JP2016141886A - 缶蓋用アルミニウム合金板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定組成の5000系アルミニウム合金板の、板厚表面の集合組織における、Brass方位、S方位、Copper方位の方位密度の総和と、Cube方位、Goss方位の方位密度の総和とを各々特定の範囲に制御し、更に、これらの方位密度の総和同士の比も特定の範囲に制御することによって、板厚を0.2mm程度に薄肉化した場合でも、飲料充填後の耐圧強度に不足がなく、図1の缶蓋成形時の耳率やリベット成形性及び缶蓋の開缶性にも優れる。
【選択図】図1
Description
耳率 =(H45−H0−90)/((H45+H0−90)/2)×100(%)
上記式において、H0−90は圧延方向および幅方向の4方向の平均耳高さ、H45は圧延方向に対して45°傾いた4方向での平均耳高さである。
例えば、特許文献1には、耳率を下げるために、缶蓋用5000系アルミニウム合金板の圧延方向と平行な板断面において、最大長さ1μm以上の金属間化合物数を規定するとともに、板厚方向1/4の部分における集合組織として、圧延集合組織成分のβファイバーに属するCu方位、S方位およびBrass方位の各方位密度の総和がランダム方位の50倍以下とすることが提案されている。
缶蓋用アルミニウム合金板は、前記した通り、缶蓋に求められる特性として、蓋加工に耐える成形性、飲料充填後の内圧に耐える耐圧強度、正常かつ簡単に開けられるための開缶性を満たす必要がある。
Mgは、アルミニウム合金板の強度を向上させる効果がある。Mgの含有量が3.8質量%未満の場合、固溶Mg量が減って、アルミニウム合金板の強度が不十分であり、缶蓋に成形したときの耐圧強度が不足する。一方、Mgの含有量が5.5質量%を超える場合、アルミニウム合金板の強度が過剰となって、成形性、特にリベット成形性が低下する。従って、Mgの含有量は3.8〜5.5質量%とする。
Feは、アルミニウム合金板中にAl−Fe(−Mn)系、Al−Fe(−Mn)−Si系金属聞化合物を形成し、缶蓋に成形したときのスコア部の引裂き性を高め、開缶性を向上させる効果がある。Feの含有量が0.1質量%未満の場合、スコア部の引裂き性が向上せず、開缶特にスコア脱線(開缶時にスコア部以外に亀裂が伝播すること)や開缶力の増大によるタブ折れといった開缶不良が生じ易くなる。一方、Feの含有量が0.5質量%を超える場合、アルミニウム合金板中の鋳造や熱延時に生成する金属間化合物の面積率が所定の範囲よりも大きくなり、リベット成形性が低下する。従って、Feの含有量は0.1〜0.5質量%とする。
Siは、アルミニウム合金板中にMg−Si系、Al−Fe(−Mn)系、Al−Fe (−Mn)−Si系金属聞化合物を形成し、缶蓋に成形したときのスコア部の引裂き性を高め、開缶性を向上させる効果がある。Siの含有量が0.05質量%未満の場合、Feと同様に開缶性が向上しない。また、アルミニウム合金板の原材料に使用できるスクラップ量が減少し、またアルミニウム地金の必要純度が高くなるため、コストが増大する。一方、Siの含有量が0.3質量%を超える場合、アルミニウム合金板中の鋳造や熱延時に生成する金属間化合物が多くなり、リベット成形性が低下する。従って、Siの含有量は0.05〜0.3質量%とする。
Mnは、アルミニウム合金板の強度を向上させる効果があるとともに、アルミニウム合金板中にA−Fe−Mn系、Al−Fe−Mn−Si系金属間化合物を形成させ、缶蓋に成形したときのスコア部の引裂き性を高め、開缶性を向上させる効果がある。Mnの含有量が0.2質量%未満の場合、アルミニウム合金板の強度向上効果や缶蓋に成形したときの開缶性向上効果が得られない。一方、Mnの含有量が0.6質量%を超える場合、アルミニウム合金板中の鋳造や熱延時に生成する金属間化合物が多くなり、リベット成形性が低下する。従って、Mnの含有量は0.2〜0.6質量%とする。
