JP2016115607A - バッテリ冷却装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水冷式のバッテリ冷却構造において、バッテリ温度を適正温度範囲に維持する上、ポンプとファンとの効率的な作動を実現し、バッテリ冷却に要する消費エネルギの低減に寄与することができるバッテリ冷却装置を提供すること。【解決手段】ECU(30)が自車両の位置情報及び車両前方の所定の予測範囲における経路情報を取得して(S1)、バッテリ(11)の温度推移を予測し(S2)、予測したバッテリ温度が適正範囲を超過する場合には(S3がYes)、予測範囲において適正温度範囲を超えるまでの時間と適正温度範囲を超える最大温度差から必要放熱量を算出し(S4、S5)、この必要放熱量を放熱するのに最も効率のよいポンプ流量及びファン流量からなる最適作動点を選出してポンプ及びファンを駆動する(S6〜S10)。【選択図】図2
Description
本発明は、バッテリ冷却装置に関する。
バッテリには通常、使用する上で適正な温度範囲があり、この温度範囲より高温状態となると、性能の低下や製品寿命の低下を招く。そこで、例えば特許文献1に記載されるように、ハイブリッド車両において駆動源となるモータに電力を供給するバッテリの温度を走行経路に関する道路情報を基に温度推移を予測することでバッテリを適正温度範囲に制御するバッテリ冷却装置が知られている。これにより、バッテリ温度を適正範囲に維持しつつ、バッテリ冷却に要する消費エネルギを最小限とすることができる。
特許文献1に記載される技術においては、空冷式のバッテリ冷却構造を採用している。これに対し、ポンプにより冷却水を循環させ、バッテリと熱交換した後、ラジエータにて冷却を行う、いわゆる水冷式のバッテリ冷却構造もある。
このような水冷式のバッテリ冷却構造では、ラジエータに対して電動ファンにより送風することで、ラジエータ内を流通する冷却水と外気との熱交換を促している。しかしながら、特許文献1では水冷式のバッテリ冷却構造について考慮されていない。
水冷式のバッテリ冷却構造において、例えば、バッテリの温度が所定温度以上となったらポンプもファンも最大出力で駆動してバッテリを冷却していては、必要以上のエネルギを消費し効率が悪くとなるという問題がある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、水冷式のバッテリ冷却構造において、バッテリ温度を適正温度範囲に維持する上、ポンプとファンとの効率的な作動を実現し、バッテリ冷却に要する消費エネルギの低減に寄与することができるバッテリ冷却装置を提供することにある。
本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様又は適用例として実現することができる。
本適用例に係るバッテリ冷却装置は、車両に搭載され、所定の適正温度範囲を有するバッテリと、前記バッテリを経由して冷媒が循環する冷却回路と、前記冷却回路内に冷媒を循環させるポンプと、前記冷媒から外気への放熱を促すファンと、車両前方の所定の予測範囲における経路情報を取得して、経路上の各地点における前記車両の運転状態を予測し、前記バッテリの温度推移を予測するバッテリ温度予測手段と、前記バッテリ温度予測手段により予測されるバッテリ温度推移において前記適正温度範囲を超える場合、前記予測範囲において適正温度範囲を超えるまでの時間と適正温度範囲を超える最大温度差から必要放熱量を算出する必要放熱量算出手段と、前記必要放熱量を放熱するために必要な前記冷媒の温度を前記冷媒の流量に応じて複数算出する必要冷媒温度算出手段と、前記複数の冷媒の流量に応じて、前記冷媒と外気との温度差から前記ファンの流量を算出し、前記ポンプ及び前記ファンの消費エネルギをそれぞれ算出する消費エネルギ算出手段と、前記ポンプの消費エネルギと前記ファンの消費エネルギとを足し合わせて最小となる最適作動点を選出し、選出した最適作動点のエネルギ配分で前記ポンプ及びファンを制御する最適配分制御手段と、を備える。
上記手段を用いる本発明によれば、水冷式のバッテリ冷却構造において、バッテリ温度を適正温度範囲に維持する上、ポンプとファンとの効率的な作動を実現し、バッテリ冷却に要する消費エネルギの低減に寄与することができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。
図1は本発明の一実施形態におけるハイブリッド車両のバッテリ冷却装置の概略構成図であり、同図に基づき説明する。
