JP2016136370A - 占有有体物引渡促進装置、占有有体物引渡促進方法、ならびに占有有体物引渡促進プログラム - Google Patents

占有有体物引渡促進装置、占有有体物引渡促進方法、ならびに占有有体物引渡促進プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】他人と同時には共用できない車両の座席や市場での障碍者用駐車スペースなどの有体物資源について、先行する先行占有者が後から利用したい障碍者に、円滑な譲りあいができるようなインフラストラクチャを提供する。【解決手段】資源の使用を希望する障碍者が事前に占有有体物引渡促進装置に使用要求を登録する工程、先行占有者に使用要求を告知する工程を経るとともに、その要求に対応した引受証明情報を障碍者に発行する工程、障碍者に資源の占有を譲った交換として引渡証明情報を受け取った先行占有者がその証明情報に基づいてポイントを加算する工程とを経ることで、先行占有者の心理的障壁低下と積極的な譲渡意思醸成との相乗効果を図る。【選択図】図1

Description

本発明は、駐車場や座席などの有体物であって、先行して他者が占有している占有有体物につき、その占有者が過度に障壁を感じることなく、所定の条件を具備する障碍者にその有体物を円滑に譲ってもらう環境を醸成する占有有体物引渡促進装置等に係る。
詳しくは、所定の条件を有する障碍者からの引受準備要求が届いたら、それ以降にこの要求と関連する証明情報を受け取った者に所定の利益(ポイントの加算)を与える占有有体物引渡促進装置等に係るものである。
(1. 本発明の着想に寄与した発明者による社会的事項の認識)
(1.1. 本発明に至る社会的状況)
我が国では昭和40年代より、社会的環境を整備して障碍者の便宜を図る取り組みが見られるようになった。たとえば、旧国鉄時代、中央線快速電車に「シルバーシート」と名付けられたお年寄り優先席が登場した。そして時代を経てその対象は障碍者・妊婦などに拡大していった。これに従うように、他の公共機関等でも優先席の取り組みが進み、他線の電車は勿論のこと、バスや駐車場、空港、駅コンコースなどに展開され、今に至っている。
(1.2. 発明者による現実的状況の認識)
しかし、上記のような取り組みが進んでいるにも拘わらず、現実社会では必ずしもこの精神が活かされているとはいえない状況を観察できる。
(1.2.1. 公共輸送機関における現実的状況の認識)
たとえば、障碍者が電車・バス等に乗車するにあたり、すでに前駅乃至前停留所から乗車着座していた者(以下、「先行占有者」という。)が居たという場面に着目する。この場面で乗車してきた障碍者が先行占有者から席や場所を譲り受けているのを見かけることは希である。寧ろ、JR車内の優先席に目をやれば、非障碍者である先行占有者は障碍者が乗車してきたことを認識した途端に寝たふりをしてみたりする。こちらの方がよく見かける光景なのである。
(1.2.2. 公共空間における現実的状況)
次に、駐車場に着目する。近時、通常よりやや広いスペースをもたせた上、車椅子のイラストを表示する障碍者専用駐車場を見かけるようになった。このような場所に非障碍者である先行占有者がいる場合に障碍者の乗用車が後着しても、先行占有者はその駐車空間を譲らないばかりでなく、敢えて障碍者の振りをしてその場をやり過ごそうとする者すらいる状況にある。発明者は、このような駐車場の付近で、先行占有者に同行する子供が「おばあちゃん、何で急に足を引きづっているの?」と無邪気に尋ねる場面を見かけたことがある。
(1.3. 状況の分析)
これらの現象を一般社会における倫理観の欠如と見る向きもある。
しかし、上記の場面をより注意深く観察すると、倫理観という単純な切り口では理解できない行動を見いだすことができる。
それは例えば電車内において、非障碍者が優先席に着座するときの行動に表われている。大抵の非障碍者は、自分が着席する前に、周りの状況を伺い、他に障碍者などが居ないことを意識してから着座するのである。
そもそも、ひとは行動を起こすにあたり、意識的であれ無意識的であれ、
・ 自己の利益を失うときにはその程度、
・ また、失ったとしても別の利益で代替できるかどうか、
という2つの観点で判断する。両者の判断は一体不可分に行われるものであって、この判断には多少の時間を要し、状況の変化を五感で認識しても、直ちに行動に移せるものではない。そして、この認識から行動までの時間は、その利益が生命身体に係るもので数百ミリ秒を要し、更に社会的・倫理的判断を伴うような利益の場合には、数秒乃至数十秒を要するのが通常である。しかし、危険予知トレーニングの分野でも明らかなように、次に起こる事象を事前に予想できていると、その事象が現実化した際に素早い行動が可能となる。
ところで、ひとが外界を認識するにあたっては、その五感を通して知覚したものを正しく評価しているとは限らない。
障碍者が乗車してくることは然程多くないことから、普段の非障碍者は障碍者が乗車してくることを予知していない。このため、現実に障碍者が乗車してきたところを見るのは、不意打ちであり、その事実をそのままに評価することができず、次にすべき行動を即断できない。これでは事実を受け入れられずに寝たふりをするなどの逃避行動にでてしまうことも頷ける。
(1.4. 発明者が望む社会的方向性)
上記のように、広く社会では障碍者と非障碍者とで利益を奪い合う場面が生じていることが分かる。そして、この状況は必ずしも望ましいものとは思えない。
発明者は、このような二律背反が生まれる状況において、障碍者と非障碍者とが所謂「win-win」の関係に立てるような社会であるべきと考えている。そして、このための技術的インフラストラクチャを構築することが望ましいと考えている。
(2. 本発明に係る背景技術)
前記(1.3. 状況の分析)で指摘した電車内の場面において、先行占有者は占有有体物(座席)を使い続ける利益があると見ることができる。これに対し障碍者は当該占有有体物を使い始める利益があると見ることができる。このため、一の占有有体物を巡って先行占有者と障碍者との間での競合が起きたわけである。
前述の分析によれば、障碍者が乗車してきたことを先行占有者が知覚すると、これが先行占有者にとっての不意打ちとなる。すなわち、「自己の利益を失うときにはその程度」の判断を強制されるのである。そして、その時点で咄嗟にはどうして良いか分からずに、席を譲るタイミングを逸してしまうのである。
この点に着目した技術が特許文献1に記載されている。特許文献1に記載されている技術は、障碍者が乗車しようとしている電車内で、乗車前にアナウンスをし、先行占有者の失う自己利益に関する判断時間を確保して、的確な行動をとれるようにするものである。
障害者用駐車場についても、同様の発想に基づく技術が特許文献2に提案されている。特許文献2には、あらかじめ記憶されている駐車予定日時において、障碍者優先駐車スペース上に非許可車両が駐車中である場合に、その非許可車両の退去を促すべく予告が発せられる旨が記載されている。
これら両文献には前記(1.3. 状況の分析)の項で示した、自己の失う利益を事前に通知する点が開示されている。これらの技術によって先行占有者の心理的障壁低減が達成される。また障碍者が優先されるべき資源をめぐり、非障碍者と時分割で協用しようとしている点で現実的な調和がとれていて優れている。
特許第3934534号公報 特開2004−171247公報
しかし、いずれの文献にも前記(1.3. 状況の分析)の項で示した他方の視点、即ち失った自己の利益の代替利益の取扱いについては全く考慮されていない。
このため、折角心理的障壁を低減しても、なお座席や駐車スペースの円滑な譲り渡しを促す技術的インフラストラクチャとしては更なる改善の余地がある。
(1. 文言定義)
課題を解決するための手段の説明に先立ち、説明の便宜上、本願明細書における文言を以下のように定義する。
「占有有体物」とは、ひとりが用いると他人が同時に用いることができない性質があり、既に他人によって占有されている有体物のことをいう。
「先行占有者」とは、先に有体物を排他的に占有していた者をいう。
「障碍者」とは、身体のいずれかの部分が原因となって、生活の自由に制限を受けている者をいう。
「認定障碍者」とは、権原のある組織が所定の要件を具備していると認めた障碍者をいう。
「登録障碍者」とは、認定障碍者であって、本占有有体物引渡促進装置で記録された情報に関連付けられている者をいう。
「人的接触」とは、直接接触するまでは要しないが、ひととひととが他人を介在することなく物を手渡しできる程度に近づくことをいう。
「引受準備要求」とは、本占有有体物引渡促進装置に対して引渡によるポイント加算に係る一連の処理を始めるべき通知のこと、又はその通知に係る情報構造体のことをいう。
「引受準備要求本体」とは、本要求メッセージが引受準備要求であることを示す情報をいう。
「引受証明情報」とは、先行占有者から障碍者への占有有体物の引渡されたことの代りに障碍者から前占有者に渡されることになる情報であって、占有有体物の引渡・引受の機会毎に異なり、証明情報記録媒体に担持されることになる情報をいう。
「障碍者デバイス識別子」とは、障碍者が支配するデバイスが個別に弁別できるように付与された識別子のことをいう。
「登録デバイス識別子」とは、非障碍者が支配するデバイスが個別に弁別できるように付与された識別子のことをいう。
「要求元デバイス識別子」とは、障碍者が占有有体物を引き受けることに先だって居合わせる位置付近、若しくは占有有体物付近に設置され、引受証明情報記録媒体に担持された引き受け証明情報を読みだす要求元デバイスにつき、これを特定する識別子情報のことをいう。
「引渡登録要求」とは、前占有者が占有有体物を引渡したことを証明し、ポイント加算すべき登録要求、またはその要求に係る情報構造体のことをいう。
「引渡登録要求本体」とは、本要求メッセージが引渡登録要求であることを示す情報のことをいう。
「引渡証明情報」とは、引受証明情報で転写されたもの、若しくはこれに対応して逆変換可能に変換された情報のことをいう。
「支配する」とは、主として「使用する」程度の意味でり、他人が操作する場合であっても、本人の意思に従うのであればこれに含まれる趣旨である。
なお、上記「引受準備要求」と「登録証明要求」とについてはデータ構造を形成するので、この関係を下表に示す。
Figure 2016136370
(2. 課題を解決するための手段の説明)
本発明は前記課題に対するものであり、先行占有者が有体物を引き渡すにあたり、進んで譲り渡そうと思えるようにする技術的インフラストラクチャを提供するものである。
本発明では、その先行占有者が資源を引き渡したことを証明するために、チケットとして機能する「引受証明情報」を障碍者から先行占有者に対して付与するという点を核としている。
なお、本項目では各請求項に基づいて説明するが、この際理解促進のために、図1を用いる。図1を用いるのは理解促進のためであり、各構成要素における情報の流れ・要素の構成が図に描かれたものに拘泥されるものではない。
[請求項1について]
請求項1に記載する占有有体物引渡促進装置は、登録障碍者の持ち歩く引受証明情報記録媒体が書換え可能であることを想定したものである。本占有有体物引渡促進装置は、他人と同時に占有しえない有体物について、先行する占有者が後から利用を希望する障碍者への引渡を促進する占有有体物引渡促進装置であって、引受証明情報管理部(101)と引渡登録要求受信部(102)と、引渡登録処理部(103)とを具備する。
引渡登録要求受信部(102)は、引渡登録要求を受信するようになっている。ここで、引渡登録要求は、引渡証明情報と、先行占有者が支配するデバイスに個別に付与された登録デバイス識別子と、を含む。そしてこの引渡証明情報は、占有有体物の引渡・引受の機会毎に異なり、先行占有者から障碍者への占有有体物の引渡されたことの代りに障碍者から先行占有者に渡されることから、引受証明情報をもつ障碍者と人的接触があったことを表す情報として作用する。登録デバイス識別子は、どの者が障碍者に対して占有有体物の引渡を行ったかを表すように作用する。
引受証明情報管理部(101)は、各々弁別可能な引受証明情報若しくは引渡証明情報による照会に対して、これがどの登録障碍者に係るものであるかを検査し、その情報を発行するようになっている。本発明における引受証明情報は、予め用意されているか、求めに応じて生成されるかを問わない。すなわち、引受証明情報は、占有有体物が引き渡されたことを証明できればよく、障碍者が占有有体物を引き受ける時に生成されたものか、事前に生成されたものかを問わない。
なお、照会された引受証明情報に対応する登録障碍者を特定する情報がある場合には、引受証明情報管理部(101)の管理対象になっていることになる。これに対し、対応する登録障碍者を特定する情報がない場合には、引受証明情報管理部(101)で管理していないことになる。すなわち引受証明情報管理部は、引受証明情報を用いようとする者が登録障碍者であるか否かを判断し、その結果を発行するように作用する。
引渡登録処理部(103)は、
・ 引渡登録要求から、登録デバイス識別子(106)と引渡証明情報(107)を抽出、
・ 引渡証明情報(107)が前記引受証明情報管理部の管理対象であるか否かを検査(111)、
・ 検査によって管理対象であった場合にはその登録デバイス識別子(106)に対応するポイントを加算(112)、併せて、それ以降はその引受証明情報の管理を解く、
ようになっている。
引受証明情報は、引渡登録要求に必要な引渡証明情報として、障碍者から先行占有者へ人的接触により引き継がれることになる。よって、もとの引受証明情報と引渡登録要求に含まれる引渡証明情報との関係を検査すれば、その引渡登録要求は正しく占有有体物の引渡がされたことを裏付けられる。即ち、引渡登録処理部は、占有有体物の引渡がされた場合には、裏付けをもって先行占有者に経済的利益となるポイントの加算を行うように作用する。
また、ポイント加算に併せて引受証明情報の管理を解く点は、一旦使用した引受証明情報による二重のポイント加算を防ぐように作用する。
[請求項2について]
請求項2に記載する占有有体物引渡促進装置は、登録障碍者の持ち歩く引受証明情報記録媒体が書換え可能であることを想定したものである。
本占有有体物引渡促進装置は、請求項1に記載の占有有体物引渡促進装置と同様に、引受証明情報管理部と引渡登録要求受信部と引渡登録処理部とを具備し、更に引受準備要求受信部(118)を具備する。
このうち、引渡登録要求受信部(102)と、引渡登録処理部(103)とは請求項1と作用が同じであり、説明を省く。
引受準備要求受信部(118)は、引受準備要求を受信するようになっている。
引受証明情報管理部(101)は、
・ 該引受準備要求受信部で引受準備要求を受けたときに引受証明情報を発行し、
・ その引受証明情報を、障碍者が支配する引受証明情報記録媒体中に記録させ、
・ 引受準備要求があった時から予め決められた期間を経過したときには該引受証明情報を管理から解く(113)、
ようになっている。
引受準備要求に基づいて引受証明情報を発行しているので、引受証明情報管理部に引受準備要求をした障碍者と引受証明情報とを対応付けることができるように作用する。
