JP2016137010A - 水素入り化粧品の収納容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い水素溶存濃度を維持することができる水素入り化粧品の収納容器を提供する。【解決手段】容器内に化粧品に含まれる水と反応して水素を発生させる反応体40を有し、時間の経過とともに脱気によって減少してゆく水素を補充することにより、半年後も−1,000mV以下の酸化還元電位を維持することを特徴とする。水素を発生させる反応体40が、マグネシウム、亜鉛、スズ、鉛、アルミニウム及びベリリウムから選ばれた少なくとも1つの金属片又は金属粉末を含み、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムから選ばれた少なくとも1つの塩基性化合物の粉末をさらに含み、透水性のシート材料により包装され容器内に設置される。【選択図】図1

Description

本発明は、水素入り化粧品の収納容器に係り、より詳しくは、水素を発生する反応体を内蔵し、水素入り化粧品を容器に詰めた時、化粧品に含まれる水と反応して水素を発生させ、保存中に失われる水素を補うことができる水素入り化粧品の収納容器に関する。
健康志向が高まる中、アンチエイジングを謳った商品が数多く開発されている。水素水を体内に取り込むと、水素の還元力により体内の活性酸素を消滅し、アンチエイジング効果があるといわれている。このため、多様な水素を溶存させた飲料や水素水を製造する機器が販売されている。
水素水を経口摂取する以外の方法としては、化粧品や入浴剤として経皮摂取する方法が普及しつつある。
化粧品とは、体を清潔にしたり、見た目を美しくしたりする目的で、皮膚等に塗布等するもので、作用の緩和なものをいい、口紅やファウンデーション等のいわゆるメーキャップ化粧品、化粧水や乳液等のいわゆる基礎化粧品、及び、シャンプーやボディーソープ等のトイレタリー製品などがある。中でも、基礎化粧品において水素入り化粧品の効果が高いと言われている。
化粧品としては、水素を溶存させた水をそのまま化粧水として使用する場合もあるが、多くの場合、保湿性や角質除去等の機能を有する成分を配合した上、これらの成分を皮膚上に長時間保持させるために、増粘剤が配合される。
水素を溶存させた化粧品は、あらかじめ水素を溶存させた水素水に、化粧品成分を配合させるか、又は、既存化粧品を水素に接触させて水素を溶存させる方法で容易に製造することができる。
問題は、化粧品に溶存させた化粧品を長期間保存できない点にある。水素はあらゆる物質の中で最も小さい分子であるため、全ての物質に中を通り抜けることが可能である。特許文献1によると、水素を飽和状態にまで溶存させた水素水を大気圧下室温に解放した状態で静置した場合、2時間で1/10の濃度にまで減少した。また、ある週刊誌の調査によると、通信販売により入手したペットボトル入りの水素水の溶存水素濃度を検査したところ、検査した2銘柄ともに水素溶存濃度は0ppmであった。
一方、特許文献2によると、水素水に2%のゼラチンを溶解して作成したゼリーは、解放状態で冷蔵保存したところ、45日後においても製造時の酸化還元電位をほぼ維持していた。これは、ゼラチンの網目構造が、水の移動を制限したため、ゼラチンを含まない水素水に比べ、水素溶存量の減少が抑えられたものと考えられた。
乳化安定剤等の増粘剤を含む化粧品に水素を溶存させた場合、水素の溶存量の減少は、その粘度に応じて遅くなるものと考えられるが、一般に、化粧水やスキンクリームなどの基礎化粧品は、1つの容器の内容物を使いきるまでに半月から1カ月、長い場合には半年もかかることがあり、その化粧品を使用している途中で溶存水素がなくなり、アンチエイジング効果がなくなることが考えられる。また、製造後、ユーザーの手に渡るまでの間に、製造時に溶存させた水素が脱気してしまうことも考えられる。
化粧品に配合した水素のレベルをその容器の内容物を使い切るまでの間、高いレベルで維持するためには、(1)製造時の水素溶存量を多くすること、(2)容器の材質及び構造を工夫してできる限り水素の脱気が起こらないようにすることの他、(3)製造後に水素を補充することが考えられる。
出願人は、先に酸化還元電位が−1,000mV以下の水素水を提供する水素水製造装置及び水素水製造方法を発明し特許を出願した(特許文献3を参照)。本出願はこの高濃度に水素を溶存させた水素水の化粧品への展開である。
WO2008/015867号 特開2005−245427号公報 特開2014−151270号公報(PCT/JP2014−0521709)
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、高い水素溶存濃度を維持することができる水素入り化粧品の収納容器を提供することにある。
上記目的を達成するための、本発明の水素入り化粧品の収納容器は、水素を溶存させた水性粘性液体の化粧品を収容する容器であって、容器内に化粧品に含まれる水と反応して水素を発生させる反応体を有し、時間の経過とともに脱気によって減少してゆく水素を補充することにより、半年後も−1,000mV以下の酸化還元電位を維持することを特徴とする。
水素を発生させる反応体が、マグネシウム、亜鉛、スズ、鉛、アルミニウム及びベリリウムから選ばれた少なくとも1つの金属片又は金属粉末を含み、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムから選ばれた少なくとも1つの塩基性化合物の粉末をさらに含むことが好ましい。
