JP2016080926A - 異物除去方法、異物除去装置、及び探針 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、別途洗浄等の工程を必要とせずに、精度良く対象物の表面に存在する異物を除去することが可能な、異物除去方法等を提供することを目的とする。
【解決手段】 原子間力顕微鏡を用いて対象物の表面に存在する異物を除去する方法であって、探針として、第1のカーボンナノチューブ12と、第1のカーボンナノチューブ12よりも短い第2のカーボンナノチューブ13を有する探針1を用い、異物検出時は、第1のカーボンナノチューブ12の先端を対象物の表面に向けた状態で走査し、異物除去時は、第1のカーボンナノチューブ12を湾曲させて、第2のカーボンナノチューブ13に異物を付着させることにより、上記課題を解決する。
【選択図】 図1
【解決手段】 原子間力顕微鏡を用いて対象物の表面に存在する異物を除去する方法であって、探針として、第1のカーボンナノチューブ12と、第1のカーボンナノチューブ12よりも短い第2のカーボンナノチューブ13を有する探針1を用い、異物検出時は、第1のカーボンナノチューブ12の先端を対象物の表面に向けた状態で走査し、異物除去時は、第1のカーボンナノチューブ12を湾曲させて、第2のカーボンナノチューブ13に異物を付着させることにより、上記課題を解決する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、原子間力顕微鏡を用いて、対象物の表面に存在する微細な異物を除去する方法に関する。
微細な異物を除去する方法、特に半導体集積回路等の製造に用いるフォトマスクや半導体ウエハ上の異物を除去する方法として、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope、AFM)に用いられる探針の先端にカーボンナノチューブを設け、この探針を使って、異物を除去する方法が提案されている(特許文献1、2)。
上記の特許文献1に記載の方法は、カーボンナノチューブを対象物の溝(凹部)内部でたわませて異物と接触させ、異物を移動させることで、異物を対象物から一時的に剥離させ、その後の洗浄工程で異物を洗い流すというものである。
また、上記の特許文献2に記載の方法は、先端部に中空構造の細管を有しているカンチレバーを用い、この細管で異物を吸引して対象物から除去するものである。細管としてカーボンナノチューブを挙げている。
上記の特許文献1に記載の方法は、カーボンナノチューブを対象物の溝(凹部)内部でたわませて異物と接触させ、異物を移動させることで、異物を対象物から一時的に剥離させ、その後の洗浄工程で異物を洗い流すというものである。
また、上記の特許文献2に記載の方法は、先端部に中空構造の細管を有しているカンチレバーを用い、この細管で異物を吸引して対象物から除去するものである。細管としてカーボンナノチューブを挙げている。
しかしながら、上記の特許文献1に記載の方法では、洗浄工程は従来と変わらないことから、必ずしも処理後の洗浄工程で微細な異物を除去できるとは限らない。また、探針で異物を移動させる装置(原子間力顕微鏡)による工程と、洗浄装置による洗浄工程が必要であり、さらには、異物の除去確認も洗浄工程後に別途実施する必要があり、工程全体が長くなってスループットが低下するという問題もある。
また、上記の特許文献2に記載の方法では、吸引による振動の影響を受けるため、細管を微細な異物に精度良くアプローチすることは困難であり、フォトマスク等の対象物のパターンを損傷させてしまう問題がある。また、異物除去時の吸引によって細管途中に破片となった異物が混入し吸引力を低下させ、異物除去ができないというおそれもある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、別途洗浄等の工程を必要とせずに、精度良く対象物の表面に存在する異物を除去することが可能な、異物除去方法を提供することを主たる目的とする。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、原子間力顕微鏡を用いて、カンチレバーの先端部に設けられた探針で対象物の表面に存在する異物を除去する方法であって、前記探針として、第1のカーボンナノチューブと前記第1のカーボンナノチューブよりも短い第2のカーボンナノチューブを有する探針を用い、前記第1のカーボンナノチューブの先端を前記対象物の表面に向けた状態で前記対象物の表面を走査して、前記対象物の表面に存在する異物を検出する異物検出工程と、前記第1のカーボンナノチューブの先端を前記対象物の表面に押し付けて前記第1のカーボンナノチューブを湾曲させる湾曲工程と、前記第1のカーボンナノチューブを湾曲させて前記第1のカーボンナノチューブの側面を前記対象物の表面に押し付けた状態で、前記探針を移動させて前記第2のカーボンナノチューブを前記対象物の表面に存在する異物に接触させ、前記異物を前記第2のカーボンナノチューブに付着させる異物付着工程と、前記異物を前記第2のカーボンナノチューブに付着させた状態で、前記探針を前記対象物の表面から離間させる離間工程と、を備えることを特徴とする異物除去方法である。
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記離間工程の後に、前記異物が前記第2のカーボンナノチューブに付着した状態の前記探針を用いて、前記第1のカーボンナノチューブの先端を前記対象物の表面に向けた状態で前記対象物の表面を走査して、前記対象物の表面から前記異物が除去されたことを確認する異物除去確認工程を、備えることを特徴とする請求項1に記載の異物除去方法である。
