JP2016137468A - 中空糸膜モジュールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】一端のみが開口した特殊なケースを使用する必要がなく、かつポッティング剤の硬化後にシリコーン等でできたポッティング用カップを取り外す必要がなく、かつポッティング剤が漏れにくく、簡便に中空糸膜モジュールを製造する方法の提供。【解決手段】中空糸膜11をケース12に収納し、ケース12の一端を樹脂製キャップ13で封止して、ケース12内にポッティング剤を注入し硬化させて中空糸膜11とケース12とを固定して中空糸膜モジュールを製造する方法において、樹脂製キャップ13の側面13aに鍔部13dが形成され、ケース12の一端の内側に、樹脂製キャップ13の側面13aを鍔部13dまで密封するように挿入し、ポッティング剤を注入して硬化した後に、樹脂製キャップ13と硬化したポッティング剤とポッティング剤で固定された中空糸膜11とを切断して中空糸膜11の開口端を形成する中空糸膜モジュールの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、家庭用、工業用又は医療用の濾過装置に用いられる中空糸膜モジュールの製造方法に関する。
従来、中空糸膜モジュールの製造は、例えば以下のようにして行われてきた。
すなわち、図5に示すように、まず中空糸膜11の束または編織物を筒状のケース12に収納し、このケース12の一端にシリコーン等でできたポッティング用カップ15を装着する。ついで、中空糸膜11の束または編織物の中心部に挿入されたセンターチューブ16からポッティング剤を注入し、ポッティング剤を硬化する。ついで、ポッティング用カップ15をケース12から取り外し、ポッティング部14のB−B’線でポッティング剤とポッティング剤で固定された中空糸膜11を切断して、中空糸膜11の開口端を形成する(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この方法は、ポッティング剤の硬化後にポッティング用カップ15をケース12から取り外す必要があるため、手間がかかるものであった。
そこで、中空糸膜モジュールを簡便に製造する方法として、図6に示すように片端のみが開口した筒状のケース12を使用し、センターチューブ16からポッティング剤を注入し、ポッティング剤の硬化後にケース12とともに、ポッティング部14のC−C’線で切断する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。この方法ではポッティング用カップを装着したり取り外したりする必要がなく、簡便に中空糸膜モジュールを製造することができる。
しかし、この方法では片端のみが開口した筒状のケース12が必要となる。したがって、このケース12を製造するための新たな金型が必要となり費用がかさむという問題点があった。また、筒状のケース12が切断困難な材質でできている場合には、この方法による中空糸膜モジュールの製造は困難であった。
そこで、一端のみが開口した特殊なケースを使用する必要がなく、かつポッティング剤の硬化後にシリコーン等でできたポッティング用カップを取り外す必要がなく、簡便に中空糸膜モジュールを製造する方法として、以下の方法が提案されている。
すなわち、図7に示すように、筒状のケース12の一端に樹脂製キャップ13を挿入し、センターチューブ16からポッティング剤を遠心注入し、ポッティング剤の硬化後に樹脂製キャップ13とともに、ポッティング部14のD−D’線で切断する(例えば、特許文献3参照)。
特開平5−84426号公報 特開平4−284834号公報 特開平8−215546号公報
しかしながら、図7に示す方法では、ポッティング剤を遠心注入するとケース12と樹脂製キャップ13の接触部分からポッティング剤が漏れることがあった。
本発明の目的は、一端のみが開口した特殊なケースを使用する必要がなく、かつポッティング剤の硬化後にシリコーン等でできたポッティング用カップを取り外す必要がなく、かつポッティング剤が漏れにくく、簡便に中空糸膜モジュールを製造できる方法を提供することである。
本発明は、以下の態様を有する。