水素を発生させる反応体は、透水性のシート材料により包装され、前記容器内に設置される。
上記容器に収容される化粧品の20℃における粘度は、100mPa・s以上、100,000mPa・s未満であることが好ましい。
容器に収容される水素を溶存させた化粧品の充填時の酸化還元電位は、−500mV乃至−2000mVであることが好ましい。
前記容器は、一側部に開放部を有し他側部に水性粘性液体の化粧品を収容する空間を形成した容器本体と、開放部を覆い容器本体を封ずる蓋部と、からなる。
容器の容器本体及び蓋部のいずれかに少なくとも1つのガス抜き細孔が形成されることがよい。
ガス抜き細孔の孔径は1.0mm以下であることがよい。
ガス抜き細孔は、水素ガスの透過を許し、水及び水蒸気の透過は許さない樹脂で封止されていることが好ましい。
容器が、収容した水素を溶存させた水性粘性液体の化粧品を取り出す際に、容器の開放部を下向きにして取り出す細口ボトルであることが好ましい。
容器が、ポンプアップ機能を有する蓋部を有し、蓋部の頂部を押し下げることにより収容した水素を溶存させた水性粘性液体の化粧品を取り出すポンプ機能を有するポンプタイプのボトルであることが好ましい。
容器が、柔らかい素材で構成され、水素を溶存させた水性粘性液体の化粧品を取り出す際に、容器の側面を押圧することで搾り出すことができるチューブであってもよい。
容器が、収容した水素を溶存させた水性粘性液体の化粧品を取り出す際に、容器本体の開口部から指又はスパチュラを差し込んで掬い出す広口ジャーであってもよい。
本発明によると、水素入り化粧品の収納容器に、水素を発生する反応体を内蔵させることにより、水素入り化粧品を充填した後に、容器より脱気して減少してゆく水素を補充することができ、その容器に充填された化粧品を使い切るまで水素を溶存した化粧品を使うことができる。
また、化粧品の販売時に、本願発明の容器とそれに充填する水素入り化粧品を別々に提供し、使用者が使用開始前に水素入り化粧品を本願発明の容器に充填することにより、使用開始前までに脱気した水素を補充することができ、使用開始時に水素溶存レベルの高い化粧品を使用することができるため、その容器に充填された化粧品を使い切るまでで高い水素レベルを維持した化粧品を使うことができる。
本発明の水素入り水性粘性液体の化粧品の収容容器のイメージ図である。
本発明は、水素入り化粧品を収容する容器に関するものであり、その容器内に、収容する化粧品に含まれる水と反応して水素を発生させる反応体を有し、時間の経過とともに脱気によって減少してゆく水素を補充することにより、半年後も−1,000mV以下の酸化還元電位を維持することを特徴とする。
本発明の水素入り化粧品は水性の粘性のある液体状の化粧品をイメージしたものであり、少なくとも粘度が100mPa・s以上のものを対象とする。
ここで化粧品とは、医薬品医療機器等法で定義付けられた「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪をすこやかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの」の他、医薬品医療機器等法上のいわゆる薬用化粧品のうち水性粘性液体に属するものを含む。
具体的には、洗顔料(洗顔用化粧品)、化粧水、美容液、乳液、クリーム等のいわゆる基礎化粧品、ファンデーション、口紅、眉墨、アイシャドー等の、いわゆるメーキャップ化粧品のうち液状のもの、及び、トイレタリー製品が含まれる。トイレタリー製品は、シャンプー、リンス、ヘアトニック等のヘアケア製品、歯磨き、洗口剤等のオーラルケア製品、香水、オーデコロン等の芳香化粧品、身体を洗うための液状石鹸等が含まれる。
これらの化粧品は、香水やシャンプー等の一部を除くと、化粧品の成分を所望の場所に留まり易くしたり、成分の連続性を維持したりするために、増粘剤が加えられる。この増粘剤の添加により、本願発明で対象とする化粧品の粘度が高められる。
本願発明で対象とする水素が溶存される水性粘性液体の粘度は、20℃の静止状態で100mPa・s以上、100,000mPa・s未満のものである。
水の粘度は、20℃の静止状態で1.0mPa・s(1.0cp:センチポアズ)であり、室温で静止状態にある液体の粘度が100mPa・s未満ものは、水と同様に液体からの水素の脱気が早く、たとえ、反応体により水素を補ったとしても、化粧品中の水素溶存量をその化粧品を使い切るまで維持できない虞がある。
化粧品の粘度が100,000mPa・sを超えると通常の製法では水素入りの化粧品を製造することができない。
化粧品の中には、使用中に粘度が変化するものがある。例えば、一部のクリームは、一定以上の力を加えることで急速に粘度が低下する「チクソトロピー」と呼ばれる性質を有している。具体的には、クリームを肌に乗せて塗り始めるとスーと伸びてゆく感触で分かるものであり、滑らかさと塗りやすさの機能を実現したものである。このような性質を有する化粧品の粘度は、回転速度と粘度を規定する必要がある。この回転速度を変化させて粘度を測定する粘度計にレオメータがある。
チクソトロピーを有する化粧品は回転力又は熱の少なくともいずれかを与えることにより粘度を低下させ、その間に水素を溶存させることができる。このため、室温の静止状態で高い粘土を有する化粧品も本願発明の範疇に含める。
