JP2016102194A - 複合構造体 - Google Patents
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Abstract
Description
(2)繊維状材料が、織物または不織構造物であることを特徴する(1)に記載の複合構造体。
(3)シート構造を有することを特徴とする(2)または(3)に記載の複合構造体。
(4)圧縮成形法により製造されたことを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の複合構造体。
本発明の複合構造体は、ポリアミド10Tと繊維状材料とから構成される。
自動車部品としては、例えば、座席部品および座席骨組み、エンジンカバーブラケット、エンジンクレードル、サスペンションアームおよびクレードル、スペアタイヤウェル、シャーシ補強材、フロアパン、フロントエンド・モジュール、ステアリングコラム・フレーム、計器板、ドアシステム、ボディーパネル(水平ボディーパネル、ドアパネル等)、テールゲート、ハードトップフレーム構造、コンバーチブルトップフレーム構造、屋根材構造、エンジンカバー、トランスミッションおよび動力伝達部品用のハウジング、油受皿、エアバッグ用ハウジングキャニスター、自動車内部衝撃構造、エンジンサポートブラケット、クロスカービーム、バンパービーム、歩行者用安全ビーム、防火壁、リヤパーセルシェルフ、クロスビークル・バルクヘッド、圧力容器(冷却剤ボトル、消火器、トラック圧縮空気ブレーキシステム容器等)、ハイブリッド内燃/電気自動車または電気自動車のバッテリートレイ、自動車サスペンション・ウィッシュボーンおよびコントロールアーム、サスペンションスタビライザーリンク、板ばね、車輪、レジャー用車およびオートバイ用スイングアーム、フェンダー、屋根フレームおよびタンクフラップ、サーモスタットカバー、インバータのIGBTモジュール部材、インシュレーター部材、インタークーラー部材、エキゾーストフィニッシャー、パワーデバイス筐体、ECU筐体、ECUコネクタ、モーター、コイルの絶縁材が挙げられる。
電気電子部品としては、例えば、コネクタ、LEDリフレクタ、スイッチ、センサー、ソケット、コンデンサー、ジャック、ヒューズホルダー、リレー、コイルボビン、ブレーカー、電磁開閉器、ホルダー、プラグ、電気機器の筐体部品(パソコン、携帯用パソコン、ワープロ、携帯電子装置等)、抵抗器、IC、LEDのハウジングが挙げられる。
家電製品としては、例えば、洗濯機、ドライヤー、冷蔵庫、空調装置、暖房装置が挙げられる。
スポーツ用品としては、例えば、インラインスケート部品、野球バット、ホッケー用スティック、スキーおよびスノーボード締め具、リュックサックバックおよびそのフレーム、自転車フレームが挙げられる。
ポリアミド10Tおよび複合構造体の物性測定は以下の方法によりおこなった。
示差走査熱量計DSC−7型(パーキンエルマー社製)用い、窒素雰囲気下にて昇温速
度20℃/分で350℃まで昇温した後、350℃で5分間保持し、降温速度20℃/分で0℃まで降温し、さらに0℃で5分間保持後、再び昇温速度20℃/分で昇温測定した際の吸熱ピークのトップを融点とした。
96質量%硫酸を溶媒とし、濃度1g/dL、25℃で測定した。
下記の条件で得た2種の評価用試験片を、ISO178法に準拠して測定した。
標準条件下での測定値に対する、吸湿条件下での測定値の比率を吸湿保持率(%)とした。
<標準条件>
実施例・比較例で作製した複合構造体より、80mm×10mmの試験片を切り出した。繊維の配向が揃っている試験片については、配向方向を長手方向とした。
<吸湿条件>
乾燥条件と同様に作製した試験片を、恒温恒湿器IG−420(ヤマト科学社製)にて85℃、85%RH、168時間処理した。
(3)の標準条件下で作製した試験片を用いて、ISO75−1、2に準拠して荷重1.8MPaで測定した。
(3)の標準条件下で作製した試験片を、熱風炉にて600℃、12h処理し、灰分を得て、灰分中に含まれる任意の500本の繊維を計測し、平均繊維長を算出した。
(3)の標準条件下および吸湿条件下で作製した試験片の質量から、以下の式を用いて、吸湿率を算出した。
吸湿率(質量%)={(吸湿条件の試験片の質量)−(標準条件の試験片の質量)}÷(標準条件の試験片の質量)×100
(3)の標準条件下で作製した試験片を、表2に示す薬品に浸漬し、室温にて1週間静置し、外観を観察した。
○:変化がみられなかった。
△:膨潤した。
×:溶解した。
実施例および比較例で用いた原料を以下に示す。
(1)芳香族ジカルボン酸成分
・TPA:テレフタル酸
・IPA:イソフタル酸
