JP2016136476A - 端子圧着機、端子圧着方法、端子圧着電線製造装置及び端子圧着電線製造方法 - Google Patents

端子圧着機、端子圧着方法、端子圧着電線製造装置及び端子圧着電線製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 端子圧着異状発生時におけるアプリケータ固定機構の破損を防止できるよう対策を施した端子圧着機を提供する。【解決手段】 端子圧着機1は、圧着工具である昇降側クリンパ113及び固定側アンビル117を有するアプリケータ11と、圧着機のアプリケータ搭載部67にアプリケータ11を固定するアプリケータ固定機構13と、クリンパ113を昇降させるラム10の昇降機構と、を備える。ラム10の昇降機構は、サーボモータ4と、該モータを制御するサーボモータ制御系5・23・21と、サーボモータ4の回転運動をラム10の昇降運動に変換する運動変換機構8と、を具備する。サーボモータ制御系が、クリンパ上昇時のサーボモータ4の出力トルクを制限して、アンビル117が端子T及びクリンパ113に固着した際におけるアプリケータ固定機構13の破損を防止する。【選択図】 図1

Description

本発明は、サーボモータによりクリンパ(圧着工具)を昇降させて電線の端部に端子を圧着する装置などに関する。特には、端子圧着異状発生時におけるアプリケータ固定機構の破損を防止できるよう対策を施した端子圧着機などに関する。
サーボモータによりクリンパを昇降させて電線の端部に端子を圧着する方法や装置は、特許文献1などにより知られている。しかしながら、端子圧着異状発生時におけるアプリケータ固定機構の破損を防止することを目的としてサーボモータを制御するという技術・提案・文献は、本発明者の知る限り存在しない。
特開平5−29055
本発明は、端子圧着異状発生時におけるアプリケータ固定機構の破損を防止できるよう対策を施した端子圧着機などを提供することを目的とする。また、クリンパ駆動サーボモータのトルク制限を利用して圧着作業異状などを検出・防止する技術を提供することを目的とする。
本発明の第1の圧着機は、 圧着工具である昇降側クリンパ及び固定側アンビルを有するアプリケータと、 圧着機のアプリケータ搭載部に前記アプリケータを固定するアプリケータ固定機構と、 前記クリンパを昇降させるラム昇降機構と、を備え、 被覆の剥ぎ取られた電線端部に端子を圧着する端子圧着機であって、 前記ラム昇降機構が、 サーボモータと、 該サーボモータを制御するサーボモータ制御系と、 前記サーボモータの回転運動を前記ラムの昇降運動に変換する運動変換機構と、を具備し、 前記サーボモータ制御系が、前記クリンパ上昇時の前記サーボモータの出力トルクを任意に設定可能なトルク制限値で制限するとともに、出力トルク制限に達したときは前記サーボモータを急速停止させることにより、前記アンビルが前記クリンパに固着した際における前記アプリケータ固定機構の破損を防止する手段を有することを特徴とする。
この圧着機によれば、端子圧着作業中にアンビルと端子及びクリンパの固着が生じた場合にも、上昇するクリンパ(ラム)がアンビルやアプリケータベースを持ち上げる力を、サーボモータのトルク制限により、低く抑制できる。そのため、アプリケータ固定機構の破損を防止できる。
上記圧着機においては、前記出力トルク制限に達したときは前記サーボモータを急速停止させることにより、異状が発生した後にサーボモータに投入する電気エネルギーを少なくして、設備破損の程度を抑制できる。ここで、「急速停止」は、サーボモータに与える速度指令を急速にゼロにする、いわゆる「緊急停止」や「非常停止」と同じ制御とすることができる。
上記圧着機においては、 前記トルク制限手段が、 前記クリンパの上昇中に常時作動する上昇常時トルク制限、及び、 前記クリンパの下死点から上昇し始める直後の短い時間に作動する、前記上昇常時トルク制限よりも低い上昇直後トルク制限、の二段階のトルク制限をかけることもできる。
圧着機の特性にもよるであろうが、正常圧着作業時におけるサーボモータの出力トルクあるいはトルク指令は、クリンパ(ラム)の下死点直後(上昇開始直後)よりも少し上がったところででる(発現する)ことがある。そのような場合、上記の「上昇常時トルク制限」を低くしておくと、正常圧着作業に支障がでるおそれがある。一方、「アンビルと端子及びクリンパの固着が生じた場合のアンビル持ち上げ」に起因するアプリケータ固定機構などの破損を防止するには、クリンパ(ラム)の下死点直後(上昇開始直後)にクリンパ(ラム)の上昇力を特に低く制限することが好ましい。
そこで、クリンパの下死点から上昇し始める直後の短い時間には、「上昇常時トルク制限」よりも低い「上昇直後トルク制限」をかけることが好ましいのである。なお、「クリンパの上昇中に常時作動する上昇常時トルク制限」とはいっても、厳密に「上昇中に常時作動する」ものでなくとも、下死点直後(上昇開始直後)以外の上昇中に作動するものであってもよい(下死点直後(上昇開始直後)はより低い「上昇直後トルク制限」がかかっているので、実際には「上昇常時トルク制限」が作動することはない)。
前記サーボモータ制御系が、 前記サーボモータへの電気的入力を制御するサーボアンプ、及び、 該サーボアンプを制御するコントローラー、を有し、 前記上昇常時トルク制限を前記サーボアンプの内部トルク制限として行い、 前記上昇直後トルク制限を前記コントローラーから前記サーボアンプへのタイミング指令に基づく外部トルク制限として行うことができる。
現状一般的なサーボモータ制御系の場合、上記のように内部トルク制限と外部トルク制限に区分して二段階のトルク制限を行うのが、制御系構築の手間や設備費用を低減する上で妥当である。
