JP2016092868A - 積層ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】スイッチング素子の高周波電流が高周波ノイズとして放射され難くする積層ユニットを提供する。【解決手段】本明細書で開示する積層ユニットは、パワーカードのロッド56と冷却器2の金属板32、33とを導通する導通板58が、ロッド56から伸びているとともに、ロッド56の一端側は、積層ユニットを収容するケース20に固定される。ケース20は、金属製であり、車体フレームに電気的に導通可能に接続されるため、ケース20の電位は冷却器の金属板32、33よりも低い。これにより、パワーカードの金属板32、33は、ロッド56を介してケース20に電気的に接続されるため、グランド電位と同等の車体フレームへの導通経路がロッド56により形成される。そのため、スイッチング動作に伴ってスイッチング素子から発生した高周波電流は、車体フレームへと誘導されることから、高周波電流が高周波ノイズとして放射され難くなる。【選択図】図3

Description

本明細書が開示する技術は、複数の冷却器を積層し、隣接する冷却器の間に半導体モジュールが介挿されている積層ユニットに関する。
電力変換用のスイッチング素子は発熱量が大きい。例えば、電気自動車に搭載される電力変換装置は、駆動用モータに適した駆動電力を供給する多数のスイッチング素子を備えている。この種のスイッチング素子は、特に発熱量が大きいため、半導体モジュールとして樹脂モールドされて冷媒が流れる冷却器により冷却されている。その一例に、例えば、特許文献1に開示される電力変換装置の冷却器がある。この冷却器では、冷媒が流れる金属製の冷却器と半導体モジュールとを交互に積層することにより、半導体モジュールを冷却する。
特開2013−121236号公報
ところで、半導体モジュールを冷却する冷却器の本体に樹脂を使ったものがある。例えば、本願出願人は、開口を有する樹脂製の本体とその開口を塞ぐ金属板とにより構成された複数の冷却器を積層し、隣接する冷却器の間に半導体モジュールを介挿した積層ユニットを開発している(特願2014−083469号、本願出願時には未公開)。冷却器の本体の開口を塞ぐ金属板は、半導体モジュール内のスイッチング素子と熱結合して半導体モジュールが発した熱を放熱する役割を担うが、樹脂製の本体は電気を通さないことから、金属板は電気的に浮いた状態になる。
半導体モジュール内のスイッチング素子は、高い周波数でスイッチング動作を行うことに伴って高周波電流を発生する。一方、積層ユニットでは半導体モジュールと冷却器が積層されており、冷却器の全体が金属製の場合には、高周波電流は冷却器を通じて電力変換装置のケースへと誘導される。なお、半導体モジュールの樹脂製のパッケージは電気を通さないが、スイッチング素子の電極と冷却器が間にパッケージ壁を挟んだコンデンサとして機能し、スイッチング素子が発する高周波電流が冷却器に伝達され得る。一方、冷却器の本体が樹脂製の場合には、本体の開口を塞ぐとともに半導体モジュールに対向している金属板が、電力変換装置のケースから電気的に遮断されているため、冷却器が高周波電流の伝導経路になり得ない。その場合、高周波電流は電力変換装置のシールド線などを通じ、高周波ノイズとして周囲空間に放射される虞がある。
本明細書が開示する技術は、樹脂製の本体を有する冷却器と半導体モジュールが積層された積層ユニットにおいて、スイッチング素子の高周波ノイズを抑制する技術を提供する。
本明細書が開示する積層ユニットは、複数の冷却器を積層し、隣接する冷却器の間に半導体モジュールが介挿されているデバイスである。半導体モジュールは、スイッチング素子を樹脂モールドするとともに一端側が突出する金属棒を樹脂モールドしているパッケージを備えている。また冷却器は、隣接する半導体モジュールと対向する側面に開口が設けられている樹脂製の本体と、一方の面が開口を塞いているとともに、他方の面が半導体モジュールと対向している金属板を備えている。そして、半導体モジュールの金属棒と冷却器の金属板とを導通する導通部材が、金属棒から伸びているとともに、金属棒の一端側は、当該積層ユニットを収容する金属ケースに固定されている。金属ケースは、典型的には、グランド電位に保持される。
