JP2016131751A - 傾斜磁場コイル及び磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

傾斜磁場コイル及び磁気共鳴イメージング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016131751A
JP2016131751A JP2015008766A JP2015008766A JP2016131751A JP 2016131751 A JP2016131751 A JP 2016131751A JP 2015008766 A JP2015008766 A JP 2015008766A JP 2015008766 A JP2015008766 A JP 2015008766A JP 2016131751 A JP2016131751 A JP 2016131751A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
magnetic field
layer
gradient
gradient magnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015008766A
Other languages
English (en)
Inventor
坂倉 良知
Yoshitomo Sakakura
良知 坂倉
岡本 和也
Kazuya Okamoto
和也 岡本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Medical Systems Corp
Original Assignee
Toshiba Medical Systems Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Medical Systems Corp filed Critical Toshiba Medical Systems Corp
Priority to JP2015008766A priority Critical patent/JP2016131751A/ja
Publication of JP2016131751A publication Critical patent/JP2016131751A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】時定数の小さい渦磁場と発熱量と関するトレードオフを解消可能な傾斜磁場コイル及び、MRI画像に対する悪影響と撮影上の制限とに関するトレードオフを解消可能な磁気共鳴イメージング装置を提供する。【解決手段】傾斜磁場コイルは、円筒型の第1の層と、前記第1の層の外径側において当該第1の層と同軸に設けられた円筒型の第2の層と、を具備する傾斜磁場コイルであって、前記第1の層は、隣接する導線の間隔を一定として指紋状に実装された少なくとも一つの第1のコイルを有し、前記第2の層は、隣接する導線の間隔を非一定として指紋状に実装された少なくとも一つの第2のコイルを有する。【選択図】図3

