JP2016126296A - ズームレンズ及び撮像装置 - Google Patents

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Yoshito Iwazawa
嘉人 岩澤
高橋 純
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【課題】望遠端における焦点距離をより長くしたときも、小型化を図りつつズーム全域における良好な結像性能を得ることができ、且つ、迅速なフォーカシングを実現することのできるズームレンズ及び撮像装置を提供する。【解決手段】物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、最も像面側に配置される最終レンズ群G5とを少なくとも備え、最終レンズ群G5を像面IMG側に移動させることで、無限遠から近接物体への合焦を行い、最終レンズ群の横倍率、最終レンズと空気間隔を隔てて物体側に配置されたレンズ群の横倍率が、所定の条件式を満足する。【選択図】図1

Description

本件発明は、ズームレンズ及び撮像装置に関し、特に、デジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の固体撮像素子を用いた撮像装置に好適なズームレンズ及び当該ズームレンズを備えた撮像装置に関する。
従来より、デジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ等の固体撮像素子を用いた撮像装置が普及している。また、近年では、レンズ交換システムにおける撮像光学系の小型化等に伴い、レンズ交換式撮像装置の普及も進んでいる。
レンズ交換式撮像装置の交換レンズには、焦点距離が固定の単焦点レンズと、焦点距離が可変のズームレンズとに大別される。ズームレンズは、複数のレンズ群を備え、変倍時に各レンズ群を移動させるための移動機構も備えるため、単焦点レンズと比較すると大型化する傾向にある。このため、ズームレンズはズーム全域における良好な結像性能の実現と共に、全長方向及び径方向の小型化が求められている。特に、望遠端における焦点距離の長い望遠系ズームレンズではこれらに対する要望が大きい。
このような要望に対して、例えば、特許文献1では、正・負・正・正・負の5群構成を採用し、所定の条件式を満足させることにより、テレフォト比が小さく、光学全長の短い望遠系ズームレンズを実現することが提案されている。この特許文献1に記載の望遠系ズームレンズでは、変倍時における収差変動が抑制されており、ズーム全域において良好な結像性能が得られている。これと同時に、第1レンズ群を構成するレンズの径が小さく、全長方向と共に径方向の小型化も図られている。
特開2003−344768号公報
しかしながら、特許文献1に記載の望遠系ズームレンズでは、最終レンズ群の望遠端における横倍率が小さく、望遠端における光学全長も幾分長い。また、望遠端における焦点距離をより長くした場合、第1レンズ群を構成するレンズの径が大きくなり、フォーカシングの際のフォーカス群の移動量が大きくなることが考えられる。このとき、特許文献1に記載の望遠系ズームレンズのように、フロントフォーカス方式によりフォーカシングを行うと、フォーカス群の移動量及び重量の増大に伴い、迅速なフォーカシングを行うことが困難になると共に、フォーカシングの際の収差変動が問題となる。
本発明の課題は、望遠端における焦点距離をより長くしたときも、小型化を図りつつズーム全域における良好な結像性能を得ることができ、且つ、迅速なフォーカシングを実現することのできるズームレンズ及び撮像装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本件発明に係るズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、最も像面側に配置される最終レンズ群とを少なくとも備え、前記最終レンズ群を像面側に移動させることで、無限遠から近接物体への合焦を行い、以下の条件式(1)及び条件式(2)を満足することを特徴とする。
以下の条件式(1)及び条件式(2)を満足することを特徴とするズームレンズ。
(1)−15.0 < 1−(βrt×βrt ) < −8.0
(2) 0.05 < βft
但し、条件式(1)及び条件式(2)において、
βrtは、最終レンズ群の望遠端での無限遠合焦時における横倍率であり、
βftは、最終レンズと空気間隔を隔てて物体側に配置されたレンズ群の無限遠合焦時における横倍率である。
本件発明に係るズームレンズは、前記最終レンズ群より物体側に配置される正の屈折力を有するレンズ群の中に、以下の条件式(3)を満足する正レンズが少なくとも1枚含まれることが好ましい。
(3)ΔPgF > 0.018
但し、条件式(3)において、
ΔPgFは、C7(部分分散比0.5393、νd:60.49)及びF2(部分分散比0.5829、νd:36.30)の部分分散比とνdの座標を通る直線を基準線としたときの、部分分散比の基準線からの偏差である。
本件発明に係るズームレンズにおいて、前記第1レンズ群は、以下の条件式(4)を満足する負レンズを少なくとも1枚含むことが好ましい。
(4)|ΔPgF| < 0.012
但し、条件式(4)において、
ΔPgFは、C7(部分分散比0.5393、νd:60.49)及びF2(部分分散比0.5829、νd:36.30)の部分分散比とνdの座標を通る直線を基準線としたときの、部分分散比の基準線からの偏差である。
本件発明に係るズームレンズにおいて、前記最終レンズ群は、以下の条件式(5)を満足する負レンズを少なくとも1枚含むことが好ましい。
(5)νd > 56
但し、条件式(5)において、
νdは、d線におけるアッベ数である。
本件発明に係るズームレンズにおいて、前記第2レンズ群の像面側に、変倍中可変の空気間隔を隔てて配置される正の屈折力を有する第3レンズ群と、前記最終レンズ群の物体側に、変倍中可変の空気間隔を隔てて配置される正の屈折力を有する第4レンズ群とを備え、当該ズームレンズは、物体側から順に配置される第1レンズ群から最終レンズ群までの5つのレンズ群から構成されることが好ましい。
本件発明に係るズームレンズにおいて、広角端状態から望遠端に変倍する際に前記第2レンズ群が固定されていることが好ましい。