これにより、冷却器の金属板は、金属棒を介して金属ケースに電気的に接続されて、金属棒により金属ケースへの導通経路が形成される。そのため、スイッチング動作に伴ってスイッチング素子から発生した高周波電流は、金属板と金属棒を通じて金属ケースへと導かれる。その結果、高周波電流が高周波ノイズとして放射され難くなる。本明細書が開示する技術の詳細、及び、さらなる改良は、発明の実施の形態で説明する。
実施例の積層ユニットを下方からみた斜視図である。 実施例の積層ユニットを使用した電力変換装置のケース内レイアウトを示す平面図である。 図2のIII−III線に沿った断面図である。 実施例の積層ユニットの分解斜視図である。 パワーカードユニットの斜視図である。 パワーカードユニットの分解斜視図である。 (A)は、パワーカードユニットの正面図、(B)は、(A)のVII-B−VII-B線に沿った断面図である。 (A)は、パワーカードユニットの側面図、(B)は、図7(A)のVIII-B−VIII-B線に沿った断面図、(C)は、ロッドの斜視図である。
図面を参照して実施例の積層ユニットを説明する。本実施例では、電動車両用の電力変換装置に使用される積層ユニットを例示して説明する。なお、電動車両には、走行用モータとエンジン(内燃機関)の双方を搭載するハイブリッド車も含む。
まず、図1−3に基づいて電力変換装置の構成などを概説する。図1に、実施例の積層ユニット10を下方から(同図に示す座標系のZ軸の負方向から正方向に)みた斜視図を示す。図2に、電力変換装置100のケース内レイアウトを表した平面図を示す。図3に、図2のIII−III線に沿った断面図を示す。電動車両に搭載される電力変換装置100は、バッテリの直流電力を昇圧し、さらに交流に変換して走行用モータに供給するものである。積層ユニット10は、このような電力変換装置100に主要部品として使用される。
電力変換装置100は、電圧を高める電圧コンバータ回路(不図示)と、インバータ回路(不図示)を含む。電圧コンバータ回路は、双方向の電圧コンバータであり、スイッチング素子として、2個のIGBTを含む。また、インバータ回路は6個のIGBTを含む。つまり、電力変換装置100は、合計8個のスイッチング素子(半導体素子)を含んでいる。夫々のスイッチング素子は、大きな電流を導通/遮断するので発熱量が大きい。これらのスイッチング素子は、例えば、2個ずつパワーカード3a−3dに収容される。なお、スイッチング素子の数は、車両の種類(電力変換装置の種類)によって任意に設定される。
図1に示すように、積層ユニット10は、このような8個のスイッチング素子を集約して集中的に冷却するものである。積層ユニット10は、4個のパワーカード3a−3dと5個の冷却器2a−2eが一つずつ交互に積層されたユニットである。図中のX軸方向が積層方向に相当する。なお、複数の冷却器2a−2eは、その本体が樹脂成形された樹脂本体40であり同じ構造を有している。同様に複数のパワーカード3a−3dも同じ構造を有している。以下では、複数の冷却器2a−2eのいずれか一つを区別なく表す場合に「冷却器2」と表記する。同様に、複数のパワーカード3a−3dのいずれか一つを区別なく表す場合に「パワーカード3」と表記する。
夫々のパワーカード3は、2個のスイッチング素子を樹脂でモールドした半導体モジュールであり、平板型を成している。これらの2個のスイッチング素子は、パワーカード3の内部で直列に接続されている。各パワーカード3からは3本の端子28が伸びている。パワーカード3からは、このような3本の端子28のほかに、スイッチング素子(IGBT)の制御端子29が、端子28が伸びる側面とは反対側の側面から、例えば5本ずつ合計10本伸びている。本実施例では、各パワーカード3の長手方向(同図中Y軸方向)の両側から夫々ロッド56が突出している。これらの2本のロッド56は、下方(同図中Z軸の負方向)に向けて伸びて、その先端に雄ねじ部56cが形成されている。パワーカード3は、積層方向の両面に絶縁板8、9を有している。
