JP2016084832A - 棒状物のクランプ - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の衝突時や地震等において決められた一方向ではなく、様々な方向から加わる荷重に対して確実に規制解除されるようにした棒状物のクランプを提供する。
【解決手段】管等の棒状物6をパネル等の被取付部5に取り付けるときに用いられるクランプ4であって、棒状物6を遊挿可能な保持空間8及び被取付部5に取り付ける係止部14を有した本体部材1と、少なくとも外周側の一部に球状部分を有して棒状物6を内周側に拘束した状態で保持空間8に揺動可能に嵌合される保持部材3とで構成され、保持部材3は拘束した棒状物6に加わる所定大の荷重によって保持空間8に対して嵌合解除して分離されることを特徴としている。
【選択図】図4

Description

本発明は、線や管等の棒状物を車両構成材等の被取付部に取り付けるときに用いられるクランプに関し、特に使用状態で棒状物が様々な方向から引っ張られたときにも被取付部に対する棒状物の位置規制を解除されるようにした棒状物のクランプに関する。
図9は、本出願人の先願である特許文献1に開示されたクランプ(保持具)であり、同(a)は文献1の図2の構造、同(b)は文献1の図6の構造を示している。各クランプHは、車両構成材である被取付部Sに取り付けて棒状物Pを拘束した使用状態で、車両の衝突等において棒状物Sが強く引っ張られたようなときに被取付部Sに対する棒状物Pの位置規制を解除可能にしたものである。
同(a)の構造は、被取付部Sに対する取付手段12を有した本体部材10と、棒状物Pを拘束する収め入れ・保持部50を有した分離保持部材20とからなる。本体部材10と分離保持部材20とは、分離保持部材20に設けられた嵌込み突部30を、本体部材10に設けられた嵌め入れ穴40に隙間41等を通って嵌合することによりクランプHとして組み立てられる。使用状態において、車両の衝突等により棒状物Pが同図の矢印方向へ引かれると、嵌込み突部30が嵌め入れ穴40から抜け出て、分離保持部材20が棒状物Pと共に本体部材10から離れて引かれる方向へ移動される。
同(b)の構造は、被取付部Sに対する取付手段12、及び棒状物Pを拘束する収め入れ・保持部50を備えている。収め入れ・保持部50は、対向した対の板片51と、各板片51の上端より保持空間の斜め下向きに突出された弾性片52とからなる。棒状物Pは、弾性片52を板片51側に変位しながら保持空間に挿入され、挿入後は元の状態に復帰する弾性片51により抜け止めされる。弾性片52と板部51との間には、棒状物Pが同図の矢印方向へ引かれたときに弾性片52が板部51から破断されるようにする分離部60’が設けられている。このため、この構造でも、使用状態において、車両の衝突等により棒状物Pが同図の矢印方向へ引かれると、弾性片52が分離部60’を介して板部51から離されて棒状物Pと共に引かれた方向へ移動される。
なお、特許文献1には、以上の構造以外にも、本体部材10が被取付部Sに対する取付手段12を構成している部分を破断して引かれた方向へ移動させるようにした構造(文献1の図3及び図4)も開示されている。
特開平10−132145号公報
上記した各構造では、棒状物に加わる引っ張り荷重が所定大になると、図9(a)の場合だと分離保持部材が本体部材から外れ、図9(b)の場合だと弾性片が板部から分離してそれぞれ引かれた方向へ自由に移動される。しかし、各構造にあっては、引っ張り荷重の方向によっては外れたり分離されず、その結果、棒状物に過大な負荷が加わり破損したり接続不良等の要因となる虞もある。また、各構造では、図9(a)のごとく分離保持部材が本体部材から外れたり、図9(b)のごとく弾性片が板部から分離されると、棒状物に対する規制が完全になくなって引かれた方向へそれぞれ自由に移動されるため、例えば棒状物が不用意に垂れ下がったり、近くにある部材等に当たったりして損傷等の原因となる。
