JP2016085160A - Sprセンサセルおよびsprセンサ - Google Patents

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友広 紺谷
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一斗 山形
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Abstract

【課題】非常に優れた検出感度を有し、かつ、安価に製造可能なSPRセンサを提供すること。【解決手段】アンダークラッド層と、少なくとも一部が該アンダークラッド層に隣接するように設けられたコア層と、該コア層を被覆する金属層と、を備えるSPRセンサセルであって、該金属層が、Agを95重量%以上含有し、該金属層の消衰係数が4より大きく、該金属層の屈折率が、0.4未満である、SPRセンサセル。【選択図】図1

Description

本発明は、SPRセンサセルおよびSPRセンサに関する。
従来、化学分析および生物化学分析などの分野において、光ファイバを備えるSPR(表面プラズモン共鳴:Surface Plasmon Resonance)センサが用いられている。光ファイバを備えるSPRセンサでは、光ファイバの先端部の外周面に金属薄膜が形成されるとともに、分析サンプルが固定され、その光ファイバ内に光が導入される。導入される光のうち特定の波長の光が、金属薄膜において表面プラズモン共鳴を発生させ、その光強度が減衰する。このようなSPRセンサにおいて、表面プラズモン共鳴を発生させる波長は、通常、光ファイバに固定される分析サンプルの屈折率などによって異なる。したがって、表面プラズモン共鳴の発生後に光強度が減衰する波長を計測すれば、表面プラズモン共鳴を発生させた波長を特定でき、さらに、その減衰する波長が変化したことを検出すれば、表面プラズモン共鳴を発生させる波長が変化したことを確認できるので、分析サンプルの屈折率の変化を確認できる。その結果、このようなSPRセンサは、例えば、サンプルの濃度の測定、免疫反応の検出など、種々の化学分析および生物化学分析に用いることができる。
このような光ファイバを備えるSPRセンサにおいては、光ファイバの先端部が微細な円筒形状であるので、金属薄膜の形成および分析サンプルの固定が困難であるという問題がある。このような問題を解決するために、例えば、光が透過するコアと、このコアを覆うクラッドとを備え、このクラッドの所定位置にコアの表面に至る貫通口を形成し、この貫通口に対応した位置におけるコアの表面に金属薄膜を形成したSPRセンサセルが提案されている(例えば、特許文献1)。このようなSPRセンサセルによれば、コア表面に表面プラズモン共鳴を発生させるための金属薄膜の形成、および、その表面への分析サンプルの固定が容易である。
しかしながら、近年は、少量の検体で、微細な変化および/または微量成分の検出に対する要求が高まっており、上記のようなSPRセンサを用いた分析においてもさらなる検出感度の向上が求められている。一方、高精度なセンサは非常に高価であることから、より安価なSPRセンサが求められている。
特開2000−19100号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、非常に優れた検出感度を有し、かつ、安価に製造可能なSPRセンサを提供することにある。
本発明者らの従前の検討によれば、コア層の屈折率を低くすることによって分析サンプルの状態変化に伴うSPRピークの波長シフト量を増大させ、これにより、感度を向上させ得ることがわかった(例えば、特開2012−215541号公報)。しかしながら、SPRピークが長波長側に大きく波長シフトすると、近赤外光領域にSPRピークが生じる場合がある。この場合、近赤外光の光源や受光素子が必要となるが、これらの機器は高価である。また、近赤外光の分光器は感度性能が乏しいという問題がある。
本発明によればSPRセンサセルが提供される。本発明のSPRセンサセルは、アンダークラッド層と、少なくとも一部が該アンダークラッド層に隣接するように設けられたコア層と、該コア層を被覆する金属層と、を備え、該金属層が、Agを95重量%以上含有し、該金属層の消衰係数が4より大きく、該金属層の屈折率が、0.4未満である。
