幅Cにてライナ1に巻き付けることにより、得られる圧力容器の破裂強度などの物性は最適となる。
補強繊維を巻き付ける際には、各繊維束に1〜100N/繊維目付、好ましくは10〜50N/繊維目付の張力をかけることにより、ボイド低減、蛇行が防止され(繊維直進性)、またライナの変形等を防ぎ好適な補強層が得られる。
フープ巻きバンド幅をE(mm)、ヘリカル巻きバンド幅をF(mm)として、これらバンド幅の比率F/E=Gとする場合、0.85<G<0.98となるバンド幅を用いることにより、好適な圧力容器が得られる。
フープ巻きとヘリカル巻きを適宜繰り返すことによって、ライナ21の表面上に補強層32が配置される。なお、補強繊維巻き付けの順番は限定されるものではない。
FW法により補強繊維を巻き付ける際、ライナ内部を加圧することによって、巻き付け張力によるライナ変形を抑制し、すでに巻き付けられた層の補強繊維が緩み、圧力容器の破裂強度が低下することを防ぐことができる。巻き付け層を増やすに従って、順次ライナ内部の圧力を高くしても良い。
まず、ライナ1の胴部2にFW法のフープ巻きによって繊維強化樹脂層5(以下FRP層)を設ける。ライナに接する最下層のフープ層は繊維の交絡がなくライナと補強層が密着しボイド等の形成が防げる。フープ層の具体的な巻き角度は、ライナの口金中心を通る圧力容器の長さ方向の軸に対する繊維の巻き角度であり、85〜90°である。
最下層のフープ層の開始位置はライナ胴部と鏡部の境界とすることが好ましい。一般にフープ層は容器軸方向に角度を持ってまかれるが、開始端部では90°にて概ね一周巻いた後、1周巻くことでバンド幅分のピッチとなる巻き角度をつけて胴部反対側まで巻き、その位置で90°にて概ね一周巻く。それ以降のフープ層の開始位置はフープ層端部が巻き崩れないようにその下層のフープ層の開始位置より胴部側にずらすことが好ましい。フープ層はライナに近い位置にあるのが補強層の強度を圧力容器の耐圧に利用する効率を上げるのに好ましいが、連続して積層されたフープ層の積層数が増すことでその上に巻くヘリカル層が乗り越える連続して積層されたフープ層の端部の段差が大きくなり繊維が蛇行することで強度が低下することがあるので、幾つかのフープ層群に分割し、フープ層群とフープ層群の間にヘリカル層を有することが好ましい。
一方、ヘリカル層は胴部の軸方向に巻かれるため巻回時の張力が繊維束をライナ胴部に垂直に抑え付ける方向にあまり有効に働かないため余分な樹脂やボイドを追い出す作用が少ないので、逐次フープ層で巻き締めることで下層のヘリカル層の余分な樹脂を追い出したるみを防ぐ効果があり好ましい。ヘリカル層特に低角度ヘリカル層の上にはフープ層を配置することが好ましい。
軸方向ヘリカル層は基本的に圧力容器の対称軸方向の応力を受ける目的で設置する。そのため口金を擁したうえで極力軸方向に近づけるように配向する。積層角度は口金円筒部の径とライナ径により規定される。軸方向ヘリカル層の積層角度は5°未満である。低角度ヘリカル層は口金周辺部の繊維集中を防ぎ補強層硬化時の異常反応を低減する目的で設置する。低角度ヘリカル層の積層角度は軸方向ヘリカル層の積層角度に対し5度から15度大きくするのが好ましく、10°〜20°であることが好ましい。中角度ヘリカルは鏡肩部の強度をあげる目的で設置するため低角度ヘリカル層と高角度ヘリカル層の間の角度で巻くのが好ましい。高角度ヘリカルは鏡端部での円周方向応力負担及び胴部から鏡部のフープ積層段差解消の目的で設置するので65°から85°が好ましい。また低角度ヘリカル層、中角度ヘリカル層、高角度ヘリカル層は各層異なる角度にすることが好ましい。
補強層の最上層にガラス繊維を用いてラベル等が透視できる層を巻いてもよい。
<補強繊維とマトリクス樹脂の複合化>
補強繊維とマトリクス樹脂との複合化は以下のように行われる。例えばFW工程にてマトリクス樹脂組成物を含浸する場合は、マトリクス樹脂組成物が用意された樹脂槽のピックアップローラ表面を所定の形態に保持された繊維束が一定張力で通過することによって均一にマトリクス樹脂組成物が付着される。その後ライナにマトリクス樹脂組成物が付着した繊維束が供給され、補強繊維とマトリクス樹脂組成物が一体となってライナに巻き付けられる。ピックアップローラ表面に一定量のマトリクス樹脂組成物をつけるため、樹脂槽の温度管理をすることが好ましい。
補強繊維に付着させるマトリクス樹脂組成物の量は硬化後の補強層の補強繊維とマトリクス樹脂の体積比率で決定されるVf(%)(=補強繊維の体積)/(補強繊維の体積+マトリクス樹脂の体積)×100)が、50以上、70以下、好ましくは55以上、65以下となるように設定することが好ましい。
<補強層の硬化>
所望の補強繊維とマトリクス樹脂組成物をライナ21に巻き付けて未硬化補強層を形成した圧力容器の前駆体を、加熱炉に入れてマトリクス樹脂組成物に適した所定温度で所定時間加熱し、補強層を硬化させる。このとき、ライナ内部を加圧して保持することが好ましい。未硬化補強層の樹脂が流動して偏在または滴下するのを防ぐために圧力容器の前駆体を回転させながら硬化させることが好ましい。硬化プロファイル(時間−温度プログラム)としてはマトリクス樹脂組成物の硬化温度以下の温度で一旦保持することで未硬化物の温度を均一化し、それとともにマトリクス樹脂組成物が低粘度化することにより内部にあるボイドを追い出すことが好ましい。その後、樹脂製のライナの熱変形が起こらず、マトリクス樹脂組成物が硬化する温度・保持時間にて硬化を行うことで補強層が硬化された圧力容器を得る。
<緩衝材>
圧力容器には耐衝撃性を付与するためその外周に各種緩衝材を設置してもよい。緩衝材の素材としては、ゴム、エラストマー、発泡体等の素材自体が衝撃吸収性能を有するもの、形状に変形ないしは破壊する部位を有するものが利用できる。