Description

本発明の実施形態は、傾斜磁場コイル及び磁気共鳴イメージング装置に関する。
磁気共鳴イメージング(MRI:Magnetic Resonance Imaging)装置は、医用画像診断の分野で広く普及している。MRIとは、磁気共鳴現象に基づく撮像法であって、静磁場が形成された空間に置かれた被検体が有する原子核(H等)スピンを、ラーモア周波数のRF(RF:radio frequency)信号で磁気的に励起し、当該励起に伴って発生する核磁気共鳴(NMR:nuclear magnetic resonance)信号から、画像を再構成する撮像法である。
磁気共鳴イメージング装置は、傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイルを有している。傾斜磁場コイルは、巻枠と呼ばれる円筒形状の枠体に、コイル(インダクタ)として作用する複数の導線や、冷却管等を配置し、これらを熱硬化性樹脂で固めることにより製造されている。
傾斜磁場コイルに使用するコイルについて、隣接する導線の間隔(パターン間距離)が略一定となるように実装した(一定型コイルパターン)場合、過渡応答時に時定数の小さい(短い)渦磁場が発生する。当該渦磁場は、MRI画像に対してノイズ又はアーチファクトを生じる原因となる。
一方、傾斜磁場コイルに使用するコイルについて、パターン間距離が非一定となるように実装した(非一定型コイルパターン)場合、上記時定数の小さい渦磁場の発生を低減することができる。つまり、一定型コイルパターンに比して渦磁場の時定数を大きくすることができる。これに伴い、MRI画像に対する悪影響(ノイズ又はアーチファクト)を低減することができる。しかしながらコイル全体のDC抵抗値が、一定型の場合に比して大きくなり、その結果発熱量が増大する。そのため、撮影上の制限(撮影時間、フレームレート等の制限)が課されることがある。
すなわち、傾斜磁場コイルの設計に際して、上記二の問題がトレードオフとして存在しているといえる。
特開2007−330777
目的は、時定数の小さい渦磁場と発熱量と関するトレードオフを解消可能な傾斜磁場コイル及び、MRI画像に対する悪影響と撮影上の制限とに関するトレードオフを解消可能な磁気共鳴イメージング装置を提供することにある。
実施形態に係る傾斜磁場コイルは、円筒型の第1の層と、前記第1の層の外径側において当該第1の層と同軸に設けられた円筒型の第2の層と、を具備する傾斜磁場コイルであって、前記第1の層は、隣接する導線の間隔を一定として指紋状に実装された少なくとも一つの第1のコイルを有し、前記第2の層は、隣接する導線の間隔を非一定として指紋状に実装された少なくとも一つの第2のコイルを有すること、を特徴とする。
図1は、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置の一例を示すブロック図である。 図2は、実施形態に係る傾斜磁場コイルの構造の一例を示す図である。 図3は、実施形態に係る傾斜磁場コイルの、インナーコイル及びアウターコイルのパターンの一例を模式的に示す図である。 図4は、実施形態に係る傾斜磁場コイルの、過渡応答時の渦磁場分布の測定結果一例を示すグラフである。 図5は、一定型コイルパターンのみから成る従来の傾斜磁場コイルの、過渡応答時の渦磁場分布の測定結果一例を示すグラフである。 図6は、非一定型コイルパターンのみから成る従来の傾斜磁場コイルの、過渡応答時の渦磁場分布の測定結果一例を示すグラフである。
以下、図面を参照しながら実施形態を説明する。なお、以下の説明において、略同一の構成を有する構成要素については、同一符号を付し、重複説明は必要な場合にのみ行う。
図1は、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1の一例を示すブロック図である。磁気共鳴イメージング装置1は、制御ユニット10、シーケンスコントローラ20、トランシーバ21、増幅ユニット30、電源ユニット31、架台40、寝台60、及び入出力ユニット70を有する。
制御ユニット10は、磁気共鳴イメージング装置1に係る動作全般の制御を担う。制御ユニット10は、例えば、メモリやハードディスク等の記憶部と、CPU(Central Processing Unit)等を有するホストコンピュータと、トランシーバ21より送信されるデータ(NMR信号に基づく電気信号)を収集するデータ収集部と、収集されたデータから、フーリエ変換を経てMRI画像を再構成する画像再構成部と、寝台60を鉛直及び水平方向に調整可能に制御する寝台制御部とを有する。但し、この限りではない。
制御ユニット10は、このような横断的な役割を有することから、実施形態においては、必要に応じて他の部分の説明と関連して補足説明を行う。
シーケンスコントローラ20は、増幅ユニット30における傾斜ドライバとトランシーバ21とに接続されており、傾斜磁場を発生させるための電気信号の送信と、RFパルスを発生させるための電気信号の送受信(トランシーバ21を介する)とに係るシーケンスを制御する。すなわち、シーケンスコントローラ20は決められたタイミングで、トリガを接続先に送信する。
トランシーバ21は、被検体が有する原子核を励起させるRFパルスを発生させるための電気信号を、増幅ユニット30におけるトランスミッタを介して、送信する。また、トランシーバ21は、RFパルスによって励起された原子核が元に戻る際に発するNMR信号に基づく電気信号を、増幅ユニット30におけるプリアンプを介して、受信する。更にトランシーバ21は、当該NMR信号に基づく電気信号を制御ユニット10に送信する。