また、本発明の請求項3に係る発明は、カンチレバーの先端部に設けられ、第1のカーボンナノチューブと前記第1のカーボンナノチューブよりも短い第2のカーボンナノチューブを有する探針と、前記第1のカーボンナノチューブの先端を前記対象物の表面に向けた状態で前記対象物の表面を走査する機構と、前記カンチレバーの上下方向の位置を検知して前記対象物の表面の形状に関する情報を取得する機構と、前記第1のカーボンナノチューブの先端を前記対象物の表面に押し付けて前記第1のカーボンナノチューブを湾曲させる機構と、前記第1のカーボンナノチューブを湾曲させて前記第1のカーボンナノチューブの側面を前記対象物の表面に押し付けた状態で、前記探針を移動させて前記第2のカーボンナノチューブを前記対象物の表面に存在する異物に接触させる機構と、前記探針を前記対象物の表面から離間させる機構と、を備えることを特徴とする異物除去装置である。
また、本発明の請求項4に係る発明は、カンチレバーの先端部に設けられる探針であって、第1のカーボンナノチューブと前記第1のカーボンナノチューブよりも短い第2のカーボンナノチューブを有することを特徴とする探針である。
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記第1のカーボンナノチューブの本数が1本であり、前記第2のカーボンナノチューブを複数本有することを特徴とする請求項4に記載の探針である。
また、本発明の請求項6に係る発明は、前記第1のカーボンナノチューブが前記探針の本体部の先端に設けられており、前記第2のカーボンナノチューブが前記探針の本体部の側面に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の探針である。
本発明によれば、別途洗浄を施すことを要せずに、精度良く対象物の表面に存在する異物を除去することが可能な、異物除去方法等を提供することができる。
<異物除去方法>
まず、本発明に係る異物除去方法について説明する。
図1は、本発明に係る異物除去方法の一例について示すフローチャートである。
本発明に係る異物除去方法を用いて、対象物の表面に存在する異物を除去するには、まず、所定のカーボンナノチューブを有する探針を準備する(S11)。
まず、本発明に係る異物除去方法について説明する。
図1は、本発明に係る異物除去方法の一例について示すフローチャートである。
本発明に係る異物除去方法を用いて、対象物の表面に存在する異物を除去するには、まず、所定のカーボンナノチューブを有する探針を準備する(S11)。
(探針)
図2は、本発明に係る異物除去方法に用いられる探針の一例を示す図である。
図2に例示するように、探針1においては、探針本体部11の先端に第1のカーボンナノチューブ12を1本有しており、探針本体部11の側面に第2のカーボンナノチューブ13を複数本有している。そして、第1のカーボンナノチューブ12は、第2のカーボンナノチューブ13よりも長い形態を有している。
図2は、本発明に係る異物除去方法に用いられる探針の一例を示す図である。
図2に例示するように、探針1においては、探針本体部11の先端に第1のカーボンナノチューブ12を1本有しており、探針本体部11の側面に第2のカーボンナノチューブ13を複数本有している。そして、第1のカーボンナノチューブ12は、第2のカーボンナノチューブ13よりも長い形態を有している。
(探針本体部)
本発明において探針本体部11については、カンチレバー(図示略)の先端部に設けられ、原子間力顕微鏡に使用することが可能なものであれば用いることができる。例えば、シリコン、窒化シリコン、ダイヤモンド等の材料から構成される公知の原子間力顕微鏡の探針を用いることができる。また、表面にダイヤモンドやダイヤモンドライクカーボン(DLC)、金や白金のコートがされていてもよい。
本発明において探針本体部11については、カンチレバー(図示略)の先端部に設けられ、原子間力顕微鏡に使用することが可能なものであれば用いることができる。例えば、シリコン、窒化シリコン、ダイヤモンド等の材料から構成される公知の原子間力顕微鏡の探針を用いることができる。また、表面にダイヤモンドやダイヤモンドライクカーボン(DLC)、金や白金のコートがされていてもよい。
マスクパターンが形成されたフォトマスク等が対象物の場合、探針本体部11の先端部の曲率半径は、ターゲットとなるパターンの線幅や除去すべき異物のサイズによって決定される。本発明においては、第1のカーボンナノチューブ12の先端を対象物の表面に向けた状態で走査して、対象物の表面に存在する異物を検出することができ、かつ、第2のカーボンナノチューブ13を異物に接触させることができれば特に制限はされないが、例えば、探針本体部11の先端部の曲率半径は2nm〜100nmの範囲であることが望ましい。
(第1のカーボンナノチューブ)
本発明において、第1のカーボンナノチューブ12は、対象物の表面を走査して対象物の表面に存在する異物を検出する作用を奏するものであり、かつ、異物除去に際しては、第2のカーボンナノチューブ13が異物と接触することを妨げないように、湾曲可能なものである。その材料としては、一般に知られているカーボンナノチューブ(carbon nanotube、CNT)を用いることができる。
本発明において、第1のカーボンナノチューブ12は、対象物の表面を走査して対象物の表面に存在する異物を検出する作用を奏するものであり、かつ、異物除去に際しては、第2のカーボンナノチューブ13が異物と接触することを妨げないように、湾曲可能なものである。その材料としては、一般に知られているカーボンナノチューブ(carbon nanotube、CNT)を用いることができる。
このカーボンナノチューブは、炭素原子から構成される円筒形状の物質であり、1.5nm〜20nmの範囲の直径に対し、その長さは、数nm〜数μmの範囲とすることができる。その形態としては、円筒面が単層のシングルウォールタイプ(single wall carbon nanotube)や多層のマルチウォールタイプ(multiwall carbon nanotube)がある。
また、カーボンナノチューブは、柔軟性が高い性質を有する。それゆえ、湾曲させることも、元の伸びた状態に復元させることも自在にできる。