本願発明が対象とする化粧品の粘度の上限は、レオメータで60rps時の粘度が100,000mPa・s未満である。レオメータで60rps時の粘度が100,000mPa・s以上のものは、製造中に水素が脱気してしまうため、水素溶存量の高い化粧品の製造が困難である。
本発明の水素入り水性粘性液体は、あらかじめ水素を溶存させた水素水に、化粧品成分を配合させるか、又は、既存化粧品を水素に接触させて水素を溶存させる方法で容易に製造することができる。
水素水の製造方法としては、いくつかの方法が知られているが、水と水素を接触させて水に水素を溶存させる方法、及び、水を電気分解するか、又は、水と化学物質を反応させて水素を発生させ、発生した水素を水に吸収させる方法がある。本願発明にはいずれの方法で製造した水素水も水素入り化粧品の原料として好ましく使用できる。
一方、既存化粧品を水素に接触させて水素を溶存させる方法としては、化粧品の液体に加圧して水素を吹き込む方法、化粧品に化粧品に含まれる水分と反応して水素を発生する反応体を添加する方法等がある。
化粧品に化粧品に含まれる水分と反応して水素を発生する反応体としては、水素化リチウム(LiH)、水素化ナトリウム(NaH)、水素化カリウム(KH)、等の水素化アルカリ金属類、水素化マグネシウム(MgH)、水素化カルシウム(CaH)、等の水素化アルカリ土類金属類、及び、水素化アルミニウムリチウム(LiAlH)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)等の水素化塩類を挙げることができる。
また、金属マグネシウム(Mg)又はマグネシウムを50重量%以上含有する合金は水と反応して水素を発生させる。さらに、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム(Al)等の両性金属は塩基性又は酸性の条件下に水と反応して水素を発生させることが知られている。
これらの水素発生剤のうち、水素化マグネシウム(MgH)は、比較的安定であり、自重の7.6%もの水素を発生させることから、水素入りの入浴剤として注目されている。しかしながら、これらの水素化アルカリ金属類、水素化アルカリ土類金属類、及び、水素化塩類は一般に高価であり、水との反応が急激に進行するため、長期間にわたって、減少してゆく水素を補充するという本願の目的には不向きである。さらに、水素化アルカリ金属類や水素化塩類の場合、水と反応して水素を発生させた後には、強アルカリ性のアルカリ金属の水酸化物が生成するため、化粧品に混合するには不向きである。
本発明の水素を発生させる反応体には、マグネシウム、亜鉛、スズ、鉛、アルミニウム及びベリリウムから選ばれた少なくとも1つの金属片又は金属粉末が選ばれる。
金属マグネシウム(Mg)は安定な金属であり微粉末でない限り発火の虞もないため好ましく利用できる。金属マグネシウムは、マグネシウムを50重量%以上含むマグネシウム合金であってもよい。金属マグネシウムが含有するマグネシウムの量は80重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。
マグネシウムと合金を造る金属としては、アルミニウム(Al)、亜鉛(Zn)が代表的なものであるが、スズ(Sn)、鉛(Pb)等の両性金属、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)等のアルカリ土類金属を含むものでもよい。
金属マグネシウムと水との反応は穏やかで反応が遅いため、通常、酸性または塩基性物資が反応促進剤として混合使用してもよい。
選択した反応促進剤の種類とその粒径(比表面積)を変えることで水素の発生速度を調節することができる。また、金属マグネシウムは、マグネシウム箔から粉末まで所望する反応速度に合わせて、その量と形状(比表面積)を選択すればよい。
金属マグネシウム(Mg)の反応促進剤として使用される酸性物質としては、塩酸(HCl)、硫酸(HSO)、硝酸(HNO)、リン酸(HPO)等の鉱酸、酢酸(CHCOH)、酪酸(CHCHCHCOH)、乳酸(CHCHOHCOH)、グリコール酸(CHOHCOH)、クエン酸(HOCCHC(OH)(COH)CHCOH)、コハク酸(HOCCHCHCOH)、リンゴ酸(HOCCHOHCOH)、酒石酸((CHOHCOH))、アスコルビン酸(ビタミンC)等の有機酸を例示することができる。
このうち、鉱酸はいずれも液体であるため、反応体に使用するためには製剤化が必要であり扱いにくい。また、これらの鉱酸は刺激性があり、肌を傷つけることから、化粧品に配合するには不向きである。
これに対し、上記の有機酸は化粧品に通常含まれる成分でもあり、特に、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸は結晶として安定に存在しており粉末化も容易であることから、好ましく使用できる。
一方、金属マグネシウム(Mg)の反応促進剤として使用される塩基性物質としては、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、過酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム(Ca(OH))等の第2族元素の酸化物及び水酸化物、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム等の有機酸のアルカリ金属塩が挙げられる
