JP2016125745A - 雰囲気調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】気体の温度および相対湿度を目的温度および目的相対湿度に保ったまま、当該気体を観測対象物に吹き付ける。
【解決手段】雰囲気調整装置1は、蒸気発生部103、空気輸送管109および熱交換部111を備える。蒸気発生部103は、目的温度および目的相対湿度に応じた水蒸気量を有する気体を発生させる。空気輸送管109は、蒸気発生部103が発生させた気体を輸送する。熱交換部111は、空気輸送管109の気体流出側の端部に設けられ、気体の温度および相対湿度を目的温度および目的相対湿度に調整する。
【選択図】図1

Description

本発明は、観測対象物の雰囲気を調整する雰囲気調整装置に関する。
物質の性質を解析する装置として、観測対象物にX線等の量子ビームを照射し、散乱や干渉によって発生する回折を観測する回折装置等の観測装置が知られている。観測装置の観測対象物としては、温度および相対湿度によって状態が変化する物質が採用されることがある。このような観測対象物の観測を行う場合、観測対象物の雰囲気を所望の温度および相対湿度に調整する必要がある。
所望の相対湿度の気体を発生させる湿度発生装置が知られている(例えば、非特許文献1−3を参照)。観測対象物の雰囲気湿度を調整する方法として、湿度発生装置が発生させた所望の相対湿度の気体を、チューブを介して観測対象に吹き付けることが考えられる。
"水蒸気発生装置 HUM"、[online]、株式会社リガク、[2014年10月31日検索]、インターネット〈URL: http://www.rigaku.co.jp/products/p/xdat0015/〉 "調湿ガス供給装置 Humi-Cruise"、[online]、株式会社第一科学、[2014年10月31日検索]、インターネット〈URL: http://www.daiichi-kagaku.co.jp/catalog/8/8-039.html〉 Sanchez-Weatherby et al.、"Improving diffraction by humidity control"、「Acta Crystallogr. D.」、2009
しかしながら、非特許文献1、2に開示された湿度発生装置は、湿度発生装置が発生させた所望の相対湿度の気体を、チューブを介して観測対象に吹き付ける構造を有していない。
また、非特許文献3に開示された湿度発生装置は、チューブを介して観測対象物に吹き付ける構造を有しており室温において所望の相対湿度の気体を発生させることができるが、室温以外の目的温度かつ目的相対湿度の気体を発生させることはできない。
本発明の目的は、上述した課題を解決する雰囲気調整装置を提供することにある。
第1の態様は、タンク内の水に気体を通すことで蒸気を発生させる蒸気発生部と、目的温度および目的相対湿度に応じて、前記タンク内の水温を調整する水温調整部と、前記蒸気発生部が発生させた気体を輸送する輸送管と、前記輸送管の気体流出端側に設けられ、前記気体の温度を前記目的温度まで降温または昇温することで、前記気体の温度および相対湿度を前記目的温度および前記目的相対湿度に調整する調整部とを備える雰囲気調整装置である。
また、第2の態様は、第1の態様において、前記目的相対湿度、前記目的温度および前記タンク内の気体の圧力に基づいて、前記水温調整部が調整すべき前記タンク内の水温を算出する温度算出部をさらに備える雰囲気調整装置である。
また、第3の態様は、第1または第2の態様において、前記タンク内の気体の圧力を調整する圧力調整部をさらに備える雰囲気調整装置である。
また、第4の態様は、第1から第3の何れかの態様において、前記輸送管のうち前記調整部が設けられない部分が断熱材で覆われている雰囲気調整装置である。
また、第5の態様は、第1から第4の何れかの態様において、前記輸送管は可撓性を有し、前記輸送管の気体流出端において、当該気体流出端の位置及び向きを固定する固定台をさらに備える雰囲気調整装置である。