また、カーボンナノチューブは、柔軟性が高い性質を有する。それゆえ、湾曲させることも、元の伸びた状態に復元させることも自在にできる。
本発明において、第1のカーボンナノチューブ12は、上記の異物検出ができ、かつ、湾曲可能なものであれば、単層(シングルウォールタイプ)、多層(マルチウォールタイプ)のいずれでも用いることができ、その直径の大きさも特に制限されないが、その長さは、第2のカーボンナノチューブ13よりも長いものである。第1のカーボンナノチューブ12の長さは、例えば、数百nm程度(101nm〜999nmの範囲)である。
この第1のカーボンナノチューブ12の長さが、第2のカーボンナノチューブ13よりも長いものであるため、対象物の表面を走査する際には、この第1のカーボンナノチューブ12の先端(探針本体部11とは反対側の自由端)が、対象物の表面に最も接近することになり、高精度に表面観察することができる。
また高精度に表面観察するために、第1のカーボンナノチューブ12の本数は1本であることが好ましく、探針本体部11の先端に設けられていることが好ましい。
なお、本発明においては、第1のカーボンナノチューブ12が厳密に探針本体部11の先端に設けられていなくとも、対象物の表面を走査する際に、第1のカーボンナノチューブ12の先端が、対象物の表面に最も接近する状態になってさえいれば、特に制限なく用いることができる。
なお、本発明においては、第1のカーボンナノチューブ12が厳密に探針本体部11の先端に設けられていなくとも、対象物の表面を走査する際に、第1のカーボンナノチューブ12の先端が、対象物の表面に最も接近する状態になってさえいれば、特に制限なく用いることができる。
1本の第1のカーボンナノチューブ12を、探針本体部11の先端に形成する方法としては、例えば特開2005−308675号公報に記載のように、探針本体部11の先端表面にカーボン化合物を形成し、探針本体部11の先端に高エネルギービームを照射することにより、1本のカーボンナノチューブを成長形成させる方法を挙げることができる。
また、例えば特許第3441397号公報に記載のように、予め別の装置で形成したカーボンナノチューブを、マニピュレータを用いて探針本体部11の先端、若しくはその近傍に接着する方法を用いても良い。
また、例えば特許第3441397号公報に記載のように、予め別の装置で形成したカーボンナノチューブを、マニピュレータを用いて探針本体部11の先端、若しくはその近傍に接着する方法を用いても良い。
(第2のカーボンナノチューブ)
本発明において、第2のカーボンナノチューブ13は、異物と接触した際にファンデルワールス力によって異物を付着する作用を奏するものであり、その材料としては、上記の第1のカーボンナノチューブ12と同様に、一般に知られているカーボンナノチューブを用いることができる。
本発明において、第2のカーボンナノチューブ13は、異物と接触した際にファンデルワールス力によって異物を付着する作用を奏するものであり、その材料としては、上記の第1のカーボンナノチューブ12と同様に、一般に知られているカーボンナノチューブを用いることができる。
本発明において、第2のカーボンナノチューブ13は、上記の異物付着が可能なものであれば、単層(シングルウォールタイプ)、多層(マルチウォールタイプ)のいずれでも用いることができ、その直径の大きさも特に制限されないが、その長さは、上記の第1のカーボンナノチューブ12よりも短いものである。第2のカーボンナノチューブ13の長さは、例えば、10nm〜100nm程度の範囲である。
この第2のカーボンナノチューブ13の長さが、第1のカーボンナノチューブ12よりも短いものであるため、探針1を用いて対象物の表面を走査する際には、第1のカーボンナノチューブ12の先端が、対象物の表面に最も接近することになる。それゆえ、探針1が第2のカーボンナノチューブ13を有していても、この第2のカーボンナノチューブ13の存在によって、第1のカーボンナノチューブ12による高精度な表面観察が妨げられることは、通常生じない。
ここで、高精度な表面観察のために、第1のカーボンナノチューブ12の本数は1本であることが好ましいが、この第2のカーボンナノチューブ13の本数は1本である必要は無く、むしろ本数が多いほど異物と接触する表面積が大きくなり、ファンデルワールス力によって異物を付着する作用も増大することになる。
また、高精度な表面観察のために、第1のカーボンナノチューブ12は探針本体部11の先端に設けられていることが好ましいが、この第2のカーボンナノチューブ13は、探針本体部11の側面に設けられていることが好ましく、特に、探針本体部11の先端近傍の側面に設けられていることが好ましい。
後述するように、対象物の表面に存在する異物を除去する際には、第1のカーボンナノチューブ12を湾曲させてその側面を対象物の表面に押し付けた状態で、探針1を移動させて、探針1の先端近傍の側面(より詳しくは、探針1の先端近傍の側面に設けられた第2のカーボンナノチューブ13)を前記異物に接触させるからである(図6)。
後述するように、対象物の表面に存在する異物を除去する際には、第1のカーボンナノチューブ12を湾曲させてその側面を対象物の表面に押し付けた状態で、探針1を移動させて、探針1の先端近傍の側面(より詳しくは、探針1の先端近傍の側面に設けられた第2のカーボンナノチューブ13)を前記異物に接触させるからである(図6)。
このように、第1のカーボンナノチューブ12と第2のカーボンナノチューブ13は、例え同一材料から構成されるものであっても、本発明において異なる作用を奏するものである。
カーボンナノチューブを有する探針を用いて、高精度な表面観察と異物除去の双方を叶えようとする場合、本発明のように、1本の長いカーボンナノチューブ(すなわち、第1のカーボンナノチューブ)と複数本の短いカーボンナノチューブ(すなわち、第2のカーボンナノチューブ)を有する探針とすることが、必要になる。
