JP2016112565A - 鍛造プレス装置 - Google Patents
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そこで、成形型に空気路を設けて成型後に高圧の空気を噴射して、型に残留した滓を除去する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
また、充満性を向上させるために、被加工物の成型時に空気路から空気を吸引する方法も考えられるが、それのみでは空気路に潤滑剤が詰まってしまうという問題があった。
鍛造プレス装置100は、図1に示すように、被加工品たるワークWに対向する面である成型面21に歯車形状部22を備える一方の型たる下型20と、下型20に対向してワークWを下型20と互いに押圧して成型する他方の型たる上型30と、を有している。
鍛造プレス装置100はまた、成型面21に形成された歯車形状部22から下型20内部を通って当該鍛造プレス装置100の外部と連通して通気を確保する空気路形成部たる通気部50と、通気部50の一方の端部に設けられた気流形成部たるポンプ60と、を有している。
鍛造プレス装置100はまた、下型20と上型30との間に置かれたワークWを所定の圧力で押圧して成型するための制御を行う制御部90と、制御部90からの駆動指令に基づいて上型30を上下動させるための駆動源たる駆動部80と、を有している。
歯車形状部22は、後述する成型工程において、ワークWに対向するよう配置された歯車形状の歯先たる複数の先端形成部23を有している。
下型20は、通気部50を形成する溝部52とを有している。
上型30は、駆動部80によって上下方向であるZ軸に沿って駆動され、押圧面31と下型20との間でワークWを所定の圧力で押圧する。
通気部50は、それぞれの先端形成部23から下型20内を貫通するように設けられた、内部が空洞の筒状の歯先部51と、歯先部51が合流する全周部52と、一端が全周部52に接続されて他端がポンプ60に接続されたエアーガイド53と、を有している。
なお、以降の説明を簡単にするため、通気部50の先端形成部23と接続された側を上流側、ポンプ60に接続された側を下流側と定める。
歯先部51は、図4に示すように、全周部52に接続された側よりも、先端形成部23に接続された側の方が断面積が小さくなるように設けられている。
歯先部51はまた、上型30の押圧方向であるZ方向に対して傾斜した状態で、押圧の中心軸たる下型20の中心軸に対して放射状に、先端形成部23から全周部52に向かって形成されている。
なお、歯先部51の断面積は、連続的に減少させるように設けても良いが、加工の精度を確保するために、段階的に減少させることが望ましい。
全周部52は、このような構成により先端形成部23に流入するエアーの圧力を一定に保つためのバッファとしての気圧調整機能を有している。
なお、本実施形態においては、全周部52は、円環状の2つの全周溝52a、52bと、その間を連結するエアー溝52cとからなるが、中心軸を中心として軸対称な形状であればよい。
ここでエアーガイド53は、一対設けられるとしたが、3つあるいはそれ以上の複数であっても、単数であっても良い。ただし、先端形成部23に流入するエアーの圧力を一定に保つためには、複数ある方が望ましく、下型20の中心軸に対して対称である方がさらに望ましい。
ワークWまたは下型20には、押圧時の摩擦による歯先充満性の悪化を抑制するために、潤滑剤を塗布することが望ましい。
制御部90は、予め設定された成型圧力たるプレスの加圧力や加圧時間などの成型条件に基づいて、駆動部80を用いて上型30を下降させる。
ワークWは、上型30との当接状態、さらに詳しくは上型30の押圧面31と当接した状態で、下型20の方向へ移動して、下型20の歯車形状部22に当接する。
制御部90は、例えば駆動部80にかかる圧力を測定することで、上型30と下型20とがワークWを互いに押圧し始めたことを検知する。このとき制御部90は、成型工程開始検知手段としての機能を有している。
図5に示されるような従来例では、当該間隙に空気が入り込んで、ワークWが押圧されるとともに空気が加圧されることで、ワークWの歯先充満性が悪化するという問題があった。
かかる構成により、ワークWと先端形成部23との間に生じた間隙の空気が抜けて負圧になるから、ワークWの歯先充満性が改善される。
制御部90は、例えば駆動部80にかかる圧力と、成形時間と、成型面21及び押圧面31の位置と、を測定することで、ワークWがプレス成型されて成型完了したことを検知する。このとき制御部90は、成型工程完了検知手段としての機能を有している。
成型工程開始検知手段たる制御部90が、上型30と下型20とがワークWを互いに押圧し始めたことを検知してから、ワークWがプレス成型されて成型完了したことを検知するまでの工程を成型工程とする。