1つの実施形態において、上記コア層の屈折率が、1.34〜1.43である。
1つの実施形態において、上記SPRセンサセルは、600nm〜725nmの波長領域にSPRピークを生じさせる。
1つの実施形態において、上記金属層が、Al、Pd、CuおよびGeからなる群より選択される少なくとも1つの金属を含有する。
本発明の別の局面によれば、SPRセンサが提供される。このSPRセンサは、上記のSPRセンサセルを備える。
本発明のSPRセンサセルによれば、特定の屈折率と消衰係数とを有する金属層を用いることによって、低屈折率のコア層を用いて波長シフト量を増大させた場合であっても近赤外光を利用しない測定が可能となる。その結果、近赤外光用の機器が不要となるので、低コストで高感度なSPRセンサが得られ得る。さらに、Agを95重量%以上の含有量で含む金属層を形成することにより、安定性に優れた金属層が得られ得る。
本発明の好ましい実施形態によるSPRセンサセルを説明する概略斜視図である。 図1に示すSPRセンサセルのIa−Ia線概略断面図である。 本発明の別の好ましい実施形態によるSPRセンサセルの概略断面図である。 本発明のSPRセンサセルの製造方法の一例を説明する概略断面図である。 本発明の好ましい実施形態によるSPRセンサを説明する概略断面図である。
A.SPRセンサセル
図1は、本発明の好ましい実施形態によるSPRセンサセルを説明する概略斜視図である。図2は、図1に示すSPRセンサセルのIa−Ia線概略断面図である。なお、以下のSPRセンサセルの説明において方向に言及するときは、図面の紙面上側を上側とし、図面の紙面下側を下側とする。
SPRセンサセル100は、図1および図2に示すように、平面視略矩形の有底枠形状に形成されており、アンダークラッド層11と、上面が露出するようにアンダークラッド層11に埋設されたコア層12と、アンダークラッド層11とコア層12を被覆する金属層13とを有する。アンダークラッド層11およびコア層12は光導波路を構成し、金属層13とともに、サンプルの状態および/またはその変化を検知する検知部10として機能する。図示した形態においては、SPRセンサセル100は、検知部10に隣接するように設けられたサンプル配置部20を備える。サンプル配置部20は、オーバークラッド層14により規定されている。オーバークラッド層14は、サンプル配置部20を適切に設けることができる限りにおいて省略されてもよい。サンプル配置部20には、分析されるサンプル(例えば、溶液、粉末)が検知部(実質的には金属層)に接触して配置される。
アンダークラッド層11は、所定の厚みを有する平面視略矩形平板状に形成されている。アンダークラッド層の厚み(コア層上面からの厚み)は、例えば5μm〜400μmである。
コア層12は、アンダークラッド層11の幅方向(図2の紙面の左右方向)および厚み方向の両方と直交する方向に延びる略角柱形状に形成され、アンダークラッド層11の幅方向略中央部の上端部に埋設されている。コア層12の延びる方向が、光導波路内を光が伝播する方向となる。
コア層12は、その上面がアンダークラッド層11の上面と面一となるように配置されている。コア層の上面がアンダークラッド層の上面と面一となるように配置することにより、金属層をコア層の上側のみに効率よく配置することができる。さらに、コア層は、その延びる方向の両端面がアンダークラッド層の当該方向の両端面と面一となるように配置されている。
コア層12の屈折率(NCO)は、好ましくは1.43以下であり、より好ましくは1.40未満であり、さらに好ましくは1.38以下である。コア層の屈折率を1.43以下とすることにより、検出感度を格段に向上させることができる。コア層の屈折率の下限は、好ましくは1.34である。コア層の屈折率が1.34以上であれば、水溶液系のサンプル(水の屈折率:1.33)であってもSPRを励起することができ、かつ、汎用の材料を使用することができる。