カーボンナノチューブを有する探針を用いて、高精度な表面観察と異物除去の双方を叶えようとする場合、本発明のように、1本の長いカーボンナノチューブ(すなわち、第1のカーボンナノチューブ)と複数本の短いカーボンナノチューブ(すなわち、第2のカーボンナノチューブ)を有する探針とすることが、必要になる。
なお、図2に例示する探針1においては、複数本の第2のカーボンナノチューブ13は、いずれも同程度の長さになっているが、本発明においては、このような形態に限定されず、第1のカーボンナノチューブ12よりも短い長さであれば、それぞれ異なる長さであって良い。またその直径もそれぞれ異なる大きさであって良い。また、単層(シングルウォールタイプ)、多層(マルチウォールタイプ)の両タイプが混在していても良い。
また、図2に例示する探針1においては、複数本の第2のカーボンナノチューブ13は、探針本体部11の先端近傍の側面に均等に配設されているが、本発明においては、このような形態に限定されず、探針本体部11の側面全域に配設されていても良く、また、異物付着が可能な限り不均等に配設されていても良い。
複数本の第2のカーボンナノチューブ13を、探針本体部11の側面に形成する方法としては、例えば、公知のCVD法を用いて一度に多数のカーボンナノチューブを形成する方法を挙げることができる。また、上記のように、高エネルギービームを照射する方法により、1本ずつカーボンナノチューブを成長形成させる方法を挙げることもできる。また、予め別の装置で形成したカーボンナノチューブを、マニピュレータを用いて探針本体部11の側面に接着する方法を用いても良い。
本発明においては、先に第2のカーボンナノチューブ13を形成し、その後、第1のカーボンナノチューブ12を形成しても良く、逆に、第1のカーボンナノチューブ12を先に形成し、その後第2のカーボンナノチューブ13を形成しても良い。
本発明においては、先に第2のカーボンナノチューブ13を形成し、その後、第1のカーボンナノチューブ12を形成しても良く、逆に、第1のカーボンナノチューブ12を先に形成し、その後第2のカーボンナノチューブ13を形成しても良い。
(異物検出)
図1に戻り、第1のカーボンナノチューブ12及び第2のカーボンナノチューブ13を形成した探針1を有するカンチレバーを、原子間力顕微鏡に装着した後は、この探針1の第1のカーボンナノチューブ12の先端を対象物の表面に向けた状態で対象物の表面を走査して、対象物の表面に存在する異物を検出し、原子間力顕微鏡における異物の位置を特定する(S12)。この様子が図3に示されている。これにより基板20上のパターン21と異物22の顕微鏡像が得られる。
図1に戻り、第1のカーボンナノチューブ12及び第2のカーボンナノチューブ13を形成した探針1を有するカンチレバーを、原子間力顕微鏡に装着した後は、この探針1の第1のカーボンナノチューブ12の先端を対象物の表面に向けた状態で対象物の表面を走査して、対象物の表面に存在する異物を検出し、原子間力顕微鏡における異物の位置を特定する(S12)。この様子が図3に示されている。これにより基板20上のパターン21と異物22の顕微鏡像が得られる。
原子間力顕微鏡には種々の動作モードがあるが、それらはよく知られているので、ここでは簡単に説明しておく。コンタクトモードでは、探針の先端と対象物との間に斥力が働くほどに探針を対象物に近づけ、XY二次元走査において、この斥力が一定値となるようにフィードバック回路を働かせる。
他方、タッピングモード(商標)(インターミッテントコンタクトモードまたはサイクリックコンタクトモード)をはじめとするノンコンタクトモードでは、カンチレバーを、そのホルダーに取付けた励振圧電素子を用いて共振周波数近傍で大振幅強制振動させながら対象物に近づけると、カンチレバーの振動振幅または振動数に変化が生じることを利用して、XY方向走査をしながらこれらの変化をほぼ零にするようにフィードバック系を通して、カンチレバーまたはXY(Z)ステージを上下動させる。
他方、タッピングモード(商標)(インターミッテントコンタクトモードまたはサイクリックコンタクトモード)をはじめとするノンコンタクトモードでは、カンチレバーを、そのホルダーに取付けた励振圧電素子を用いて共振周波数近傍で大振幅強制振動させながら対象物に近づけると、カンチレバーの振動振幅または振動数に変化が生じることを利用して、XY方向走査をしながらこれらの変化をほぼ零にするようにフィードバック系を通して、カンチレバーまたはXY(Z)ステージを上下動させる。
本発明において、上記の異物検出工程(S12)には、コンタクトモード、またはノンコンタクトモードのどちらでも用いることが可能である。図3は、図1に示す異物検出工程(S12)において、探針1の第1のカーボンナノチューブ12が対象物(パターン21を有し、隣接するパターン21間に異物22が存在する基板20)の表面を走査する様子を示す図である。図3に示す破線が第1のカーボンナノチューブ12の先端の軌跡の概要を示している。これにより基板20のパターン21と異物22の顕微鏡像が得られる。
ここで、第1のカーボンナノチューブ12の先端部は、従来の原子間力顕微鏡に用いられてきた探針(例えばシリコン製の錐型探針)の先端部よりも通常小さいサイズであるため、従来の探針よりも高精度に表面観察することができる。
さらに、第1のカーボンナノチューブ12は柔軟性が高いため、例え対象物に接触してしまう事態が生じても、柔軟に湾曲することで自身の破損を防ぎ、かつ、対象物に損傷を与えることも防止できる。
さらに、第1のカーボンナノチューブ12は柔軟性が高いため、例え対象物に接触してしまう事態が生じても、柔軟に湾曲することで自身の破損を防ぎ、かつ、対象物に損傷を与えることも防止できる。
また、上述のように第1のカーボンナノチューブ12の長さは第2のカーボンナノチューブ13よりも長く、探針1を用いて対象物の表面を走査する際には、第1のカーボンナノチューブ12の先端が、対象物の表面に最も接近することになる。
それゆえ、探針1が第2のカーボンナノチューブ13を有していても、この第2のカーボンナノチューブ13の存在によって、第1のカーボンナノチューブ12による高精度な表面観察が妨げられることは、通常生じない。