Cuは、アルミニウム合金板の強度を向上させる効果がある。また、固溶させることにより、成形性も向上する。Cuの含有量が0.01質量%末満の場合、母相への固溶量が少なく、強度と成形性のバランスが低下し、リベット成形性が向上しない。一方、Cuの含有量が0.3質量%を超える場合、アルミニウム合金板の強度が過剰となり、リベット成形性が低下する。また、開缶荷重も大きくなる。従って、Cuの含有量は0.01〜0.3質量%とする。
本発明に係るアルミニウム合金は、前記必須成分以外に、残部Alと不可避不純物とからなる。不可避不純物は、Crが0.3質量%以下、Znが0.3質量%以下、Tiが0.1質量%以下、Zrが0.1質量%以下、Bが0.1質量%以下、その他の元素が各々0.05質量%以下の範囲内で許容される。不可避不純物の含有量がこの範囲内であれば、本発明に係るアルミニウム合金板の特性に影響しない。
本発明では、前記した合金組成とした上で、この缶蓋用アルミニウム合金板表面の集合組織を制御して、耳率と成形性を保ったまま高強度化する。一般にアルミニウム合金における集合組織は、主としてCube方位、Goss方位、Brass方位、S方位、およびCu方位から構成されるが、このような圧延後の集合組織は、耳の発生に大きな影響を及ぼす。
本発明は、缶蓋用アルミニウム合金板の、X線回折により測定された板の表面の集合組織を制御する。ここで、板の表面とは、酸化皮膜を除去した、板のアルミニウムマトリックスの最表面を言う。
本発明で、このような板の表面の集合組織を制御する理由は、耳率の測定時や、前記シェル成形の際の絞り成形時には、容器の内側となる板の表面が最も変形を受けるので、この板の表面側の集合組織が、耳率に大きく影響すると考えられるからである。
しかし、前記した通り、本発明者らの認識によれば、耳率の測定時や前記シェル成形の際の絞り成形時には、この板の表面側の集合組織が、耳率により大きく影響する。しかも、この影響は、板厚が薄くなるほど、板の内部(1/2や1/4の板厚部)の集合組織よりも、板表面の集合組織の方が大きい。言い換えると、板厚が薄くなるほど、板の内部(1/2や1/4の板厚部)の集合組織は、板表面の集合組織よりも影響しにくくなる。
絞り加工による容器の成形時の耳率を適正範囲に制御するためには、素材板の成形による変形中に、周方向に均一変形することが望ましい。この点、Cube方位、Goss方位自体は、均一変形はしないが、耳率のバランスをとり、耳率が高くなるのを抑制することができるので、そのために増加させる。
本発明で、Cube方位、Goss方位の方位密度を増加させるのは、前記した好ましい製法によって、Brass方位、S方位、Copper方位が増えたとしても、あるいは強度維持のために実質量存在したとしても、耳率が高くなるのを抑制するためでもある。
Cube方位、Goss方位の方位密度の総和が4未満では、Cube方位、Goss方位の方位密度が不足して、圧延集合組織であるBrass方位、S方位、Copper方位の方位密度の総和を抑制しても、前記耳率の計算式の通り、耳率が高くなる。
一方、1次冷延率を高める限界から、強度を340MPa以上にしつつCube方位、Goss方位の方位密度の総和を10を超える値にすることは、板の製造上困難である。
絞り加工による容器の成形時には、前記した通り、素材板の成形による変形中に、周方向に均一変形することが望ましい。しかし、Brass方位、S方位、Copper方位の方位密度が強く発達し過ぎると、板面内の塑性異方性が強くなる。このため、部分的に変形し易い個所と、変形し難い個所とが発生し、成形された容器の縁に、前記図4で示したような高さの不揃い=耳を生じやすくなる。
すなわち、Brass方位、S方位、Copper方位が増加すると、絞り加工による成形時に圧延方向に対して45°方向に耳を生じやすく、45°耳が高くなる。このため、前記した耳率(%)の計算式「(H45−H0−90)/((H45+H0−90)/2)×100(%)」から分るように、耳率自体が高くなる。
このため、本発明では、缶蓋用アルミニウム合金板の表面の、X線回折により測定された集合組織において、Brass方位、S方位、Copper方位の方位密度の総和を20以上、50以下とする。
