JP2016102194A - 複合構造体 - Google Patents

複合構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP2016102194A
JP2016102194A JP2015087947A JP2015087947A JP2016102194A JP 2016102194 A JP2016102194 A JP 2016102194A JP 2015087947 A JP2015087947 A JP 2015087947A JP 2015087947 A JP2015087947 A JP 2015087947A JP 2016102194 A JP2016102194 A JP 2016102194A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyamide
composite structure
acid
fibrous material
fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015087947A
Other languages
English (en)
Inventor
淳一 三井
Junichi Mitsui
淳一 三井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
Publication of JP2016102194A publication Critical patent/JP2016102194A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Polyamides (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)

Abstract

【課題】耐熱性や機械的特性に加えて、耐薬品性にも優れ、吸湿下においても機械的特性を保持することができる複合構造体を提供する。【解決手段】テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と1,10−デカンジアミンを主成分とするジアミン成分とからなるポリアミド(ポリアミド10T)と繊維状材料から構成され、ポリアミド10Tが繊維状材料に含浸されていることを特徴とする複合構造体、および、繊維状材料が、織物または不織構造物であることを特徴する前記複合構造体。【選択図】なし

Description

本発明は、耐熱性や機械的特性に加えて、耐薬品性にも優れ、吸湿下においても機械的特性を保持することができる複合構造体に関するものである。
半芳香族ポリアミドは、耐熱性や機械的特性が優れていることから、自動車部品、電気電子部品等の成形材料として広く用いられている。近年、自動車の安全性の高水準化にともない、これらの用途に用いる部品は、さらなる高性能化が求められている。
成形品の機械的特性を向上させるために、高強度・高剛性の繊維状材料と半芳香族ポリアミドとの複合材料が各種開発されているが、射出成形や押出成形工程では繊維状材料が折損し、その向上効果は必ずしも満足のいくものではなかった。一方、織物、不織構造物等と半芳香族ポリアミドを組み合わせて圧縮成形等により成形体を得ることが検討されている。
特許文献1には、半芳香族半結晶性ポリアミドと半芳香族非晶性ポリアミドとのブレンド物と繊維状材料との複合構造体が開示されている。また、特許文献2には、融点が200〜300℃の半芳香族ポリアミド共重合体と平均10mm以上の炭素長繊維との複合構造体が開示されている。
特表2013−542341号公報 特開2014−173005号公報
本発明は、耐熱性や機械的特性に加えて、耐薬品性にも優れ、吸湿下においても機械的特性を保持することができる複合構造体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
(1)テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と1,10−デカンジアミンを主成分とするジアミン成分とからなるポリアミド(ポリアミド10T)と繊維状材料から構成され、ポリアミド10Tが繊維状材料に含浸されていることを特徴とする複合構造体。
(2)繊維状材料が、織物または不織構造物であることを特徴する(1)に記載の複合構造体。
(3)シート構造を有することを特徴とする(2)または(3)に記載の複合構造体。