ハイブリッド車両1はいわゆるパラレル型ハイブリッドのトラックとして構成されており、以下の説明では、単に車両とも称する。
車両1には走行用の動力源としてディーゼルエンジン(以下、エンジンという)2、及び発電機としても作動可能なモータ3(電動機)が搭載されている。エンジン2の出力軸にはクラッチ4が連結され、クラッチ4にはモータ3の回転軸を介して変速機5の入力側が連結されている。変速機5の出力側にはプロペラシャフト6を介して差動装置7が連結され、差動装置7には駆動軸8を介して左右の駆動輪9が連結されている。
モータ3は、具体的には永久磁石が貼り付けられたロータと三相コイルが巻回されたステータとを備えた同期発電電動機であり、電力変換器10を介してバッテリ11と接続されている。
電力変換器10は、バッテリ11からの直流電力を交流電力に変換してモータ3に供給可能であるとともに、モータ3からの交流電力を整流してバッテリ11へ供給可能である。
このように構成された車両1は、エンジン2又はモータ3で発生させた駆動力を変速機5で変速された後、駆動輪9に伝達されることで走行する。また、例えば車両1の減速時や降坂路での走行時には、駆動輪9側からの逆駆動によりモータ3が発電機として作動する。そしてモータ3が発生した負側の駆動力は制動力として駆動輪9側に伝達されると共に、モータ3が発電した交流電力が電力変換器10で直流電力に変換されてバッテリ11に充電される。
また、車両1には、バッテリ11を冷却するためのバッテリ冷却回路20が設けられている。バッテリ冷却回路20は、冷媒として冷却水を使用する、いわゆる水冷式の冷却構造である。バッテリ冷却回路20には、バッテリ11、ポンプ21、冷却水タンク22、ラジエータ23が設けられている。
詳しくは、ポンプ21はバッテリ冷却回路20内に冷却水を循環させるよう駆動するものである。ポンプ21は電動で駆動し、回転数を調整することで冷却水の流量(以下、ポンプ流量Fpumpという)を変動させることが可能である。本実施形態におけるバッテリ冷却回路20では、ポンプ21から、バッテリ11、冷却水タンク22、及びラジエータ23の順に冷却水が循環する。
冷却水タンク22は、冷却水を貯えるものであり、ラジエータ23は外気との熱交換により冷却水を冷却する熱交換器である。また、ラジエータ23の近傍には、当該ラジエータ23に向けて送風を行うファン24が配設されている。
ファン24は電動で駆動し、回転数を調整することで送風量(以下、ファン流量Ffanという)を変動させることが可能である。ラジエータ23は、ファン24からの送風により外気との熱交換が促進される。
このように構成されたバッテリ冷却回路20は、バッテリ11の冷却時には、ポンプ21が駆動することでバッテリ11の熱を吸収した冷却水がラジエータ23に送られる。ラジエータ23では、冷却水と外気との間で熱交換が行われることで、冷却水が冷却される。そして、十分冷却された冷却水が再びバッテリ11に送られる。
このバッテリ冷却回路20によるバッテリ11の放熱量はポンプ流量Fpump及びファン流量Ffanに応じて変化する。例えば、ポンプ流量Fpumpを増加させれば、冷却水の循環速度が上がりバッテリ11の放熱量は上昇する。また、ファン流量Ffanを増加させれば、ラジエータ23での冷却水の放熱が促進され、冷却水を低温に維持できることから、バッテリ11の放熱量は上昇する。
車両1には上記バッテリ冷却回路20を含め、バッテリ11の管理を行うECU30が搭載されている。当該ECU30には、バッテリ11の温度を検出するバッテリ温度センサ31、車両1外部の外気温度を検出する外気温度センサ32が接続されている。また当該ECU30は、バッテリ11からバッテリ11の電圧、電力変換器10とバッテリ11との間に流れる電流などを検出し、これらの検出結果からバッテリ11のSOC(State Of Charge:充電量)を算出する。
また、ECU30はバッテリ冷却回路20のポンプ21及びファン24の駆動制御も行う。このポンプ21及びファン24の駆動制御において、ECU30は車両1の走行を予測し、それに応じたバッテリ温度の変化を予測して、ポンプ21及びファン24を効率的に作動させつつ、バッテリ温度を適正温度範囲に維持するバッテリ冷却制御を行う。
