JP2016123860A - 洗濯機の脱水時における振動低減方法 - Google Patents

洗濯機の脱水時における振動低減方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スピンバスケットの回転が共振回転数を通過する時に、アンバランスとボールとを精度高く対向させる。【解決手段】スピンバスケット20にボールバランサ40を備えた洗濯機10の脱水時における振動低減方法である。スピンバスケット20を所定の計測回転数N1で回転させる。スピンバスケット20で生じるアンバランスとボール42との相対的な位置関係から生じるスピンバスケット20の振動周期T1を計測する。一定の加速度で計測回転数N1から加速した場合に、スピンバスケット20の回転数が共振回転数Nxを通過する時にボール42とアンバランスとが互いに対向する共振時逆位相配置となる加速開始タイミングを、振動周期T1に基づいて取得する。【選択図】図8

Description

本発明は、洗濯機の脱水時における振動低減方法に関する。
洗濯機では、脱水時に、洗濯物が偏って分布することでスピンバスケットがアンバランスになり、大きな振動や騒音を発生するという問題がある。この問題に対処するために、スピンバスケットにボールバランサを設置して、その振動を低減することなどが行われている。
ボールバランサは、円環状の部材であり、その内部には、オイルとともに複数のボールが周回自在に収容されている。スピンバスケットを、共振(1次共振)が起きる共振回転数よりも高速で回転させると、ボールはアンバランスと対向する(逆位相となる)ように移動する。そのため、スピンバスケットにボールバランサを設置することで、アンバランスが相殺され、振動を低減することができる。
ところが、そのような回転数までスピンバスケットの回転数を高める際には、スピンバスケットは共振回転数を通過しなければならない。その際、ボールがアンバランス側に位置していると、非常に大きな振動が発生する。そのため、スピンバスケットの回転数が共振回転数を通過する時にはアンバランスにボールを対向させるのが好ましく、そのようにボールを配置するために、様々な方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、共振回転数よりも低くてボールが周回する回転数でスピンバスケットを回転させ、その状態で、ボールがアンバランスと対向した時に、共振回転数を超える回転数まで一気に回転数を上昇させる方法が開示されている。
また、特許文献2には、回転するスピンバスケットの加速度を調整してボールの配置を制御する方法が開示されている。具体的には、共振回転数よりも低くてボールが周回する回転数でスピンバスケットを回転させ、その状態で、アンバランスやボールの位置等の情報を把握する。その情報に基づいて加速中のアンバランスやボールの相対的な位置関係から加速度を調整し、スピンバスケットが共振回転数を通過する時に、アンバランスとボールとが対向するように制御している。
また、特許文献3には、実験結果から得られた条件に基づいて、ボールが底部に偏っている状態の回転数から所定時間内で共振回転数まで上昇させる方法が開示されている。
特開2013−34686号公報 特開2013−223621号公報 特開2014−79487号公報
温度変化によるオイルの粘度の変化や洗濯機の機体差等により、ボールの移動量には、ばらつきが生じ得る。従って、ボールの回転を制御する際には、そのような外因を考慮しないと、スピンバスケットが共振回転数を通過する時のボールの位置がずれて振動が大きくなってしまう。
しかも、ボールの最適な配置はピンポイントであるのに対し、スピンバスケットが共振回転数を通過する時のボールの周回速度は高速であるため、特許文献1〜3の方法では、アンバランスにボールを精度高く対向させるのは容易でない。
そこで、本発明の目的は、スピンバスケットの回転が共振回転数を通過する時に、アンバランスとボールとを精度高く対向させることができ、脱水時の振動を効果的に低減できる洗濯機を提供することにある。
本発明は、洗濯物を収容するスピンバスケットにボールバランサを備えた洗濯機の脱水時における振動低減方法であって、前記スピンバスケットを、共振回転数よりも低くて前記ボールバランサのボールが周回する所定の計測回転数で回転させる試験回転ステップと、前記試験回転ステップにおいて、前記洗濯物の偏心分布によって前記スピンバスケットで生じるアンバランスと前記ボールとの相対的な位置関係から生じる前記スピンバスケットの振動周期を計測する振動周期計測ステップと、予め設定されている一定の加速度で前記計測回転数から加速した場合に、前記スピンバスケットの回転数が前記共振回転数を通過する時に前記ボールと前記アンバランスとが互いに対向する共振時逆位相配置となる加速開始タイミングを、前記振動周期に基づいて取得する加速開始タイミング取得ステップと、を含む。