また、第6の態様は、第1から第5の何れかの態様において、前記目的温度の温調媒体を前記調整部に供給する温調媒体供給部をさらに備え、前記調整部は、前記輸送管によって輸送された前記気体と前記温調媒体との熱交換により、前記気体の温度および相対湿度を前記目的温度および前記目的相対湿度に調整する雰囲気調整装置である。
また、第7の態様は、第1から第6の何れかの態様における前記水温調整部が、調整すべき水温より低い温度の冷媒およびヒーターによって前記タンク内の水温を調整する雰囲気調整装置である。
また、第8の態様は、第1から第7の何れかの態様において、前記蒸気発生部の前記タンクに水を供給する給水部をさらに備える請求項1から請求項7の何れか1項に記載の雰囲気調整装置である。
上記態様のうち少なくとも1つの態様によれば、輸送管の気体流出端側において相対湿度を調整するため、気体流出側の端部を観測対象物の近傍に配置することで、相対湿度の調整後に相対湿度が変化することなく、気体を観測対象物に吹き付けることができる。また上記態様のうち少なくとも1つの態様によれば、気体の温度および相対湿度を目的温度および目的相対湿度に調整することができる。これにより、温度および相対湿度によって状態が変化する物質について、所望の雰囲気下で観測を行うことができる。
一実施形態による雰囲気調整装置の構成を示す概略ブロック図である。 一実施形態による雰囲気調整装置の熱交換部の外観を示す側面図である。 一実施形態による調整装置の動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
図1は、一実施形態による雰囲気調整装置1の構成を示す概略ブロック図である。
雰囲気調整装置1は、観測装置の観測対象物Oの雰囲気の温度および相対湿度を所望の目的温度および目的相対湿度に調整する装置である。
雰囲気調整装置1は、給気部101、給水部102、蒸気発生部103、水温調整部104、冷媒供給部105、蒸気温調器106、温調媒体供給部107、温度調整部108、空気輸送管109、温調媒体輸送管110、熱交換部111、バルブ112、外気圧計113、外気温計114、調整装置115を備える。
給気部101は、所定圧力の乾燥空気を蒸気発生部103に供給する。給気部101は、例えば空気圧縮機およびエアドライヤーによって実現される。具体的には、給気部101は、空気圧縮機が圧縮した空気をエアドライヤーにより乾燥させることで、所定圧力の乾燥空気を供給する。給気部101は、乾燥圧縮気体供給部の一例である。
給水部102は、蒸気発生部103に水を供給する。給水部102は、例えばタンクに充填された水をポンプによって蒸気発生部103が備えるタンクへ供給するものによって実現される。また給水部102は、例えばタンクに充填された水が重力によって蒸気発生部103が備えるタンクへ供給されるものであっても良い。給水部102は、蒸気発生部103が備えるタンクの水量が一定の量を下回った場合に、蒸気発生部103に一定量の水を供給する。これにより、蒸気発生部103のタンクには常に一定量以上の水が溜まった状態となるため、例えば一週間を超えるような長時間の連続運転が可能となる。
蒸気発生部103は、給気部101から供給された空気を給水部102から供給された水にくぐらせることで、目的温度および目的相対湿度に応じた水蒸気量を有する空気を生成する。具体的には、蒸気発生部103は、給水部102から供給された水を溜めるタンクを備え、給気部101から供給された空気を当該タンクの底部から水中に放出することで、目的温度および目的相対湿度に応じた水蒸気量を有する空気を生成する。
水温調整部104は、蒸気発生部103が生成する空気の温度を調整する。具体的には、蒸気発生部103のタンク内に溜められた水の温度を調整することで、蒸気発生部103から供給される空気の水蒸気量を調整する。水温調整部104は、冷媒供給部105から供給される冷媒を輸送する輸送管およびヒーターを備える。水温調整部104は、冷媒供給部105から供給される冷媒とタンク内の水とで熱交換をさせることによってタンク内の水を冷却し、ヒーターによりタンク内の水を熱する。水温調整部104は、輸送管を流れる冷媒の温度およびヒーターの出力を調整することで、タンク内の水温を一定に保つ。冷媒供給部105は、水温調整部104が調整すべき水温より低い温度の冷媒を供給する。冷媒としては、例えばエチレングリコールなどの不凍液を用いることができる。冷媒の温度としては、例えば水温より10℃低い温度が挙げられる。