中でも、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム(Ca(OH))は固体であり、粉体に加工が容易であることから、金属マグネシウムの反応促進剤として好ましく利用できる。特に、酸化カルシウム(生石灰)は水と反応して水酸化カリウムになる際、発熱することから反応促進効果が高く、好ましく利用できる。
また、有機酸のアルカリ塩も反応が緩やかに進行し、化粧品成分として通常に含まれる成分であり、安全性が保障されているため、好ましく利用することができる。
上記の金属マグネシウムの粉末は、例えば、酸化カルシウムの粉末と混合され、混合物は、不織布等の透水性の基材の間に固定され、例えばシート状に加工される。反応体は水素入り化粧品の収納容器の底の形状に合わせ、底部に設置できる大きさと形に加工されることが好ましい。成形された反応体は収納容器の底部に接着材等で固定されることが好ましい。
水平の底部を有しないチューブの場合には、反応体は細長いテープ状に加工され、容器本体であるチューブ胴部の底部近くの内周面側壁に取り付けられることが好ましい。
上記の反応体には、金属マグネシウム又はマグネシウム合金に代わって、亜鉛(Zn)、スズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム(Al)及びベリリウム(Be)から選ばれた少なくとも1つの金属片又は金属粉末であってもよい。これらの両性金属は、塩基性化合物又は酸性物質の存在下に水と反応して水素を発生させる。
これらの両性金属と反応し水素を発生させる酸性物質としては、塩酸(HCl)、硫酸(HSO)、硝酸(HNO)、リン酸(HPO)等の鉱酸、酢酸(CHCOH)、酪酸(CHCHCHCOH)、乳酸(CHCHOHCOH)、グリコール酸(CHOHCOH)、クエン酸(HOCCHC(OH)(COH)CHCOH)、コハク酸(HOCCHCHCOH)、リンゴ酸(HOCCHOHCOH)、酒石酸((CHOHCOH))、アスコルビン酸(ビタミンC)等の有機酸を例示することができる。
このうち、鉱酸はいずれも液体であるため、反応体に使用するためには製剤化が必要であり扱いにくい。また、これらの鉱酸は刺激性があり、肌を傷つけることから、化粧品に配合するには不向きである。これに対し、上記の有機酸は化粧品に通常含まれる成分でもあり、特に、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸は結晶として安定に存在しており粉末化も容易であることから、好ましく使用できる。
上記の両性金属と反応して水素を発生させる塩基性物質として、水酸化ナトリム(NaOH)、水酸化カリウム(KOH)等のアルカリ金属の水酸化物は、強アルカリ性であり皮膚を荒らすことから化粧品に配合するには不向きである。また、アンモニア(NH)やアンモニア水(NHOH)等の臭気のあるものも好ましくない。反応体に両性金属に混合される塩基性物質としては、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム(Ca(OH))、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、過酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム(Ca(OH))等の第2族元素の酸化物及び水酸化物がある。
また、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム等の有機酸のアルカリ金属塩が挙げられる
中でも、酸化カルシウム(CaO)、水酸化カルシウム(Ca(OH))は固体であり、粉体に加工が容易であることから、金属マグネシウムの反応促進剤として好ましく利用できる。特に、酸化カルシウム(生石灰)は水と反応して水酸化カリウムになる際、発熱することから反応促進効果が高く、好ましく利用できる。
また、有機酸のアルカリ塩も反応が緩やかに進行し、化粧品成分として通常に含まれる成分であり、安全性が保障されているため、好ましく利用することができる。
上記の両性金属の箔又は粉末は、例えば、酸化カルシウムの粉末と混合され、混合物は、不織布等の透水性の基材の間に固定され、例えばシート状に包装加工される。反応体の大きさは水素入り化粧品の収納容器の底の形状に合わせ、底部に設置できる大きさと形に加工されることが好ましい。成形された反応体は収納容器の底部に接着材等で固定されることが好ましい。
水平の底部を有しないチューブの場合には、底部近くの側壁に取り付けできるように帯状であることが好ましい。
本発明が対象とする水素入り水性粘性液体の収納容器は、主に、細口ボトル、ポンプタイプ、チューブ、及び、広口ジャーである。
容器は、一側部に開放部を有し他側部に水性粘性液体を収容する空間を形成した容器本体と、開放部を覆い前記容器本体を封ずる蓋部とからなる。
容器の大きさは、充填する化粧品の種類に応じて、2週間から6か月で使い切る大きさにすることが好ましい。
また、容器の形状は使い易さを重視して、既存の容器の中から選択すればよい。