本発明は以上のような背景から工夫されたものである。その目的は、例えば、車両の衝突や地震等において決められた棒状物に一方向ではなく、様々な方向から加わる所定の荷重(引き荷重)に対して確実に規制解除されるようにした棒状物のクランプを提供することにある。他の目的は以下の内容説明のなかで明らかにする。
上記目的を達成するため請求項1の本発明は、管等の棒状物をパネル等の被取付部に取り付けるときに用いられるクランプであって、前記棒状物を遊挿可能な保持空間及び前記被取付部に取り付ける係止部を有した本体部材と、少なくとも外周側の一部に球状部分を有して前記棒状物を内周側に拘束した状態で前記保持空間に揺動可能に嵌合される保持部材とで構成され、前記保持部材は拘束した前記棒状物に加わる所定大の荷重によって前記保持空間に対し嵌合解除して分離されることを特徴としている。
以上の本発明において、『棒状物』としては、管や線又はそれらに類似のものであってもよい。『被取付部』は、棒状物を取り付ける箇所ないしは部材であればよく、例えば車両構成材、機器構成材、建築物構成材でも差し支えない。『本体部材』は、クランプの骨格を構成している部材であり、棒状物を前後ないしは左右に遊挿可能な1以上の保持空間と共に被取付部に取り付ける係止部を有している。また、『保持空間』は、請求項5の蓋部を有しない場合には特許文献1の収め入れ・保持部ような径方向に一部開口した構成となり、請求項5のような蓋部を有した場合には本体部材と蓋部との間に区画形成されて径方向に開口していない構成となる。
『保持部材』は、棒状物を内側に拘束した状態で保持空間に着脱可能に嵌合される構成であればよい。『一部に球状部分を有して』いるとは、完全な球状でなくても球状に近い形状、例えばラクビーボールのような楕円球なども含む意味で使用している。つまり、球状や楕円球それらに類似の形状は、一般的に保持空間に対して揺動容易な形状であると共に、拘束している棒状物に加わる所定大の荷重で保持空間から嵌合解除され易い形状である。
以上の本発明は、請求項2〜6で特定したように具体化されることがより好ましい。
(ア)前記保持空間は、前記保持部材の球状部分が嵌る円弧部分を有していると共に、前記保持部材が嵌合解除して分離した後も前記棒状物を遊挿している構成である(請求項2)。
(イ)前記保持部材は、分割された半球部材で構成され、前記半球部材同士が前記棒状物を挟んだ状態で連結されて略球状となる構成である(請求項3)。
(ウ)前記半球部材同士は、略球状に保つ係合手段と、前記棒状物の表面に食い付く爪部とを有している構成である(請求項4)。
(エ)前記本体部材に回動可能に設けられて前記円弧部分との間に前記保持部材を挟持する蓋部を有している構成である(請求項5)。
(オ)前記保持空間の円弧部分、又は/及び、前記蓋部の前記円弧部分と対向する部分は弾性変位容易にするスリットを有している構成である(請求項6)。
請求項1の発明では、保持部材が外周側の一部に球状部分を有して棒状物を内周側に拘束した状態で本体部材の保持空間に揺動可能に嵌合される。この使用状態において、保持部材は、拘束した棒状物に加わる所定大の荷重(引き荷重)によって保持空間に対し嵌合解除して分離される。この分離構造では、保持部材が本体部材側保持空間に揺動可能に嵌合しているため、棒状物に加わる様々な方向の荷重に対し、保持部材が棒状物の動きに追従して揺動して負荷を緩和し、最終的には保持空間から外れて離れることで棒状物の位置規制が解除される。このため、特許文献1に比べて棒状物が引っ張り荷重の方向に制約されず様々な方向から加わる荷重に対しても確実に規制解除できる。