コア層12の屈折率(NCO)は、アンダークラッド層11の屈折率(NCL)より高い。コア層の屈折率とアンダークラッド層の屈折率との差(NCO−NCL)は、好ましくは0.010以上であり、より好ましくは0.020以上、さらに好ましくは0.025以上である。コア層の屈折率とアンダークラッド層の屈折率との差がこのような範囲であれば、検出部の光導波路をいわゆるマルチモードとすることができる。したがって、光導波路を透過する光の量を多くすることができ、結果として、S/N比を向上させることができる。また、コア層の屈折率とアンダークラッド層の屈折率との差は、好ましくは0.15以下、より好ましくは0.10以下、さらに好ましくは0.050以下である。コア層の屈折率とアンダークラッド層の屈折率との差がこのような範囲であれば、SPR励起が生じる反射角の光がコア層内に存在することができる。
コア層12の厚みは、例えば5μm〜200μmであり、好ましくは20μm〜200μmである。また、コア層の幅は、例えば5μm〜200μmであり、好ましくは20μm〜200μmである。このような厚みおよび/または幅であれば、光導波路をいわゆるマルチモードとすることができる。また、コア層12の長さ(導波路長)は、例えば2mm〜50mmであり、好ましくは10mm〜20mmである。
コア層12を形成する材料としては、本発明の効果が得られる限りにおいて任意の適切な材料を用いることができる。具体例としては、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂およびこれらの変性体(例えば、フルオレン変性体、重水素変性体、フッ素樹脂以外の場合はフッ素変性体)が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらは、好ましくは感光剤を配合して、感光性材料として用いられ得る。アンダークラッド層11は、コア層を形成する材料と同様の材料であって、屈折率がコア層よりも低くなるように調整された材料から形成され得る。
金属層13は、図1および図2に示すように、アンダークラッド層11およびコア層12の上面の少なくとも一部を均一に被覆するように形成されている。必要に応じて、アンダークラッド層およびコア層と金属層との間に易接着層(図示せず)が設けられ得る。易接着層を形成することにより、アンダークラッド層およびコア層と金属層とを強固に固着させることができる。
金属層13は、4より大きい消衰係数および0.4未満の屈折率を有する。このような消衰係数および屈折率を有する金属層によれば、低屈折率のコア層(例えば、NCO≦1.43)と組み合わせて用いた場合に、可視光領域、好ましくは600nm〜725nmの波長領域にSPRピークを生じさせることができる。なお、本明細書において、消衰係数は、波長650nmにおける消衰係数を意味する。また、屈折率は、波長650nmにおける屈折率を意味する。
金属層13の消衰係数は、4より大きく、好ましくは4.1以上であり、より好ましくは4.15以上である。
金属層13の屈折率は、0.4未満であり、好ましくは0.3以下であり、より好ましくは0.2以下である。また、金属層の屈折率の下限は、0.12であり得る。
金属層13は、銀(Ag)を95重量%以上含有する。Agの含有量は、好ましくは96重量%以上、より好ましくは97重量%以上である。金属層はAgを上記の含有量で含む合金であってもよい。
金属層13が含有するAg以外の成分(以下、「副成分」と称する場合がある)としては、上記消衰係数および屈折率を満足する限りにおいて制限されない。副成分の具体例としては、アルミニウム(Al)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、ゲルマニウム(Ge)等が挙げられる。副成分は、単独で用いられてもよく、二種以上を組み合わせて用いられてもよい。Agと所定量の副成分とを組み合わせて用いることにより、所望の消衰係数および屈折率を有し、かつ、安定性に優れた金属層が好適に得られ得る。
金属層13における副成分の含有量は、所望の消衰係数および屈折率等に応じて、5重量%を上限として適切に設定され得る。Alの含有量は、例えば0.1重量%〜1重量%であり得る。Pdの含有量は、例えば0.1重量%〜1重量%であり得る。Cuの含有量は、例えば0.1重量%〜3重量%であり得る。Geの含有量は、例えば4重量%〜5重量%であり得る。
金属層13は、単一層であってもよく、2層以上の積層構造を有していてもよい。積層構造を有する場合、金属層は、Agを95重量%以上含有する層(Ag含有層)と他の金属層とから構成されてもよく、異なる2つ以上のAg含有層で構成されていてもよい。金属層の厚み(積層構造を有する場合はすべての層の合計厚み)は、好ましくは20nm〜70nmであり、より好ましくは30nm〜60nmである。