容器の材質はできる限り密な素材でできた容器を選択することが好ましい。密な素材でできた容器に収納された水素を溶存させた化粧品ほど、化粧品からの水素の脱気が遅くなる。
細口ボトルは、化粧液や乳液など、比較的粘度の低い液体状のものに使用される。細口ボトルは、収納した内容物を取り出す際に、容器の開放部を下向きにして取り出すため、片手で握ることのできる細さであることが好ましい。
収納した化粧品を取り出す際の量を調節するために、開口部に小さな振り出し口を有する中蓋を備えても良い。更に、この中蓋を引き上げる及び押し下げる作動によりボトルを開閉する構造であってもよい。
また、振り出し口を有する中蓋と一体に形成され、これにボトルを握った片手の指で開閉自在な蓋部(ワンタッチキャップ)を設けたものでも良い。
一般に、容器本体の素材は、ガラス又は合成樹脂であり、蓋部の材質は合成樹脂または金属であることが多い。
容器が、ポンプアップ機能を有する蓋部を有し、蓋部の頂部を押し下げることにより収容した水素を溶存させた化粧品を取り出すポンプ機能を有するポンプタイプのボトルであってもよい。適量を出しやすく内容物を手に取ることができるため、床又は棚や台に置いた状態で使用される。シャンプーやボディーソープ等のトイレタリー製品で多く使用されている。
収納した内容物を吸い上げるパイプの直径は、収納した水性粘性液体の粘度によって決定され、粘度の高いものほど径が太くなる。
蓋部の頂部を押し下げることによって内容物を泡状にして取り出すこともできる。また、蓋部の頂部を押すのではなく、別途取り付けたレバーを作動することにより内容物を取り出す方式のものでもよい。
一般に、容器本体の素材は、ガラス又は合成樹脂であり、蓋部の材質は合成樹脂または金属であり、内容物を吸い上げるパイプは合成樹脂であることが多い。
容器が、柔らかい素材で構成され、水素を溶存させた化粧品を取り出す際に、容器の側面を押圧することで搾り出すことができるチューブであってもよい。
粘度の高いクリームやペースト状のものに適しており、歯磨き用のペーストや携帯用のクリーム入れとして広く普及している。適量を調節しやすく、空気に触れる面積が小さいので酸化を防ぐことができる。また、容器が軽量なため持ち運びしやすい特徴を有している。
一般に、容器本体の素材は、ポリエチレン(PE)、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)等の合成樹脂、又は、アルミニウムやスズや鉛等の金属であり、最近は、あるいはこれらの素材を組合わせた複合チューブ(ラミネートチューブや多層チューブ等)であることが多い。
容器が、収容した前記水素を溶存させた水性粘性液体の化粧品を取り出す際に、容器本体の開口部から指又はスパチュラを差し込んで掬い出す広口ジャーであってもよい。
この広口ジャーは比較的粘度の高いクリームや化粧ジェルの容器として利用できる。一般に、広口ジャーの容器本体及び蓋部の素材はガラス又は合成樹脂であり、蓋部は金属又は合成樹脂であることが多い。
これらの容器の底部には、化粧品に含まれる水と反応して水素を発生させる反応体が設置される。反応体は容器の底部の大きさと形状に合わせて加工するほうが良い。細口ボトルとポンプタイプの容器の場合、底部の大きさの方が開口部よりも大きくなる。このため反応体も開口部よりも大きくなる。反応体は開口部から挿入できるようにフレキシブルなものが好ましい。反応体が十分にフレキシブルであれば、棒状に丸めて開口部から容器内に挿入できる。予め容器の底部に接着剤を付けておけば、容器の中で展開した反応体を固定することができる。反応体が固定された細口ボトルとポンプタイプの容器には化粧品が充填され、蓋部が取り付けられる。
容器が広口ジャーの場合には一般に開口部と底部の形状と大きさが同じであるため、反応体の設置には問題がない。反応体又は容器の底部に接着剤を付けて固定すればよい。反応体が固定された広口ジャーには化粧品が充填され、蓋部が取り付けられる。
チューブの場合には水平の底部がないため、切断されたままになっている開口部の反対側で容器本体の円筒形側面である胴部の末端より反応体を挿入し、胴部の内円周に沿って反応体を接着剤で固定すればよい。反応体を固定した後、チューブには化粧品が充填され、最後にチューブの胴部末端が圧縮加工により封鎖される。
反応体が固定された容器に化粧品が充填されると、反応体は化粧品に含まれる水と反応して水素を発生させる。密閉された容器内で水素が激しく発生すると容器内のガス圧が上昇し、容器が破裂する虞がある。この現象は、特に柔ら合成樹脂で成形したチューブにおいて深刻で、チューブが膨張することがある。
そこでこの現象を防止するために、容器の容器本体及び蓋部のいずれかに少なくとも1つのガス抜き細孔が形成されることが良い。容器の容器本体及び蓋部のいずれでもよいが、通常は加工の容易さから蓋部に加工が施される。
ガス抜き細孔の孔径は1.0mm以下であることが好ましく、0.1mm〜0.3mmであることがより好ましい。ガス抜き細孔の孔径は1.0mmより大きくなると、容器が倒れた際、中の化粧品が滲み出す虞があり、また、0.1mm以下になると加工が難しくなる。
ガス抜き細孔はレーザー光を利用したレーザー加工機で容易に形成することができる。