増幅ユニット30は、傾斜ドライバ(傾斜磁場を発生させるための電気信号を増幅、送信するアンプ)、トランスミッタ(RFパルスを発生させるための電気信号を増幅、送信するアンプ)、プリアンプ(NMR信号に基づく電気信号を増幅、送信するアンプ)の総称である。傾斜ドライバは、傾斜磁場コイル50が傾斜磁場を発生するように、シーケンスコントローラ20からのトリガに同期して、電気信号を傾斜磁場コイル50に送信する。トランスミッタは、トランシーバ21のトリガに同期して、電気信号をRF送信コイル42に送信する。プリアンプは、被検体よりRF受信コイル43を介して得られたNMR信号に基づく電気信号(微弱)を増幅して、当該電気信号をトランシーバ21に送信する。
電源ユニット31は、増幅ユニットにおける各増幅器に、電圧を印加する。
架台40は、静磁場磁石41、RF送信コイル42、RF受信コイル43、及び傾斜磁場コイル50を有する。
静磁場磁石41は、中空の略円筒形状を有し、略円筒内部に静磁場を発生する。発生された磁場において、特に均一度の良い空間領域が撮像に利用される。本実施形態では、静磁場磁石41は、超伝導磁石であるとする。しかしながら超電導磁石に限らず、永久磁石や常伝導磁石を用いて実施することもできる。
ここで、静磁場磁石41の中心軸をZ軸に規定し、Z軸に対して鉛直に直交する軸をY軸と呼び、Z軸に水平に直交する軸をX軸と呼ぶことにする。すなわち、X軸、Y軸、及びZ軸は、直交3次元座標系を構成する。
RF送信コイル42は、トランスミッタからの電気信号の入力に応答して、RFパルスを被検体に送信する。RFパルスは、固有のラーモア周波数に対応する被検体の原子核を励起させる。
RF受信コイル43は、被検体有する原子核が励起状態から元に戻る際に発生されるNMR信号を受信し、当該NMR信号に基づく電子信号(微弱)をプリアンプに送信する。
なお、本実施形態では、RF送信コイル42とRF受信コイル43とを別々のコイルとしているが、同一のコイル(RFコイル)として実施してもよい。
傾斜磁場コイル50は、静磁場磁石41の内側に取り付けられ、中空の略円筒形状に形成されたコイルユニットである。傾斜ドライバからの電気信号の入力に応答して、傾斜磁場を形成する。当該傾斜磁場により、被検体内の原子核は、各原子核の位置毎に、異なるラーモア周波数を有することになる。すなわち、当該ラーモア周波数の違いにより、NMR信号から、断面の位置情報を区別することが可能となる。
なお、実施形態に係る傾斜磁場コイル50については、図2及び図3を用いて後に詳述する。
寝台60は、天板61及び天板61の高さを調整可能な不図示の調整機構を有する。制御ユニット10における寝台制御部は、天板61の高さを、当該調整機構を介して、調整可能に制御する。また、制御ユニット10における寝台制御部は、当該調整機構を介して、天板61を長手方向に移動させ、当該天板61に載置された被検体を、架台40の内側に位置する被検体配置空間に配置する。通常は、被検体の撮像部位が架台40の開口部(ボア)に設定された撮像領域に含まれるように、天板61が位置決めされる。
入出力ユニット70は、入力部と出力部とを有する。
出力部としては、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等のディスプレイデバイスが適宜利用可能である。当該ディスプレイデバイスは、制御ユニット10と接続され、例えば、撮影されたMRI画像を表示する。或いは、出力部として、上記ディスプレイデバイスにおける表示画面等を印刷可能な印刷機を利用してもよい。
入力部は、制御ユニット10と接続され、例えば、スイッチボタン、マウス、キーボード等を介して、医師等の操作者の指示入力を受け付ける。当該指示入力は、制御ユニット10におけるホストコンピュータに転送される。ホストコンピュータは当該指示入力に応じて、所定の制御や演算を実行する。例えば、操作者が出力部にて表示されているMRI画像における所定の関心領域(Region of Interest:ROI)だけに注目し、当該箇所を拡大表示したい場合を想定する。入力部は、操作者によるROIの拡大に関する指示入力を受け付ける。当該指示入力は、ホストコンピュータに転送される。ホストコンピュータは、MRI画像の拡大処理を実行する。出力部は、拡大処理の施されたMRI画像を表示する。
次に、実施形態に係る傾斜磁場コイル50の構造について説明する。
図2は、実施形態に係る傾斜磁場コイル50の構造の一例を示す図である。ここでは、実施形態に係る傾斜磁場コイル50は、シールド傾斜磁場コイル(ASGC:Actively Shielded Gradient Coil)であるものとする。
図2に示すように、傾斜磁場コイル50は、円筒型の巻枠51(円筒型ユニット)を有する。また傾斜磁場コイル50は、巻枠51の側面に沿って、巻枠51の中心軸(Z軸)から外径又は動径(半径r)方向に、順に第1の層52(インナー層)、中間層53、及び第2の層54(アウター層)を、それぞれ同軸に有する。
第1の層52は、開口部に設定された撮像領域に傾斜磁場を発生するインナーコイル52a(第1のコイル)を有する。インナーコイル52aは、X軸に沿って傾斜磁場を発生するためのXコイル、Y軸に沿って傾斜磁場を発生するためのYコイル、及びZ軸に沿って傾斜磁場を発生するためのZコイルを有する。インナーコイル52a(Xコイル、Yコイル、及びZコイル)は、例えば、銅やアルミニウム等の電気伝導性の良い金属により形成される。
中間層53は、磁場発生時において発熱した傾斜磁場コイル50を冷却するための冷媒が流れる冷却管や、磁場の空間分布を調整するための鉄シムが配置されるシムトレイを有する。
