JP2016096730A - 食品用染み込み抑制剤 - Google Patents

食品用染み込み抑制剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2016096730A
JP2016096730A JP2014233514A JP2014233514A JP2016096730A JP 2016096730 A JP2016096730 A JP 2016096730A JP 2014233514 A JP2014233514 A JP 2014233514A JP 2014233514 A JP2014233514 A JP 2014233514A JP 2016096730 A JP2016096730 A JP 2016096730A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid ester
hydroxyl value
fatty acid
product
noodles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014233514A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6560857B2 (ja
Inventor
寛央 福原
Hirohisa Fukuhara
寛央 福原
圭五 新美
Keigo Niimi
圭五 新美
丈志 川合
Takeshi Kawai
丈志 川合
祥貴 前田
Yoshiki Maeda
祥貴 前田
武嗣 中村
Takeshi Nakamura
武嗣 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiyo Kagaku KK
Original Assignee
Taiyo Kagaku KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Taiyo Kagaku KK filed Critical Taiyo Kagaku KK
Priority to JP2014233514A priority Critical patent/JP6560857B2/ja
Publication of JP2016096730A publication Critical patent/JP2016096730A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6560857B2 publication Critical patent/JP6560857B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
  • Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)

Abstract

【課題】麺やご飯に対してかける具材の水分が移行し、その食感を損なうことで、出来立ての状態を維持することが出来ないという問題が従来からある。麺類やご飯類にタレやソースなどの水分を含む具材からの水分が染み込むことを抑制し、かつ使用方法も簡便であり、風味、食感などに優れた食品用の染込み抑制剤を提供することを目的とする。【解決手段】構成脂肪酸にべへニン酸及び/又はステアリン酸を含むポリグリセリン脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステルを含有させ、水酸基価が120から170の範囲にすることで上記課題を解決する。【選択図】なし