それゆえ、探針1が第2のカーボンナノチューブ13を有していても、この第2のカーボンナノチューブ13の存在によって、第1のカーボンナノチューブ12による高精度な表面観察が妨げられることは、通常生じない。
なお、本発明においては、例えば、光学的な異物検出手段を備える異物検査装置等を用いて、予め対象物の表面に存在する異物の位置情報を取得しておき、その位置情報を利用して、探針1を備えた原子間力顕微鏡により、除去すべき異物を検出することが好ましい。原子間力顕微鏡により走査する領域を小さな範囲に限定でき、短時間で除去すべき異物を検出できるからである。
(第1のカーボンナノチューブ湾曲)
図1に戻り、除去すべき異物22を検出し、その位置を特定した後は、第1のカーボンナノチューブ12の先端を対象物の表面に押し付けて、第1のカーボンナノチューブ12を湾曲させる(S13)。この様子が図4に示されている。
図1に戻り、除去すべき異物22を検出し、その位置を特定した後は、第1のカーボンナノチューブ12の先端を対象物の表面に押し付けて、第1のカーボンナノチューブ12を湾曲させる(S13)。この様子が図4に示されている。
図4に例示するように、第1のカーボンナノチューブ12の先端を押し付ける場所は、異物22が存在する、パターン21に挟まれた基板20の表面であって、異物22からは離れた位置である。ここで、第1のカーボンナノチューブ12が異物22に接触しないようにするために、異物22から、第1のカーボンナノチューブ12の長さよりも離れた位置で、第1のカーボンナノチューブ12の先端を、基板20の表面に押し付けることが好ましい。
なお、先の異物検出工程(S12)において、異物22の位置、形状、大きさ等の情報は取得済みであるため、ここでは、例えばフィードバック制御を伴わない(フィードバック制御をオフした)コンタクトモードで探針1を駆動させればよい。
なお、先の異物検出工程(S12)において、異物22の位置、形状、大きさ等の情報は取得済みであるため、ここでは、例えばフィードバック制御を伴わない(フィードバック制御をオフした)コンタクトモードで探針1を駆動させればよい。
(異物付着)
図1に戻り、第1のカーボンナノチューブ12の先端を対象物の表面に押し付けて第1のカーボンナノチューブ12を湾曲させた後は、第1のカーボンナノチューブ12の側面を対象物の表面に押し付けた状態で、探針1を移動させて第2のカーボンナノチューブ13を対象物の表面に存在する異物22に接触させ、第2のカーボンナノチューブ13が有するファンデルワールス力によって、異物22を第2のカーボンナノチューブ13に付着させる(S14)。この様子が図5に示されている。
図1に戻り、第1のカーボンナノチューブ12の先端を対象物の表面に押し付けて第1のカーボンナノチューブ12を湾曲させた後は、第1のカーボンナノチューブ12の側面を対象物の表面に押し付けた状態で、探針1を移動させて第2のカーボンナノチューブ13を対象物の表面に存在する異物22に接触させ、第2のカーボンナノチューブ13が有するファンデルワールス力によって、異物22を第2のカーボンナノチューブ13に付着させる(S14)。この様子が図5に示されている。
ここで、第2のカーボンナノチューブ13が探針本体部11の表面に多数形成されていれば、異物22と接触する表面積は、第2のカーボンナノチューブ13が形成されていない探針本体部11が接触する場合に比べて著しく大きくなる。それゆえ、本発明においては、ファンデルワールス力によって異物22を付着する作用も、著しく増大することになる。
なお、先の異物検出工程(S12)において、異物22の位置、形状、大きさ等の情報は取得済みであるため、この異物付着工程(S14)においても、例えばフィードバック制御を伴わない(フィードバック制御をオフした)コンタクトモードで探針1を駆動させればよい。
ここで、第1のカーボンナノチューブ12を湾曲させる工程(S13)から異物22を第2のカーボンナノチューブ13に付着させる工程(S14)までの探針1の駆動は、異物22から離れた位置の対象物の表面に、第1のカーボンナノチューブ12の先端を接触させた後、第1のカーボンナノチューブ12を対象物の表面に押し付けつつ、探針本体部11の先端を異物22に近づけるように移動させることが好ましい。
このような駆動により、異物22とは反対の方向に第1のカーボンナノチューブ12が伸びることになり、第1のカーボンナノチューブ12に邪魔されることなく、第2のカーボンナノチューブ13によって異物22を除去することが、容易になるからである。
この様子が図6に示されている。ここで、図6は、湾曲させた第1のカーボンナノチューブ12と異物22との関係を示す概略平面図である。なお、煩雑となることを避けるため、図6においては、探針本体部11は、その先端近傍の外縁のみを記載している。
このような駆動により、異物22とは反対の方向に第1のカーボンナノチューブ12が伸びることになり、第1のカーボンナノチューブ12に邪魔されることなく、第2のカーボンナノチューブ13によって異物22を除去することが、容易になるからである。
この様子が図6に示されている。ここで、図6は、湾曲させた第1のカーボンナノチューブ12と異物22との関係を示す概略平面図である。なお、煩雑となることを避けるため、図6においては、探針本体部11は、その先端近傍の外縁のみを記載している。
図6に例示するように、パターン21間に溝状に露出する基板20の上に異物22が存在する場合、まず異物22から離れた位置(図中、破線円で示す位置)において、第1のカーボンナノチューブ12の先端を基板20の表面に接触させ、その後、第1のカーボンナノチューブ12を基板20の表面に押し付けつつ、探針1(図6においては探針本体部11)を異物22に近づけるように移動させると、第1のカーボンナノチューブ12の先端から順々に、第1のカーボンナノチューブ12の側面が対象物の表面に押し付けられた状態になって行き、異物22とは反対の方向に第1のカーボンナノチューブ12が伸びる形になる。
