JP2016126928A - ポリカーボネート系固体電解質及びマグネシウムイオン二次電池 - Google Patents

ポリカーボネート系固体電解質及びマグネシウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高い導電率を有するマグネシウムイオン二次電池用の固体電解質を提供することを課題とする。【解決手段】ポリエチレンカーボネート100重量部と電解質塩としてのマグネシウムの有機塩10〜900重量部とを含むマグネシウムイオン二次電池用のポリエチレンカーボネート系固体電解質により上記課題を解決する。【選択図】図3

Description

本発明は、ポリカーボネート系固体電解質及びマグネシウムイオン二次電池に関する。更に詳しくは、本発明は、高い導電率を有するマグネシウムイオン二次電池用のポリカーボネート系固体電解質、及びそれを用いたマグネシウムイオン二次電池に関する。
現在、リチウムイオン二次電池が種々の用途で使用されている。しかし、リチウムは採取可能地域が限られているため、他の金属を使用した二次電池が求められている。この内、マグネシウムは2価のイオンを生じるため、充放電容量を大きくできる可能性があり、マグネシウムイオンを利用した二次電池(マグネシウムイオン二次電池)の研究が近年行われている。
ところで、多くのリチウムイオン二次電池は、リチウム塩と有機溶媒とからなる電解液を電解質として使用している。そのため、非常時には有機溶媒の漏れによる発火が生じることがあるという課題があった。この課題を解決するために、ポリマーのマトリックスにリチウム塩と有機溶媒を保持させたポリマー固体電解質が提案されている。
マグネシウムイオン二次電池においてもこの課題を有しており、例えばSolid State Ionics 149 (2002) 115-123(非特許文献1)では、マトリックスとしてポリエチレンオキサイドを用いた固体電解質が提案されている。
Solid State Ionics 149 (2002) 115-123
ポリマー固体電解質の導電率の向上は、マグネシウム二次電池の性能向上に極めて大きな影響を与えるため、その向上が望まれていた。
本発明の発明者等は、導電率を更に向上するために固体電解質の構成部材について鋭意検討した結果、ポリエチレンオキサイドに代えてポリエチレンカーボネートを使用することで、導電率を向上できることを見い出し本発明に至った。
かくして本発明によれば、ポリエチレンカーボネート100重量部と電解質塩としてのマグネシウムの有機塩10〜900重量部とを含むマグネシウムイオン二次電池用のポリエチレンカーボネート系固体電解質が提供される。
更に、本発明によれば、一対の電極としての正極及び負極と、前記一対の電極間に位置する固体電解質とを備え、前記固体電解質が、上記ポリエチレンカーボネート系固体電解質であることを特徴とするマグネシウムイオン二次電池が提供される。
本発明によれば、高い導電率を有する、マグネシウムの有機塩を含む固体電解質、及びこの固体電荷質を含むマグネシウムイオン二次電池を提供できる。
また、本発明によれば、以下のいずれかを備えた場合、より高い導電率を有する固体電解質を提供できる。
(1)マグネシウムの有機塩が、マグネシウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド、マグネシウムビス(フルオロスルホニル)イミド、マグネシウムトリフルオロメタンスルホン酸、マグネシウムビスペンタフルオロエタンスルホニルアミド、マグネシウムビスオキサラトホウ酸及びマグネシウムジフルオロ〔トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロ−メチルプロピオナト(2−)−0,0〕ホウ酸から選択される。
(2)ポリエチレンカーボネートが、5千〜100万の数平均分子量を有する。
(3)マグネシウムの有機塩が、マグネシウムビストリフルオロメタンスルホニルアミドであり、ポリエチレンカーボネート100重量部に対して、40〜100重量部含まれる。