Brass方位、S方位、Copper方位の方位密度の総和が50を超えた場合、成形時に圧延方向に対して45°方向に耳を生じやすいBrass方位、S方位、Copper方位の方位密度が多すぎて、Cube方位、Goss方位の方位密度の総和を適正範囲にしても、耳率が高くなる。
一方で、強度維持のために必要な1次冷延率や2次冷延率から、Brass方位、S方位、Copper方位の方位密度の総和を20未満の値にすることは、困難である。
更に、Brass方位、S方位、Copper方位の方位密度の総和の、Cube方位、Goss方位の方位密度の総和に対する比=(Brass+S+Copper)/(Cube+Goss)の範囲も重要である。
(Brass+S+Copper)/(Cube+Goss)を2以上、8以下とすることで、絞り加工による容器成形時に、素材板を周方向で均一変形させることができる。
一方、1次冷延率や2次冷延率などの板製造の限界から、(Brass+S+Copper)/(Cube+Goss)を、2未満の低い値とすることは、板の製造上困難である。
ここで、耳率の適正範囲は3.0%以上、6.0%以下、好ましくは3.5%以上、5.5%以下である。このような耳率の範囲を超えると、現行での非円形ブランクでは、図5に示す、シェル成形後の容器の外縁部の高さ(リップハイト)が、周方向に不揃いとなり、缶蓋の巻き締め時に不良が生じやすくなる。このため、非円形ブランクの形状を変更する必要があり、金型や成形条件あるいは工程を変更する必要が生じ、多大な手間や労力、そしてコストを要することとなる。
以上の規定する集合組織とするために、本発明では、後述する通り、1次冷間圧延の後、中間焼鈍を行い、その後、2次冷間圧延を行う。そして、先ず、1次冷延率を高めて、中間焼鈍した後のCube方位、Goss方位の方位密度を増加させるとともに、圧延集合組織であるBrass方位、S方位、Copper方位の方位密度の総和を抑制する。これによって、前記板の集合組織を、各々前記規定する範囲内に制御して、耳率を適正範囲に制御する。
Cube方位、Goss方位は、中間焼鈍後の2次冷延による圧延加工を加えても、その方向を維持しやすく、圧延集合組織であるBrass方位、S方位、Copper方位も発達しにくい。
これらの集合組織の方位分布密度(Orientation Density)の測定と算定は、供試材表面(供試材の、酸化皮膜を除去した、アルミニウムマトリックスの最表面)に対して、以下に説明する、通常のX線回折法と通常の解析方法で行うことができる。
Goss方位 {011} <100>
Brass方位(B方位) {011} <211>
Copper方位(Cu方位) {112} <111>
S方位 {123} <634>
次に、本発明における缶蓋用アルミニウム合金板の製造方法を説明する。
本発明のアルミニウム合金板の製造工程自体は、常法のように、前記組成のアルミニウム合金を溶解、鋳造して鋳塊とする鋳造工程と、鋳塊を熱処理により均質化する均熱処理工程と、均質化した鋳塊を熱間圧延して熱間圧延板とする熱間圧延工程と、熱間圧延板を1次冷間圧延する1次冷間圧延工程と、1次冷間圧延板を中間焼鈍する中間焼鈍工程と、中間焼鈍した板を2次冷間圧延する2次冷間圧延工程によって製造される。ただ、集合組織制御のために、本発明では、この公知の工程の中でも、後述する通り、冷延条件などを特に制御する。
この均質化熱処理後、鋳塊を冷却することなく続けて、あるいは所定の開始温度まで冷却して、まず熱間粗圧延し、さらに熱間仕上圧延により、所定の板厚のアルミニウム合金熱間圧延板とする。このとき、好ましくは300℃以上で仕上げ熱間圧延を終了する。
次いで、この熱間圧延板を、1次冷間圧延(1次冷延)、中間焼鈍、2次冷間圧延(2次冷延)して、所定の板厚の冷間圧延板(冷延板)とする。
この1次と2次の冷延は、圧延スタンドが2スタンド直列に配置されたタンデム圧延機で行うが、圧延スタンドがシングル(1スタンド)であるシングル圧延機とタンデム圧延機を組み合わせて行っても良い。