第2の層54は、インナーコイル52aから発生された傾斜磁場のうちの、外部に漏れ出した磁場(漏洩磁場)を打ち消すための磁場(遮蔽磁場)を発生するアウターコイル54a(第2のコイル)を有する。つまり、アウターコイル54aにおいては、インナーコイル52aに流れる電流と逆向きの電流が流れている。アウターコイル54aは、X軸に沿って遮蔽磁場を発生するためのXコイル、Y軸に沿って遮蔽磁場を発生するためのYコイル、及びZ軸に沿って遮蔽磁場を発生するためのZコイルを有する。アウターコイル54a(Xコイル、Yコイル、及びZコイル)は、例えば、銅やアルミニウム等の電気伝導性の良い金属により形成される。
図3は、実施形態に係る傾斜磁場コイル50における、インナーコイル52aとアウターコイル54aとが有するコイルパターンの一例を模式的に示す図である。
インナーコイル52aに関して、特にXコイル及びYコイルは、銅やアルミニウム等の電気伝導性の良い金属でできた第1の平板52bから、例えば、エンドミル等の工具を用いて不要な箇所(第1の削取部52c)を削り取ることにより、指紋状(渦巻き状)に形成される。当該コイルパターンは、隣接する導線の間隔(パターン間距離)が非一定であるように形成される(非一定型コイルパターン)。この際、時定数の小さい渦磁場がイメージングに影響を及ばさない程度(例えば、被検体が載置される開口部中心付近の渦磁場量が規定値以下となる等)のパターン間距離を、事前の検証実験を通して確認し、当該検証結果に基づいて、非一定型コイルパターンを決定及び形成することが好適である。
なお、図3に示す一例では、パターン間距離が位置毎に連続的に異なるように、コイルパターンが形成されているが、当該パターンだけに限るものではない。例えば、一部のパターン間距離だけが位置毎に連続的に異なるようにしてもよいし、或いは連続的でなく、位置毎に離散的に異なるようにしてもよい。また、上記のパターン間距離が混在したものがあってもよい。
一方Zコイルについては、Xコイル及びYコイルのパターンが形成された平板52aを円筒型に配置した側面上に、同金属製の導線を巻き付けるように実装される。しかしながら、上述のXコイル及びYコイルと同様の手法で形成してもよい。いずれの場合であれ、第1の層52は、配置された金属製の各コイルを熱硬化樹脂等によって固定することで、構成される。
アウターコイル54aに関して、特にXコイル及びYコイルは、銅やアルミニウム等の電気伝導性の良い金属でできた第2の平板54bから、例えば、エンドミル等の工具を用いて不要な箇所(第2の削取部54c)を削り取ることにより、指紋状(渦巻き状)に形成される。当該コイルパターンは、隣接する導線の間隔(パターン間距離)が略一定であるように形成される(一定型コイルパターン)。このようにパターン間距離が略一定である場合は、工具による削取作業が1度で済む(いわゆる一筆書き)。特に、発熱量(すなわちDC抵抗値)を低減させるために、製造環境下で実現しうる最小限のパターン間距離(例えば、エンドミルにとりつけるブレードを最小のものにする)を実施することが好適である。
一方Zコイルについては、Xコイル及びYコイルのパターンが形成された平板54aを円筒型に配置した側面上に、同金属製の導線を巻き付けるように実装される。しかしながら、上述のXコイル及びYコイルと同様の手法で形成してもよい。いずれの場合であれ、第2の層54は、配置された金属製の各コイルを熱硬化樹脂等によって固定することで、構成される。
次に、実施形態に係る傾斜磁場コイル50の作用について説明する。
傾斜磁場コイル50におけるインナーコイル52aは、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向それぞれに、傾斜磁場を発生する。
図4は、過渡応答時の時定数の小さい渦磁場の強度分布の測定結果一例を示すグラフである。当該グラフでは、横軸をZ方向の変位とし、縦軸を開口部の中心から外へ向かう動径(半径r)方向の変位とする。傾斜磁場コイル50は、変位に対する線形な傾斜磁場を発生することが理想的である。当該グラフにおける渦磁場強度は、上記理想的な傾斜磁場の強度と、測定実験において傾斜磁場コイル50が実際に発生した磁場強度との差として測定されている。
図中のB、B及びBは、それぞれ所定の磁場強度の範囲を表す値である。それぞれの最小値を、m(B)、m(B)及びm(B)とし、それぞれの最大値をM(B)、M(B)及びM(B)と表すとすると、0≒m(B)≦B≦M(B)=m(B)≦B≦M(B)=m(B)≦B≦M(B)を満たす。当該グラフによれば、中心から遠い位置においては、渦磁場が発生しているが、被検体が載置されるべき開口部の中心付近には、渦磁場は発生していないことが分かる。当該結果は、インナーコイル52aが、非一定型コイルパターンを有することに起因する。
一方で、アウターコイル54aは、一定型コイルパターンを有する。従って、アウターコイル54aを、非一定型コイルパターンとした場合に比して、発熱量は小さくなる(低減される)。
(効果)
以上に述べた実施形態に係る傾斜磁場コイル50及び磁気共鳴イメージング装置1によれば、次の効果を得ることができる。
実施形態に係る傾斜磁場コイル50は、非一定型コイルパターンを有するインナーコイル52と、一定型コイルパターンを有するアウターコイル54とを有する。従って、一定型コイルパターンのみから形成される従来の傾斜磁場コイルに比して、過渡応答時における渦磁場の時定数を大きくすることができる。つまり、時定数の小さい渦磁場の発生を低減することができる。また、非一定型コイルパターンのみから形成される従来の傾斜磁場コイルに比して、DC抵抗値及び当該値に起因する発熱量を低減させることができる。