実施例1の固体電解質のDSC曲線である。 実施例1の固体電解質のラマンスペクトルである。 実施例1の固体電解質のインピーダンスプロットである。 実施例1の固体電解質の導電率の温度依存性を示すグラフである。 実施例1の固体電解質の導電率及び活性化エネルギーとMg(TFSA)2の含有量との関係を示すグラフである。 実施例2の固体電解質のXRDパターンである。 実施例2の固体電解質のインピーダンスプロットである。 実施例2の固体電解質の温度依存性を示すグラフである。
本発明の発明者等は、マグネシウムイオン二次電池において、電解質塩としてのマグネシウムの有機塩が、固体電解質のマトリックスを構成するポリマー種に与える影響について鋭意検討した。その結果、ポリエチレンカーボネートを使用した場合、その含有量の低下に応じて、導電率が一旦増加した後に減少し、かつガラス転移温度(Tg)は大きく変化しないことを本発明者らは意外にも見い出し本発明に至った。本発明者等は、ポリエチレンオキサイドに比べて、マグネシウムイオンに弱い力で相互作用するカーボネート結合を有するポリエチレンカーボネートが、イオン伝導に有効に働いたものと考えている。
(固体電解質)
固体電解質は、ポリエチレンカーボネート100重量部とマグネシウムの有機塩10〜900重量部とを含む。マグネシウムの有機塩の含有量が10重量部未満の場合、絶縁性となることがある。900重量部より多い場合、柔軟性が損なわれることがある。マグネシウムの有機塩の含有量は、20〜500重量部であることが好ましく、40〜100重量部であることがより好ましい。
(1)ポリエチレンカーボネート
ポリエチレンカーボネートとしては、特に限定されず、例えば、エチレンオキシドと二酸化炭素とを金属触媒の存在下で重合反応させて得られるものが挙げられる。金属触媒としては、例えば、アルミニウム触媒、亜鉛触媒等が挙げられる。これらの中でも、エチレンオキシドと二酸化炭素との重合反応において、高い重合活性を有することから、亜鉛触媒が好ましく用いられ、亜鉛触媒の中でも、有機亜鉛触媒が好ましく用いられる。
有機亜鉛触媒としては、例えば、酢酸亜鉛、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛等の有機亜鉛触媒;一級アミン、2価のフェノール、2価の芳香族カルボン酸、芳香族ヒドロキシ酸、脂肪族ジカルボン酸、脂肪族モノカルボン酸等の化合物と亜鉛化合物とを反応させることにより得られる有機亜鉛触媒等が挙げられる。これらの有機亜鉛触媒の中でも、より高い重合活性を有することから、亜鉛化合物と、脂肪族ジカルボン酸と、脂肪族モノカルボン酸とを反応させて得られる有機亜鉛触媒であることが好ましい。
重合反応に用いられる金属触媒の使用量は、エチレンオキシド100重量部に対して、0.001〜20重量部であることが好ましい。金属触媒の使用量が0.001重量部未満の場合、重合反応が進行しにくくなることがある。また、金属触媒の使用量が20重量部を超える場合、使用量に見合う効果がなく経済的でなくなることがある。使用量は0.01〜10重量部であることがより好ましい。
重合反応において、エチレンオキシドと二酸化炭素とを金属触媒の存在下で反応させる方法としては、特に限定されない。例えば、オートクレーブに、前記エチレンオキシド、金属触媒、及び必要により反応溶媒を仕込み、混合した後、二酸化炭素を圧入して、反応させる方法が挙げられる。
重合反応において必要に応じて用いられる反応溶媒としては、特に限定されるものではなく、種々の有機溶媒を用いることができる。有機溶媒としては、具体的には、例えば、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;クロロメタン、メチレンジクロリド、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、エチルクロリド、トリクロロエタン、1−クロロプロパン、2−クロロプロパン、1−クロロブタン、2−クロロブタン、1−クロロ−2−メチルプロパン、クロロベンゼン、ブロモベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられる。