[1] 中空糸膜を筒状のケースに収納し、該ケースの一端を側面および底面からなる樹脂製キャップで封止して、該ケース内にポッティング剤を注入し硬化させて中空糸膜とケースとを固定して中空糸膜モジュールを製造する方法において、樹脂製キャップの側面に鍔部が形成され、前記ケースの一端の内側に、前記樹脂製キャップの側面を鍔部まで密封するように挿入し、ポッティング剤を注入し、ポッティング剤の硬化後に樹脂製キャップ上の所定位置で、該樹脂製キャップと硬化したポッティング剤とポッティング剤で固定された中空糸膜とを切断して中空糸膜の開口端を形成する、中空糸膜モジュールの製造方法。
[2] 前記樹脂製キャップの底面の内側に溝が形成されている、[1]に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
[3] 前記樹脂製キャップの底面に、前記溝が放射状に形成されている、[2]に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
[4] 前記樹脂製キャップの底面または側面にポッティング剤を注入する注入口が形成されている、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
[5] 前記樹脂製キャップの底面にポッティング剤を注入する注入口が形成され、ポッティング剤の注入口から放射状に前記溝が形成されている、[4]に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
本発明の中空糸膜モジュールの製造方法によれば、一端のみが開口した特殊なケースを使用する必要がなく、かつポッティング剤の硬化後にシリコーン等でできたポッティング用カップを取り外す必要がなく、かつポッティング剤が漏れにくく、簡便に中空糸膜モジュールを製造できる。
本発明の中空糸膜モジュール製造方法の一例を模式的に説明する断面図である。 本発明に用いる樹脂製キャップの一例を示す断面図である。 図1に示す樹脂製キャップを開口部側から見た平面図である。 本発明に用いる樹脂製キャップの他の例を示す断面図である。 ポッティング用カップを使用する従来の中空糸膜モジュール製造方法の一例を模式的に説明する断面図である。 ポッティング用カップを使用しない従来の中空糸膜モジュール製造方法の一例を模式的に説明する断面図である。 ポッティング用カップを使用しない従来の中空糸膜モジュール製造方法の他の例を模式的に説明する断面図である。
「中空糸膜モジュールの製造方法」
以下、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図2〜7において図1と同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
本実施形態の中空糸膜モジュールの製造方法は、図1に示すように、中空糸膜11を筒状のケース12に収納し、該ケース12の一端を側面13aおよび底面13bからなる樹脂製キャップ13で封止して、該ケース12内にポッティング剤を注入し硬化させて中空糸膜11とケース12とを固定して中空糸膜モジュールを製造する方法である。
<樹脂製キャップ>
樹脂製キャップ13は、ケース12の一端を封止するものであり、側面13aおよび底面13bからなる。
樹脂製キャップ13の材質としては、切断容易であれば特に制限されないが、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
樹脂製キャップ13は、ケース12の一端の内側に密封するように挿入される。そのため、図1、2に示すように、樹脂製キャップ13の開口部13cの外径dは、ケース12の内径と略同じであることが好ましい。樹脂製キャップ13の開口部13cの外径dがケース12の内径と略同じであれば、樹脂製キャップ13の側面13aをケース12の一端の内側に挿入でき、かつ樹脂製キャップ13とケース12とが密着嵌合する。なお、以下の説明において、樹脂製キャップ13のケース12に挿入された部分を樹脂製キャップ13の「嵌合部」ともいう。
ここで、「略同じ」とは、樹脂製キャップ13の開口部13cの外径dとケース12の内径とが同じであるか、または樹脂製キャップ13の開口部13cの外径dがケース12の内径に対して±0.3%以内であることをいう。