引受証明情報記録媒体中に引受証明情報を記録させる意義は、要求をした障碍者が支配する引受証明情報交換デバイス内に発行した引受証明情報が記録される点にある。即ち、発行した引受証明情報は一旦障碍者の手元に届き、それ以降は当該障碍者が引受証明情報を支配出来るようになる。
しかし、予め決められた期間を経過したときには該引受証明情報を管理から解く。引受準備要求後予め決められた期間を経過してから届いた引渡登録要求は、現実に行われた引渡との関連性が薄いものと評価できるのであって、関連性の薄い引渡登録要求を占有有体物引渡促進装置の上で処理対象から外すことで、以降にポイントが加算されることを防ぐように作用する。
[請求項3について]
請求項2に記載する占有有体物引渡促進装置も、登録障碍者の持ち歩く引受証明情報記録媒体が書換え可能であることを想定したものである。
本占有有体物引渡促進装置は、請求項2に記載の占有有体物引渡促進装置に加え、占有有体物特定部(104)と、予告発信部(105)とを具備する。
この際、前記引受準備要求受信部(118)が受ける引受準備要求には、要求デバイス識別子も含まれるようになっている。
占有有体物特定部(104)は、引受準備要求受信部で引受準備要求を受け、これが引受証明情報管理部で登録障碍者によるものであると判断したときに、要求デバイス識別子を手掛かりとして、登録障碍者が占有を引き受けようとしている占有有体物を特定するようになっている。
予告発信部(105)は、先行占有者が予告情報を知覚できるように上記占有有体物特定部において特定された占有有体物の付近に設置された告知手段に対し、その占有有体物の利用を望む登録障碍者が間もなく表われることになる旨を予告させる指示を発信するようになっている。
[請求項4について]
請求項4に記載する占有有体物引渡促進装置は、登録障碍者が持ち歩く引受証明情報記録媒体が書き換え不能である場合を想定したものである。引受証明情報が書き換え不能であることから、引受証明情報の記録をした引受証明情報記録媒体を、予め少なくともひとつ登録障碍者に配付しておく。そして、障碍者は占有有体物の引受をするときに、このひとつを使用する。本装置はその引受証明情報記録媒体が使用される際に通知を受けてから、障碍者・非障碍者間での情報交換を行うというシナリオを前提としている。
本占有有体物引渡促進装置は、請求項1に記載の占有有体物引渡促進装置と同様に、引受証明情報管理部と引渡登録要求受信部と引渡登録処理部とを具備し、加えて引受準備要求受信部(118)を具備する。
引受準備要求受信部(102)は、引受準備要求を受ける。引受準備要求には、引受証明情報が含まれている。引受証明情報は、認定障碍者に対して予め配付された引受証明情報記録媒体に担持されていて、引受証明情報記録媒体ごとに異なっている。引受準備要求は、これから所定の期間内に占有有体物の引受がありうることを意味する情報であるとともに、引渡の機会毎に弁別できるように作用する。
引受証明情報管理部は、各々弁別可能な引受証明情報若しくは引渡証明情報による照会に対して、これがどの登録障碍者に係るものであるかを検査し、その情報を返すようになっている。本発明における引受証明情報は、予め用意されているか、求めに応じて生成されるかを問わない。照会された引受証明情報につき、対応する登録障碍者を特定する情報がある場合には、引受証明情報管理部(101)の管理対象になっていることになる。これに対し、対応する登録障碍者を特定する情報がない場合には、引受証明情報管理部(101)で管理していないことになる。すなわち引受証明情報管理部は、引受証明情報を用いようとする者が登録障碍者であるか否かを判断するように作用する。
引渡登録処理部(103)は、
・ 引渡登録要求から、登録デバイス識別子(106)と引渡証明情報(107)を抽出し、
・ 抽出した引受証明情報が引受証明情報管理部の管理対象に含まれるか否かを引受証明情報管理部(101)に問い合わせて、前記引受証明情報管理部の管理対象であるか否かの検査(111)をし、
・ 検査によって管理対象であった場合にはその登録デバイス識別子(106)に対応するポイントを加算(112)、併せて、それ以降は引受証明情報の管理を解く、
ようになっている。
引受証明情報管理部の管理対象に含まれるかどうかを検査する点は、引受証明情報は障碍者から先行占有者に人的接触を伴って引き継がれることで引渡証明情報となるのであるから、その引渡登録要求は正しく占有有体物の引渡がされたことを裏付けるように作用する。
ポイント加算に併せて引受証明情報の管理を解く点は、一旦使用した引受証明情報による二重のポイント加算を防ぐように作用する。
引受証明情報記録媒体は特定の障碍者に対して予め配付されて、本引渡登録処理部により管理されている。このことから、これに記録された引受証明情報を手掛かりに、どの登録障碍者が占有有体物を引き受けようとしているのかを本装置として管理することができる。
[請求項5について]
請求項5に記載の占有有体物引渡促進装置は、請求項4に記載の占有有体物引渡促進装置における引渡登録処理部につき、引受準備要求を受けてから予め決められた期間内に届いた引渡登録要求に限り、ポイントを加算するようにしたものである。
予め決められた期間を経過した引受証明情報を管理から解くことにより、障碍者の手元にある引受証明情報では占有有体物引渡促進装置の上で利用できなくなる。引受準備要求後予め決められた期間を経過してから届いた引渡登録要求は、現実に行われた引渡との関連性が薄いものと評価できるのであって、関連性の薄い引渡登録要求を占有有体物引渡促進装置の上で処理対象から外すことで、以降、その引受証明情報に基づく要求ではポイントが加算されることを防ぐように作用する。
[請求項6について]
請求項6に記載の占有有体物引渡促進装置は、請求項5に記載の占有有体物引渡促進装置に加え、占有有体物特定部(104)と、予告発信部(105)とを具備する。
この際、前記引受準備要求受信部(118)が受ける引受準備要求には、要求デバイス識別子も含まれるようになっている。
占有有体物特定部(104)は、引受準備要求受信部で引受準備要求を受け、引受証明情報管理部でこの引受準備要求が登録障碍者によるものと判断したときに、要求デバイス識別子を手掛かりとして、登録障碍者が占有を引き受けようとしている占有有体物を特定するようになっている。
予告発信部(105)は、先行占有者が予告情報を知覚できるように上記占有有体物特定部において特定された占有有体物の付近に設置された告知手段に対し、その占有有体物の利用を望む登録障碍者が間もなく表われることになる旨を予告させる指示を発信するようになっている。
[請求項7について]
請求項7に記載の占有有体物引渡促進方法は、請求項1に記載の占有有体物引渡促進装置について、時の要素に着目して整理した発明である。
[請求項8について]
請求項8に記載の占有有体物引渡促進方法は、請求項2に記載の占有有体物引渡促進装置について、時の要素に着目して整理した発明である。
[請求項9について]
請求項9に記載の占有有体物引渡促進方法は、請求項3に記載の占有有体物引渡促進装置について、時の要素に着目して整理した発明である。
[請求項10について]
請求項10に記載の占有有体物引渡促進方法は、請求項4に記載の占有有体物引渡促進装置について、時の要素に着目して整理した発明である。
[請求項11について]
請求項11に記載の占有有体物引渡促進方法は、請求項5に記載の占有有体物引渡促進装置について、時の要素に着目して整理した発明である。
[請求項12について]
請求項12に記載の占有有体物引渡促進方法は、請求項6に記載の占有有体物引渡促進装置について、時の要素に着目して整理した発明である。
[請求項13について]
請求項13に記載の占有有体物引渡促進プログラムは、コンピュータをもって、請求項1に記載の占有有体物引渡促進装置として動作させるプログラムに係る発明である。
[請求項14について]
請求項14に記載の占有有体物引渡促進プログラムは、コンピュータをもって、請求項2に記載の占有有体物引渡促進装置として動作させるプログラムに係る発明である。
[請求項15について]
請求項15に記載の占有有体物引渡促進プログラムは、コンピュータをもって、請求項3に記載の占有有体物引渡促進装置として動作させるプログラムに係る発明である。
[請求項16について]
請求項16に記載の占有有体物引渡促進プログラムは、コンピュータをもって、請求項4に記載の占有有体物引渡促進装置として動作させるプログラムに係る発明である。
[請求項17について]
請求項17に記載の占有有体物引渡促進プログラムは、コンピュータをもって、請求項5に記載の占有有体物引渡促進装置として動作させるプログラムに係る発明である。
[請求項18について]
請求項18に記載の占有有体物引渡促進プログラムは、コンピュータをもって、請求項6に記載の占有有体物引渡促進装置として動作させるプログラムに係る発明である。
以上の通りであるが、各請求項に係る発明相互関係の把握容易のため、各請求項の関係表を挙げる。
Figure 2016136370
本願のいずれの請求項に係る発明によっても、占有有体物引渡促進装置等を伴ったポイントシステムが利用されていることを先行占有者が知覚すれば、現在の有体物に関する自己の占有利益を失ったとしても別の利益で代替できることを意識でき、座席や駐車スペースの円滑な譲り渡しを促すことができる。
加えて、現実に本発明に係る占有有体物引渡促進装置等によれば、占有有体物引渡の際に単純な手順でポイントの加算ができることから、座席や駐車スペースなどの有体物の円滑な引渡を促すことができるようになる。
また、一回利用された引受証明情報は再度使われることがないため、第三者が引渡登録要求を勝手に作成して利益を誘導するような不正アクセスを防止できる。この場合、先行占有者が引渡登録要求を送出するのに用いるデバイスは通信に暗号を用いる必要がなく、装置構成を単純化することができる。
請求項2に記載の発明によれば更に、書き換え可能な引受証明情報記録媒体を対象とし、引受証明情報を必要なときに生成して用いることになるから、事前に用意した引受証明情報を記録しておく必要がないので容量の大きな記録部が不要であり、本装置のコンパクト化を図ることができる。
また、引渡準備要求から所定期間内にされた引渡登録要求によってのみポイント加算がされることから、引受準備要求と引渡登録要求との間での強い関連付けが保証され、第三者からの不正引渡登録要求の排除を期待できる。
請求項3に記載の発明によれば更に、障碍者の利用を予告することが出来る点で、先行占有者が自分の利益を失う程度について正しく判断することができるので、過度な拒否反射をすることなく障碍者等に占有有体物の引渡を促すことができる。
ところで、ひとが行動を起こすときに考慮する2要素、即ち、自己利益を失う程度と、代替利益の評価とを併せて正確に把握できるようにするインフラストラクチャを構築するに際し、最もコスト要素となるのは引受準備要求デバイスの設置と予告手段の設置である。この点、本発明によれば、コスト要素となる引受準備要求デバイスを共通に利用できるため、単独で実現するのと変らないコストで、充実した占有有体物引渡促進のためのインフラストラクチャを構築することができるようになる。
請求項4に記載する発明は、登録障碍者が持ち歩く引受証明情報記録媒体の担持する引受証明情報が書き換え不能である場合を想定した占有有体物引渡促進装置にかかる。本発明によれば、引受証明情報記録媒体は予め認定障碍者に配付してあることから、引受証明情報記録媒体は使い捨てにすることができるため、携帯情報機器を持ち歩かない先行占有者に対しても、占有有体物を引き受けた障碍者から引受証明情報を引き継ぐことができる。この場合、先行占有者は後に卓上コンピュータなどで引渡登録要求を発してポイント加算を受けることになる。
請求項5に記載する発明によれば、引渡準備要求から所定期間内にされた引渡登録要求によってのみポイント加算がされることから、引受準備要求と引渡登録要求との間での強い関連付けが保証され、他所からの不正引渡登録要求の排除を期待できる。
請求項6に記載する発明によれば、請求項3に記載の発明と同様に、過度な心理的障壁を形成することなく障碍者等に占有有体物の引渡を促すことができる。加えて、列車優先席報知システムなどの既存の装置を利用して、別途サーバを付加するだけで、占有有体物の引渡を促進することができるようになる。
その他、請求項7〜請求項12、請求項13〜請求項18に記載の発明は上記請求項1〜6にそれぞれ対応しているので、これらと同様の効果を生じる。
図1は、本願発明に係る占有有体物引渡促進装置の構成図である。 図2は、本願発明を実装するに当たって想定している、第一のシナリオにおけるシステム構成例図である。 図3は、本願発明を実装するに当たって想定している、第二のシナリオにおけるシステム構成例図である。 図4は、第一のシナリオ構成例における情報フロー図である。 図5は、第二のシナリオ構成例における情報フロー図である。 図6は、本願発明を実装する公共交通機関での運用シナリオ(前半)図である。 図7は、本願発明を実装する公共交通機関での運用シナリオ(後半)図である。 図8は、本願発明を実装する第一の実施の形態に係る情報フロー図である。 図9は、本願発明を実装する第二の実施の形態に係る情報フロー図である。 図10は、引受準備要求デバイスとしての駅設置ポストの構成例図である。 図11は、本願占有有体物引渡促進装置を車両運輸システムに実装する第一の実施の形態に係る付加構成例図である。 図12は、本占有有体物引渡促進装置が引渡登録要求処理を受けたときのエントリ部分に係るフローチャートである。 図13は、第二のシナリオにおいて用いる記録媒体例の外観図である。 図14は、本願占有有体物引渡促進装置を駐車場管理システムに実装する第三の実施の形態に係る情報フロー図である。 図15は、第一乃至第三の実施の形態に係る占有有体物引渡促進装置の基本構成図である。
本考案を実施するための形態については、以下の目次に沿って説明する。
-------------[目次]-------------
(1. シナリオについて)
(1.1. 本発明が実装される場面の例)
(1.2. 第一のシナリオについて)
(1.2.1. 第一のシナリオを実現するシステム全体の概要について)
(1.2.2. 第一のシナリオの流れについて)
(1.3. 第二のシナリオについて)
(1.3.1. 第二のシナリオを実現するシステム全体の概要について)
(1.3.2. 第二のシナリオの流れについて)
(1.4. 提示する引受証明情報)
(1.5. システムで用いられる占有有体物引渡促進装置の基本構成)
(1.6. 前提となるシステムによる技術的効果)
(2. 公共交通機関における具体的な運用シナリオについて)
(3. 第一の実施の形態について)
(3.1. 第一の実施の形態の構成について)
(3.2. 第一の実施の形態の動作について)
(4. 第二の実施の形態について)
(4.1. 第二の実施の形態の構成について)
(4.2. 第二の実施の形態の動作について)
(4.3. 引受証明情報記録媒体の事前配付について)
(5. 第三の実施の形態について)
(5.1. 第三の実施の形態の構成について)
(5.2. 第三の実施の形態の動作について)
(6. その他)