易接着層を形成する材料としては、代表的にはクロムまたはチタンが挙げられる。易接着層の厚みは、好ましくは1nm〜5nmである。
オーバークラッド層14は、図1に示すように、アンダークラッド層11およびコア層12の上面において、その外周がアンダークラッド層11の外周と平面視において略同一となるように、平面視矩形の枠形状に形成されている。アンダークラッド層11およびコア層12の上面とオーバークラッド層14とで囲まれる部分が、サンプル配置部20として区画されている。当該区画にサンプルを配置することにより、検知部10の金属層とサンプルとが接触し、検出が可能となる。さらに、このような区画を形成することにより、サンプルを容易に金属層表面に配置することができるので、作業性の向上を図ることができる。
オーバークラッド層14を形成する材料としては、例えば、上記コア層およびアンダークラッド層を形成する材料、ならびにシリコーンゴムが挙げられる。オーバークラッド層の厚みは、好ましくは5μm〜2000μmであり、さらに好ましくは25μm〜200μmである。オーバークラッド層の屈折率は、好ましくは、コア層の屈折率よりも低い。1つの実施形態においては、オーバークラッド層の屈折率は、アンダークラッド層の屈折率と同等である。
本発明の好ましい実施形態によるSPRセンサセルを説明してきたが、本発明はこれらに限定されない。例えば、図3に例示するように、アンダークラッド層11およびコア層12と金属層13と間に保護層15を設けてもよい。この場合、保護層15は、アンダークラッド層11およびコア層12の上面をすべて被覆するように、平面視においてアンダークラッド層と同じ形状の薄膜として形成され得る。保護層を設けることにより、例えば、サンプルが液状である場合に、サンプルによってコア層および/またはクラッド層が膨潤することを防止することができる。保護層を形成する材料としては、例えば、二酸化ケイ素、酸化アルミニウムが挙げられる。これらの材料は、好ましくは、コア層よりも屈折率が低くなるように調整され得る。保護層の厚みは、好ましくは1nm〜100nmであり、より好ましくは5nm〜20nmである。
また例えば、コア層とアンダークラッド層の関係においては、コア層の少なくとも一部がアンダークラッド層に隣接するように設けられていればよい。例えば、上記実施形態ではアンダークラッド層にコア層が埋設された構成を説明したが、コア層はアンダークラッド層を貫通するようにして設けられてもよい。また、アンダークラッド層の上にコア層を形成し、当該コア層の所定の部分をオーバークラッド層で包囲する構成としてもよい。
さらに、SPRセンサにおけるコア層の数は、目的に応じて変更してもよい。具体的には、コア層は、アンダークラッド層の幅方向に所定の間隔を隔てて複数形成されてもよい。このような構成であれば、複数のサンプルを同時に分析することができるので、分析効率を向上させることができる。コア層の形状もまた、目的に応じて任意の適切な形状(例えば、半円柱形状、凸柱形状)を採用することができる。
さらに、SPRセンサセル100(サンプル配置部20)の上部には、蓋を設けてもよい。このような構成とすれば、サンプルが外気に接触することを防止することができる。また、サンプルが溶液である場合には、溶媒の蒸発による濃度変化を防止することができる。蓋を設ける場合には、液状サンプルをサンプル配置部へ注入するための注入口とサンプル配置部から排出するための排出口とを設けてもよい。このような構成とすれば、サンプルを流してサンプル配置部に連続的に供給することができるので、サンプルの特性を連続的に測定することができる。
上記の実施形態は、それぞれを適切に組み合わせてもよい。
B.SPRセンサセルの製造方法
本発明のSPRセンサセルは、任意の適切な方法により製造され得る。図4(a)〜(i)は、本発明のSPRセンサセルの製造方法の一例を説明する概略断面図である。