この振動低減方法によれば、計測回転数でスピンバスケットを回転させて振動周期が計測されるが、振動周期は、温度変化によるオイルの粘度の変化や洗濯機の機体差等の影響を受けて変化する。従って、脱水処理ごとに、この振動周期を用いて加速開始タイミングを設定することで、加速開始タイミングの設定から外因を排除することができ、共振時逆位相配置を精度高く取得することができる。
そして、予め設定されている一定の加速度で計測回転数から加速するため、加速開始から共振回転数を通過するまでの時間(加速開始時間)が特定される。その加速開始時間と、振動周期とから加速開始タイミングを取得するので、ボールの周回速度が高速であっても、精度の高い加速開始タイミングが取得でき、スピンバスケットの回転が共振回転数を通過する時に、アンバランスとボールとを精度高く対向させることができる。
具体的には、前記計測回転数は、回転が始まって前記洗濯物が前記スピンバスケットの内周面に張り付いて移動不能になった時の回転数とするのが好ましい。
そうすれば、計測回転数が最小になって振動周期が大きくなるので、振動周期が安定し、高精度な振動周期が取得できる。
より具体的には、前記加速開始タイミング取得ステップが、運動方程式から得られる前記ボールの移動速度と、前記スピンバスケットの回転数が前記加速度で加速されて前記計測回転数から前記共振回転数に達するのに要する時間と、を用いて、前記共振時逆位相配置となる前記ボールの移動量を算出するボール移動量算出ステップを含むようにするとよい。
そうすれば、ボールの移動量が力学的な関数に基づいて算出されるので、ボールの周回速度が高速であっても、ボールの移動量を精度高く推定できる。
また、前記加速開始タイミング取得ステップが、前記振動周期と前記共振回転数とが関連付けされたマップ情報を用いて、前記共振時逆位相配置となる前記ボールの移動量を算出するボール移動量算出ステップを含むようにしてもよい。
そうすれば、演算処理量を削減できるため、高度な処理速度や処理能力が無くても容易に実現できる。
更には、前記加速開始タイミングで前記スピンバスケットの回転を加速させる加速ステップと、前記加速ステップにおいて前記スピンバスケットの振動量を監視する振動量監視ステップと、前記振動量が所定値を超えたときに、前記スピンバスケットの回転を前記計測回転数まで減速させる減速ステップと、前記加速開始タイミングを補正するための補正量を設定する補正量設定ステップと、前記補正量に基づいて前記加速開始タイミングを補正することで新たに前記加速開始タイミングを設定する再設定ステップと、再設定された前記加速開始タイミングにより、前記スピンバスケットを停止させることなく再加速させる再加速ステップとを含むようにしてもよい。
この回転制御の場合には、スピンバスケットを加速させるときにその振動量を監視し、振動量が所定量を超えたときに、スピンバスケットを計測回転数まで減速させ、補正量に基づいて再設定された新たな加速開始タイミングで、スピンバスケットを停止させることなく再加速させるようにしている。
このように、スピンバスケットの振動量が大きくなった場合に、一度、スピンバスケットの回転数を減速させてから、振動量を低減させるために再設定された新たな加速開始タイミングに基づいてスピンバスケットを再加速すれば、精度を高めることができるので、共振回転数を通過する際の振動をよりいっそう低減できる。
また、このような再加速動作は、スピンバスケットを停止させることなく行われるため、スピンバスケットの振動量が大きくなったときにスピンバスケットを停止させる動作を行った場合に比べて、脱水時間が短縮できる。
またこの場合、前記補正量T3、前記計測回転数N1、前記振動量が所定量を超えたときの前記スピンバスケットの回転数N2、前記共振回転数より若干低い回転数N3(N1<N3<共振回転数を満たし、共振回転数-10rpm程度で設定)、前記加速度αが、
T3=(N3−N2)/α
という条件を満たすように設定するとよい。
補正量T3を、上述した条件式を満たすように設定することで、振動量が所定量を超えたときのスピンバスケットの回転数N2を特に考慮した最適な条件で補正量T3を設定することができる。
更には、前記補正量を記憶する記憶部を備え、補正量設定ステップで、前記記憶部から読み出される前記補正量を用いるようにするとよい。
