JP2016119468A - 有機無機ハイブリッド太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】もれ電流が少なく、光電変換効率に優れており、光劣化が抑制された有機無機ハイブリッド太陽電池を提供する。【解決手段】(a)に示す太陽電池1は積層体であり、基板2、電極3、薄膜層4、有機無機ハイブリッド半導体層6、ホール輸送層7、対向電極8で構成されており、(b)に示す太陽電池1は複合膜であり、有機無機ハイブリッド半導体層6は多孔質層5の隙間に入り込み、多孔質層5と複合体を形成している。電極3は、算術平均粗さRaが25nm以下であり、有機無機ハイブリッド半導体層6は一般式R−M−X3(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表されるペロブスカイト構造を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、もれ電流が少なく、光電変換効率に優れており、光劣化が抑制された有機無機ハイブリッド太陽電池に関する。
近年、液晶、プラズマ、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等の各種ディスプレイを作製するにあたり、透明電極は必須の構成部材としてその開発が進められている。また上記以外にも各種太陽電池においても透明電極基板は不可欠の要素として挙げられる。太陽電池用途の透明電極基板には、低抵抗であること及び高い光透過性を有することが要求物性として挙げられている。
従来、透明電極としてはAu、Ag、Pt等の金属薄膜、スズドープ酸化インジウム(ITO)、亜鉛ドープ酸化インジウム(IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)、ガリウムドープ酸化亜鉛(GZO)、フッ素ドープ酸化錫(FTO)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)等の金属酸化物薄膜、TiN、ZrN、HfN等の導電性窒化物薄膜、LaB等の導電性ホウ素化物薄膜が用いられる。太陽電池用途の透明電極としては、上記のように低抵抗率と高光透過性とを両立させる必要があるが、金属薄膜ではそれらの両立が難しく、金属酸化物薄膜が最も良い特性を持っているため、透明電極の主流となってきている。
一方、太陽電池においては、N型半導体層とP型半導体層とを積層した積層体である光電変換層を少なくとも一方を上記の透明電極を用いた二つの電極で挟むことにより光電変換素子とする。また、光電変換層としては積層体の代わりに、N型半導体とP型半導体とを混合して複合化した複合膜を用いることも検討されている。このような光電変換素子では、光励起により光キャリアが生成し、電子がN型半導体を、ホールがP型半導体を移動することで、電界が生じる。
現在実用化されている光電変換素子の多くはシリコン等の無機半導体を用いた無機太陽電池であるが、製造コストが高く大型かつリジットであるため利用範囲が限られている。そこで特許文献1に記載のような有機半導体を用いた有機太陽電池に注目が集まるが、光電変換効率が無機太陽電池に比べて劣るものとなっている。
そこで近年、特許文献2又は非特許文献1に記載のような有機無機ハイブリッド半導体と呼ばれる、中心金属に鉛、スズ等を用いたペロブスカイト構造を有する光電変換材料が発見されている。
特開2006−344794号公報 特開2014−72327号公報
M.M.Lee,et al,Science,2012,338,643
しかしながら、特許文献2又は非特許文献1に記載の有機無機ハイブリッド太陽電池にはもれ電流が存在することから、もれ電流を抑制することで更なる効率向上が期待される。また、特許文献2又は非特許文献1に記載の有機無機ハイブリッド太陽電池は、光を当て続けると性能が低下する現象(光劣化)が確認された。よって、本発明は、もれ電流が少なく、光電変換効率に優れており、光劣化が抑制された有機無機ハイブリッド太陽電池を提供することを目的とする。
本発明は、JIS B 0601−2001に準拠して測定された、算術平均粗さRaが25nm以下である電極を有する基板と、電子輸送層と、一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表されるペロブスカイト構造を有する有機無機ハイブリッド半導体層と、を有する有機無機ハイブリッド太陽電池である。
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、もれ電流値が大きくなり、光劣化が起こる原因を鋭意検討した結果、電極を有する基板の電極表面の表面粗さが原因であると推測した。電極の表面粗さが大きいことで、電極上に積層する半導体層の製膜性が低下し、クラック、ピンホール等ができることにより対向電極等が電極に直接接触することで、もれ電流が発生すると思われる。すなわち、本発明者らは、電極のJIS B 0601−2001に準拠して測定された算術平均粗さRaを25nm以下にすることでもれ電流を抑制し、光電変換効率を向上させることができ、更に光劣化を抑制できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