本件発明に係るズームレンズにおいて、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
(6) 0.60 < f1/√(fw×ft) < 1.20
但し、条件式(6)において、
f1は、第1レンズ群の焦点距離であり、
fwは、広角端での焦点距離であり、
ftは、望遠端での焦点距離である。
本件発明に係る撮像装置は、前記ズームレンズの像面側に、前記ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子を備えたことを特徴とする。
本件発明によれば、望遠端における焦点距離をより長くしたときも、小型化を図りつつズーム全域における良好な結像性能を得ることができ、且つ、迅速なフォーカシングを実現することのできるズームレンズ及び撮像装置を提供することができる。
本件発明の実施例1のズームレンズのレンズ構成例を示す断面図である。 実施例1のズームレンズの広角端状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例1のズームレンズの中間焦点距離状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例1のズームレンズの望遠端状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 本件発明の実施例2のズームレンズのレンズ構成例を示す断面図である。 実施例2のズームレンズの広角端状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例2のズームレンズの中間焦点距離状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例2のズームレンズの望遠端状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 本件発明の実施例3のズームレンズのレンズ構成例を示す断面図である。 実施例3のズームレンズの広角端状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例3のズームレンズの中間焦点距離状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例3のズームレンズの望遠端状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 本件発明の実施例4のズームレンズのレンズ構成例を示す断面図である。 実施例4のズームレンズの広角端状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例4のズームレンズの中間焦点距離状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。 実施例4のズームレンズの望遠端状態における無限遠合焦時の球面収差図、非点収差図及び歪曲収差図である。
以下、本件発明に係るズームレンズ及び撮像装置の実施の形態を説明する。
1.ズームレンズ
1−1.光学系の構成
本件発明に係るズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、最も像面側に配置される最終レンズ群とを少なくとも備え、前記最終レンズ群を像面側に移動させることで、無限遠から近接物体への合焦を行い、以下の条件式(1)及び条件式(2)を満足することを特徴とする。まず、本件発明に係るズームレンズの光学系の構成について説明する。
本件発明に係るズームレンズでは、最も物体側に配置され、正の屈折力を有する第1レンズ群と、この第1レンズ群の像面側に配置され、負の屈折力を有する第2レンズ群と、当該光学系を構成するレンズ群の中で最も像面側に配置される最終レンズ群とを備えていればよく、これらのレンズ群以外に他のレンズ群を備えていてもよい。
本件発明では、物体側に正の屈折力を有する第1レンズ群を配置し、最も像面側に負の屈折力を有する最終レンズ群を配置することにより、テレフォト比を強めることができ、望遠端における光学全長を短くすることができる。以下、各レンズ群のレンズ構成等について説明する。
(1)第1レンズ群
第1レンズ群は正の屈折力を有するレンズ群であり、その具体的なレンズ構成は特に限定されるものではないが、本件発明の課題を解決する上で、後述する条件式(4)を満足する負レンズを少なくとも1枚含むことが好ましい。また、第1レンズ群の焦点距離は、後述する条件式(6)を満足することが好ましい。これらの条件式については後述する。
(2)第2レンズ群
第2レンズ群は負の屈折力を有するレンズ群であり、その具体的なレンズ構成は特に限定されるものではない。
(3)最終レンズ群
最終レンズ群は、上述したとおり、当該ズームレンズの光学系において、最も像面側に配置されるレンズ群であり、無限遠から近接物体への合焦の際に像面側に移動するフォーカス群である。当該光学系において、最終レンズ群は、比較的径及び重量の小さいレンズで構成することができ、フォーカス群の小型化及び軽量化を図ることができる。また、上述の光学構成を採用すると共に、最終レンズ群をフォーカス群とすることにより、望遠端においてより長い焦点距離を実現した場合にもフォーカス群の移動量が大きくなるのを抑制することができる。このため、迅速なフォーカシングが可能になる。
さらに、本件発明に係るズームレンズにおいて、最終レンズ群は、その物体側と像面側にそれぞれ1枚ずつ負レンズを備えることが好ましい。当該レンズ構成を採用することにより、最終レンズ群に大きな負の屈折力を持たせることができ、テレフォト比を強めることができる。これと同時に、倍率色収差を良好に補正することができ、結像性能の優れたズームレンズとすることができる。
(4)第3レンズ群及び第4レンズ群
本件発明に係るズームレンズは、上記第1レンズ群、第2レンズ群及び最終レンズ群を備えていればよく、第2レンズ群と最終レンズ群との間に他のレンズ群を備えていてもよい。
例えば、第2レンズ群の像面側に、変倍中可変の空気間隔を隔てて配置される正の屈折力を有する第3レンズ群を配置し、前記最終レンズ群の物体側に、変倍中可変の空気間隔を隔てて配置される正の屈折力を有する第4レンズ群を配置してもよい。