蒸気温調器106は、蒸気発生部103のタンク内の空気の温度を監視し、タンク内の空気の温度をタンク内の水温より高い温度に調整する。タンク内の空気の温度がタンク内の水温より高い温度に保たれることで、蒸気発生部103が発生させた蒸気の結露を防止することができる。
温調媒体供給部107は、所定の温度の温調媒体を熱交換部111に供給する。本実施形態に係る雰囲気調整装置1においては、温調媒体として水が用いられる。温調媒体供給部107は、例えばチラーによって実現される。
温度調整部108は、温調媒体供給部107が供給する温調媒体の温度を調整する。温度調整部108は、温調媒体供給部107に設けられた金属管と投げ込みクーラーとを有する。温度調整部108は、金属管に温調媒体より低温の水を流すことで温調媒体の温度を下げることができる。また、投げ込みクーラーが温調媒体供給部107に設置されることで、温調媒体の冷却温度を迅速に制御することができる。
図2は、一実施形態による雰囲気調整装置1の熱交換部111の外観を示す側面図である。
空気輸送管109は、蒸気発生部103が生成した空気を観測対象物Oまで輸送する。空気輸送管109は、例えばフレキシブルチューブによって実現される。つまり、空気輸送管は、可撓性を有する管である。空気輸送管109は、蒸気発生部が発生させた気体を輸送する輸送管の一例である。
温調媒体輸送管110は、温調媒体供給部107が供給する温調媒体を輸送する。温調媒体輸送管110は、可撓性を有する管であって、例えばビニルホースによって実現される。
熱交換部111は、少なくとも空気輸送管109の気体流出端側において、空気輸送管109が輸送する空気と温調媒体輸送管110が輸送する温調媒体との熱交換を行わせる。具体的には、熱交換部111は、空気輸送管109のうち、蒸気発生部103の蒸気出力口から気体流出端の近傍(例えば、気体流出端の10センチメートル手前)までを覆うように設けられている。熱交換部111において、図2に示すように、温調媒体輸送管110が空気輸送管109の周りに這わせるように配され、断熱材203が空気輸送管109及び温調媒体輸送管110を覆うように設けられる。熱交換部111は、輸送管の気体流出端側に設けられ、気体の相対湿度を目的相対湿度に調整する調整部の一例である。
空気輸送管109は、熱交換部111が設けられる部分を除き、断熱材201によって断熱される。つまり、空気輸送管109の気体流出端は、断熱材201によって断熱される。また温調媒体輸送管110は、熱交換部111が設けられる部分を除き、断熱材202によって断熱される。
断熱材201、断熱材202および断熱材203は、例えば、ウレタンフォームによって実現される。
熱交換部111は、支持台300によって支持される。支持台300は、観測対象物Oを支持する観測装置の近傍の床面に設置される底板301と、底板301に固定され、底板301から垂直に伸びる第1支持棒302と、熱交換部111が固定される第2支持棒303と、第1支持棒302に対して摺動可能かつ固定可能に設けられた第1摺動部304と、第2支持棒303に対して摺動可能かつ固定可能に設けられた第2摺動部305とを備える。第1摺動部304と第2摺動部305とは、第1支持棒302が伸びる方向および第1支持棒302が伸びる方向に交差する共通の軸回りに相対的に回転可能かつ固定可能に設けられる。
これにより、第1摺動部304の第1支持棒302に対する相対位置、第2摺動部305の第2支持棒303に対する相対位置、および第1摺動部304と第2摺動部305の相対角度が適切に調整されることで、雰囲気調整装置1は、空気輸送管109の気体流出側の端部において、当該端部の位置及び向きを観測対象物Oに向けて固定することができる。