本実施例の積層ユニット10は、複数の冷却器2が積層されたものであり、隣接する冷却器の間にパワーカード3が介挿されている。各冷却器2の内部に液体の冷媒が通る。冷媒の典型は水、あるいは、LLC(Long Life Coolant )である。これにより、冷却対象であるパワーカード3を冷やす。実施例では、パワーカード3は冷却器2と対向する面に絶縁板8、9を有する。後述するように、パワーカード3の本体である樹脂パッケージ55(後述)の表面には内部のスイッチング素子と導通している放熱板52a、52b(後述)が露出しており、絶縁板8、9は、冷却器2の金属板32、33(後述)を放熱板52a、52bから絶縁するために備えられている。絶縁板8、9は、後述する金属板32、33とパワーカード3の間における電気的な絶縁を確保する必要がない場合には設けなくてもよい。なお、図1においては、パワーカード3を代表して、パワーカード3dのみに、制御端子29、ロッド56及び絶縁板8、9の各符号を夫々付しているが、他のパワーカード3a−3cについても同様にこれらを備えている。
各冷却器2はパワーカード3を挟んで図中Y軸方向の両側に貫通孔43を有しており、積層されて繋がった貫通孔43が、冷媒を供給する供給路P1と冷却器の筐体を通過した冷媒を排出する排出路P3とを構成する。後述するが、樹脂本体40の内部の流路空間に符号P2を割り当てている。なお、積層ユニット10の一端には、カバー27が当てられて貫通孔43が閉じられている。
次に図2及び図3を参照して、積層ユニット10を含む電力変換装置100のケース20内のデバイスレイアウトなどを説明する。図2は、電力変換装置100のカバーを外したケース20内の平面図である。また図3は、図2のIII−III線に沿って電力変換装置100をカットした断面図である。電力変換装置100のケース20は、例えば、ダイカスト成型されたアルミニウム合金からなる矩形状の箱体であり、車体フレーム(不図示)に固定されている。ケース20は、車体フレームと導通している。車両では、車体フレームの電位がグランド電位に定義されている。即ち、電力変換装置100のケース20は、車体フレームに固定され、グランド電位に保持される。ケース20には、積層ユニット10のほか、複数のコンデンサ素子(不図示)とリアクトル25が収容される。コンデンサ素子のいくつかは電圧コンバータ回路の低電圧側に接続されてフィルタコンデンサを構成する。コンデンサ素子の残りは、高電圧側に接続されて平滑化コンデンサを構成する。リアクトル25は、チョッパ型の電圧コンバータ回路で用いられる。
積層ユニット10は、ケース20に設けられた支持壁20aと20bの間に配置され、積層ユニット10の一端と支持壁20bとの間に嵌挿された板バネ24により積層方向の荷重が加えられる。板バネ24による荷重は、数キロニュートンにも及ぶ。積層ユニット10の一端には、ケース外部から積層ユニット10へ冷媒を供給する供給管22と積層ユニット10から冷媒を排出する排出管23が接続される。供給管22と排出管23は、それぞれ、前述した供給路P1と排出路P3に連通する。ケース20には、上記デバイスのほか、パワーカード3の中のスイッチング素子に供給するPWM信号を生成する制御基板61も実装されている。
制御基板61は、積層ユニット10が収容されるケース20内の空間を仕切る中板21の裏側、即ち積層ユニット10の反対側に樹脂製のブッシュ63を介して固定されている。中板21には、積層ユニット10の各パワーカード3から伸びるロッド56の位置に合わせて12箇所に取付孔21aが形成されている。また、各パワーカード3の各制御端子29が中板21に接触することなく貫通し得る長穴21bも、6箇所に形成されている。パワーカード3の各ロッド56には、取付孔21aの内径よりも外径が大きい鍔部56aが、先端の雄ねじ部56cよりも根元側に形成されている。
