JP2016101882A - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】空気排出溝が形成されたサイドウォール部材の厚さ分布に対し、サイドウォール部材のその内側に配置された別のタイヤ構成部材に対する接着性を均一化する。【解決手段】空気入りタイヤ1のサイドウォール部材21は、カーカスプライ9に対する貼り付け面22を備える。加硫成型前のサイドウォール部材21の貼り付け面22には、ステッチング時にカーカスプライ9との間に介在する空気を外部に排出するための空気排出溝26が、タイヤ径方向に延びるように形成されている。空気排出溝26の幅は、サイドウォール部材の厚さに対して正の相関を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤ及びその製造方法に関する。
空気入りタイヤの製造工程は、成型工程と加硫工程を含む。成型工程では、トレッド部材、サイドウォール部材、カーカスプライ、ビード、ビードフィラー、ベルトプライ等の複数のタイヤ構成部材が、成型ドラム上で貼り合わされ、生タイヤが成型される。加硫工程では、生タイヤがタイヤ成型用加硫金型内で加硫成型され、製品としての空気入りタイヤが得られる。
成型工程において貼り合わせられたタイヤ構成部材間に、空気溜まりが生じやすい。空気溜まりが残留している生タイヤが加硫工程に供されると、セパレーションのような故障や外観不良の原因となる。貼り合わせされたタイヤ構成部材に対して加硫工程前にステッチング(ローラ掛け)を行うことで、空気溜まりの空気を生タイヤの外部に排出することが知られている。
特許文献1,2には、ステッチングによる空気排出の効率を高めるために、サイドウォール部材のカーカスプライに対する貼り合わせ面に空気排出溝を形成することが開示されている。
特開2004−284165号公報 特開2008−126649号公報
しかし、特許文献1,2に開示されているものを含め、従来知られているカーカスプライに対する貼り合わせ面に空気排出溝が形成されたサイドウォール部材では、サイドウォール部材の厚さ分布に対してサイドウォール部材のカーカスプライへの接着性を均一化することについて、十分な検討はされていない。このような接着性の不均一は、セパレーションのような故障の原因となる。
本発明は、内側に位置する別のタイヤ構成部材に対する貼り合わせ面に空気排出溝が形成されたサイドウォール部材の厚さ分布に対し、サイドウォール部材の当該別のタイヤ構成部材に対する接着性を均一化することを課題とする。
第1の発明は、サイドウォール部材を含む複数のタイヤ構成部材の貼り合わせで成型された生タイヤを、加硫成型してなる空気入りタイヤであって、前記サイドウォール部材は、隣接する他のタイヤ構成部材に対する貼り合わせ面を備え、前記加硫成型前の前記サイドウォール部材の前記貼り合わせ面には、ステッチング時に前記他のタイヤ構成部材との間に介在する空気を外部に排出するための空気排出溝が、タイヤ径方向に延びるように形成され、前記空気排出溝の幅は、前記サイドウォール部材の厚さに対して正の相関を有する、空気入りタイヤを提供する。
ステッチングによってサイドウォール部材の貼り付け面が隣接する他のタイヤ構成部材に対して押し付けられる押圧力は、サイドウォール部材の厚さが薄い部分(単位体積当たりのゴム量が少ない部分)では相対的に大きく、サイドウォール部材の厚さが厚い部分(単位体積当たりのゴム量が多い部分)では相対的に小さい。一方、空気排出溝の幅は、サイドウォール部材の厚さに対して正の相関を有する。従って、押圧力が大きいサイドウォール部材の厚さが薄い部分では、空気排出溝の幅が狭く、隣接する他のタイヤ構成部材に対する接触面積(例えば単位面積当たりの接触面積)が相対的に広い。また、押圧力が小さいサイドウォール部材の厚さが厚い部分では、空気排出溝の幅が広く、隣接する他のタイヤ構成部材に対する接触面積は相対的に狭い。つまり、空気排出溝の幅にサイドウォール部材の厚さに対する正の相関を持たせることで、押圧力の大きい部分では接触面積を広くし、逆に押圧力の小さい部分では接触面積を狭くできる。その結果、サイドウォール部材の貼り付け面の隣接する他のタイヤ構成部材に対する接着性を均一化できる。
前記空気排出溝の深さが、前記サイドウォール部材の厚さに対して正の相関を有してもよい。