すなわち、実施形態に係る傾斜磁場コイル50は、従来の傾斜磁場コイルが有する時定数の小さい渦磁場と発熱量とに関するトレードオフを解消することができる。
同様に、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1は、非一定型コイルパターンを有するインナーコイル52aと、一定型コイルパターンを有するアウターコイル54aとを備えた傾斜磁場コイル50を有する。従って、一定型コイルパターンのみから形成される傾斜磁場コイルを備えた従来の磁気共鳴イメージング装置に比して、過渡応答時における時定数の小さい(短い)渦磁場の発生に起因するMRI画像に対する悪影響(ノイズ又はアーチファクト)を低減させることができる。また、非一定型コイルパターンのみから形成される傾斜磁場コイルを備えた従来の磁気共鳴イメージング装置に比して、発熱量に起因する撮影条件の制限を緩和することができる。
すなわち、実施形態に係る磁気共鳴イメージング装置1は、従来の磁気共鳴イメージング装置が有するMRI画像に対する悪影響と撮影条件の制限とに関するトレードオフを解消することができる。
(従来技術との比較参照)
上に述べた実施形態に係る傾斜磁場コイル50の作用及び、実施形態に係る傾斜磁場コイル50及び磁気共鳴イメージング装置1の効果に関連して、従来の傾斜磁場コイルにおける渦磁場分布を比較参照する。
図5は、一定型コイルパターンのみから成る従来の傾斜磁場コイルの、過渡応答時の渦磁場分布の測定結果一例を示すグラフである。当該グラフでは、横軸をZ方向の変位とし、縦軸を開口部の中心から外へ向かう動径(半径r)方向の変位とする。傾斜磁場コイルは、変位に対する線形な傾斜磁場を発生することが理想的である。当該グラフにおける渦磁場強度は、上記理想的な傾斜磁場の強度と、測定実験において傾斜磁場コイルが実際に発生した磁場強度との差として測定されている。
図中のB、B、B、B、B及びBは、それぞれ所定の磁場の強度範囲を表す値である。それぞれの最小値を、m(B)、m(B)、m(B)、m(B)、m(B)及びm(B)とし、それぞれの最大値をM(B)、M(B)、M(B)、M(B)、M(B)及びM(B)と表すとすると、0≒m(B)≦B≦M(B)=m(B)≦B≦M(B)=m(B)≦B≦M(B)=m(B)≦B≦M(B)=m(B)≦B≦M(B)=m(B)≦B≦M(B)を満たす。当該グラフによれば、一定型コイルパターンのみから成る従来の傾斜磁場コイルは、実施形態に係る傾斜磁場コイル50に比して、時定数の小さい渦磁場分布の強度が全体的に高いことが分かる。更に、実施形態に係る傾斜磁場コイル50に比して、被検体が載置されるべき開口部の中心付近により近い位置に、時定数の小さい渦磁場が発生している。従って、一定型コイルパターンのみから成る傾斜磁場コイルを備えた従来の磁気共鳴イメージング装置を実施した場合、生成されるMRI画像には、過渡応答時にノイズ又はアーチファクトが発生する。
図6は、非一定型コイルパターンのみから成る従来の傾斜磁場コイルの、過渡応答時の渦磁場分布の測定結果一例を示すグラフである。当該グラフでは、横軸をZ方向の変位とし、縦軸を開口部の中心から外へ向かう動径(半径r)方向の変位とする。傾斜磁場コイルは、変位に対する線形な傾斜磁場を発生することが理想的である。当該グラフにおける渦磁場強度は、上記理想的な傾斜磁場の強度と、測定実験において傾斜磁場コイルが実際に発生した磁場強度との差として測定されている。
図中のB、B及びBは、それぞれ所定の磁場の強度範囲を表す値である。それぞれの最小値を、m(B)、m(B)及びm(B)とし、それぞれの最大値をM(B)、M(B)及びM(B)と表すとすると、0≒m(B)≦B≦M(B)=m(B)≦B≦M(B)=m(B)≦B≦M(B)を満たす。
非一定型コイルパターンのみから成る従来の傾斜磁場コイルは、時定数の小さい渦磁場の発生を抑える効果を有すると考えられているが、図4と図6とを比較する限り、非一定型コイルパターンのみから成る従来の傾斜磁場コイルによる渦磁場分布と、実施形態に係る傾斜磁場コイル50による渦磁場分布とには、ほとんど差異がないと分かる。
一方で、非一定型コイルパターンのみから成る従来の傾斜磁場コイルは、上述の通り実施形態に係る傾斜磁場コイル50に比して発熱量が大きい。従って、非一定型コイルパターンのみから成る傾斜磁場コイルを備えた従来の磁気共鳴イメージング装置を実施した場合、発熱量に起因する撮影上の制限(撮影時間の制限、フレームレートの制限等)を往々にして課さなければならない。
以上を鑑みると、上述した従来の傾斜磁場コイルは、実施形態に係る傾斜磁場コイル50とは異なり、時定数の小さい渦磁場と発熱量とに関するトレードオフを依然として有しているといえる。
同様に、上述した従来の磁気共鳴イメージング装置は、当該渦磁場に起因するMRI画像への悪影響と当該発熱量に起因する撮影上の制限とに関するトレードオフを依然として有しているといえる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1…磁気共鳴イメージング装置、10…制御ユニット、20…シーケンスコントローラ、21…トランシーバ、30…増幅ユニット、31…電源ユニット、40…架台、41…静磁場磁石、42…RF送信コイル、43…RF受信コイル、50…傾斜磁場コイル、51…巻枠、52…第1の層、52a…インナーコイル、52b…第1の平板、52c…第1の削取部、53…中間層、54…第2の層、54a…アウターコイル、54b…第2の平板、54c…第2の削取部、60…寝台、61…天板、70…入出力ユニット