これにより、各パワーカード3は、夫々から突出する2本のロッド56の先端を取付孔21aに貫通させ、それらの雄ねじ部56cにナット65をねじ締結することによって、鍔部56aとナット65の間に中板21が挟持される。そのため、パワーカード3をケース20に直接固定することを可能にしている。また、ロッド56、ナット65及び中板21(ケース20)はいずれも金属製である。そのため、ロッド56から、中板21及びケース20を介して、車体フレームに至る電気的な導通経路の形成を可能にしている。なお、図3に示される符号56bは、ロッド56に形成される凸条部56bを示し、また符号58は接続板を示す。これらについては、後で詳しく説明する。
続いて積層ユニット10を構成する冷却器2の構造を図4に基づいて説明する。図4は、冷却器2の分解斜視図である。冷却器2の樹脂本体40は、耐熱樹脂製であり、例えば、射出成形で製造される。樹脂本体40の内部は、冷媒が通る流路空間P2に相当する。積層方向(図中のX軸方向)からみたときの樹脂本体40の中央には、開口41aが設けられている。開口41aは、パワーカード3と対向する位置に設けられている。また、開口41aの裏側には、反対側のパワーカード3に対向する位置に開口41bが設けられている。開口41aは金属板33で塞がれ、また開口41bは金属板32で塞がれる。
即ち、金属板33は、ガスケット39を挟んで、開口41aの周囲の筐体側面44aに当接し、開口41aを塞ぐ。樹脂本体40の積層方向の一方側では両端に突出部42が設けられており、金属板33は一対の突出部42の間で筐体側面44aに密着する。また、金属板32は、ガスケット38を挟んで、開口41bの周囲の筐体側面44bに当接し、開口41bを塞ぐ。開口41bの側では樹脂本体40に窪み46が設けられており、金属板32はその窪み46に嵌る。これにより、金属板32、33は、互いに対向して樹脂本体40の内壁とともに流路空間P2を区画形成する。金属板32、33は、例えばアルミニウム製であり、押出成形や切削加工などによりフィン34、35が一体に成形される。ガスケット38、39は、シリコンゴム製である。
本実施例では、金属板32、33は、積層ユニット10の組立工程の前工程において、パワーカード3の両面に組み付けられて装着されている。即ち、金属板32はパワーカード3の一端面に、また金属板33はパワーカード3の他端面に、夫々予め接着されている。このように積層ユニット10の組立工程前に金属板32、33をパワーカード3に予め装着することによって、金属板32、33とパワーカード3の位置合わせが容易となる。即ち、積層ユニット10の組み立てが容易となる。
金属板32、33が予め装着された複数のパワーカード3は、積層ユニット10の組付工程において、複数の冷却器2と一つずつ交互に積層される。これにより、冷却器2の樹脂本体40と金属板32、33とパワーカード3が密着する。前述したように、積層ユニット10はその積層方向に数キロニュートンの荷重を受ける。その荷重によって金属板32(33)と樹脂本体40の間のガスケット38(39)が変形し、開口41b(41a)を封止する。以下、金属板32、33などが装着されたパワーカード3のアッセンブリユニットのことをパワーカードユニット30と称する。
ここからは、パワーカードユニット30の構造などが良く示されている図5−図8も加えて説明する。図5は、パワーカードユニット30の斜視図である。図6は、パワーカードユニット30の分解斜視図である。図7(A)は、パワーカードユニット30の正面図であり、図7(B)は、(A)のVII-B−VII-B線に沿った断面図である。図8(A)は、パワーカードユニット30の側面図であり、図8(B)は、図7(A)のVIII-B−VIII-B線に沿った断面図、図8(C)は、ロッド56の斜視図である。