請求項2の発明では、保持部材が保持空間の円弧部分に対し略球状の状態で嵌合しているため、拘束している棒状物に加わる様々な方向の荷重に対して負荷を緩和する方向へ揺動し易くなる。その結果、保持空間に対する保持部材の的確な揺動によって棒状物の位置規制が緩和され、それに伴って前記負荷に起因した棒状物の損傷、接続部や連結部からの外れ等を防止可能となる。また、保持部材が本体部材から分離して外れても、棒状物は本体部材の保持空間に遊挿して緩く拘束された状態となるため、特許文献1に比べて棒状物が被取付部側に垂れ下がったり、近くにある部材や部品に当たったり、棒状物が連結部から不用意に外れるというような不具合を解消できる。
請求項3の発明では、保持部材が分割された半球部材の構成であり、半球部材同士が棒状物を挟んだ状態で連結されるため棒状物に対する取付操作が容易となる。また、保持空間(請求項2ではその円弧部分)に対し略球状の保持部材が嵌合しているため、保持部材のより的確な揺動によって棒状物の位置規制を緩和し、前記負荷に起因した棒状物の損傷、連結部からの外れ等を確実に防止可能となる。
請求項4の発明では、半球部材同士を係合手段によりワンタッチで連結することも容易となったり、爪部が棒状物の表面に食い付くため棒状物への取付状態において保持部材単独で回動する等の不具合を解消できる。
請求項5の発明では、形態例のごとく本体部材の円弧部分に対して棒状物に取り付けた保持部材を入れた後、蓋部を回動操作して円弧部分との間に保持部材を挟持するため本体部材に対する保持部材の取付操作性を良好に維持し易い。
請求項6の発明では、保持部材が保持空間に嵌合した状態から、保持空間の円弧部分や、蓋部の対応部分がスリットを介し拡開変位を伴って嵌合解除され分離される。つまり、この構造では、スリットの数や大きさ等により保持空間に対する保持部材の嵌合力又は嵌合解除の度合いを設定容易となる。
発明形態のクランプを示し、(a)は部材関係を示す側面図、(b)は使用状態を示す側面図である。 上記クランプの本体部材と管に取り付けた保持部材とを示す構成図である。 (a)は半球部材同士を連結した保持部材を示す外観図、(b)は半球部材と管との関係を示す分解図である。 (a)と(b)は上記クランプの使用状態を示す外観図と上面図である。 上記本体部材の細部を示し、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は下面図である。 (a)は図5(a)のA−A線部分断面図、(b)は図5(b)のB−B線断面図、(c)は図5(b)のC−C線断面図、(e)は図5(b)のD−D線断面図である。 上記保持部材を構成している半球部材を示し、(a)は内側である上面図、(b)は正面図、(c)は下面図、(d)は右側面図、(e)は(a)のE−E線断面図である。 特許文献1に開示されたもので、(a)は文献1の図2の構造を示し、(b)は文献1の図6の構造を示している。
以下、本発明の形態例について添付図面を参照しながら説明する。この説明では、クランプの構造を詳述した後、作動を使用例と共に述べる。図1〜図3はクランプの構成を示し、図4は作動を模式的に示し、図5〜図7はクランプの細部の構成を示している。
(構造)形態例のクランプ4は、ベース部10を形成している本体部材1と、本体部分1にヒンジ部20を支点として回動可能に連結されてヒンジ部20を介して本体部材1に重ねられる蓋部2と、本体部材1と蓋部2との間に区画形成される2つの保持空間7,8と、管6を拘束した状態もしくは管6の周囲に装着された状態で保持空間8に揺動可能に嵌合し、かつ管6に加わる所定大の荷重により保持空間8から嵌合解除して分離つまり外れる保持部材3とから構成されている。