(4)圧縮成形法により製造されたことを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の複合構造体。
本発明によれば、樹脂と繊維状材料との複合化により通常達成される耐熱性や機械的強度の向上に加えて、耐薬品性にも優れ、吸湿下においても機械的特性を保持することができる複合構造体を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の複合構造体は、ポリアミド10Tと繊維状材料とから構成される。
ポリアミド10Tは、テレフタル酸成分を主成分とするジカルボン酸成分と1,10−デカンジアミンを主成分とするジアミン成分とから構成されるポリアミドである。
ポリアミド10Tは、共重合成分を含有してもよいが、耐熱性や機械的特性の観点から、共重合成分はポリアミド10Tを構成する全モノマー成分に対し、10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましく、実質的に含まないことがさらに好ましい。
共重合成分としては、例えば、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸や、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸や、シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸や、1,2−エタンジアミン、1,3−プロパンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン等の脂肪族ジアミンや、シクロヘキサンジアミン等の脂環式ジアミンや、キシリレンジアミン、ベンゼンジアミン等の芳香族ジアミン、カプロラクタム、ラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸等のω−アミノカルボン酸が挙げられる。
本発明において、ポリアミド10Tは、流動性を高め、繊維状材料に含浸しやすいものとし、より機械的特性に優れた複合構造体とすることができることから、分子量が140以上のモノカルボン酸を、ポリアミド10Tを構成する全モノマー成分に対して0.3〜4.0モル%含有することが好ましい。モノカルボン酸の分子量は170以上であることがより好ましい。モノカルボン酸成分の含有量は、ポリアミド10Tを構成する全モノマー成分に対して、0.3〜2.5モル%であることがより好ましく、0.8〜2.5モル%であることがさらに好ましい。
モノカルボン酸としては、脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸が挙げられ、流動性がより向上することから、脂肪族モノカルボン酸が好ましい。分子量が140以上の脂肪族モノカルボン酸としては、例えば、カプリル酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸が挙げられる。中でも、汎用性が高いことから、ステアリン酸が好ましい。分子量が140以上の脂環族モノカルボン酸としては、例えば、4−エチルシクロヘキサンカルボン酸、4−へキシルシクロヘキサンカルボン酸、4−ラウリルシクロヘキサンカルボン酸が挙げられる。分子量が140以上の芳香族モノカルボン酸としては、例えば、4−エチル安息香酸、4−へキシル安息香酸、4−ラウリル安息香酸、アルキル安息香酸類、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸およびそれらの誘導体が挙げられる。
モノカルボン酸は、単独で用いてもよいし、併用してもよい。また、分子量が140以上のモノカルボン酸と分子量が140未満のモノカルボン酸を併用してもよい。なお、本発明において、モノカルボン酸の分子量は、原料のモノカルボン酸の分子量を指す。
本発明において、ポリアミド10Tの、96%硫酸中、25℃、濃度1g/dLで測定した場合の相対粘度は、機械的特性の点から、1.8以上であることが好ましく、1.8〜3.5であることがより好ましく、2.0〜3.1であることがさらに好ましい。相対粘度が3.5を超える場合、繊維状材料への含浸が困難となる場合がある。
ポリアミド10Tの製造方法は特に限定されないが、従来から知られている加熱重合法や溶液重合法の方法を用いることができる。中でも、工業的に有利であることから、加熱重合法が好ましく用いられる。加熱重合法としては、ジカルボン酸成分と、ジアミン成分とから反応物を得る工程(i)と、得られた反応物を重合する工程(ii)とからなる方法が挙げられる。