図6に示すように、パワーカード3の樹脂パッケージ55の一側面には金属製の放熱板52aが露出している。放熱板52aとは反対側の側面には放熱板52b(図7(B)参照)が露出している。詳しくは後述するが、放熱板52a、52bは、樹脂パッケージ55の内部でスイッチング素子の電極と導通している。放熱板52a、52bは、夫々、樹脂パッケージ55の外に伸びている3本の端子28の一つと連続している。即ち、放熱板52a、52bは、樹脂パッケージ55に封止されたスイッチング素子の電極と外部のデバイスを電気的に接続する電極端子の一部である。放熱板52を金属板32と絶縁するために、樹脂パッケージ55の表面に、放熱板52aを覆うように絶縁板8が取り付けられている。樹脂パッケージ55の反対側の面に露出している放熱板52bを覆うように絶縁板9が取り付けられている。絶縁板8、9は、絶縁性が高く、かつ、伝熱性も高い材料で作られている。絶縁板8、9は、例えば、高熱伝導率のセラミッククスで作られている。
図5及び図6に示すように、パワーカードユニット30には、パワーカード3の一方の絶縁板8に金属板32が装着され、またパワーカード3の他方の絶縁板9に金属板33が装着されている。樹脂本体40の開口41b(41a)を塞ぐ金属板32(33)の一端面32a(33a)には、複数のフィン34(35)が設けられている。具体的には、金属板32(33)のパワーカード3が接する他端面32b(33b)の裏側に、図中Y軸方向に帯状に伸びる複数のフィン34、35がZ軸方向にほぼ等間隔に設けられている。本実施例のフィン34(35)は、パワーカード3の中の夫々のスイッチング素子に対応するように、図中Y軸方向に並んで2つに分割されて設けられている(符号34a、34b(符号35a、35b))。フィン34(35)は、このように分割することなく、連続したものでもよい。
これらのフィン34a、34b(35a、35b)は、積層方向(図中のX軸方向)に所定の高さに設定されている。所定の高さは、例えば、金属板32、33の対向間隔の半分よりも低い(短い)。そのため、樹脂本体40の両側の開口41a、41bが、金属板32、33により塞がれると、筐体内部で夫々のフィン34aとフィン35b(フィン34bとフィン35a)の先端が対向するように向き合う。金属板32、33の裏面は、樹脂本体40の内部、つまり流路空間P2に面している(図4参照)。そのため、複数のフィン34(34a、34b)、35(35a、35b)は、筐体内部の流路空間P2を流れる冷媒に直接に接触する。これにより、パワーカード3が発した熱は、樹脂製の樹脂本体40とは関係なく、主に金属板32、33とその裏面のフィン34(34a、34b)、35(35a、35b)を通じて冷媒に放出される。
先に述べたように、冷却器2の筐体は樹脂製である。図4に良く示されているように、樹脂本体40の突出部42は肉厚が厚い。それゆえ、積層方向に対して高い強度を保持でき、荷重に対して変形量を小さくすることができる。なお、突出部42の先端面には別のガスケット31が当てられ、隣接する冷却器の樹脂本体40との間が封止される。なお、ガスケット38(39)による樹脂本体40と金属板32(33)の間の封止と、ガスケット31による突出部42と隣接する樹脂本体40の間の封止が同時に成立するように、ガスケット38(39)、31の厚みが選定される。
図5−図8に示すように、本実施例のパワーカード3には、このような金属板32、33のほかに、導通板58が取り付けられている。導通板58は、ロッド56と金属板32、33とを電気的に導通可能に接続する導電部材である。本実施例では、導通板58は、矩形状の金属板が浅い角度で折り曲げられた部材である(図7(B)参照)。ここで、図7(B)には、パワーカード3の内部構造が表されているので、ロッド56の説明とともに、これについても説明する。図7(B)は、図7(A)のVII-B−VII-B線に沿った断面図であり、2つのフィン34a、34b(35b、35a)のうち、一方のフィン34b(35a)の部分をカットしたものである。そのため、同図にはスイッチング素子51やロッド56がそれぞれ1つしか表れていないが、これと同じ構成で位置関係を左右対称したものが紙面左側に位置している。