なお、本体部材1及び保持部材3は、共に樹脂の射出成形品であるが、樹脂以外で形成してもよく、例えば保持部材3をラバーにより形成することも可能である。蓋部2は、本体部材1にヒンジ部20を介して一体に形成したが、蓋部を本体部材に回動可能に組み付ける構成(一例として、特開2008−291873号公報を参照)、更に蓋部を省略して保持空間を本体部材だけで形成する構成(一例として、特許文献1を参照)であってもよい。管6は、棒状物の一例であり、棒や線に代えても差し支えない。
まず、本体部材1の細部を明らかにする。本体部材1は、図2と図5及び図6に示されるごとく矩形で平板状のベース部10と、ベース部10の下面中央部に突設されている脚部13と、ベース部10の上面側に設けられた保持空間7,8の一部を形成している凹状の円弧部分16,17と、ベース部10の下面左右端にそれぞれ突設されている着座用の突起10a,10aと、各突起10aの外端側に斜め下側に突設された圧接用の鍔部11とを有している。
このうち、脚部13は、断面矩形状であり、対向側面に係止部14をそれぞれ形成している。各係止部14は、コ形のスリット13aで区画されて弾性揺動可能で、下から上に行くほど外側へ張り出すよう傾斜していると共に、先端に設けられた段部14aを有している。
また、以上のベース部10は、左右端のうち、ヒンジ部20との間に介在されている概略L形の板部10b、及び反対側に連結されている平坦状の板部10cを一体に形成している。板部10cには、縦壁18と縦壁19とが所定間隔を保って並設されている。この所定間隔は、後述する蓋部2の連結片23を受け入れて抜け止めする係止溝9を構成している。
換言すると、この係止溝9において、縦壁18と19の上部は側面視で逆ハ形状、つまり両縦壁の間隔が上から下に行くに従って狭くなる誘い用テーパー部17,19aに形成されている。縦壁18と19の対向面は、図6(c)のごとくテーパー部17,19aより下側が板幅の片側を除いて欠肉された段部18,19bとなっている。符号18cと19cは、縦壁18,19の対向内面側にあって、板幅の左又は右に位置して欠肉されない箇所、つまり連結片23を係止溝9の横方向から外れ難くする規制部である。この構造では、連結片23が係止溝9に縦壁18,19の弾性変位を伴って一旦係合されると、衝撃等を受けても簡単に解除されない。
ベース部10、板部10b、板部10cの一部には、立壁15が板幅の略中間に一体に突設されている。立壁15は、ベース部10の左右中間が最も高い頂部15aで、該頂部15aの両側つまり、頂部15aと板部10bの垂直部分との間の略中間部と、頂部15aと縦壁19との間の中間部分とが最も低くなっている。そして、上記円弧部分16,17は、ベース部10や板部10b,10cとほぼ同じ板幅からなり、立壁15の対応する上端側に保持された状態に設けられている。
すなわち、円弧部分16は、概略として、頂部15aと縦壁19側との間に設けられている。円弧部分17は、概略として、頂部15aと板部10bの垂直部分に対応する立壁部分との間に設けられている。また、円弧部分16と円弧部分17とは次の点で異なっている。円弧部分16は、小さな円弧状の突起16aを内面の一部に有し、断面円状の管や線等の棒状物7をその突起16aを介して受け止め保持する構成である。これに対し、円弧部分17は、そのような突起を有しておらず、板幅中間を最も深い略球面の凹状に形成し、該凹状を介して略球体つまり保持部材3を受け止め保持する構成である。また、円弧部分16は、ベース部10との間に介在された縦リブ16bにより補強支持されて揺動変位し難くなっている。これに対し、円弧部分17は、そのような補強用の縦リブで支持されておらず、逆に、揺動変位し易くするため複数(この例では4つ)のスリット17aが設けられている。スリット17aは、円弧部分17の略中間の両側に設けられると共に、板幅方向で立壁15を挟んで対向した状態に設けられている。