本発明は、特に、前記運動変換機構中に、前記ラムの昇降力を増幅するトグル機構を有する場合に有益である。この圧着機のトグル機構は、サーボモータ・ボールネジ機構の一方向(水平方向)の力を、下死点近くでは、何倍にも増幅してクリンパ(ラム)の昇降方向の力に変換する。そのため、下死点近くでクリンパにかかる上昇抵抗が大きくなると、それに対抗してクリンパを上昇させようとする力が過大となる可能性があり、これがアプリケータ固定機構などの設備破損につながりやすい。そこで、サーボモータのトルク制限が重要になるのである。
なお、サーボモータを急速停止してから一定時間後にサーボフリーとすることもできる。電線クランプや電線搬送機構は、電線をクランプしたまま停止させるなどの適宜の制御を行う。
本発明の第2の圧着機は、 圧着工具である昇降側クリンパ及び固定側アンビルを有するアプリケータと、 圧着機のアプリケータ搭載部に前記アプリケータを固定するアプリケータ固定機構と、 前記クリンパを昇降させるラム昇降機構と、を備え、 被覆の剥ぎ取られた電線端部に端子を圧着する端子圧着機であって、 前記ラム昇降機構が、 サーボモータと、 該サーボモータを制御するサーボモータ制御系と、 前記サーボモータの回転運動を前記ラムの昇降運動に変換する運動変換機構と、を具備し、 前記サーボモータ制御系が、前記クリンパ下降時の前記サーボモータの出力トルクを制限する、任意設定可能なトルク制限手段を有することを特徴とする。
この圧着機においては、サーボモータ制御系が、前記クリンパ下降時の前記サーボモータの出力トルクを制限する、任意設定可能なトルク制限手段を有するので、圧着異状(皮むき不良や樹脂かみ、アンビルと端子及びクリンパの固着など)の検出・早期対処、あるいは、設備破損の予防などを図れる。
本発明の第1の端子圧着方法は、 被覆の剥ぎ取られた電線端部に前記第1の端子圧着機を用いて端子を圧着する端子圧着方法であって、 前記トルク制限手段によって、前記ラムの上昇時における前記サーボモータの出力トルクに制限をかけることにより、前記アプリケータ固定機構の破損を防止することを特徴とする。
本発明の第2の端子圧着方法は、 被覆の剥ぎ取られた電線端部に、前記第2の端子圧着機を用いて端子を圧着する端子圧着方法であって、 前記トルク制限手段によって、前記ラムの上昇時における前記サーボモータの出力トルクに制限をかけることにより、圧着作業異状を検出するか、及び/又は、前記アプリケータ固定機構の破損を防止することを特徴とする。
(端子圧着電線製造装置)
本発明の端子圧着電線製造装置は、 電線を送給する送給装置と、 該電線の先端部の皮むき装置と、 該先端部に端子を圧着する第一の端子圧着機と、 該電線の先端部を任意の長さに切断する切断装置と、 切断された電線の後端部の皮むき装置と、 該後端部に端子を圧着する第二の端子圧着機と、 両端に端子が圧着された電線の排出装置と、を含み、 前記端子圧着機が前記第1又は第2の端子圧着機であることを特徴とする。
本発明の端子圧着電線製造方法は、 電線を送給する工程と、 該電線の先端部の皮むき工程と、 該先端部に端子を圧着する端子圧着工程と、 該電線の先端部を任意の長さに切断する切断工程と、 切断された電線の後端部の皮むき工程と、 該後端部に端子を圧着する端子圧着工程と、 両端に端子が圧着された電線の排出工程と、を含み、 前記端子圧着工程を、前記第1又は第2の端子圧着機を用いて行うことを特徴とする。
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、端子圧着異状発生時におけるアプリケータ固定機構の破損を防止できる端子圧着機などを提供することができる。また、クリンパ駆動サーボモータのトルク制限を利用して圧着作業異状などを検出・防止する技術を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る端子圧着機の構成を模式的に示す図である。 図1の端子圧着機における運動変換機構の構成を示す模式的側面図である。 図1の圧着機におけるアプリケータ固定機構の構成の一例を示すであって、(A)は部分的な側面図、(B)は分解斜視図である。 図1の圧着機を装備した圧着電線製造装置の構成例を示す平面図である。 端子の電線端部への圧着作業例を説明する正面図である。(A)はクリンパが端子と接触し始めた状態であり、(B)はクリンパが下死点まで下降した状態であり、(C)は圧着終了後にクリンパが上昇している状態である。 端子圧着時の指令速度とトルク指令の推移の具体例を示すグラフである。 クリンパ上昇時の内部トルク制限をかけた場合における、端子圧着時の指令速度とトルク指令の推移の具体例を示すグラフである。 クリンパ上昇時の外部トルク制限をかけた場合における、端子圧着時の指令速度とトルク指令の推移の具体例を示すグラフである。 クリンパ下降時の外部トルク制限をかけた場合における、端子圧着時の指令速度とトルク指令の推移の具体例を示すグラフである。
W;電線、T;端子、Tb;上端部、1;端子圧着機
4;サーボモータ、41;出力軸、43;カップリング、5;エンコーダ
6;コラム、67;アプリケータ搭載部、7;ヘッド
8;運動変換機構、80;ボールネジ軸、81;横レール、82;ベアリング、
83;ボールネジ、85;横スライダ、87;ボールナット、88;ホルダー、89;縦レール
91;縦スライダ、93;ボス、95;上リンク、97;下リンク、99;連結部
10;ラム、101;ラムボルト、11;アプリケータ、111;シャンク、
113;クリンパ、113b;U凹部、117;アンビル、117b;端凹部
119;ベース、119b;クサビ形凸部、
13;アプリケータ固定機構、131;奥側係止片、131b;テーパ面、
133;上プレート、133b;溝、135;前プレート、135b;溝、