工程(i)としては、例えば、予めジアミンの融点以上、かつジカルボン酸の融点以下の温度にジアミンを加熱し、この温度のジカルボン酸粉末に、ジカルボン酸の粉末の状態を保つように、実質的に水を含有させずに、ジアミンを添加する方法が挙げられる。あるいは、別の方法としては、溶融状態のジアミンと固体のジカルボン酸とからなる懸濁液を攪拌混合し、混合液を得た後、最終的に生成するポリアミド10Tの融点未満の温度で、ジカルボン酸とジアミンの反応による塩の生成反応と、生成した塩の重合による低重合物の生成反応とをおこない、塩および低重合物の混合物を得る方法が挙げられる。この場合、反応をさせながら破砕をおこなってもよいし、反応後に一旦取り出してから破砕をおこなってもよい。工程(i)は、反応物の形状の制御が容易な前者の方が好ましい。
工程(ii)としては、例えば、工程(i)で得られた反応物を、最終的に生成する半芳香族ポリアミドの融点未満の温度で固相重合し、所定の分子量まで高分子量化させ、半芳香族ポリアミドを得る方法が挙げられる。固相重合は、重合温度180〜270℃、反応時間0.5〜10時間で、窒素等の不活性ガス気流中でおこなうことが好ましい。
ポリアミド10Tの製造において、重合の効率を高めるため重合触媒を用いてもよい。重合触媒としては、例えば、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸またはそれらの塩が挙げられる。重合触媒の添加量は、通常、ポリアミド10Tを構成する全モノマー成分に対して、2モル%以下であることが好ましい。
繊維状材料としては、例えば、ガラス繊維、炭素繊維、ボロン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、全芳香族ポリアミド繊維、ポリベンズオキサゾール繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ケナフ繊維、竹繊維、麻繊維、バガス繊維、高強度ポリエチレン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、チタン酸カリウム繊維、黄銅繊維、ステンレス繊維、スチール繊維、セラミックス繊維、玄武岩繊維、セルロース繊維、リグノセルロース繊維またはこれらの混合物や組み合わせが挙げられる。中でも、機械的特性の向上効果が高く、耐熱性にも優れることから、ガラス繊維、炭素繊維がより好ましい。炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維が好ましい。
繊維状材料は、表面処理されていることが好ましい。表面処理剤の主成分は、集束剤やカップリング剤であることが好ましい。カップリング剤としては、例えば、ビニルシラン系、アクリルシラン系、エポキシシラン系、アミノシラン系、アミノチタン系が挙げられる。中でも、ポリアミド10Tとの密着効果が高く、耐熱性に優れることから、アミノシラン系カップリング剤が好ましい。集束剤としては、例えば、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、オレフィン系の樹脂が挙げられる。中でも、ポリアミド10Tとの密着効果が高く、耐熱性に優れることから、ウレタン系が好ましい。集束剤には、得られる複合構造体の機械的特性の観点から、酸成分を含有していることが好ましい。酸成分は、集束剤の主成分である樹脂に共重合していることが好ましい。酸成分としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ケイ皮酸等の不飽和モノカルボン酸や、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸や、無水マレイン酸が挙げられる。
本発明の複合構造体において、繊維状材料は、マトリックスであるポリアミド10T中に封入された状態にある。繊維状材料は、ポリアミド10Tを含浸できれば、どのような形態であってもよいが、織物または不織構造物が好ましい。織物としては、例えば、織布形態、ニット、ブレードが挙げられる。不織構造物としては、整列繊維構造、ランダム繊維配向いずれでもよい。整列繊維構造としては、例えば、一方向繊維ストランド、二方向ストランド、多方向ストランド、多軸織物が挙げられる。ランダム繊維配向としては、例えば、マット、ニードルドマット、フェルトが挙げられる。繊維状材料は、用途に応じて、複数の同じ繊維状材料または複数の異なる繊維状材料の組み合わせを用いてもよい。