また、樹脂製キャップ13の側面13aには、鍔部13dが形成されている。樹脂製キャップ13の側面13aに鍔部13dが形成されていることにより、樹脂製キャップ13の側面13aをケース12の一端の内側に挿入していったときに鍔部13dにて止まり、鍔部13dとケース12の一端が密着する。鍔部13dとケース12の一端が密着することで、樹脂製キャップ13とケース12との密着嵌合がより高まり、樹脂製キャップ13とケース12との接触部分からポッティング剤が漏れるのを抑制できる。
鍔部13dの外径dは、ケース12の外径と略同じであることが好ましい。鍔部13dの外径dがケース12の外径よりも大きくてもポッティング剤の流出防止効果は頭打ちとなるため、コストを高めるだけである。
ここで、「略同じ」とは、鍔部13dの外径dとケース12の外径とが同じであるか、または鍔部13dの外径dがケース12の外径に対して±2%以内であることをいう。ただし、鍔部13dの外径dは、ケース12の内径よりも大きいものとする。
鍔部13dは、樹脂製キャップ13の周方向の全周にわたって形成されている。
鍔部13dの形成位置は、樹脂製キャップ13の開口部13cから鍔部13dまでの距離dが1〜2mmとなる位置が好ましい。樹脂製キャップ13の開口部13cから鍔部13dまでの部分が、樹脂製キャップ13がケース12の一端の内側に挿入されてケース12と密着嵌合する部分(嵌合部)となる。すなわち、距離dは嵌合部の厚さとなる。嵌合部はケース12とポッティング剤の係合に関与しないため、距離dが2mmより大きいとポッティング剤の耐圧性能を低下させることがある。距離dが2mm以下であれば、ポッティング剤の耐圧性能を維持できる。また、切断後にケース12側に残った樹脂製キャップ13の勘合部を必要に応じて容易に取り出すことができる。一方、距離dが1mm以上であれば、ケース12との接触面積を確保できるので、密着嵌合がより高まる。
鍔部13dの厚さtは、1mm以下が好ましい。鍔部13dの厚さtが1mm以下であれば、詳しくは後述するが樹脂製キャップ上の所定位置で切断したときに中空糸膜モジュールに鍔部13dが残っても性能や外観に影響しにくい。
この例の樹脂製キャップ13は、底面13bの中心部にポッティング剤を注入するための注入口13eが形成されている。
図5〜7に示す方法の場合、中空糸膜11の束または編織物の中心部に挿入されたセンターチューブ16からポッティング剤を注入しているため、得られる中空糸膜モジュールにはセンターチューブ16残ってしまう。中空糸膜モジュールにセンターチューブ16が残っていると、中空糸膜モジュールの用途に制限が生じる場合がある。
しかし、図1、2に示すように、樹脂製キャップ13の底面13bに注入口13eが形成されていれば、ポッティング剤の注入にセンターチューブを必要としないので、中空糸膜モジュールにセンターチューブが残ることがなく、中空糸膜モジュールの用途が制限されにくい。
また、図3にも示すように、この例の樹脂製キャップ13の底面13bの内側には、溝13fが形成されている。樹脂製キャップ13の底面13bの内側に溝13fが形成されていれば、ケース12内に注入されたポッティング剤が溝13fを流れるため、ポッティング剤を均一に分散でき、中空糸膜11がケース12内で偏りにくい。なお、図1、2は、図3の樹脂製キャップ13のa−a’線に沿う断面図である。
溝13fは、樹脂製キャップ13の底面13bに、放射状に形成されていることが好ましい。底面13bに注入口13eが形成されている場合は、該注入口13eから放射状に溝13fが形成されていることが好ましい。溝13fが放射状に形成されていれば、容易にポッティング剤を底面13bの全域に均一に分散でき、さらに中空糸膜モジュールの軸方向へも均一に充填できる。
また、溝13fは、樹脂製キャップ13の底面13bの円周方向にも、円形状に形成されていることが好ましい。溝13fが円形状に形成されていれば、ポッティング剤を樹脂製キャップ13の底面13bの円周方向に均一に分散できる。
溝13fの幅や深さは、中空糸膜モジュールの大きさ、ポッティング剤の注入量や粘度に応じて適宜決定されるが、例えばケース12の内径が100mm未満であり、ポッティング剤がウレタン樹脂である場合は以下の構成とすることが、ポッティング剤の均一分散の点から好ましい。