なお、電極の算術平均粗さRaを25nm以下にすることによるもれ電流の抑制及び光劣化の抑制は、電荷分離能の高いペロブスカイト構造を有する有機無機ハイブリッド半導体層を用いた場合に顕著に見られる効果であり、例えば、無機半導体層を用いた場合には電極の算術平均粗さRaを25nm以下にしたとしても顕著なもれ電流の抑制及び光劣化の抑制は見られない。
太陽電池の電池特性は、一般的に短絡電流密度、開放電圧及びフィルファクター(FF)の三因子の積によって表すことができる。その中でもFFとは、生成したキャリアの回収効率を示すものであり、バルク又は各半導体層の界面等における抵抗値が低く、もれ電流が少ないとFFは高い値を示し、結果として光電変換効率が向上する。
本発明の有機無機ハイブリッド太陽電池は、電極を有する基板を有する。
上記電極は、JIS B 0601−2001に準拠して測定された算術平均粗さRaが25nm以下である。上記算術平均粗さRaの下限は特に限定されず、1nm以上であってもよい。上記電極上には、半導体層が多層積層されるが、上記算術平均粗さRaを25nm以下に抑えることによって、各層の製膜性が向上し、クラック、ピンホール等を抑制することができ、もれ電流を抑制することができる。上記算術平均粗さRaは20nm以下であることが好ましく、15nm以下であることがより好ましい。
上記算術平均粗さRaはBruker社製のDimension FastScan AFMのScanasist Airモード等を用いて測定することができる。
上記電極としては、透明電極又は金属電極等が挙げられる。
上記透明電極にはITO、IZO、AZO、GZO、FTO、ATO等の金属酸化物薄膜、TiN、ZrN、HfN等の導電性窒化物薄膜、LaB等の導電性ホウ素化物薄膜が挙げられる。なかでも、低抵抗性と高い光透過性との観点からITO、IZO、AZO、GZO、FTO又はATOが好ましく、有機無機ハイブリッド太陽電池を製造する際には上記透明電極の上に積層する半導体層を加熱処理することから、高耐熱性を有するFTO又はATOがより好ましい。
上記電極が透明電極である場合、上記基板は特に限定されないが、例えば、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等の透明ガラス基板、セラミック基板、透明プラスチック基板等が挙げられる。
上記透明電極のJIS B 0601−2001に準拠して測定された算術平均粗さRaは電極の種類又は作製方法によって、変化することが分かっており、上記透明電極の作製方法としては、例えばスパッタリング法等の乾式プロセス法、ゾル−ゲル法等の湿式プロセス法、スプレーパイロリシスデポジション法等が挙げられる。スプレーパイロリシスデポジション法においては、スプレーの噴霧量、噴霧速度、基板の温度等を調節することにより、容易に透明電極の算術平均粗さRaを調節することができる。
上記電極が金属電極である場合、上記金属電極の材料としては、特に限定されないが、チタン、アルミニウム、SUS、銅等が挙げられる。なかでも、光劣化の抑止に優れる観点からはチタンが好ましい。チタンが光劣化を抑制する理由については不明であるが、チタン電極と電子輸送層との界面に酸化チタン層が生じ、該酸化チタンが電子輸送層の密度を向上させるからではないかと考えられる。上記金属電極は、上記金属電極の材料を薄膜としたものであってもよいし、基板上にスパッタリング法、蒸着法等によって上記金属電極の材料を積層したものであってもよい。
上記電極が金属電極である場合の上記基板としては、特に限定されないが、ソーダライムガラス、無アルカリガラス等の透明ガラス基板、セラミック基板、透明プラスチック基板、金属薄膜等が挙げられる。上記基板として上記金属薄膜を用いた場合、上記金属薄膜は、上記金属電極と同じ材料でもよく、異なる材料でもよい。また、上記基板として金属薄膜を用いた場合は、上記金属薄膜の種類によって、上記電極の算術平均粗さRaを調整することができる。上記金属薄膜の膜厚の好ましい下限は1μm、好ましい上限は500μmである。
基板として上記金属薄膜を用いる場合、上記金属薄膜上に絶縁材料を積層し、更に電極を積層することが好ましい。
上記の構成にすることで、有機無機ハイブリッド太陽電池の性能を向上させることができる。上記絶縁材料としては、絶縁性を有する材料であれば特に限定されず、無機絶縁膜、絶縁樹脂等が挙げられる。上記無機絶縁膜としてはSiO2やAl2O3等が、上記絶縁樹脂としてはポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。なかでも、電極の算術平均粗さRaを上記上限以下に調整しやすい観点からは、上記絶縁材料は絶縁樹脂であることが好ましい。特に耐熱性、及び機械的強度に優れるので、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂等がより好ましい。上記絶縁材料の厚さは、下限が500nm、上限は50μmであることが好ましい。