このように正の屈折力を有する第1レンズ群、負の屈折力を有する第2レンズ群、正の屈折力を有する第3レンズ群、正の屈折力を有する第4レンズ群及び負の屈折力を有する最終レンズ群の5群構成とすることにより、テレフォト比を強め、望遠端における光学全長を短くすることが容易になる。また、正・負・正・正・負の5群構成とすることで、要求される光学性能等を満足させると共に、最小限のレンズ群構成とすることができ、広角端から望遠端にかけての光学全長の差が大きくなるのを防止することができる。その結果、ズーミングの際に鏡筒を伸縮させるためのカム構造等を簡易に構成することができ、鏡筒構造が複雑化するのを防いで、鏡筒全体の小型化を図ることができる。
(5)絞り
本件発明に係るズームレンズにおいて、絞りの配置は特に限定されるものではない。絞りが光学系内のどの位置に配置された場合であっても、本件発明に係る光学的効果を得ることができる。また、当該絞りは、像面に対して固定であってもよいし、移動可能に構成されてもよい。
1−2.変倍時の動作
次に、本件発明に係るズームレンズの変倍時における動作を説明する。当該ズームレンズでは、各レンズ群間の空気間隔を変化させて変倍するが、変倍時の各レンズ群の具体的な動作は特に限定されるものではない。しかしながら、本件発明の課題を解決する上で、広角端から望遠端にかけて変倍する際に、各レンズ群の動作は以下のとおりであることが好ましい。
(1)第1レンズ群
第1レンズ群は、広角端から望遠端への変倍の際に、第2レンズ群との間隔が広くなるように、物体側に移動することが好ましい。第1レンズ群は固定群であってもよいが、広角端から望遠端への変倍の際に物体側に移動させることで、望遠端において、より長い焦点距離を実現すると共に、光学全長をより短くすることが容易になる。
(2)第2レンズ群
第2レンズ群は、広角端から望遠端への変倍の際に移動する移動群であってもよいが、ズーミングの際に鏡筒を伸縮させるためのカム構造等を簡易に構成することができ、鏡筒構造が複雑化するのを防いで、鏡筒全体の小型化を図るという観点から、第2レンズ群は変倍時に固定の固定群であることが好ましい。
(3)第3レンズ群
本件発明に係るズームレンズが、上述の正の屈折力を有する第3レンズ群を備える場合、広角端から望遠他への変倍の際に、第2レンズ群と第3レンズ群との間隔が狭くなるように移動することが好ましく、第2レンズ群が固定されている場合、第3レンズ群は物体側に移動することが好ましい。第3レンズ群がこのように移動することで、望遠端において、より長い焦点距離を実現すると共に、ズーミングの際の収差変動を抑制して、ズーム域全域において良好な結像性能を得ることができる。
(4)最終レンズ群
広角端から望遠端への変倍の際には、最終レンズ群が物体側に移動することが好ましい。広角端から望遠端への変倍の際に、最終レンズ群を物体側に移動させることにより、望遠端における最終レンズ群の横倍率を大きくすることができ、望遠端における光学全長を短くすることが容易になる。
1−3.条件式
次に、各条件式について説明する。上述したとおり、当該光学系は、上記構成を採用すると共に、下記条件式(1)及び条件式(2)を満足することを特徴とする。
(1)−15.0 < 1−(βrt×βrt ) < −8.0
(2) 0.05 < βft
但し、条件式(1)及び条件式(2)において、
βrtは、最終レンズ群の望遠端での無限遠合焦時における横倍率であり、
βftは、最終レンズと空気間隔を隔てて物体側に配置されたレンズ群の無限遠合焦時における横倍率である。
1−2−1.条件式(1)
条件式(1)は、フォーカス群である最終レンズ群のフォーカシングの際の移動量とピント位置の移動量との比を規定する式である。すなわち、ピント敏感度を規定する式である。本件発明に係るズームレンズでは、最終レンズ群をフォーカス群としており、フォーカス群の像面側に、他のレンズ群が存在しない。フォーカス群の像面側に他のレンズ群が存在する場合、ピント敏感度はこの条件式(1)の数値に対して、他のレンズ群の横倍率の二乗を乗じた値になる。従って、フォーカス群の像面側に負の屈折力を有するレンズ群が存在する場合、負の屈折力を有するレンズ群の横倍率は1より大きく、ピント敏感度が高くなり過ぎる場合がある。しかしながら、本件発明に係るズームレンズでは、最終レンズ群をフォーカス群としているため、ピント敏感度が他のレンズ群により変動することがない。そして、条件式(1)を満足させることにより、ピント敏感度を適切な範囲内にすることができ、フォーカシングの際の最終レンズ群の移動量を短くすることができ当該ズームレンズの小型化を図ることができる。また、フォーカシングの際の収差変動を抑制することができるため、物体距離によらず結像性能の高いズームレンズを得ることができる。
一方、条件式(1)の数値が下限値以下になると、すなわちピント敏感度が高くなりすぎると、フォーカシングの際に、最終レンズ群の位置を高精度に制御する必要があり、位置制御が困難になる。また、フォーカス群の横倍率が高くなりすぎるため、フォーカス群による拡大効果が大きくなり過ぎて、収差変動が大きくなる。このため、フォーカス全域において良好な結像性能を得るためには、収差補正に要するレンズ枚数が増加し、ズームレンズが大型化するため好ましくない。これに対して、条件式(1)の数値が上限値以上になると、すなわちピント感度が小さくなると、フォーカシングの際の最終レンズ群の移動量が大きくなりすぎるとともに、フォーカス群の横倍率が高くなりすぎるため、テレフォト比が弱くなり、当該ズームレンズの小型化を図ることが困難になる。
1−2−2.条件式(2)
上記条件式(2)は、最終レンズ群の物体側に配置されたレンズ群の横倍率を規定する式である。ここで、最終レンズ群の物体側に配置されたレンズ群とは、第2レンズ群と最終レンズ群との間に他のレンズ群が存在しない場合は第2レンズ群を意味し、他のレンズ群が設けられた場合には、最終レンズ群の物体側に隣接するレンズ群を意味する。条件式(2)を満足する場合、すなわち最終レンズ群の物体側に配置されたレンズ群(以下、「物体側レンズ群」と称する。)に入射する光束が収束光である場合、当該物体側レンズ群から射出する光束も収束光となることを意味する。この場合、最終レンズ群の物体側に配置されたレンズ群における光束の角度変化の割合が小さいため、当該物体側レンズ群で発生する収差量も小さくできる。そのため、最終レンズ群の横倍率が大きく、最終レンズ群による拡大効果が大きい場合でも、ズームレンズ全体での収差発生量を小さくすることができ、結像性能の高いズームレンズを得ることができる。