サイドウォール部材の厚さが厚い部分は厚さが薄い部分よりも、単位面積当たりのゴム量が相対的に多く、貼り付け面の隣接する他のタイヤ構成部材に対する押圧力が相対的に小さい。空気排出溝の深さにサイドウォール部材の厚さに対して正の相関を持たせ、サイドウォール部材の厚さが厚い部分の空気排出溝の体積を大きくすることで、この部分の単位面積当たりのゴム量を減らすことができる。その結果、サイドウォール部材の厚さが厚い部分の押圧力を増やすことができる。その結果、サイドウォール部材の貼り付け面の隣接する他のタイヤ構成部材に対する接着性をさらに均一化できる。
前記空気排出溝の断面形状が、前記サイドウォール部材の厚さに応じて変化してもよい。
前記サイドウォール部材は、幅方向の中央側に設けられた第1の厚さを有する第1部分と、前記第1部分の幅方向の両側に設けられ、前記第1部分側から幅方向の端部に向けて、厚さが前記第1の厚さから漸減する第2の部分とを備え、前記空気排出溝の幅は、前記第2部分の前記端部から前記第1部分の幅方向の中央側に向けて増加してもよい。
第2の発明は、サイドウォール部材を含む複数のタイヤ構成部材を貼り合わせて生タイヤを成型し、前記サイドウォール部材には、隣接する他のタイヤ構成部材に対する貼り合わせ面にタイヤ径方向に延びる空気排出溝が形成され、記空気排出溝の幅は、前記サイドウォール部材の厚さに対して正の相関を有しており、前記生タイヤを回転させつつ、前記サイドウォール部材の前記貼り付け面と反対側の面にステッチングツールを押し付け、前記サイドウォール部材と前記他のタイヤ構成部材との間に介在する空気を、前記空気排出溝を介して前記生タイヤの外部に排出し、前記生タイヤをタイヤ加硫成型用金型内に配置して加硫成型する、空気入りタイヤの製造方法を提供する。
本発明によれば、空気排出溝が形成されたサイドウォール部材の厚さ分布に対し、サイドウォール部材のその内側に配置された別のタイヤ構成部材に対する接着性を均一化できる。
本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤの子午線方向の半断面図。 本発明の第1実施形態に係るサイドウォール部材の模式的な部分斜視図。 図2のE−E線での断面図。 図2のA−A線、B−B線、及びC−C線での断面図。 第1実施形態の変形例に係るサイドウォール部材の模式的な部分斜視図。 第1実施形態の変形例に係るサイドウォール部材の図3と同様の断面図。 本発明の第2実施形態に係るサイドウォール部材の模式的な部分斜視図。 図7のE−E線での断面図。 図7のA−A線、B−B線、及びC−C線での断面図。 本発明の第3実施形態に係るサイドウォール部材の模式的な部分斜視図。 図10のA−A線、B−B線、C−C線、及びD−D線での断面図。 本発明の第4実施形態に係るサイドウォール部材の模式的な部分斜視図。 図11のA−A線、B−B線、C−C線、及びD−D線での断面図。
以下、本発明に係る実施形態を添付図面に従って説明する。なお、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、あるいは、その用途を制限することを意図するものではない。さらに、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは相違している場合がある。
(第1実施形態)
図1に示す本発明の第1実施形態に係る空気入りタイヤ(以下、単にタイヤという)1は、トレッド部2、一対のサイド部3、及び一対のビード部4を備える。トレッド部2のタイヤ幅方向の両端から、ショルダー部を介してサイド部3がタイヤ径方向に延びている。サイド部3のタイヤ径方向の内側端部3a側にビード部4が設けられている。ビード部4は、ビードコア5、ビードフィラー6、及びチェーファー7を備える。
一対のビード部4間には、カーカス8が設けられている。本実施形態では、カーカス8は1枚のカーカスプライ9を備える。また、タイヤ1の最内周面にはインナーライナー10が設けられている。さらに、トレッド部2では、カーカス8のタイヤ径方向外側にベルト11が設けられている。本実施形態では、ベルト11は2枚のベルトプライ12,13と補強プライ14を備える。
本実施形態では、サイド部3のタイヤ径方向の内面3aは、タイヤ径方向の内側端部3a付近はチェーファー7のタイヤ径方向外側に隣接して配置されているが、その他の部分ではカーカスプライ9のタイヤ径方向外側に隣接して配置されている。
このタイヤ1の製造工程は、成型工程と加硫工程を備える。