なお、支持台300において、底板301と第1支持棒302の間にXYZステージが設けられていても良い。XYZステージは、底板301と第1支持棒302の幅方向、高さ方向および奥行き方向の位置関係を微調整するための装置である。XYZステージは、例えば幅方向、高さ方向および奥行き方向にそれぞれ3cm程度移動可能であり、それぞれの方向に対応して設けられるネジを回転させることで、第1支持棒302を変位させる。つまり、ネジの1回転につきネジのピッチ幅だけ第1支持棒302が変位する。これにより、観測対象物Oが全長1mm以下の微小なものであったとしても、支持台300は、観測対象物Oに空気が確実に吹き付けられる位置で、空気輸送管109を支持することができる。
なお、熱交換部111は、空気輸送管109の周りに温調媒体輸送管110を配したものであるため、空気輸送管109より可撓性に劣る。そのため、本実施形態に係る雰囲気調整装置1は、空気輸送管109の気体流出端から所定長さ(例えば、10センチメートル)の範囲には、熱交換部111が設けられていない。これにより、空気輸送管109の気体流出端近傍の可撓性が担保され、容易に気体流出端の位置および向きを調整することができる。なお、空気輸送管109の気体流出端近傍における熱交換部111が設けられない部分の長さは、当該長さを気体が通過する間に許容誤差以上の気体の温度変化が生じない長さである。許容誤差以上の気体の温度変化が生じない長さは、目的温度の範囲および気体の流量によって定めることができる。
バルブ112は、蒸気発生部103と熱交換部111の間の空気輸送管109に設けられる比例制御弁である。バルブ112は、空気輸送管109を流れる空気の圧力を制限する。本実施形態におけるバルブ112は、蒸気発生部103のタンク内の圧力が所定の設定圧力(例えば、300kPa)に保たれるよう自動制御される。また、バルブ112の設定圧力を変えることで、雰囲気調整装置1によって調整可能な相対湿度の範囲が変化する。バルブ112は、圧力調整部の一例である。
外気圧計113は、空気輸送管109の気体流出側の端部において、空気輸送管が輸送する空気の圧力を計測する。
外気温計114は、空気輸送管109の気体流出側の端部において、空気輸送管が輸送する空気の温度を計測する。
調整装置115は、目的温度、目的相対湿度およびバルブ112の設定圧力の入力を受け付け、水温調整部104が調整すべき蒸気発生部103のタンク内の水温を算出する。調整装置115は、タンク内の水温が算出した温度になるよう水温調整部104を制御する。また、調整装置115は、熱交換部111に供給する温調媒体の温度が目的温度になるよう温調媒体供給部107を制御する。
ここで、本実施形態に係る雰囲気調整装置1によって所望の湿度の空気を供給できる理由を説明する。
蒸気発生部103は、目的温度と目的相対湿度から特定される水蒸気量を有する空気を生成する。当該空気は、空気輸送管109を介して輸送され、熱交換部111において温調媒体輸送管110が輸送する温調媒体と熱交換される。気体の飽和水蒸気量(飽和水蒸気圧)は、温度および圧力によって変化する。具体的には、同じ水蒸気量および圧力を有する空気である場合、温度が低い空気ほど飽和水蒸気量が小さく、温度が高い空気ほど飽和水蒸気量が大きくなる。また同じ水蒸気量および温度を有する空気である場合、圧力が高い空気ほど飽和水蒸気量が小さく、圧力が低い空気ほど飽和水蒸気量が大きくなる。
ここで温調媒体輸送管110が輸送する温調媒体の温度が、空気輸送管109が輸送する空気の温度と異なる場合、空気輸送管109が輸送する空気の温度は変化する。また、蒸気発生部103のタンク内の圧力が大気圧と異なる場合、空気輸送管109が輸送する空気の圧力は変化する。空気の飽和水蒸気量は、空気の温度および圧力によって変わる一方、空気輸送管109の中に存在する水蒸気量は変化しない。そのため、空気輸送管109が輸送する空気の温度および圧力の変化によって、相対湿度が変化する。したがって、雰囲気調整装置1は、蒸気発生部103が生成する空気の温度、タンク内の空気の圧力、および温調媒体供給部107が供給する温調媒体の温度を調整することで、所望の温度かつ所望の相対湿度の空気を、観測対象物Oに吹き付けることができる。
また、熱交換部111が、空気輸送管109の気体流出端側に設けられるため、空気輸送管109の気体流出端を観測対象物Oの近傍に配置することで、調整後の空気の温度及び相対湿度が目的温度及び目的相対湿度から変化しないうちに、当該空気を観測対象物Oに吹き付けることができる。