Description

本発明は、食品素材への染込みを抑制することが可能な染込み抑制剤に関する。
食品において、タレ、ソース、あんかけ、などの具材をかけて食するような例えば、ヤキソバ、パスタ、ご飯などの丼などがあるが、麺やご飯に対してかける具材の水分が移行し、その食感を損なうことで、出来立ての状態を維持することが出来ないという問題が従来からある。主な原因としては原料に使用されている水分であるが具材に含まれる塩や砂糖、醤油などの調味料により浸透圧差が生じ、結果的に染込みを促進させているものと考えられる。この問題を解決するべく、コンビニエンスストアなどにおいては、麺やご飯とかける具材からの水分移行を抑制するために、容器内部にプラスチック製などの内部蓋を備えたり、具材そのものを別容器に入れるなどして、物理的に直接に麺やご飯類などと接触しないための工夫がなされているが、手間と費用、食後に棄てられる廃棄量の増大などが問題としてあり、効果的な食品染込み抑制剤の利用が望まれている。
食品への具材からの水分染込みを抑制することを目的としては、アルギン酸プロピレングリコールエステルなどを用いた技術(例えば、特許文献1参照。)や澱粉質食品を加熱殺菌した後に、容器に密閉し、冷凍処理などを行うなどをすることで常温保存性食品の製造方法に関する技術(例えば、特許文献2参照。)や、麺類などの表面水分を除去し、粉末をまぶした後に油を付着させる手法による製造方法(例えば、特許文献3参照。)、油脂、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する油脂組成物を茹で麺または蒸し麺と接触処理することを特徴とし、かつポリグリセリン脂肪酸エステルがジグリセリン脂肪酸エステルであることを特徴とする茹で麺または蒸し麺の吸水抑制方法に関する技術(例えば、特許文献4参照。)が開示されている。
しかしながら特許文献1にておいは、アルギン酸プロピレングリコールエステルだけでは、完全に具材からの水分を抑制できるものではなく、特許文献2および特許文献3においては、作業工程が煩雑であり、コンビニエンスストアで販売されるような弁当類を日々大量に製造するには、製造時間がかかり過ぎるため、汎用性が乏しく、また効果も全ての食材において適応するとは言い難いものであった。さらには特許文献4では、油脂とポリグリセリン脂肪酸エステルからなる油脂組成物を予め調製しておく手間が必要であるが、使用されているポリグリセリン脂肪酸エステルの種類では、脂肪酸がヨウ素価の高いオレイン酸からなるポリグリセリンであることから、経時的、又はコンビニエンスストアで使用される高ルクスの照明ライトにより光劣化され易いだけでなく、レンジアップなどの加熱がさらに劣化を促進させることから、これら要素は全てオレイン酸が著しく劣化させ、結果的に喫食時には食味へ悪い影響を及ぼす可能性があることから、製造後には直ぐに食さなければならず、ある程度日持ちが必要なコンビニスンスストアで取り扱うような商品には適さないことから満足できるものではなかった。
特開2000−41605号公報 特開2006−197950号公報 特開2004−357659号公報 特開2013−202002号公報
本発明の目的は、麺類やご飯類にタレやソースなどの水分を含む具材からの水分が染み込むことを抑制し、かつ使用方法も簡便であり、風味、食感などに優れた食品用の染込み抑制剤を提供することである。
本発明者らは、構成脂肪酸にべへニン酸及び/又はステアリン酸を含むポリグリセリン脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステルを含有し、水酸基価が120から170の範囲になるように調製し、かつ用いるポリグリセリン脂肪酸エステルの水酸基価が50以下であることを見出し、上記課題を解決するに至った。
本発明により、タレやソースなどの調味具材がかけられた麺類やご飯類などにおいて、調理具材に含まれる水分が麺類やご飯類に染込むことを抑制することで、麺類やご飯類の食感を損なうことなく、長時間の出来立て感を維持することが可能となる。
以下、本発明について、詳細に説明する。