136;下プレート、136b;切り欠き、138;ブラケット、
139;エアシリンダ、139b;二股部、139d;ロッド、140;ロッドエンド
142;可動係止部材、142b;可動係止片(ヘッド)、142d;テーパ面、
142h;ロッドブラケット、142f;ヘッド押し棒、144;リンク、146;リンク受け台
15;クランプ沈み機構
16;電線クランプ搬送機構、161A・B;クランプ、162A・B;クランプ開閉機構、
163A・B;搬送テーブル
18;操作パネル、21;コントローラー、23;サーボアンプ、25;設定用PC
171;電線送給装置、173;電線切断装置、174A;トップ皮むき装置、174B;テール皮むき装置、175;製品排出装置
200;指令速度、210;トルク指令、300;指令速度、310;トルク指令、
400;指令速度、410;トルク指令、500;指令速度、510;トルク指令、
発明を実施するための良好な形態
図を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る端子圧着機1の構成を模式的に示す図である。この圧着機1は、図の左寄り・上下方向中央部に示す電線Wの端部に、端子Tを圧着するものである。電線Wの端部は、前工程で外周絶縁被覆が剥ぎ取られている(皮むきされている、図4の皮むき装置174参照)。
図1に示す端子圧着機1は、以下の主要部から構成されている。
[アプリケータ11]
アプリケータ11は、端子Tを上下から押しつぶすことにより、電線Wに端子Tを圧着する工具(金型)として、上の昇降側クリンパ113と、下の固定側アンビル117を有する。両工具は、端子Tの形式毎に、短時間で交換できるアプリケータ11としてユニット化されている。
[ラム昇降機構]
クリンパ113の上部に連結されたラム10を昇降させる機構であり、サーボモータ4と、その回転運動をラム10の昇降運動に変換する運動変換機構8などからなる。
[サーボモータ4の制御機構]
サーボモータ4の回転を検出するエンコーダ5、サーボアンプ23、コントローラー21などからなる。
[アプリケータ固定機構13]
端子種類毎に異なるアプリケータ11を圧着機本体のアプリケータ搭載部67に固定する機構である。短時間にアプリケータ交換できるように構成されている。
[電線クランプ搬送機構16]
電線Wを把持及び搬送する機構である(図4参照)。
続いて、各部の詳細について説明する。
[アプリケータ11]
アプリケータ11は、上述のように、端子圧着工具(金型)としての上の昇降側クリンパ113と、下の固定側アンビル117を有する。クリンパ113は、その上のシャンク111に接続されておいる。同シャンク111は、その上のラムボルト101を介してラム10に接続されている。図示はされていないが、アプリケータ11は、シャンク111のスライド案内機構も有する。ラム10が昇降駆動されると、シャンク111とクリンパ113が上下に昇降する。クリンパ113の最下点の位置(下死点)や昇降速度は、サーボモータ4の制御機構によってコントロールされる。
圧着下工具(金型)であるアンビル117は、アプリケータ11のベース119上に固定されている。このベース119は、後述するアプリケータ固定機構13の上に搭載・固定されている。図示はされていないが、アプリケータ11には、同種の端子Tが多数連結された端子帯を送る機構や、その端子帯を切断するカッターなども設けられている。
[ラム昇降機構の運動変換機構8]
図2を参照しつつラム昇降機構の運動変換機構8を説明する。運動変換機構8は、前述のように、サーボモータ4の回転運動をラム10・ラムボルト101の昇降運動に変換する機構である。運動変換機構8は、圧着機本体のコラム6上の箱状のヘッド7内に納められている。なお、図2や図3には、説明に用いる方向である「前」や「奥(後)」、「上」、「下」が矢印で示してある。
サーボモータ4の出力軸41は、カップリング43を介して、ボールネジ軸80に連結されている。同ボールネジ軸80は、高いスラスト力を受けるベアリング82により回転支持されている。ボールネジ軸80の先には、ボールネジ83がつながっており、同ボールネジ83にはボールナット87が螺合している。同ボールナット87のホルダー88は、その上下に配置された、前奥方向(前後方向ともいう)に延びる横レール81と、その上を前後にスライドする横スライダ85によって、前後方向に案内支持されている。
ボールナットホルダー88の前側には、上下に延びる縦レール89が固定されており、同縦レール89上を、縦スライダ91が上下にスライドする。縦スライダ91の前側には、ボス93が前側に突出するように取り付けられている。ボス93には、上下リンク95・97が、回動自在に連結されている。上リンク95は、ボス93から斜め上前方に延びており、下リンク97は、ボス93から斜め下前方に延びている。上リンク95の反ボス側の端部は、ヘッド7に回動可能かつ上下移動不能に連結されている。下リンク97の反ボス側の端部は、ラム10の上端部(連結部99)に回動可能に連結されている。
このように構成されている運動変換機構8は、サーボモータ出力軸41の回転をボールナット87の前後運動に変換し、次いでリンク95・97の回動運動に変換し、次いで下リンク97とラム10との連結部99の上下運動に変換し、結局、ラム10の上下運動としている。ここで、ラム10を最も下げたとき(下死点)には、上下リンク95・97は相当開いた状態(上下に一直線になるやや手前の状態)であり、ボールナット87の前進力を高率に増倍してラム10の押下げ力としている(トグル機構を構成している)。一例として、ラム10の押下げ力は4トン、上下ストロークは30mmである。なお、ラム10の上昇時にも上記トグル機構は作動し、もしも後述のアンビルと端子及びクリンパの固着が生じた場合には、強力な力でアンビルを持ち上げる。