すなわち、溝13fの幅は3〜5mmが好ましく、溝13fの深さは2〜4mmが好ましい。また、溝13fが放射状に形成されている場合、溝13fの本数は4〜16本が好ましい。
<ケース>
ケース12は、中空糸膜11を収納するものである。
ケース12の材質については特に制限されないが、本発明の中空糸膜モジュールの製造方法は、ケース12が切断困難な場合に特に有効である。このようなケース12の材質としては、例えばポリカーボネート、ポリスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂等が挙げられる。これらの中でも、射出成型の容易性、および加工性に優れる観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、ABS樹脂が好ましい。
<中空糸膜>
本発明は、多孔質膜、非多孔質膜等に用いる中空糸膜の構造や中空糸膜の構成素材とは無関係に実施できる。
中空糸膜11の材質としては、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリフッ化ビニルデン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル等が挙げられる。
特に、中空糸膜11をすだれ状編み物に加工した中空糸膜束は、取扱い性に優れ、しかもケース12内に収納した際に偏ることなく均一に分散配置できる点で好適に用いられる。
<ポッティング剤>
本発明で用いられるポッティング剤としては特に限定されないが、例えばウレタン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が挙げられる。
<製造方法>
以下、本実施形態の中空糸膜モジュールの製造方法を具体的に説明する。
まず、中空糸膜11をケース12に収納する(収納工程)。中空糸膜11は束状でもよいし、編織物状でもよい。
ついで、中空糸膜11が収納されたケース12の一端の内側に、樹脂製キャップ13の側面13aを鍔部13dまで密封するように挿入して、ケース12の一端を樹脂製キャップ13で封止する(装着工程)。
ついで、樹脂製キャップ13の底面13bに形成された注入口13eからポッティング剤をケース12内に注入する(注入工程)。ポッティング剤の注入方法としては、例えば遠心法、振動法などが挙げられる。
ついで、ポッティング剤を硬化させた後、樹脂製キャップ13上の所定位置(図示例の場合はポッティング部14のA−A’線)で、樹脂製キャップ13と硬化したポッティング剤とポッティング剤で固定された中空糸膜11とを切断して(切断工程)、中空糸膜11の開口端を形成し、中空糸膜モジュールを得る。
なお、樹脂製キャップ13の嵌合部はポッティング剤中に埋もれた状態で中空糸膜モジュールに残され、切り離された樹脂製キャップ13の残りの部分(嵌合部以外の部分)は、廃棄される。
<作用効果>
以上説明した本実施形態の中空糸膜モジュールの製造方法によれば、筒状のケースの端部に切断容易な樹脂製キャップを装着してポッティングを行い、ポッティング剤の硬化後に樹脂製キャップ上の所定位置で硬化樹脂を切断する。よって、片端のみが開口した特殊なケースを使用する必要がなく、特殊なケースを製造するための新たな金型を製造する必要もなく、余分な費用をかけずに中空糸膜モジュールを製造できる。また、中空糸膜を入れる容器が切断困難な材質でできている場合でもシリコーン製のポッティング用カップを使用する必要がないので、このカップの取り外し工程を省略することができ、簡便に中空糸膜モジュールを製造できる。
しかも、本発明に用いる樹脂製キャップは、側面に鍔部が形成されているので、樹脂製キャップとケースとの接触部分からポッティング剤が漏れるのを抑制しつつ、ポッティングを行うことができる。
また、本実施形態の中空糸膜モジュールの製造方法によれば、樹脂製キャップの底面に形成された注入口からポッティング剤を注入するので、センターチューブを必要としない。よって、中空糸膜モジュールにセンターチューブが残ることがなく、中空糸膜モジュールの用途が制限されにくい。
さらに、本実施形態の中空糸膜モジュールの製造方法によれば、樹脂製キャップの底面の内側に図3に示すような溝13fが形成されているので、ポッティング剤を均一に分散させることができ、中空糸膜がケース内にて偏りにくい。