(6.1. 引渡登録デバイスの登録処理について)
(6.2. 各要求について)
(6.2.1. 各要求への付加情報について)
(6.2.2. 引受証明情報の構成について)
(6.3. 公共交通機関における告知区間について)
(6.4. 公共交通機関における交換区間について)
(6.5. 障碍者デバイス識別子について)
(6.6. 障碍者側の記録手段と証明情報記録の態様)
(6.7. 引受準備要求デバイスにおける引受証明情報記録媒体の作成の考察)
(6.8. 倫理的考察)
-------------[本文]-------------
(1. シナリオについて)
本願発明は障碍者が公共の空間の中で有体物を使いあう場面には広く用いることができるものである。従って、さまざまな実装場面が想定でき、多くの実施の形態が挙げられよう。本明細書では最も実装に有意義な場面として、公共輸送機関への実装と、駐車場への実装とを挙げることにする。本項目では、これらの実施の形態の説明に先立ち、まず本願発明を実装する全体のシステムの概要とそれを運用するシナリオについて説明する。ここで紹介するシナリオ中障碍者に提供されるサービスは、障碍者が、先に有体物を占有している者から円滑にかつ気持ち良く、占有されている有体物を引き渡して貰えるようにすることである。
なお、使用する文言については、本明細書中「課題を解決するための手段」の項目に記載の文言定義に従う。
(1.1. 本発明が実装される場面の例)
本願発明は、一般的には占有有体物について障碍者への引渡しを促進するものであるが、特に公共輸送機関や障碍者用駐車場管理において有意義に実装することができるものである。
すなわち本発明が公共輸送機関で適用された場合には、障碍者の乗車前に、車内着座者に対して通知するとともに、現実に席の譲り合いがあったときには事前の着座者に対して所定の利益を与えるようにする環境を醸成することになる。また、本発明が駐車場管理の場面で適用された場合には、障碍者が乗った乗用車が駐車場に到着する前に、その駐車場を先行占有者に通知するとともに、現実に駐車場を引渡したときには先行占有者に対して所定の利益を与える環境を醸成することになる。
本発明を実施するための形態の項目では、主としてこれらを例として説明するが、これに先立ち、本発明について適用される全体のシステム並びにシナリオについて図2と図4を用いて説明する。
本発明の実装環境においては障碍者と非障碍者との間で情報の引渡しが伴う。その引渡において書き換え可能な情報媒体を用いる場合(第一のシナリオ)と、書き換え不能な情報媒体を用いる場合(第二のシナリオ)とで、想定する全体システムが異なっている。
(1.2. 第一のシナリオについて)
第一のシナリオは、引受証明情報記録媒体が書き換え可能であることを想定している。引受証明情報記録媒体を内蔵する引受証明情報交換デバイスは障碍者が手元において用いるものである。図2はこのシナリオにおける全体システム構成例図である。なお、本項目で図を用いるのは理解促進のためであり、実装状態が図示に限られるわけではない。
(1.2.1. 第一のシナリオを実現するシステム全体の概要について)
引受証明情報交換デバイス(222)は、例えばスマートフォンなど、障碍者若しくはその介護者が携帯でき、表示部を持ち、障碍者の支配下で操作指示を受けると所定の動作をすることができるようになっている情報処理装置である。
引受証明情報交換デバイス(222)はまた、占有有体物引渡促進装置(273)と通信し、これから送られてくる引受証明情報を受け取り、そのまま乃至可逆変換をして、内蔵する引受証明情報記録媒体(223)に記録することができるようになっている。
更に、引受証明情報記録媒体(223)に記録した引受証明情報をそのまま若しくは可逆変換したものをそのまま若しくは二次元コードなどの図形化処理等をしたものを、その表示部に表示できるようになっている。
また、引受証明情報交換デバイス(222)は、障碍者デバイス識別子(208)を保持し、通信によりこの障碍者デバイス識別子(208)を読み出すことができるようになっている。
引受証明情報記録媒体(223)は、引受証明情報交換デバイス(222)に内蔵されたEEPROM等のメモリーであって、その内容は引受証明情報交換デバイスを動作させるプログラム等によって書き換え可能になっている。通常は引受準備要求をしたときに占有有体物引渡促進装置(273)から返される引受証明情報(209)をそのまま記録するようになっている。
引受準備要求デバイス(221)は、例えば駅の電車乗降口付近に設置されたポスト様の装置であり、引受証明情報交換デバイス(222)及び占有有体物引渡促進装置(273)と通信できるようになっている。そして、登録障碍者による引受準備要求デバイス(221)の操作を受けて、占有有体物引渡促進装置(273)に引受準備要求を送ることができるようになっている。具体的には、引受証明情報交換デバイスを近づけるなどの所定の操作があると、引受証明情報交換デバイス(222)に記録された障碍者デバイス識別子を得、自らを識別しうる要求元デバイス識別子を併せ、通信によって引受準備要求を占有有体物引渡促進装置(273)に送出できるようになっている。
なお、引受準備要求デバイス(221)には、少なくとも引受証明情報交換デバイス(222)に保存された障碍者デバイス識別子を読み取る部分があればよく、この読取りができたところで引受準備要求を送ることができるようになっていればよい。この際、引受証明情報交換デバイス(222)と引受準備要求デバイス(221)との間の通信は、NFC(Near Field Communication)技術を用いた非接触通信であっても、双方で持つ接点を介しての接触通信であっても構わない。また、非接触通信を用いる場合であっても、引受証明情報交換デバイス(222)が二次元画像を表示する表示部を持ち、ここに表示させたバーコードやQRコード(登録商標)を引受準備要求デバイス(221)が持つカメラによって読み取るようにするのでも構わない。
引渡登録デバイス(224)は、例えばスマートフォンなど、操作指示を受けて所定の動作をすることができるようになっている情報処理装置である。そして、先行占有者の操作によって、引渡登録デバイス(224)は、占有有体物引渡促進装置(273)と通信し、引渡登録要求(299)を送ることができるようになっている。
また、引渡登録デバイス(224)は、登録デバイス識別子(206)を保持し、引渡登録要求(299)を送る際に登録デバイス識別子を併せて送ることができるようになっている。
本願発明に係る占有有体物引渡促進装置(273)は、引受準備要求デバイス(221)からの引受準備要求(298)を受けると占有有体物の円滑な引渡についての準備を開始する。また引受証明情報交換デバイス(222)に対して、占有有体物引渡の機会毎に異なる引受証明情報(209)を発送する。さらに占有有体物引渡促進装置(273)は、その引渡登録デバイス(224)が送る引渡登録要求を受けるようになっている。そして、受ける引受証明情報と引渡証明情報とが対応したとき、引渡登録デバイス(224)の操作者についてポイントの加算をするようになっている。なお、引渡登録要求に併せて送られる引渡証明情報は、先行占有者(引渡登録デバイス使用者)が引渡登録デバイス(224)から人的接触により転写する引受証明情報に基づいている。
なお、このポイント記録・ポイント加算・ポイント読み出し等をするために、図示しないポイント・データーベースを備える。ポイント・データーベースには、少なくとも非障碍者を識別するための情報と、その非障碍者のポイント値とを対応させて記録する。非障碍者を識別するための情報としては、非障碍者を識別できさえすればよく、メールアドレス、ログイン名、UUID(Universally Unique Identifier)など如何なるものでも構わない。
(1.2.2. 第一のシナリオの流れについて)
次に本シナリオにおける流れについて、情報フローを表す図4を用いて説明する。本項目でも図を用いるのは理解促進のためであり、実装時のフローが図示に限られるわけではない。
[認定情報取得・登録段階(427)]
まず、本装置を運用するにあたっては、認定障碍者リストを入手しておくことになる。認定障碍者リストを作成する権原のある組織は、行政庁や病院など、障碍者であることを公的に認定できる組織であることが望ましい。この認定があることによって、本装置が前提とする障碍者の支援について、不正を排除することになるからである。入手したリストは、本占有有体物引渡促進装置に記録され、その後の処理に用いられることになる。
リストの記録の登録事務は本促進装置の運営者乃至運営者の指揮命令に従う者が行う。この登録により障碍者に対する本支援サービスは、権原のある組織が所定の要件を具備していると認めた障碍者にのみ提供されることが保証される。
[引受開始操作(428)]
障碍者がこれから占有有体物の使用を欲する場合には、最初に障碍者自身が支配する引受証明情報交換デバイスに対して引受開始操作を指示する(428)。
[障碍者デバイス提示による指示発生(429)]
引受証明情報交換デバイスは、引受を開始すべき旨の操作を受けると、障碍者が支配する障碍者デバイスを唯一に識別できる障碍者デバイス識別子(208)(図2では、「障碍者D-ID」と表記)を伴って、引受準備要求デバイス(221)に対して指示を出す(429)。引受準備要求デバイス(221)から本占有有体物引渡促進装置(273)に引受準備要求を送信させるためである。
[引受準備要求送信(430)]
引受準備要求デバイスが障碍者デバイスIDを読み取ったときには、障碍者から占有有体物の引受を希望していることが明らかである。そこで、指示を受けた引受準備要求デバイス(221)は、通常、誰の指示によるものかを判断する基礎となる障碍者デバイス識別子と、どの引受準備要求デバイスから要求されたかを個別に識別するための引受準備要求デバイス(221)識別子とを伴って本占有有体物引渡促進装置に対し、引受準備要求を送信する(430)。
[引受準備要求受信(431)]
引受準備要求デバイス(221)から発信された引受準備要求は、本促進装置が受信する(431)。以降、本促進装置内の各機能部の作用により当該引受開始操作をした障碍者に対して占有有体物が適切に引き受けられたのか確認し、引受が行われた場合には、その引渡をした先行占有者に対してポイントを加算する準備に入る。
[引受証明情報発行(432)]
引受準備要求を受信(431)すると、障碍者が占有有体物の引受を希望していることが分かるので、引受を証明するための証明書として機能する引受証明情報を発行する(432)。引受証明情報は、この時点で生成しても、予め複数生成したものからひとつ選択するのでも構わない。他の過去に発行されたものと異なる情報を発行できれば良い。
[引受証明情報送信(433)]
引受証明情報が発行されたら、引受証明情報交換デバイス(222)に向けてこれを送信する。前述通り引受準備要求には障碍者デバイス識別子が伴っている。この識別子を手かがりにすれば対応する引受証明情報交換デバイス(222)が特定でき、その特定されたデバイスが送信先になる。
[証明情報受領・書込(434)]
本促進装置(273)から引受証明情報が発信されると、それは障碍者が引受準備要求を指示した引受証明情報交換デバイス(222)に到着する。そして、これが内蔵する引受証明情報記録媒体に記録される。このシナリオでは、占有有体物の引受を希望する障碍者は、ここで初めて引受証明情報を入手することになる。障碍者による引受開始操作(428)である障碍者デバイス提示(429)からここまでは一連の処理であって、途中通信で不具合がない限り各処理デバイス等の処理速度で処理される。このため通常、障碍者は瞬時に引受証明情報交換デバイスに引受証明情報を得ることができる。
障碍者は占有有体物が利用可能なるまで、その場で待つことになる。そして間もなく障碍者は当該占有有体物が利用可能な位置に着くことになる。例えば電車が到着して着席を希望する座席前に到着するという意味である。
[証明情報転写準備(435)]
引受証明情報交換デバイスが受け取った引受証明情報は、内蔵する記録媒体に記録されることになる。引受証明情報交換デバイスは、これを更に先行占有者の支配する引渡登録デバイスに転写できるように準備をする。たとえば、二次元コードを介して転写するのであれば、引受証明情報交換デバイスの表示部にこの二次元コードを表示することになる。
[証明情報提示(436)・証明情報転写受領(437)]
障碍者が占有有体物を前にした位置に到着し、占有有体物を利用しようとする頃には既に障碍者が支配する引受証明情報交換デバイスには引受証明情報が届いており、証明情報転写準備(435)ができている。ここで、障碍者はその占有有体物を先行占有者から引渡を受けることができれば、その代償となるポイント加算のために、先行占有者の支配する引渡登録デバイスに既に準備出来ている引受証明情報を転写する。
引受証明情報の転写手段は、前述のとおり非接触・接触を問わないが、二次元コード表示をするのが尤も効率的であると思料される。これを例にとると、二次元コードを引渡登録デバイスに転写するため、障碍者は引受証明情報交換デバイスの表示面を先行占有者が見えるように提示する。先行占有者は自分の引渡登録デバイスに付設されるカメラによって障碍者の引受証明情報交換デバイス表示面に表示されている二次元コードを読み取らせる。これによって、転写が実現する(437)。
[引渡登録要求送信(438)]
先行占有者の使う引渡登録デバイス(321)は、引受証明情報を受けたら、これをそのまま、若しくは所定の可逆変換を経て引渡証明情報を作成する。そのうえで、前記引渡証明情報と登録デバイス識別子とを伴って引渡登録要求を生成し、これを本促進装置に送信する(438)。
[引渡登録要求受信(439)]
本促進装置は、引渡登録要求を受けたら、その内容を解析し、引渡証明情報が正規なものであるかどうかを判断する。そして正規なものでなければ、その要求は無視する。勿論、この場合に引渡登録デバイスに対し、要求の基礎となった引受証明情報は無効である旨のメッセージを返してよい。
[引渡登録・証明削除(440)]
本促進装置は、前記受信した引渡登録要求が正規であると認めた場合には、その引渡登録要求に対する応答として、その引渡登録要求に含まれる登録デバイス識別子を抽出、その識別子に基づいてポイントの加算を行う。
これとともに、利用された引受証明情報は二重に利用されないように、管理から除外する。除外の実装については、一旦利用された引受証明情報が二重に利用されなければよいので、単に引受証明情報管理部の記録を削除するのでも、有効性を表すフラグを設けてこれを無効に設定するのでも、構わない。
なおポイントは、本促進装置を運営する事業者と契約をする企業が経済的価値として利用するなどすることになる。このため、加算されたポイントの利用を図る後処理を、任意に設けることになる。
(1.3. 第二のシナリオについて)
次に、第二のシナリオについて図3、図5、及び図13を用いて説明する。第二のシナリオは、引受証明情報記録媒体に書き換え不能なものを用いる。この場合、障碍者が特別に手元において用いる引受証明情報交換デバイスは不要となる。