まず、図4(a)に示すように、コア層の形状に対応する凹部を有する鋳型30の表面上にコア層を形成する材料12’を配置する。次いで、図4(b)に示すように、鋳型30表面に転写フィルム40を所定の方向に向かって押圧手段50で押圧しながら貼り合わせて、該凹部にコア層形成材料12’を充填しつつ余分なコア層形成材料12’を除去する。その後、図4(c)に示すように、凹部内に充填されたコア層形成材料12’に紫外線を照射し、当該材料を硬化させて、コア層12を形成する。さらに、図4(d)に示すように、転写フィルム40を鋳型30から剥離して、転写フィルム40上にコア層12を転写する。
次いで、図4(e)に示すように、アンダークラッド層形成材料11’を、コア層12を覆うように塗布する。あるいは、図示例とは異なり、アンダークラッド層形成材料11’を予め他の支持体(例えば、コロナ処理済のPETフィルム)上に塗布しておき、該アンダークラッド層形成材料11’がコア層12を覆うように、該支持体と転写フィルム40とを貼り合わせてもよい。その後、図4(f)に示すように、アンダークラッド層形成材料11’に紫外線を照射し、当該材料を硬化させて、アンダークラッド層11を形成する。その後、図4(g)に示すように、転写フィルム40を剥離除去し、上下を反転させる。
上記紫外線の照射条件は、材料の種類に応じて適切に設定され得る。必要に応じて、材料を加熱してもよい。加熱は、紫外線照射前に行ってもよく、紫外線照射後に行ってもよく、紫外線照射と併せて行ってもよい。
次に、必要に応じて、アンダークラッド層11およびコア層12の上に易接着層(図示せず)を形成する。易接着層は、例えば、クロムまたはチタンをスパッタリングすることにより形成される。
次に、図4(h)に示すように、コア層およびアンダークラッド層の上(保護層を形成する場合には保護層の上)に、コア層12を被覆するようにして金属層13を形成する。具体的には、金属層13は、例えば、所定のパターンを有するマスクを介して金属層を形成する材料を真空蒸着、イオンプレーティングまたはスパッタリングすることにより形成される。
最後に、図4(i)に示すように、上記所定の枠形状を有するオーバークラッド層14を形成する。オーバークラッド層14は、任意の適切な方法により形成され得る。オーバークラッド層14は、例えば、上記所定の枠形状を有する鋳型をコア層およびアンダークラッド層の上に配置し、当該鋳型にオーバークラッド層形成材料のワニスを充填して乾燥し、必要に応じて硬化させ、最後に鋳型を除去することにより形成され得る。感光性材料を用いる場合には、オーバークラッド層14は、コア層およびアンダークラッド層の上面にワニスを塗布し、乾燥後に、所定のパターンのフォトマスクを介して露光および現像することにより形成され得る。
以上のようにして、図1に示すSPRセンサセルを作製することができる。
C.SPRセンサ
図5は、本発明の好ましい実施形態によるSPRセンサを説明する概略断面図である。SPRセンサ200は、SPRセンサセル100と光源110と光計測器120とを備える。SPRセンサセル100は、上記A項およびB項で説明した本発明のSPRセンサである。
光源110としては、任意の適切な光源が採用され得る。光源の具体例としては、白色光源、単色光光源が挙げられる。光計測器120は、任意の適切な演算処理装置に接続され、データの蓄積、表示および加工を可能としている。
光源110は、光源側光コネクタ111を介して光源側光ファイバ112に接続されている。光源側光ファイバ112は、光源側ファイバブロック113を介してSPRセンサセル100(コア層12)の伝播方向一方側端部に接続されている。SPRセンサセル100(コア層12)の伝播方向他方側端部には、計測器側ファイバブロック114を介して計測器側光ファイバ115が接続されている。計測器側光ファイバ115は、計測器側光コネクタ116を介して光計測器120に接続されている。光源側光ファイバ112および計測器側光ファイバ115としては、SPR励起可能な反射角の光を光導波路内に伝播させることができるマルチモード光ファイバにて接続することが好ましい。
SPRセンサセル100は、任意の適切なセンサセル固定装置(図示せず)によって固定されている。センサセル固定装置は、所定方向(例えば、SPRセンサセルの幅方向)に沿って移動可能とされており、これにより、SPRセンサセルを所望の位置に配置することができる。