上記基板として上記金属薄膜を用いる場合、金属薄膜をそのまま上記電極を有する基板としてもよい。上記金属薄膜をそのまま電極を有する基板として用いることによって、得られる薄膜太陽電池をフレキシブル太陽電池とすることができる。なお、電極を有する基板として金属薄膜を用いた場合、金属薄膜表面の算術平均粗さが上記電極の算術平均粗さに相当する。
上記電極の膜厚の好ましい下限は10nm、好ましい上限は1000nmである。電極の厚みを上記範囲内とすることにより、電極としての充分な性能を発揮できるとともに、光を照射し続けることによる光電変換効率の低下(光劣化)を確実に抑制することができる。
本発明の有機無機ハイブリッド太陽電池は、上記電極を有する基板の他に、電子輸送層と、一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表されるペロブスカイト構造を有する有機無機ハイブリッド半導体層と、を有するものである。また、上記電子輸送層と上記有機無機ハイブリッド半導体層とが互いに接していることが好ましく、上記電極、上記電子輸送層、上記有機無機ハイブリッド半導体層がこの順で並ぶことが好ましい。上記電子輸送層は、上記電極と、上記有機無機ハイブリッド半導体層との間に設けられていることが好ましい。このような有機無機ハイブリッド太陽電池においては、光励起により上記有機無機ハイブリッド半導体層で光キャリア(電子−ホール対)が生成し、それら光キャリアが半導体内を移動することで、電界が生じる。
なお、本発明の有機無機ハイブリッド太陽電池は、光電変換層として上記有機無機ハイブリッド半導体層と上記電子輸送層とを含有していればよく、上記電子輸送層及び上記有機無機ハイブリッド半導体層が積層体であってもよいし、上記電子輸送層と上記有機無機ハイブリッド半導体層とを複合化された複合膜であってもよいが、上記有機無機ハイブリッド半導体層の電荷分離効率を向上させることができるため、複合膜のほうが好ましい。上記積層体とは、各層が薄膜状に連なる後述する図1(a)のような構造をいい、上記複合膜とは、後述する図1(b)のように各層が混在している状態の膜をいう。
上記電子輸送層は上記電極上に積層されるのが好ましく、上記電子輸送層の材料は酸化物半導体が好ましい。上記酸化物半導体は特に限定されないが、チタン、アルミニウム、亜鉛、ニオブ、ケイ素、タンタル又はスズの酸化物が好ましい。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記電子輸送層は例えば酸化チタンのように、生成した電子を電極に輸送する働きを持つ。
上記電子輸送層は少なくとも二層構造を有することが好ましい。上記電極側に配置される第一の層は下層に対する追従性が高く、製膜性の良い層であることが好ましい(この層を以下薄膜層とする)。追従性が高いとは、下層の形状に従い製膜されることにより、製膜後にクラック、ピンホール等がなく、下層が露出しづらい膜が形成される状態である。上記薄膜層を上記電極側に設けることにより、上記電子輸送層よりも上層の上記有機無機ハイブリッド半導体層及びホール輸送層、更に対向電極が上記電極と直接接触することを抑制し、もれ電流を抑制することができる。
上記薄膜層の製膜方法は特に限定されず、各元素のアルコキシド溶液又は錯体溶液をスプレーパイロリシス法又はスピンコート法等により製膜する方法が挙げられる。
上記電子輸送層の第二の層は多孔質層であることが好ましい。すなわち、上記電子輸送層は、上記薄膜層と上記多孔質層とを有し、上記薄膜層が、上記電極側に配置されていることが好ましい。
上記多孔質層の細孔の平均径は5〜100nmであることが好ましい。上記電子輸送層が上記多孔質層を含有することにより、上記多孔質層の細孔に上記有機無機ハイブリッド半導体層及びホール輸送層が浸透する(入り込む)ことができ、各界面の表面積が増加し、生成する電荷量を増加させることができる。細孔の平均径が5nm以上であると、充分な界面面積が確保されるために、生成電荷量が上昇する。細孔の平均径が100nm以下であると、上記多孔質層の細孔に上記有機無機ハイブリッド半導体層及びホール輸送層が充分に浸透しやすくなる等の理由により生成電荷量が上昇する。細孔の平均径のより好ましい下限は8nmであり、より好ましい上限は70nmであり、更に好ましい下限は12nmであり、更に好ましい上限は50nmである。
また、ここにおける細孔とは多孔質層内に孤立したものではなく、膜表面まで三次元的に繋がった構造のことをいう。細孔の平均径はガス吸着法等によって測定できる。
上記多孔質層の製膜方法は特に限定されないが、スピンコート法、スクリーン印刷法、スプレーパイロリシス法、エアロゾルデポジション法等が挙げられる。