パワーカード3は、2個のスイッチング素子51を樹脂パッケージ55で封止したデバイスであり、本実施例では、これらとともに前述のロッド56も樹脂モールドしている。2個のスイッチング素子51はIGBTである。スイッチング素子51の両面には電極が設けられており、夫々の電極に放熱板52a、52bが接続している。放熱板52aには絶縁板8が接触しており、その絶縁板8には金属板32が接触している。放熱板52bには絶縁板9が接触しており、その絶縁板9には金属板33が接触している。別言すれば、絶縁板8は、放熱板52aと金属板32で挟まれている。絶縁板9は、放熱板52bと金属板33で挟まれている。絶縁板8と放熱板52aと金属板32のセットがコンデンサを構成する。同様に、絶縁板9と放熱板52bと金属板33のセットがコンデンサを構成する。金属板32、33は、先に述べた導通板58を介してロッド56が導通しており、そのロッドが後述するように金属製のケース20と導通している。スイッチング素子51がスイッチング動作に伴なって発する高周波電流は、絶縁板8(9)と放熱板52a(52b)と金属板32(33)で構成されるコンデンサ、導通板58、ロッド56を介してケース20へと流れる。
絶縁板8、9とパワーカード3の間、及び、絶縁板8、9と金属板32、33の間には伝熱特性に優れたグリースが塗布されている。ロッド56は、鍔部56a及び雄ねじ部56cが形成された一端側が突出するように、パワーカード3に樹脂モールドされている。ロッド56の他端側は、その軸方向に伸びて形成される凸条部56bを除いてパワーカード3の樹脂パッケージ55の中に埋設されている。
ロッド56は、図7及び図8に良く表されているように、その他端側においては、他端部56xがパワーカード3の樹脂パッケージ55から外部に露出することなく、凸条部56bだけがパワーカード3の長手方向端部から露出するように樹脂パッケージ55に覆われている。また、ロッド56の一端側において露出する軸部分は、樹脂パッケージ55から露出する根元部から鍔部56aに至るまでの間が電気的な絶縁体である絶縁被覆57に覆われている。ロッド56の一端側は、前述したように、ケース20の中板21に固定されており、そのケース20は車体フレームに電気的に導通可能に固定されている。即ち、ロッド56から、中板21及びケース20を介して、車体フレームに至る電気的な導通経路が形成される。そのため、露出したロッド56の軸部分に絶縁被覆57を施すことによって、当該軸部分に触れた場合における地絡の発生を防止している。
ロッド56は、このように樹脂パッケージ55の長手方向(図中Y軸方向)から露出する凸条部56bを有する。そのため、パワーカードユニット30では、この凸条部56bと絶縁板8、9とを電気的に接続する導通板58を備えている。例えば、導通板58の屈曲部分は、ロッド56の凸条部56bに電気的に接続されている(図5、図7及び図8に示す符号J1)。また、導通板58の一端部の辺部分は、金属板32に電気的に接続されている(図5、図7及び図8に示す符号J2)。同様に、導通板58の他端部の辺部分は、金属板33に電気的に接続されている(図5、図7及び図8に示す符号J3)。これらの電気的な接続は、典型的には、ハンダ付け又はスポット溶接などにより行われる。
このように本実施例の積層ユニット10を構成することにより、パワーカード3の金属板32、33は、ロッド56を介してケース20に電気的に接続されるので、グランド電位と同等の車体フレームへの導通経路がロッド56により形成される。そのため、スイッチング動作に伴ってスイッチング素子51から発生した高周波電流は、グランド電位に保持された車体フレームへと導かれることから、高周波電流が高周波ノイズとして放射され難くなる。つまり、ロッド56を有するパワーカード3と、樹脂本体40及び金属板32、33を有する冷却器2の積層ユニット10は、スイッチング素子51の高周波電流を、ロッド56を介して車体へと導くことでラジオノイズの発生を防ぐ。