これらの効果を得る上で、本件発明に係るズームレンズは、下記の条件式(2)’を満足することが好ましく、条件式(2)’’を満足することがより好ましく、条件式(2)’’’を満足することがさらに好ましく、条件式(2)’’’’を満足することが最も好ましい。
(2)’ 0.05 < βft< 0.60
(2)’’ 0.07 < βft< 0.56
(2)’’’ 0.08 < βft< 0.50
(2)’’’’ 0.08 < βft< 0.40
1−2−3.条件式(3)
本件発明に係るズームレンズにおいて、最終レンズ群より物体側に配置される正の屈折力を有するレンズ群の中に、以下の条件式(3)を満足する正レンズが少なくとも1枚含まれることが好ましい。ここで、条件式(3)を満足する正レンズを含む正の屈折力を含むレンズ群は、最終レンズ群よりも物体側に配置される正の屈折力を有するレンズ群であればよく、第1レンズ群であってもよいし、上述した第3レンズ群及び/又は第4レンズ群であってもよい。
(3)ΔPgF > 0.018
但し、条件式(3)において、
ΔPgFは、C7(部分分散比0.5393、νd:60.49)及びF2(部分分散比0.5829、νd:36.30)の部分分散比とνdの座標を通る直線を基準線としたときの、部分分散比の基準線からの偏差である。
上記条件式(3)は、正の屈折力を有するレンズ群に配置される正レンズの異常分散性を規定する式である。条件式(3)を満足することで、軸上色収差の発生を抑えることができ、高い結像性能を有するズームレンズを得ることができる。当該条件式(3)を満足する正レンズは、最終レンズ群よりも物体側に配置される正の屈折力を有するレンズ群であれば、いずれのレンズ群に配置されてもよい。最終レンズ群よりも物体側に配置される正の屈折力を有するレンズ群が第1レンズ群のみである場合には、第1レンズ群内に条件式(3)を満足する正レンズが配置されることが好ましい。最終レンズ群よりも物体側に、上記第3レンズ群及び第4レンズ群を備える場合は、第1レンズ群、第3レンズ群及び第4レンズ群のうち、いずれのレンズ群に配置されていてもよいが、軸上色収差の発生をより有効に抑えることができるという観点から、第1レンズ群及び/又は第3レンズ群に配置されていることが好ましい。なお、最終レンズ群よりも物体側に配置された正の屈折力を有する全レンズ群にそれぞれこの条件式(3)を満足する正レンズが含まれていてもよいし、正の屈折力を有する各レンズ群に条件式(3)を満足する複数枚の正レンズが含まれていてもよい。
1−2−4.条件式(4)
本件発明に係るズームレンズにおいて、第1レンズ群は、以下の条件式(4)を満足する負レンズを少なくとも1枚含むことが好ましい。
(4)|ΔPgF| < 0.012
但し、条件式(4)において、
ΔPgFは、C7(部分分散比0.5393、νd:60.49)及びF2(部分分散比0.5829、νd:36.30)の部分分散比とνdの座標を通る直線を基準線としたときの、部分分散比の基準線からの偏差である。
上記条件式(4)は、第1レンズ群中に配置される負レンズの異常分散性を規定する式である。条件式(4)を満足することで、望遠端における軸上色収差の発生を抑えることができ、結像性能の高いズームレンズを得ることができる。
1−2−5.条件式(5)
本件発明に係るズームレンズにおいて、最終レンズ群は、以下の条件式(5)を満足する負レンズを少なくとも1枚含むことが好ましい。
(5)νd > 56
但し、条件式(5)において、νdは、d線におけるアッベ数である。
条件式(5)は、最終レンズ群に含まれる負レンズのd線(波長λ=587.6nm)におけるアッベ数を規定する式である。条件式(5)を満足することで、倍率色収差の発生を抑えることができ、高い結像性能を有するズームレンズを得ることができる。
さらに、倍率色収差の発生を抑える上で、当該ズームレンズは、下記の条件式(5)’を満足することが好ましく、条件式(5)’’を満足することがより好ましい。
(5)’ νd > 58
(5)’’ νd > 60
ここで、上述したとおり、最終レンズ群には物体側と像面側にそれぞれ1枚ずつ負レンズが配置されることが好ましい。このように、最終レンズ群が2枚の負レンズを含んで構成されるとき、最終レンズ群において、最も像面側に配置される負レンズが上記条件式(5)を満足することが倍率色収差を良好に補正する上で好ましく、物体側に配置される負レンズについては、以下の条件式を満足することがより好ましい。最終レンズ群中の物体側に、以下の条件式を満足する負レンズを配置することにより、最終レンズ群の負の屈折力を強め、横倍率を高めることができ、当該ズームレンズの一層の小型化を図ることができる。
NdLnf>NdLn
但し、上記条件式において、
Lnfは、最終レンズ群において、物体側に配置される負レンズであり、
Lnは、最終レンズ群において、像面側に配置される負レンズであり、
NdLnfは、d線における負レンズLnfの屈折率であり、
NdLnは、d線における負レンズLnの屈折率である。
1−2−6.条件式(6)
本件発明に係るズームレンズは、下記条件式(6)を満足することが好ましい。
(6) 0.60 < f1/√(fw×ft) < 1.20
但し、条件式(6)において、
f1は、第1レンズ群の焦点距離であり、
fwは、広角端での焦点距離であり、
ftは、望遠端での焦点距離である。
上記条件式(6)は、第1レンズ群の焦点距離を規定する式である。条件式(6)の数値が下限値以下になると、すなわち第1レンズ群の正の屈折力が強くなりすぎると、望遠端において適正な範囲を超えて色収差が大きくなり、補正が困難になるため好ましくない。また、条件式(6)の数値が上限値以上になると、すなわち第1レンズ群の正の屈折力が弱くなりすぎると、第2レンズ群に入射する光束が小さくならないため、第2レンズ群を径の大きなレンズで構成する必要がある。これと同時に、変倍時における第1レンズ群の移動量が増大する。これらのことから、鏡筒全体の大型化につながり、好ましくない。
これらの効果を得る上で、本件発明に係るズームレンズは、下記条件式(6)’を満足することが好ましく、条件式(6)’’を満足することがより好ましい。
(6)’ 0.70<f1/√(fw×ft)<1.10