成型工程では、タイヤ構成部材、すなわちインナーライナー10、チェーファー7、カーカスプライ9、ビードコア5、ビードフィラー6、サイド部3となるサイドウォール部材21(図2以降の図面を参照して後に詳述する。)、ベルトプライ12,13、補強プライ14、及びトレッド部2となるトレッド部材が、図示しない成型ドラム上で貼り合わせさられ、トロイド状にシェーピングされる。言い換えれば、これらのタイヤ構成部材が成型ドラム上で組み立てられ、未加硫の生タイヤが製作される。
加硫工程前の生タイヤに対し、タイヤ構成部材間に介在する空気を外部に排出するためのステッチング(ローラ掛け)が行われる。図1にステッチングツール15を概念的に示す。ステッチングでは、生タイヤをタイヤ周方向に回転させつつ、ステッチングツール15を生タイヤの表面に押圧する。また、生タイヤの表面に押圧した状態を維持しつつ、ステッチングツール15をビード部4側からトレッド部2のタイヤ幅方向の端部に向けて移動させる。ステッチング中のサイドウォール部材21(サイド部3)に着目すると、サイドウォール部材21のプロファイル面23(サイド部3のタイヤ径方向の外面3c)が、タイヤ径方向の内側端部24(サイド部3のタイヤ径方向の内側端部24)側、すなわちビード部4側から、タイヤ径方向の外側端部25(サイド部3のタイヤ径方向の外側端部3d)側、すなわちトレッド部2側に向けて、順にステッチングツール15で押圧される。言い換えれば、ステッチングツール15によるサイドウォール部材21の押圧位置は、タイヤ径方向の内側端部24(ビード部4側の端部)側からタイヤ径方向の外側端部25(トレッド部2側の端部)側へ向けて移動する。ステッチングツール15によって、サイドウォール部材21の貼り付け面22(サイド部3のタイヤ径方向の内面3b)が、タイヤ径方向内側に隣接する他のタイヤ構成部材、すなわちチェーファー7とカーカスプライ9に押し付けられる。
ステッチング後の生タイヤは加硫工程に供される。加硫工程では、生タイヤは図示しないタイヤ加硫成型用金型内に配置され、加熱及び加圧される。この加硫成型により製品としてのタイヤ1が得られる。
図2から図4を参照してサイドウォール部材21について説明する。
サイドウォール部材21は、全体として概ね一定幅の細長い帯状のゴム製部材であり、図2において符号Lで示す方向に長手方向(サイド部3のタイヤ周方向に相当する。)を有し、同図において符号Sで示す幅方向(サイド部3のタイヤ径方向に相当する。)を有する。また、サイドウォール部材21は、一方に平坦な貼り付け面22(サイド部3のタイヤ径方向の内面3bに相当する)を有し、この貼り付け面22の反対側にプロファイル面23(サイド部3のタイヤ径方向の外面3cに相当する)を有する。サイドウォール部材21の幅方向Sの一方の端部である内側端部24は、サイド部3のタイヤ径方向の内側端部3aに相当する。また、サイドウォール部材21の幅方向Sの他方の端部である外側端部25は、サイド部3のタイヤ径方向の外側端部3dに相当する。
サイドウォール部材21の貼り付け面22には、内側端部24から外側端部25にわたって幅方向(タイヤ径方向)Sに延びる複数の空気排出溝26が、長手方向(タイヤ周方向)Lに間隔をあけて複数設けられている。これらの空気排出溝26の底壁を基準とすると、隣接する一対の空気排出溝26の間の部分を突起とみなすことができる。
個々の空気排出溝26は、貼り付け面22の幅方向Sの全体にわたって設けられている。つまり、空気排出溝26は、サイドウォール部材21の内側端部24から外側端部25まで途切れることなく、連続して設けられている。
プロファイル面23は、幅方向Sの中央に貼り付け面22と概ね平行な第1プロファイル部23aを備える。また、プロファイル面23は、第1プロファイル部23aの幅方向Sの両端から内側端部24と外側端部25に延びる平坦な傾斜面である、一対の第2プロファイル部23bを備える。これらの第2プロファイル部23bは、内側端部24や外側端部25に向けて貼り付け面22に接近する傾斜を有する。サイドウォール部材21のうち、第1プロファイル部23aを含む部分は、厚さTHが概ね一定の第1部分21aを構成し、第2プロファイル部23bを含む2つの部分は、厚さTHが内側端部24や外側端部25に向けて漸減する第2部分21bを構成している。本実施形態のプロファイル面23は一例に過ぎず、プロファイル面23の形状は本実施形態のものと異なっていても良い。