それゆえ、第2のカーボンナノチューブ13が第1のカーボンナノチューブ12より短くても、第1のカーボンナノチューブ12に邪魔されることなく、第2のカーボンナノチューブ13は異物22と接触することができ、第2のカーボンナノチューブ13によって異物22を除去することが、容易になる。
それゆえ、第2のカーボンナノチューブ13が第1のカーボンナノチューブ12より短くても、第1のカーボンナノチューブ12に邪魔されることなく、第2のカーボンナノチューブ13は異物22と接触することができ、第2のカーボンナノチューブ13によって異物22を除去することが、容易になる。
(離間)
図1に戻り、異物22を第2のカーボンナノチューブ13に付着させた後は、図7に示すように異物22を第2のカーボンナノチューブ13に付着させた状態で探針1を対象物の表面から離間させ、対象物から異物を除去する(S15)。この離間に伴い、湾曲していた第1のカーボンナノチューブ12は、その柔軟性から元の伸びた状態になる。
図1に戻り、異物22を第2のカーボンナノチューブ13に付着させた後は、図7に示すように異物22を第2のカーボンナノチューブ13に付着させた状態で探針1を対象物の表面から離間させ、対象物から異物を除去する(S15)。この離間に伴い、湾曲していた第1のカーボンナノチューブ12は、その柔軟性から元の伸びた状態になる。
このように、本発明においては、第1のカーボンナノチューブ12と第2のカーボンナノチューブ13を有する探針1を用いることで、原子間力顕微鏡を利用して、精度良く対象物の表面に存在する異物22を除去することができる。特に、第1のカーボンナノチューブ12の先端部は、従来の原子間力顕微鏡に用いられてきた探針(例えばシリコン製の錐型探針)の先端部よりも通常小さいサイズであるため、従来の探針よりも高精度に表面観察することができる。
そして、本発明に係る異物除去方法においては、上記の特許文献1に記載の方法のような別途洗浄等の工程を必要としないため、工程全体を短くすることが可能であり、スループットが向上するという効果を奏することもできる。
また、本発明においては、上記の特許文献2に記載の方法のような、吸引による振動の影響を受けないため、微細な異物に精度良くアプローチすることも容易である。例え、第1のカーボンナノチューブ12が対象物に接触してしまう事態が生じても、第1のカーボンナノチューブ12は柔軟性が高いため、柔軟に湾曲することで自身の破損を防ぎ、かつ、対象物に損傷を与えることも防止できる。
また、本発明においては、上記の特許文献2に記載の方法のような、吸引による振動の影響を受けないため、微細な異物に精度良くアプローチすることも容易である。例え、第1のカーボンナノチューブ12が対象物に接触してしまう事態が生じても、第1のカーボンナノチューブ12は柔軟性が高いため、柔軟に湾曲することで自身の破損を防ぎ、かつ、対象物に損傷を与えることも防止できる。
(異物除去確認)
本発明においては、上記の離間工程(S15)までの工程を経ることにより、原則、異物22は対象物から除去されることになるが、実際に異物22が除去されたか否かの確認も、フォトマスク等の製造においては必要になる。
ここで従来は、例えば上記の特許文献1のように、異物が除去されたことの確認を、異物を除去する工程とは別に実施する必要があり、工程全体が長くなってスループットが低下するという問題があった。
本発明においては、上記の離間工程(S15)までの工程を経ることにより、原則、異物22は対象物から除去されることになるが、実際に異物22が除去されたか否かの確認も、フォトマスク等の製造においては必要になる。
ここで従来は、例えば上記の特許文献1のように、異物が除去されたことの確認を、異物を除去する工程とは別に実施する必要があり、工程全体が長くなってスループットが低下するという問題があった。
一方、本発明においては、上記の離間工程(S15)の後に、異物22を第2のカーボンナノチューブ13に付着させた状態の探針1を用いて、第1のカーボンナノチューブ12の先端を対象物の表面に向けた状態で対象物の表面を走査して、対象物の表面から異物22が除去されたことを確認することもできる(S16)。
すなわち、本発明においては、異物22が除去されたことの確認を、異物22を除去する工程に続いて、同じ装置内で一連の工程として実施することができ、工程全体を短くすることが可能であり、よりスループットが向上するという効果を奏することもできる。
この様子が図8に示されている。
すなわち、本発明においては、異物22が除去されたことの確認を、異物22を除去する工程に続いて、同じ装置内で一連の工程として実施することができ、工程全体を短くすることが可能であり、よりスループットが向上するという効果を奏することもできる。
この様子が図8に示されている。
図8に例示するように、上記の離間工程(S15)を経た後の第1のカーボンナノチューブ12は元の伸びた状態になっている。そして、この伸びた状態の第1のカーボンナノチューブ12により、上記の異物検出工程(S12)と同様にして、対象物の表面を走査して、対象物の表面から異物22が除去されたことを確認する。
ここで、第2のカーボンナノチューブ13に付着させた異物22は、第1のカーボンナノチューブ12の先端及び対象物表面から離れた位置にある。それゆえ、この異物除去確認工程(S16)においては、付着させた異物22が第1のカーボンナノチューブ12による走査に影響を及ぼすことを抑制して、高精度に、対象物の表面から異物22が除去されたことを確認することができる。
そして、異物22が除去されたこと、すなわち、対象物の表面から異物22が消失していることが確認された場合は、図1に示す一連の工程が終了することになる。
ここで、第2のカーボンナノチューブ13に付着させた異物22は、第1のカーボンナノチューブ12の先端及び対象物表面から離れた位置にある。それゆえ、この異物除去確認工程(S16)においては、付着させた異物22が第1のカーボンナノチューブ12による走査に影響を及ぼすことを抑制して、高精度に、対象物の表面から異物22が除去されたことを確認することができる。