このシナリオにおいて用いられる引受証明情報記録媒体は、障碍者が先行占有者から占有有体物の引き受けたときに手渡される。そして、先行占有者がこの引受証明情報記録媒体によって引渡登録をしたあとは廃棄されることが想定されている。
(1.3.1. 第二のシナリオを実現するシステム全体の概要について)
第二のシナリオにおいては想定している引受証明情報記録媒体は、ROM(Read only Memory)などの電子情報記録媒体を用いることができるのは勿論、たとえば予め引受証明情報を印刷して配付するカード状の媒体も想定できる。いずれを選択すべきなのかの判断基準は、本促進装置を実装する際のシステムの規模・ポイント利用サービス協力者の規模・引受証明情報記録媒体の製造コスト、耐久性など、もっぱら経済的側面を重視して考慮・判断すればよい。
[引受証明情報記録媒体について]
引受証明情報記録媒体には印刷済みの引受証明カードを用いることができる。ここではまず、印刷済みの引受証明カードの例について、図13を用いて説明する。図13は、引受証明カードの外観図である。ここでは、引受証明情報を二次元の図形で表したものを例示する。
引受証明カード(1343-1、1343-2,・・・)は、少なくとも片面を印刷面(1345)として、事前に印刷したものを登録障碍者に配付する。登録障碍者は通常の生活のなかで、占有有体物を使用したいときに、配付された引受証明カードを一枚ずつ用いることになる。
二次元コード(1346)は、二次元の図形であって、カード上の印刷面(1345)に印刷され、引受証明情報を表す。引受証明カードは予め複数枚を印刷し、その引受証明情報はまとめて本促進装置に記録することになるが、全ての引受証明カード上に印刷してある二次元コードは異なるものとなっている。占有有体物の引渡を1回する毎に1回のポイントが加算されるものであり、重複加算がされないように異なる管理をする必要があるからである。二次元コードは、先行占有者が利用する引渡登録デバイスのカメラで撮像されてコード化されるものであるため、これに適する大きさ・彩色で印刷する。
なお、交換時に付近に居る者による盗撮防止のために、二次元コード上に目隠しシールを貼っておいて、先行占有者がこれを読み取るときにそのシールを剥がしてもらうというような工夫を加えてもよい。
印刷面にはまた、説明文などを記載しておいてもよい。
[全体システム例について]
次に、本シナリオにおける全体システム例について、図3を用いて説明する。図3は第二のシナリオにおける全体システム構成例図である。
引受準備要求デバイス(321)は、第一のシナリオと同じく、例えば駅の電車乗降口付近に設置されたポスト様の装置である。そして、引受証明情報記録媒体(323-1)である引受証明カードに印刷された引受証明情報を読取り、自らを識別しうる要求元デバイス識別子を通信によって占有有体物引渡促進装置(373)に送出できるようになっている。すなわち、登録障碍者が引受証明カード用いて引受準備要求デバイス(321)を操作することによって、占有有体物引渡促進装置(373)に引受準備要求を送ることができるようになっている。
引受準備要求デバイス(321)は、たとえばカメラを具備し、このカメラで二次元コードを検出したときには、わざわざ障碍者が引受証明カードをこれに翳しているとみることができる。よって、この検出によって、障碍者が占有有体物の利用を欲していることを把握できる。このため、障碍者による引受準備要求デバイス(321)の操作とは、単に障碍者が引受準備要求デバイス(321)に引受証明カードを翳すだけで足りる。
勿論、第三者の悪戯によって二次元コードが翳されることも予測できるが、この場合、登録されている引受証明情報と一致せず、本促進装置で排除されるから問題とならない。
なお、上記は引受証明カードとして印刷物を用いた例であるが、引受証明情報記録媒体が他の形式を採ったときには引受準備要求デバイス(321)読取部の仕様をその媒体に合わせることになる。
引渡登録デバイス(324)は、例えばスマートフォンなど、操作指示を受けて所定の動作をすることができるようになっている情報処理装置であり、第一のシナリオで用いるものと同様である。
占有有体物引渡促進装置(373)は、本願発明の要部となる装置であって、引受準備要求デバイス(321)からの引受準備要求によって占有有体物の円滑な引渡についての準備を開始する点は第一のシナリオと同様である。
もっとも、第二のシナリオでは、引受準備要求があったときに引受証明情報が発行されるのではない。引受証明情報は予め占有有体物引渡促進装置内で記録してあり、引受準備要求に伴って得られる引受証明情報を抽出し、これに対応する障碍者情報があるかどうかを検査する点で異なる。検査の結果、登録障碍者からの要求であることが判明すると以降の処理が行われ、登録障碍者からのものではないことが判明した場合には、その後の処理は行われず、また、引受準備要求デバイスに対して、その引受証明カードは利用出来ない旨を通知するに留める。
(1.3.2. 第二のシナリオの流れについて)
次に本シナリオの流れについて、図5の情報フローチャートを用いて説明する。なお、第一のシナリオと同様のものはその旨を指摘し、詳細な説明は省くことにする。
[認定情報取得・登録段階(527)]
まず、本装置を運用するにあたっては、認定障碍者リストを入手しておく。このリストの扱いは第一のシナリオと同様である。それに加えて、予め準備して配付した引受証明カードの発行状況に係る情報も取得登録しておくことになる。
[記録媒体(引受証明カード)準備(528)]
障碍者がこれから占有有体物の使用を欲する場合には、本促進装置を運営する者若しくはその関係者から予め、少なくとも1枚以上の引受証明カードを得ているので、そのなかから一枚を取り出しておく(528)。
[記録媒体(引受証明カード)提示による指示操作(529)]
次に障碍者は、手持ちの引受証明カードのうち一枚を用いて、引受準備要求デバイス(321)に対し、先行占有者による「占有有体物の引渡→障碍者によるその引受・証明カード譲渡→引渡登録に伴うポイント加算」という、一連の処理を準備するように指示を出す(429)。引受準備要求デバイス(321)から本占有有体物引渡促進装置に引受準備要求を送信させるためである。具体的には、第一のシナリオと類似しており、障碍者が引受証明カードを引受準備要求デバイスに翳すことでこの指示を発生させるのが簡便で好ましい。
[引受準備要求送信(530)]
引受準備要求デバイスが引受証明情報を引受証明カードから読み取ったときには、障碍者が占有有体物の引受を希望していることが明らかである。そこで、指示を受けた引受準備要求デバイス(321)は、誰の指示によるものかを判断する基礎とするための障碍者デバイス識別子と、どの引受準備要求デバイスで要求があったかを個別に識別するための引受準備要求デバイス(321)識別子とを伴って本占有有体物引渡促進装置に対し、引受準備要求を送信する(430)。
[引受準備要求受信(531)]
引受準備要求デバイス(321)から発信された引受準備要求は、本促進装置が受信する(531)。以降、本促進装置内の各機能部の作用により、当該引受開始操作をした障碍者に対して適切に占有有体物が引き受けられたのか確認し、引受が行われた場合には、その引渡をした先行占有者に対してポイントを加算するための準備に入ることになる。
[引受証明情報検査(532)]
引受準備要求を受信(531)すると、その引受準備要求とともに送付されてきた引受証明情報が正しいものかどうかを検査する(532)。具体的には、予め引受証明カードに印刷した引受証明情報であって、認定情報取得・登録段階(527)で記録していたものの中に、引受準備要求とともに送付されてきた引受証明情報が含まれるかどうかを検索することになる。検索の結果、発見されれば引受準備要求は正しいものとして以降の手順を続ける。また、発見されなければ、当該引受準備要求は不当なものであるというメッセージを引渡準備要求デバイスに向けて送り、その後の手順は行わないようにすればよい。
[媒体(引受証明カード)譲渡(541)]
その後障碍者が占有有体物を前にした位置に到着し、その占有有体物を先行占有者から引渡を受けることができれば、その代償となるポイント加算のために、障碍者は先ほど引受準備要求に用いた引受証明カードを先行占有者に手渡す。
[媒体(引受証明カード)受領(542)]
先行占有者に手渡された引受証明カードには、二次元コードなどによる引受証明情報が記録されている。このカードを先行占有者が受領すると、この時点において、本促進装置内の記録を除けば、先の引受準備要求に係る引受証明情報は、先行占有者のみが把握している状態となる。
[引渡証明情報取込(537)]
先行占有者は次に、手渡された引受証明カードに印刷されている引受証明情報を自分の引渡登録デバイスで読み込む。これによって、唯一存在していた引受証明情報を電子化して、ネット上で送出できるようになる。
[引渡登録要求送信(538)]
先行占有者の使う引渡登録デバイス(321)は、引受証明情報を電子化したら、これをそのまま、若しくは所定の可逆変換を経て引渡証明情報を作成する。また、その先行占有者による操作であること、若しくは先行占有者によって操作される引渡登録デバイスであることを唯一識別するための登録デバイス識別子を準備する。そのうえで、前記引渡証明情報と登録デバイス識別子とを伴って引渡登録要求を生成し、これを本促進装置に送信する(538)。
ここで、第一のシナリオにおいては車内でしか引受証明情報の転写をすることが出来なかったのに対し、第二のシナリオにおいては、車内から離れてもすることができる点に触れておく。即ち、第一のシナリオにおいては引受証明情報の交換は、障碍者が持つ引受証明情報交換デバイスと先行占有者が持つ引渡登録デバイスとの通信によって実現する。このため、この情報交換は引受証明情報交換デバイスと引渡登録デバイスとは近くになければ実現することができない。これに対し、第二のシナリオにおいては、使い捨ての引受証明情報記録媒体を用いるのであるから、障碍者が引受証明情報記録媒体を手放し、いつまでも先行占有者の手元に置くことができる。よって、引渡登録要求を生成するために必要な引受証明情報の転写は車内に限る必要がない。この結果、先行占有者の利用する引渡登録デバイスは、携帯出来るものでなくとも構わず、デスクトップ・コンピュータなどを使うことも可能となる。
[引渡登録要求受信(539)]
本促進装置は、引渡登録要求を受けたら、その内容を解析し、引渡証明情報が正規なものであるかどうかを判断する。そして正規なものでなければ、その要求は無視する。勿論、この場合に引渡登録デバイスに対して無効である旨のメッセージを返してよい。
正規であるかどうかは、予め占有有体物引渡促進装置内に記録してある引受証明情報に対応するかどうかを検査することでこれを判断する。
[引渡登録・証明削除(440)]
本促進装置は、前記受信した引渡登録要求が正規であると認めた場合には、ポイントの加算・証明情報の除外を行う点は第一のシナリオと同様である。
(1.4. 提示する引受証明情報)
ところで前記いずれのシナリオにおいても、先行占有者が操作する登録デバイスは、スマートフォンやデスクトップ・コンピュータなどの汎用的な情報端末であることを想定している。これら情報端末を未だ本促進装置に登録をしていない場合には、これを登録するような処理が必要になる。
初回登録の詳細については、(6.1. 引渡登録デバイスの登録処理について)で、また、引受証明情報の詳細については、(6.2. 引受証明情報の構成について)で、詳述する。
(1.5. システムで用いられる占有有体物引渡促進装置の基本構成)
次に前記第一のシナリオ並びに第二のシナリオを実現するシステムで実装される本占有有体物引渡促進装置の基本構成例について、図15・図12を用いて説明する。
[引受証明情報管理部(1501)]
引受証明情報管理部(1501)は、引受証明情報若しくは引渡証明情報による照会があったら、その証明情報がどの登録障碍者に係るものであるかを検査し、その情報を発行するようになっている。また、該引受証明情報を管理から解く指示があればこれに従うようになっている。
第一のシナリオに沿うときには、発行される引受証明情報は、予め用意しておくか、求めに応じて生成されるかを問わない。そしてこの引受証明情報は、障碍者の支配する引受証明情報交換デバイスに内蔵される引受証明情報記録媒体中に記録させる。
これに対し、第二のシナリオに沿うときには、引受証明情報は予め用意しておく。この際、引受証明情報管理部は、引受証明情報を用いようとする者が登録障碍者であるか否かを判断するように作用する。また、引渡証明情報が登録されているいずれのかの引受証明情報に対応しているのかどうかを判断するように作用する。
引受証明情報管理部(1501)が引受証明情報を管理するにあたっては、引受証明情報管理データーベース(1514)の支援を受ける。
[引受証明情報管理データーベース(1514)]
引受証明情報管理データーベース(1514)(図15では「引受証明情報管理DB」と表記する。)は、引受証明情報を記録し、問い合わせによってその記録内容を返し、また管理除外指示によって、指定された引受証明情報に係る記録を抹消、若しくは有効・無効を表す属性情報の記録をするようになっている。
この際、第一のシナリオに沿う場合には、引受証明情報を予め用意する場合、引受準備要求があったときに生成する場合がありうるが、いずれの場合においても、引受証明情報管理データーベース(1514)に、この引受証明情報を記録するのが望ましい。
また、引受証明情報管理データーベース(1514)には、少なくとも引受証明情報そのものの他、引受準備要求があった時刻を記録する。また更に、管理対象外にした時刻や、引受証明情報が現在有効なものかどうかを記録しておくのが望ましい。管理対象外にするにしても、その経緯をログとして参照できるようにしておくためである。
なお、当該データーベースは本促進装置内部モジュールとして設けて参照しても、外部データーベースエンジンとして独立に設けて通信によって参照するようにしても、いずれでも構わない。
[引渡登録要求受信部(1502)]
引渡登録要求受信部(1502)は、引渡登録要求を受信するようになっている。ここで、引渡登録要求には、障碍者から転写された引受証明情報を基礎として生成された引渡証明情報と、先行占有者が支配する引渡登録デバイスに個別に付与された登録デバイス識別子と、を含む。
[引渡登録処理部(1503)]
引渡登録処理部(1503)は、
・ 引渡登録要求のなかから、登録デバイス識別子(1506)と引渡証明情報(1507)を抽出、
・ その抽出した引渡証明情報(1507)が前記引受証明情報管理部の管理対象であるか否かの検査(1511)、
・ 検査によって管理対象であったと認めた場合には、その登録デバイス識別子(1506)に対応するポイントを加算(1512)、併せて、それ以降は引受証明情報の管理を解く管理所外処理(1513)、
をするようになっている。
引受証明情報は障碍者から先行占有者に人的接触を伴って引き継がれることで引渡証明情報となる。引渡登録要求に含まれる引渡証明情報を検査し、これと対応する引受証明情報が登録されていれば、その引渡登録要求は正しく占有有体物の引渡がされたことを裏付けられる。この検査を通過すれば、正しく占有有体物の引渡がされたと認められるので、それ以降のポイント加算等の処理をすることができるようになる。