[アプリケータ固定機構13]
次に、図3を参照しつつ、アプリケータ固定機構の構成例を説明する。図3(A)は、アプリケータベース119を、圧着機本体のアプリケータ搭載部67に固定するメカニズムを模式的に示す図である。
図3(A)には、アンビル117などを含むアプリケータ11のベース119が示されている。ベース119の下面には、下広がり台形状のクサビ形凸部119bが突設されている。このクサビ形凸部119bは、アプリケータ固定機構13のプレート133上に搭載されている。そして、このプレート133の奥側には、奥側係止片131が、そのテーパ面131bを手前側に向けて固定されている。同奥側係止片131のテーパ面131bは、上側が手前側に張り出した傾斜面であって、その傾斜はクサビ形凸部119bのテーパ面と同じである。ベース119が奥側に押されると、クサビ形凸部119bの奥側テーパ面が、奥側係止片131のテーパ面131bとピッタリ合う。
ベース119のクサビ形凸部119bの前側には、可動係止片142bが、前後方向移動可能に配設されている。可動係止片142bは、後述するエアシリンダ139により前後方向に駆動される。可動係止片142bは、その奥側にテーパ面142dを有する。同テーパ面142dは、上側が奥側に張り出した傾斜面であって、その傾斜はクサビ形凸部119bのテーパ面と同じである。可動係止片142bが奥側に押されると、可動係止片142bの奥側テーパ面142dが、クサビ形凸部119bの前側テーパ面とピッタリ合う。
このように、ベース119の下部の下広がり台形状のクサビ形凸部119bを、前後から奥側係止片131と可動係止片142bのテーパ面で「あり溝状」に挟んで、ベース119を上プレート133の上に、前後・上下に固定する。なお、前後方向の直角方向(左右方向)に対するベース119の固定は、可動係止片142bの左右の面と、ベース119底面の溝(図示されず)との嵌合により行われている。
図3(B)にアプリケータ固定機構13の各部の構成を示す。前述のベース119の載る上プレート133が図の右上に示されており、その後端部上面に同じく前述の奥側係止片131が固定されている。上プレート131の前側の溝133bは、前述の可動係止片142bが前後にスライドするスペースである。
同上プレート133の下に下プレート136が、上プレート133の前側に前プレート135が連結されている。前プレート135の下面には、エアシリンダ139取付け用のブラケット138が固定されている。前プレート135の奥側の溝135bは、後述するロッドブラケット142hの上部が入り込んで前後に動くスペースである。
前プレート135の下面に固定されたブラケット138には、エアシリンダ139が、その前側端の二股部139bが回動可能に連結されている。エアシリンダ139のロッド139dは、奥側に突き出ており、その先(奥側)にロッドエンド140が連結されている。ロッドエンド140の先(奥側)には、可動係止部材142のロッドブラケット142hが回動可能に連結されている。ロッドブラケット142hは上に立ち上がってヘッド押し棒142fの前端につながっている。ロッド押し棒142fは、奥側に延びてその先(奥側)のヘッド(可動係止片)142bにつながっている。
ヘッド押し棒142fの下方には、前後2個のリンク144が設けられている。リンク144は上が開いた二股状の部材であり、その上端部がヘッド押し棒142fに回動可能に連結されており、下端部がリンク受け台146に回動可能に連結されている。このような構成により、可動係止部材142は、エアシリンダ139に駆動されて前後方向に動く。そして、可動係止部材142が奥側に動くと、アプリケータ11のベース119が、プレート133・136を介して圧着機本体のアプリケータ搭載部67に固定される。一方、可動係止部材142が前側に動くと、アプリケータ11のベース119が解放され、取り外し可能となる。なお、可動係止部材142は、前後に動く際に上下にも動く。この上下動を利用して、アプリケータ交換時は可動係止部材142をプレート135・136の溝内に沈めて、アプリケータ交換作業に支障を与えないようにしている。
[電線クランプ搬送機構・端子圧着電線製造装置]
次に図4を参照しつつ、電線クランプ搬送機構16、及び、同機構16や圧着機1A・1Bを含む端子圧着電線製造装置について説明する。図4に示す端子圧着電線製造装置は、電線を所定の長さに切断し、切断した電線の両端(トップ・テール)の被覆を剥いで端子を圧着する装置である。
図4の端子圧着電線製造装置は、ロール状に巻かれた電線から所定の長さずつ電線を送り出す電線送給装置171、電線を把持及び搬送する2セットの電線クランプ搬送機構16A、16B、電線切断装置173、基側電線(電線送給装置171側の電線、一側電線ともいう)の先端部(トップ)の皮むき装置174A、先側電線(切断された電線、二側電線ともいう)の後端部(テール)の皮むき装置174B、基側電線のトップへの端子圧着機1A、先側電線のテールへの端子圧着機1B、両端に端子が圧着された電線(製品)の排出装置175などを備える。
電線送給装置171は、コイル状の電線束(図示されず)から電線を巻きほぐして図の下方に送りだす。この電線送給装置171の先側に、二セットの電線クランプ搬送機構16A・16Bが、電線送り方向に直列に並んで配置されている。一側電線の電線クランプ搬送機構16Aは、電線送給装置171から繰り出された1側電線のトップ近傍を把持するクランプ161Aを具備する。また電線クランプ搬送機構16Aは、前記クランプ161Aを開閉するシリンダ等が設けられたクランプ開閉機構162A、並びに、クランプ161Aやクランプ開閉機構162Aが載置された搬送テーブル163Aを具備する。搬送テーブル163Aは、電線送り方向に移動可能であるとともに、電線送給装置171を中心として旋回可能に設けられている。