・DDA:1,10−デカンジアミン
・ODA:1,8−オクタンジアミン
・STA:ステアリン酸(分子量:284)
B−1:ガラス繊維織物(日東紡社製 WR−570−C−100、平織、目付570g/m2、シラン系処理)
B−2:ガラス繊維束(日東紡社製 RS−240−QR−483、2400g/km)
B−3:炭素繊維織物(東レ社製 C06343、繊維径7.0μm、3000フィラメント、平織、目付200g/m2)
B−4:炭素繊維束(東邦テナックス社製 IMS40、繊維径6.4μm、6000フィラメント)
C−1:トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(阪本薬品工業社製、SR−TMP)
・ポリアミド10T(A−1)
芳香族ジカルボン酸成分として粉末状のテレフタル酸(TPA)4.70kgと、モノカルボン酸成分としてステアリン酸(STA)0.32kgと、重合触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物9.3gとを、リボンブレンダー式の反応装置に入れ、窒素密閉下、回転数30rpmで撹拌しながら170℃に加熱した。その後、温度を170℃に保ち、かつ回転数を30rpmに保ったまま、液注装置を用いて、脂肪族ジアミン成分として100℃に加温した1,10−デカンジアミン(DDA)4.98kgを、2.5時間かけて連続的(連続液注方式)に添加し反応物を得た。なお、原料モノマーのモル比は、TPA:DDA:STA=48.5:49.6:1.9(原料モノマーの官能基の当量比率は、TPA:DDA:STA=49.0:50.0:1.0)であった。
続いて、得られた反応物を、同じ反応装置で、窒素気流下、250℃、回転数30rpmで8時間加熱して重合し、ポリアミド10T(A−1)粉末を作製した。
その後、得られた半芳香族ポリアミドの粉末を、二軸混練機を用いてストランド状とし、ストランドを水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド10T(A−1)ペレットを得た。
その後、得られたペレットを、熱プレス装置SG−1300(林機械製作所社製)で、厚さ0.1mmのシート状に圧縮成形し、ポリアミド10T(A−1)シートを得た。
圧縮成形の条件は、330℃、0.4MPa、3分(そのうち予熱1分、加圧2分)とした。
また、得られたペレットを、押出機で溶融押出して、メルトブローンダイへ導き、ダイにセットされているメルトブローンノズル(0.3mmφ、L/D=10、ピッチ1mm)から押出し、同時に熱風を噴出し、捕集コンベア(30メッシュ)に吹き付けて、ポリアミド10T(A−1)不織布を得た。不織布は、目付50g/m2、厚み0.4mm、平均繊維径4.5μmであった。
樹脂組成を表1に示すように変更した以外は、ポリアミド10T(A−1)を作製した際と同様の操作をおこなって、ポリアミド10T(A−2)シートおよびポリアミド8T(A−3)ペレットを得た。
ガラス繊維織物(B−1)とポリアミド10T(A−1)粉末を質量比で40/60となるように敷き並べ、熱プレス装置SG−1300(林機械製作所社製)で圧縮成形し、厚さの2mmのシート状の複合構造体を得た。圧縮成形の条件は、330℃、0.4MPa、10分(そのうちガス抜き7分、加圧3分)とした。
用いるポリアミド、繊維状材料の種類、質量比を変更した以外、実施例1と同様の操作をおこなって、複合構造体を得た。
二軸押出機(池貝製作所製、「PCM−30」)の先端に、含浸ダイを取り付け、長繊維樹脂含浸装置とした。ポリアミド10T(A−1)ペレットを長繊維樹脂含浸装置の主ホッパーに供給し、340℃で溶融した。含浸ダイに貫通させてあったガラス繊維束(B−2)と、溶融した(A−1)とを含浸ダイ内で接触させた。40質量部の(A−1)に対して、(B−2)が60質量部になるように調整して、幅20mm、厚み0.5mmのテープ状に押出し、2個の回転するロールの間を通して引き取り、樹脂含浸テープとした。
樹脂含浸テープを1方向に敷き並べて、実施例1と同様の条件で圧縮成形し複合構造体を得た。圧縮成形の条件は、330℃、0.4MPa、10分(そのうちガス抜き7分、加圧3分)とした。
実施例5で得られた樹脂含浸テープを、ロータリーカッターで裁断し、テープ長を30mmとし、それらをランダムに敷き並べて、実施例1と同様の操作をおこなって圧縮成形し複合構造体を得た。
ガラス繊維束(B−2)のかわりに炭素繊維束(B−4)を用いたこと以外は、実施例5と同様の操作をおこなって複合構造体を得た。
