JP2016103427A - 直流電流遮断装置 - Google Patents

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隆太 長谷川
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洋介 中沢
尚隆 飯尾
Hisataka Iio
尚隆 飯尾
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Abstract

【課題】送電損失が少なく、小型化を可能とした直流電流遮断装置を提供する。【解決手段】本実施形態の直流電流遮断装置3は、自励式半導体素子11とサイリスタを直列に接続した半導体素子部と、サイリスタに並列に接続したアレスタ9と、半導体部とキャパシタ10を並列に接続した半導体遮断器5と、半導体遮断器5と直列に接続した電流抑制リアクトル6と、半導体遮断器5と直列に接続した機械接点式断路器7とを備える。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、直流電流遮断装置に関する。
近年、風力発電や太陽光発電、太陽熱発電などの再生可能エネルギーの普及が促進されている。大電力を再生可能エネルギーでまかなうために、洋上風力発電や、砂漠地帯での太陽光、太陽熱発電が検討され始めている。洋上風力発電においては、発電された電力を消費地である都市まで海底ケーブルで大電力送電し、砂漠地帯で太陽光発電では、アフリカや中国奥部の砂漠地帯から、ヨーロッパや沿岸地帯の大都市まで大電力を長距離にわたって高効率に送電することが必要になる。従来の三相交流による電力送電よりも直流送電のほうが高効率で、ケーブルコストを抑えて設置できるため、大電力の長距離送電に対して直流送電システムを適用することが検討されている。
直流送電システムは、従来の交流送電システムに比べて、長距離大電力送電に適用した場合に、低コストで設置することが可能で、送電損失が少ない高効率システムである反面、落雷などに起因した系統事故が発生した個所を隔離することが難しい。交流送電システムにおいては、機械接点式の遮断器により、交流電流が交流周波数50Hzまたは60Hzの半サイクルごとにゼロを横切る点で電流遮断ができるのに対して、直流電流では電流がゼロを横切る点がないため、機械接点式の遮断器では接点にアークが発生し電流を容易に遮断できない。
直流送電システムは、線路インピーダンスが小さいことから電圧伝搬速度が早く、数百km先に電圧を伝搬させないためには数msで遮断完了できる遮断器が必要となる。電力送電網を構築する場合、事故発生点を高速に送電網から切り離して健全な送電網だけで運転継続しなければいけない要求が発生するが、直流送電に発生する事故電流を高速に遮断する遮断器が無いと、直流送電網を構築することができない。
直流き電鉄道用の遮断器には、機械接点式遮断器が用いられている。この機械接点式の遮断器は、コンデンサなどに予め電荷を蓄積しておき、事故発生時にコンデンサ電荷を放電させ、LC共振で零点を生成して、アークを消弧させる。直流き電鉄道は、き電電圧が高くても数kVであり、機械接点の開極距離が短くても絶縁耐電圧が確保でき、数msで遮断完了する。これに対し、直流送電システムでは送電電圧が数百kVにも及び、絶縁耐電圧を確保するために開極距離を長くする必要があり、遮断完了までに少なくとも数10msかかることから、直流き電鉄道用の遮断器を直流送電網へ適用することは困難である。
機械接点式の遮断器に対して、IGBT等の自己消弧能力を持つ半導体素子を用いた遮断器は、駆動電気信号をオフにするだけで遮断が可能である。半導体の電流遮断時間は数μsであり、直流送電網に要求される遮断時間を十分満たす。しかし、半導体遮断器は電圧降下が大きく、送電時の損失が大きくなることから、これまで直流送電に積極的に用いられることが無かった。
この問題を解決する方法として、機械接点式断路器と補助半導体断路器を直列に接続した回路に、もう一つの半導体遮断器を並列に接続するハイブリッド遮断器が提案されている。ハイブリッド遮断器において、送電時は、機械接点式断路器と補助半導体遮断器の直列回路をオンにして、半導体遮断器をオフにした状態にする。送電電流は機械接点式断路器と補助半導体遮断器の直列回路側を流れる。