そして、異物22が除去されたこと、すなわち、対象物の表面から異物22が消失していることが確認された場合は、図1に示す一連の工程が終了することになる。
一方、異物22が残存している場合は、図1に示すように、上記の第1のカーボンナノチューブ湾曲工程(S13)に戻り、再度、異物付着工程(S14)、離間工程(S15)、異物除去確認工程(S16)を施し、異物22が除去されたことが確認されるまで、この一連の工程(S13〜S17)を繰り返す。
なお、対象物の他の箇所にも別の異物が存在している場合は、上記の異物22の除去後、その別の異物が存在している箇所で、上記の異物22の除去と同様の工程を施して、その別の異物を除去することができる。
<異物除去装置>
次に、本発明に係る異物除去装置について説明する。
本発明に係る異物除去装置は、カンチレバーの先端部に上記の探針1を備えており、さらに、第1のカーボンナノチューブ12の先端を対象物の表面に向けた状態で対象物の表面を走査する機構と、対象物の表面の形状に関する情報を取得する機構と、第1のカーボンナノチューブ12の先端を対象物の表面に押し付けて第1のカーボンナノチューブ12を湾曲させる機構と、第1のカーボンナノチューブ12を湾曲させて第1のカーボンナノチューブ12の側面を対象物の表面に押し付けた状態で、探針1を移動させて第2のカーボンナノチューブ13を対象物の表面に存在する異物に接触させる機構と、探針1を対象物の表面から離間させる機構と、を備えるものである。
次に、本発明に係る異物除去装置について説明する。
本発明に係る異物除去装置は、カンチレバーの先端部に上記の探針1を備えており、さらに、第1のカーボンナノチューブ12の先端を対象物の表面に向けた状態で対象物の表面を走査する機構と、対象物の表面の形状に関する情報を取得する機構と、第1のカーボンナノチューブ12の先端を対象物の表面に押し付けて第1のカーボンナノチューブ12を湾曲させる機構と、第1のカーボンナノチューブ12を湾曲させて第1のカーボンナノチューブ12の側面を対象物の表面に押し付けた状態で、探針1を移動させて第2のカーボンナノチューブ13を対象物の表面に存在する異物に接触させる機構と、探針1を対象物の表面から離間させる機構と、を備えるものである。
換言すれば、本発明に係る異物除去装置は、カンチレバーの先端部に設けられる探針として、上記の第1のカーボンナノチューブ12と第2のカーボンナノチューブ13を有する探針1が設けられている原子間力顕微鏡である。
図9は、本発明に係る異物除去装置の構成例について示す図である。
図9に示すように、異物除去装置50は、X、Y方向に移動可能なXYステージ51を備えており、対象物(例えば、パターン21を有する基板20)は、このXYステージ51に搭載される。
図9に示すように、異物除去装置50は、X、Y方向に移動可能なXYステージ51を備えており、対象物(例えば、パターン21を有する基板20)は、このXYステージ51に搭載される。
先端部に探針1を有するカンチレバー2は、駆動部52に連結する保持部(図示略)により保持され、駆動部52により保持部とともに上下方向(Z方向)に駆動される。駆動部52は圧電素子を含む。
カンチレバー2の先端部の上下方向(Z方向)の動き(振動)は検知部53によって検知される。検知部53は、例えば、カンチレバー2の表面に光を照射し、その反射光を受光することによりカンチレバー2の上下方向の位置を検知するものである。
検知部53の検知信号は制御部54に与えられ,これに基づいて制御部54が駆動部52による駆動(上下方向移動または振動)を制御する。
検知部53、制御部54、駆動部52はフィードバック制御系を構成する。制御部54は、XYステージ51によるX、Y方向の移動も制御する。XYステージ51に上下方向(Z方向)駆動機構を設け、検知部53、制御部54、駆動部52、及びXYステージ51(Z方向駆動)との間にフィードバック制御系を設けてもよい。
制御部54には記憶部55が接続されており、この記憶部55に、制御部54による制御結果、すなわちX、Y方向の位置とZ方向の位置が記憶される。この記憶されたデータに基づいて、対象物表面の形状の像(顕微鏡像)が作成される。
このような機構を備えるため、この異物除去装置50を用いることで、上記の本発明に係る異物除去方法を実施することができる。
以上説明したように、本発明においては、第1のカーボンナノチューブ12と第2のカーボンナノチューブ13を有する探針1を備えた原子間力顕微鏡を用いて、精度良く対象物の表面に存在する異物22を除去することができる。特に、第1のカーボンナノチューブ12の先端部は、従来の原子間力顕微鏡に用いられてきた探針(例えばシリコン製の錐型探針)の先端部よりも通常小さいサイズであるため、従来の探針よりも高精度に表面観察することができる。
そして、本発明に係る異物除去方法においては、上記の特許文献1に記載の方法のような別途洗浄等の工程を必要としないため、工程全体を短くすることが可能であり、スループットが向上するという効果を奏することもできる。
また、本発明においては、上記の特許文献2に記載の方法のような、吸引による振動の影響を受けないため、微細な異物に精度良くアプローチすることも容易である。例え、第1のカーボンナノチューブ12が対象物に接触してしまう事態が生じても、第1のカーボンナノチューブ12は柔軟性が高いため、柔軟に湾曲することで自身の破損を防ぎ、かつ、対象物に損傷を与えることも防止できる。
また、本発明においては、上記の特許文献2に記載の方法のような、吸引による振動の影響を受けないため、微細な異物に精度良くアプローチすることも容易である。例え、第1のカーボンナノチューブ12が対象物に接触してしまう事態が生じても、第1のカーボンナノチューブ12は柔軟性が高いため、柔軟に湾曲することで自身の破損を防ぎ、かつ、対象物に損傷を与えることも防止できる。