次に、調整装置115の動作について説明する。
図3は、一実施形態による調整装置115の動作を示すフローチャートである。
まず、調整装置115は、利用者より観測対象物Oの目的温度および目的相対湿度の入力を受け付ける(ステップS1)。次に調整装置115は、外気温計114および外気圧計113から、それぞれ空気輸送管109の気体流出側の端部における温度及び圧力を取得する(ステップS2)。
次に、調整装置115は、取得した温度が目的温度より高いか否かを判定する(ステップS3)。取得した温度が目的温度より高い場合(ステップS3:YES)、調整装置115は、温調媒体の冷却指示を出力する(ステップS4)。温調媒体の冷却指示が出力された場合、使用者は、温度調整部108の金属管に水を流し、さらに温調媒体供給部107へ温度調整部108の投げ込みクーラーを起動する。これにより、温調媒体供給部107が供給する温調媒体は冷却される。
他方、取得した温度が目的温度以下である場合(ステップS3:NO)、調整装置115は、温調媒体供給部107に対し、供給する温調媒体の温度を入力された目的温度に保つ旨の指示を出力する(ステップS5)。
調整装置115は、ステップS4またはステップS5によって温調媒体の温度の調整を開始すると、以下に示す式(1)に基づいて、蒸気発生部103が生成すべき空気の水蒸気量を算出する(ステップS6)。
Figure 2016125745
は、目的相対湿度を示す。pは、バルブ112の設定圧力を示す。pは、外気圧計113が計測した圧力を示す。tは、水温調整部104が調整すべきタンク内の水温を示す。tは、外気温計114が計測する温度を示す。なお、熱交換部111において空気と温調媒体とが適切に熱交換される場合、温度tは、時間の経過により目的温度と一致することとなる。e(t)は、温度tにおける飽和水蒸気圧を示す。飽和水蒸気圧は、水蒸気量を空気の分圧として表したものである。つまり、蒸気発生部103は、e(t)を、目的変数として式(1)を解くことで、蒸気発生部103が生成すべき空気の飽和水蒸気圧、すなわち水蒸気量を算出する。f(p,t)は、圧力p、温度tにおける増加補正係数を示す。なお、増加補正係数は、大気圧環境下においては、圧力および温度による変化が無視できる程度に小さいため、増加補正係数を定数「1」として扱っても良い。
次に、調整装置115は、算出した飽和水蒸気圧e(t)から、水温調整部104が調整すべき蒸気発生部103のタンク内の水温tを特定する(ステップS7)。タンク内の水温tは、飽和水蒸気圧がe(t)となるときの飽和空気の温度と等しい。飽和空気の温度は、飽和水蒸気圧から一意に特定できる値であるため、例えば、調整装置115は、予め飽和空気の温度と飽和水蒸気圧の関係を示すテーブルを記憶部に予め記憶しておき、当該テーブルを参照して飽和空気の温度すなわちタンク内の水温tを特定する。そして、調整装置115は、水温調整部104に対し、蒸気発生部103のタンク内の水温を算出した温度tに保つ旨の指示を出力する(ステップS8)。
なお、目的相対湿度が低湿度である場合、温度tが負の値となる場合がある。例えば、タンク内の圧力が1気圧、目的温度が摂氏25度、目的相対湿度が10%である場合、調整すべき水温として摂氏−8.6度が算出される。この場合、使用者は、バルブ112の設定圧力を増加させて、調整装置115に再度温度tを計算させる。例えば、タンク内の圧力を300kPaに設定した場合において、目的温度が摂氏25度、目的相対湿度が10%であるとき、調整装置115は、調整すべき水温として摂氏6度を算出する。このように、調整装置115が算出した温度tが水温調整部104による調整範囲を超える場合、使用者は、バルブ112の設定圧力を変更し、温度tが水温調整部104による調整範囲内になるように調整装置115に温度tを再計算させる。
以降、調整装置115は、蒸気温調器106および外気温計114が計測する温度が、それぞれ温度tおよび目的温度に一致するようにフィードバック制御を行う。フィードバック制御は、例えばPID制御によって実現される。これにより、調整装置115は、空気輸送管109の気体流出端における空気の温度および相対湿度を、所望の温度および相対湿度に制御することができる。