系統事故発生時は、補助半導体遮断器をオフすると同時に並列側の半導体遮断器をオンにする。これにより事故電流はすべて並列側の半導体遮断器に流れはじめる。機械接点式断路器の電流がゼロになった時点で機械接点式断路器を切り離し、絶縁耐電圧を確保できるようにした状態で並列側半導体遮断器をオフすることにより、事故電流の遮断が可能になる。
特表平10−506260号公報 WO2011/34140号公報
半導体遮断器やハイブリッド遮断器に、遮断電流が最大数kAのIGBTを適用するには、事故電流を数kAに抑制するためにリアクトルを設置する必要がある。遮断電流が小さいとリアクトルのインダクタンスを大きくせざるを得ず、巻き数が増えるためにリアクトルの抵抗が大きくなる。送電時はリアクトルを通して電流を流すため、抵抗増大は送電損失増大につながり、ランニングコストがアップする。また、自己消弧能力を持つ半導体素子は駆動電力を外部から供給する必要がある。対地電位が高い遮断器に対して数百kVの絶縁を持たせつつ電力供給するには、大型の絶縁トランスが必要となり、遮断器の大型化、コストアップ要因になる。
本発明の実施形態は、送電損失が少なく、小型化を可能とした直流電流遮断装置を提供することを目的とする。
本実施形態の直流電流遮断装置は、次の構成を有する。
(1)順方向の自励式半導体素子と順方向のサイリスタを直列に接続した半導体素子部。(2)前記順方向のサイリスタに並列に接続したアレスタ。
(3)前記半導体素子部とキャパシタを並列に接続した半導体遮断器。
(4)前記半導体遮断器と直列に接続した電流抑制リアクトル。
(5)前記半導体遮断器と直列に接続した機械接点式断路器または遮断器。
第1実施形態の構成を示す回路図。 第1実施形態の動作を示すタイムチャート。 第2実施形態の構成を示す回路図。 第3実施形態の構成を示す回路図。 第3実施形態の動作を示すタイムチャート。 第4実施形態の構成を示す回路図。 第4実施形態の動作を示すタイムチャート。 第5実施形態の構成を示す回路図。
[1.第1実施形態]
[1−1.構成]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。図1は直流電圧源1と、ケーブルや架空線などの送電線2で発生した事故点4を遮断し、電気的に絶縁する第1実施形態の直流電流遮断装置3の構成を示す。
直流電流遮断装置3は、半導体遮断器5と、その直流電圧源1側に直列に接続された電流抑制リアクトル6と、半導体遮断器5の送電線2側に接続された機械接点式断路器7を備える。半導体遮断器5は、半導体素子部8と、半導体素子部8に並列に接続されたアレスタ9と、半導体素子部8に並列に接続されたキャパシタ10を備える。アレスタ9の制限電圧は、通常は直流送電電圧の1.5倍以上に設定される。
機械接点式断路器7は、固定接点に対して可動接点を開離させることによって線路の遮断を行う。機械接点式断路器7はキャパシタ10と送電線間で発生するLC共振によって作られる零点で電流遮断する機械接点式遮断器でもよい。しかし、半導体素子部8が遮断完了すれば、事故電流はキャパシタ10と送電線2間の抵抗で減衰するため、電流遮断能力のない断路器を用いることができる。
半導体素子部8は、IGBTやIEGTなどの自励式半導体素子11(以下、IGBTという)と、IGBT11と直列に接続された順方向サイリスタ12を有する。IGBTは、直流電圧源1に対して、直流電圧源1からの電流を通過させる方向(順方向)に接続されている。この順方向IGBT11には、その電流の流れる方向とは逆方向に電流を通過させるダイオードが組み込まれている。順方向サイリスタ12は、順方向IGBT11に対して、直流電圧源1から送電線2に対して電流を流すことのできる方向(順方向)に接続されている。順方向IGBT11及び順方向サイリスタ12は、送電電圧に応じて1個あるいは複数個の素子が直列に接続されている。順方向サイリスタ12には、順方向サイリスタ12と逆方向に電流を流すダイオード13が並列に接続されている。
直流電流遮断装置3には、図示しない制御装置が設けられている。この制御装置は、送電線2を流れる電流が増大したことを電流センサなどの装置で検出し、その検出結果に基づいて事故が発生したことを判定し、半導体遮断器5及び機械接点式断路器7に対して開放指令を出力する。