具体的には、まず先行占有者が支配する引渡登録デバイス中で可逆的変換がされているのであれば、引渡証明情報を逆変換して引受証明情報を得る。何の変換もされていないのであれば、そのまま引渡証明情報を引受証明情報とする。その上で、引受証明情報管理部にデーターベース上にその引受証明情報が存在するかどうかを問い合わせる。この問い合わせの結果をみれば管理対象に含まれているのかどうかが判断できる。
また、ポイント加算をするにあたっては、期間検査(1516)を併せて行うことが望ましい。期間検査は、引受準備要求があったときから引渡登録要求があるまでの期間が所定の期間に含まれているかどうかを検査するものであり、期間内にあればこの引渡登録要求を有効とし、期間外であれば無効とするものである。
期間検査を設けた趣旨は、引渡が成りすましによるものではないことを可能な限り保証することにあり、これを引受準備要求と引渡登録要求との期間的関連の観点で実現しようとするものである。従って、この期間をどのようにするかは、引受準備要求より引渡登録要求が後にあること、両要求の間隔に合理性があることの両観点から決することになる。
たとえば、第一のシナリオによれば、先行占有者は引受証明情報を短時間しか受けられないことから、引渡登録デバイスとしてスマートフォンなどの携帯汎用情報端末を用いることが前提となっている。よって、この場合には、期間は占有有体物の引渡がされる直後の短時間に設定すればよい。
これに対し、引受証明カード等を用いる第二のシナリオによれば、先行占有者が引受証明情報を取得できる時間が、占有有体物の引渡がされる直後の短時間に限れない。更にその後にも引受証明カード等は先行占有者の手元に留まることになるのであるから、ある程度時間をとることが望ましい。この場合には期間として、占有有体物の引渡がされた日、乃至翌日程度に設定すればよい。
ポイント加算に併せて引受証明情報の管理を解く点は、一旦使用した引受証明情報による二重のポイント加算を防ぐように作用する。
占有有体物特定部(1504)は、引受準備要求受信部で引受準備要求を受け、これが引受証明情報管理部で登録障碍者による引受準備要求であると判断したときに、要求デバイス識別子から、登録障碍者が占有を引き受けようとしている占有有体物を特定するようになっている。占有有体物特定部(1504)は、有体物管理データーベースの支援を受ける。
有体物管理データーベース(1515)は、要求デバイス識別子を伴った問い合わせがあったときに、いずれの有体物が対応するのかを回答するようになっている。
ここで、要求デバイス識別子と有体物との対応については、常に同一の有体物が対応するとは限らない。たとえば、電車・バスなどの運輸機関に本促進装置を実装する場合、有体物管理データーベースはその運行情報を把握し、次に到達する車両内の特定の扉が返されることになる。この点は、(3.1. 第一の実施の形態の構成について)中の[座席引渡促進装置]の項目で詳述する。
予告発信部(1505)は、当該占有有体物の利用を望む登録障碍者が間もなく表われることになる旨の予告を告知手段にさせるため、予告命令を発信するようになっている。告知手段は、先行占有者が予告情報を知覚できるように上記占有有体物特定部で特定される占有有体物付近に設置されている。たとえば電車・バスなどの運輸機関に本促進装置を実装する場合、乗車口に最寄りの車両内優先席シート付近に設置されることになる。
(1.6. 前提となるシステムによる技術的効果)
本占有有体物引渡促進装置を実装したシステムを構成することにより、先行占有者に自分の現在の有体物に関し、占有する利益を失ったとしても別の利益を得て代替できることを意識することができ、座席や駐車スペースの円滑な譲り渡しを促すことができる。
また、障碍者と先行占有者との間で引受証明情報の転写を行う際、二次元コードの撮像のためにスマートフォンを向け合あったり、引受証明カードの受け渡しがあったりするなど、簡単ではあるがコミュニケーションが生まれる。これにより非障碍者に対する障碍者への理解の機会を広げることができるようになる。
加えて第一のシナリオに従うシステムを構成すれば、本占有有体物引渡促進装置に大きな容量を必要としない。また、引受準備要求デバイスも現在市販されているスマートフォン程度の機械によって実現できるので、構成自体が極めて簡単である。
また、第二のシナリオに従うシステムを構成すれば、先行占有者はスマートフォンやパーソナル・コンピュータ程度のハードウエアを操作する必要があるが、登録障碍者はハードウエアデバイスを持ち歩く必要がない。すなわち、第二のシナリオでは、操作を伴うハードウエアデバイスを障碍者から放逐したのである。このため、高齢者など、ICT技術に疎い者でも本システムによる恩恵を受けることができる。加えて、占有有体物を引き渡さなければならないのは一般的に若者であるところ、若者はICT技術に強い者が多いことから、合理的な操作分担にすることができる。また、引受準備要求デバイスも現在市販されているスマートフォン程度の機械によって実現できるので、構成自体も極めて簡単に済ませられる利点がある。
(2. 公共交通機関における具体的な運用シナリオについて)
次に、本願発明の最も有意義な実装と思われる公共交通機関での運用シナリオについて説明する。ここでは本願発明の占有有体物引渡促進装置を座席引渡促進装置として実装する場合について、図6・図7を用いて説明する。このシナリオは第一の実施の形態、並びに第二の実施の形態における前提となる。
図6・図7は、本願発明を実装する公共交通機関での運用シナリオ図である。具体的には、障碍者が当駅で乗車するものとし、図6は車両が前駅を発車してから当駅に至るまで時間経過を追って電車区間位置の遷移を表した図であり、図7は当駅を発車してから次駅に至るまでを表した図である。
なお、本シナリオで「当駅」とは、障碍者が乗車しようとしている駅のことをいう。「前駅」とは、乗降のために車両が停車する駅であって、当駅に電車が到着する前で最後に停車する駅のことをいう。「次駅」とは、乗降のために車両が停車する駅であって、当駅を電車が出発してから最初に停車する駅のことをいう。従って、各駅停車と急行とでは前駅・次駅が異なることがある。
このシナリオでは、望ましくは当駅プラットフォーム上の全ての乗車口付近、少なくとも優先席がある車両に対応する乗車口付近には、引受準備要求デバイス(621)が設置してある。例えば近時は駅に転落防止用のフェンスが設置されていることが多いが、そのフェンスの乗車口付近にこれを設けておけばよい。また、車両内の障碍者優先席付近には予告放送をするための予告手段が設けられているとしている。
[前駅から当駅まで]
最初に障碍者が乗車するまでのシナリオについて図6を用いて説明する。
まず、障碍者が駅に入場し、自分が乗ろうとしている車両の乗車口付近に到着すると、引受証明情報交換デバイス若しくは引受証明情報記録媒体(623)を引受準備要求デバイス(621)に翳す。すると、引受準備要求デバイス(621)から引受準備要求が図示しない本促進装置に発信される。本座席引渡促進装置は、占有有体物特定部・予告発信部等の作用によって、まず、乗車予定のダイヤの列車を特定し、次に引受準備要求デバイス(621)が設置されている乗車口に対応する車両を特定する。もっとも、この段階では車内で予告放送はされない。
次に電車は、予め決められた前駅と当駅との間の告知区間(652)に入車後、告知区間を走行する(653)。この区間で、車内の告知手段によって、「次の駅で障碍者の方が乗車してきます。席をお譲りください。なお、お譲り頂いた方にはポイントが付与されます。詳しくは席を譲り頂く障碍者の方に尋ね下さい。」などの放送がされる。この案内放送は、先行する座席占有者である非障碍者に、席を譲ることについての不意打ちを防ぐように作用する。また、「障碍者の方に尋ね下さい」との内容から、障碍者と座席占有者との間でのコミュニケーションを促すことにもなっている。更に、この放送内容のようにポイント加算に触れておけば、先行占有者が引受証明情報の転写の際に公共交通機関の関与を示唆しているので、ウイルスなどの混入の心配が少ないと把握でき、安心して引受証明情報の転写をすることができるようになる。
本告知手段による案内放送は、当駅に到着前の一定の時間的余裕をもって終わらせることが望ましい。すなわち、告知放送は、告知区間終了位置(654)に電車がたどり着く前までに終わらせる。この時間的余裕のなかで、先行する座席占有者に自分が失う座席占有の利益と得ることになるポイント取得の利益との間での利益考量をする時間を持たせることができるからである。
電車が当駅に到着(655)すれば、あとは障碍者が到着した電車に乗るだけである(656)。
[当駅から次駅まで]
次に図7を用い、障碍者が乗車してから次駅に到達するまでのシナリオを説明する。
当駅に電車が停車し、乗降のための開扉をしたところから、引受証明情報の交換区間が始まる(757)。この交換区間では、障碍者が席を譲り受けた代償として先行占有者に対して引受証明情報を転写等することができる。交換区間を電車が停車したところから若しくは電車が乗降のための開扉をしたところからとしたのは、座席の引渡は、この時から可能となるからである。
第一のシナリオに従う場合には、電車が発車してしてから次駅に到着するまでは、交換区間が継続し、ここを電車が走行する(763)。原則としてこの交換区間で障碍者から引受証明情報の転写を行う。そして電車は次駅に到着することになる(764)。
なお、第二のシナリオに従う場合には、上記交換区間に限る必要はない。
(3. 第一の実施の形態について)
前記(2. 公共交通機関における具体的な実装シナリオについて)を踏まえて、公共交通機関に第一のシナリオを適用する場合、すなわち障碍者が書き換え可能な引受証明情報記録媒体を利用する場合の、本促進装置の実装を図7・図10・図11を用いて説明する。
(3.1. 第一の実施の形態の構成について)
本実施の形態については、概ね(1.2.1. 第一のシナリオを実現するシステム全体の概要について)並びに(1.5. システムで用いられる占有有体物引渡促進装置の基本構成)において説明したものを実装する。従って、ここでは、基本構成に追加する構成と実装時の変更分部についてのみ触れる。
[引受準備要求デバイス]
本実施の形態において、障碍者は引受証明情報交換デバイスとしてスマートフォンに代表される情報処理端末を持ち歩くことを前提とする。そして、情報処理端末が引受準備要求デバイスと通信をした上で引受準備要求を本促進装置に送信することになる。そこで、ここでは引受準備要求デバイスの構成について、図10を用いて説明する。前述の通り、引受準備要求デバイスは電車乗車口付近に設置されるものである。
引受準備要求デバイス(1021)は、障碍者デバイス通信部(1066)、選択表示部(1067)、行先選択部(1068)、発音部(1069)、制御部(1071)を具備する。
障碍者デバイス通信部(1066)は、障碍者が操作する引受証明情報交換デバイスと通信し、引受証明情報交換デバイス毎に付与されている障碍者デバイス識別子を読み取るようになっている。通信の仕方については、NFCによるもの、二次元図形によるものなど、どのようにしても構わない。二次元図形コードによる場合には、カメラと、カメラによって撮像した二次元図形をデコードする機能を実装することになる。
選択表示部(1067)は、これから到着が予定される電車の行先を表示する表示部であって、たとえば液晶表示器とこれを制御する制御デバイスなどで構成すればよい。表示する電車の行先については、制御部(1071)が座席引渡促進装置(1072)から情報を得てこれを表示させるようにすればよい。
行先選択部(1068)は、前記選択表示部(1067)で表示した行先の電車から、登録障碍者が乗車を希望する行先の電車を選択操作できるようにする機能部である。勿論、選択表示部(1067)と行先選択部(1068)とは所謂タッチパネルなどによって一体的に実装することができる。
発音部(1069)は、本引受準備要求デバイスから登録障碍者に対し、音声等によって必要な指示・案内をすることができるようになっている。
制御部(1071)は、前記各部の制御の他、座席引渡促進装置と通信することによって各情報交換を行うようになっている。座席引渡促進装置に引受準備要求をするときには、引受準備要求デバイス識別子・障碍者デバイス識別子を伴って送信するようになっている。
[座席引渡促進装置(1072)]
座席引渡促進装置は、本願発明に係る占有有体物引渡促進装置の実装である。これについて図11を用いて説明する。図11は座席引渡促進装置における実装上の追加構成図である。
占有有体物特定部(1504)の実装は、対象車両特定部(1178)と運行データーベース(1177)とを具備して構成する(1104)。このうち、運行データーベース(1177)は、有体物管理データーベース(1515)として実装する。
運行データーベース(1177)は、引受準備要求デバイスから、引受準備要求があった時刻から直近に到着する車両、引受準備要求デバイスが設置されている場所に対応する乗車・降車口に対応する車両番号などを回答することができるようになっている。
もっとも、路線によっては同じプラットフォームに複数の支線で異なる行先の電車が到着する駅もある。この場合には、障碍者がどの行先の電車に乗ろうとしているのかを特定する必要があるので、運行データーベースからの回答は、直近に到着する車両に係る情報に加え、他の行先のものについても直近に到着するもの(1179)を併せて回答できるようにするのが望ましい。
対象車両特定部(1178)は、受けた引受準備要求の内容に従って、対象車両の特定、また対象車両中での座席範囲の特定を行う。
行先選択送信部(1174)は、引受準備要求デバイスから引受準備要求があったときに、これに対する応答として、前記運行データーベースの回答リストを返信するようになっている。
予告発信部(1175)は、上記対象車両特定部(1178)において特定された座席近傍に設置の告知手段に対し、予告放送を出させる指示を発信する。
(3.2. 第一の実施の形態の動作について)
次に、本実施の形態の動作について、図8を用いて説明する。既に(1.2.2. 第一のシナリオの概要について)において述べたシナリオに概ね一致するので、ここでは簡潔に説明していく。なお、構成に触れる際には図10、図11、図15を併用する。
[引受準備要求操作(831)]
障碍者はまず、自分の持つ引受証明情報交換デバイス(1022)を用いて引受準備要求デバイス(1021)に対して乗車したい旨の操作を行う(831)。すると、引受準備要求デバイス(1021)中の障碍者デバイス通信部(1066)の機能によって、障碍者の持つ引受証明情報交換デバイスから障碍者デバイス識別子が読み出される。この障碍者デバイス識別子と本引受準備要求デバイス識別子とを伴って制御部(1071)を介して、座席引渡促進装置(1072)に引受準備要求が到達する。
[対象車両特定(833)]