上記多孔質層の製膜方法の一例としてスクリーン印刷法が挙げられる。スクリーン印刷法とは電子輸送材料からなる粒子を有機溶媒中に分散させた分散液を下層上に印刷し、上記有機溶媒を揮発させて多孔質層を形成する方法である。
このようなスクリーン印刷法によって上記多孔質層を製膜する場合には、上記分散液には有機バインダを含有させてもよい。その場合、上記電子輸送材料からなる粒子と上記有機バインダと上記有機溶媒とを含有した分散液(ペースト)を下層上に印刷し、上記有機溶媒を揮発させた後、更に高温焼成処理にて上記有機バインダを消失させる必要がある。
上記有機バインダは特に限定されないが、エチルセルロース又は(メタ)アクリル樹脂を用いるのが好ましい。低温分解性に優れ、低温焼成を行う場合でも有機残渣量が少ないペーストとすることができることから(メタ)アクリル樹脂が特に好ましい。
上記(メタ)アクリル樹脂としては300℃程度の低温で分解するものであれば特に限定されないが、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及びポリオキシアルキレン構造を有する(メタ)アクリルモノマーからなる群より選択される少なくとも1種を重合してなる重合体が好適に用いられる。ここで、例えば(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。なかでも、少ない樹脂の量で高い粘度を得ることができることから、ガラス転移温度(Tg)が高く、かつ、低温脱脂性に優れるイソブチルメタクリレートの重合体であるポリイソブチルメタクリレートが好適である。また、上記多孔質層の細孔の平均径は上記電子輸送材料からなる粒子の粒子径を変えること以外に上記有機バインダの種類又は添加量を変更することによっても調整することができる。
上記電子輸送層には結晶性向上及びネッキング性の向上のため、加熱焼成を行うことが好ましい。焼成温度の好ましい下限は100℃、好ましい上限は600℃であり、更に好ましい下限は150℃、更に好ましい上限は500℃である。また、上記電子輸送層に活性エネルギー線を照射することにより加熱焼成と同様の効果を得ることができる。上記加熱焼成の後に活性エネルギー線を照射することにより、有機残渣量をより一層低減することができる。
上記活性エネルギー線としては、例えば、紫外線、プラズマ、電子線等が挙げられる。
上記紫外線を照射する場合には、紫外線をその積算光量が100J/cm以上となるように照射することが好ましい。上記積算光量が100J/cm未満であると、有機残渣の除去を充分に行うことができないことがある。上記積算光量のより好ましい下限は150J/cmであり、好ましい上限は10000J/cmである。なお、積算光量は照射強度(mW/cm)×照射時間(秒)にて簡易的に算出することができる。
また、紫外線の照射強度は0.5〜1000mW/cmであることが好ましい。更に、紫外線の照射時間は1秒〜300分間であることが好ましく、1秒〜60分間であることがより好ましい。照射強度が小さすぎたり、照射時間が短すぎたりすると、有機残渣の除去が部分的にしか進行しないため充分な効果を得ることができず、照射強度が大きすぎたり、照射時間が長すぎたりすると、上記電極を有する基板の紫外線劣化又は熱的劣化を及ぼすことがある。
上記活性エネルギー線を照射する方法としては特に限定されず、例えば、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、水銀−キセノンランプ等を用いて紫外線を照射する方法、プラズマ発生装置等を用いてプラズマを照射する方法等が挙げられる。
上記活性エネルギー線を照射する場合には、上記電子輸送層の表側(上記電極を有する基板と反対側)及び裏側(上記電極を有する基板側)の両方から活性エネルギー線を照射することが好ましい。これにより、上記電子輸送層の内部まで充分に活性エネルギー線を照射することができる。その結果、少ない積算光量でも充分に、活性エネルギー線照射の効果を得ることができ、製造工程全体の時間短縮に繋げることができる。なお、表側からの照射、及び、裏側からの照射は、同時に行ってもよく、複数回に分けて順次行ってもよい。
上記電子輸送層に活性エネルギー線を照射した後、更に上記電子輸送層にパルス幅の小さいパルス白色光を照射することが好ましい。上記パルス白色光を照射することで、上記電子輸送材料からなる粒子間の表面の溶融による緻密化が起こり、その結果、表面抵抗を低下させることができる。
上記パルス白色光は、パルス幅が0.1〜10msであることが好ましい。これにより、瞬間的に強力な光エネルギーを照射することができる。
上記パルス白色光の積算光量としては特に限定されないが、4J/cm以上であることが好ましく、15〜40J/cmであることがより好ましい。これにより、上記電子輸送材料からなる粒子間の表面の溶融に充分なエネルギーを加えることができる。上記パルス白色光の照射回数は1〜5回であることが好ましい。