補正量を記憶部に記憶させ、次回以降の脱水処理において、その補正量を読み出して再設定した加速開始タイミングを使用できるので、再加速工程を省くことができ、脱水時間を短縮できる。
本発明の振動低減方法によれば、スピンバスケットの回転が共振回転数を通過する時に、アンバランスとボールとを精度高く対向させることができるようになるので、脱水時の振動を効果的に低減できる洗濯機を提供することができる。
本実施形態での洗濯機の構成を示す側面断面図である。 バランサの正面断面図である。 バランサの側面断面図である。 洗濯機の主な構成を示すブロック図である。 演算部の主な構成を示すブロック図である。 スピンバスケットとボールバランサの動作を説明する図である。 第1の回転制御を説明するフローチャートである。 第1の回転動作を説明するタイムチャートである。 振動周期を説明する図である。 第2の回転制御を説明するフローチャートである。 第2の回転動作を説明するタイムチャートである。 アンバランスとボールとの相対位置と、そのときの補正量の符号との関係を示す概略図である(T3>0となる場合)。 アンバランスとボールとの相対位置と、そのときの補正量の符号との関係を示す概略図である(T3<0となる場合)。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物あるいはその用途を制限するものではない。
<洗濯機の構成>
図1に、本実施形態の洗濯機を示す。洗濯機10は、洗い処理、濯ぎ処理、及び脱水処理の一連の過程を自動で行うことが可能な全自動型のドラム式洗濯機である。この洗濯機10は、床面等に設置され、横方(図1において右側)に向いた前面に投入口を有する筐体11と、筐体11の内部に配置されたタブ12と、タブ12の内部に回転自在に設けられたスピンバスケット20と、スピンバスケット20を回転軸Lを中心に回転させるモータ30とを備えている。
タブ12は、前面側に開口が形成された有底円筒状をなしており、その中心軸が床面等と略平行になるように配置されている。このタブ12は、筐体11の内部において複数のバネ13やダンパ14によって支持されている。タブ12の底面には軸受15が設けられている。
スピンバスケット20は、多数の排水孔が形成されている円筒状の側面板21と、側面板21の前後面にそれぞれ結合される前面板22及び後面板23とを有している。前面板22には開口部が形成されており、この開口部を通じてスピンバスケット20の内部に洗濯物Wを出し入れできるように構成されている。
また、後面板23の後方側(図1において左側)には、スピンバスケット20を回転軸Lを中心に回転可能とする主軸24が設けられている。この主軸24が軸受15に軸支され、回転軸Lとタブ12の中心軸とが一致するように配置されている。スピンバスケット20の前面板22には、ボールバランサ40が設置されている。
図2及び図3に示すように、ボールバランサ40は、中空円環状のレース41を有し、そのレース41の内部に、粘性流体としてのオイル43と、複数のボール42(図2では8つ)とが収容されている。ボールバランサ40は、回転軸Lを中心にしてスピンバスケット20に同心状に設置されており、スピンバスケット20の回転に伴って複数のボール42が周回し得るように構成されている。
モータ30は、例えばDCモータであって、主軸24を回転させる。モータ30には、その回転数を計測する回転数センサ31や、その駆動電流を計測する電流センサ32、スピンバスケットの重量変化を計測する重量センサ33などが取り付けられている。脱水処理前の洗濯物Wの重量は、重量センサ33を用いることで計測できる。
これらセンサで計測される計測値は、筐体11に設置された制御装置50に出力される。制御装置50は、これら計測値を用いることにより、洗いや濯ぎ、脱水の各処理でのモータ30の回転を制御している。
図4に、制御装置50に関連した主な構成を示す。制御装置50には、回転制御部51、振動量監視部52、演算部53、記憶部54などが備えられている。回転制御部51は、回転数センサ31から入力される計測値等を用いてモータ30の回転動作を制御する。振動量監視部52は、電流センサ32から入力される計測値等を用いてスピンバスケット20の振動量を監視する。
演算部53は、振動量監視部52や記憶部54と協働して各種データ処理や演算などを実行し、回転制御部51と協働してモータ30の回転を制御する。記憶部54は、例えば、EEPROMで構成され、後述する加速度やマップデータ、補正量など、各種データを記憶し、演算部53との間で情報を入出力する。