座席引渡促進装置(1072)が引受準備要求を受けると、対象車両特定部(1178)の作用によって、乗車したい電車の行先を検索してリスト化し、行先選択送信部を介してこれを引受準備要求デバイスに返信する。引受準備要求デバイス(1021)ではこのリストを選択表示部(1067)に表示する。障碍者がその表示から行先選択部(1068)を介して、行先を指定すると、制御部(1071)から座席引渡促進装置(1072)にその特定した行先の車両IDが送信される。この車両IDと引受準備要求デバイス識別子とから、対象車両・対象乗車口が特定できる。更に、対象車両特定部(1178)の作用によって、その車内に設置する告知手段が特定される(833)。
[対象車両通知(847)]
告知手段が特定されると、座席引渡促進装置は、その予告装置に向けて予告発信部(1175)を介して事前の予告を告知手段にするように指示を出す(847)。
[車内予告放送(848)]
車両が告知区間にあれば直ちに、また未だ告知区間に到達していないのであれば告知区間に到達後、告知手段が案内放送する(848)。これにより、その付近に着席する者は、間もなく障碍者が乗ってくることを意識できるようになる。
[引受証明情報発信(835)]
この後、若しくはこれと並行に、座席引渡促進装置(1072)は、障碍者の持つ引受証明情報交換デバイスに向けて引受証明情報を発信する(835)。先に引受準備要求デバイスが引受準備要求を送信する際、これに障碍者デバイス識別子が含まれていて、この識別子を手掛かりにして引受証明情報交換デバイスを特定できているので、これを用いれば正しく引受準備要求の送信操作をした障碍者の支配する引受証明情報交換デバイスに引受証明情報を届けることができる。そして、障碍者が車両に乗り込む(856)時には既にその手元の引受証明情報交換デバイスにはこの後に用いることになる引受証明情報が届いている。
[障碍者乗車(856)〜座席引渡(858)]
障碍者が電車に乗ると(856)、既に先行して着席している非障碍者はこれを現認する。この時点では車内でされた予告案内放送から一定の考慮時間が経過している。このため、不意打ちに伴う過剰な心理的障壁が取り除かれている。即ち、現在の利益、即ち現在占有している座席の維持に過剰に固執することなく、座席を引渡すことができる心理的状況に至っている。先行する着席者である非障碍者と障碍者との間で人的接触を開始することができ、非障碍者は進んで座席を引き渡すことになる(858)。
[座席取得(859)]
この引渡しによって、障碍者は座席を引き受け、着席することができる。この時点で座席を引渡した非障碍者はポイントを加算されることが許されるわけである。
[証明情報提示(836)・証明情報取得(837)]
そして座席を引き受けた障碍者は、引受証明情報交換デバイスを非障碍者の視界に入れる。座席を引渡した非障碍者は、障碍者が提示した引受証明情報交換デバイスをみて、自分のスマートフォンなどの引渡登録デバイスを用意する。そして障碍者の提示した引受証明情報交換デバイスから、非障碍者の引渡登録デバイスに向けて引受証明情報を転写する。勿論、ここで転写される引受証明情報は、引受証明情報記録デバイスに内蔵された引受証明情報記録媒体が記録しているものである。
[登録要求発信(838)]
引渡登録デバイスは、引受証明情報を受け取ったらその時に、若しくは非障碍者の操作を待って、引渡登録要求を本座席引渡促進装置に発信する。
[登録処理(885)・登録通知(891)]
引渡登録要求を受けた座席引渡促進装置(1072)は、引渡登録要求に含まれて乃至併せて送られてくる登録デバイス識別子を手掛かりにして、ポイント加算を行う(885)。そして、ポイント加算を行うとともに、加算を行ったことを非障碍者に知らせるために、登録した旨の通知を引渡登録デバイスに向けて送信する(891)。
(4. 第二の実施の形態について)
次に、前記(2. 公共交通機関における具体的な実装シナリオについて)を踏まえて、公共交通機関に第二のシナリオを使った場合の、すなわち障碍者が書き換え不能な引受証明情報記録媒体を利用する場合の、本促進装置の実装について、図9・図10を用いて説明する。
(4.1. 第二の実施の形態の構成について)
本実施の形態についても、概ね(1.3.1. 第二のシナリオを実現するシステム全体の概要について)並びに(1.5. システムで用いられる占有有体物引渡促進装置の基本構成)において説明したものを実装する。従って、ここでも、基本構成に追加する構成と実装時の変更分部についてのみ触れる。
第二の実施の形態において、障碍者は引受証明情報交換デバイスを持ち歩くことは不要である。その代替として引受証明カード(図13参照)のように使い捨てとなる引受証明情報記録媒体を持っていることが必要となる。このため、第一の実施の形態との差異は、引受証明情報記録媒体の特徴的な差異をどう実装に反映するかに集約される。以下、引受証明情報記録媒体を「引受証明カード」に代表させて説明するが、引受証明情報記録媒体をカード状の形態に限る必要はない。
[引受準備要求デバイス]
引受準備要求デバイスは、障碍者デバイス通信部(1066)、選択表示部(1067)、行先選択部(1068)、発音部(1069)、制御部(1071)を具備する。
障碍者デバイス通信部(1066)は、障碍者が所持する引受証明カードが翳されたときに、予め引受証明カードに記録されている引受証明情報を読み取るようになっている。通信の仕方については、NFCによるもの、二次元図形によるものなど、特に制限はない。引受証明情報が二次元図形で記録されている場合には、カメラと、カメラによって撮像した二次元図形をデコーダする機能部を実装することになる。
選択表示部(1067)、行先選択部(1068)、発音部(1069)、制御部(1071)については、第一の実施の形態の記載と同じである。
[座席引渡促進装置(1072)]
座席引渡促進装置は、本願発明に係る占有有体物引渡促進装置の実装である。そして概ね第一の実施の形態と同様の構成を採ればよい。もっとも、引受証明情報管理部(1501)のみが異なる。
引受証明情報管理部(1501)は、引受証明情報管理データーベース(1514)の作用によって発行済みの引受証明情報を管理することになる。そして発行済みの引受証明情報を記録し、問い合わせによってその記録内容を返し、また管理除外指示によって、指定された引受証明情報に係る記録を抹消、若しくは無効を表す属性情報の付加をするようになっている。
ここで記録されている引受証明情報は、障碍者に配付した引受証明カードに記録されている引受証明情報と一致するようになっている。そしてその元となる証明情報は、権限ある機関から提供されたリストに基づいて生成したものである。
(4.2. 第二の実施の形態の動作について)
次に第二の実施の形態の動作について図9を用いて説明する。図9は第2の実施の形態の動作を示す情報フロー図である。本動作についても、既に(1.3.2. 第二のシナリオの概要について)において述べたシナリオに概ね一致する。なお、構成に触れる際には図10、図15を併用する。
[引受準備要求(931)]
障碍者はまず、自分に配付された引受証明カードのうち、任意のひとつを選ぶ。そして、これを用いて引受準備要求デバイス(1021)に対して乗車したい旨の操作を行う(931)。すると、引受準備要求デバイス(1021)中のカード読取り部(1066)の作用によって、障碍者の持つ引受証明カードの引受証明情報が読み出される。この引受証明情報と本引受準備要求デバイス識別子とを伴って制御部(1071)を介して、座席引渡促進装置(1072)に引受準備要求が到達する。
座席引渡促進装置(1072)が引受準備要求を受けると、要求中に含まれる若しくは並行して送信された引受証明情報について、これが引受証明情報データーベース(1514)に管理対象になっているかを問い合わせる。そして、管理対象になっていた場合には、その要求は正しいものとして、その後の処理を継続する。その後の処理には、引受準備要求デバイス(1021)に対する乗車電車候補リスト送信、乗車電車の選定があたっときの対象車両・対象乗車口の特定、予告発信すべき対象車両と車内に設置する告知手段の特定、特定された告知手段への予告送信が含まれる。これらは第一の実施の形態に同じであるので説明を省く。この時点で障碍者等に送信しなければならない情報はないので、座席引渡促進装置(1072)はそのまま引渡登録要求を待っていればよい。
[当駅乗車(956)・座席引渡(958)]
障碍者が電車に乗ると(956)、既に先行して着席している非障碍者(本項目では以下、単に「非障碍者」と表記する。)がそれを現認できる。この段階で非障碍者が座席を引渡すことができる心理的状況に至っているのは第一の実施の形態に同じである。そして、非障碍者は進んで座席を引き渡すことになる(958)。
[座席取得(959)]
この引渡しによって障碍者は座席を引き受けることができ(959)、座席を引渡した非障碍者はポイントを加算されることが許される。
[カード手渡し(941)・カード取得(942)]
座席を引き受けた障碍者は、先ほど引受準備要求を行ったときに用いた引受証明カードを非障碍者に手渡し(941)、非障碍者がこの引受証明カードを受け取ることになる(942)。
[登録要求発信(938)]
引渡登録デバイス(324)は、引受証明情報を受け取ったらそのタイミングで、若しくは非障碍者の操作によって、引渡登録要求を本座席引渡促進装置に発信する(938)。この際、引渡登録デバイスの登録デバイス識別子も併せて送信することになる。第二のシナリオで触れたとおり、この発信は電車が交換区間を走行している間である必要はなく、また発信場所も車内に限る必要もない。
[引渡登録要求処理(982)]
座席引渡促進装置は、引渡登録要求を受けると、引渡登録要求に含まれている若しくは併せて送られてくる登録デバイス識別子を把握する。これを手掛かりとしてポイント加算などを行うことになる。
ここでも、この引渡登録要求が、引渡登録デバイスにとって初回の要求であれば、アカウントの登録処理をする必要がある。
(4.3. 引受証明情報記録媒体の事前配付について)
これまでの説明では、引受証明情報記録媒体の事前配付の時期を特に定めてはいなかった。この点、公共輸送機関の乗車券売の際、乗車券とともに引受証明情報記録媒体を配付するという選択肢も採ることができる。
具体的には、登録障碍者が乗車券等を購入する際に用いるICカード等に登録障碍者である旨の記録をしておき、このICカードによって乗車券を購入する際には、乗車券とともに、1枚の引受証明情報記録媒体を自動販売機から出するようにすればよい。このとき、引受証明情報記録媒体にはUUIDなどで唯一性の高いコードを基礎として二次元コードを発行・表示し、本占有有体物引渡促進装置に発行したコードを引受証明情報として利用するという別の登録要求をすることで実装可能となる。また、行先によっては列車の乗り換えをともなうので、その場合には乗る列車分の枚数の引受証明情報記録媒体を発行すればよい。
もちろん、乗車券販売の際に、本占有有体物引渡促進装置に対して新規な引受証明情報を発行するように要求するような実装も可能である。
このように乗車券を発行する毎に、引受証明情報記録媒体を発行するようにすれば、事前に配付した引受証明情報記録媒体の悪用を可能な限り抑えることができ、実用性は向上すると確信する。
(5. 第三の実施の形態について)
障碍者がパーソナルビークルで外出をする際には、目的地での駐車場の利用が必須となる。近時は障碍者が駐車するために通常の駐車スペースより若干広い面積を割り振った障碍者用の駐車場を設置しているところも増えてきている。本実施の形態はこのような駐車場についての障碍者の利用促進を図るためのものである。具体的には、第一のシナリオに沿って本占有有体物引渡促進装置を駐車場引渡促進装置として実装する実施の形態例、すなわち障碍者が書き換え可能な引受証明情報交換デバイスを用いて駐車場の引渡を促進するものである。なお、ここでは第一のシナリオを想定するが、第二のシナリオによっても構わない。その場合の実装は第一の実施の形態から第二の実施の形態に変更したのと同じ点を変更することになる。
第三の実施の形態について、図2・図14・図15を用いて説明する。
本占有有体物引渡促進装置を核としたシステムでは、一の引渡を完結するシナリオは、障碍者が引受準備要求デバイスに対して引受準備操作をするところから開始する。
ところで、駐車場のように占有有体物が固定した位置にあって、障碍者がその位置に移動して利用するようなシナリオを採るとき、引受準備要求を発信する場所は、障碍者がどの位置にいるのかに依存することになる。この場合、引受準備要求を占有有体物の付近で発するのか、これより遠隔地から発するのかによって、異なる取扱いをする必要がある。
前者の場合には、引受準備要求デバイスはその占有有体物の付近に設置することが可能である。
これに対し後者の場合には、特定の位置にインフラストラクチャを用意することはできない。この場合、引受準備要求デバイスは個々の障碍者が自分の支配する携帯汎用情報端末を流用するか、自分が操作できるデスクストップ・コンピュータなどを使用することになる。
(5.1. 第三の実施の形態の構成について)
本実施の形態については、第一のシナリオにおけるシステムの基本構成と概ね同じものを用いることができるので、ここでは簡単に実装上の変更点のみを説明する。
[駐車場付近に設置したデバイスから引受準備要求をする場合]
たとえば駐車場入り口付近など、引き受けようとする駐車場付近に設置した引受準備要求デバイスから引受準備要求をする場合について簡単に触れる。この場合には、前記公共輸送機関において実装したものと同様の引受準備要求デバイスを実装すれば済む。その引受準備要求デバイスから発信した要求はこれに対応した唯一の駐車場の引渡希望に対応するからである。詳細な説明は、(3.1. 第一の実施の形態の構成について)に譲る。
[遠隔地から引受準備要求をする場合]
次に、当該駐車場から離れた位置から引受準備要求をする場合について説明する。この場合、引受準備要求デバイスとしては固定した一のものではなく、スマートフォンやデスクトップ・コンピュータを使うことになる。スマートフォンを使用するならば、引受準備要求を送信するアプリケーション・プログラムを用意することになる。また、デスクトップ・コンピュータを使用するならば、通常使用するブラウザから引受準備要求を送信できるように、HTMLやJavaScript(登録商標)を配したホームページを用意することになる。以下、これら引受準備要求を送信するためのプログラム等を引受準備要求プログラムと称する。
障碍者はこれから使用したいとする駐車場があるときには、これら引受準備要求プログラムを用い、駐車場の特定を伴う引受準備要求を駐車場引渡促進装置に送信する。引受準備要求プログラムは、引受準備要求を送信するに際し、駐車場を特定するための駐車場特定識別子と障碍者を特定するための障碍者特定識別子を含むようにする。障碍者特定識別子としては、障碍者毎に独立したコードであればよく、障碍者デバイス識別子でも、UUIDでも、電子メールアドレスでも構わない。
なお、引受準備要求デバイスが駐車場に備え付けたものである場合には、その駐車場は即時に利用を開始することになるが、駐車場に備え付けたものでない場合には、障碍者が駐車場を利用ようとする予定時刻を付加することが望ましい。公共輸送機関と異なり、その予定時刻が一義に決められないことが多いからである。