Claims (6)

  1. 円筒型の第1の層と、前記第1の層の外径側において当該第1の層と同軸に設けられた円筒型の第2の層とを具備する傾斜磁場コイルであって、
    前記第1の層は、隣接する導線の間隔を一定として指紋状に実装された少なくとも一つの第1のコイルを有し、
    前記第2の層は、隣接する導線の間隔を非一定として指紋状に実装された少なくとも一つの第2のコイルを有すること、
    を特徴とする傾斜磁場コイル。
  2. 前記第1のコイルにおいて、前記隣接する導線の間隔は、所定の検証結果に基づいて決定されることを特徴とする請求項1記載の傾斜磁場コイル。
  3. 前記第2のコイルにおいて、前記隣接する導線の間隔は、所定の製造環境下における最小限の間隔であることを特徴とする請求項1又は2記載の傾斜磁場コイル。
  4. 前記第1のコイルの過渡応答時における渦磁場の時定数は、前記第2のコイルの過渡応答時における渦磁場の時定数に比して大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項記載の傾斜磁場コイル。
  5. 傾斜磁場発生時における前記第2のコイルの発熱量は、前記傾斜磁場発生時における前記第1のコイルの発熱量に比して小さいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項記載の傾斜磁場コイル。
  6. 円筒型の第1の層と、前記第1の層の外径側において当該第1の層と同軸に設けられた円筒型の第2の層とを有する傾斜磁場コイルを具備する磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記第1の層は、隣接する導線の間隔を一定として指紋状に実装された少なくとも一つの第1のコイルを有し、
    前記第2の層は、隣接する導線の間隔を非一定として指紋状に実装された少なくとも一つの第2のコイルを有する、
    磁気共鳴イメージング装置。
JP2015008766A 2015-01-20 2015-01-20 傾斜磁場コイル及び磁気共鳴イメージング装置 Pending JP2016131751A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015008766A JP2016131751A (ja) 2015-01-20 2015-01-20 傾斜磁場コイル及び磁気共鳴イメージング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015008766A JP2016131751A (ja) 2015-01-20 2015-01-20 傾斜磁場コイル及び磁気共鳴イメージング装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016131751A true JP2016131751A (ja) 2016-07-25