反応溶媒の使用量は、反応を円滑にさせる観点から、エチレンオキシド100重量部に対して、300〜10000重量部であることが好ましい。
前記重合反応において用いられる二酸化炭素の使用圧力は、特に限定されないが、20MPa以下であることが好ましい。二酸化炭素の使用圧力が20MPaを超える場合、使用圧力に見合う効果がなく経済的でなくなることがある。使用圧力は0.1〜10MPaであることがより好ましく、0.1〜5MPaであることが更に好ましい。
重合反応における重合反応温度は、特に限定されないが、30〜100℃であることが好ましい。重合反応温度が30℃未満の場合、重合反応に長時間を要することがある。また、重合反応温度が100℃を超える場合、副反応が起こり、収率が低下することがある。重合反応温度は40〜80℃であることがより好ましい。重合反応時間は、重合反応温度により異なるために一概にはいえないが、通常、2〜40時間であることが好ましい。
重合反応において、必要に応じて分子量を制御する目的で、活性プロトンを有する化合物の存在下で反応させることができる。活性プロトンを有する化合物としては、例えば、水、メタノール、エタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類;酢酸、プロピオン酸、安息香酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、テレフタル酸等のカルボン酸類;フェノール、p−クレゾール、ヒドロキノン等のフェノール類が挙げられる。
これらの活性プロトンを有する化合物は非存在下でも、1種以上の化合物の存在下でも反応させることができる。
前記の活性プロトンを有する化合物の存在量は、エチレンオキシド100重量部に対して20重量部以下であることが好ましく、10重量部以下であることがより好ましい。活性プロトンを有する化合物の存在量が20重量部を超える場合、重合反応が進行しにくくなる恐れがある。
重合反応終了後は、ろ過等によりろ別し、必要により溶媒等で洗浄後、乾燥させることにより、ポリエチレンカーボネートを得ることができる。
ポリエチエチレンカーボネートの数平均分子量(ポリスチレン換算)は、5千〜100万であることが好ましい。ポリエチレンカーボネートの数平均分子量が5千未満の場合、固体電解質の粘性が低くなり、形状保持が困難になる恐れがある。また、100万を超える場合、マグネシウムの有機塩との相溶性が暗化する恐れがある。より好ましい数平均分子量は1万〜50万である。なお、数平均分子量は、上記製造条件中、反応系中に含まれる活性プロトンを有する化合物の存在量を多くすることで小さく、反応系中に含まれる活性プロトンを有する化合物の存在量を少なくすること、及び/又は触媒の使用量を少なくすることで大きく調整できる。数平均分子量の測定法を下記する。
ポリエチレンカーボネート濃度が0.5重量%のクロロホルム溶液を調製し、高速液体クロマトグラフを用いて得られた測定値を、同一条件で測定した数平均分子量が既知のポリスチレンのデータと比較することにより、数平均分子量を算出する。なお、測定条件は、以下の通りである。
機種:HLC−8020
カラム:GPCカラム
(東ソー社製、TSK GEL Multipore HXL−M)
カラム温度:40℃
溶出液:クロロホルム
流速:1mL/分
(2)マグネシウムの有機塩
マグネシウムの有機塩としては、特に限定されず、二次電池用の電解質塩として知られているものをいずれも使用できる。マグネシウムの有機塩としては、例えば、マグネシウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド、マグネシウムビス(フルオロスルホニル)イミド、マグネシウムトリフルオロメタンスルホン酸、マグネシウムビスペンタフルオロエタンスルホニルアミド、マグネシウムビスオキサラトホウ酸、マグネシウムジフルオロ〔トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロ−メチルプロピオナト(2−)−0,0〕ホウ酸等が挙げられる。