また、引受準備要求には駐車場を特定するための識別子を伴う必要がある。このためには、引受準備要求プログラムに予め利用可能な駐車場リストを含め、これを要求時に選択できるようにおけばよい。また、駐車場引渡促進装置中の有体物管理データーベースに駐車場の場所を登録しておき、これと対話型の通信を行い、選択リストを受け取って選択するようにするのであってもよい。更に、別に駐車場を検索・回答する装置を配置して、これと対話型の通信を伴って検索、ここから駐車場特定識別子を決定するようにしてもよい。
[駐車場の告知手段−概要]
駐車場には先行占有者に対して、これから占有を希望する障碍者が居る旨の告知をする告知手段が設けられる。この告知手段については前記公共輸送機関におけるものとは異なる工夫が必要である。
即ち、公共輸送機関における座席引渡の場面においては、先行占有者は占有有体物の位置に居ることが明らかなので、スピーカなどの予告手段をその占有有体物若しくはその付近に設置すれば済む。
これに対し、駐車場の場合には、駐車場に先行占有者が居るとは限らない。そこで、予告手段を当該駐車場付近に設置しても先行占有者に予告が届くとは限らない点で異なるわけである。一方で近時、広い駐車場に巨大なスクリーンを置いて車の中から映画を見るというシステムの映画館がある。通常、「ドライブイン・シアター」と呼ばれるものである。このような場所では先行占有者は駐車場に居ることが通常である。
このようなことから、告知手段は、その駐車場設置の目的に応じて異なる実装が求められることになる。駐車場設置目的がその駐車場に居ることが主たる場合には、前記公共輸送機関の場合と同じく、駐車場の近くに予告手段を設ければ足りる。
では、先行占有者の駐車場利用目的がその駐車場から離れたところにある場合にはどうするか。この点、先行占有者にその駐車場を占有するに先立ち、先行占有者が持つ携帯情報端末を関連付けて利用の登録をさせるようにし、この携帯情報端末を予告手段にすることで本促進装置が想定する予告手段としての機能を満たすことになる。具体的な以下のように幾つかの実装が可能である。
[告知手段−第一の実装例]
もっとも確実と思われるのは、駐車場運営者が用意した携帯型の予告知覚装置を先行占有者に貸し出して持たせることである。この予告知覚装置は、無線制御によって、駐車場運営者等が貸し出した複数の中からひとつを選択して発音をさせることができるものである。この場合、駐車場引渡促進装置の予告発信部(1505)が予告を発信する先は、駐車場の中で当該予告発声装置を集中的に管理する管理装置となる。そしてこの管理装置は予告発信を受けたときには該当する駐車場を占有している先行占有者に貸し出した予告知覚装置を選択して、予告を発信することになる。予告を知覚させるには、警告音の発音、警告メッセージの発声、振動による知覚などどのようなものであっても構わない。これらの選択は、その駐車場利用の目的物の性質によって決すればよい。
[告知手段−第二の実装例]
次に、実装可能な例として、先行占有者が携帯するスマートフォンなどの携帯汎用情報端末を告知手段として利用することを挙げる。これは、駐車場運営者等が障碍者優先駐車場を非障碍者に利用させる際に、その者が携帯する情報端末のメールアドレスの登録、若しくは貸し出しのためのアプリケーション・プログラムのインストールを義務づけるようにするものである。そして、ここで登録された情報端末のメールアドレス乃至アプリケーション・プログラム上の識別子を本促進装置の有体物管理データーベース(1515)に記録するように実装すれば、予告発信部からの予告は直接先行占有者に届き、その先行占有者は間もなく自分が占有している駐車場を利用したい障碍者が居ることを知覚することができるようになる。
[駐車場引渡促進装置]
駐車場引渡促進装置は,駐車場特定を伴う引受準備要求が届くと、そこから障碍者特定識別子を抽出するようになっている。そして、抽出された障碍者特定識別子を引受証明情報管理データーベース(1514)・引渡登録処理部(1503)の作用によって、登録されている認定障碍者かどうかを判断できるようになっている。
(5.2. 第三の実施の形態の動作について)
次に、本実施の形態の動作について図14を用いて説明する。図14は、第3の実施の形態の動作を示す情報フロー図である。本動作についても、既に(1.2.2. 第一のシナリオの概要について)において述べたシナリオに概ね一致する。なお、構成に触れる際には図15を併用する。
障碍者は利用する駐車場の選定をしたあと、自宅のパーソナル・コンピュータ若しくは携帯情報端末から駐車場の特定をするために駐車場引渡促進装置に駐車場特定要求をする(1431)。もっとも、先行占有者が登録障碍者である場合には、既に他の登録障碍者が占有している旨の通知をこの要求元に返信するだけで、その余の処理をしなくてもよい。
駐車場特定要求を受けた本促進装置は、駐車場特定要求に含まれる若しくは併せて送られてきた障碍者特定識別子から、本促進装置が管理する登録障碍者であるかどうかを検査する。そして検査の結果、登録されている認定障碍者であると判断したときには、駐車場特定識別子で特定された駐車場に設置された告知手段に対して、予告発信部(1505)を介して、予告通知を発する(1447)。駐車場付近の図示しない告知手段が利用予定通知を受け、予告発音をしたら、その駐車場を先行して占有している非障碍者は、これから利用する者がある旨を知覚できる。ここで予告通知には、障碍者の到着予定時を付加しておくのが望ましい。
予告放送とは独立に、引受準備要求をした障碍者が駐車場前に到着(1456)する時には既に先行して駐車場を利用している非障碍者に予告通知が届いている。このため、前後して先行占有者が現れ、駐車中の車をその駐車場から退かせ(1458)他の駐車場に置くなどしての占有を引き渡して貰うことになる。これを受けて登録障碍者は駐車場を引き受けることがでるようになる(1459)。
その後、障碍者から引受証明情報を先行占有者に提示し(1435)、先行占有者はこの引受証明情報を転写し(1436)、引渡登録要求が発信され(1437)、この要求を受信した本促進装置は先行占有者の個別IDに従って(1485)、登録処理を行うことになる(1491)。
(6. その他)
(6.1. 引渡登録デバイスの登録処理について)
第一のシナリオを用いる場合、非障碍者が支配する引渡登録デバイスは、通常はスマートフォンなどの携帯汎用情報端末を流用することになる。通常、携帯汎用情報端末は、「アプリ」と呼ばれるアプリケーション・プログラムをインストールして用いる一方で、引渡登録デバイスの処理をある制限範囲に留めるならば、概ね工場出荷状態でインストールされているブラウザ・プログラムと、HTMLやJavaScript(登録商標)を使って実装できる。
しかし、本システムに用いる引渡登録デバイスは、引渡登録デバイス識別子を各アプリケーション・プログラムが把握していなければならない。この識別子は本引渡促進装置を利用する多数の引渡登録デバイスをそれぞれ個別に把握でき、非障碍者ユーザによる操作によって簡単に消去・書き換えができないようになっている必要がある。実装上、ブラウザ・プログラムを用いると、ユーザの操作によって簡単に消去・修正ができてしまうので、可能な限り終始ブラウザ・プログラムを利用することを避ける方が望ましい。
つまり、第一のシナリオにおいても引渡登録デバイスには専用のアプリケーション・プログラムが搭載されているのが望ましい。ところが、これを利用する非障碍者にとってみれば、本装置が導入された後であって初回となる占有有体物の引渡の際には引渡登録デバイスには専用のアプリケーション・プログラムが搭載されていないのが通常である。
そこで、非障碍者が本発明に係るシステムを最初に利用する場合には、円滑にこれを支援する必要がある。そこで、本占有有体物引渡促進装置の動作上、登録ステップを経る点について図12を用いて説明する。図12は、本占有有体物引渡促進装置が引渡登録要求処理を受けたときのエントリ部分に係るフローチャートである。
本占有有体物引渡促進装置が引渡登録要求を受けると、まず、登録デバイス識別子を抽出する。そして、引渡登録要求に登録デバイス識別子が含まれているか、要求と併せて送られてきたかしたときには、その登録デバイス識別子が本占有有体物引渡促進装置内で登録されているかどうかを検査(1281)する。このためには図示しないポイント履歴を記録するポイント・データーベースを用いるなどすればよい。この検査の結果、登録されていれば、以降は通常の動作、即ちポイント加算(1212)処理をすればよい。
一方、検査の結果、抽出した登録デバイス識別子の登録がなかった場合、並びに抑も登録デバイス識別子が引渡登録要求に含まれていない場合には、これが初回のアクセスということになる。この場合には、アプリケーション・プログラムの登録を行うモードに入る。本システムの利用を最初にする場合には、ブラウザから入るのが望ましい。これはスマートフォンから接続するのでもパソコンから接続するのでも同じである。なお、この点については次節(6.2. 引受証明情報の構成について)に詳述する。
ブラウザから初回の接続で、かつそれがスマートフォンなどの汎用情報端末からである場合には、初回登録誘導処理に入る(1285)。初回登録誘導では、送られてきた引渡登録要求からそれがスマートフォンなどの汎用情報端末か、デスクトップ・コンピュータなのかの情報を抽出する。具体的に実装する場合には、たとえばHTTPリクエストヘッダを参照し、「User-Agent:」で指定されている属性部分を見て判断すればよい。また初回登録誘導では、操作する情報端末にアプリケーション・プログラムをインストールするのか、そのままブラウザのまま使用するのかを選択する指示(1286)を受けるようにするのが望ましい。自分の使う情報機器にウイルスを混入されるのではないかという、非障碍者に無用な心理的障壁をもたれることを回避する趣旨である。
上記判断の結果、アプリケーション・プログラムをインストールしないのならば、次にもアプリケーション・プログラムを登録しないこととするものの、次回登録作業を繰り返さなくても済むように、一般的なcookieや、HTML5の規格にあるweb storageを利用して、引渡登録デバイス識別子を記録する。そして、これを実現するために、メールアドレス入力を促す(1288)。
一方、上記判断の結果、アプリケーション・プログラムをインストールするならば、ここで、アプリケーション・プログラムの登録を準備する。これに併せてこのインストールの際に登録者IDを発行する(1289)。そして、ブラウザの機能を用いるなどしてアプリケーション・プログラムをダウンロードさせ、これをインストールするように誘導する(1290)。これにより非障碍者の情報端末に初期化のためのプログラムを導入することができた。
次にアプリケーション・プログラムのインストール如何に拘わらず、引渡登録要求をしてきた非障碍者は占有有体物の引渡がされたと強い推定がされるので、アカウントの登録を行う。アプリケーション・プログラムをインストールした場合には登録者IDで、またインストールしない場合にはメールアドレスでアカウントを生成すればよい(1291)。これにより初期登録が完了する。あとはポイント加算の処理に入ればよい。
(6.2. 各要求について)
本促進装置には少なくとも2つの要求が届くことになる。引受準備要求と引渡登録要求である。この際、これに併せて若しくはこれに含めて各種属性情報が送信されるが、この点について若干の補足をする。
(6.2.1. 各要求への付加情報について)
表1に示したように、引受準備要求や引渡登録要求を生成する際、各種情報付加をすることがある。この手法について説明する。これには、大きく2つのやり方がありうる。
第一は、異なるポートを使って分離して送信する手法である。この場合、それぞれ異なるポートに異なる種類のデータを送り込むというものである。もっとも、それぞれに共通する識別子をいれこみ、これらを関連させておくなどの工夫が必要になり、煩雑さが残る。
第二は、ひとつの要求の中に、ターミネータ文字を利用して複数の文字列を入れ込む手法である。たとえば、要求送信にHTTPプロトコルを用いる場合、「https://foo.baa.com/start?regPsnDid=s45reger8fd&published=20150110」のようなものになる。この要求には、http(hypertext transfer protocol)で送信するという宣言、「foo.baa.com」というアドレスが付与された本促進装置に接続するという情報、引渡登録要求処理を行うべきことを意味する情報「start」、障碍者デバイス識別子が「s45reger8fd」であるという情報、並びにこのデータ発行が「2015/01/10」であったという情報が重畳されている。
(6.2.2. 引受証明情報の構成について)
引受証明情報について、更に補足する。引受証明情報の本質は、本明細書中「課題を解決するための手段」の欄で定義したとおりである。しかし、具体的な実装においては、非障碍者が本システムへの初回登録を行う際に、アプリケーション・プログラム無しに本発明に係る促進装置に接続する必要がある。
そこで、障碍者が非障碍者に提示する引受証明情報としては、非障碍者が使用するスマートフォンで読み込むことでそのまま本促進装置に接続できるような形態を採っておくことが有利である。
このためひとつの実装例として、引受証明情報は、インターネット上の本促進装置アドレスを示すURLと、引渡証明をするための識別子とを組み合わせたものとするのがよい。たとえば、URLに続くパラメータとして引渡証明識別子を入れた文字列を引受証明情報とすればよい。具体的には、「https://foo.baa.com/regist?certId=1234-5678-abcd-ef12」のようにする。これを携帯情報機器が読み取れば、「foo.baa.com」というアドレスが付与された本促進装置に接続でき、「regist」の名称で起動される引渡登録要求受信部にデータが送られるようになるのは勿論、「1234-5678-abcd-ef12」が引受証明情報として転写できる。
一方、先行占有者が使用する引渡登録デバイスにインストールしたアプリケーション・プログラムは、「https://foo.baa.com/regist?certId=1234-5678-abcd-ef12」という文字列から文字列処理をして「certId=」以下の情報、すなわちここでは「1234-5678-abcd-ef12」を抽出することができ、これを引渡証明情報として取り扱えばよい。また、アプリケーション・プログラムがインストールされていない場合には、このデータはURLとして読み込まれるので、結果としてブラウザ・プログラムから本促進装置に接続がされるようになる。
なお、引渡証明情報の基礎となる引受証明情報を本占有有体物引渡促進装置で生成する第一のシナリオにおいては、引受準備要求を受けた際、その引受準備要求をした障碍者デバイス識別子を本促進装置で生成して、予め引受証明情報に組み込むようにしてもよい、この場合、たとえば「https://foo.baa.com/regist?certId=1234-5678-abcd-ef12&regUsrDid=s45reger8fd」というような文字列を生成し「regUsrDid=」以下の情報、すなわちここでは「s45reger8fd」がデバイス識別子となる。勿論、障碍者デバイスがこれを付加するようにしてもよい。