上記パルス白色光を照射する方法としては特に限定されず、例えば、ハロゲンフラッシュランプ、キセノンフラッシュランプ、LEDフラッシュランプ等を用いる方法が挙げられ、特にキセノンフラッシュランプを用いる方法が好ましい。
上記有機無機ハイブリッド半導体層は、一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表されるペロブスカイト構造をとるものである。上記有機無機ハイブリッド半導体層の結晶構造(ペロブスカイト構造)の一例を図3に模式的に示す。詳細は明らかではないが、上記ペロブスカイト構造を有することにより、結晶格子内の八面体の向きが容易に変わることができるため、上記有機無機ハイブリッド半導体層中の電子の移動度が高くなることから、高い光電変換効率を実現することができると推定される。
上記有機無機ハイブリッド半導体層の一般式R−M−Xにおいて、RはC(l、m、nはいずれも正の整数)で示される分子であることが好ましい。Rは具体的にはメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、エチルメチルアミン、メチルプロピルアミン、ブチルメチルアミン、メチルペンチルアミン、ヘキシルメチルアミン、エチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、イミダゾール、アゾール、ピロール、アジリジン、アジリン、アゼチジン、アゼト、アゾール、イミダゾリン、カルバゾール、メチルカルボキシアミン、エチルカルボキシアミン、プロピルカルボキシアミン、ブチルカルボキシアミン、ペンチルカルボキシアミン、ヘキシルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン及びこれらのイオン(例えば、メチルアンモニウム(CHNH)等)、及びフェネチルアンモニウム等が挙げられる。なかでも、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、プロピルカルボキシアミン、ブチルカルボキシアミン、ペンチルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン又はこれらのイオンやフェネチルアンモニウムが好ましく、メチルアミン、エチルアミン、ペンチルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン又はこれらのイオンがより好ましい。
Mは鉛、スズ、亜鉛、チタン、アンチモン、ビスマス、ニッケル、鉄、コバルト、銀、銅、ガリウム、ゲルマニウム、マグネシウム、カルシウム、インジウム、アルミニウム、マンガン、クロム、モリブデン、ユーロピウム等が挙げられる。なかでも、電子軌道の重なりの観点から鉛、スズが好ましい。これらの金属原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子であり、例えば、塩素、臭素、ヨウ素、硫黄等が挙げられる。これらのハロゲン原子又はカルコゲン原子は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、構造中にハロゲン原子を含有することで、上記有機無機ハイブリッド半導体層を構成する材料が有機溶媒に可溶になりやすくなり、安価な印刷法等への適用が可能になることから、ハロゲン原子を含むことが好ましい。更に、上記有機無機ハイブリッド半導体層のエネルギーバンドギャップが狭くなることから、ヨウ素を含むことがより好ましい。
上記有機無機ハイブリッド半導体層は、結晶性半導体であることが好ましい。結晶性半導体とはX線散乱強度分布を測定し、散乱ピークが検出できる半導体を意味している。上記有機無機ハイブリッド半導体層が結晶性半導体であることにより上記有機無機ハイブリッド半導体層中の電子の移動度が高くなり、光電変換効率が向上する。
また、結晶化の指標として結晶化度を評価することもできる。結晶化度とはX線散乱強度分布測定により検出された結晶質由来の散乱ピークと非晶質部由来のハローとをフィッティングにより分離し、それぞれの強度積分を求めて、全体のうちの結晶部分の比を算出することにより求めることができる。上記有機無機ハイブリッド半導体層の好ましい結晶化度は30%以上である。結晶化度が30%以上であると、上記有機無機ハイブリッド半導体層中の電子の移動度が高くなり、光電変換効率が上昇する。より好ましい結晶化度は50%以上であり、更に好ましい結晶度は70%以上である。また、上記有機無機ハイブリッド半導体層の結晶化度を上げる方法としては熱アニール、レーザー等の強度の強い光の照射、プラズマ照射等の方法が挙げられる。