ステッチング時のサイドウォール部材21のプロファイル面23は、内側端部24(ビード部4側の端部)から外側端部25(トレッド部2側の端部)に向けて順に、隣接する他のタイヤ構成部材、すなわちチェーファー7とカーカスプライ9に対して、ステッチングツール15によって押圧される。言い換えれば、ステッチングツール15による押圧位置は、サイドウォール部材21のタイヤ径方向の内側端部24から外側端部25に向けて移動する。サイドウォール部材21とチェーファー7やカーカスプライ9との間に介在する空気は、ステッチングによって空気排出溝26に捕捉され、空気排出溝26の外側端部25側から生タイヤの外部に排出される。
図2及び図4を参照すると、個々の空気排出溝26の幅Wは、サイドウォール部材21の内側端部24から幅方向Sの中央部まで漸増し、中央部から外側端部25に向けて漸減している。このように幅Wを変化させたことにより、厚さTHが一定(相対的に厚さTHが厚い)のサイドウォール部材21の第1部分21aでの空気排出溝26の幅Wは、厚さTHが内側端部24や外側端部25に向けて漸減する第2部分21b(厚さTHは第1部分21aの厚さ以下)の幅Wよりも相対的に大きくなる。つまり、空気排出溝26の幅Wは、サイドウォール部材21の厚さTHに対して正の相関を有する。言い換えれば、厚さTHが厚い部分では空気排出溝26の幅Wが広く、厚さTHが薄い部分では空気排出溝26の幅Wが狭い。
ステッチングツール15によってサイドウォール部材21の貼り付け面22が隣接する他のタイヤ構成部材、すなわちチェーファー7やカーカスプライ9に対して押し付けられる押圧力は、サイドウォール部材21の厚さTHが薄い部分(単位体積当たりのゴム量が少ない部分)で相対的に大きい。本実施形態では、厚さTHが内側端部24や外側端部25に向けて漸減する第2部分21b(特に、内側端部24や外側端部25の付近)における貼り付け面22の押圧力が、相対的に大きい。一方、サイドウォール部材21の厚さTHが厚い部分(単位体積当たりのゴム量が多い部分)では、ステッチングツール15によってサイドウォール部材21の貼り付け面22がチェーファー7やカーカスプライ9に対して押し付けられる押圧力が、相対的に小さい。本実施形態では、一定の厚さTHを有する第1部分21aにおける貼り付け面22の押圧力が相対的に小さい。
このように、ステッチング時におけるサイドウォール部材21の貼り付け面22の押圧力は、サイドウォール部材21の厚さTHが厚い程小さくなり、その逆に厚さTHが薄い程大きくなる。一方、空気排出溝26の幅Wは、前述のようにサイドウォール部材21の厚さTHに対して正の相関を有する。従って、押圧力が大きいサイドウォール部材21の厚さTHが薄い部分(本実施形態では第2部分21bのうち、特に内側端部24や外側端部25の付近)では、空気排出溝26の幅Wが狭く、貼り付け面22のチェーファー7やカーカスプライ9に対する接触面積(例えば単位面積当たりの接触面積)が相対的に広い。一方、押圧力が小さいサイドウォール部材21の厚さTHが厚い部分(本実施形態では第1部分21a)では、空気排出溝26の幅Wが広く、チェーファー7やカーカスプライ9に対する接触面積は相対的に狭い。つまり、空気排出溝26の幅Wにサイドウォール部材21の厚さTHに対する正の相関を持たせることで、押圧力の大きい部分では接触面積を広くし、逆に押圧力の小さい部分では接触面積を狭くできる。その結果、サイドウォール部材21の厚さTHの分布に対し、貼り付け面22のチェーファー7やカーカスプライ9に対する接着性を均一化できる。
図3に最も明瞭に示すように、個々の空気排出溝26の深さDは、サイドウォール部材21の内側端部24から幅方向Sの中央部まで漸増し、中央部から外側端部25に向けて漸減している。このような深さDを変化させたことにより、厚さTHが一定のサイドウォール部材21の第1部分21aでの空気排出溝26の深さDは、厚さTHが内側端部24や外側端部25に向けて漸減する第2部分21bの深さDよりも相対的に深くなる。つまり、空気排出溝26の深さDが、サイドウォール部材21の厚さTHに対して正の相関を有する。言い換えれば、厚さTHが厚い部分では空気排出溝26の深さDが深く、厚さTHが薄い部分では空気排出溝26の深さDが浅い。