ポンプ60は、成型が完了したことを条件として、通気部50へ圧縮空気を噴射し、通気部50の下流側から上流側へ向かって、言い換えるとポンプ60と接続された側から先端形成部23と接続された側へ向かって、気流を形成する。
このとき、通気部50の上流側すなわち噴射する方向側の断面積は、下流側の断面積よりも小さい。言い換えると通気部50の断面積は、下流側から上流側へ向かうにつれて段階的に小さくなるように形成されている。
かかる圧縮空気の噴射によって、かりに成型工程においてポンプ60が吸引したときに先端形成部23から通気部50に潤滑剤の滓などが入り込んでしまった場合であっても、噴射によって除去されて、詰まりを抑止することができる。
また、通気部50の断面積は、下流側から上流側へ向かうにつれて段階的に小さくなるように形成されているので、噴射時の圧縮空気の勢いが下流側端部より上流側端部の方で強くなるから、詰まりを効率よく抑止することができる。
このように成型工程完了検知手段たる制御部90が、ワークWがプレス成型されて成型完了したことを検知してから、上型30とワークWとが離間し、上型30が上昇し終わるまでの工程を取り出し工程とする。
かかる構成により、歯先の充満性を確保しながらも、潤滑剤の詰まりを抑制する。
かかる構成により、歯先の充満性を確保しながらも、潤滑剤の詰まりを抑制するとともに、かりに成型工程においてポンプ60が吸引したときに先端形成部23から通気部50に潤滑剤の滓などが入り込んでしまった場合にも、噴射によって除去されて、詰まりを抑止することができる。
かかる構成により、全周部52が気圧調整機能を有するから、歯先部51からの通気が均一に生じて、歯先の充満性が下型20の中心軸に対して偏ることを抑制する。
かかる構成により、歯先部51の長さを均一に保ちながら、一様に先端形成部23に残留した空気を取り除くことができて、歯先の充満性を確保することができる。
かかる構成により、歯先部51から噴射される時の圧縮空気の勢いが下流側端部より上流側端部の方で強くなるから、詰まりを効率よく抑止することができる。
また、全周部52の容積に比べて歯先部51の容積が十分に小さくなるから、全周部52の気圧調整機能がより強く働いて、歯先部51から噴射される圧縮空気の勢いを一様にすることができる。
第2の実施形態に係る鍛造プレス装置100は、図6に示すように、通気部50の構成が異なっている。
第2の実施形態における通気部50は、上型30の押圧方向と平行なZ方向に伸びた歯先部54を有している。
歯先部54が上型30の押圧方向と平行なZ方向に伸びているので、駆動部80が上型30を押圧する力がポンプ60の吸引力に加わるので、より素早く先端形成部23に残留した空気を取り除くことができて、プレス時間が短い場合にも歯先の充満性を確保する。
また、全周部52を複数設けても良い。
22…歯車形状(歯車形状部) 23…歯先(先端形成部) 30…上型
50…空気路形成部(通気部) 51…歯先部 52…全周部
53…エアーガイド 54…歯先部 60…気流形成部(ポンプ)
80…駆動部 90…制御部 W…被加工品(ワーク)
Claims (5)
- 被加工品に対向する面に歯車形状を備える下型と、
前記下型に対向して前記被加工品を前記下型と互いに押圧して成型する上型と、
少なくとも前記歯車形状のそれぞれの歯先に形成された空気路形成部と、
前記空気路形成部に気体を吸引または噴射することで気流を形成する気流形成部と、を有する鍛造プレス装置。 - 請求項1に記載の鍛造プレス装置であって、
前記気流形成部は、前記上型と前記下型とが前記被加工品を互いに押圧しはじめてから成型完了までの成型工程では前記空気路形成部から気体を吸引する方向に気流を形成し、成型完了から前記上型と前記被加工品が離間するまでの取り出し工程では前記空気路形成部へ気体を噴射する方向に気流を形成することを特徴とする鍛造プレス装置。 - 請求項1または2に記載の鍛造プレス装置であって、
前記空気路形成部は、歯車形状の歯先に形成された歯先部と、前記歯先部が合流する全周部と、を有することを特徴とする鍛造プレス装置。 - 請求項3に記載の鍛造プレス装置であって、
前記歯先部の断面積は、前記噴射する方向に向かって段階的に小さくなるように形成されたことを特徴とする鍛造プレス装置。 - 請求項1乃至4の何れか1つに記載の鍛造プレス装置であって、
前記空気路形成部の断面積は、前記噴射する方向に向かって段階的に小さくなるように形成されたことを特徴とする鍛造プレス装置。
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2014
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