光源側光ファイバ112は、光源側光ファイバ固定装置131により固定され、計測器側光ファイバ115は、計測器側光ファイバ固定装置132により固定されている。光源側光ファイバ固定装置131および計測器側光ファイバ固定装置132は、それぞれ、任意の適切な6軸移動ステージ(図示せず)の上に固定されており、光ファイバの伝播方向、幅方向(伝播方向と水平方向において直交する方向)および厚み方向(伝播方向と垂直方向において直交する方向)と、これらのそれぞれの方向を軸とする回転方向とに可動とされている。
このようなSPRセンサによれば、光源110、光源側光ファイバ112、SPRセンサセル100(コア層12)、計測器側光ファイバ115および光計測器120を一軸上に配置することができ、これらを透過するように光源110から光を導入することができる。
以下、このようなSPRセンサの使用形態の一例を説明する。
まず、サンプルをSPRセンサセル100のサンプル配置部20に配置し、サンプルと金属層13とを接触させる。次いで、光源110から所定の光を、光源側光ファイバ112を介してSPRセンサセル100(コア層12)に導入する(図5の矢印L1参照)。SPRセンサセル100(コア層12)に導入された光は、コア層12内において全反射を繰り返しながら、SPRセンサセル100(コア層12)を透過するとともに、一部の光は、コア層12の上面において金属層13に入射し、表面プラズモン共鳴により減衰される。SPRセンサセル100(コア層12)を透過した光は、計測器側光ファイバ115を介して光計測器120に導入される(図5の矢印L2参照)。すなわち、このSPRセンサ200において、光計測器120に導入される光は、コア層12において表面プラズモン共鳴を発生させた波長の光強度が減衰している。表面プラズモン共鳴を発生させる波長は、金属層13に接触したサンプルの屈折率などに依存するので、光計測器120に導入される光の光強度の減衰を検出することにより、サンプルの屈折率の変化を検出することができる。
例えば、光源110として白色光源を用いる場合には、光計測器120によって、SPRセンサセル100の透過後に光強度が減衰する波長(表面プラズモン共鳴を発生させる波長)を計測し、その減衰する波長が変化したことを検出すれば、サンプルの屈折率の変化を確認することができる。また例えば、光源110として単色光光源を用いる場合には、光計測器120によって、SPRセンサセル100の透過後における単色光の光強度の変化(減衰の度合い)を計測し、その減衰の度合いが変化したことを検出すれば、表面プラズモン共鳴を発生させる波長が変化したことを確認でき、サンプルの屈折率の変化を確認することができる。
上記のように、このようなSPRセンサセルは、サンプルの屈折率の変化に基づいて、例えば、サンプルの濃度の測定、免疫反応の検出などの種々の化学分析および生物化学分析に用いることができる。より具体的には、例えば、サンプルが溶液である場合には、サンプル(溶液)の屈折率は溶液の濃度に依存するので、サンプルの屈折率を検出すれば、そのサンプルの濃度を測定することができる。さらに、サンプルの屈折率が変化したことを検出すれば、サンプルの濃度が変化したことを確認することができる。また例えば、免疫反応の検出においては、SPRセンサセル100の金属層13の上に誘電体膜を介して抗体を固定し、抗体に検体を接触させる。抗体と検体とが免疫反応すればサンプルの屈折率が変化するので、抗体と検体との接触前後におけるサンプルの屈折率変化を検出することにより、抗体と検体とが免疫反応したと判断することができる。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
<屈折率の測定>
金属層の屈折率は、スライドガラス上に100nm厚の金属薄膜を形成し、分光エリプソメトリーにて波長650nmにおける値を計測した。
<消衰係数の測定>
金属層の消衰係数は、スライドガラス上に100nm厚の金属薄膜を形成し、分光エリプソメトリーにて波長650nmの値を計測した。
<安定性の評価>
スライドガラス上にスパッタで成膜した際の金属層の外観を目視にて確認し、以下の基準で評価した。
○:変色が認められない
×:変色が認められる
<元素分析>
金属層を酸で溶解し、超純水を加えて誘導結合プラズマ質量分析法(ICP−MS)およびICP発光分光分析法(ICP−AES)によって、形成された金属層の元素分析を行い、各成分の含有量を算出した。
<実施例1>