このように、本実施形態によれば、雰囲気調整装置1は、空気輸送管109の空気流出側の端部において相対湿度を調整するため、空気流出側の端部を観測対象物の近傍に配置することで、相対湿度の調整後に相対湿度が変化することなく、空気を観測対象物に吹き付けることができる。また、本実施形態によれば、雰囲気調整装置1は、気体の温度および相対湿度を目的温度および目的相対湿度に調整する。これにより、温度および相対湿度によって状態が変化する物質について、所望の雰囲気下で観測を行うことができる。
また、本実施形態によれば、空気輸送管109は、断熱材で覆われている。これにより、蒸気発生部103が生成した空気が冷却されて水蒸気が凝縮することを防ぐことができ、蒸気発生部103が生成する空気の温度が室温より高い場合にも、確実に所望の相対湿度の空気を観測対象物Oに吹き付けることができる。
また、本実施形態によれば、給気部101は、蒸気発生部103のタンクに圧縮空気を供給し、バルブ112は、蒸気発生部103のタンク内の圧力を設定圧力に調整する。つまり、使用者は、バルブ112の設定により、蒸気発生部103内の圧力を制御することができる。これにより、雰囲気調整装置1は、バルブ112の設定圧力を変更することで、観測対象物Oに吹き付けることができる空気の温度および相対湿度の範囲を広げることができる。
具体的には、蒸気発生部103のタンク内の圧力を、外気圧より高くすることで、タンク内の圧力が外気圧と等しい場合より低湿度の空気を供給することができる。
例えば、タンク内の圧力が1気圧である場合において、目的温度が摂氏5度であるとき、調整可能な相対湿度の範囲は、71%(水温を摂氏0.2度に調整した場合)以上100%(水温を摂氏5度に調整した場合)以下である。これに対し、バルブ112の設定圧力を500kPaに設定することで、目的温度が摂氏5度であるときの調整可能な相対湿度の範囲を、14%(水温を摂氏0.1度に調整した場合)以上100%(水温を摂氏5度に調整した場合)以下まで拡張することができる。
また、タンク内の圧力が1気圧である場合において、目的温度が摂氏25度であるとき、調整可能な相対湿度の範囲は、20%(水温を摂氏0.5度に調整した場合)以上100%(水温を摂氏25度に調整した場合)以下である。これに対し、バルブ112の設定圧力を500kPaに設定することで、目的温度が摂氏25度であるときの調整可能な相対湿度の範囲を、4%(水温を摂氏4.0度に調整した場合)以上100%(水温を摂氏25度に調整した場合)以下まで拡張することができる。
また、タンク内の圧力が1気圧である場合において、目的温度が摂氏80度であるとき、調整可能な相対湿度の範囲は、1%(水温を摂氏0.1度に調整した場合)以上100%(水温を摂氏80度に調整した場合)以下である。これに対し、バルブ112の設定圧力を500kPaに設定することで、目的温度が摂氏80度であるときの調整可能な相対湿度の範囲を、0.3%(水温を摂氏1.9度に調整した場合)以上100%(水温を摂氏80度に調整した場合)以下まで拡張することができる。
なお、非特許文献3に開示された技術によれば、発生させる空気の相対湿度の下限は50%とされている。これは、本実施形態に係る給気部101およびバルブ112に相当する圧力調整部を備えないことによる。
以上、図面を参照して一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、上述した実施形態に係る蒸気発生部103は、空気を給水部102から供給された水にくぐらせることで、相対湿度100%の飽和空気を生成するいわゆるバブリング方式のものであるが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る蒸気発生部103は、水を加熱して水蒸気を生成し、マスフローコントローラによって水蒸気の流量を制御するベーキング方式に係るものであっても良い。
また、上述した実施形態に係る雰囲気調整装置1は、調整装置115が水温調整部104に調整させる飽和空気の温度および温調媒体供給部107に供給させる温調媒体の温度を調整する場合について説明したが、これに限られない。例えば、調整装置115は、水温調整部104に調整させる飽和空気の温度をディスプレイ等に出力し、当該出力に基づいて使用者が水温調整部104および温調媒体供給部107を制御しても良い。