本発明の有機無機ハイブリッド太陽電池には、上記の各層の他に、ホール輸送層を設けることがより好ましい。上記ホール輸送層は、上記有機無機ハイブリッド半導体層と、後述する対向電極との間に設けられていることが好ましい。ホール輸送層の材料は特に限定されず、例えば、スピロビフルオレン骨格、チオフェン骨格、パラフェニレンビニレン骨格、ビニルカルバゾール骨格、アニリン骨格、ポリアセチレン骨格、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格、ペンタセン骨格、ポルフィリン骨格又はベンゾポルフィリン骨格のいずれかを有する有機導電性材料、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化ニッケル、酸化銅、酸化スズ等のP型金属酸化物、硫化モリブデン、硫化タングステン、硫化銅、硫化スズ等のP型金属硫化物、フルオロ基含有ホスホン酸、カルボニル基含有ホスホン酸等の界面活性剤が挙げられる。なかでも、比較的耐久性の高いP型半導体となることから、スピロビフルオレン骨格、チオフェン骨格、フタロシアニン骨格、ナフタロシアニン骨格又はベンゾポルフィリン骨格のいずれかを有する有機導電性材料が好ましい。これら有機導電性材料は低分子でも高分子でもよい。また、上記有機導電性材料はリチウム等のドーパントを含有していてもよい。
本発明の有機無機ハイブリッド太陽電池は、上記電極の他に、対向電極を更に有することが好ましい。対向電極の材料は特に限定されず、従来公知の材料を用いることができるが、例えば、金、銀、白金等の金属、CuI、ITO、SnO、FTO、AZO、IZO、GZO等の導電性透明材料、導電性透明ポリマー等が挙げられる。また、対向電極(陽極)の材料として、例えば、CuI、ITO、SnO、FTO、AZO、IZO、GZO等の導電性透明材料、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、リチウム、マグネシウム、アルミニウム、マグネシウム−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミニウム−リチウム合金、Al/Al混合物、Al/LiF混合物等が挙げられる。これらの材料は単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明の有機無機ハイブリッド太陽電池の一例を図1(a)に模式的に示す。図1(a)に示す有機無機ハイブリッド太陽電池1は積層体であり、基板2、電極3、薄膜層4、有機無機ハイブリッド半導体層6、ホール輸送層7、対向電極8で構成されており、そのうち薄膜層4の膜厚の好ましい下限は10nm、好ましい上限は2μmであり、有機無機ハイブリッド半導体層6及びホール輸送層7の膜厚の好ましい下限はそれぞれ10nm、好ましい上限はそれぞれ1μmである。
本発明の有機無機ハイブリッド太陽電池の別の一例を図1(b)に模式的に示す。図1(b)に示す有機無機ハイブリッド太陽電池1は複合膜であり、基板2、電極3、薄膜層4、多孔質層5、有機無機ハイブリッド半導体層6、ホール輸送層7、対向電極8で構成されており、そのうち有機無機ハイブリッド半導体層6は多孔質層5の隙間に入り込み、多孔質層5と複合体を形成している。多孔質層5と有機無機ハイブリッド半導体層6とが含まれる層の膜厚の好ましい下限は50nm、好ましい上限は5μmである。上記膜厚が50nm以上であると、光を充分に吸収することにより、光電変換効率が上昇する。また、上記厚みが5μm以下であると、生成した電荷が効率的に電極に回収されやすくなり、このため光電変換効率が上昇する。多孔質層5と有機無機ハイブリッド半導体層6が含まれる層の膜厚のより好ましい下限が100nm、より好ましい上限が2μmである。
基板に金属薄膜を用いた場合の本発明の有機無機ハイブリッド太陽電池の一例を図2に模式的に示す。基板に金属薄膜を用いた本発明の有機無機ハイブリッド太陽電池は、図1の基板2に当たる部位が金属薄膜9、絶縁材料層10、の積層体になっており更にその上に電極3が積層されている。電極3より上の層は、図2(a)のように積層体となっていてもよいし、図2(b)のように複合膜となっていてもよい。
上記電極を有する基板として、金属薄膜をそのまま用いた場合の本発明の有機無機ハイブリッド太陽電池の一例を図3に模式的に示す。金属薄膜をそのまま用いた場合の本発明の有機無機ハイブリッド太陽電池は、金属薄膜9の上に電子輸送層(薄膜層4)が直接積層する構造となっている。薄膜層より上の層は、図2(a)のように積層体となっていてもよいし、図2(b)のように複合膜となっていてもよい。
本発明によれば、もれ電流が少なく、光電変換効率に優れており、光劣化が抑制された有機無機ハイブリッド太陽電池を提供することができる。
本発明の有機無機ハイブリッド太陽電池における積層体(a)と複合膜体(b)の一例を模式的に示す断面図である。 電極に金属電極を、基板に金属薄膜を用いた本発明の有機無機ハイブリッド太陽電池における積層体(a)と複合膜体(b)の一例を模式的に示す断面図である。 電極を有する基板として、金属薄膜をそのまま用いた場合の本発明の有機無機ハイブリッド太陽電池における積層体(a)と複合膜体(b)の一例を模式的に示す断面図である。 有機無機ハイブリッド半導体層の結晶構造(ペロブスカイト構造)の一例を示す模式図である。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