表面に幅50μmおよび厚み(深さ)50μmのコア層形成用の凹部が形成された鋳型(長さ200mm、幅200mm)の該表面にコア層形成材料を滴下した。該鋳型の表面に片面をコロナ処理したPPフィルム(厚み:40μm)のコロナ処理面の片端を当接させ、他端は反らせた状態とした。この状態で、鋳型とPPフィルムとの当接部位にPPフィルム側からローラを押し当てながら他端側に向かってローラを回転させて両者を貼り合わせた。これにより、鋳型の凹部内にコア層形成材料を充填し、余分なコア層形成材料を押し出した。次いで、得られた積層体に対し、PPフィルム側から紫外線を照射し、コア層形成材料を完全に硬化させてコア層(屈折率:1.384)を形成した。なお、コア層形成材料は、フッ素系UV硬化型樹脂(DIC社製、商品名「OP38Z」)60重量部とフッ素系UV硬化型樹脂(DIC社製、商品名「OP40Z」)40重量部とを攪拌溶解させて調製した。次いで、鋳型からPPフィルムを剥離して、該フィルム上に厚み50μm、幅50μmの略角柱形状のコア層を転写した。
上記PPフィルム上に、コア層を被覆するようにアンダークラッド層形成材料を塗布した。なお、アンダークラッド層形成材料は、フッ素系UV硬化型樹脂(ソルベイスペシャルティポリマージャパン社製、商品名「Fluorolink MD700」)を用いた。このとき、コア層表面(上面)からの厚みが100μmになるように塗布した。次いで、紫外線を照射し、アンダークラッド層形成材料を硬化させて、アンダークラッド層(屈折率:1.347)を形成した。その後、PPフィルムを剥離除去し、アンダークラッド層およびコア層を上下反転させた。以上のようにして、アンダークラッド層に埋設されたコア層を有する光導波路フィルムを作製した。
上記光導波路フィルムを長さ22.25mm×幅20mmにダイシング切断した。次いで、長さ6mm×幅1mmの開口部を有するマスクを介して、金属層形成材料をスパッタリングして、コア層を覆うように金属層(厚み:30nm)を順に形成した。具体的には、金属層のPd含有率が0.5重量%になるようにAgターゲット上にPd破片チップを置いてスパッタリングを行った。最後に、フッ素系UV硬化型樹脂(ソルベイスペシャルティポリマージャパン社製、商品名「Fluorolink MD700」)を用い、アンダークラッド層を形成したのと類似の方法で、枠形状のオーバークラッド層を形成した。このようにして、図1および図2に示すSPRセンサセルと同様のSPRセンサセルを作製した。
上記で得られたSPRセンサセルと、ハロゲン光源(オーシャンオプティクス社製、商品名「HL−2000−HP」、白色光)と、分光器(オーシャンオプティクス社製、商品名「USB4000」)とを一軸上に配置して図5に示すようなSPRセンサを作製した。具体的には、光源からの光がSPRセンサセルのコア層の入射側端面に導入されるように、GI型のマルチモードファイバ(φ50μm/125μm)を介してハロゲン光源(オーシャンオプティクス社製、商品名「HL−2000−HP」、白色光)をSPRセンサセル(コア層)の入射側に接続し、コア層の出射側端面とアンダークラッド層の出射側端面で最も明るい場所からの光をGI型のマルチモードファイバ(φ50μm/125μm)を介して分光器に導入した。
このようにして得られたSPRセンサを用いて、サンプル配置部にサンプルを配置しない状態でSPRセンサセル(光導波路)に光を透過させたときの透過率スペクトルを求め、透過率の極小値に対応するピーク波長を計測した。結果を表1に示す。
<実施例2>
Pd破片チップの代わりにAl破片チップを用いたこと、および、金属層のAl含有率が0.25重量%になるようにAgターゲット上に置くAlの量を調整したこと以外は実施例1と同様にして、SPRセンサセルおよびSPRセンサを作製した。得られたSPRセンサを実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例3>
Pd破片チップの代わりにCu破片チップを用いたこと、および、金属層のCu含有率が3重量%になるようにAgターゲット上に置くCuの量を調整したこと以外は実施例1と同様にして、SPRセンサセルおよびSPRセンサを作製した。得られたSPRセンサを実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<実施例4>