Family

ID=56434932

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015008766A Pending JP2016131751A (ja) 2015-01-20 2015-01-20 傾斜磁場コイル及び磁気共鳴イメージング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016131751A (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08252235A (ja) * 1995-03-16 1996-10-01 Toshiba Corp 磁気共鳴映像装置
US6311389B1 (en) * 1998-07-01 2001-11-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Gradient magnetic coil apparatus and method of manufacturing the same
JP2009183386A (ja) * 2008-02-05 2009-08-20 Hitachi Medical Corp 傾斜磁場コイル装置および磁気共鳴イメージング装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08252235A (ja) * 1995-03-16 1996-10-01 Toshiba Corp 磁気共鳴映像装置
US6311389B1 (en) * 1998-07-01 2001-11-06 Kabushiki Kaisha Toshiba Gradient magnetic coil apparatus and method of manufacturing the same
JP2009183386A (ja) * 2008-02-05 2009-08-20 Hitachi Medical Corp 傾斜磁場コイル装置および磁気共鳴イメージング装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP4105665B1 (en) Methods and apparatus for magnetic field shimming
JP2020078579A (ja) 低磁場磁気共鳴撮像方法及び装置
JP5675921B2 (ja) 高周波コイルおよびそれを用いた磁気共鳴撮像装置
JP2021524775A (ja) 磁気共鳴結像システム用のb0磁石の機器および方法
JP5427604B2 (ja) オープン型磁気共鳴イメージング装置
JP5502304B2 (ja) 磁気共鳴イメージング装置およびrfコイル
US20100060282A1 (en) Three-dimensional asymmetric transverse gradient coils
JPH07299048A (ja) 磁気共鳴撮像装置
JP6782562B2 (ja) 磁気共鳴画像化システムおよび方法
JP2011087904A (ja) 磁気共鳴イメージング装置
JP6153905B2 (ja) 高周波コイルおよび磁気共鳴撮像装置
US10571537B2 (en) Multi-purpose gradient array for magnetic resonance imaging
US6498947B2 (en) rf shielding method and apparatus
JP2019141226A (ja) 傾斜磁場コイル
Peng et al. Studies of the interactions of an MRI system with the shielding in a combined PET/MRI scanner
JP2010508880A (ja) Mri用の分割勾配コイル
US7230426B2 (en) Split-shield gradient coil with improved fringe-field
JP5069471B2 (ja) オープンmriシステムのための平面rf共鳴器
JP2016131751A (ja) 傾斜磁場コイル及び磁気共鳴イメージング装置
JP4201810B2 (ja) Mri装置用rfコイルおよびmri装置
JP2008125928A (ja) シムトレイ温度制御装置を備えた磁気共鳴イメージング装置
JP2016120292A (ja) 磁気共鳴イメージング装置及び磁気共鳴イメージング装置の設置方法
US20150377993A1 (en) Method and Device for Magnetic Field Correction for an NMR Machine
JP4334599B2 (ja) 磁気共鳴診断装置
US11774531B1 (en) Systems, assemblies, and methods of suppressing magnet-gradient interaction in magnetic resonance systems

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20160512

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180904

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180831

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20181105

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190305