詳しくは、ECU30は、自車両前方の走行経路における所定の予測範囲で道路環境情報(経路情報)を取得し、当該経路上の各地点の車両1の運転状態を予測する。そのためECU30には、自車両の位置情報を取得するGPS(Global Positioning System)33と、自車両前方の経路情報を検出するためのナビゲーションユニット34が接続されている。例えば、ナビゲーションユニット34は自己の記憶領域に地図データや道路情報、路面勾配情報等が記憶可能であり、且つ渋滞や交通規制などの道路交通情報を外部の通信網から受信可能である。
ここで、図2から図7を参照すると、図2にはECU30が実行するバッテリ冷却制御ルーチンを示すフローチャートが、図3にはバッテリ11の温度推移の例を示すタイムチャートが、図4にはバッテリ11の放熱量と必要温度差の関係図が、図5から図7には外気温度に応じたポンプ21及びファン24の最適作動点算出における概念図がそれぞれ示されており、以下図2のフローチャートに沿って、途中図3から図7を参照しつつ、本実施形態におけるバッテリ冷却制御について説明する。
まずECU30は、ステップS1において、GPS33から自車両の位置情報を取得し、ナビゲーションユニット34から所定の予測範囲内における路面勾配情報を取得する。
続いてECU30は、ステップS2において、バッテリ11の温度推移を予測する(バッテリ温度予測手段)。具体的には、上記ステップS1において取得した路面勾配情報に基づき車両前方の経路を区分して、各区間において予想される車両1の運転状態からSOCの変動を予測する。例えば降坂路の区間においてはモータ3により回生運転が行われることが予想され、SOCが上昇すると予測する。また、登坂路又は平坦路の区間においては、当該区間において予測されるSOCが比較的多ければモータ3のみでの走行が行われることが予想され、SOCが消費されると予測する。一方、SOCが比較的少なければエンジン2のみでの走行が行われることが予想されるため、SOCは変動しにくいと予測される。そして、ECU30は、このようなSOCの変動からバッテリ11の温度変化を予測する。例えば、SOCは電流履歴から算出されるため、発熱量を算出するI2R(電流の2乗×内部抵抗)と同様に、ΔSOC2(SOCの変化量の2乗)で算出可能である。
そしてステップS3において、ECU30は予測したバッテリ温度が、予め定められているバッテリ11の適正温度範囲を超過するか否かを判別する。当該判別結果が偽(No)である場合、即ちバッテリ温度が適正範囲内で推移するのであればバッテリ冷却を行う必要はなく、当該ルーチンをリターンする。
一方、図3に示すように、予測したバッテリ温度の推移において、バッテリ冷却を行わなければ適正温度範囲を超過するような場合には、ステップS3の判別結果は真(Yes)となり、バッテリ冷却を行うべくステップS4に進む。
ステップS4において、予測したバッテリ温度推移において、バッテリ温度の最大値TMax(以下、最大温度TMaxという)と、現時点t0からバッテリ温度が適正温度範囲の上限値TLimitを超えるtOver時点までの時間Δtを算出する。
続くステップS5において、ECU30は必要放熱量Qを算出する(必要放熱量算出手段)。バッテリ温度が適正温度範囲を超過しないためには、TLimitを超えてTMaxとなる温度変化ΔTのエネルギをtOver時点に至るまでに放熱させる必要があり、この単位時間当りに放熱させるエネルギ量が必要放熱量Qとなる。つまり、必要放熱量Qは下記式(1)に示すように、バッテリ11から放熱させる必要がある仕事率となる。なお下記式(1)のCBatはバッテリ11の熱容量である。
Q[W]={CBat[J/K]×(TMax−TLimit)[K]}/Δt[sec]・・・(1)
Q[W]={CBat[J/K]×(TMax−TLimit)[K]}/Δt[sec]・・・(1)
ステップS6において、ECU30は必要放熱量Qを実現するためのバッテリ11と冷却水との必要温度差TRを、複数設定したポンプ流量Fpump毎に算出し、各必要温度差TRに応じてバッテリ11から必要放熱量Qを放熱させるために必要な冷却水温度TCを算出する(必要冷媒温度算出手段)。
必要放熱量Q、必要温度差TR、及びポンプ流量FPumpの関係は下記式(2)に示すように表される。
TR[K]=Q[W]×Fpump[K/W]・・・(2)
TR[K]=Q[W]×Fpump[K/W]・・・(2)