以上、本発明に係る異物除去方法、異物除去装置、及び探針について、それぞれの実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一の構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなる場合であっても本発明の技術的範囲に包含される。
1 探針
2 カンチレバー
11 探針本体部
12 第1のカーボンナノチューブ
13 第2のカーボンナノチューブ
20 基板
21 パターン
22 異物
50 異物除去装置
51 XYステージ
52 駆動部
53 検知部
54 制御部
55 記憶部
2 カンチレバー
11 探針本体部
12 第1のカーボンナノチューブ
13 第2のカーボンナノチューブ
20 基板
21 パターン
22 異物
50 異物除去装置
51 XYステージ
52 駆動部
53 検知部
54 制御部
55 記憶部
Claims (6)
- 原子間力顕微鏡を用いて、カンチレバーの先端部に設けられた探針で対象物の表面に存在する異物を除去する方法であって、
前記探針として、第1のカーボンナノチューブと前記第1のカーボンナノチューブよりも短い第2のカーボンナノチューブを有する探針を用い、
前記第1のカーボンナノチューブの先端を前記対象物の表面に向けた状態で前記対象物の表面を走査して、前記対象物の表面に存在する異物を検出する異物検出工程と、
前記第1のカーボンナノチューブの先端を前記対象物の表面に押し付けて前記第1のカーボンナノチューブを湾曲させる湾曲工程と、
前記第1のカーボンナノチューブを湾曲させて前記第1のカーボンナノチューブの側面を前記対象物の表面に押し付けた状態で、前記探針を移動させて前記第2のカーボンナノチューブを前記対象物の表面に存在する異物に接触させ、前記異物を前記第2のカーボンナノチューブに付着させる異物付着工程と、
前記異物を前記第2のカーボンナノチューブに付着させた状態で、前記探針を前記対象物の表面から離間させる離間工程と、
を備えることを特徴とする異物除去方法。 - 前記離間工程の後に、
前記異物が前記第2のカーボンナノチューブに付着した状態の前記探針を用いて、前記第1のカーボンナノチューブの先端を前記対象物の表面に向けた状態で前記対象物の表面を走査して、前記対象物の表面から前記異物が除去されたことを確認する異物除去確認工程を、
備えることを特徴とする請求項1に記載の異物除去方法。 - カンチレバーの先端部に設けられ、第1のカーボンナノチューブと前記第1のカーボンナノチューブよりも短い第2のカーボンナノチューブを有する探針と、
前記第1のカーボンナノチューブの先端を対象物の表面に向けた状態で前記対象物の表面を走査する機構と、
前記カンチレバーの上下方向の位置を検知して前記対象物の表面の形状に関する情報を取得する機構と、
前記第1のカーボンナノチューブの先端を前記対象物の表面に押し付けて前記第1のカーボンナノチューブを湾曲させる機構と、
前記第1のカーボンナノチューブを湾曲させて前記第1のカーボンナノチューブの側面を前記対象物の表面に押し付けた状態で、前記探針を移動させて前記第2のカーボンナノチューブを前記対象物の表面に存在する異物に接触させる機構と、
前記探針を前記対象物の表面から離間させる機構と、
を備えることを特徴とする異物除去装置。 - カンチレバーの先端部に設けられる探針であって、第1のカーボンナノチューブと前記第1のカーボンナノチューブよりも短い第2のカーボンナノチューブを有することを特徴とする探針。
- 前記第1のカーボンナノチューブの本数が1本であり、前記第2のカーボンナノチューブを複数本有することを特徴とする請求項4に記載の探針。
- 前記第1のカーボンナノチューブが前記探針の本体部の先端に設けられており、前記第2のカーボンナノチューブが前記探針の本体部の側面に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の探針。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014213372A JP2016080926A (ja) | 2014-10-20 | 2014-10-20 | 異物除去方法、異物除去装置、及び探針 |
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Publications (1)
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---|---|
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ID=55958570
Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016080926A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109239405A (zh) * | 2018-07-24 | 2019-01-18 | 西安交通大学 | 一种原子力显微镜探针的制备方法 |
WO2022128246A1 (en) * | 2020-12-18 | 2022-06-23 | Asml Netherlands B.V. | Cleaning apparatus and method |
-
2014
- 2014-10-20 JP JP2014213372A patent/JP2016080926A/ja active Pending
Cited By (2)
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CN109239405A (zh) * | 2018-07-24 | 2019-01-18 | 西安交通大学 | 一种原子力显微镜探针的制备方法 |
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