不織構造物の場合、用いる繊維は、連続繊維、細断繊維いずれでもよい。連続繊維を用いることにより、得られる繊維状構造体を高強度とすることができる。細断繊維を用いることにより、流動性を高めたり、複雑な形状への成形性を高めたりすることができる。細断繊維の平均繊維長は、5mm以上であることが好ましく、10mm以上であることがより好ましく、20mm以上であることがさらに好ましい。平均繊維長が5mm未満の場合、複合構造体としての機械的特性が不十分となる場合がある。
複合構造体におけるポリアミド10Tと繊維状材料の含有比率[ポリアミド10T/繊維状材料]は、95/5〜10/90(質量比)であることが好ましく、80/20〜15/85(質量比)であることがより好ましい。繊維状材料の含有比率が、ポリアミド10Tと繊維状材料の合計に対して、5%未満の場合、繊維状材料の補強効果が小さく、所望の機械的特性が得られない場合がある。一方、繊維状材料の含有比率が90%を超える場合、ポリアミド10Tが繊維状材料に十分含浸しなかったり、外観が悪化したりする場合がある。
本発明の複合構造体の製造時には機械的強度等の向上の目的で、ポリアミド10Tと反応しうる化合物を用いてもよい。このような反応性化合物は、特に、低粘度のポリアミド10Tと組み合わせると、含浸性の点で効果的である。反応性化合物の具体例としては、無水マレイン酸やその重合体、グリシジル化合物、イソシアネート化合物、カルボジイミド化合物、およびそれらの官能基を有する高分子等が挙げられる。
反応性化合物の使用方法は特に限定されないが、例えば、溶融混練等により樹脂にあらかじめ配合しておく方法、ポリアミド10Tまたは繊維状材料に塗布や含浸により付着させておく方法が挙げられる。
本発明の複合構造体は、ポリアミド10T以外の他の熱可塑性樹脂を含有してもよい。他の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミド12T等の半芳香族ポリアミドや、ポリアミド46、ポリアミド66、ポリアミド6等の脂肪族ポリアミドが挙げられる。他の熱可塑性樹脂は、機械的特性の観点から、ポリアミド10T 100質量部に対し、100質量部以下であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましく、実質的に含有しないことがさらに好ましい。
本発明の複合構造体は、熱安定性の向上、機械的特性の長期的な保持を図るため、必要に応じて、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤等の各種安定剤を含有してもよい。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤が挙げられ、光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられ、熱安定剤としては、例えば、銅化合物やハロゲン化アルカリ金属化合物の混合物や、多価アルコール類が挙げられる。
本発明の複合構造体は、必要に応じて、繊維状材料以外の充填材、着色剤、帯電防止剤等の添加剤を含有してもよい。充填材としては、例えば、タルク、膨潤性粘土鉱物、シリカ、アルミナ、ガラスビーズ、グラファイトが挙げられる。着色剤としては、例えば、酸化チタン、カーボンブラック等の顔料、ニグロシン等の染料が挙げられる。特にニグロシンを含有することにより、ポリアミド10Tが繊維状材料に含浸しやすくなり、より機械的特性に優れた複合構造体を得ることができる。
本発明の複合構造体の表面層は、外観を良好なものとするため、繊維状材料が含まれない樹脂組成物のみの層であることが好ましい。
本発明の複合構造体の製造方法は特に限定されないが、例えば、圧縮成形により、ポリアミド10Tを繊維状材料の繊維間に含浸させる方法が挙げられる。ポリアミド10Tの形態は、ペレット状、粉末状、シート状、フィルム状、繊維状、不織布またはこれらの混合物のいずれでもよい。
また、押出機を用いて、あらかじめポリアミド10Tと繊維状材料を複合化しておき、さらにそれを圧縮成形することによって複合構造体を製造してもよい。具体的には、押出機を用いて、ロービング状の繊維状材料と、溶融したポリアミド10Tを複合化し、ストランド状またはテープ状に引取り、これを5mm以上の長さにカットし圧縮成形に供したり、またはカットせずにそのまま整列させて圧縮成形に供したりして複合構造体を製造することができる。
得られた複合構造体は、さらに成形して、所望の形態にすることができる。成形方法としては、例えば、圧縮成形、真空成形、型抜き成形が挙げられる。前記成形において、異なる種類のポリアミド10Tや、異なる種類の繊維状材料を用いてもよい。例えば、ポリアミド10Tに、繊維状材料を含浸させ、さらに表面が別の熱可塑性樹脂となるように、成形してもよい。