前記1次冷延の総圧延率は70%以上とし、好ましくは80%以上とする。また、タンデム圧延機を用い、1スタンド目と2スタンド目の圧延の合計の圧延率が70%以上、好ましくは80%以上とする。このように1次冷延の総圧延率を増加し、タンデム圧延機による圧延率を高くすると、中間焼鈍後のCube方位、Goss方位の方位密度が増加する。一旦生成したCube方位、Goss方位は、中間焼鈍後の2次冷延による圧延加工を加えても、その方向を維持しやすく、圧延集合組織であるBrass方位、S方位、Copper方位も発達しにくい。
この1次冷延された冷間圧延板を、中間焼鈍して、再結晶させるとともに、合金元素の固溶量を増加させる。この中間焼鈍は連続焼鈍工程で行い、材料保持温度400℃〜550℃の範囲、保持時間が10分以内の条件で行うことが好ましく、保持温度までの加熱速度及び前記保持温度からの冷却速度を、いずれも100℃/min以上とすることが好ましい。加熱速度が100℃/min未満の場合、保持温度が550℃を超える場合、保持時間が10分間を超える場合、そして冷却速度が100℃/min未満の場合、それぞれ焼鈍工程終了後の再結晶粒が大きくなる。このため、リベット成形性が低下する。
また、この中間焼鈍を省略した場合や、この中間焼鈍の保持温度が400℃未満の場合、規定する集合組織とできない。また、合金元素の固溶量も減り、強度やリベット成形性が低下する。
続いて、前記中間焼鈍した冷延板を、再度冷延(2次冷延)する。この2次冷延の総圧延率は、転位密度を高めるために、80%以上と高くする。この2次冷延の総圧延率が低すぎると、転位密度が減少して強度が低下する。
ただ、この2次冷延率を増加すると、Brass方位、S方位、Copper方位が増えて、45°耳が高くなる。このため、本発明では、1次冷延率を高くすることでCube方位、Goss方位の方位密度を増加させ、耳率が高くなるのを抑制している。
以上の工程で製造した缶蓋用アルミニウム合金板は、クロメート系やジルコン系などの表面処理を施し、エポキシ系樹脂や塩ビゾル系、ポリエステル系などの有機塗料を塗布し、PMT(Peak Metal Temperature:メタル到達温度)が230〜280℃×10〜30秒程度で、塗装焼付け処理して、プレコート板とされた後、缶蓋へと成形される。本発明で、強度とリベット成形性の評価のための、塗装焼付け処理を模擬した、前記熱処理は、この塗装焼付け処理条件範囲より、再現性を持たせるために255℃×20秒のワンポイントとして選択している。
素材アルミニウム合金板(冷延板)から缶蓋を作製する公知の方法の一例を以下に説明する。
表1、2に示す、No.1〜29の組成の各アルミニウム合金を半連続鋳造法(DC)にて鋳造し、各例とも共通して、鋳塊表層を面削してスラブを作製した。このスラブに、各例とも共通して、500℃×4時間の均質化熱処理を施した後、この500℃の温度で熱間粗圧延を開始し、続く熱間仕上げ圧延の終了温度を330℃として、板厚1.3〜5.1mmの熱間圧延板とした。
前記中間焼鈍の際の前記保持温度までの加熱速度、及び前記保持温度からの冷却速度は、いずれも共通して、100℃/min以上とした。
表1、2に、各例の1次冷延の総圧延率と、タンデム圧延機での圧延率を示す。
表1、2において、1次冷延の総圧延率とタンデム圧延機による圧延率とが同じ例は、タンデム圧延機のみに1回通板して、合計2回冷延した場合である。また、1次冷延の総圧延率がタンデム圧延機による圧延率よりも大きい例は、これら圧延率の差の分だけ、シングルスタンドの冷間圧延機で1回冷延した後に、前記タンデム圧延機に1回通板して2回圧延し、合計3回冷延した場合である。
表2の比較例No.26、29は、1次冷延を、シングルスタンドの圧延機のみで圧延し、タンデム圧延機を用いなかった。
実施例13は、2次冷延前半のシングル圧延機による圧延が無く、圧延スタンドを2列配置したタンデム圧延機に1回通板するのみの2回圧延にて、2次冷延した。
前記供試材表面として、表面の酸化皮膜を研磨により除去した、前記供試材のアルミニウムマトリックスの最表面の集合組織をX線回折により測定し、前記した(Brass+S+Copper)、(Cube+Goss)、(Brass+S+Copper)/(Cube+Goss)を各々求めた。
測定は、Rigaku製RAD−rXを用い、Cuターゲットを使用し、ターゲット出力(管電圧−管電流)は40kV−50mAの条件で行った。