図5に示すように、演算部53には、振動周期計測部53a、共振回転数算出部53b、加速開始タイミング取得部53c、補正量設定部53dなどが備えられている。振動周期計測部53aは、スピンバスケット20が計測回転数N1で回転している時にアンバランスとボール42との相対的な位置関係から生じるスピンバスケット20の振動周期T1を計測する。
共振回転数算出部53bは、脱水処理の際に、洗濯物Wを含めたスピンバスケット20の共振回転数Nxを算出する。加速開始タイミング取得部53cは、計測回転数N1から加速して、スピンバスケット20の回転数が共振回転数Nxを通過する時にボール42とアンバランスとが互いに対向する逆位相配置(共振時逆位相配置)となる加速の開始タイミングを取得する。補正量設定部53dは、加速開始タイミングの補正に用いられる補正量T3を設定する。
(脱水時の立ち上げ)
洗いや濯ぎの処理が完了すると、タブ12及びスピンバスケット20の内部の水が外部に排水される状態となり、脱水処理が行われる。脱水処理では、スピンバスケット20を、例えば1000RPM以上の高速な回転数(目標回転数)で一定時間回転させ、遠心力の作用で洗濯物Wを脱水する。
脱水処理時の洗濯物Wは、スピンバスケット20の回転数がある程度高くなると、スピンバスケット20の内周面に張り付いて動かなくなる。その際、洗濯物Wが張り付く位置は不特定であり、通常、洗濯物Wは偏った状態で分布する。そのため、スピンバスケット20にはアンバランスが発生する(各図では洗濯物Wでアンバランスの周方向の位置を表している)。そのアンバランスを打ち消すために、ボールバランサ40が設置されている。
スピンバスケット20が回転していないときには、ボール42は、重力の作用で鉛直方向下側に集まっており、スピンバスケット20の回転が開始することで、上下動し始める。そして、スピンバスケット20の回転数が高まるに連れてボール42の移動量も大きくなり、その後、遠心力が重力に打ち勝つようになると、図6に示すように、ボール42はスピンバスケット20の回転方向(図6では時計回り)と逆向き(図6では反時計回り)に周回するようになる。
共振回転数Nxよりも低い回転数では、ボール42の移動速度がアンバランスの移動速度(スピンバスケット20の回転速度)よりも遅く、アンバランスとボール42との周方向における相対位置は変動する。
共振回転数Nxより高い回転数では、ボール42はアンバランスを打ち消すように自動的に移動する。そのため、スピンバスケット20がそのような高速で回転している時には、振動や騒音が軽減される。
ところが、スピンバスケット20の回転数を目標回転数まで高める過程で、スピンバスケット20は共振回転数Nxを通過しなければならない。その際、ボール42がアンバランス側に位置していると、非常に大きな振動が発生する。そのため、この洗濯機10では、スピンバスケット20の回転数が共振回転数Nxを通過する時に、精度高く、ボール42とアンバランスとが互いに対向するように、スピンバスケット20の回転制御が行えるようになっている。
<第1の回転制御>
図7に、スピンバスケット20の回転制御(第1の回転制御)の流れを示し、図8に、その制御時におけるボール42の回転動作のタイムチャートを示す。第1の制御は、試験回転ステップ、共振回転数計測ステップ、振動周期計測ステップ、加速開始タイミング取得ステップ、加速ステップなどで構成されている。
(試験回転ステップ)
試験回転ステップでは、スピンバスケット20を、所定の計測回転数N1に保持しながら回転させる処理が行われる(ステップS10)。計測回転数N1は、例えば100RPMなど、共振回転数Nxよりも低くてボール42が周回する回転数である。
回転数が低いほど、振動周期T1が大きくなって高精度な振動周期T1が取得できるので、計測回転数N1は、可能な限り低い方が好ましい。そのため、この洗濯機10では、回転が始まって洗濯物Wがスピンバスケット20の内周面に張り付いて移動不能になった時の回転数が、計測回転数N1として設定されている。
この時のボール42は、図6に示したように、スピンバスケット20の回転方向と逆向きに一定の速度で周回している。
(共振回転数計測ステップ)
共振回転数計測ステップでは、共振回転数算出部53bにより、洗濯物Wを含むスピンバスケット20の共振回転数Nxが取得される(ステップS11)。具体的には、ほとんどの水分が除去された洗濯物Wの重量M0が重量センサ33で計測され、その重量M0と、スピンバスケット20の重量M、バネ定数k、及び次の式(1)を用いることにより、共振回転数Nxが取得される。