ガラス基板上に、陰極として厚み1000nmのFTO膜をスプレーパイロリシスデポジション法にて、算術平均粗さRa=8.8nmとなるように形成し、純水、アセトン、メタノールをこの順に用いて各10分間超音波洗浄した後、乾燥させた。FTO膜の算術平均粗さRaは、JIS B 0601−2001に準拠してBruker社製のDimension FastScan AFMのScanasist Airモードを用いて測定した。
FTO膜の表面上に、電子輸送層として2重量%に調整したチタンイソプロポキシドエタノール溶液をスピンコート法により塗布した後、500℃で10分間焼成し、薄膜層を作製した。薄膜層の膜厚は50nmであった。更に、有機バインダとしてのポリイソブチルメタクリレートと酸化チタン(平均粒子径16nm)とを含有した酸化チタンペーストを同じくスピンコート法により積層し、500℃で10分間焼成することで、細孔の平均径が15nmの多孔質層を作製した。電子輸送層(薄膜層と多孔質層との合計)は約300nmの厚みを有していた。次いで、PbIをDMFに溶解させて1Mの溶液を調製した。これを上記多孔質層上にスピンコート法によって製膜した。更に、ヨウ化メチルアンモニウムをプロパノールに溶解させて1Mの溶液を調製した。この溶液内に上記のPbIを製膜したサンプルを浸漬させることによってCHNHPbIを含む有機無機ハイブリッド半導体層を形成した。最後にホール輸送層としてSpiro−OMeTAD(スピロビフルオレン骨格を有する)を68mM、Tert−butylpyridineを55mM、Lithium Bis(trifluoromethylsulfonyl)imide塩を9mM溶解させた溶液をスピンコート法により積層した。電子輸送層と有機無機ハイブリッド半導体層とホール輸送層との合計膜厚は450nmとなった。
ホール輸送層上に、陽極として真空蒸着により厚み100nmの金膜を形成し、有機無機ハイブリッド太陽電池を得た。
(実施例2)
実施例1において、Ra=15nmに調節した透明電極FTO付きガラス基板を用いた以外は、実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド太陽電池を得た。
(実施例3)
実施例1において、Ra=22nmに調節した透明電極FTO付きガラス基板を用いた以外は、実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド太陽電池を得た。
(実施例4)
実施例1において、Ra=4.2nmに調節した透明電極ITO付きガラス基板を用い、薄膜層及び多孔質層の焼成をそれぞれ400℃10分間にした以外は、実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド太陽電池を得た。
(実施例5)
実施例1において、透明電極FTO付きガラス基板の代わりに、Al箔上にスピンコート法によってポリイミド(PI)を成膜し、更にポリイミド膜の上に蒸着によってTiを成膜したものを用いた以外は実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド太陽電池を得た。
(実施例6)
実施例5において、Al箔の代わりにTi箔を用いた以外は実施例5と同様にして、有機無機ハイブリッド太陽電池を得た。
(実施例7)
実施例4において、樹脂(PET)基材にITOが成膜された基板を用いた以外は、実施例4と同様にして、有機無機ハイブリッド太陽電池を得た。
(比較例1)
実施例1において、Ra=30nmに調節した透明電極FTO付きガラス基板を用いた以外は、実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド太陽電池を得た。
(比較例2)
実施例1において、Ra=27nmに調節した透明電極ITO付きガラス基板を用い、薄膜層及び多孔質層の焼成をそれぞれ400℃10分間にした以外は、実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド太陽電池を得た。
(比較例3)
実施例1において、光電変換層に有機無機ハイブリッド半導体層の代わりに、硫化アンチモンからなる層を用いた以外は、実施例1と同様にして、有機無機ハイブリッド太陽電池を得た。なお、硫化アンチモンからなる層は以下のようにして形成した。N,N−ジメチルホルムアミドに塩化アンチモンとチオ尿素と(モル比1:2)を溶かし、塩化アンチモンとチオ尿素との合計濃度を20重量%に調整し、硫化アンチモン形成用塗布液を調整した。これを上記多孔質層上にスピンコート法により塗布し、乾燥することで、硫化アンチモンからなる層を形成した。
(比較例4)
実施例2において、光電変換層に有機無機ハイブリッド半導体層の代わりに、硫化アンチモンからなる層を用いた以外は、実施例2と同様にして、有機無機ハイブリッド太陽電池を得た。