本発明の複合体の形態は、特に限定されないが、繊維長を長くしたり、連続の繊維を含浸させたりすることができることから、シート形状が好ましい。
本発明の複合構造体は、耐熱性に優れ、機械的特性を長期に保持することができることから、自動車部品、電気電子部品、家電製品、スポーツ用品等の広範な用途に用いることができる。
自動車部品としては、例えば、座席部品および座席骨組み、エンジンカバーブラケット、エンジンクレードル、サスペンションアームおよびクレードル、スペアタイヤウェル、シャーシ補強材、フロアパン、フロントエンド・モジュール、ステアリングコラム・フレーム、計器板、ドアシステム、ボディーパネル(水平ボディーパネル、ドアパネル等)、テールゲート、ハードトップフレーム構造、コンバーチブルトップフレーム構造、屋根材構造、エンジンカバー、トランスミッションおよび動力伝達部品用のハウジング、油受皿、エアバッグ用ハウジングキャニスター、自動車内部衝撃構造、エンジンサポートブラケット、クロスカービーム、バンパービーム、歩行者用安全ビーム、防火壁、リヤパーセルシェルフ、クロスビークル・バルクヘッド、圧力容器(冷却剤ボトル、消火器、トラック圧縮空気ブレーキシステム容器等)、ハイブリッド内燃/電気自動車または電気自動車のバッテリートレイ、自動車サスペンション・ウィッシュボーンおよびコントロールアーム、サスペンションスタビライザーリンク、板ばね、車輪、レジャー用車およびオートバイ用スイングアーム、フェンダー、屋根フレームおよびタンクフラップ、サーモスタットカバー、インバータのIGBTモジュール部材、インシュレーター部材、インタークーラー部材、エキゾーストフィニッシャー、パワーデバイス筐体、ECU筐体、ECUコネクタ、モーター、コイルの絶縁材が挙げられる。
電気電子部品としては、例えば、コネクタ、LEDリフレクタ、スイッチ、センサー、ソケット、コンデンサー、ジャック、ヒューズホルダー、リレー、コイルボビン、ブレーカー、電磁開閉器、ホルダー、プラグ、電気機器の筐体部品(パソコン、携帯用パソコン、ワープロ、携帯電子装置等)、抵抗器、IC、LEDのハウジングが挙げられる。
家電製品としては、例えば、洗濯機、ドライヤー、冷蔵庫、空調装置、暖房装置が挙げられる。
スポーツ用品としては、例えば、インラインスケート部品、野球バット、ホッケー用スティック、スキーおよびスノーボード締め具、リュックサックバックおよびそのフレーム、自転車フレームが挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
1.測定方法
ポリアミド10Tおよび複合構造体の物性測定は以下の方法によりおこなった。
(1)融点
示差走査熱量計DSC−7型(パーキンエルマー社製)用い、窒素雰囲気下にて昇温速
度20℃/分で350℃まで昇温した後、350℃で5分間保持し、降温速度20℃/分で0℃まで降温し、さらに0℃で5分間保持後、再び昇温速度20℃/分で昇温測定した際の吸熱ピークのトップを融点とした。
(2)相対粘度
96質量%硫酸を溶媒とし、濃度1g/dL、25℃で測定した。
(3)曲げ強度
下記の条件で得た2種の評価用試験片を、ISO178法に準拠して測定した。
標準条件下での測定値に対する、吸湿条件下での測定値の比率を吸湿保持率(%)とした。
<標準条件>
実施例・比較例で作製した複合構造体より、80mm×10mmの試験片を切り出した。繊維の配向が揃っている試験片については、配向方向を長手方向とした。
<吸湿条件>
乾燥条件と同様に作製した試験片を、恒温恒湿器IG−420(ヤマト科学社製)にて85℃、85%RH、168時間処理した。
(4)荷重たわみ温度
(3)の標準条件下で作製した試験片を用いて、ISO75−1、2に準拠して荷重1.8MPaで測定した。
(5)平均繊維長
(3)の標準条件下で作製した試験片を、熱風炉にて600℃、12h処理し、灰分を得て、灰分中に含まれる任意の500本の繊維を計測し、平均繊維長を算出した。
(6)吸湿率
(3)の標準条件下および吸湿条件下で作製した試験片の質量から、以下の式を用いて、吸湿率を算出した。
吸湿率(質量%)={(吸湿条件の試験片の質量)−(標準条件の試験片の質量)}÷(標準条件の試験片の質量)×100
(7)耐薬品性
(3)の標準条件下で作製した試験片を、表2に示す薬品に浸漬し、室温にて1週間静置し、外観を観察した。
○:変化がみられなかった。
△:膨潤した。