蓋部2は、図2と図5及び図6に示されるごとくヒンジ部20に連結されて円弧部分16,17上に重ねられる略L形のメイン部21と、メイン部21の水平部先端側に設けられて縦壁18,19上に重ねられる先端部22とからなる。先端部22は、両側より板中間付近まで欠肉した欠肉部22aと、内面に突設されて係止溝9に係合可能な連結片23とを有している。欠肉部22aは、本体部材1の軽量化を図ったり、先端部22に適度な弾性を付与している。連結片23は、図5のごとく先端両側に設けられた爪部23a,23aと、各爪部23aにあって板幅方向の異なる側の端部の一部を欠如した逃げ部23b,23cとを有している。
一方、メイン部21には、左右略中間で、かつ板幅の略中間に突出された略台形の立壁25と、略L形の角部で板幅の略中間に突出された三角形の立壁25aとが設けられている。そして、立壁25と先端部分22との間には、図1に示されるごとく保持空間7を円弧部分16との間に形成する円弧部分26が設けられている。立壁15と立壁15aとの間には、保持空間8を円弧部分17との間に形成する円弧部分27が設けられている。円弧部分26,27は、メイン部21や先端部分22とほぼ同じ板幅からなり、立壁15や立壁15aの対応する上端側及びメイン部21の内面側に保持された状態に設けられている。
すなわち、円弧部分26は、概略として、立壁25の頂部側と先端部分22との間に設けられている。円弧部分27は、概略として、立壁25の頂部側と立壁25aの対応部分との間に設けられている。また、円弧部分26と円弧部分27とは円弧部分16,17と同様に次の点で異なっている。円弧部分26は、小さな円弧状の突起26aを内面の一部に有し、断面円状の管や線等の棒状物7をその突起26aを介して受け止め保持する構成である。これに対し、円弧部分27は、そのような突起を有しておらず、板幅中間を最も深い略球面の凹状に形成し、該凹状を介して略球体つまり保持部材3を受け止め保持する構成である。また、円弧部分26は揺動変位し難く設けられている。これに対し、円弧部分27は、揺動変位し易くするため複数(この例では4つ)のスリット27aが設けられている。スリット27aは、円弧部分27の略中間の両側に設けられると共に、板幅方向で立壁25を挟んで対向した状態に設けられている。
次に、保持部材3の細部を明らかにする。保持部材3は、図3及び図7に示されるごとく互いに係合して略球状となる半球部材30,30からなる。つまり、各半球部材30は、対象形であり、管6を内側に挟持した状態で連結されて略球状となる。各半球部材30には、略球状に保つ係合手段として、凹所32と対の段差35、及び凹所32に係合する爪片34と各段差35に係合する規制片33がそれぞれ設けられている。凹所32と段差35は、半球部材30を区画している円弧面の異なる端側に設けられている。また、爪片34は、段差35と35との間から円弧状に突出されており、相手側半球部材30の凹所32に係合される。規制片33は、断面が略三角形であり、凹所32を区画している箇所の両側に対に突出されている。
加えて、各半球部材30の内周面には、複数の爪部36が点在して設けられている。爪部36は、凸状であり、管6の外周面に食い付いたり、管6の外周面に対する摩擦力を増大する。各半球部材30の外周面には、図7(b)のごとく複数の窪み状欠肉部31が設けられ、欠肉部31同士の間に残ったリブ状部分30aが配置されている。
(作動)以上のクランプ4を用いて管6をパネルや車両構成材等の被取付部5の決められた箇所に拘束保持する使用例を図1と図3により概説する。この例は、車両の燃料移送系を構成して燃料をエンジン側に移送する管6をパネル等の被取付部5に沿って配管する場合を想定しており、通常、被取付部5に複数のクランプ4が取り付けられ、管6及び他の棒状物6Aがそれら複数のクランプ4に対し保持される。