<他の実施形態>
本発明の中空糸膜モジュールの製造方法は、上述した方法に限定されない。
例えば、図示例においては、ポッティング剤を注入するための注入口は樹脂製キャップの底面に形成されているが、樹脂製キャップの底面からポッティング剤を注入することが困難な場合は、図4に示すように、樹脂製キャップ13の側面13aに注入口13eが形成されていてもよい。
注入口13eが樹脂製キャップ13の側面13aに形成されている場合でも、樹脂製キャップの底面13bの内側に上述した溝が形成されていれば、樹脂製キャップ13の側面13aから注入されたポッティング剤は溝を流れて均一に分散される。
また、中空糸膜の中心部にセンターチューブを挿入し、該センターチューブからポッティング剤を注入してもよい。ただし、上述したようにセンターチューブを用いる場合、得られる中空糸膜モジュールにはセンターチューブが残ってしまい、中空糸膜モジュールの用途に制限が生じる場合がある。よって、ポッティング剤の注入にはセンターチューブを使用するのではなく、樹脂製キャップの底面または側面に注入口を形成し、該注入口からポッティング剤を注入することが好ましい。
また、上述した方法では、中空糸膜をケースに収納した後に、樹脂製キャップをケースに挿入して装着しているが、樹脂製キャップをケースに挿入して装着した後に、中空糸膜をケースに収納してもよい。
また、上述した方法では、ケースの一端でのみ中空糸膜をポッティングする例について説明したが、同様な方法をケースの他端に対しても実施してもよい。ケースの両端においてポッティングすれば、中空糸膜の両端が開口したタイプの中空糸膜モジュールを製造することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
「実施例1」
中空糸膜を収納するケースとしては、外径が42mmであり、内径が37mmであるポリカーボネート製の筒状ケースを用いた。
樹脂製キャップとしては、図2、3に示すように、開口部13cの外径dが37mmであり、側面13aに外径dが42mmである鍔部13dが形成され、底面13bの中央部に注入口13eが形成され、底面13bの内側に注入口13eから放射状に延びる6本の溝13fおよび円形状の溝13fが形成されている、ポリエチレン製の樹脂製キャップ13を用いた。鍔部13dの厚さtは0.5mmであり、樹脂製キャップ13の開口部13cから鍔部13dまでの距離dは2mmであった。また、溝13fの幅は3mmであり、深さは2mmであった。
ポッティング剤としては、ウレタン樹脂を用いた。
なお、樹脂製キャップ13の注入口13eと、ポッティング剤が充填された容器(図示略)とをチューブ(図示略)で繋いでおいた。
図1に示すように、まず、中空糸膜11の束をケース12に収納した(収納工程)。
ついで、中空糸膜11が収納されたケース12の一端の内側に、樹脂製キャップ13の側面13aを鍔部13dまで密封するように挿入して、ケース12の一端を樹脂製キャップ13で封止した(装着工程)。
ついで、樹脂製キャップ13の底面13bに形成された注入口13eからポッティング剤を遠心法にてケース12内に注入し(注入工程)、樹脂製キャップ13が装着されているケース12の端部において、中空糸膜11の束の端部をケース12に固定した。
ついで、ポッティング剤を硬化させた後、ポッティング部14のA−A’線で、樹脂製キャップ13と硬化したポッティング剤とポッティング剤で固定された中空糸膜11とを切断して(切断工程)、中空糸膜11の開口端を形成し、中空糸膜モジュールを得た。
実施例1の場合、側面13aに鍔部13dが形成された樹脂製キャップ13を用いたので、ケース12の一端の内側に、樹脂製キャップ13の側面13aを鍔部13dまで密封するように挿入すると、鍔部13dとケース12の一端とが密着した。よって、樹脂製キャップ13とケース12との密着嵌合がより高まり、ポッティング剤を遠心注入しても樹脂製キャップ13とケース12との接触部分からポッティング剤が漏れるのを抑制できた。
しかも、実施例1では、センターチューブを使用することなく、樹脂製キャップ13の底面13bに形成された注入口13eからポッティング剤を注入したので、中空糸膜モジュールにセンターチューブが残ることがなく、用途制限されにくい中空糸膜モジュールを製造できた。