(6)’’ 0.76<f1/√(fw×ft)<1.08
1−2−7.条件式(7)
本件発明に係るズームレンズは、下記条件式(7)を満足することが好ましい。
(7) 1.30<f1/fw<3.50
但し、条件式(7)において、
f1は、第1レンズ群の焦点距離であり、
fwは、広角端における当該ズームレンズ全系の焦点距離である。
条件式(7)は、条件式(6)とは別の観点から第1レンズ群の焦点距離を規定する式である。条件式(7)の数値が下限値以下になると、すなわち広角端における当該ズームレンズ全系の焦点距離に対して、第1レンズ群の焦点距離が短くなり過ぎると、第1レンズ群の屈折力が強く、広角端におけるコマ収差が大きくなり、補正が困難になるため好ましくない。また、条件式(7)の数値が上限値以上になると、すなわち広角端の焦点距離に対して第1レンズ群の焦点距離が長くなりすぎると、第1レンズ群の屈折力が弱く、広角端における光学全長が長くなってしまい、鏡筒全体の大型化につながり、好ましくない。
これらの効果を得る上で、本件発明に係るズームレンズは、下記の条件式(7)’を満足することが好ましく、条件式(7)’’を満足することがより好ましく、条件式(7)’’’を満足することがさらに好ましい。
(7)’ 1.36<f1/fw<3.00
(7)’’ 1.41<f1/fw<2.80
(7)’’’ 1.50<f1/fw<2.20
上記説明したズームレンズによれば、望遠端の画角が7.6度よりも小さい、より好ましくは望遠端の画角が6.6度よりも小さい望遠系のズームレンズを得ることができる。
2.撮像装置
次に、本件発明に係る撮像装置について説明する。本件発明に係る撮像装置は、上記本件発明に係るズームレンズと、当該ズームレンズの像面側に設けられた、当該ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子とを備えたことを特徴とする。ここで、撮像素子等に特に限定はなく、CCDセンサやCMOSセンサなどの固体撮像素子等も用いることができ、本件発明に係る撮像装置は、デジタルカメラやビデオカメラ等のこれらの固体撮像素子を用いた撮像装置に好適である。また、当該撮像装置は、レンズが筐体に固定されたレンズ固定式の撮像装置であってもよいし、一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラ等のレンズ交換式の撮像装置であってもよいのは勿論である。
次に、実施例および比較例を示して本件発明を具体的に説明する。但し、本件発明は以下の実施例に限定されるものではない。以下に挙げる各実施例のズームレンズは、デジタルカメラ、ビデオカメラ、銀塩フィルムカメラ等の撮像装置(光学装置)に用いられる撮像光学系である。また、各レンズ断面図において、図面に向かって左方が物体側、右方が像面側である。
(1)ズームレンズの構成
図1は、本件発明に係る実施例1のズームレンズのレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該ズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5とから構成されている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL1及び正の屈折力を有するレンズL2からなる接合レンズと、正の屈折力を有するレンズL3とから構成される。
第2レンズ群G2は、負の屈折力を有するレンズL4及び正の屈折力を有するレンズL5からなる接合レンズと、負の屈折を有するレンズL6とから構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズL7と、両凸レンズL8と、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するレンズL9及び負の屈折力を有するレンズL10からなる接合レンズと、両凹レンズL11及び物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL12からなる接合レンズとから構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズL13と、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するレンズL14及び負の屈折力を有するレンズL15からなる接合レンズとから構成される。
第5レンズ群G5は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するレンズL16と、両凹レンズL17及び正の屈折力を有するレンズL18からなる接合レンズとから構成される。ここで、第5レンズ群G5は、本件発明にいう最終レンズ群であり、レンズL16は上述した負レンズLnfであり、レンズL17は上述した負レンズLnである。
当該実施例1のズームレンズにおいて、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1が物体側に移動し、第2レンズ群G2は固定され、第3レンズ群G3は第2レンズ群に対して物体側に移動し、第4レンズ群G4は第3レンズ群G3に対して像面側に凸の軌跡を描きながら物体側に移動し、第5レンズ群G5は物体側に移動する。また、無限遠から近接物体への合焦は、第5レンズ群G5を像面側に移動させることで行う。
また、撮像時のカメラのブレによる像のブレを補正するためには、第3レンズ群G3に含まれる両凹レンズL11と物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL12とからなる接合レンズを防振群とし、当該防振群を光軸と垂直な方向に移動させることが好ましい。なお、第3レンズ群に含まれるこの接合レンズを防振群とする代わりに、第2レンズ群G2全体を防振群としてもよいし、第2レンズ群G2を構成する複数枚のレンズのうち、一部のレンズを防振群とし、これらを光軸と垂直な方向にシフトさせても同様な効果が得られる。
なお、図1において、第3レンズ群G3の像面側に示す「S」は開口絞りであり、変倍時第3レンズ群G3と一体に移動する。また、第5レンズ群G5の像面側に示す「CG」はカバーガラスであり、ローパスフィルターや赤外カットフィルター等を表す。また、CGの像面側に示す「IMG」は像面であり、具体的には、CCDセンサやCMOSセンサなどの固体撮像素子の撮像面、或いは、銀塩フィルムのフィルム面等を示す。これらの符号等は実施例2〜実施例4で示す各レンズ断面図においても同様である。