一方、第二のシナリオを採る場合には、障碍者デバイス識別子が不要であり、予め引受証明情報は本促進装置に登録されているので、受け取った引受準備要求から引受証明情報を取り出せば、特に付加する必要はない。もっとも、本促進装置のプログラム上必要な場合、若しくはセキュリティ向上を目指す場合には、登録障碍者識別子のようなものを引受証明情報に付加するなどしても構わない。
(6.3. 公共交通機関における告知区間について)
第一の実施の形態並びに第二の実施の形態の告知区間について、若干の補足をする。
告知区間はこれを過ぎても当駅で乗降可能となるまでに時間的余裕があるように定められるところであるが、電車が当駅直前まで接近しているときに障碍者が引受準備要求を発信しても先行占有者には不意打ちになることは避けられない。この場合には、予告放送として、ポイント加算のみを予告するという実装をするのでもよい。
ところで、前述の(2. 公共交通機関における具体的な実装シナリオについて)の説明では、当駅で登録障碍者が次に到着する電車に乗ろうとしているとしているものとした。しかし、電車の行先によっては、次次着の電車に乗る場合がある。その場合には、引受準備要求デバイスの操作パネルから選択できるようにしておけばよい。
(6.4. 公共交通機関における交換区間について)
第一の実施の形態並びに第二の実施の形態の交換区間について、若干の補足をする。
第一の実施の形態によれば、引受証明情報の転写等は、次駅到着までに引受証明情報交換デバイスから引渡登録デバイスへの引受証明情報の転写が可能である。そして、交換区間の間で先行占有者からの引渡登録要求があるはずである。そこで、本促進装置の引渡登録処理部内での期間検査で用いる期間を、この区間のみに設定することは合理的である。
これに対し、第二の実施の形態によれば、引受証明情報は引受証明カードのようなもので固定されているので、いつまでも引受証明情報の転写が可能である。そこで、引受があった日の終日若しくは翌日まで等を本促進装置の引渡登録処理部内での期間検査で用いる期間に設定することも合理性がある。
(6.5. 障碍者デバイス識別子について)
第一のシナリオにおいて用いられる障碍者デバイス識別子は、予め障碍者特定識別子としては、障碍者毎に独立に識別できるものであればよく、障碍者デバイス識別子でも、UUIDでも、電子メールアドレスでも構わない。もっとも、これらは、引受証明情報管理データーベース(1514)中で登録障碍者のものとして管理することになる。
(6.6. 障碍者側の記録手段と証明情報記録の態様)
第一の実施の形態、並びに第二の実施の形態において、障碍者が支配するデバイス若しくは引受証明情報記録媒体について、その実装する態様を示したが、これらを別に組合せて実装することも可能である。そこで、組合せ例について表3に示し、それぞれの特質を併記する。
Figure 2016136370
表中のカード様媒体表面印刷に用いるカード様媒体の材質は、紙、プラスチックなど、印刷したものの読取りが可能であれば何を使っても構わない。また、その形状もカードに拘泥する必要はなく、印刷したものの読取りが可能であればどのような形状を採っても構わない。
なお、障碍者の使用する引受証明情報記録デバイスとしてICカードなどの受動デバイスを用いる場合、引受準備要求デバイスから引受準備要求をした際、その応答を引受準備要求デバイスの制御部(1071)・障碍者デバイス通信部(1066)を通して引受証明情報を記録させればよい。また、スマートフォンなどの能動デバイスを用いる場合には、前記引受準備要求デバイスを通して記録させる他、メールやアプリケーション・プログラムの通信機能を使い、座席引渡促進装置から引受準備要求デバイスに直接記録させることも可能である。いずれを選択するのかは、通信経路の速度や座席引渡促進装置の処理能力、システム構築上のコストなどを要素として総合的に参酌して判断すればよい。
(6.7. 引受準備要求デバイスにおける引受証明情報記録媒体の作成の考察)
本発明では、引受準備要求デバイスとは異なる装置によって引受証明情報記録媒体を作成することが核になっている。
これと異なり、引受準備要求デバイスに印刷機能を付加し、ここで引受証明情報を生成するということも検討に値する。
もっとも、公共交通機関への例をみれば分かるとおり、引受準備要求デバイスは数多く設置する必要があり、印刷機能をこれら全てに設けることはコストの面で不利益がある。
(6.8. 倫理的考察)
本発明では、ポイントの付与を伴うが、障碍者が受けている物理的制限に対して利益の提供をするにあたり、ポイント加算などの経済的利益を伴うのは倫理上の問題があるのではないかという疑問を受けることは想像に難くない。
しかし、一般取引界を見ても、ポイント制が導入されたからといって、取引秩序に倫理的問題はおきていない。また、その経済的利益が子供の小遣いのようなものであれば、寧ろ障碍者支援のインセンティブ向上や支援機運の展開利益の方を重視すべきであり、その意義は十分あると、発明者は解する。
本発明は、本占有有体物引渡促進装置として生産することができる。また、これと協調して動作する周辺装置、たとえば、引受証明情報交換デバイス、引受準備要求デバイス、引渡登録デバイスなどの各デバイスを、本占有有体物引渡促進装置と組み合わせるものとして生産業に利用することができる。
図面中の符号は先頭の数値が図面番号を表す。なお、異なる図面においても下位2桁が同一のものは概ね同一のものを意味するように配番してある。
[基本部分の構成に係るもの]
101 引受証明情報管理部
102 引渡登録要求受信部
103 引渡登録処理部
104 占有有体物特定部
105 予告発信部
111 対応検査
112 ポイント加算
113 管理除外処理
114 引受証明情報管理データーベース
115 有体物管理データーベース
[基本部分の動作、その他に係るもの]
116 期間検査
118 引受準備要求受信部
[本願発明の周辺装置に係るもの]
206 登録デバイス識別子
207 引渡証明情報
208 障碍者デバイス識別子
209 引受証明情報
221 引受準備要求デバイス
222 引受証明情報交換デバイス
223 引受証明情報記録媒体
224 引渡登録デバイス(先行占有者所持)
[本願発明の引受準備要求デバイスに係るもの]
1066 障碍者デバイス通信部(カード読取部)
1067 選択表示部
1068 行先選択部
1069 発音部
1071 制御部
1072 座席引渡促進装置
[本願発明の実装に係るもの]
1174 行先選択送信部
1175 予告発信部
1177 運行データーベース
1178 対象車両特定部
1179 行先選択候補リスト

Claims (18)

  1. 他人と同時に占有しえない有体物について、先行する占有者が後から利用を希望する登録障碍者への引渡を促進する占有有体物引渡促進装置であって、
    引受証明情報記録媒体に担持される各々弁別可能な引受証明情報から転写された引渡証明情報と、先行占有者の操作するデバイス毎に弁別可能とする登録デバイス識別子と、を含む引渡登録要求を受信する引渡登録要求受信部と、
    該引渡証明情報で照会したら対応付けられた登録障碍者を特定する情報を返すとともに、指示によって該対応付けを解く引受証明情報管理部と、
    該引渡登録要求受信部が受けた引渡登録情報から引渡証明情報を抽出し、該引渡証明情報が該引受証明情報管理部の管理に含まれている証明情報に対応するかどうかを検査し、管理されている場合には引渡登録情報から抽出した該登録デバイス識別子についてポイントを加算するとともに、該引受証明情報管理部に該引渡証明情報に対応した引受証明情報の管理を解くように指示する、引渡登録処理部と
    を具備することを特徴とする占有有体物引渡促進装置。
  2. 引受準備要求を受信する引受準備要求受信部を具備するとともに、
    前記引受証明情報管理部は、該引受準備要求受信部で引受準備要求を受けたときに引受証明情報を生成して前記引受証明情報記録媒体に記録させ、引受準備要求があった時から予め決められた期間を経過したときには該引受証明情報の管理を解くこと
    を具備することを特徴とする請求項1に記載の占有有体物引渡促進装置。
  3. 前記引受準備要求受信部は、引受準備要求に加え、引受準備要求の要求元デバイスを特定する要求デバイス識別子を受信するとともに、
    前記引受準備要求受信部が受けた引受準備要求が登録障碍者によるものであると前記引受証明情報管理部が判断したときに、該要求元デバイス識別子から登録障碍者が占有を引き受けようとしている占有有体物を特定する占有有体物特定部と、
    該占有有体物特定部において特定された占有有体物の付近にあって先行占有者が予告情報を知覚できる告知手段に対し、予告を発すべき旨を指示する予告発信部と、
    を具備することを特徴とする請求項2に記載の占有有体物引渡促進装置。
  4. 他人と同時に占有しえない有体物について、先行する占有者が後から利用を希望する登録障碍者への引渡を促進する占有有体物引渡促進装置であって、
    予め配付された引受証明情報記録媒体に担持される引受証明情報から転写された引渡証明情報とデバイス毎に個別に付与された登録デバイス識別子とを含んだ引渡登録要求を受信する引渡登録要求受信部と、
    該引受証明情報を含む引受準備要求を受信する引受準備要求受信部と、
    該引渡証明情報で照会すると対応付けられた登録障碍者を特定する情報を返すとともに、指示によって該対応付けを解く引受証明情報管理部と、
    該引渡登録要求受信部が受けた引渡登録要求から引渡証明情報を抽出し、該引渡証明情報に対応する証明情報が該引受証明情報管理部で管理されているかを検査し、管理されている場合には引渡登録情報から抽出した該登録デバイス識別子についてポイントを加算するとともに、ポイントを加算したときには該引受証明情報管理部に対し該引渡証明情報に対応する証明情報を該引受証明情報管理部の管理対象から除くように指示する、引渡登録処理部と
    を具備することを特徴とする占有有体物引渡促進装置。
  5. 前記引渡登録処理部は、ポイントを加算するにあたり、前記引受準備要求受信部が引受準備要求を受けてから予め決められた期間内に登録証明要求を受けたときに限るようにしたこと
    を特徴とする請求項4に記載の占有有体物引渡促進装置。
  6. 前記引受準備要求受信部は、引受準備要求に加え、引受準備要求の要求元デバイスを特定する要求デバイス識別子を受信するとともに、
    前記引受準備要求受信部が受けた引受準備要求が登録障碍者によるものであると前記引受証明情報管理部が判断したときに、該要求元デバイス識別子から登録障碍者が占有を引き受けようとしている占有有体物を特定する占有有体物特定部と、
    該占有有体物特定部において特定された占有有体物の付近にあって先行占有者が予告情報を知覚できる告知手段に対し、予告を発すべき旨を指示する予告発信部と、
    を具備することを特徴とする請求項4に記載の占有有体物引渡促進装置。
  7. 他人と同時に占有しえない有体物について、先行する占有者が後から利用を希望する登録障碍者への引渡を促進する占有有体物引渡促進方法であって、
    引受証明情報記録媒体に担持される各々弁別可能な引受証明情報から転写された引渡証明情報と、先行占有者の操作するデバイス毎に弁別可能とする登録デバイス識別子と、を含む引渡登録要求を受信し、
    受信した引渡登録情報から引渡証明情報を抽出し、
    該引渡証明情報が登録障碍者と対応づけて管理されているかどうかを検査し、
    管理されている場合には引渡登録情報から抽出した該登録デバイス識別子についてポイントを加算するとともに、該引渡証明情報に対応した引受証明情報の管理を解く
    ことを具備することを特徴とする占有有体物引渡促進方法
  8. 前記引受準備要求があった時から予め決められた期間を経過したときには該引受証明情報を管理対象から外す
    ことを特徴とする請求項7に記載の占有有体物引渡促進方法。
  9. 引受準備要求に加え、引受準備要求の要求元デバイスを特定する要求デバイス識別子を受信するとともに、
    受信した引受準備要求が登録障碍者によるものであるときに、該要求元デバイス識別子から登録障碍者が占有を引き受けようとしている占有有体物を特定し、
    特定された占有有体物の付近にあって先行占有者が予告情報を知覚できる告知手段に対し、予告を発すべき旨を指示する、
    ことを具備することを特徴とする請求項8に記載の占有有体物引渡促進方法。
  10. 他人と同時に占有しえない有体物について、先行する占有者が後から利用を希望する登録障碍者への引渡を促進する占有有体物引渡促進方法であって、
    予め配付された引受証明情報記録媒体に担持される引受証明情報から転写された引渡証明情報とデバイス毎に個別に付与された登録デバイス識別子とを含んだ引渡登録要求を受信し、
    受けた引渡登録要求から引渡証明情報を抽出し、
    該引渡証明情報に対応する引受証明情報が登録障碍者を特定する情報と対応付けられて記録管理されているかどうかを検査し、
    管理されている場合には引渡登録情報から抽出した該登録デバイス識別子についてポイントを加算するとともに、ポイントを加算したときには該引渡証明情報に対応する引受証明情報を管理対象から除く、
    ことを特徴とする占有有体物引渡促進装置。
  11. ポイントを加算するにあたり、前記引受準備要求を受けてから予め決められた期間内に登録証明要求を受けたときに限るようにしたこと
    を特徴とする請求項10に記載の占有有体物引渡促進方法。
  12. 引受準備要求に加え、引受準備要求の要求元デバイスを特定する要求デバイス識別子を受信し、
    前記引受準備要求受信部が受けた引受準備要求が登録障碍者によるものであるときに、該要求元デバイス識別子から登録障碍者が占有を引き受けようとしている占有有体物を特定し、
    該占有有体物特定部において特定された占有有体物の付近にあって先行占有者が予告情報を知覚できる告知手段に対し、予告を発すべき旨を指示する、
    ことを特徴とする請求項4に記載の占有有体物引渡促進方法。
  13. コンピュータに請求項1に記載の占有有体物引渡促進装置として動作させることを特徴とする占有有体物引渡促進プログラム。
  14. コンピュータに請求項2に記載の占有有体物引渡促進装置として動作させることを特徴とする占有有体物引渡促進プログラム。
  15. コンピュータに請求項3に記載の占有有体物引渡促進装置として動作させることを特徴とする占有有体物引渡促進プログラム。
  16. コンピュータに請求項4に記載の占有有体物引渡促進装置として動作させることを特徴とする占有有体物引渡促進プログラム。
  17. コンピュータに請求項5に記載の占有有体物引渡促進装置として動作させることを特徴とする占有有体物引渡促進プログラム。
  18. コンピュータに請求項6に記載の占有有体物引渡促進装置として動作させることを特徴とする占有有体物引渡促進プログラム。

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