キャパシタ10は、直流送電電圧相当の耐電圧を持つ。キャパシタ10の容量は次のように決定される。順方向サイリスタ12の電流がオフされる数μsの期間でキャパシタ10の電圧が上昇し、この電圧上昇値が自励式半導体素子11の耐電圧を超えないようにする。例えば、順方向IGBT11がオフする時間を10μs、順方向IGBT11の耐電圧を2kV、キャパシタ10への転流時の電流を5kAとすると、電荷Q=容量C×電圧Vの関係から、5kA×10μs=容量C×2kVより、容量C=25μFと算出される。順方向IGBT11がオフしている時間が非常に短いため、キャパシタ10の容量を抑えることができ、キャパシタ10追加による装置の大型化、コストアップへの影響は小さい。
[1−2.作用]
事故が発生する前の正常な状態では、順方向IGBT11と順方向サイリスタ12はオンされ、直流電圧源1→電流抑制リアクトル6→順方向IGBT11→順方向サイリスタ12→機械接点式断路器7→送電線2へと直流電流が流れ、直流電力が送られる。または、送電線2→機械接点式断路器7→順方向サイリスタ12と並列に接続されたダイオード13→順方向IGBT11に組み込まれたダイオード→電流抑制リアクトル6→直流電圧源1の方向に電流を流し、逆方向に電力を送ることもできる。
図2は事故発生後において、直流電流遮断装置3の各部を流れる電流を時系列で表した図である。図2を参照して事故時の遮断器の動作を説明する。
落雷などで送電線2に事故が発生すると、事故点4の電圧が低下し、直流電圧源1→電流抑制リアクトル6→順方向IGBT11→順方向サイリスタ12→機械接点式断路器7→送電線2へと事故電流が供給され、電流が増大する。
直流電流遮断装置3は、図示しない制御装置により、電流の増大で事故が発生したことを検知し、遮断器を開放する制御を開始する。最初に順方向IGBT11及び順方向サイリスタ12を駆動している信号をオフする。順方向IGBT11をオフすると、事故電流は順方向IGBT11→順方向サイリスタ12の経路から、並列に接続されたキャパシタ10に転流する。順方向IGBT11→順方向サイリスタ12に流れる電流は、順方向サイリスタ12の保持電流以下となり、順方向サイリスタ12電流がオフされる。事故電流が転流した結果、キャパシタ10の電圧が上昇すると、順方向IGBT11の耐電圧を超える恐れがあるため、数十μs後に再び順方向IGBT11をオンする。
事故電流は電流抑制リアクトル6→キャパシタ10→機械接点式断路器7→送電線2へと流れ続け、キャパシタ10の電圧が上昇する。キャパシタ10の電圧が、通常は直流送電電圧の1.5倍以上に設定されるアレスタ9の制限電圧に達すると、事故電流はアレスタ9に転流する。
事故電流は、電流抑制リアクトル6→アレスタ9→機械接点式断路器7→送電線2へと流れ続け、電流抑制リアクトル6や送電線2のインダクタンスに蓄積されたエネルギーがアレスタ9で消費される。電流がゼロになるまでアレスタ9に電流が流れ、その後は送電経路にインダクタンスとキャパシタ10が含まれるため、LC共振が発生し、抵抗成分で減衰する。機械接点式断路器7で半導体遮断器5と事故点4が隔離される。
[1−3.効果]
本実施形態によれば、半導体素子部8を順方向IGBT11と順方向サイリスタ12との組み合わせにより構成したため、電流耐量が低い順方向IGBT11の使用数を大幅に低減できる。順方向IGBT11の代わりに使用されるサイリスタは、電流耐量が大きい特徴があり、遮断器の遮断電流を大きくできる。サイリスタの遮断電流に合わせるには、順方向サイリスタ12に直列に接続する順方向IGBT11を複数並列にする必要があるが、順方向IGBT11の必要耐電圧は小さいため、使用数は少ない。特に、キャパシタ10に事故電流が転流した後、短時間で順方向IGBT11をオンとすることで、順方向IGBT11の破損を防止することも可能である。
サイリスタは他励式直流送電に多く用いられている半導体素子であり、対地電圧が高い環境で使用されることから、光信号のわずかな電力で点弧でき、光ファイバーケーブルを接続するだけで駆動可能な光トリガサイリスタが実用化されている。このようなサイリスタを用いることにより、駆動回路を簡略化でき、遮断器の小型化、コストダウンに大きな効果がある。
直流送電に用いられる電圧相当の耐電圧を持つキャパシタ10を追加する必要があるが、順方向IGBT11がオフしている時間が非常に短いため、キャパシタ10容量を抑えることができ、キャパシタ10追加による装置の大型化、コストアップへの影響は小さい。
[第2実施形態]
[2−1.構成]