Pd破片チップの代わりにGe破片チップを用いたこと、および、金属層のGe含有率が5重量%になるようにAgターゲット上に置くGeの量を調整したこと以外は実施例1と同様にして、SPRセンサセルおよびSPRセンサを作製した。得られたSPRセンサを実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例1>
金属層形成材料として、金(Au)のみを用いたこと以外は実施例1と同様にして、SPRセンサセルおよびSPRセンサを作製した。得られたSPRセンサを実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例2>
金属層形成材料として、Agのみを用いたこと以外は実施例1と同様にして、SPRセンサセルおよびSPRセンサを作製した。得られたSPRセンサを実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例3>
Pd破片チップの代わりにニッケル(Ni)破片チップを用いたこと、および、金属層のNi含有率が6重量%になるようにAgターゲット上に置くNiの量を調整したこと以外は実施例1と同様にして、SPRセンサセルおよびSPRセンサを作製した。得られたSPRセンサを実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例4>
Pd破片チップの代わりにNi破片チップを用いたこと、および、金属層のNi含有率が3重量%になるようにAgターゲット上に置くNiの量を調整したこと以外は実施例1と同様にして、SPRセンサセルおよびSPRセンサを作製した。得られたSPRセンサを実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<比較例5>
Pd破片チップの代わりにGe破片チップを用いたこと、および、金属層のGe含有率が3重量%になるようにAgターゲット上に置くGeの量を調整したこと以外は実施例1と同様にして、SPRセンサセルおよびSPRセンサを作製した。得られたSPRセンサを実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
<評価>
表1に示されるとおり、同じ低屈折率のコア層を用いているにもかかわらず、実施例のSPRセンサでは、725nm以下の波長領域にSPRピークが生じており、比較例1および3〜5のSPRセンサでは、725nmより長波長領域にSPRピークが生じている。また、比較例2のSPRセンサでは、725nm以下の波長領域にSPRピークが生じているものの、金属層の安定性に劣る。以上より、本発明のSPRセンサセルおよびSPRセンサによれば、近赤外光用の機器を用いることなく高感度な測定が可能であることがわかる。
本発明のSPRセンサセルおよびSPRセンサは、サンプルの濃度の測定、免疫反応の検出など、種々の化学分析および生物化学分析に好適に利用され得る。
10 検知部
11 アンダークラッド層
12 コア層
13 金属層
14 オーバークラッド層
20 サンプル配置部
100 SPRセンサセル
110 光源
120 光計測器
200 SPRセンサ

Claims (5)

  1. アンダークラッド層と、少なくとも一部が該アンダークラッド層に隣接するように設けられたコア層と、該コア層を被覆する金属層と、を備えるSPRセンサセルであって、
    該金属層が、Agを95重量%以上含有し、
    該金属層の消衰係数が4より大きく、
    該金属層の屈折率が、0.4未満である、
    SPRセンサセル。
  2. 前記コア層の屈折率が、1.34〜1.43である、請求項1に記載のSPRセンサセル。
  3. 600nm〜725nmの波長領域にSPRピークを生じさせる、請求項1または2に記載のSPRセンサセル。
  4. 前記金属層が、Al、Pd、CuおよびGeからなる群より選択される少なくとも1つの金属を含有する、請求項1から3のいずれかに記載のSPRセンサ
    セル。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のSPRセンサセルを備える、SPRセンサ。
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