<実施例1>
以下の条件において、本発明の圧力容器の製造方法により圧力容器を製造し、その破裂強度を測定した。
ライナの材料としては、密度0.945のHDPE(Lyondellbasell社製の4261AGBD)を用いた。ブロー成形により胴部の厚さ7mm胴部の外直径720mm、L/Dの比2.7となるライナを得た。
口金の材料としてアルミニウム合金A7075を用いた。
口金とライナの接着にはアクリル系接着剤(3M社製のDP8005)を用いた。
補強繊維の繊維束としては、Mitsubishi Rayon Carbon Fiber and Composites社製炭素繊維37−800−WD 30K(引張強度5520MPa、引張弾性率255GPa、目付1.675g/m)を用いた。炭素繊維とともに補強層となるマトリクス樹脂には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、酸無水物硬化剤、硬化促進剤のエポキシ樹脂組成物(Huntsman社製エポキシ樹脂LY1564/硬化剤917/硬化促進材960−1)を100/98/3の質量比で混合して用いた。
8本の繊維束を引き揃えて樹脂槽に浸し、ライナ上で繊維束からなるバンドの幅が、フープ巻き47mm、ヘリカル巻き45mmとなるようにして、表1に示す順序でフープ巻き、ヘリカル巻きの所定量をライナに巻き付けた。巻き付け時の繊維束張力は繊維速1本当たり17N、ライナ内部の圧力は巻付け開始時に0.1MPa、フープ巻き、ヘリカル巻きの各一層が終了以降は0.3MPaとした。
表1の積層巻き付け順22のフープ巻きの上に、さらにガラス繊維にマトリクス樹脂を含浸させて高角度ヘリカル層を巻き付けて保護層とした。

巻き付け後、ライナ内部の圧力を0.3MPaで保持した状態で、65℃において45分加熱後に、95℃の硬化炉で6時間加熱してマトリクス樹脂を硬化させ、ライナ上に補強層が形成された圧力容器が得られた。使用した炭素繊維量および補強層の重量から計算した補強層のVfは60%であった。
上記圧力容器の破裂試験を実施したところ、50.0MPaにて胴部から破裂し、良好な最少破壊圧力と破壊形態を示した。
1 合成樹脂製ライナー材から形成される中空容器(内側壁)、ライナ
2 外側の耐圧性の補強材(外側壁)、FRP層
3、3’ 口金部材
4、4’ 接着樹脂
5 外側口金部材
6 Oリング
7 ライナ材の肩部
8 口金の円盤部
10 圧力容器
11 押出しダイス
12a パリソンa
12b パリソンb
13a 金型a
13b 金型b
14 支持部
15 支持台
21 ライナ
22 胴部
23 鏡部
24 口金
31 ライナ
32 FRP層
33 バルブ取り付けネジ
34 ガスシール部(ライナ内側)

Claims (1)

  1. 熱可塑性樹脂のライナと、該ライナの外側面を覆う繊維強化樹脂と、口金とを備える圧力容器であって、
    圧力容器のバルブと圧力容器とのガスシール部を該ライナの内面に有する圧力容器。
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