ガス抜き細孔は、水素ガスの透過を許し、水及び水蒸気の透過は許さない樹脂で封止されることが好ましい。封止に使用される樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ塩化ビニル(PVC)等の汎用樹脂がある。これらの樹脂をシート状に加工して使用してもよいが、簡便にはこれらの樹脂を有機溶媒に溶解した溶液を蓋部の内側に塗布した後、乾燥させればガス抜き細孔の封止フィルムが形成される。
以下に本発明の実施の形態について実施例に基づいて説明する。
本発明の実施例は4つの実施の形態よりなる。第1の実施例は、細口ボトルに充填した乳液であり、第2の実施例は、ポンプタイプの容器に充填したシャンプーであり、第3の実施例は、チューブに充填したクリームであり、第4の実施例は、広口ジャーに充填した化粧ジェルである。
4つの実施例で示した化粧品は、いずれも特許文献3に開示した、マグネシウムを含む陽極電極とマグネシウムより酸化還元電位の高い陰極電極に真水の中で直流電圧を印加して製造した酸化還元電位がー1700mVの水素水から製造したものである。
〔反応体の製造〕
金属マグネシウムの粉末(株式会社関東金属製、製品名:Mg20、メディアン径:0.5mm、純度:99.94%)50gと、酸化カルシウム(薬仙石杯株式会社製、製品名:粉状生石灰、純度:93.0%以上(日本工業規格特号)の100gを粉体混合器(愛知電機株式会社製、卓上型混合器)を用いて10分間混合した。内容物の0.3〜0.75gをポリエチレン製のシート状の不織布に挟み込み、内容物の周囲をホットメルト方式によって封止した。水素を発生する反応体を封止した不織布の周辺部は、化粧品を入れる容器の底部の大きさと形状に合わせてカットし、エポキシ系接着剤によって容器の底に固定した。
平らな底部を持たないチューブには、容器本体のチューブ胴部の内側周囲に固定できるよう細長いテープ状に加工した反応体を準備した。
〔乳液充填用の細口ボトル〕
乳液充填用の細口ボトルには、非透光性のガラス製の容器本体(容量:100mL)にポリプロピレン製の内蓋とアクリロニトリル−スチレン共重合樹脂(AS樹脂)でなる外蓋を有する細口ガラス瓶(吉田硝子株式会社製、製品番号:Y−100FL)を使用した。
外蓋の頂部にはレーザー加工により、0.2mmのガス抜き細孔を貫通して形成した。このガス抜き細孔には、内側よりポリプロピレン製の内蓋が接するため、特にシール処理は行わなかった。
〔乳液の調整〕
酸化還元電位がー1700mVの水素水374.5ccに、保湿剤として1,3−ブチレングリコール(HKネオケム株式会社製)50.0cc、EDTAナトリウム(キレスト株式会社製)0.5g、グリセリン(阪本製薬工業株式会社製)50.0cc、メチルパラベン(上野製薬株式会社製)1.0g、コンドロイチン硫酸ナトリウム(原沢製薬株式会社製)、1.0g、ヒアルロン酸ナトリウム(キッコーマンバイオケミファ株式会社製)1.0g、マルチトール液20.0cc、L−アスコルビン酸硫酸エステルナトリウム(和光純薬工業株式会社製)1.0g、α−トコフェロール2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム(商品名:EPC、千寿製薬株式会社製)1.0g、を添加して70℃に加熱し、溶解して水相を調整した。
油性成分として、流動パラフィン(カネタ株式会社製)272.0cc、2−エチルヘキサン酸セチル(花王株式会社製、商品名:エキセパールHO)110.0cc、デカメチルシクロペンタシロキサン(東京化成工業株式会社製)40.0cc、ジイソステアリン酸ポリグリセリル(阪本薬品工業株式会社製、製品番号:IS−202P)7.0cc、スチレン−ブタジエンのコポリマー(株式会社GSIクレオス製、製品名:ビスモップ160)30.0g、スクワラン(株式会社ハーバー研究所製)20.0g、ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル(日清オイリオグループ株式会社製、商品名:ノムコートTAB)0.5g、マカデミアナッツ油(株式会社ダニフジャパン製)20.0cc、酢酸トコフェロール(生見栄養薬品株式会社製)0.5gを混合して70℃に加熱攪拌して溶解し、油相を調整した。
油相を水相に少量ずつ添加し、予備乳化をした後、70℃で攪拌混合した上、ホモミキサーで乳化して粒子を均一にした。乳化液を濾過して、上記の乳液充填用の細口ボトルに充填した。
充填直後の乳液の粘度は、20℃の静置状態で650mPa・Sであり、酸化還元電位は−1200mVであった。
製造した乳剤の酸化還元電位を、14日毎に6ケ月間測定してそれらの経時変化を調べた結果、6か月後の酸化還元電位は−1500mVであり、製造時点より低い値を保持していた。
〔ポンプタイプ容器に充填したシャンプー〕
ポリエチレンテレフタレートでなるポンプタイプ容器(東静容器株式会社製、製品番号:GS SAI250、容量:250mL)の内側底部に化粧品に含まれる水と反応して水素を発生させる反応体をエポキシ系接着剤を使用して固定した。ポンプを支持して容器の上部を密閉する蓋部の頂部にはレーザー加工により、0.2mmのガス抜き細孔を貫通して形成した。このガス抜き細孔には、内側よりポリプロピレンを溶解したメチルエチルケトン溶液を塗布し、ドライヤーで乾燥してポリプロピレンの膜を形成した。
〔シャンプーの調合〕