第2実施形態について、図3を参照して説明する。図3は遮断器の両端が送電線2に接続され、どちら側で事故が起きても遮断できる構成である。第2実施形態では、第1実施形態と比較すると、順方向IGBT11に対して逆方向IGBT14が追加され、順方向サイリスタ12の並列ダイオード13が、順方向サイリスタ12とは逆方向の特性を有する逆方向サイリスタ15に置き換えられている。
[2−2.作用]
事故が発生する前の正常な状態では、順方向IGBT11と順方向サイリスタ12はオンされ、直流電圧源1→電流抑制リアクトル6→逆方向IGBT14に組み込まれたダイオード→順方向IGBT11→順方向サイリスタ12→機械接点式断路器7→送電線2へと直流電流が流れ、直流電力が送られる。また、送電線2→機械接点式断路器7→逆方向サイリスタ15→順方向IGBT11に組み込まれたダイオード→逆方向IGBT14→電流抑制リアクトル6→直流電圧源1の方向に電流を流し、逆方向に電力を送ることもできる。
第2実施形態において、第1実施形態と同様に直流電流遮断装置3の送電線2側に事故点4が発生し、事故電流が直流電圧源1から送電線2に流れる場合には、直流電圧源1→電流抑制リアクトル6→逆方向IGBT14に組み込まれたダイオード→順方向IGBT11→順方向サイリスタ12→機械接点式断路器7→送電線2へと事故電流が供給され、電流が増大する。直流電流遮断装置3は、図示しない制御装置により、電流の増大で事故が発生したことを検知し、遮断器を開放する制御を開始する。最初に順方向IGBT11及び順方向サイリスタ12を駆動している信号をオフする。以下の動作は、第1実施形態と同様である。
第2実施形態において、直流電流遮断装置3の直流電圧源1側に事故点4が発生し、事故電流が送電線2→機械接点式断路器7→逆方向サイリスタ15→順方向IGBT11に組み込まれたダイオード→逆方向IGBT14→電流抑制リアクトル6→直流電圧源1に流れる場合には、事故電流の増加を検出した直流電流遮断装置3は、最初に逆方向IGBT14及び逆方向サイリスタ15を駆動している信号をオフする。以下は、順方向に事故電流が流れる場合と同様な処理が行われ、最終的には、機械接点式断路器7により事故点4が隔離される。
[2−3.効果]
第2実施形態では、前記第1実施形態の効果に加え、順方向と逆方向の事故電流に対しても電流零点を発生させ、機械接点式断路器7による隔離が可能になる利点がある。
[第3実施形態]
[3−1.構成]
第3実施形態について、図4を参照して説明する。第3実施形態は、第2実施形態に加えて、機械接点式断路器16と半導体遮断器5を組み合わせ、送電時の損失を低減した構成である。すなわち、半導体遮断器5と並列に機械接点式断路器16を接続すると共に、機械接点式断路器16に断路器用の順方向IGBT17と断路器用の逆方向IGBT18を直列に接続する。
[3−2.作用]
図5を用いて第3実施形態の作用を説明する。
送電時は電流抑制リアクトル6→機械接点式断路器16→断路器用の逆方向IGBT18のダイオード→断路器用の順方向IGBT17→機械接点式断路器7→送電線2の経路で電流を流し、直流電力を送電する。電流は耐電圧が小さい断路器用の順方向IGBT17および断路器用の逆方向IGBT18のダイオードを通過するので、電圧降下が小さく、高効率に送電することができる。
直流電流遮断装置3の送電線2側で事故点4が発生すると、直流電流遮断装置3は電流の増大で事故が発生したことを検知し、まず、機械接点式断路器16を開放するために、機械接点式断路器16に直列に接続されている断路器用の順方向IGBT17をオフする。すると、事故電流は、機械接点式断路器16を通過する経路から半導体遮断器5側に転流し、電流抑制リアクトル6→逆方向IGBT14に組み込まれたダイオード→順方向IGBT11→順方向サイリスタ12→機械接点式断路器7→送電線2へと流れる。その結果、機械接点式断路器16の電流は零になるため、アークを発生することなく電流を遮断できる。断路器が遮断された後は、事故電流は第1実施形態と同様に半導体遮断器5を流れることになるから、直流電流遮断装置3は順方向IGBT11及び順方向サイリスタ12を駆動している信号をオフする。以下の動作は、第1実施形態と同様である。
第3実施形態では、第2実施形態と同様に、半導体遮断器5は逆方向の事故電流の遮断も行うことができるように、逆方向IGBT14及び逆方向サイリスタ15を備えている。また、機械接点式断路器16には断路器用の逆方向IGBT18が設けられている。そのため、通常の電流供給時及び事故発生時において、順方向と逆方向のいずれにも電流を流したり、遮断することができる。
[3−3.効果]