前記供試材を、引張方向が圧延方向と平行になるようにJIS−5号引張試験片を作製した。この試験片を用い、JIS−Z2241に準じて引張試験を行い、0.2%耐力を求めた。0.2%耐力の適正範囲は340MPa以上であり、この範囲であれば、薄肉化された缶蓋であっても耐圧強度を満足する。
リベット成形性は、前記供試材を、204径フルフオーム・エンド金型にてシェル成形、コンバージョン成形を行い、缶蓋を作製した。缶蓋は、各例のそれぞれについて300個作製し、リべット部の割れの有無を目視で確認した。そして、300個中に1個でも割れがある場合には不合格(×)と評価し、全て割れなく成形できた場合を合格(〇)と評価した。
前記供試材を、204径フルフォーム・エンド金型にてシェル成型、コンバージョン成形、タブのステイクを行った後に、開缶試験を行った。
図1は、開缶試験に用いた缶蓋の平面図である。
図2は、開缶試験に用いた缶蓋のスコア3の断面図である。
図3は、開缶時の荷重を測定する開缶荷重測定機の概要図である。
図3(a)は開缶荷重測定機5の斜視図である。
図3(b)は開缶荷重測定機5の測定時の缶蓋1付近の断面模式図である。
図3(c)は開缶荷重測定機5に缶蓋1を設置するときの缶蓋1の向きを示す正面模式図である。
No.15は、Mg含有量が上限を超えて過剰なため、好ましい製造条件で製造され、集合組織の規定を満たしているものの、リベット成形性が劣る。
No.16は、Fe含有量が下限未満で不足するため、好ましい製造条件で製造され、集合組織の規定を満たしているものの、開缶荷重が大きい。
No.17は、Fe含有量が上限を超えて過剰なため、好ましい製造条件で製造され、集合組織の規定を満たしているものの、リベット成形性が劣る。
No.18は、Si含有量が下限未満で不足するため、好ましい製造条件で製造され、集合組織の規定を満たしているものの、開缶荷重が大きい。
No.19は、Si含有量が上限を超えて過剰なため、好ましい製造条件で製造され、集合組織の規定を満たしているものの、リベット成形性が劣る。また、0.2%耐力が340MPa未満で低すぎる。
No.21は、Mn含有量が上限を超えて過剰なため、好ましい製造条件で製造され、集合組織の規定を満たしているものの、リベット成形性が劣る。
No.22は、Cuを含有しておらず、好ましい製造条件で製造され、集合組織の規定を満たしているものの、0.2%耐力が340MPa未満で低すぎる。
No.23は、Cu含有量が上限を超えて過剰なため、好ましい製造条件で製造され、集合組織の規定を満たしているものの、リベット成形性が劣る。また、開缶荷重も大きい。
このため、(Cube+Goss)が4未満で少なすぎ、(Brass+S+Copper)/(Cube+Goss)も8を超えて多すぎ、集合組織の規定を満たさず、耳率が高い。また、0.2%耐力が340MPa未満で低すぎ、更にリベット成形性も劣る。
このため、缶蓋厚さが薄肉化、高強度化され、より厳しい使用条件での高いリベット成形性と高強度とが要求される缶蓋に用いられるアルミニウム合金板に最適である。
2 リベット部
3 スコア
4 タブ
5 開缶荷重測定機
6 掛止具
7 掛止部
Claims (1)
- Mg:3.8〜5.5質量%、Fe:0.1〜0.5質量%、Si:0.05〜0.3質量%、Mn:0.2〜0.6質量%、Cu:0.01〜0.3質量%を含有し、残部がAl及び不可避不純物からなり、冷間圧延後に焼付塗装処理されたアルミニウム合金板であって、X線回折により測定された前記板表面の集合組織において、Brass方位、S方位、Copper方位の方位密度の総和が20以上、50以下であり、Cube方位、Goss方位の方位密度の総和が4以上、10以下であり、Brass方位、S方位、Copper方位の方位密度の総和の、Cube方位、Goss方位の方位密度の総和に対する比が2以上、8以下であり、0.2%体力が340MPa以上であるとともに、前記板を絞り比1.65にて円筒容器に絞り加工したときの耳率が3.0%以上、6.0%以下であることを特徴とする缶蓋用アルミニウム合金板。
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