本発明で用いられるグリセリン脂肪酸エステル及びポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸は、動植物油脂由来の脂肪酸であればよく、種類としては飽和脂肪酸が望ましく、特にベヘニン酸、ステアリン酸が良い。
グリセリン又はポリグリセリンとのエステル化反応は公知の方法で製造される。例えばアルカリ触媒下、酸触媒下、又は無触媒下にて常圧又は減圧下でエステル化することができ、具体的にはグリセリン又はポリグリセリン、脂肪酸、触媒を仕込み、窒素ガス気流下で160〜260℃の温度で遊離脂肪酸が無くなるまで反応させて得ることが出来る。得られたポリグリセリン脂肪酸エステルおよびグリセリン脂肪酸エステルは製品の使用上の要求によっては、高真空蒸留器による分子蒸留などによって精製することも可能であり、他には公知のいかなる方法であれば生成することが可能である。
ポリグリセリンは、グリセリンまたはグリシードル又はエピクロルヒドリンによる重合反応であれば、いずれも使用することができる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルの平均重合度は約2〜40のものまで使用でき、好ましくは平均重合度が3〜10である。反応後の水酸基価としては100以下になるようにエステル化されることが好ましく、さらに好ましくは50以下になるようにエステル化反応させることで、格段に染込み抑制効果が高まる。
上記ポリグリセリン脂肪酸エステルとグリセリン脂肪酸エステルを組合せにおいて、最終的な水酸基価が100〜200の範囲になるようにすることが好ましく、さらに好ましくは、120〜170にすることでさらに高い染込み抑制効果を得ることが出来る。水酸基は水との親和性に影響し、水酸基価が高すぎると水との親和性が向上し染込み抑制効果が得られやすいが、逆に水っぽい食感になりやすく、風味品質を低下させる。水酸基価が低すぎる場合、水との親和性が低下し、添加しても染込みを抑制する効果が得られにくい。
水酸基価の調整は、反応中に適宜測定することで把握可能で、目的の水酸基価に達した段階で、反応温度を急激に室温まで低下させることで反応を停止させることができるため任意に調整可能である。なお、本明細書において、水酸基価とは基準油脂試験分析方法(ピリジン無水酢酸法)により測定した値をいう。
なお、本発明品に係る食品用染込み抑制剤中には、本発明品の効果を阻害しない範囲であれば、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、またはレシチン、酵素分解レシチン、酵素処理レシチン、ポリソルベートなどの食品用乳化剤であれば加えることができる。また食品用乳化剤以外にも、増粘多糖類、食塩、砂糖などの食品用の添加物や素材であれば組み合わせて使用しても何ら問題なく効果を発揮する。
また、本発明品である食品用染込み抑制剤の使用方法としては、特に限定するものではないが、例えば調味液に分散させて使用することや、調理時に使用する炒め油に入れて使用することや、麺類やご飯類に直接に塗布又は振りかけるなどでも、使用実態において最適な使用方法を選択することが出来る。そのため、本発明品の形態は、粉状、液状、固体フレーク状など、使用時の扱いに合わせて取り扱いし易いように任意に性状を変更することもできる。例えば本発明品を水と油などを混合して調製される乳化物に添加して製剤化し、これを最終的に用いた場合でも染込み抑制剤としての効果を発揮させることができる。
本発明品の食品での使用量としては、商品の流通形態、保管期間、期待効果の度合いによって異なるが、調理時に炒め油と共に使用する場合においては、調理油に対して(2〜10重量%)になるように添加すれば良く、好ましくは(5〜7重量%)である。これより添加量が少なすぎる場合は効果が発現せず、逆に多すぎると風味および、製造費用として高コストとなり、産業上の使用を考慮すると好ましくない。
本発明において、麺類とは蒸したもの、又は茹でたものである。該麺類とは、小麦粉、そば粉、米粉などの穀粉又は澱粉と水を主原料として必要であればその他の原材料を混合し、圧延工程により麺帯を作り、麺線になるように切り出して作られる製麺されたものである。麺類の種類としては、パスタ、中華麺、うどん、そば、ヤキソバ、ビーフン、焼きうどん、春雨、などが上げられる。