第3実施形態では、前記第1及び第2実施形態の効果に加えて、通常時に流れる電流は耐電圧が小さい断路器用の順方向IGBT17および断路器用の逆方向IGBT18のダイオードを通過するので、電圧降下が小さく、高効率に送電することができる効果を有する。
[第4実施形態]
[4−1.構成]
第4実施形態について、図6を参照して説明する。図6は、第3実施形態における断路器用の順方向IGBT17と断路器用の逆方向IGBT18の代わりに、断路器用の機械接点式遮断器19を設けることで、送電時の損失を低減した構成である。第4実施形態では、機械接点式断路器16に直列に断路器用の機械接点式遮断器19が接続されている。半導体遮断器5と機械接点式断路器7との間に転流調整リアクトル20が接続されている。断路器用の機械接点式遮断器19の送電線2側の端部は、機械接点式断路器7と転流調整リアクトル20との間に接続されている。
機械接点式断路器16と断路器用の機械接点式遮断器19の中間点と、半導体遮断器5と転流調整リアクトル20の中間点を結ぶように、直列に接続された2個のハーフブリッジ回路(以下、Hブリッジ回路21という)が設けられている。このHブリッジ回路21は請求項に記載した転流回路に相当するものであって、インバータとして機能するものである。このHブリッジ回路21は、図6の拡大部分に示すように、4個のIGBT22a〜22dとそれらに並列に接続されたコンデンサ23を備える。
[4−2.作用]
本実施形態の作用を、図7を用いて説明する。
送電時は電流抑制リアクトル6→機械接点式断路器16→断路器用の機械接点式遮断器19→機械接点式断路器7→送電線2の経路で電流を流し、直流電力を送電する。電流は半導体を通過しないので、損失を発生することなく、高効率に送電することができる。
事故が発生すると、電流の増大で事故が発生したことを検知し、機械接点式断路器16、断路器用の機械接点式遮断器19、機械接点式断路器7を開放する指令を与える。まず、断路器用の機械接点式遮断器19に開放指令を与えると、Hブリッジ回路21がコンデンサ23の電荷を放電し、Hブリッジ回路21→転流調整リアクトル20→断路器用の機械接点式遮断器19の経路で電流を流す。この電流は事故電流と逆方向に流れるため零点が発生し、断路器用の機械接点式遮断器19による電流遮断が可能となる。
断路器用の機械接点式遮断器19が開放されると、電流抑制リアクトル6→機械接点式断路器16→Hブリッジ回路21→転流調整リアクトル20→機械接点式断路器7→送電線2の経路に電流が転流する。次に、Hブリッジ回路21を構成する4個のIGBT22a〜22dをゲートブロックし、電流を電流抑制リアクトル6→順方向IGBT11→順方向サイリスタ12→転流調整リアクトル20→送電線2の経路に転流させる。すると、機械接点式断路器16の電流は零になり、電流遮断が完了する。その後の動作は、第3実施形態と同様である。
[4−3.効果]
第4実施形態では、第3実施形態と同様な効果に加え、断路器用の機械接点式遮断器19を設けることで、半導体素子を使用することなく断路器の開放が可能になり、送電時の損失をより低減することができる。なお、本実施形態における転流回路としては、図示のHブリッジ回路21以外に、電流零点を発生できるインバータであれば、他の構成のものを使用することもできる。
[第5実施形態]
[5−1.構成]
第5実施形態について、図8を参照して説明する。第5実施形態は転流回路として、第4実施形態のHブリッジ回路21を、断路器用サイリスタ24a,24b及びキャパシタ25で構成した共振発生回路に置き換えた構成である。
[5−2.作用]
第5実施形態では、送電時は、第4実施形態と同様に、電流抑制リアクトル6→機械接点式断路器16→断路器用の機械接点式遮断器19→機械接点式断路器7→送電線2の経路で電流を流し、直流電力を送電する。電流は半導体を通過しないので、損失を発生することなく、高効率に送電することができる。
事故が発生すると、まず、断路器用の機械接点式遮断器19を開放するために断路器用サイリスタ24aまたは24bに開放指令を与えることにより、キャパシタ25の電荷を放電し、キャパシタ25→転流調整リアクトル20→断路器用の機械接点式遮断器19の経路で電流を流す。この電流の経路には転流調整リアクトル20のインダクタンスとキャパシタ25が含まれるためLC共振が発生し、その結果、電流に零点が発生するので、断路器用の機械接点式遮断器19による電流遮断が可能となる。