Figure 2016123860
(振動周期計測ステップ)
振動周期計測ステップでは、振動周期計測部53aにより、試験回転ステップにおいて、アンバランスとボール42との相対的な位置関係から生じるスピンバスケット20の振動周期T1を計測する処理が行われる(ステップS12)。振動周期計測部53aは、電流センサ32より入力される駆動電流の変化からスピンバスケット20の振動周期T1を計測する。
図9に、その駆動電流の変化の一例を示す。試験回転ステップでは、アンバランスとボール42の双方が一定の速度で周回しているため、相対位置が周期的に変化している。アンバランスとボール42とが同じ側に位置した時(同位相)には、振動が最大になり、それに伴って駆動電流の振幅も最大になる。対して、アンバランスとボール42とが対向した時(逆位相)には、振動が最小になり、それに伴って駆動電流の振幅も最小になる。このような変化が一定の周期で発生するため、振動周期計測部53aは、例えば、そのピークからピークまでの時間等、その振動周期T1を計測する。
この振動周期T1は、温度変化によるオイル43の粘度の変化や洗濯機10の機体差等の影響を受けて変化する。従って、脱水処理ごとに、この振動周期T1を用いて加速開始タイミングを設定することで、加速開始タイミングの設定から外因を排除することができ、共振時逆位相配置を精度高く取得することができる。
(加速開始タイミング取得ステップ)
加速開始タイミング取得ステップでは、加速開始タイミング取得部53cにより、記憶部54に予め設定されている一定の加速度で計測回転数N1から加速した場合に、共振時逆位相配置となる加速開始タイミングを、振動周期T1に基づいて取得する処理が行われる(ステップS13)。
具体的には、運動方程式から得られるボール42の移動速度と、スピンバスケット20の回転数が加速されて計測回転数N1から共振回転数Nxに達するのに要する時間ΔTと、を用いて、共振時逆位相配置となるボール42の移動量を算出する処理が行われる(ボール移動量算出ステップ)。
記憶部54には、次の式(2)、(3)、(4)が記憶されている。
Figure 2016123860
Figure 2016123860
Figure 2016123860
式(2)は、レース41を周回するボール42の運動方程式である。μはレース41の摩擦係数、Rはボール42の回転半径(レース41の半径)、mはボール42の質量、Aは加速度であり、ωBallがボール42の移動速度を表している。
式(3)は、スピンバスケット20の回転数が加速されて計測回転数N1から共振回転数Nxに達するのに要する時間(加速開始時間)ΔTを算出する式である。加速度Aが一定であるため、加速開始時間ΔTは、計測回転数N1及び共振回転数Nxで特定され、これらから容易に算出できる。
式(4)は、式(3)によって算出される加速開始時間ΔTを用いて、共振時逆位相配置となるボール42の移動量Δθ、つまり、加速開始タイミングでボール42が存在する位置から、スピンバスケット20の回転数が共振回転数Nxを通過する時にアンバランスとボール42とが対向する(位相差がπとなる)位置までのボール42の移動量Δθを算出する式である。
加速開始タイミング取得部53cは、これら式(2)〜(4)を用いて演算を行いてボール42の移動量Δθを取得する。
なお、ボール42の移動量がπよりも大きい場合、共振回転数Nxの近くでボール42がアンバランスを通過して振動が大きくなるため、ボール42の移動量Δθはπよりも小さくするのが好ましい。そのため、この洗濯機10では、加速度Aが所定の下限値より高く設定されている。
具体的には、加速度Aの下限値は、式(3)と、次の式(5)、(6)とを用いて取得されている。
Figure 2016123860
Figure 2016123860
α・Nx(0<α<1)は、これ以上の回転数でアンバランスとボール42とが同位相になると大きな振動が発生する共振回転数Nxの近傍の回転数であり、試験等によって求められる。これら式を用いることで加速度Aの下限値を算出することができる。
この点、具体例を用いて詳しく説明する。なお、ボール42の移動速度を運動方程式から算出すると複雑になるため、説明では、ボール42の移動速度をω0(一定)として扱う。
式(5)より、次の式(7)が得られる。
Figure 2016123860
これに、式(3)及び(6)を代入することで、次の式(8)が得られ、その解として不等式(9)が得られる。
Figure 2016123860
Figure 2016123860