一側電線クランプ搬送機構16Aの搬送テーブル163Aの電線送り方向出側には、電線切断装置173が設けられている。また、電線送り方向から所定の角度旋回した先には、皮むき装置174Aが設けられており、さらにその先にはトップ(一側)端子圧着機1Aが設けられている。
電線切断装置173の電線送り方向出側には、二側電線のクランプ搬送機構16Bが設けられている。同機構16Bは、電線送給装置2から繰り出された電線の先側を把持するクランプ161Bや、同クランプ161Bを開閉するクランプ駆動機構162B、それらが載置された搬送テーブル163Bなどを具備する。この二側の搬送テーブル163Bは、電線送り方向に移動可能であるとともに、その直角方向(横方向)に移動可能である。
二側電線クランプ搬送機構16Bの搬送テーブル163Bが横方向に移動した先には、テール皮むき装置174Bが設けられており、さらにその先には、テール(二側)端子圧着機1Bが設けられている。
なお、図1の左側中段部に示すように、圧着機1のアプリケータ11の下方には、クランプ沈み機構15が設けられている。このクランプ沈み機構15は、圧着機ラム10の下降に同期して、クランプ機構を少し下降させて電線を少し下げるものである。その詳細構造の例は、JP WO2008/087938に開示されている。
この端子圧着電線製造装置の動きを簡単に説明する。
まず、電線送給装置171から所定の長さだけ電線が電線クランプ搬送機構16A、16Bに向って送り込まれて、2ヶ所で各電線クランプ搬送機構16A、16Bのクランプ161A、161Bに把持される。ここで、この電線の先端には、前の工程において端子が予め圧着されている。そして、切断装置173により、電線が切断される。電線送給装置171に残った電線(一側電線)は一側電線クランプ搬送機構16Aのクランプ161Aに把持され、切断された電線(二側電線)は二側電線クランプ搬送機構16Bのクランプ161Bに把持される。
次に、一側電線クランプ搬送機構16Aの搬送テーブル163Aが皮むき装置174Aまで旋回して、同刃によって一側電線のトップの被覆が剥ぎ取られる。次に、同搬送テーブル163Aがトップ端子圧着機1Aまで旋回して、剥ぎ取られた電線先端部に端子が圧着される。その後、搬送テーブル163Aは元の位置に戻る。つまり、一側電線のトップ(先端)に端子が圧着されていることになる。
この作業と同時に、二側電線クランプ搬送機構16Bの搬送テーブル163Bが皮むき装置174Bまで移動して二側電線のテール(後端部)の被覆が剥ぎ取られる。次に、同搬送テーブル163Bがテール端子圧着機1Bまで横移動して、剥ぎ取られた電線後端部に端子が圧着される。これにより、所定の長さに切断された電線の両端に端子が圧着される。この電線は製品排出装置175により排出され、搬送テーブル163Bは元の位置に戻る。
次に、端子圧着作業の様子と、本発明の起因となったアプリケータ固定機構13の破損トラブルについて説明する。
図5は、端子の電線端部への圧着作業例(正常時)を説明する正面図である。(A)はクリンパが端子と接触し始めた状態であり、(B)はクリンパが下死点まで下降した状態であり、(C)は圧着終了後にクリンパが上昇している状態である。各図には、圧着上金型であるクリンパ113と、圧着下金型であるアンビル117、及び両者の間に挟まれた端子T、電線W(皮むきされた芯線)が示されている。
クリンパ113は、中央部が上にU字形に深くえぐれたU凹部113bを有する。このU凹部113bで、図5(A)→(B)のように、クリンパ113下降により、端子Tの左右上端部Tbを内下に曲げて押しつぶし、電線Wの外側にカシメ付ける。アンビル117の上面は、浅い端凹部117bとなっており、クリンパ113で上から潰される端子Tを支える。図5(C)では、端子Tの圧着された電線Wをアンビル117の上に残して、クリンパ113は上昇する。これが正常は端子圧着作業である。
ところが、稀なことながら、クリンパ113が端子T及びアンビル117と固着して、クリンパ113がアンビル117から離れなくなることがある。例えば、多数回の使用により、アンビル117の上端凹部117bの端が外側にだれて広がったり、クリンパ113のU凹部113bの表面が摩耗して面荒れしてくると、端子Tの異状変形がおき易くなる。このような端子Tの異状変形がひどくなると、図5(B)の状態で、端子Tの一部がアンビル117の上端部とクリンパ113のU凹部113bの内壁に挟まってしまい、固着してしまうこともある。そうなると、クリンパ113(ラム10)の上昇時に、アンビル117が持ち上げられることになる。かつ、その持ち上げ力は、図2を参照しつつ説明したように、運動変換機構8のトグル機構の存在により、相当強力なものとなりうる。
このアンビル−クリンパ固着時のアンビル117持ち上げ力により、図3に示すアプリケータ11のベース119・クサビ形凸部119bが持ち上がる。すると、アプリケータ固定機構13の奥側係止片131や可動係止片142bも上に持ち上げられる。このため、可動係止片142b(可動係止部材142の奥側ヘッド)の根元のヘッド押し棒142fが曲がる故障に至ることもありうる。これが、本発明の解決課題であるアプリケータ固定機構13の破損の一形態である。
このようなアンビル−クリンパ固着に伴うアプリケータ固定機構13の破損を防止するため、本発明の実施形態では、ラム10を昇降させる機構を動かすサーボモータ4に、ラム上昇時に出力トルク制限をかけることとした。以下に、サーボモータ4の制御系統及びトルク制限の具体例について説明する。
[サーボモータ制御系]
まず図1を参照しつつ、サーボモータ4を制御する制御系の一例の概要を説明する。