断路器用の機械接点式遮断器19に零点を生成した後、断路器用サイリスタ24a,24bをオフし、機械接点式断路器16の電流を零にすることで、機械接点式断路器16の開放を可能とする。その後の遮断動作は第4実施形態と同様である。
[5−3.効果]
本実施形態は、前記第4実施形態の効果に加え、断路器用の機械接点式遮断器19を開放するための共振発生回路を、電流耐量が大きいサイリスタで構成できるので、転流時の電流を大きくできる利点がある。
[6.他の実施形態]
本発明の実施形態は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。たとえば実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…直流電圧源
2…送電線
3…直流電流遮断装置
4…事故点
5…半導体遮断器
6…電流抑制リアクトル
7…機械接点式断路器
8…半導体素子部
9…アレスタ
10…キャパシタ
11…自励式半導体素子,順方向IGBT
12…順方向サイリスタ
13…ダイオード
14…逆方向IGBT
15…逆方向サイリスタ
16…機械接点式断路器
17…断路器用の順方向IGBT
18…断路器用の逆方向IGBT
19…断路器用の機械接点式遮断器
20…転流調整リアクトル
21…Hブリッジ回路
22a〜22d…IGBT
23…コンデンサ
24a,24b…遮断器用サイリスタ
25…キャパシタ

Claims (12)

  1. 順方向の自励式半導体素子と順方向のサイリスタを直列に接続した半導体素子部と、
    前記順方向のサイリスタに並列に接続したアレスタと、
    前記半導体素子部とキャパシタを並列に接続した半導体遮断器と、
    前記半導体遮断器と直列に接続した電流抑制リアクトルと、
    前記半導体遮断器と直列に接続した機械接点式断路器または遮断器と、
    を備える直流電流遮断装置。
  2. 前記順方向の自励式半導体素子の耐電圧が、前記順方向のサイリスタの耐電圧より小さい請求項1に記載の直流電流遮断装置。
  3. 前記順方向のサイリスタに対して、逆方向のダイオードを並列に接続した請求項2に記載の直流電流遮断装置。
  4. 前記順方向の自励式半導体素子に対して、逆方向の自励式半導体素子を直列に接続し、
    前記順方向のサイリスタに対して逆方向のサイリスタを並列に接続し、双方向の直流電流を遮断する請求項3に記載の直流電流遮断装置。
  5. 事故発生時に前記自励式半導体素子をオフし、サイリスタ電流を前記キャパシタに転流することによってサイリスタ電流をオフする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の直流電流遮断装置。
  6. 事故発生時に前記自励式半導体素子をオフした直後、再度前記自励式半導体素子をオンする請求項5に記載の直流電流遮断装置。
  7. 前記半導体遮断器に対して機械接点式断路器を並列に接続し、この機械接点式断路器に断路器開放用の自励式半導体素子を直列に接続した請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の直流電流遮断装置。
  8. 事故発生時に前記断路器開放用の自励式半導体素子をオフし、機械接点式断路器の電流を零にし、前記半導体遮断器に事故電流を転流する請求項7に記載の直流電流遮断装置。
  9. 機械接点式断路器と転流回路を前記半導体遮断器に並列に接続し、前記機械接点式断路器と転流回路の接点と前記機械接点式断路器または遮断器との間に、断路器用の機械接点式遮断器を接続し、前記半導体遮断器と前記機械接点式断路器または遮断器との間に転流調整リアクトルを接続した請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の直流電流遮断装置。
  10. 事故発生時に前記転流回路で前記機械接点式遮断器に零点を生成して機械接点式遮断器を遮断し、前記転流回路をオフして前記機械接点式断路器の電流を零にし、前記半導体遮断器に事故電流を転流する請求項9に記載の直流電流遮断装置。
  11. 前記転流回路をインバータとした請求項9または請求項10に記載の直流電流遮断装置。
  12. 前記転流回路を共振発生回路とした請求項9または請求項10に記載の直流電流遮断装置。
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