ここで、振動周期T1を40秒と過程すると、ボールの移動速度は、次の式(10)で表される。
Figure 2016123860
計測回転数N1を100RPM、共振回転数Nxを170RPM、αを0.3と仮定すると、加速度Aの下限値は次の式(11)によって求められる。
Figure 2016123860
(加速ステップ)
加速ステップでは、回転制御部51により、ボール42の移動量Δθに基づく特定の加速開始タイミングになったか否かが判断され(ステップS14)、加速開始タイミングになった場合に、回転制御部51は、一定の加速度Aで、スピンバスケット20の加速を開始する(ステップS15)。
そうすることで、スピンバスケット20の回転数が共振回転数Nxを通過する時には、精度高く、ボール42とアンバランスとを互いに対向させることができるため、脱水時の振動を効果的に低減できる。
<第2の回転制御>
更にこの洗濯機10では、加速開始タイミングを補正して精度を高める回転制御(第2の回転制御)も行えるように構成されている。図10、図11を参照しながら、その回転制御について説明する。
試験回転ステップにおいて、加速開始タイミングを補正するために、加速開始タイミング取得部53cは、記憶部54に記憶されている補正量T3を読み出し、補正量T3に基づいて加速開始時間T2を更新して、新たな加速開始時間T2’を設定する(ステップS104)。
なお、最初の脱水処理では、補正量T3が記憶部54に記憶されていないため、加速開始時間T2’=T2となるが、その後は、補正量T3を考慮した加速開始時間T2’を最初から使用することができる。
加速開始タイミングになった時(ステップS105でYES)、回転制御部51がモータ30を制御し、スピンバスケット20を加速度Aで加速する(ステップS106)。
振動量監視部52で、スピンバスケット20の振動量Sが監視されており、スピンバスケット20の回転数が共振回転数Nxを通過する時に、振動量Sが所定量X1を超えるか否かが判断される(ステップS107)。振動量Sが所定量X1を超えない場合には、このときの補正量T3が記憶部54に書き込まれ、処理を終了する(ステップS111)。
振動量Sが所定量X1を超える場合には、回転制御部51がモータ30を制御して、スピンバスケット20の回転数を計測回転数N1まで減速する(ステップS108)。図11では、ボール42がアンバランスとの逆位相位置を通過し、アンバランスとの同位相位置に向かっており、振動量が所定量X1より大きくなるため、減速される。
そして、補正量T3が、振動量Sが所定量X1を超えたときのスピンバスケット20の回転数N2を、つぎの条件式(1)に代入することで、算出される(ステップS109)。
T3=(N3−N2)/α ・・・(1)
ここで、N3は共振回転数Nxより若干低い回転数であり、αはスピンバスケット20を回転数N1から回転数N2まで加速させる加速度である。
算出された補正量T3に基づいて、加速開始時間T2’が更新され、再設定される(ステップS110)。
なお、本実施形態では、加速開始時間T2’でスピンバスケット20を加速させたときには、ボール42がアンバランスの対向位置を通過している。そのため、再加速のときには、スピンバスケット20の加速タイミングよりも手前から加速が開始されるように、補正量T3の符号をマイナスとして、加速開始時間T2’を短くしている(図12(B)参照)。
対して、加速開始時間T2’でスピンバスケット20を加速させたときに、ボール42がアンバランスの対向位置を通過していない場合には、再加速のときには、スピンバスケット20の加速タイミングよりも後から加速が開始されるように、補正量T3の符号をプラスとして、加速開始時間T2’を長くしている(図12(A)参照)。
ステップS110で加速開始時間T2’が再設定された後は、新たな加速開始時間T2’を用いてスピンバスケット20を再加速し、その後の処理を継続する。
このように、第2の回転制御によれば、スピンバスケット20の振動量Sが大きくなった場合に、一度、スピンバスケット20の回転数を減速させてから、振動量Sを低減させるために再設定された新たな加速開始時間T2’に基づいてスピンバスケット20を再加速するので、共振回転数Nxを通過する際の振動を低減できる。
また、このような再加速動作は、スピンバスケット20を停止させることなく行われるため、スピンバスケット20の振動量Sが大きくなったときにスピンバスケット20を停止させる動作を行った場合に比べて、脱水処理の時間短縮を図ることができる。
なお、本発明にかかる振動低減方法は、上述した実施形態に限定されず、それ以外の種々の構成をも包含する。