サイドウォール部材21の厚さTHが厚い部分(本実施形態では第1部分21a)は、厚さTHが薄い部分(本実施形態では第2部分21bのうち、特に内側端部24や外側端部25の付近)よりも、貼り付け面22の単位面積当たりのゴム量が相対的に多く、貼り付け面22のチェーファー7やカーカスプライ9に対する押圧力が相対的に小さい。空気排出溝26の深さDにサイドウォール部材21の厚さTHに対して正の相関を持たせ、サイドウォール部材21の厚さTHが厚い部分の空気排出溝26の体積を大きくすることで、この部分における貼り付け面22の単位面積当たりのゴム量を減らすことができる。その結果、サイドウォール部材21の厚さTHが厚い部分の押圧力を増やすことができる。従って、空気排出溝26の深さDにサイドウォール部材21の厚さに対する正の相関を持たせることで、サイドウォール部材21の厚さTHの分布に対し、貼り付け面22のチェーファー7やカーカスプライ9に対する接着性をさらに均一化できる。
図4に最も明瞭に示すように、個々の空気排出溝26の、それ自体が延びる方向(サイドウォール部材21の幅方向S)に直交する断面の形状(以下、単に断面形状という)は、空気排出溝26の長さ方向の全体ですべて半円状である。言い換えれば、空気排出溝26の断面形状は、サイドウォール部材21の内側端部24から外側端部25にわたって一定である。本実施形態並びに後述する第2から第4実施形態において、空気排出溝26の断面形状は特に限定されない。しかし、空気排出溝26の底壁から開口に向けて幅Wが増加し、かつ開口において幅Wが最大である必要がある。
図5及び図6は第1実施形態の変形例を示す。図5の変形例は、空気排出溝26の幅Wの変化の態様のみ第1実施形態と異なる。具体的には、サイドウォール部材21の第1部分21aにおける空気排出溝26の幅Wは一定であり、第2部分21bでは内側端部24や外側端部25に向けて空気排出溝26の幅Wが漸減している。図6の変形例は、空気排出溝26の深さDの変化の態様のみ第1実施形態と異なる。具体的には、サイドウォール部材21の第1部分21aにおける空気排出溝26の深さDは一定であり、第2部分21bでは内側端部24や外側端部25に向けて空気排出溝26の深さDが漸減している。
以下、本発明の第2から第4実施形態を説明する。これらの実施形態において、特に言及しない点は、第1実施形態と同様である。また、これらの実施形態に関する図面中で、第1実施形態と同一又は同様の要素には、同一又は同様の符号を付している。
(第2実施形態)
図7から図9に示す本発明の第2実施形態では、個々の空気排出溝26の幅Wは、サイドウォール部材21の内側端部24から幅方向Sの中央部まで漸増し、中央部から外側端部25に向けて漸減しており、サイドウォール部材21の厚さTHに対して正の相関を有する。空気排出溝26の幅Wにサイドウォール部材21の厚さTHに対する正の相関を持たせることで、押圧力の大きい部分では貼り付け面22のチェーファー7やカーカスプライ9に対する接触面積を広くし、逆に押圧力の小さい部分では貼り付け面22のチェーファー7やカーカスプライ9に対する接触面積を狭くできる。その結果、サイドウォール部材21の厚さTHの分布に対し、貼り付け面22のチェーファー7やカーカスプライ9に対する接着性を均一化できる。
図8に最も明瞭に示すように、個々の空気排出溝26の深さDは、サイドウォール部材21の内側端部24から外側端部25にわたって一定である。言い換えれば、サイドウォール部材21の第1部分21aと第2部分21bとで空気排出溝26の深さDは、同一である。
図9に最も明瞭に示すように、個々の空気排出溝26の断面形状は、空気排出溝26の長さ方向の全体ですべて半楕円状である。言い換えれば、空気排出溝26の断面形状は、サイドウォール部材21の内側端部24から外側端部25にわたって一定である。
(第3実施形態)
図10及び図11に示す本発明の第3実施形態では、個々の空気排出溝26の幅Wは、サイドウォール部材21の内側端部24から幅方向Sの中央部まで漸増し、中央部から外側端部25に向けて漸減しており、サイドウォール部材21の厚さTHに対して正の相関を有する。かかる空気排出溝26の幅Wの設定により、サイドウォール部材21の厚さTHの分布に対し、貼り付け面22のチェーファー7やカーカスプライ9に対する接着性を均一化できる。
図11に示すように、本実施形態では、個々の空気排出溝26の深さDは、サイドウォール部材21の内側端部24から外側端部25にわたって一定である。