ガラス繊維束(B−2)のかわりに炭素繊維束(B−4)を用いたこと以外は、実施例6と同様の操作をおこなって複合構造体を得た。
最外層の両面に、ポリアミド10T(A−1)シート(厚み0.1mm)を、内層に、ポリアミド10T(A−1)粉末およびガラス繊維織物(B−1)を用いて、複合構造体全体で(A−1)/(B−1)の質量比が40/60となるように敷き並べて、熱プレス装置SG−1300(林機械製作所社製)で圧縮成形し、厚さの2mmのシート状の複合構造体を得た。圧縮成形の条件は、330℃、0.4MPa、10分(そのうちガス抜き7分、加圧3分)とした。
最外層の両面に、ポリアミド10T(A−1)シート(厚み0.1mm)を、内層に、ポリアミド10T(A−1)シートおよびガラス繊維織物(B−1)を用いて、複合構造体全体で(A−1)/(B−1)の質量比が40/60となるように積層して、熱プレス装置SG−1300(林機械製作所社製)で圧縮成形し、厚さの2mmのシート状の複合構造体を得た。圧縮成形の条件は、330℃、0.4MPa、10分(そのうちガス抜き7分、加圧3分)とした。
最外層の両面に、ポリアミド10T(A−2)シートを、内層に、ポリアミド10T(A−2)シートおよびガラス繊維織物(B−1)を用いて、複合構造体全体で(A−1)/(A−2)/(B−1)の質量比が30/10/60となるように積層して、熱プレス装置SG−1300(林機械製作所社製)で圧縮成形し、厚さの2mmのシート状の複合構造体を得た。圧縮成形の条件は、330℃、0.4MPa、10分(そのうちガス抜き7分、加圧3分)とした。
最外層の両面に、ポリアミド10T(A−1)不織布を、内層に、ポリアミド10T(A−1)不織布およびガラス繊維織物(B−1)を用いて、複合構造体全体で(A−1)/(B−1)の質量比が40/60となるように積層して、熱プレス装置SG−1300(林機械製作所社製)で圧縮成形し、厚さの2mmのシート状の複合構造体を得た。圧縮成形の条件は、330℃、0.4MPa、10分(そのうちガス抜き7分、加圧3分)とした。
内層に用いるポリアミド10T(A−1)不織布の代わりに、ポリアミド10T(A−1)不織布40質量部に反応性化合物(C−1)1質量部を含浸したものを用いた以外は、実施例13と同様の操作をおこなって複合構造体を得た。
ポリアミド10T(A−1)粉末を敷き並べ、熱プレス装置SG−1300(林機械製作所社製)で圧縮成形し、厚さの2mmのシート状の複合構造体を得た。圧縮成形の条件は、330℃、0.4MPa、10分(そのうちガス抜き7分、加圧3分)とした。
実施例5、6の複合構造体および実施例8、9の複合構造体の対比から、樹脂含浸テープを1方向に積層して複合構造体を作製した方が、樹脂含浸テープをカットしてランダムに敷き並べて作製した複合構造体よりも、繊維長が長く、曲げ強度が高いことがわかる。
実施例11、12の複合構造体を対比すると、最外層に共重合体であるポリアミド10T(A−2)を用いた方が、表面平滑性が優れていた。ただし、耐薬品性はやや劣り、吸湿率はやや高かった。
実施例13、14の複合構造体を対比すると、反応性化合物を用いた方が、曲げ強度が高いことがわかる。
比較例2の複合構造体は、ポリアミド8Tを主体とするポリアミドを用いたため、荷重たわみ温度が低く、耐薬品性が不良であった。また、吸湿率が高く、曲げ強度の保持率が低かった。
比較例3の複合構造体は、脂肪族ポリアミドを用いたため、荷重たわみ温度が低く、耐薬品性が不良であった。また、吸湿率が高く、曲げ強度の保持率が低かった。
Claims (4)
- テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と1,10−デカンジアミンを主成分とするジアミン成分とからなるポリアミド(ポリアミド10T)と繊維状材料から構成され、ポリアミド10Tが繊維状材料に含浸されていることを特徴とする複合構造体。
- 繊維状材料が、織物または不織構造物であることを特徴する請求項1に記載の複合構造体。
- シート構造を有することを特徴とする請求項2または3に記載の複合構造体。
- 圧縮成形法により製造されたことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の複合構造体。
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化学大辞典, vol. 第9巻, JPN6018019941, 31 July 1962 (1962-07-31), pages 283, ISSN: 0003929096 * |
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