(2)数値実施例
次に、当該ズームレンズの具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表1に当該ズームレンズのレンズデータを示す。表1において、「面No.」は物体側から数えたレンズ面の順番(面番号)、「r」はレンズ面の曲率半径、「d」はレンズ面の光軸上の間隔、「Nd」はd線(波長λ=587.6nm)に対する屈折率、「νd」はd線に対するアッベ数をそれぞれ示している。また、「ΔPgF」は上述したとおりである。
表2(2−1)及び表2(2−2)において、表1に示した光軸上の可変間隔である。表(2−1)は、無限遠合焦時の可変間隔を示し、表2(2−2)は近距離物体合焦時のの可変間隔を示している。各表において、「f」は、表に向かって左から順に、広角端、中間焦点距離、望遠端における焦点距離を示し、各焦点距離における間隔を示している。また、各条件式(1)〜条件式(7)の数値を表9に示す。なお、各表中の長さの単位は全て「mm」であり、画角の単位は全て「°」である。これらの表に関する事項は実施例2〜実施例4で示す各表においても同様であるため、以下では説明を省略する。
図2〜図4、当該ズームレンズの広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の縦収差図をそれぞれ示す。それぞれの縦収差図は、図面に向かって左から順に、球面収差、非点収差、歪曲収差を表している。球面収差を表す各図では、縦軸は開放F値との割合、横軸にデフォーカスをとり、実線がd線(波長λ=587.6nm)、破線がC線(波長λ=656.3nm)、一点鎖線がg線(波長λ=435.8nm)における球面収差を表す。非点収差を表す各図では、縦軸は像高、横軸にデフォーカスをとり、実線がサジタル面、破線がメリジオナル面での非点収差を表す。歪曲収差を表す各図では、縦軸は像高、横軸に%をとり、歪曲収差を表す。これらの縦収差図に関する事項は実施例2〜実施例4で示す各縦収差図においても同様であるため、以下では説明を省略する。
Figure 2016126296
Figure 2016126296
(1)光学系の構成
図5は、本件発明に係る実施例2のズームレンズのレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該ズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5とから構成されている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL1及び正の屈折力を有するレンズL2からなる接合レンズと、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL3とから構成される。
第2レンズ群G2は、正の屈折力を有するレンズL4及び負の屈折力を有するレンズL5からなる接合レンズと、負の屈折力を有するレンズL6及び正の屈折力を有するレンズL7からなる接合レンズと、負の屈折を有するレンズL8とから構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズL9と、両凸レンズL10と、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するレンズL11及び負の屈折力を有するレンズL12からなる接合レンズと、両凹レンズL13及び物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL14からなる接合レンズとから構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズL15と、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するレンズL16及び負の屈折力を有するレンズL17からなる接合レンズとから構成される。
第5レンズ群G5は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するレンズL18と、両凹レンズL19及び正の屈折力を有するレンズL20からなる接合レンズとから構成される。ここで、第5レンズ群G5は、本件発明にいう最終レンズ群であり、レンズL18は上述した負レンズLnfであり、レンズL19は上述した負レンズLnである。
当該ズームレンズにおいて、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1が物体側に移動し、第2レンズ群G2は固定され、第3レンズ群G3は第2レンズ群に対して像面側に凸の軌跡を描きながら物体側に移動し、第4レンズ群G4は第3レンズ群G3に対して像面側に凸の軌跡を描きながら物体側に移動し、第5レンズ群G5は物体側に移動する。また、無限遠から近接物体への合焦は、第5レンズ群G5を像面側に移動させることで行う。
また、撮像時のカメラのブレによる像のブレを補正するためには、第3レンズ群G3に含まれる両凹レンズL13と物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL14とからなる接合レンズを防振群とし、当該防振群を光軸と垂直な方向に移動させることが好ましい。なお、第3レンズ群に含まれるこの接合レンズを防振群とする代わりに、第2レンズ群G2全体を防振群としてもよいし、第2レンズ群G2を構成する複数枚のレンズのうち、一部のレンズを防振群とし、これらを光軸と垂直な方向にシフトさせても同様な効果が得られる。
(2)数値実施例
次に、当該ズームレンズの具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表3は、当該ズームレンズのレンズデータであり、表4(4−1)及び表(4−2)は、それぞれレンズ面の光軸上の可変間隔であり、表4(4−1)は、無限遠合焦時の可変間隔を示し、表4(4−2)は近距離物体合焦時の可変間隔を示す。また、表9に条件式(1)〜条件式(7)の数値を示す。さらに、図6〜図8は、当該ズームレンズの広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の縦収差図である。