サーボモータ4の駆動電力は、電源29(一例で三相交流200V)からサーボアンプ23を経て供給される。サーボアンプ23は、コンバータやインバータなどを有しており、サーボモータ4の所要出力トルクに比例する電流をサーボモータ4に送る。サーボアンプ23には、後述する内部トルク制限の設定値がセットされ、そのトルク制限に対応する値でサーボモータ4に送る電流が制限される。サーボモータ4の回転数・回転速度は、サーボモータ4に付設されているエンコーダ5が検出し、その信号をサーボアンプ23に送る。
コントローラー21は、CPUやI/Oなどを有しており、サーボアンプ23に速度指令・位置指令や、後述する外部トルク制限の指令を与える。コントローラー21には、操作パネル18から、電線Wや端子Tの種類や圧着作業の諸元(下死点位置=クリンプハイトなど)が与えられる。また、コントローラー21は、電線クランプ搬送機構16やクランプ沈み機構15などの周辺機器に動作指令を与える。
トルク制限に関するコントローラー21やサーボアンプ23の設定は、両者に設定用PC25を接続して行うことができる。
次に、サーボモータ4のトルク制限をどのように設定するかを説明する。まず、トルク制限は、通常の正常作業を阻害するものであってはいけないので、正常作業時のサーボモータ4の指令速度とトルク指令の具体例を測定する。
図6は、端子圧着時の指令速度とトルク指令の推移の具体例を示すグラフである。横軸は時間(単位はミリセカンド)であり、縦軸は指令速度(単位はrpm/min)及びトルク指令(%、100%がモータ定格トルク)である。図中、破線200は、コントローラー21がサーボアンプ23に与える指令速度である。実線210は、その指令速度を達成するために、サーボアンプ23がサーボモータ4に与えるトルク指令である。
破線200の指令速度のカーブは、図の左側から右側に向かって、大きく下に窪んだ谷201と大きく上に突き出た山205の形である。指令速度の谷201は、クリンパ113(ラム10)の下降を表し、指令速度の山205はクリンパの上昇を示す。谷201と山205の間のわずかなゼロ点の平たい部分203は、クリンパ(ラム)の最下点(下死点)である。
実線210のトルク指令は、上述の指令速度(破線)の谷201の時間に、トルク指令の谷211と山213が存在する。また、指令速度(破線)の山205の時間に、トルク指令の山215と谷217が存在する。最初のトルク指令の谷211は、クリンパの下げ方向の加速に対応し、次のトルク指令の山213はクリンパの下げ方向の減速に対応する。このトルク指令の山213の次の小さい谷214は、クリンパを下死点に維持しておくための押下げ力(端子や電線の反発力)に対応する。
トルク指令(実線)の小さい谷214の次にくるトルク指令の山215は、クリンパの上げ方向の加速に対応し、次のトルク指令の谷217はクリンパの上げ方向の減速に対応する。
ここでトルク指令(実線)の谷・山のピーク値(概略)は以下のとおりである。
下げ加速の谷211のピーク値;−120%
下げ減速の山213のピーク値;+85%
下死点維持の谷214のピーク値;40%
上げ加速の山215のピーク値;+110%
上げ減速の谷217のピーク値;−90%
このような正常圧着作業時のトルク実績となる端子・電線については、クリンパ(ラム)上げ時のトルク制限(本願の特許請求の範囲にいう「上昇常時トルク制限」)を、例えば130〜150%とする。そうすれば、正常な圧着作業を阻害することなく、前述のようなアンビルと端子及びクリンパ固着時のアプリケータ固定機構13の破損を防止できることが確認された。なお、自明なことではあるが、トルク制限の具体的な値の前提となる正常圧着作業時のトルク指令は、電線や端子の仕様・寸法、圧着作業のタクトタイム設定、クリンパ(ラム)の加速の程度、モータや機械系のイナーシャの大小、制御系の応答性の良し悪しなどによって異なってくるので、これらの状況に合わせて個別具体的に決定する。また、アプリケータ固定機構13の強度の程度も考慮することが好ましい。
ここで、本実施形態(図1参照)のようなコントローラー21とサーボアンプ23を有する一般的なサーボモータ制御系におけるトルク制限の手法について説明する。このようなサーボモータ制御系におけるトルク制限には、「内部トルク制限」と「外部トルク制限」がある。「内部トルク制限」は、サーボアンプ23内に、モータ正転時(本実施形態の場合はクリンパ上昇時)あるいはモータ逆転時(本実施形態の場合はクリンパ下降時)の最大トルクを常時制限する方式であり、サーボアンプ23の設定によりトルク制限値(%)を設定する。
一方、「外部トルク制限」は、サーボモータの駆動する機械(本発明の場合は「端子圧着機」)の運転中のあるタイミングでトルク制限が必要になった場合に、制御系統中のサーボアンプよりも上位の装置(本実施形態の場合コントローラー21)からのタイミング信号をサーボアンプが受けてトルク制限を行う方式である。
上述の例における「クリンパ(ラム)上げ時(モータ正転時)のトルク制限を、例えば130〜150%とする」場合、モータ正転時中常に130〜150%のトルク制限をかけるのであるから、「内部トルク制限」で行うことができる。
ここで、図6の例におけるクリンパ上げ(モータ正転)加速時の最大トルクの発生時点について考察するとともに、「外部トルク制限」の利用について検討する。図6の例でクリンパ上げ(モータ正転)加速時の最大トルクの発生時点は、下死点から約20ms〜50msの間である。これは、クリンパストロークでいうと約1mm〜10mmの間である(本例の場合のクリンパストロークは30mm)。なお、実際にアンビルと端子及びクリンパの固着が生じると、クリンパが下死点から上昇に転じた直後にアンビルの持ち上げが生じて、ラム10の上昇速度が著しく落ちるとともにトルク指令が急増するので、下死点直後にトルク制限がかかることになる。とはいうものの、このようなクリンパ上昇開始直後(下死点直後)について、より厳密なトルク制限(特許請求の範囲にいう「上昇直後トルク制限」)を行うことが、より好ましいと考えられる。できればクリンパの下死点からの上昇1mm以内でクリンパを止めたいところである。