上記マグネシウムの有機塩の内、マグネシウムビストリフルオロメタンスルホニルアミドが好ましい。マグネシウムビストリフルオロメタンスルホニルアミドを使用する場合、より導電率を向上させる観点から、マグネシウムビストリフルオロメタンスルホニルアミドは、ポリエチレンカーボネート100重量部に対して、40〜100重量部含まれることが好ましい。
(3)その他の成分
固体電解質には、本発明の効果を損なわない範囲で、マグネシウムの無機塩、溶媒、導電材等の他の成分が含まれていてもよい。
マグネシウムの無機塩としては、Mg0.7(Zr0.85Nb0.154624、MgBr2、MgCl2、MgI2、Mg(SCN)2、Mg(BF42、Mg(AsF42、Mg(ClO42、Mg(PF62、MgS−P25等が挙げられる。
溶媒としては、アセトン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート、アセトニトリル、トルエン、テトラヒドロフラン、ニトロトルエン、シクロヘキサノン、トリグライム、テトラグライム、エチルイソプロピルスルフォン等が挙げられる。
導電材としては、アセチレンブラック、デンカブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラックやカーボンナノチューブ、天然黒鉛、人工黒鉛、気相成長カーボンファィバ(VGCF)等が挙げられる。
(4)固体電解質の製造方法
固体電解質の製造方法としては、例えば、(i)ポリエチレンカーボネートとマグネシウムの有機塩とを溶媒に混合して混合液を得、混合液を基材上に塗布し、得られた塗膜を乾燥させる方法、(ii)混合液を型枠に流した後、乾燥させる方法、(iii)熔融したポリエチレンカーボネートにマグネシウムの有機塩を加えて混錬し、得られた混錬物を膜状に押し出す方法、等が挙げられる。(i)及び(ii)の方法において、ポリエチレンカーボネートとマグネシウムの有機塩は溶媒に溶解してもよく、溶解せずに分散してもよい。
(マグネシウムウムイオン二次電池)
マグネシウムウムイオン二次電池は、一対の電極としての正極及び負極と、前記一対の電極間に位置する固体電解質とを備えている。電池を構成する固体電解質には、上記ポリエチレンカーボネート系固体電解質が使用される。
(1)正極
正極としては、正極活物質が含まれていれば特に限定されない。正極活物質としては、マグネシウムイオンを可逆的に挿入・脱離することができるものであればよく、例えば、フッ化黒鉛((CF)n)、二酸化マンガン(MnO2)等のマンガン酸化物、五酸化ニバナジウム(V25)等のバナジウム酸化物、硫黄及び硫黄化合物、マグネシウム銅酸化物(MgxCuyz)、マグネシウム鉄酸化物(MgxFeyz)、シェブレル化合物等が挙げられる。
正極には導電材が含まれていてもよい。導電材としては、特に限定されず、アセチレンブラック(AB)、デンカブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラックやカーボンナノチューブ、天然黒鉛、人工黒鉛、気相成長カーボンファィバ(VGCF)等の二次電池の分野で導電材として使用されている炭素材料が挙げられる。また、ポリフッ化ビニリデンのような結着材が含まれていてもよい。
正極は、集電体を備えていてもよい。集電体としては、例えば、アルミニウム板、金板、白金板等が挙げられる。
(2)負極
負極としては、負極活物質が含まれていれば特に限定されない。負極活物質としては、マグネシウムイオンを供給することができればよく、金属マグネシウム、各種マグネシウム合金等が挙げられる。
負極には、正極と同様、導電材や結着材が含まれていてもよい。また、負極は、正極と同様、集電体を備えていてもよい。この集電体には金属マグネシウムやマグネシウム合金も使用でき、その場合、負極活物質は集電体も兼ねることになる。
(3)二次電池の製造方法
二次電池の製造方法としては、特に限定されず、正極又は負極上に固体電解質を載置し、残りの負極又は正極を固体電解質上に載置する方法が挙げられる。また、正極、固体電解質及び負極を1単位とし、これを複数単位積層することで、二次電池の容量や電圧を向上させることも可能である。
正極、固体電解質及び負極からなる単位は、二次電池の取扱性を向上させるために、金属製の缶により封止されていてもよく、樹脂製の袋により封止されていてもよい。