Figure 2016126296
Figure 2016126296
(1)光学系の構成
図9は、本件発明に係る実施例3のズームレンズのレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該ズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5とから構成されている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL1及び正の屈折力を有するレンズL2からなる接合レンズと、正の屈折力を有するレンズL3とから構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズL4及び負の屈折力を有するレンズL5からなる接合レンズと、負の屈折力を有するレンズL6及び正の屈折力を有するレンズL7からなる接合レンズと、負の屈折を有するレンズL8とから構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズL9と、両凸レンズL10と、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するレンズL11及び負の屈折力を有するレンズL12からなる接合レンズと、両凹レンズL13及び物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL14からなる接合レンズとから構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズL15と、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するレンズL16及び負の屈折力を有するレンズL17からなる接合レンズとから構成される。
第5レンズ群G5は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するレンズL18と、両凹レンズL19及び正の屈折力を有するレンズL20からなる接合レンズから構成される。ここで、第5レンズ群G5は、本件発明にいう最終レンズ群であり、レンズL18は上述した負レンズLnfであり、レンズL19は上述した負レンズLnである。
当該ズームレンズにおいて、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1が物体側に移動し、第2レンズ群G2は固定され、第3レンズ群G3は第2レンズ群に対して像面側に凸の軌跡を描きながら物体側に移動し、第4レンズ群G4は第3レンズ群G3に対して像面側に凸の軌跡を描きながら物体側に移動し、第5レンズ群G5は物体側に移動する。また、無限遠から近接物体への合焦は、第5レンズ群G5を像面側に移動させることで行う。
また、撮像時のカメラのブレによる像のブレを補正するためには、第3レンズ群G3に含まれる両凹レンズL13と物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL14とからなる接合レンズを防振群とし、当該防振群を光軸と垂直な方向に移動させることが好ましい。なお、第3レンズ群に含まれるこの接合レンズを防振群とする代わりに、第2レンズ群G2全体を防振群としてもよいし、第2レンズ群G2を構成する複数枚のレンズのうち、一部のレンズを防振群とし、これらを光軸と垂直な方向にシフトさせても同様な効果が得られる。
(2)数値実施例
次に、当該ズームレンズの具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表5は、当該ズームレンズのレンズデータであり、表6(6−1)及び表(6−2)は、それぞれレンズ面の光軸上の可変間隔であり、表6(6−1)は、無限遠合焦時の可変間隔を示し、表6(6−2)は近距離物体合焦時の可変間隔を示す。また、表9に条件式(1)〜条件式(7)の数値を示す。さらに、図10〜図12は、当該ズームレンズの広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の縦収差図である。
Figure 2016126296
Figure 2016126296
(1)光学系の構成
図13は、本件発明に係る実施例4のズームレンズのレンズ構成を示すレンズ断面図である。当該ズームレンズは、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、正の屈折力を有する第3レンズ群G3と、正の屈折力を有する第4レンズ群G4と、負の屈折力を有する第5レンズ群G5とから構成されている。
第1レンズ群G1は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するメニスカスレンズL1及び正の屈折力を有するレンズL2からなる接合レンズと、正の屈折力を有するレンズL3とから構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に、正の屈折力を有するレンズL4及び負の屈折力を有するレンズL5からなる接合レンズと、負の屈折力を有するレンズL6及び正の屈折力を有するレンズL7からなる接合レンズと、負の屈折を有するレンズL8とから構成される。
第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凸レンズL9と、両凸レンズL10と、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するレンズL11及び負の屈折力を有するレンズL12からなる接合レンズと、両凹レンズL13及び物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL14からなる接合レンズとから構成される。
第4レンズ群G4は、物体側から順に、両凸レンズL15と、物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するレンズL16及び負の屈折力を有するレンズL17からなる接合レンズとから構成される。