そこで、クリンパ上昇開始直後に一段と低いトルク制限をかけること具体策を検討する。しかし、上述のように、「内部トルク制限」では上昇中(モータ正転中)常時のトルク制限となるため、前述の「上げ加速のトルク指令の山215のピーク値;+110%」に近いトルク制限をかけると、正常な端子圧着作業がしばしば中段される事態となりうる。そこで、「外部トルク制限」で、クリンパ上昇開始直後の限られたタイミングのみ、より低いトルク制限をかけることが有力な手段となる。
図6のようなトルク指令グラフとなる場合における具体的な外部トルク制限の諸元は、以下のような例が考えられる。
例1;下死点直後の0〜20msの間、トルク制限値110%〜120%
例2;下死点直後の0〜15msの間、トルク制限値80%〜90%
例3;下死点直後の0〜10msの間、トルク制限値60%〜80%
次に、図7を参照しつつ、内部トルク制限をかけた場合における端子圧着時の指令速度とトルク指令の推移の具体例を説明する。図7は、図6と同じ電線・端子を用いた圧着作業の例であるが、内部トルク制限で上昇時(モータ正転時)のトルク制限100%としている。このトルク制限100%は、図6の例でクリンパ上げ(モータ正転)加速時の最大トルク110%よりも低い値であるが、テストのために、意図的にトルク制限を低くしてトルク制限を発現させているのである。
図7は、図6と同様のグラフである。破線300の指令速度のカーブは、グラフの左から右に向かって、大きく下に窪んだ谷301と、少し小さい上に突き出た小山305の形である。前者(図の左側)の指令速度の谷301は、クリンパ113(ラム10)の下降を表しており、図6の例と同じカーブである。一方、後者(図の右側)の指令速度の小山305は、クリンパの上昇を示すが、上昇途中でトルク制限がかかって上昇が止まったものである。谷301と山305の間のわずかなゼロ点の平たい部分303は、クリンパ(ラム)の最下点(下死点)である。
実線310のトルク指令は、上述の指令速度(破線)の谷301の時間に、トルク指令の谷311(クリンパの下げ方向の加速に対応)と、山313(クリンパの下げ方向の減速に対応)が存在する。また、指令速度(破線)の小山305の時間に、トルク指令の山315(クリンパの上げ方向の加速に対応)と、谷317(クリンパの上げ方向の減速に対応)が存在する。
図7が図6と大きく異なっている点は、クリンパ上げ時の加速トルク指令(実線)の山315(左から二番目の山)が途中から途切れている点である。これは、同トルク指令が、下死点から上昇後約20msで、100%のトルク制限に達して、自動的に上昇減速指令に転じて上昇を停止させたからである。このときの上昇停止動作は、サーボON状態での急速停止である。そして、その後(例えば1秒後)にサーボフリー(サーボアンプ23の出力ゼロ)とする。このとき、クリンパ(ラム)は急速停止した位置で止まったままである。
この圧着機本体のサーボモータのトルク制限急速停止時に、圧着機及びその周辺機器は、次の動作となる。なお、異状に気付いたオペレーターは、異状を確認した後に、各部手動操作や電源OFFなどの操作を適宜行う。なお、操作盤のエラーメッセージはリセットしても消えないようにしておき、電源OFFで初めて消えるようにしておくことが望ましい。
圧着機本体の付設機器:
アプリケータ固定機構13のアプリケータ固定CYL139(図3参照)の制御弁;アプリケータ固定位置(ロッド出た位置)のまま。
クランプ沈み機構15のサーボモータ;圧着機本体のサーボモータ4と同様急速停止。
電線クランプ搬送機構16:
電線クランプチャックの空圧弁;クランプのまま。
電線送り機構のサーボモータ;緊急停止後にサーボフリー。
次に、図8を参照しつつ、外部トルク制限をかけた場合における端子圧着時の指令速度とトルク指令の推移を説明する。図8では、外部トルク制限で上昇時(モータ正転時)のトルク制限50%としている。テストのために意図的にトルク制限を低くしてトルク制限を発現させた。なお、この図は、図6や図7のグラフを採ったのとは異なる圧着機において、電線・端子のない状態で作動させた(空作動)ときのグラフである。空作動であっても、トルク制限制御の制御動作の確認は、十分に行える。
図8において、破線の指令速度のカーブ400は、左寄りの大きく下に窪んだ谷401と、その右側のきわめて小さく上に出ている極小山403を有する。前者(図の左側)の指令速度の谷401は、クリンパ113(ラム10)の下降を表している。一方、後者(図の右側)の指令速度の極小山403は、クリンパの上昇を示すが、上昇開始直後に外部トルク制限がかかって、すぐにゼロに戻っている。
実線410のトルク指令は、上述の指令速度(破線)400の谷401の間に、トルク指令の谷411(クリンパの下げ方向の加速に対応)と、山413(クリンパの下げ方向の減速に対応)が存在する。また、指令速度(破線)の極小山403の間に、トルク指令の立ち上がりの小山415(クリンパの上げ方向の加速に対応)と、その後の急降下ピーク417、その後のわずかなプラスの横線419が存在する。