酸化還元電位が−1700mVの水素水の474.0ccに、1,3−ブチレングリコール(東京化成工業株式会社製)37.1g、ラウリルヒドロキシスルホベタイン液(花王株式会社製、製品名:アンヒトール20HD)80.8g、ラウリン酸アミドプロピルベタイン液(花王株式会社製、製品名:アンヒトール20AB)67.4g、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(花王株式会社製、製品名:エマール227)66.4g、ポリオキシエチレンラウリル酢酸ナトリウム(花王株式会社製、製品名:カオーアキポRLM−45NV)37.1g、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸を主成分とする高級脂肪酸のカリウム塩(ミヨシ油脂株式会社製)124.0g、L−アルギニン(協和発酵バイオ株式会社製)99.3g及びエタノール71.3ccを順次加えながら、加熱攪拌して、70℃で均一溶液とした。
調整したシャンプーの粘度は、20℃の静置状態で850mPa・Sであり、酸化還元電位は−1300mVであった。
調製したシャンプーを上記のポンプタイプ容器に充填し、その酸化還元電位を、14日毎に6ケ月間測定してそれらの経時変化を調べた。その結果、6か月後の酸化還元電位は−1500mVであり、製造時点より低い値を保持していた。
〔チューブに充填したクリーム〕
ポリエチレン樹脂(PE)層とエチレン−ビニルアルコール共重合樹脂(EVOH)層からなる多層チューブ容器(吉田硝子株式会社製、製品番号:T−30、容量:30〜90g)に、充填された化粧品の水分と反応して水素を発生する反応体を設置した。反応体は帯状に加工し、チューブの胴部の切り放し部分よりチューブ内に挿入し、胴部の内周囲に沿って接着剤で固定した。
一方、蓋部には、レーザー加工により、0.2mmのガス抜き細孔を貫通して形成した。このガス抜き細孔には、内側よりポリプロピレンを溶解したメチルエチルケトン溶液を塗布し、ドライヤーで乾燥してポリプロピレンの膜を形成した。
〔クリームの調合〕
酸化還元電位が−1700mVの水素水697.0ccに、アクリル酸ナトリウム−アクリロイルジメチルナトリウムのコポリマー(SEPIC株式会社製、商品名:SIMULGEL EG)3.0g、トラネキサム酸(第一三共株式会社製)20.0g、メチルパラベン(上野製薬株式会社製)1.0g、フェノキシエタノール(四日市合成株式会社製)1.0g、アスパラギン酸(田辺三菱製薬株式会社製)10.0g、N−(1’−ピペリジン)−プロピオン酸(東京化成工業株式会社製)10.0g、アセンヤクエキス(丸善製薬株式会社製)1.0g、メリロートエキス(高田製薬株式会社製)1.0gを加え、70℃に加熱して水相を調整した。
次いで、パルミチン酸(ミヨシ油脂株式会社製)20.0g、セチルアルコール(高級アルコール工業株式会社製、商品名:セタノール)15.0g、ワセリン(大洋製薬株式会社製、商品名:白色ワセリン)30.0g、スクワラン(株式会社ハーバー研究所製)50.0g、トリエチルヘキサノイン(高級アルコール工業株式会社製)20.0g、オレイン酸ソルビタン(花王株式会社製、商品名:レオドールAO−15V)20.0g、香料(長谷川香料株式会社製)1.0g、メチルトリメチコン(株式会社ハーバー研究所製)100.0gを混合し、70℃に加熱して油相を調整した。
この油相を、上記の水相に加え、ホモミキサーにて乳化し、粒子を均一にした上、濾過して、上記チューブの切り放った胴部末端よりチューブに充填した。チューブの胴部末端は加熱圧縮加工により封止した。
調整したクリームの粘度は、20℃の静置状態で1500mPa・Sであり、酸化還元電位は−1500mVであった。
調製したクリームの酸化還元電位を、14日毎に6ケ月間測定してそれらの経時変化を調べた。その結果、6か月後の酸化還元電位は−1500mVであり、製造時点の値を保持していた。
〔広口ジャーに充填した化粧ジェル〕
ガラス製の容器本体とアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS樹脂)からなる蓋部を有する広口ジャー(吉田硝子株式会社製、商品番号:I−60C、内容量:60mL)の底部に化粧品に含まれる水分と反応して水素を発生ずる反応体を固定した。
一方、蓋部には、レーザー加工により、0.2mmのガス抜き細孔を貫通して形成した。このガス抜き細孔には、内側よりポリプロピレンを溶解したメチルエチルケトン溶液を塗布し、ドライヤーで乾燥してポリプロピレンの膜を形成した。
〔化粧ジェルの調合〕
酸化還元電位が−1700mVの水素水814.0ccに、ポリアクリルアミド(岩瀬コスファ株式会社製)20.0g、フェノキシエタノール(四日市合成株式会社製)1.0g、香料(長谷川香料株式会社製)1.0g、グリセリン(阪本製薬工業株式会社製)30.0cc、1,3−ブチレングリコール(HKネオケム株式会社製)30.0cc、L−ヒドロキシプロリン(協和発酵バイオ株式会社製)5.0g、N−シクロヘキシルカルボニル−β−アラニン(味の素株式会社製)5.0g、ショウキョウエキス(アルプス薬品工業株式会社)1.0g、ボタンエキス(丸善薬品株式会社製)1.0g、ヨモギエキス(丸善薬品株式会社製)2.0g、エタノール50.0gを均一に溶解した水相に、イソドデカン(岩瀬コスファ株式会社製)30.0cc、ジメチコン(キッセイ薬品工業株式会社製、粘度:2mPa・s、商品名:ガスコン(登録商標))5.0g、ポリオキシエチレン(20)ベヘニルエーテル(日本乳化剤株式会社製)5.0gの混合物を添加して、ディスパーで均一に分散した後、濾過して上記の広口ジャーに充填した。