(比較例5)
実施例3において、光電変換層に有機無機ハイブリッド半導体層の代わりに、硫化アンチモンからなる層を用いた以外は、実施例3と同様にして、有機無機ハイブリッド太陽電池を得た。
(比較例6)
比較例1において、光電変換層に有機無機ハイブリッド半導体層の代わりに、硫化アンチモンからなる層を用いた以外は、比較例1と同様にして、有機無機ハイブリッド太陽電池を得た。
(比較例7)
実施例5において、ポリイミドを成膜する代わりにAl(平均粒径88nm)のエタノール10重量%分散液をスピンコート法によって塗布し、成膜した以外は、実施例5と同様にして、有機無機ハイブリッド太陽電池を得た。
(比較例8)
比較例7において、Al箔を用いる代わりにTi箔を用いた以外は、比較例7と同様にして、有機無機ハイブリッド太陽電池を得た。
(評価)
<もれ電流(フィルファクター:FF)の評価>
有機無機ハイブリッド太陽電池の電極間に、電源(KEYTHLEY社製、236モデル)を接続し、100mW/cmの強度のソーラーシミュレータ(山下電装社製)を用いて有機無機ハイブリッド太陽電池のフィルファクターを測定することで、もれ電流を評価した。結果を表1又は2に示した。
実施例1〜3及び比較例1については、比較例1のフィルファクターの値を1として相対評価し、実施例4、7及び比較例2については、比較例2のフィルファクターの値を1として相対評価し、実施例5、比較例7については比較例7のフィルファクターの値を1として相対評価し、実施例6、比較例8については比較例8のフィルファクターの値を1として相対評価し、比較例3〜6については、比較例6のフィルファクターの値を1として相対評価した。
◎:フィルファクターの相対値が1.3倍以上
○:フィルファクターの相対値が1.2倍以上1.3倍未満
△:フィルファクターの相対値が1.1倍以上1.2倍未満
×:フィルファクターの相対値が1.1倍未満
<光劣化の評価>
太陽電池の電極間に電源(KEITHLEY社製、236モデル)を接続し、ソーラーシミュレーション(山下電装社製)を用いて強度100mW/cmの光を照射した。光照射を開始した直後の光電変換効率と光照射を1時間続けた後の光電変換効率とをそれぞれ測定した。光照射を1時間続けた後の光電変換効率/光照射を開始した直後の光電変換効率の値を求め、下記の基準で評価した。
○○○:値が0.9以上
○○:値が0.8以上0.9未満
○:値が0.6以上0.8未満
×:値が0.6未満
Figure 2016119468
Figure 2016119468
比較例3〜6については有機無機ハイブリッド半導体層の代わりに無機半導体層を用いており、電極の算術平均粗さRaを調節した効果が得られなかった。
本発明によれば、もれ電流が少なく、光電変換効率に優れており、光劣化が抑制された有機無機ハイブリッド太陽電池を提供することができる。
1:有機無機ハイブリッド太陽電池
2:基板
3:電極
4:薄膜層
5:多孔質層
6:有機無機ハイブリッド半導体層
7:ホール輸送層
8:対向電極
9:金属薄膜
10:絶縁材料層

Claims (7)

  1. JIS B 0601−2001に準拠して測定された、表面の算術平均粗さRaが25nm以下である電極を有する基板と、
    電子輸送層と、
    一般式R−M−X(但し、Rは有機分子、Mは金属原子、Xはハロゲン原子又はカルコゲン原子である。)で表されるペロブスカイト構造を有する有機無機ハイブリッド半導体層と、
    を有することを特徴とする有機無機ハイブリッド太陽電池。
  2. 電子輸送層は、薄膜層と多孔質層とを有し、前記薄膜層が、電極側に配置されていることを特徴とする請求項1記載の有機無機ハイブリッド太陽電池。
  3. 一般式R−M−XにおけるXがハロゲン原子を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の有機無機ハイブリッド太陽電池。
  4. 電極の算術平均粗さRaが20nm以下であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の有機無機ハイブリッド太陽電池。
  5. 電極の算術平均粗さRaが15nm以下であることを特徴とする請求項4記載の有機無機ハイブリッド太陽電池。
  6. 電極がITO、FTO若しくはATOからなる透明電極又は金属電極であることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の有機無機ハイブリッド太陽電池。
  7. 一般式R−M−XにおけるRがメチルアミン、エチルアミン、ペンチルカルボキシアミン、ホルムアミジニウム、グアニジン又はこれらのイオンであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の有機無機ハイブリッド太陽電池。
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