ご飯類としては、炊飯米を主体とするものであり、種類としてはご飯の上に具材を載せるような丼、中華丼などに用いることができる。また具材と一緒に炒めるチャーハンなどでも好適に使用できる。
さらには、本発明品は具材からの水分の染み出し抑制が必要とされる調理食品であれば、同様の効果を得ることができ、野菜炒めなど調理後の野菜からの水分染み出し抑制などにも絶大な効果を発揮し、調理後の時間が経過した状態でも、野菜のシャキシャキ感を維持することが可能である。
以下に本発明品を実施例として説明するが、これは本発明品を単に説明するだけのものであって、本発明をなんら限定するものではない。
実施例1
平均重合度が6のポリグリセリン18.1gとステアリン酸81.9g、リン酸触媒を反応容器に入れ、窒素気流下、260℃達温後に、水酸基価が15になるように2時間以上エステル化反応させて、反応液が透明になるまで温度を一定に保ち、透明になってから水酸基価を測定し、水酸基価が10であることを確認し、冷却後に回収することで本発明品のポリグリセリンステアリン酸エステルを得た。続いて、グリセリンとべへニン酸を水酸基価286になるように同様にエステル化反応させて本発明品であるグリセリンべへニン酸エステルを調製した。さらに上記ポリグリセリンステアリン酸エステルとグリセリンべへニン酸エステルを水酸基価が150になるように加熱混合した後に、室温まで冷却することで本発明品Aを得た。
実施例2
ポリグリセリンステアリン酸エステルとグリセリンべヘニン酸エステルの混合物の水酸基価が120になるように加熱混合した以外は、実施例1記載の内容と同じく調製して本発明品Bを得た。
実施例3
ポリグリセリンステアリン酸エステルとグリセリンべヘニン酸エステルの混合物の水酸基価が170になるように加熱混合した以外は、実施例1記載の内容と同じく調製して本発明品Cを得た。
実施例4
ポリグリセリンステアリン酸エステルの水酸基価が35になるように調製し、グリセリン脂肪酸エステルの加熱混合物の水酸基価が140であること以外は実施例1と同じ方法により調製し、本発明品Dを得た。
実施例5
ポリグリセリンステアリン酸エステルの水酸基価が50になるように調製し、グリセリベヘニン酸エステルの加熱混合物の水酸基価が157であること以外は実施例1と同じ方法により調製し、本発明品Eを得た。
実施例6
平均重合度が6のポリグリセリン18.1gとベヘニン酸81.9g、リン酸触媒を反応容器に入れ、窒素気流下、260℃立温後に、水酸基価が15になるように2時間以上エステル化反応させて、反応液が透明になるまで温度を一定に保ち、透明になってから水酸基価を測定し、水酸基価が10であることを確認し、冷却後に回収することで本発明品のポリグリセリンベヘニン酸エステルを得た。続いて、グリセリンとステアリン酸を水酸基価286になるように同様にエステル化反応させて本発明品であるグリセリンステアリン酸エステルを調製した。さらに上記ポリグリセリンベヘニン酸エステルとグリセリンステアリン酸エステルを水酸基価が150になるように加熱混合した後に、室温まで冷却することで本発明品Fを得た。
実施例7
ポリグリセリンベヘニン酸エステルとグリセリンステアリン酸エステルの混合物の水酸基価が120になるように加熱混合した以外は、実施例6記載の内容と同じく調製して本発明品Gを得た。
実施例8
ポリグリセリンベヘニン酸エステルとグリセリンステアリン酸エステルの混合物の水酸基価が170になるように加熱混合した以外は、実施例1記載の内容と同じく調製して本発明品Hを得た。
実施例9
ポリグリセリンベヘニン酸エステルの水酸基価が35になるように調製し、グリセリンステアリン酸エステルの加熱混合物の水酸基価が140であること以外は実施例1と同じ方法により調製し、本発明品Iを得た。
実施例10
ポリグリセリンステアリン酸エステルの水酸基価が50になるように調製し、グリセリンベヘン酸エステルの加熱混合物の水酸基価が157であること以外は実施例1と同じ方法により調製し、本発明品Jを得た。
比較例1
ポリグリセリンステアリン酸エステルの製法は実施例1と同様に行い、グリセリンべヘニン酸エステルの混合物の水酸基価が110になるように調整した以外は、実施例1記載の内容と同じく調製して比較品Kを得た。