また、上述した実施形態に係る雰囲気調整装置1は、目的温度かつ目的相対湿度の空気を生成するが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る雰囲気調整装置1は、目的温度の入力を受け付けず、観測装置が設けられた部屋の室温と同じ温度かつ目的相対湿度の空気を生成しても良い。このとき、温調媒体の温度が室温と同じ温度であるならば、温調媒体供給部107は、温調媒体の温度の制御を行わなくても良い。
また、上述した実施形態に係る雰囲気調整装置1は、目的温度かつ目的相対湿度の空気を生成するが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る雰囲気調整装置1は、窒素ガス、酸素ガスまたは他の気体の温度および相対湿度を、目的温度および目的相対湿度に調整しても良い。
また、上述した実施形態では、調整装置115が算出した水温が水温調整部104の調整範囲を超える場合、使用者がバルブ112の設定圧力を変更して再計算するが、これに限られない。例えば、他の実施形態では、調整装置115が算出した水温が水温調整部104の調整範囲を超える場合、調整装置115が、水温が水温調整部104の調整範囲に収まるためのバルブ112の設定圧力を算出しても良い。この場合、使用者がバルブ112の設定圧力を変更しても良いし、計算結果に基づいて調整装置115がバルブ112の設定圧力を変更しても良い。
1 雰囲気調整装置
101 給気部
102 給水部
103 蒸気発生部
104 水温調整部
105 蒸気温調器
106 温調媒体供給部
107 温度調整部
108 空気輸送管
109 温調媒体輸送管
110 熱交換部
111 バルブ
112 外気圧計
113 外気温計
114 調整装置
115 冷媒供給部
O 観測対象物

Claims (8)

  1. タンク内の水に気体を通すことで蒸気を発生させる蒸気発生部と、
    目的温度および目的相対湿度に応じて、前記タンク内の水温を調整する水温調整部と、
    前記蒸気発生部が発生させた気体を輸送する輸送管と、
    前記輸送管の気体流出端側に設けられ、前記気体の温度を前記目的温度に調整することで、前記気体の温度および相対湿度を前記目的温度および前記目的相対湿度に調整する調整部と
    を備える雰囲気調整装置。
  2. 前記目的相対湿度、前記目的温度および前記タンク内の気体の圧力に基づいて、前記水温調整部が調整すべき前記タンク内の水温を算出する温度算出部をさらに備える
    請求項1に記載の雰囲気調整装置。
  3. 前記タンク内の気体の圧力を調整する圧力調整部をさらに備える請求項1または請求項2に記載の雰囲気調整装置。
  4. 前記輸送管のうち前記調整部が設けられない部分が断熱材で覆われている請求項1から請求項3の何れか1項に記載の雰囲気調整装置。
  5. 前記輸送管は可撓性を有し、
    前記輸送管の気体流出端において、当該気体流出端の位置及び向きを固定する固定台をさらに備える
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の雰囲気調整装置。
  6. 前記目的温度の温調媒体を前記調整部に供給する温調媒体供給部をさらに備え、
    前記調整部は、前記輸送管によって輸送された前記気体と前記温調媒体との熱交換により、前記気体の温度および相対湿度を前記目的温度および前記目的相対湿度に調整する
    請求項1から請求項5の何れか1項に記載の雰囲気調整装置。
  7. 前記水温調整部が、調整すべき水温より低い温度の冷媒およびヒーターによって前記タンク内の水温を調整する
    請求項1から請求項6の何れか1項に記載の雰囲気調整装置。
  8. 前記蒸気発生部の前記タンクに水を供給する給水部をさらに備える
    請求項1から請求項7の何れか1項に記載の雰囲気調整装置。
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