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによりなんら制限されるものではない。
実施例1
(ポリエチレンカーボネートの製造)
攪拌機、窒素ガス導入管、温度計、還流冷却管を備えた300mL容の四つ口フラスコに、酸化亜鉛8.1g(100ミリモル)、グルタル酸12.7g(96ミリモル)、酢酸0.1g(2ミリモル)及びトルエン130g(150mL)を仕込んだ。次に、反応系内を窒素雰囲気に置換した後、55℃まで昇温し、同温度で4時間攪拌して反応させた。その後、110℃まで昇温し、さらに同温度で4時間攪拌して共沸脱水させ、水分のみを除去した後、室温まで冷却して、有機亜鉛触媒を含む反応液を得た。
この反応液の一部を分取し、ろ過して得た有機亜鉛触媒について、IRを測定(サーモニコレージャパン社製、商品名:AVATAR360)した結果、カルボン酸基に基づくピークは認められなかった。
攪拌機、ガス導入管、温度計を備えた1L容のオートクレーブの系内をあらかじめ窒素雰囲気に置換した後、上記有機亜鉛触媒を含む反応液8.0mL(有機亜鉛触媒を1.0g含む)、ヘキサン131g(200mL)、エチレンオキシド35.2g(0.80モル)を仕込んだ。次に、攪拌下、反応系内が1.5MPaとなるまで二酸化炭素を充填した。その後、60℃に昇温し、反応により消費される二酸化炭素を補給しながら6時間重合反応を行なった。
反応終了後、オートクレーブを冷却して脱圧し、ろ過した後、減圧乾燥してポリエチレンカーボネート68.4gを得た。
得られたポリエチレンカーボネートは、下記の物性を有することから同定することができた。
IR(KBr):1740、1447、1386、1217、1029、785(単位は全てcm-1
また、得られたポリエチレンカーボネートの数平均分子量は、67700であった。
(固体電解質の製造)
上記ポリエチレンカーボネート(PEC)100重量部をアセトニトリル1000重量部に溶解したPEC溶液を7つ作製した。得られた7つのPEC溶液のそれぞれに、マグネシウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド(Mg(TFSA)2)を、10重量部、30重量部、50重量部、70重量部、80重量部、100重量部及び120重量部溶解して固体電解質形成用溶液を得た。固体電解質形成用溶液を18mmの深さ、直径41mmの円形状底面を有する容器に流し込み、常圧下、60℃でアセトニトリルを除去することで、7つの固体電解質を得た。得られた固体電解質は、Mg(TFSA)2の含有量にかかわらず、透明な自立膜であった。
得られた固体電解質の内、Mg(TFSA)2含有量が10重量部、50重量部、80重量部及び100重量部のもののDSC曲線を図1(最下の曲線はPECのみのもの)に、50重量部、80重量部及び100重量部のもののラマンスペクトルを図2(PECのみ及びMg(TFSA)2のみのラマンスペクトルも併せて示す)に、80重量部のもののインピーダンスプロットを図3(一対のSUSに挟んで測定)に、50重量部、80重量部及び100重量部のものの導電率の温度依存性を図4に、60℃での導電率及び活性化エネルギーとMg(TFSA)2の含有量との関係を図5に示す。
図1では、Mg(TFSA)2の含有量の増加によるDSC曲線の変化は観察されないことから、固体電解質のTgは急激に上昇しないと理解される。
図2では、固体電解質中のTFSAのピーク(741cm-1付近)が、Mg(TFSA)2のみのピークより短波長側にシフトしていることが示されている。このことからこれは固体電解質中でMg(TFSA)2がMg2+イオンとTFSA-イオンとに解離して存在していると推定される。このMg2+イオンが導電率の向上に寄与していると考えられる。
図3では、低周波数側にイオンブロッキング挙動由来のスパイクが示されており、固体電解質がイオン伝導体であることが分かる。
図4では、Mg(TFSA)2の含有量が80重量部の固体電解質が、50重量部及び100重量部のものより、どの温度域でも高い導電率を有することが示されている。