×:溶解した。
2.原料
実施例および比較例で用いた原料を以下に示す。
(1)芳香族ジカルボン酸成分
・TPA:テレフタル酸
・IPA:イソフタル酸
(2)脂肪族ジアミン成分
・DDA:1,10−デカンジアミン
・ODA:1,8−オクタンジアミン
(3)モノカルボン酸
・STA:ステアリン酸(分子量:284)
(4)繊維状材料
B−1:ガラス繊維織物(日東紡社製 WR−570−C−100、平織、目付570g/m、シラン系処理)
B−2:ガラス繊維束(日東紡社製 RS−240−QR−483、2400g/km)
B−3:炭素繊維織物(東レ社製 C06343、繊維径7.0μm、3000フィラメント、平織、目付200g/m
B−4:炭素繊維束(東邦テナックス社製 IMS40、繊維径6.4μm、6000フィラメント)
(5)反応性化合物
C−1:トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(阪本薬品工業社製、SR−TMP)
(5)ポリアミド
・ポリアミド10T(A−1)
芳香族ジカルボン酸成分として粉末状のテレフタル酸(TPA)4.70kgと、モノカルボン酸成分としてステアリン酸(STA)0.32kgと、重合触媒として次亜リン酸ナトリウム一水和物9.3gとを、リボンブレンダー式の反応装置に入れ、窒素密閉下、回転数30rpmで撹拌しながら170℃に加熱した。その後、温度を170℃に保ち、かつ回転数を30rpmに保ったまま、液注装置を用いて、脂肪族ジアミン成分として100℃に加温した1,10−デカンジアミン(DDA)4.98kgを、2.5時間かけて連続的(連続液注方式)に添加し反応物を得た。なお、原料モノマーのモル比は、TPA:DDA:STA=48.5:49.6:1.9(原料モノマーの官能基の当量比率は、TPA:DDA:STA=49.0:50.0:1.0)であった。
続いて、得られた反応物を、同じ反応装置で、窒素気流下、250℃、回転数30rpmで8時間加熱して重合し、ポリアミド10T(A−1)粉末を作製した。
その後、得られた半芳香族ポリアミドの粉末を、二軸混練機を用いてストランド状とし、ストランドを水槽に通して冷却固化し、それをペレタイザーでカッティングしてポリアミド10T(A−1)ペレットを得た。
その後、得られたペレットを、熱プレス装置SG−1300(林機械製作所社製)で、厚さ0.1mmのシート状に圧縮成形し、ポリアミド10T(A−1)シートを得た。
圧縮成形の条件は、330℃、0.4MPa、3分(そのうち予熱1分、加圧2分)とした。
また、得られたペレットを、押出機で溶融押出して、メルトブローンダイへ導き、ダイにセットされているメルトブローンノズル(0.3mmφ、L/D=10、ピッチ1mm)から押出し、同時に熱風を噴出し、捕集コンベア(30メッシュ)に吹き付けて、ポリアミド10T(A−1)不織布を得た。不織布は、目付50g/m、厚み0.4mm、平均繊維径4.5μmであった。
・ポリアミド10T(A−2)、ポリアミド8T(A−3)
樹脂組成を表1に示すように変更した以外は、ポリアミド10T(A−1)を作製した際と同様の操作をおこなって、ポリアミド10T(A−2)シートおよびポリアミド8T(A−3)ペレットを得た。
ポリアミド10T(A−1)〜(A−2)およびポリアミド8T(A−3)について評価した結果を表1に示す。
・A−4:ポリアミド66(ユニチカ社製 A125J、融点265℃)
Figure 2016102194
実施例1
ガラス繊維織物(B−1)とポリアミド10T(A−1)粉末を質量比で40/60となるように敷き並べ、熱プレス装置SG−1300(林機械製作所社製)で圧縮成形し、厚さの2mmのシート状の複合構造体を得た。圧縮成形の条件は、330℃、0.4MPa、10分(そのうちガス抜き7分、加圧3分)とした。
実施例2〜4、7 比較例2、3
用いるポリアミド、繊維状材料の種類、質量比を変更した以外、実施例1と同様の操作をおこなって、複合構造体を得た。
実施例5
二軸押出機(池貝製作所製、「PCM−30」)の先端に、含浸ダイを取り付け、長繊維樹脂含浸装置とした。ポリアミド10T(A−1)ペレットを長繊維樹脂含浸装置の主ホッパーに供給し、340℃で溶融した。含浸ダイに貫通させてあったガラス繊維束(B−2)と、溶融した(A−1)とを含浸ダイ内で接触させた。40質量部の(A−1)に対して、(B−2)が60質量部になるように調整して、幅20mm、厚み0.5mmのテープ状に押出し、2個の回転するロールの間を通して引き取り、樹脂含浸テープとした。