比較例2
ポリグリセリンステアリン酸エステルの製法は実施例1と同様に行い、グリセリンべヘニン酸エステルの混合物の水酸基価が180になるように加熱混合した以外は、実施例1記載の内容と同じく調製して比較品Lを得た。
比較例3
ポリグリセリンステアリン酸エステルの水酸基価が55になるように実施例1に記載した方法と同じ様に反応調製し、グリセリン脂肪酸エステルの加熱混合物の水酸基価が147にしたものを比較品Mとして得た。
比較例4
ポリグリセリンステアリン酸エステルの水酸基価が55になるように実施例1に記載した方法と同じ様に反応調製し、グリセリン脂肪酸エステルの加熱混合物の水酸基価が110にしたものを比較品Nとして得た。
比較例5
実施例1に従い反応させたポリグリセリンステアリン酸エステルの水酸基価が37になるように調整してたものを比較品Oとして得た。
比較例6
実施例1で反応調製した水酸基価が286のグリセリンステアリン酸エステルのみで調製したものを比較品Pとした。
比較例7
ポリグリセリンベヘニン酸エステルの製法は実施例1と同様に行い、グリセリンステアリン酸エステルの混合物の水酸基価が110になるように調整した以外は、実施例1記載の内容と同じく調製して比較品Qを得た。
比較例8
ポリグリセリンベヘニン酸エステルの製法は実施例1と同様に行い、グリセリンステアリン酸エステルの混合物の水酸基価が180になるように加熱混合した以外は、実施例1記載の内容と同じく調製して比較品Rを得た。
比較例9
ポリグリセリンベヘニン酸エステルの水酸基価が55になるように実施例1に記載した方法と同じ様に反応調製し、グリセリンステアリン酸エステルの加熱混合物の水酸基価が147にしたものを比較品Sとして得た。
比較例10
ポリグリセリンベヘニン酸エステルの水酸基価が55になるように実施例1に記載した方法と同じ様に反応調製し、グリセリンステアリン酸エステルの加熱混合物の水酸基価が110にしたものを比較品Tとして得た。
比較例11
実施例1に従い反応させたポリグリセリンベヘニン酸エステルの水酸基価が37になるように調整してたものを比較品Uとして得た。
比較例12
実施例1で反応調製した水酸基価が286のグリセリンステアリン酸エステルのみで調製したものを比較品Vとした。
比較例13
ポリグリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸がオレイン酸を用いた以外は、実施例1記載の方法に従い調製して得たものを比較品Wとした。
比較例14
グリセリン脂肪酸エステルの脂肪酸がオレイン酸を用いた以外は、実施例1記載の方法に従い調製して得たものを比較品Xとした。
試験例1
実施例1から10および比較例1から14で得た本発明品及び比較品を用いて、以下に示す試験方法で検証したが、本発明品の効果を何ら限定するものではない。
焼きそば調理試験
熱したフライパンに、サラダ油12gを入れ直後に本発明品及び比較品0.6gを添加して加熱溶解し、適当サイズに刻んだキャベツ100gとニンジン15gを約4分間炒めた。さらに、蒸し麺(焼そば用中華麺)200gと水25gを入れて解しながら約1分間炒め、焼そば用ソース50g加えて約2分間炒めて、冷却して容器に入れた。
評価方法
1日間冷蔵保存した焼きそばの麺へのソース染込み度合いについて、断面を鋭利な刃により切り出し、表面からのソースの染込み距離を、肉眼及び顕微鏡観察により以下の基準にて評価した。
◎:染込みが殆ど見られない
○:染込みが若干観察される
△:表層部からの染込みは明確であるが中心までは至らない
×:中心部付近まで染込みが観察される
また、1日間冷蔵保存した焼きそばを電子レンジ(600W・約60秒)で加熱し、色艶・つるみ感・解れ・香り立ちについて、肉眼観察・官能評価により以下基準にて各々評価した。結果を表1に示す。
◎:非常に良好
○:良好
△:少し劣る
×:かなりに劣る
Figure 2016096730
表1の結果から明らかなように、染込み抑制効果の高い本発明品を用いた焼きそばは、麺へのソースの染込みが抑制され、総じて色艶・つるみ感・解れ・香り立ちも良いことが分かる。
試験例2
ナポリタン調理試験