図5では、導電率及び活性化エネルギーがピークを示すMg(TFSA)2の含有量の範囲が存在することが示されている。
実施例2
実施例1と同様にして、Mg(TFSA)2を80重量部含む固体電解質形成用溶液を得た。得られた溶液に、無機固体電解質材料であるMg0.7(Zr0.85Nb0.154624で表されるマグネシウムの無機塩を混合して、混合液を得た(PEC:無機塩=60:40(体積比))。得られた混合液を実施例1と同様にしてアセトニトリルを除去することで、固体電解質を得た。
なお、Mg0.7(Zr0.85Nb0.154624は、次の手順で作製した。即ち、MgHPO4・3H2OとZrO(NH32・2H2OとNb25とNH42PO4とをモル比0.7:3.4:0.3:5.3で混合し、次いで、空気中、300℃で5時間熱処理した。熱処理後、ペレット状に加圧成形した。得られたペレットを、空気中、1200℃で12時間熱処理することで、Mg0.7(Zr0.85Nb0.154624を得た。Mg0.7(Zr0.85Nb0.154624であることはXRDパターンを測定することにより確認した。
なお、Mg0.7(Zr0.85Nb0.154624の作製は、N. Imanaka et al., Electrochem. Solid-State Lett., 3 (2000) 327.に記載された内容を参照しつつ行った。
得られた固体電解質のXRDパターンを図6(Mg0.7(Zr0.85Nb0.154624のみ及びMg0.7(Zr0.85Nb0.154624を含まないMg(TFSA)2を80重量部含む固体電解質のみパターンも併せて示す)に、インピーダンスプロットを図7(一対のSUSに挟んで80℃で測定)に、導電率の温度依存性を図8に示す。
図6では、実施例2の固体電解質のパターンが、Mg0.7(Zr0.85Nb0.154624のみパターンと、Mg0.7(Zr0.85Nb0.154624を含まないMg(TFSA)2を80重量部含む固体電解質のみパターンとを合わせたものに対応しており、ピークの移動が見られなかったことから、Mg0.7(Zr0.85Nb0.154624は変化していないことが分かる。
図7では、低周波数側にイオンブロッキング挙動由来のスパイクが示されており、固体電解質がイオン伝導体であることが分かる。
図8では、Mg0.7(Zr0.85Nb0.154624を含むことで、未含有の固体電解質より導電率が低下するものの、Mg0.7(Zr0.85Nb0.154624焼結体と比べて約4桁高い導電率を示すことが分かる。

Claims (5)

  1. ポリエチレンカーボネート100重量部と電解質塩としてのマグネシウムの有機塩10〜900重量部とを含むマグネシウムイオン二次電池用のポリエチレンカーボネート系固体電解質。
  2. 前記マグネシウムの有機塩が、マグネシウムビストリフルオロメタンスルホニルアミド、マグネシウムビス(フルオロスルホニル)イミド、マグネシウムトリフルオロメタンスルホン酸、マグネシウムビスペンタフルオロエタンスルホニルアミド、マグネシウムビスオキサラトホウ酸及びマグネシウムジフルオロ〔トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロ−メチルプロピオナト(2−)−0,0〕ホウ酸から選択される請求項1に記載のポリエチレンカーボネート系固体電解質。
  3. 前記ポリエチレンカーボネートが、5千〜100万の数平均分子量を有する請求項1又は2に記載のポリエチレンカーボネート系固体電解質。
  4. 前記マグネシウムの有機塩が、マグネシウムビストリフルオロメタンスルホニルアミドであり、前記ポリエチレンカーボネート100重量部に対して、40〜100重量部含まれる請求項1〜3のいずれか1つに記載のポリエチレンカーボネート系固体電解質。
  5. 一対の電極としての正極及び負極と、前記一対の電極間に位置する固体電解質とを備え、前記固体電解質が、請求項1〜4のいずれか1つに記載のポリエチレンカーボネート系固体電解質であることを特徴とするマグネシウムイオン二次電池。
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