樹脂含浸テープを1方向に敷き並べて、実施例1と同様の条件で圧縮成形し複合構造体を得た。圧縮成形の条件は、330℃、0.4MPa、10分(そのうちガス抜き7分、加圧3分)とした。
実施例6
実施例5で得られた樹脂含浸テープを、ロータリーカッターで裁断し、テープ長を30mmとし、それらをランダムに敷き並べて、実施例1と同様の操作をおこなって圧縮成形し複合構造体を得た。
実施例8
ガラス繊維束(B−2)のかわりに炭素繊維束(B−4)を用いたこと以外は、実施例5と同様の操作をおこなって複合構造体を得た。
実施例9
ガラス繊維束(B−2)のかわりに炭素繊維束(B−4)を用いたこと以外は、実施例6と同様の操作をおこなって複合構造体を得た。
実施例10
最外層の両面に、ポリアミド10T(A−1)シート(厚み0.1mm)を、内層に、ポリアミド10T(A−1)粉末およびガラス繊維織物(B−1)を用いて、複合構造体全体で(A−1)/(B−1)の質量比が40/60となるように敷き並べて、熱プレス装置SG−1300(林機械製作所社製)で圧縮成形し、厚さの2mmのシート状の複合構造体を得た。圧縮成形の条件は、330℃、0.4MPa、10分(そのうちガス抜き7分、加圧3分)とした。
実施例11
最外層の両面に、ポリアミド10T(A−1)シート(厚み0.1mm)を、内層に、ポリアミド10T(A−1)シートおよびガラス繊維織物(B−1)を用いて、複合構造体全体で(A−1)/(B−1)の質量比が40/60となるように積層して、熱プレス装置SG−1300(林機械製作所社製)で圧縮成形し、厚さの2mmのシート状の複合構造体を得た。圧縮成形の条件は、330℃、0.4MPa、10分(そのうちガス抜き7分、加圧3分)とした。
実施例12
最外層の両面に、ポリアミド10T(A−2)シートを、内層に、ポリアミド10T(A−2)シートおよびガラス繊維織物(B−1)を用いて、複合構造体全体で(A−1)/(A−2)/(B−1)の質量比が30/10/60となるように積層して、熱プレス装置SG−1300(林機械製作所社製)で圧縮成形し、厚さの2mmのシート状の複合構造体を得た。圧縮成形の条件は、330℃、0.4MPa、10分(そのうちガス抜き7分、加圧3分)とした。
実施例13
最外層の両面に、ポリアミド10T(A−1)不織布を、内層に、ポリアミド10T(A−1)不織布およびガラス繊維織物(B−1)を用いて、複合構造体全体で(A−1)/(B−1)の質量比が40/60となるように積層して、熱プレス装置SG−1300(林機械製作所社製)で圧縮成形し、厚さの2mmのシート状の複合構造体を得た。圧縮成形の条件は、330℃、0.4MPa、10分(そのうちガス抜き7分、加圧3分)とした。
実施例14
内層に用いるポリアミド10T(A−1)不織布の代わりに、ポリアミド10T(A−1)不織布40質量部に反応性化合物(C−1)1質量部を含浸したものを用いた以外は、実施例13と同様の操作をおこなって複合構造体を得た。
比較例1
ポリアミド10T(A−1)粉末を敷き並べ、熱プレス装置SG−1300(林機械製作所社製)で圧縮成形し、厚さの2mmのシート状の複合構造体を得た。圧縮成形の条件は、330℃、0.4MPa、10分(そのうちガス抜き7分、加圧3分)とした。
得られた複合構造体を用いて、各種評価試験をおこなった。その結果を表2に示す。
Figure 2016102194
実施例1〜14の複合構造体は、本発明の要件を満足するため、曲げ強度、耐薬品性、荷重たわみ温度がいずれも高かった。また、吸湿率が低く、曲げ強度の保持率が高かった。
実施例5、6の複合構造体および実施例8、9の複合構造体の対比から、樹脂含浸テープを1方向に積層して複合構造体を作製した方が、樹脂含浸テープをカットしてランダムに敷き並べて作製した複合構造体よりも、繊維長が長く、曲げ強度が高いことがわかる。
実施例11、12の複合構造体を対比すると、最外層に共重合体であるポリアミド10T(A−2)を用いた方が、表面平滑性が優れていた。ただし、耐薬品性はやや劣り、吸湿率はやや高かった。
実施例13、14の複合構造体を対比すると、反応性化合物を用いた方が、曲げ強度が高いことがわかる。
比較例1の複合構造体は、繊維状材料を含有していないため、曲げ強度、荷重たわみ温度が低かった。
比較例2の複合構造体は、ポリアミド8Tを主体とするポリアミドを用いたため、荷重たわみ温度が低く、耐薬品性が不良であった。また、吸湿率が高く、曲げ強度の保持率が低かった。
比較例3の複合構造体は、脂肪族ポリアミドを用いたため、荷重たわみ温度が低く、耐薬品性が不良であった。また、吸湿率が高く、曲げ強度の保持率が低かった。