図11に示すように、空気排出溝26の断面形状は、連続的に変化している。具体的には、空気排出溝26の断面形状は、内側端部24側と外側端部25側で概ねV字状で、第1部分21aの幅方向の中央では半楕円状であり、第1部分21aの幅方向の中央と内側端部24や外側端部25との間の領域では、V字状と半楕円状の中間的な形状である。
(第4実施形態)
図12及び図13に示す本発明の第4実施形態では、個々の空気排出溝26の幅Wは、サイドウォール部材21の内側端部24から幅方向Sの中央部まで漸増し、中央部から外側端部25に向けて漸減しており、サイドウォール部材21の厚さTHに対して正の相関を有する。かかる空気排出溝26の幅Wの設定により、サイドウォール部材21の厚さTHの分布に対し、貼り付け面22のチェーファー7やカーカスプライ9に対する接着性を均一化できる。
図13に示すように、個々の空気排出溝26の深さDは、サイドウォール部材21の内側端部24から幅方向Sの中央部まで漸増し、中央部から外側端部25に向けて漸減している。かかる空気排出溝26の深さDの設定により、サイドウォール部材21の厚さTHの分布に対し、貼り付け面22のチェーファー7やカーカスプライ9に対する接着性をさらに均一化できる。
図13に示すように、個々の空気排出溝26の断面形状は、連続的に変化している。具体的には、空気排出溝26の断面形状は、内側端部24側と外側端部25側で概ねV字状で、第1部分21aの幅方向の中央では半楕円状であり、第1部分21aの幅方向の中央と内側端部24や外側端部25との間の領域では、V字状と半楕円状の中間的な形状である。
1 タイヤ
2 トレッド部
3 サイド部
3a 内側端部
3b 内面
3c 外面
3d 外側端部
4 ビード部
5 ビードコア
6 ビードフィラー
7 チェーファー
8 カーカス
9 カーカスプライ
10 インナーライナー
11 ベルト
12,13 ベルトプライ
14 補強プライ
15 ステッチングツール
21 サイドウォール部材
21a 第1部分
21b 第2部分
22 貼り付け面
23 プロファイル面
23a 第1プロファイル部
23b 第2プロファイル部
24 内側端部
25 外側端部
26 空気排出溝

Claims (5)

  1. サイドウォール部材を含む複数のタイヤ構成部材の貼り合わせで成型された生タイヤを、加硫成型してなる空気入りタイヤであって、
    前記サイドウォール部材は、隣接する他のタイヤ構成部材に対する貼り合わせ面を備え、
    前記加硫成型前の前記サイドウォール部材の前記貼り合わせ面には、ステッチング時に前記他のタイヤ構成部材との間に介在する空気を外部に排出するための空気排出溝が、タイヤ径方向に延びるように形成され、
    前記空気排出溝の幅は、前記サイドウォール部材の厚さに対して正の相関を有する、空気入りタイヤ。
  2. 前記空気排出溝の深さが、前記サイドウォール部材の厚さに対して正の相関を有する、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記空気排出溝の断面形状が、前記サイドウォール部材の厚さに応じて変化している、請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記サイドウォール部材は、
    幅方向の中央側に設けられた第1の厚さを有する第1部分と、
    前記第1部分の幅方向の両側に設けられ、前記第1部分側から幅方向の端部に向けて、厚さが前記第1の厚さから漸減する第2の部分と
    を備え、
    前記空気排出溝の幅は、前記第2部分の前記端部から前記第1部分の幅方向の中央側に向けて増加している、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. サイドウォール部材を含む複数のタイヤ構成部材を貼り合わせて生タイヤを成型し、前記サイドウォール部材には、隣接する他のタイヤ構成部材に対する貼り合わせ面にタイヤ径方向に延びる空気排出溝が形成され、記空気排出溝の幅は、前記サイドウォール部材の厚さに対して正の相関を有しており、
    前記生タイヤを回転させつつ、前記サイドウォール部材の前記貼り付け面と反対側の面にステッチングツールを押し付け、前記サイドウォール部材と前記他のタイヤ構成部材との間に介在する空気を、前記空気排出溝を介して前記生タイヤの外部に排出し、
    前記生タイヤをタイヤ加硫成型用金型内に配置して加硫成型する、空気入りタイヤの製造方法。
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