また、本実施例の積層ユニット10では、パワーカード3は、ロッド56を介してケース20に機械的に固定される。これにより、パワーカード3は、冷却器2とは別に、ケース20に固定されるため、走行中に路面やエンジンから振動が加わっても、パワーカード3の位置ズレを生じ難くする。より具体的には、端子28や制御端子29の位置が変動しなくなるので、端子の位置ズレによる接触不良などの防止に寄与する。
また、このようなロッド56は、これまで使用されていなかった絶縁板8、9間の空きスペースにおいて、パワーカード3の長手方向(Y軸方向)に樹脂パッケージ55を延設したその内部に設ける。そのため、ロッド56の設けるために新たなスペースを必要とすることなく、またロッド56の体積分だけ樹脂パッケージ55の樹脂材料の使用量を減らすことも可能になる。
上記の実施例では、ロッド56を金属板32、33に電気的に接続する導電部材として、導通板58を使用したが、電気的な導通が確保できる部材であれば、例えば、ワイヤ状の導線や網状の編組線を使用してもよい。また、電気的な導通が確保できる形状であれば、導通板58は矩形状以外の形状であってもよい。さらに、電気的な導通が確保する接続例として、導通板58と金属板32、33をハンダ付けやスポット溶接する例を挙げたが、これらを掛止させたり、係止させたり、嵌合させたりして機械的に接続してもよい。
実施例技術に関する留意点を述べる。パワーカード3、3a−3dが半導体モジュールの一例に相当する。樹脂パッケージ55がパッケージの一例に相当する。ロッド56が金属棒の一例に相当する。樹脂本体40が「樹脂製の本体」の一例に相当する。一端面32a、33aが「一方の面」の一例に相当する。他端面32b、33bが「他方の面」の一例に相当する。ケース20が金属ケースの一例に相当する。導通板58が導通部材の一例に相当する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書又は図面に例示した技術は複数目的を同時達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
2、2a−2e:冷却器
3、3a−3d:パワーカード
8、9:絶縁板
10:積層ユニット
20:ケース
21:中板
28:端子
29:制御端子
30:パワーカードユニット
31、38、39:ガスケット
32、33:金属板
32a、33a:一端面
32b、33b:他端面
34、35:フィン
40:樹脂本体
41a、41b:開口
51:スイッチング素子
52a、52b:放熱板
55:樹脂パッケージ
56:ロッド
56b:凸条部
56c:雄ねじ部
57:絶縁被覆
58:導通板
61:制御基板
100:電力変換装置

Claims (1)

  1. 複数の冷却器を積層し、隣接する冷却器の間に半導体モジュールが介挿されている積層ユニットであり、
    前記半導体モジュールは、スイッチング素子を樹脂モールドするとともに一端側が突出する金属棒を樹脂モールドしているパッケージを備えており、
    前記冷却器は、
    隣接する前記半導体モジュールと対向する側面に開口が設けられている樹脂製の本体と、
    一方の面が前記開口を塞いでいるとともに、他方の面が前記半導体モジュールと対向している金属板と、
    を備えており、
    前記金属棒と前記金属板とを導通する導通部材が前記金属棒から伸びているとともに、前記金属棒の一端側が、当該積層ユニットを収容する金属ケースに固定されていることを特徴とする積層ユニット。
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WO2017187781A1 (ja) * 2016-04-28 2017-11-02 日立オートモティブシステムズ株式会社 電力変換装置
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