ここで、管6は、用途例として、一端が燃料溜部側に接続されると共に、他端がエンジン側に接続される。そして、管6は通常時だとクランプ4に安定保持されている。また、管6は、例えば被取付部5が衝突や地震等で変形したときに、色々な方向へ引っ張られて管を損傷したり管接続部が外れるというような問題を生じる。そこで、この構造では、管6が所定大の荷重を受けたときに、クランプ4に保持されている管6に対する位置規制が緩んで衝撃変形の影響を緩和吸収したり、位置規制が解除されて衝撃変形の影響を受けないようにしたものである。なお、棒状物6Aの方は、管6のような対策は要求されていないが、必要であれば管6の保持構造を類推適用可能である。
(ア)まず、本体部材1が被取付部の取付孔5aに取り付けられる。この操作では、本体部材1を把持して、脚部13が図1や図6から分かるごとく被取付部5に設けられた取付孔5aに対して押入される。すると、係止部14は、弾性縮径しながら取付孔5aを通過し、通過と同時に弾性復帰して段部14aが取付孔5aの孔縁に係合される。それにより、本体部材1は被取付部5の所定箇所に固定される。この固定状態において、ベース部10は、被取付部5に対し各突起10aが上面に当接し、かつ、各鍔部11が上面に圧接することで安定した状態に装着される。
(イ)一方、管6には保持部材3が装着される。この操作では、図3(b)に示されるごとく半球部材30同士が例えば管6の上下から近づけられた後、互いの爪片34が相手側の凹所32にそれぞれ係合され、同時に、互いの対の規制片33が相手側の対応する段差35に係合される。すると、半球部材30同士は連結されて略球状の保持部材3となる。すなわち、この構造では、半球部材30同士が管6を挟んだ状態で連結されるため管6に対する取付操作をワンタッチで行える。また、管6への保持部材3の取付状態では、複数の爪部36が管6の表面に食い付くため、例えば管6が角度を持って引っ張られると保持部材3も同方向へ傾いたり、保持部材3が管6と共に動かされる。
(ウ)次に、被取付部5に固定された本体部材1に対し管6が装着した保持部材3を介して揺動可能に保持される。この操作では、管6が本体部材側の円弧部分17に対し保持部材3を載せた状態に配置され、また、他の棒状物6Aが本体部材側の円弧部分16の突起16aに対し載せた状態に配置される。その後は、蓋部2がヒンジ部20を支点として本体部材1の上側に回動操作される。すると、蓋部2は、連結片23が係止溝9に弾性挿入されて抜け止めされた使用状態に切り換えられる。すなわち、連結片23は、係止溝9に対して、押し込められると、各爪部23aがテーパー部17,19aから段部18,19bに弾性押入されることで係合抜け止めされる。この抜け止め状態では、図6(c)のごとく逃げ部23bが規制部19cに係合し、逃げ部23cが規制部18cに係合して、連結片23が横方向に動いて不用意に係合解除されないようになる。
(エ)以上の使用状態では、棒状物6Aが円弧部分16(の凸部16a)と円弧部分26(の凸部26a)との間に揺動不能に挟持され、かつ、図1(b)のごとく管6が保持部材3を介して円弧部分17と円弧部分27との間に揺動可能に挟持されている。ここで、各半球部材30の外周面には、図7(b)や(c)のごとく複数の窪み状の欠肉部31が設けられており、欠肉部31同士の間に残ったリブ状部分30aが接している。このため、この構造では、図1のごとく保持部材3が管6を内側に拘束すると共に、保持空間8に嵌合された状態において、本体部材の円弧部分17及びそれに対応する蓋部の円弧部分27に対しリブ状部分30aを介して接触、つまり接触面積を減じることにより保持部材3の揺動が良好に維持される。