これは図4に示すように、横軸を放熱量、縦軸を必要温度差TRとし、傾きをポンプ流量FPumpとして示すことが可能である。ECU30はこのような関係に基づき、放熱量が必要放熱量Qとなる必要温度差TRを複数設定し、その必要温度差TRを満たすポンプ流量Fpumpを算出する。本実施形態では、説明を簡単にするために小、中、大の3種類の第1必要温度差TR1、第2必要温度差TR2、第3必要温度差TR3(TR1<TR2<TR3)を設定する。次に、これら第1〜第3必要温度差(TR1、TR2、TR3)に対応する第1〜第3ポンプ流量(Fpump1、Fpump2、Fpump3)をそれぞれ算出する。ここで、必要放熱量Qは一定であることから、第1ポンプ流量Fpump1、第2ポンプ流量Fpump2、第3ポンプ流量Fpump3の大小関係は、図5に示すように、Fpump1>Fpump2>Fpump3となる。
そして、バッテリの適正温度範囲の上限値TLimitから当該必要温度差TRを引いた値が、必要放熱量Qを放熱させるための冷却水温度TCとして算出される。
ステップS7において、ECU30は、ステップS6において算出した冷却水温度TC毎に外気温度TAmbientとの差を求め、当該温度差分のファン流量Ffanを算出する。つまり、冷却水温度TC毎に外気温度TAmbientとの差分の温度から、ファン24の送風によって冷却するのに必要な最低限のファン流量Ffanを求める。
ステップS8において、ECU30は、ステップS6において算出した冷却水温度Tcとするためのポンプ流量Fpumpと、ステップS7において算出したファン流量Ffanのそれぞれの消費エネルギを、ポンプ流量Fpumpとそれに対応するファン流量Ffanとの組合せ毎に算出する(消費エネルギ算出手段)。
ステップS9において、ECU30は、ポンプ流量Fpumpとファン流量Ffanとの組合せ毎の消費エネルギを合算した値のうち、最も消費エネルギが低くなる組合せを最適作動点のポンプ流量Fpumpとファン流量Ffanとして選出する。
ステップS10において、ECU30は上記ステップS9において選出したポンプ流量Fpumpとファン流量Ffanとなる配分でポンプ21及びファン24を制御して当該ルーチンをリターンする(最適配分制御手段)。
上記ステップS6〜S10について、図5〜図7を参照しつつ詳しく説明する。図5〜図7は、必要放熱量Qに対するポンプ流量Fpumpとファン流量Ffanの配分を概念的に示している。これらの図では、目標とするバッテリ温度を適正範囲の上限値TLimitとし、当該上限値TLimitよりも冷却水温度Tcは低く、外気温度TAmbientはさらに低い関係にある。
これらの図に示すように、ポンプ流量Fpumpが小さくなるほど必要温度差TRは大きくなる傾向にあり、つまり低い冷却水温度Tcが必要となる。従ってポンプ流量Fpumpが小さくなるほどファン流量Ffanを大きくする必要が生じる。
図5では外気温度20℃、図6では比較的高温の外気温度30℃、図7では比較的低温の外気温度10℃の場合を示している。
ポンプ電力及びファン電力がポンプ21及びファン24の消費エネルギに相当する。ポンプ流量Fpumpが大きくなるほどポンプ電力は上昇し、ファン流量Ffanが大きくなるほどファン電力は上昇する。これらを合算した合算電力は、ほぼ中央値付近が最小となり、ポンプ流量Fpump及びファン流量Ffanのいずれかの割合を大きくするにつれて合算電力は上昇する傾向にある。
ECU30は、各図において縦破線で示すように、第1から第3ポンプ流量Fpump1〜Fpump3及び第1から第3ファン流量Ffan1〜Ffan3の組合せを設定し、これらの組合せのうち合算電力が最も低くなる組合せを最適作動点として選出する。
具体的には、図5に示す外気温度20℃の場合は、第2ポンプ流量Fpump2、第2ファン流量Ffan2である組合せが他の組合せよりも合算電力が小さく、最適作動点である。
図6に示す外気温度30℃の場合、図5の場合よりも外気温度が高くなったことで冷却水温度TCと外気温度TAmbientとの差を確保しにくくなる。したがって、図6に示すように、ポンプ21を第3ポンプ流量Fpump3で作動させた場合は、ファン24は第3ファン流量Ffan3より大きい第4ファン流量Ffan4で作動させ、ファン24を第1ファン流量Ffan1で作動させた場合は、ポンプ21は第1ポンプ流量Fpump1より大きい第4ポンプ流量Fpump4で作動させる必要がある。
図6に示すように、ポンプ21を第2ポンプ流量Fpump2で作動させた場合、ファン24は第3ファン流量Ffan3以上で作動させなくてはならず、結果としてこの組合せでは合算電力が大きくなる。そのため、冷却水温度TCと外気温度TAmbientとの差を確保するため、図5の場合よりもポンプ流量Fpumpを増やし、ファン流量Ffanを同等とした、第1ポンプ流量Fpump1、第2ファン流量Ffan2の組み合わせが最適作動点となる。