また、実施例1では、樹脂製キャップ13の底面13bの内側に溝13fが形成されているので、ポッティング剤をケース12内に行き渡らせることができた。ポッティング部14を縦方向に切断して観察したところ、ポッティング剤が均一に分散されており、ケース12内で中空糸膜11が偏ることなく、中空糸膜モジュールを製造できた。
「比較例1」
中空糸膜を収納するケースとしては、外径が42mmであり、内径が37mmであるポリカーボネート製の筒状ケースを用いた。
樹脂製キャップとしては、図7に示すように、開口部の外径が37mmであり、内径が35mmである、ABS製の樹脂製キャップ13を用いた。なお、比較例1で用いた樹脂製キャップ13の側面には、鍔部が形成されておらず、底面には注入口は形成されておらず、かつ底面の内側には溝が形成されていない。
ポッティング剤としては、ウレタン樹脂を用いた。
図7に示すように、まず、中空糸膜11の束をケース12に収納し(収納工程)、中空糸膜11の束の中心部にセンターチューブ16を挿入した。
ついで、中空糸膜11が収納されたケース12の一端の内側に、樹脂製キャップ13の側面を挿入して、ケース12の一端を樹脂製キャップ13で封止した(装着工程)。
ついで、センターチューブ16からポッティング剤を遠心法にてケース12内に注入し(注入工程)、樹脂製キャップ13が装着されているケース12の端部において、中空糸膜11の束の端部をケース12に固定した。
ついで、ポッティング剤を硬化させた後、ポッティング部14のD−D’線で、樹脂製キャップ13と硬化したポッティング剤とポッティング剤で固定された中空糸膜11とを切断して(切断工程)、中空糸膜11の開口端を形成し、中空糸膜モジュールを得た。
比較例1により得られた中空糸膜モジュールは、ケース12と樹脂製キャップ13の接触部分からポッティング剤の一部が漏れ出た跡が観察された。
また、ポッティング部14を縦方向に切断して観察したところ、センターチューブ16の先端付近でポッティング剤が局所的に集中して流れ込んだ跡が観察された。
通常、ポッティング剤と中空糸膜11が一時的にでも接触した部分は中空糸膜11の機能が失われており、中空糸膜モジュールの性能を低下させる恐れがあるため、比較例1の方法では適切な中空糸膜モジュールを製造できなかった。
11 中空糸膜
12 ケース
13 樹脂製キャップ
13a 側面
13b 底面
13c 開口部
13d 鍔部
13e 注入口
13f 溝
14 ポッティング部
15 ポッティング用カップ
16 センターチューブ

Claims (5)

  1. 中空糸膜を筒状のケースに収納し、該ケースの一端を側面および底面からなる樹脂製キャップで封止して、該ケース内にポッティング剤を注入し硬化させて中空糸膜とケースとを固定して中空糸膜モジュールを製造する方法において、
    樹脂製キャップの側面に鍔部が形成され、
    前記ケースの一端の内側に、前記樹脂製キャップの側面を鍔部まで密封するように挿入し、ポッティング剤を注入し、
    ポッティング剤の硬化後に樹脂製キャップ上の所定位置で、該樹脂製キャップと硬化したポッティング剤とポッティング剤で固定された中空糸膜とを切断して中空糸膜の開口端を形成する、中空糸膜モジュールの製造方法。
  2. 前記樹脂製キャップの底面の内側に溝が形成されている、請求項1に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
  3. 前記樹脂製キャップの底面に、前記溝が放射状に形成されている、請求項2に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
  4. 前記樹脂製キャップの底面または側面にポッティング剤を注入する注入口が形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
  5. 前記樹脂製キャップの底面にポッティング剤を注入する注入口が形成され、ポッティング剤の注入口から放射状に前記溝が形成されている、請求項4に記載の中空糸膜モジュールの製造方法。
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