(オ)図4は以上の使用状態において、例えば、被取付部5等が衝撃により変形し、それに起因して管6が色々な方向に引っ張られたときの作動を模式的に示している。管6の保持状態では、略球状の保持部材3が管6を内周側に拘束した状態で保持空間8に自在に揺動、つまりあらゆる角度に揺動されるよう嵌合されている。このため、管6に加わる様々な方向の荷重(例えば図4(b)のごとく管6と同方向の荷重F)に対し、先ず、保持部材3が管6に加わる荷重による動きに追従して揺動することで負荷を緩和する。荷重Fが所定値より大きくなると、保持部材3が保持空間8つまり円弧部分17,27がスリット17a,27aを介して拡開変位することにより外れて分離することで管6の位置規制が解除される。
(カ)換言すると、この構造では、保持部材3が保持空間8を区画している円弧部分17,27に対し略球状の状態で嵌合しているため、拘束している管6に加わる様々な方向の荷重Fに対して負荷を緩和する方向へ揺動し易くなっている。そのため、保持空間8ないしは円弧部分17,27に対する保持部材3の的確な揺動によって管6の位置規制が的確に緩和され、それに伴って荷重Fに起因した管6の損傷、接続部や連結部からの外れ等を防止可能となる。
(キ)加えて、この構造では、保持部材3が本体部材1から分離つまり外れても、管6は保持空間8に遊挿して緩く拘束された状態となる。そのため、従来のごとく管6が被取付部上を移動して近くにある部材や部品に当たって損傷したり、管6がクランプ4から大きく離れて接続部や連結部から不用意に外れるというような虞を解消できる。
なお、本発明は、請求項で特定された要件を除いて適宜に変更可能なものである。その例を挙げると、本体部材が特許文献1のごとく蓋部を省略して保持空間を単独で形成している構成、保持空間及びそれに嵌合する保持部材を複数設ける構成などである。
1・・・・・本体部材
2・・・・・蓋部
3・・・・・保持部材
4・・・・・クランプ
5・・・・・被取付部(5aは取付孔)
6・・・・・管(棒状物)
7・・・・・保持空間
8・・・・・保持空間
9・・・・・係止溝
10・・・・・ベース部
14・・・・・係止部
17・・・・・円弧部分(17aはスリット)
20・・・・・ヒンジ部
23・・・・・連結片
27・・・・・円弧部分(27aはスリット)
30・・・・・半球部材(36は爪部)
32・・・・・凹所(係合手段)
33・・・・・規制片(係合手段)
34・・・・・爪片(係合手段)
35・・・・・段差(係合手段)

Claims (6)

  1. 管等の棒状物をパネル等の被取付部に取り付けるときに用いられるクランプであって、
    前記棒状物を遊挿可能な保持空間及び前記被取付部に取り付ける係止部を有した本体部材と、少なくとも外周側の一部に球状部分を有して前記棒状物を内周側に拘束した状態で前記保持空間に揺動可能に嵌合される保持部材とで構成され、
    前記保持部材は拘束した前記棒状物に加わる所定大の荷重によって前記保持空間に対し嵌合解除して分離されることを特徴とする棒状物のクランプ。
  2. 前記保持空間は、前記保持部材の球状部分が嵌る円弧部分を有していると共に、前記保持部材が嵌合解除して分離した後も前記棒状物を遊挿していることを特徴とする請求項1に記載の棒状物のクランプ。
  3. 前記保持部材は、分割された半球部材で構成され、前記半球部材同士が前記棒状物を挟んだ状態で連結されて略球状となることを特徴とする請求項1又は2に記載の棒状物のクランプ。
  4. 前記半球部材同士は、略球状に保つ係合手段と、前記棒状物の表面に食い付く爪部とを有していることを特徴とする請求項3に記載の棒状物のクランプ。
  5. 前記本体部材に回動可能に設けられて前記円弧部分との間に前記保持部材を挟持する蓋部を有していることを特徴とする請求項2から4の何れかに記載の棒状物のクランプ。
  6. 前記保持空間の円弧部分、又は/及び、前記蓋部の前記円弧部分と対向する部分は弾性変位容易にするスリットを有していることを特徴とする請求項5に記載の棒状物のクランプ。
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