Claims (4)

  1. テレフタル酸を主成分とするジカルボン酸成分と1,10−デカンジアミンを主成分とするジアミン成分とからなるポリアミド(ポリアミド10T)と繊維状材料から構成され、ポリアミド10Tが繊維状材料に含浸されていることを特徴とする複合構造体。
  2. 繊維状材料が、織物または不織構造物であることを特徴する請求項1に記載の複合構造体。
  3. シート構造を有することを特徴とする請求項2または3に記載の複合構造体。
  4. 圧縮成形法により製造されたことを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の複合構造体。
JP2015087947A 2014-11-12 2015-04-22 複合構造体 Pending JP2016102194A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014230120 2014-11-12
JP2014230120 2014-11-12

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016102194A true JP2016102194A (ja) 2016-06-02

Family

ID=56088462

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015087947A Pending JP2016102194A (ja) 2014-11-12 2015-04-22 複合構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016102194A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020218209A1 (ja) * 2019-04-26 2020-10-29 ユニチカ株式会社 ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012532943A (ja) * 2009-07-10 2012-12-20 エボニック デグサ ゲーエムベーハー テレフタル酸単位ならびにトリメチルヘキサメチレンジアミン単位を含有するコポリアミドをベースとする成形材料
WO2013042541A1 (ja) * 2011-09-22 2013-03-28 ユニチカ株式会社 半芳香族ポリアミドおよびそれからなる成形体
WO2013060976A1 (fr) * 2011-10-25 2013-05-02 Arkema France Materiau composite thermoplastique renforce de fibres synthetiques et procede de fabrication

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012532943A (ja) * 2009-07-10 2012-12-20 エボニック デグサ ゲーエムベーハー テレフタル酸単位ならびにトリメチルヘキサメチレンジアミン単位を含有するコポリアミドをベースとする成形材料
WO2013042541A1 (ja) * 2011-09-22 2013-03-28 ユニチカ株式会社 半芳香族ポリアミドおよびそれからなる成形体
WO2013060976A1 (fr) * 2011-10-25 2013-05-02 Arkema France Materiau composite thermoplastique renforce de fibres synthetiques et procede de fabrication

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
化学大辞典, vol. 第9巻, JPN6018019941, 31 July 1962 (1962-07-31), pages 283, ISSN: 0003929096 *

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020218209A1 (ja) * 2019-04-26 2020-10-29 ユニチカ株式会社 ポリアミド樹脂組成物およびそれを成形してなる成形体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5911877B2 (ja) ポリアミド複合構造体及びその製造方法
JP5770728B2 (ja) オーバーモールドされた耐熱性ポリアミド複合構造およびその作製方法
KR101433435B1 (ko) 오버몰딩된 폴리아미드 복합 구조체 및 그 제조 방법
KR101861496B1 (ko) 폴리아미드 복합 구조체 및 그 제조 방법
JP5894159B2 (ja) ポリアミド複合材構造およびそれらの調製方法
US20110028060A1 (en) Heat resistant semi-aromatic polyamide composite structures and processes for their preparation
US20110027571A1 (en) Heat resistant polyamide composite structures and processes for their preparation
JP2016102194A (ja) 複合構造体
JP2013528245A (ja) 耐クリープ性複合構造およびそれらの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171215

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20171215

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20180124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180402

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180605

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20181204