熱したフライパンに、サラダ油12gを入れ直後に本発明品及び比較品0.6gを添加して加熱溶解し、適当サイズに刻んだ玉ねぎ80gとソーセージ35gとピーマン12gを約3分間炒めた。さらにカットトマト(缶詰)100g、ケチャップ50g、鶏がらスープ3g、食塩0.8g、胡椒0.2gを入れて約1分間炒め、茹でパスタ麺(直径1.6mm乾燥スパゲティを約2倍重量で茹でたもの)200gを入れて解しながら約1分間炒めて、冷却して容器に入れた。
評価方法
1日間冷蔵保存したナポリタンの麺へのソース染込み度合いについて、断面を鋭利な刃により切り出し、表面からのソースの染込み距離を、肉眼及び顕微鏡観察により以下の基準にて評価した。
◎:染込みが殆ど見られない
○:染込みが若干観察される
△:表層部からの染込みは明確であるが中心までは至らない
×:中心部付近まで染込みが観察される
また、1日間冷蔵保存したナポリタンを電子レンジ(600W・約60秒)で加熱し、色艶・つるみ感・解れ・香り立ちについて、肉眼観察・官能評価により以下基準にて各々評価した。結果を表2に示す。
◎:非常に良好
○:良好
△:少し劣る
×:かなりに劣る
Figure 2016096730
表2の結果から明らかなように、染込み抑制効果の高い本発明品を用いたナポリタンは、麺へのソースの染込みが抑制され、総じて色艶・つるみ感・解れ・香り立ちも良いことが分かる。
試験例3
チャーハン調理試験
熱したフライパンに、サラダ油15gを入れ直後に本発明品及び比較品0.8gを添加して加熱溶解し、とじた卵50gを入れて約30秒間炒め、細かく刻んだ焼豚40gと葱25gを加えて約1分30秒間炒めた。さらに、温かいご飯250gを入れて約1分間炒め、調味料(炒飯の素)6gを加えて約3分間炒めて、冷却して容器に入れた。
評価方法
1日間冷蔵保存したチャーハンの米粒への調味料類染込み度合いについて、断面を鋭利な刃により切り出し、米粒表面から調味料類の染込み距離を、目視及び顕微鏡観察により以下の基準にて評価した。
◎:染込みが殆ど見られない
○:染込みが若干観察される
△:表層部からの染込みは明確であるが中心までは至らない
×:中心部付近まで染込みが確認される
また、1日間冷蔵保存したチャーハンを電子レンジ(600W・約60秒)で加熱し、色艶・パラパラ感(解れ)・粒々感(ご飯の)・香り立ちについて、肉眼観察・官能評価により以下基準にて各々評価した。結果を表3に示す。
◎:非常に良好
○:良好
△:少し劣る
×:かなりに劣る
Figure 2016096730
表3の結果から明らかなように、染込み抑制効果の高い本発明品を用いたチャーハンは、米粒への調味料類の染込みが抑制されており、総じて色艶・パラパラ感(解れ)・粒々感(ご飯の)・香り立ちも良いことが分かる。
試験例4
野菜炒め調理試験
熱したフライパンに、ゴマ油5gを入れ直後に本発明品及び比較品0.3gを添加して加熱溶解し、角切りに刻んだキャベツ120gを入れて約3分間炒め、さらにもやし80gを加えて約2分間炒めた。それに別途作成した調味タレ30g(オイスターソース3g、薄口しょうゆ3g、みりん3g、鶏がらスープ1.5g、食塩1.5g、水18gを混合・加熱溶解したもの)を加えて約1分間炒めて、冷却して容器に入れた。
評価方法
1日間冷蔵保存した野菜炒めの液の染み出し度合いについて、容器を一定の角度に傾けたドリップ量を、肉眼観察にて以下の基準にて評価した。
◎:殆ど無い
○:少ない
△:多い
×:かなり多い
また、1日間冷蔵保存した野菜炒めを電子レンジ(600W・約90秒)で加熱し、色艶・シャキ感(野菜の)・香り立ちについて、肉眼観察・官能評価により以下基準にて各々評価した。結果を表4に示す。
◎:非常に良好
○:良好
△:少し劣る
×:かなりに劣る
Figure 2016096730
表4の結果から明らかなように、染み出し抑制効果の高い本発明品を用いた野菜炒めは、総じて色艶・シャキ感(野菜)・香り立ちも良いことが分かる。
本発明品である食品用染込み抑制剤は、風味、食感などに優れるものであり、従来の課題であった調理直後のおいしさを維持できる画期的な素材であることは明らかであり、調理時に使用できる簡便さもあることから、産業的な価値は著しく高いものである。