第5レンズ群G5は、物体側から順に、物体側に凸面を向けた負の屈折力を有するレンズL18と、両凹レンズL19及び正の屈折力を有するレンズL20からなる接合レンズから構成される。ここで、第5レンズ群G5は、本件発明にいう最終レンズ群であり、レンズL18は上述した負レンズLnfであり、レンズL19は上述した負レンズLnである。
当該ズームレンズにおいて、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群G1が物体側に移動し、第2レンズ群G2は固定され、第3レンズ群G3は第2レンズ群に対して像面側に凸の軌跡を描きながら物体側に移動し、第4レンズ群G4は第3レンズ群G3に対して像面側に凸の軌跡を描きながら物体側に移動し、第5レンズ群G5は物体側に移動する。また、無限遠から近接物体への合焦は、第5レンズ群G5を像面側に移動させることで行う。
また、撮像時のカメラのブレによる像のブレを補正するためには、第3レンズ群G3に含まれる両凹レンズL13と物体側に凸面を向けた正の屈折力を有するメニスカスレンズL14とからなる接合レンズを防振群とし、当該防振群を光軸と垂直な方向に移動させることが好ましい。なお、第3レンズ群に含まれるこの接合レンズを防振群とする代わりに、第2レンズ群G2全体を防振群としてもよいし、第2レンズ群G2を構成する複数枚のレンズのうち、一部のレンズを防振群とし、これらを光軸と垂直な方向にシフトさせても同様な効果が得られる。
(2)数値実施例
次に、当該ズームレンズの具体的数値を適用した数値実施例について説明する。表7は、当該ズームレンズのレンズデータであり、表8(8−1)及び表(8−2)は、それぞれレンズ面の光軸上の可変間隔であり、表8(8−1)は、無限遠合焦時の可変間隔を示し、表8(8−2)は近距離物体合焦時の可変間隔を示す。また、表9に条件式(1)〜条件式(7)の数値を示す。さらに、図14〜図16は、当該ズームレンズの広角端状態、中間焦点距離状態、望遠端状態における無限遠合焦時の縦収差図である。
Figure 2016126296
Figure 2016126296
Figure 2016126296
本件発明によれば、望遠端における焦点距離をより長くしたときも、小型化を図りつつズーム全域における良好な結像性能を得ることができ、且つ、迅速なフォーカシングを実現することのできるズームレンズ及び撮像装置を提供することができる。
G1・・・第1レンズ群
G2・・・第2レンズ群
G3・・・第3レンズ群
G4・・・第4レンズ群
G5・・・第5レンズ群(最終レンズ群)
S・・・絞り
IMG・・・像面

Claims (8)

  1. 物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、最も像面側に配置される最終レンズ群とを少なくとも備え、
    前記最終レンズ群を像面側に移動させることで、無限遠から近接物体への合焦を行い、
    以下の条件式(1)及び条件式(2)を満足することを特徴とするズームレンズ。
    (1)−15.0 < 1−(βrt×βrt ) < −8.0
    (2) 0.05 < βft
    但し、条件式(1)及び条件式(2)において、
    βrtは、最終レンズ群の望遠端での無限遠合焦時における横倍率であり、
    βftは、最終レンズと空気間隔を隔てて物体側に配置されたレンズ群の無限遠合焦時における横倍率である。
  2. 前記最終レンズ群より物体側に配置される正の屈折力を有するレンズ群の中に、以下の条件式(3)を満足する正レンズが少なくとも1枚含まれる請求項1に記載のズームレンズ。
    (3)ΔPgF > 0.018
    但し、条件式(3)において、
    ΔPgFは、C7(部分分散比0.5393、νd:60.49)及びF2(部分分散比0.5829、νd:36.30)の部分分散比とνdの座標を通る直線を基準線としたときの、部分分散比の基準線からの偏差である。
  3. 前記第1レンズ群は、以下の条件式(4)を満足する負レンズを少なくとも1枚含む請求項1又は請求項2に記載のズームレンズ。
    (4)|ΔPgF| < 0.012
    但し、条件式(4)において、
    ΔPgFは、C7(部分分散比0.5393、νd:60.49)及びF2(部分分散比0.5829、νd:36.30)の部分分散比とνdの座標を通る直線を基準線としたときの、部分分散比の基準線からの偏差である。
  4. 前記最終レンズ群は、以下の条件式(5)を満足する負レンズを少なくとも1枚含む請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のズームレンズ。
    (5)νd > 56
    但し、条件式(5)において、
    νdは、d線におけるアッベ数である。
  5. 前記第2レンズ群の像面側に、変倍中可変の空気間隔を隔てて配置される正の屈折力を有する第3レンズ群と、
    前記最終レンズ群の物体側に、変倍中可変の空気間隔を隔てて配置される正の屈折力を有する第4レンズ群と、を備え、
    当該ズームレンズは、物体側から順に配置される第1レンズ群から最終レンズ群までの5つのレンズ群から構成される請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のズームレンズ。
  6. 広角端状態から望遠端に変倍する際に前記第2レンズ群が固定されている請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のズームレンズ。
  7. 以下の条件式(6)を満足する請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のズームレンズ。
    (6) 0.60 < f1/√(fw×ft) < 1.20
    但し、条件式(6)において、
    f1は、第1レンズ群の焦点距離であり、
    fwは、広角端での焦点距離であり、
    ftは、望遠端での焦点距離である。
  8. 前記ズームレンズの像面側に、前記ズームレンズによって形成された光学像を電気的信号に変換する撮像素子を備えたことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の撮像装置。
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