実施形態では、共振時逆位相配置となるボール42の移動量Δθの算出に際し、運動方程式等を用いたが、それに限らない。例えば、記憶部54に、振動周期T1と共振回転数Nxとが関連付けされたマップ情報を記憶しておき、そのマップ情報を用いて、共振時逆位相配置となるボール42の移動量Δθを算出してもよい。
また、運動方程式を次の式(12)で代用してもよい。
Figure 2016123860
αは調整係数
そうすれば、演算処理量を削減できるため、高度な処理速度や処理能力が無くても容易に実現できる。
振動周期T1は、振動センサで計測してもよい。加速開始タイミングは、振動周期T1の時間ではなく、振動周期T1の振幅に基づいて取得することもできる。
10 洗濯機
20 スピンバスケット
30 モータ
40 ボールバランサ
42 ボール
50 制御装置
W 洗濯物

Claims (7)

  1. 洗濯物を収容するスピンバスケットにボールバランサを備えた洗濯機の脱水時における振動低減方法であって、
    前記スピンバスケットを、共振回転数よりも低くて前記ボールバランサのボールが周回する所定の計測回転数で回転させる試験回転ステップと、
    前記試験回転ステップにおいて、前記洗濯物の偏心分布によって前記スピンバスケットで生じるアンバランスと前記ボールとの相対的な位置関係から生じる前記スピンバスケットの振動周期を計測する振動周期計測ステップと、
    予め設定されている一定の加速度で前記計測回転数から加速した場合に、前記スピンバスケットの回転数が前記共振回転数を通過する時に前記ボールと前記アンバランスとが互いに対向する共振時逆位相配置となる加速開始タイミングを、前記振動周期に基づいて取得する加速開始タイミング取得ステップと、
    を含む振動低減方法。
  2. 請求項1に記載の振動低減方法において、
    前記計測回転数は、回転が始まって前記洗濯物が前記スピンバスケットの内周面に張り付いて移動不能になった時の回転数である振動低減方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の振動低減方法において、
    前記加速開始タイミング取得ステップが、運動方程式から得られる前記ボールの移動速度と、前記スピンバスケットの回転数が前記加速度で加速されて前記計測回転数から前記共振回転数に達するのに要する時間と、を用いて、前記共振時逆位相配置となる前記ボールの移動量を算出するボール移動量算出ステップを含む振動低減方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の振動低減方法において、
    前記加速開始タイミング取得ステップが、前記振動周期と前記共振回転数とが関連付けされたマップ情報を用いて、前記共振時逆位相配置となる前記ボールの移動量を算出するボール移動量算出ステップを含む振動低減方法。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の振動低減方法において、
    前記加速開始タイミングで前記スピンバスケットの回転を加速させる加速ステップと、
    前記加速ステップにおいて前記スピンバスケットの振動量を監視する振動量監視ステップと、
    前記振動量が所定値を超えたときに、前記スピンバスケットの回転を前記計測回転数まで減速させる減速ステップと、
    前記加速開始タイミングを補正するための補正量を設定する補正量設定ステップと、
    前記補正量に基づいて前記加速開始タイミングを補正することで新たに前記加速開始タイミングを設定する再設定ステップと、
    再設定された前記加速開始タイミングにより、前記スピンバスケットを停止させることなく再加速させる再加速ステップと、を含む振動低減方法。
  6. 請求項5に記載の振動低減方法において、
    前記補正量T3、前記計測回転数N1、前記振動量が所定量を超えたときの前記スピンバスケットの回転数N2、前記共振回転数より若干低い回転数N3、前記加速度αが、
    T3=(N3−N2)/α
    という条件を満たすように設定されている振動低減方法。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の振動低減方法において、
    前記補正量を記憶する記憶部を備え、
    前記補正量設定ステップで、前記記憶部から読み出される前記補正量が用いられる振動低減方法。
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