Claims (3)

  1. 構成脂肪酸にべへニン酸及び/又はステアリン酸を含むポリグリセリン脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステルを含有し、水酸基価が120から170の範囲である食品用染込み抑制剤。
  2. 請求項1記載のポリグリセリン脂肪酸エステルの水酸基価が50以下であることを特徴とする食品用染込み抑制剤。
  3. 請求項1又は2記載の食品用染込み抑制剤を含有する食品。
JP2014233514A 2014-11-18 2014-11-18 食品用染み込み抑制剤 Active JP6560857B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014233514A JP6560857B2 (ja) 2014-11-18 2014-11-18 食品用染み込み抑制剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014233514A JP6560857B2 (ja) 2014-11-18 2014-11-18 食品用染み込み抑制剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016096730A true JP2016096730A (ja) 2016-05-30
JP6560857B2 JP6560857B2 (ja) 2019-08-14

Family

ID=56075156

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014233514A Active JP6560857B2 (ja) 2014-11-18 2014-11-18 食品用染み込み抑制剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6560857B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019041632A (ja) * 2017-08-31 2019-03-22 株式会社J−オイルミルズ 食品の製造方法及び食品の照り付与用油脂組成物
JP2020048506A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 日清オイリオグループ株式会社 澱粉含有食品用ほぐれ剤、澱粉含有食品及び澱粉含有食品の製造方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11235156A (ja) * 1998-02-23 1999-08-31 Taiyo Kagaku Co Ltd 油性食品
JP2000245384A (ja) * 1999-03-04 2000-09-12 Taiyo Kagaku Co Ltd 成型ポテトチップスおよびポテトスナック菓子
JP2001045999A (ja) * 1999-08-02 2001-02-20 Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd 冷凍油揚げ用バッター液
JP2005185210A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 J-Oil Mills Inc 春巻皮改質用油脂組成物及びそれを用いた食品の製造方法
JP2013202002A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Riken Vitamin Co Ltd 茹で麺または蒸し麺の吸水抑制方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11235156A (ja) * 1998-02-23 1999-08-31 Taiyo Kagaku Co Ltd 油性食品
JP2000245384A (ja) * 1999-03-04 2000-09-12 Taiyo Kagaku Co Ltd 成型ポテトチップスおよびポテトスナック菓子
JP2001045999A (ja) * 1999-08-02 2001-02-20 Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd 冷凍油揚げ用バッター液
JP2005185210A (ja) * 2003-12-26 2005-07-14 J-Oil Mills Inc 春巻皮改質用油脂組成物及びそれを用いた食品の製造方法
JP2013202002A (ja) * 2012-03-29 2013-10-07 Riken Vitamin Co Ltd 茹で麺または蒸し麺の吸水抑制方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
金子啓一 他: "ポリグリセロールステアリン酸エステルの合成とその機能", 日本農芸化学会2006年度(平成18年度)大会講演要旨集, JPN6018036312, 2006, pages 17 - 2, ISSN: 0004008098 *

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019041632A (ja) * 2017-08-31 2019-03-22 株式会社J−オイルミルズ 食品の製造方法及び食品の照り付与用油脂組成物
JP6990001B2 (ja) 2017-08-31 2022-01-12 株式会社J-オイルミルズ 食品の製造方法及び食品の照り付与用油脂組成物
JP2020048506A (ja) * 2018-09-27 2020-04-02 日清オイリオグループ株式会社 澱粉含有食品用ほぐれ剤、澱粉含有食品及び澱粉含有食品の製造方法
JP7512000B2 (ja) 2018-09-27 2024-07-08 日清オイリオグループ株式会社 澱粉含有食品用ほぐれ剤、澱粉含有食品及び澱粉含有食品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6560857B2 (ja) 2019-08-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TR201811027T4 (tr) Dondurulmuş erişteler için üretim yöntemi ve don yanığının engellenmesi için bileşim.
JP6404662B2 (ja) 麺用品質改良剤
JP2020099204A (ja) 電子レンジ加熱調理用調味料
JP2005000171A (ja) 電子レンジ加熱用トレイ入り冷凍食品とその製造方法
JP6560857B2 (ja) 食品用染み込み抑制剤
JP2007105035A (ja) 炒め物用油脂組成物
JP6369733B1 (ja) 油脂組成物
JP2007222044A (ja) 食品用日持向上剤
JP2013128415A (ja) 食品用日持ち向上剤及び該食品用日持ち向上剤を含有する加工食品
JP2018033394A (ja) 包餡食品の中種用水分移行抑制剤
JP4682106B2 (ja) 麺のツヤ出し方法
JP2006006132A (ja) 麺類のほぐれ性向上用油脂組成物
JP6426041B2 (ja) 加熱調理済冷凍食品用品質改良剤、加熱調理済冷凍食品及び該冷凍食品の製造方法
JP2007151408A (ja) スチームコンベクションオーブン調理用調味料
JP2013202002A (ja) 茹で麺または蒸し麺の吸水抑制方法
JP2009017859A (ja) 緑色野菜の退色防止方法
JP6402090B2 (ja) 風味・食味の向上した炒め物食品
JP3247542B2 (ja) 麺類品質改良剤及び麺類の製造方法
JP2844494B2 (ja) W/o乳化油脂組成物を配合した食品の製造法
JP5794857B2 (ja) 冷凍麺の冷凍焼け防止剤
KR20190048522A (ko) 유화제를 사용한 냉동볶음밥의 제조방법
JP3247506B2 (ja) 茹で・蒸し麺類の改良用組成物及び麺類の製造方法
JPH0739332A (ja) 麺類品質改良剤及び麺類の製造方法
JP6764979B2 (ja) 炒め調理用の油脂組成物
JP6490289B1 (ja) 水性食品の香りを保護する方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180921

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180919

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190402

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190603

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190626

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190722

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6560857

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250