調整した化粧ジェルの粘度は、20℃の静置状態で1200mPa・Sであり、酸化還元電位は−1500mVであった。
調製したクリームの酸化還元電位を、14日毎に6ケ月間測定してそれらの経時変化を調べた。その結果、6か月後の酸化還元電位は−1500mVであり、製造時点の値を保持していた。
以上のとおり、本発明によると、水素入り化粧品の収納容器に、水素を発生させる反応体を内蔵させることにより、水素入り化粧品を充填した後に、容器より脱気して減少してゆく水素を補充することができ、その容器に充填された化粧品を使い切るまで水素を溶存した化粧品を使うことができる。
また、化粧品の販売時に、本願発明の容器とそれに充填する水素入り化粧品を別々に提供し、使用者が使用開始前に水素入り化粧品を本願発明の容器に充填することにより、使用開始前までに脱気した水素を補充することができ、使用開始時に水素溶存レベルの高い化粧品を使用することができるため、その容器に充填された化粧品を使い切るまでで高い水素レベルを維持した化粧品を使うことができる。
本願発明の水素入り化粧品の収納容器は、その容器に充填された化粧品を使い切るまで高い水素レベルを維持することができることから、水素入り化粧品の収納容器として好適である。
10:広口ジャー
20:容器本体
30:蓋部
40:反応体
50:ガス抜き細孔

Claims (14)

  1. 水素を溶存させた水性粘性液体の化粧品を収容する容器であって、
    該容器内に前記化粧品に含まれる水と反応して水素を発生させる反応体を有し、
    時間の経過とともに脱気によって減少してゆく水素を補充することにより、
    半年後も−1,000mV以下の酸化還元電位を維持することを特徴とする水素入り化粧品の収納容器。
  2. 前記水素を発生させる反応体が、マグネシウム、亜鉛、スズ、鉛、アルミニウム及びベリリウムから選ばれた少なくとも1つの金属片又は金属粉末を含むことを特徴とする請求項1に記載の水素入り化粧品の収納容器。
  3. 前記水素を発生させる反応体が、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、グリコール酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムから選ばれた少なくとも1つの塩基性化合物の粉末をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の水素入り化粧品の収納容器。
  4. 前記水素を発生させる反応体は、透水性のシート材料により包装され、前記容器内に設置されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の水素入り化粧品の収納容器。
  5. 前記容器に収容される化粧品の20℃における粘度は、100mPa・s以上、100,000mPa・s未満であることを特徴とする請求項1に記載の水素入り化粧品の収納容器。
  6. 前記容器に収容される水素を溶存させた化粧品の充填時の酸化還元電位は、−500mV乃至−2000mVであることを特徴とする請求項1に記載の水素入り化粧品の収納容器。
  7. 前記容器は、
    一側部に開放部を有し他側部に水性粘性液体の化粧品を収容する空間を形成した容器本体と、
    前記開放部を覆い前記容器本体を封ずる蓋部と、からなることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の水素入り化粧品の収納容器。
  8. 前記容器の容器本体及び蓋部のいずれかに少なくとも1つのガス抜き細孔が形成されたことを特徴とする請求項7に記載の水素入り化粧品の収納容器。
  9. 前記ガス抜き細孔の孔径は1.0mm以下であることを特徴とする請求項8に記載の水素入り化粧品の収納容器。
  10. 前記ガス抜き細孔は、水素ガスの透過を許し、水及び水蒸気の透過は許さない樹脂で封止されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の水素入り化粧品の収納容器。
  11. 前記容器が、収容した前記水素を溶存させた水性粘性液体の化粧品を取り出す際に、前記容器の開放部を下向きにして取り出す細口ボトルであることを特徴とする請求項7に記載の水素入り化粧品の収納容器。
  12. 前記容器が、ポンプアップ機能を有する蓋部を有し、該蓋部の頂部を押し下げることにより収容した前記水素を溶存させた水性粘性液体の化粧品を取り出すポンプ機能を有するポンプタイプのボトルであることを特徴とする請求項7に記載の水素入り化粧品の収納容器。
  13. 前記容器が、柔らかい素材で構成され、前記水素を溶存させた水性粘性液体の化粧品を取り出す際に、前記容器の側面を押圧することで搾り出すことができるチューブであることを特徴とする請求項7に記載の水素入り化粧品の収納容器。
  14. 前記容器が、収容した前記水素を溶存させた水性粘性液体の化粧品を取り出す際に、容器本体の開口部から指又はスパチュラを差し込んで掬い出す広口ジャーであることを特徴とする請求項7に記載の水素入り化粧品の収納容器。
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