図8において、クリンパ上げ時の加速トルク指令(実線)の小山415(左から二番目の小山)が、上昇開始直後(約5ms)に外部トルク制限(50%)にかかっている。そして、約5msのきわめて短時間50%のトルク指令が続いた後に、大きくマイナスになって(逆ピーク417)がかかって、すぐにゼロに近い線419に戻っている。これは、トルク指令が外部制限に達して、自動的に上昇減速指令に転じて上昇を停止させたからである。このときの上昇停止動作は、サーボON状態での急速停止である。そして、その後(例えば1秒後)にサーボフリーとなる。このときの、圧着機の他のアクチュエータや空圧弁及びその周辺機器の動作は、前述の内部トルク制限停止の場合と同じである。
次に、図9を参照しつつ、クリンパ下降時(モータ逆転時)に外部トルク制限をかけた場合における端子圧着時の指令速度とトルク指令の推移を説明する。図9では、外部トルク制限でクリンパ下降時(モータ逆転時)のトルク制限を140%としている。テストのために意図的にトルク制限を低くしてトルク制限を発現させた。
図9において、破線500の指令速度のカーブは、大きく下に窪んだ谷501を有する。この谷501は、クリンパ113(ラム10)の下降を表している。実線510のトルク指令は、上述の指令速度(破線)の谷501の間に存在する時間におけるトルク指令の谷511(クリンパの下げ方向の加速に対応)と、山513(クリンパの下げ方向の減速に対応)が存在する。
トルク指令の谷511(クリンパの下げ方向の加速に対応)は、グラフの横軸の時間100ms直前でトルク制限140%に達している。ここで、ラム急停止がかかり、指令速度が急降下している。それに伴い、下げ減速のトルク指令の山513が発生している。その後、指令速度がゼロとなり、トルク指令もほとんどゼロとなっている。
図9のようなクリンパ下げ時のトルク制限により、アンビル−クリンパ固着や皮むき不良や、樹脂かみ、端子姿勢異状、設定不良などの圧着作業異状発生時に圧着機を停止させる。これにより、設備破損を防いだり、作業異状の早期発見を図ることができる。

Claims (8)

  1. 圧着工具である昇降側クリンパ及び固定側アンビルを有するアプリケータと、
    圧着機のアプリケータ搭載部に前記アプリケータを固定するアプリケータ固定機構と、
    前記クリンパを昇降させるラム昇降機構と、を備え、
    被覆の剥ぎ取られた電線端部に端子を圧着する端子圧着機であって、
    前記ラム昇降機構が、
    サーボモータと、
    該サーボモータを制御するサーボモータ制御系と、
    前記サーボモータの回転運動を前記ラムの昇降運動に変換する運動変換機構と、を具備し、
    前記サーボモータ制御系が、前記クリンパ上昇時の前記サーボモータの出力トルクを、任意に設定可能なトルク制限値で制限するとともに、出力トルク制限に達したときは前記サーボモータを急速停止させることにより、前記アンビルが前記クリンパに固着した際における前記アプリケータ固定機構の破損を防止する手段を有することを特徴とする端子圧着機。
  2. 前記運動変換機構中に、前記ラムの昇降力を増幅するトグル機構を含むことを特徴とする請求項1に記載の圧着機。
  3. 前記トルク制限手段が、
    前記クリンパの上昇中に常時作動する上昇常時トルク制限、及び、
    前記クリンパの下死点から上昇し始める直後の短い時間に作動する、前記上昇常時トルク制限よりも低い上昇直後トルク制限、の二段階のトルク制限をかけることを特徴とする請求項1又は2記載の端子圧着機。
  4. 前記サーボモータ制御系が、
    前記サーボモータへの電気的入力を制御するサーボアンプ、及び、
    該サーボアンプを制御するコントローラー、を有し、
    前記上昇常時トルク制限を前記サーボアンプの内部トルク制限として行い、
    前記上昇直後トルク制限を前記コントローラーから前記サーボアンプへのタイミング指令に基づく外部トルク制限として行うことを特徴とする請求項3記載の端子圧着機。
  5. 圧着工具である昇降側クリンパ及び固定側アンビルを有するアプリケータと、
    圧着機のアプリケータ搭載部に前記アプリケータを固定するアプリケータ固定機構と、
    前記クリンパを昇降させるラム昇降機構と、を備え、
    被覆の剥ぎ取られた電線端部に端子を圧着する端子圧着機であって、
    前記ラム昇降機構が、
    サーボモータと、
    該サーボモータを制御するサーボモータ制御系と、
    前記サーボモータの回転運動を前記ラムの昇降運動に変換する運動変換機構と、を具備し、
    前記サーボモータ制御系が、前記クリンパ下降時の前記サーボモータの出力トルクを制限する、任意設定可能なトルク制限手段を有することを特徴とする端子圧着機。
  6. 被覆の剥ぎ取られた電線端部に、請求項1〜5いずれか1項記載の端子圧着機を用いて端子を圧着する端子圧着方法。
  7. 電線を送給する送給装置と、
    該電線の先端部の皮むき装置と、
    該先端部に端子を圧着する第一の端子圧着機と、
    該電線の先端部を任意の長さに切断する切断装置と、
    切断された電線の後端部の皮むき装置と、
    該後端部に端子を圧着する第二の端子圧着機と、
    両端に端子が圧着された電線の排出装置と、
    を含み、
    前記端子圧着機が請求項1〜5いずれか1項に記載の端子圧着機であることを特徴とする端子圧着電線製造装置。
  8. 電線を送給する工程と、
    該電線の先端部の皮むき工程と、
    該先端部に端子を圧着する端子圧着工程と、
    該電線の先端部を任意の長さに切断する切断工程と、
    切断された電線の後端部の皮むき工程と、
    該後端部に端子を圧着する端子圧着工程と、
    両端に端子が圧着された電線の排出工程と、
    を含み、
    前記端子圧着工程を、請求項1〜5いずれか1項に記載の端子圧着機を用いて行うことを特徴とする端子圧着電線製造方法。
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