図7に示す外気温度10℃の場合、図5の場合よりも外気温度が低くなったことで冷却水温度TCと外気温度TAmbientとの差を確保しやすくなる。したがって、図7に示すように、ポンプ21を第1ポンプ流量Fpump1で作動させた場合、ファン24は第1ファン流量Ffan1より小さい第5ファン流量Ffan5で作動させ、ファン24を第3ファン流量Ffan3で作動させた場合、ポンプ21は第3ポンプ流量Fpump3より小さい第5ポンプ流量Fpump5で作動させる必要がある。
以上から、図7に示すように、図5の場合よりもポンプ流量Fpumpを減らし、ファン流量Ffanを同等とした、第3ポンプ流量FPump3、第2ファン流量Ffan2の組み合わせが最適作動点となる。
以上のようにして、ECU30は、バッテリ11の温度推移を予測し、適正温度範囲を超えるような場合には、適正温度を超える前にバッテリ11の冷却を行うことで、確実にバッテリ温度を適正温度範囲内に維持することができる。そして、このバッテリ11を冷却するためのバッテリ冷却回路20におけるポンプ21及びファン24の駆動は、外気温度等に応じて消費エネルギを最小とする最適作動点にて行うことで、ポンプ21及びファン24の効率的な作動を実現し、バッテリ11の冷却に要する消費エネルギの低減に寄与することができる。
以上で本発明に係るバッテリ冷却装置の実施形態についての説明を終えるが、実施形態は上記実施形態に限られるものではない。
上記実施形態のバッテリ冷却回路20に設けられる装置は上述したものに限られるものではなく、各装置の配置等もこれに限られるものではなく、他の装置を設けたり、配置を替えたりしてもよい。
また、上記実施形態では、説明を簡単にするために大、中、小の3種類の第1から第3必要温度差TR1〜TR3を設定し、これに対応する第1から第3ポンプ流量Fpump1〜Fpump3及び第1から第3ファン流量Ffan1〜Ffan3を算出しているが、必要温度差、ポンプ流量、ファン流量を算出する数はこれに限られず、多くの組合せを算出することで、最適作動点の検出精度を向上させることができる。
また、上記実施形態では、バッテリ温度の予測を1つの予測範囲で行っているが、予測範囲を複数設定して、各予測範囲における最適作動点を算出し、さらに各予測範囲の最適作動点を比較して最も効率のよい最適作動点を選出してもよい。これよりさらに最適作動点の検出精度を向上させることができる。
1 車両
2 エンジン
3 モータ
4 クラッチ
5 変速機
11 バッテリ
20 バッテリ冷却回路
21 ポンプ
22 冷却水タンク
23 ラジエータ
24 ファン
30 ECU
31 バッテリ温度センサ
32 外気温度センサ
33 GPS
34 ナビゲーションユニット
2 エンジン
3 モータ
4 クラッチ
5 変速機
11 バッテリ
20 バッテリ冷却回路
21 ポンプ
22 冷却水タンク
23 ラジエータ
24 ファン
30 ECU
31 バッテリ温度センサ
32 外気温度センサ
33 GPS
34 ナビゲーションユニット
Claims (1)
- 車両に搭載され、所定の適正温度範囲を有するバッテリと、
前記バッテリを経由して冷媒が循環する冷却回路と、
前記冷却回路内に冷媒を循環させるポンプと、
前記冷媒から外気への放熱を促すファンと、
車両前方の所定の予測範囲における経路情報を取得して、経路上の各地点における前記車両の運転状態を予測し、前記バッテリの温度推移を予測するバッテリ温度予測手段と、
前記バッテリ温度予測手段により予測されるバッテリ温度推移において前記適正温度範囲を超える場合、前記予測範囲において適正温度範囲を超えるまでの時間と適正温度範囲を超える最大温度差から必要放熱量を算出する必要放熱量算出手段と、
前記必要放熱量を放熱するために必要な前記冷媒の温度を前記冷媒の流量に応じて複数算出する必要冷媒温度算出手段と、
前記複数の冷媒の流量に応じて、前記冷媒と外気との温度差から前記ファンの流量を算出し、前記ポンプ及び前記ファンの消費エネルギをそれぞれ算出する消費エネルギ算出手段と、
前記ポンプの消費エネルギと前記ファンの消費エネルギとを足し合わせて最小となる最適作動点を選出し、選出した最適作動点の配分で前記ポンプ及びファンを制御する最適配分制御手段と、
を備えるバッテリ冷却装置。
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