JP2007322363A - プローブ構造体及び走査型プローブ顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 1)観測用探針と作業用探針の距離と高さの違いを事前に測定する。2)作業用探針が、観測用探針の走査の軌跡になるべく近いところを走査するように走査方向を決定する。3)作業用探針が、試料の突起部を通過する前に探針引き上げ量を突起部高さ以上に設定し、引き上げて測定する。
【選択図】 図1
Description
また、走査型プローブ顕微鏡は、3次元位置決め機構としても正確であることから、この性能を活かした微少部分の加工装置としての提案もされている。
AFMピンセットの技術としては、例えば、シリコンの探針上に2本のカーボンナノチューブを取り付けた技術やガラスチューブにカーボンナノチューブを取りつけた技術、シリコン基板よりMEMSのプロセスでカンチレバー2本を作成した技術などが提案されている。前2者の従来技術によるピンセットは、2本のカーボンナノチューブ探針の間に静電気を印加させピンセットの開閉を行う技術である。後者のMEMSで作成したAFMピンセットは、メムスのプロセスを利用して2本のカンチレバーを作成し、把持するために櫛歯状の静電アクチュエータを構成した技術や、一方のカンチレバーの根元に電流を流して発熱させ、シリコンの線膨張を拡大し駆動に使用した技術などが提案されている。(例えば特許文献1を参照。)
また、ピンセット構造(ピンセット作業が行える構造)を採用してもよい。具体的には、観察用のプローブの少なくとも一本と非観察用のプローブの少なくとも一本とが、それらによって試料を担持できるように構成してもよい。また、複数の非観察用のプローブの複数本同士が、それらによって試料を担持できるように構成してもよい。
このように、本発明に係るプローブ構造体を採用すれば、観察用のプローブと作業用のプローブとが一体となり、交換等なしに、場合によっては同時に、それぞれの目的にそって使用(観察・作業)することが可能となる。
このように、上記走査型プローブ顕微鏡は、上記プローブ構造体を備えており、各プローブをその目的に従って逐次又は同時に作動させる構成を採用しているため、上記したような作用を奏する。
このような構成を採用した場合には特に、観察用のプローブを使用して試料の観察を行う際に、他のプローブと試料とが互いに影響を及ぼさないように、観察を行っているプローブと試料との相対的な位置関係、つまりはプローブ構造体と試料との位置関係を制御する制御手段を備えるとよい。他のプローブが、試料表面の凹凸に引っかかるなどして相互に影響を及ぼしあってしまい、例えば試料の突起部を散乱させたり移動させたりしてしまうことが防げるからである。当然、試料表面の凹凸によってプローブの特に探針が影響を受けることも防げる。
このような構成としては、例えば、2本のカンチレバーの内の1本に光てこ系などの変位検出系を取り付け、観察用に使用し、例えば試料の位置合わせを行うようにし、試料を把持する側の(他の)カンチレバーは、独自に変位検出系を持たず、観測する側のプローブに追従して試料面を移動するような構成も当然含まれる。この構成において、他のカンチレバーは、ピンセットのギャップ幅(一般に2〜3μm程度)分離れた観測用プローブと同期して上下することとなる。制御手段は、走査方向における試料表面の凹凸情報に基づき、他のカンチレバーの下に突起物が来る場合には、試料表面とプローブ構造体の位置関係を制御し、試料と他のカンチレバー(一般にはその探針)とが衝突するなどの影響を及ぼしあわないようにする。なお、観測用のカンチレバーの下に突起物(試料表面におけるプローブ側に凸の部分)が来た場合には、観測用カンチレバーの撓みを変位検出系が感知し、Zスキャナーを上下させて(Z方向にプローブ構造体を移動させて)突起物を回避するといった公知の応答を行えばよい。
・観察に用いられているプローブと他のプローブとの位置関係が記憶されている。つまり、いずれかのプローブを基準として、各プローブの上記XYZ方向の座標が記憶されている。この情報のことを適宜「プローブ相対位置情報」と表記する。
・観察用のプローブを用いて作成された試料表面の情報から、試料表面の凹凸形状を把握している。つまり、試料表面の凹凸情報など、いわゆる試料表面情報を把握(一般には入力)されている。なお、凹凸形状とは、繰り返しになるが、物理的な凹凸形状としてもよく、磁気的な凹凸形状や電気的な凹凸形状であってもよく、複数の尺度を勘案した凹凸形状であってもよい。
・プローブ相対位置情報と試料表面情報とを用い、観察に用いていないプローブと試料とが互いに影響しあう、試料表面における相対的な位置を判断する。
・影響すると判断した試料表面における相対的な位置に、対象となるプローブがさしかかった場合に、プローブ構造体と試料との相対的な距離を制御して互いが影響しないようにする。一般には、いわゆるZ軸方向の移動を行い、試料表面の凸部を回避する。ただし、XY平面方向の移動によってこれを回避してもよく、XYZ方向の移動(すなわち試料表面に対して斜め方向の移動)によってこれを回避してもよい。
以上のような制御を行えば、上記構成のプローブ構造体を備えた走査型プローブ顕微鏡においても、観察に用いていないプローブと試料とが影響しあってしまう(悪影響を与えてしまう)ことを効果的に防ぐことができる。また、このような場合にのみ上記制御を行うので、その他の部分においては観察用のプローブを用いた試料観察を行うことができる。つまり、単一のZサーボ系(Z微動機構)を用いたとしても、把持用のプローブによって基板上の試料を散乱することがないため、観察用のプローブを用いた大領域の走査から所定の領域の走査まで正確に観察ができるような走査型プローブ顕微鏡も提供できる。この顕微鏡は当然、試料観察の結果を用いて、所定の試料を極めて正確に把持することが可能となり、制御性の極めて良いAFMピンセット機能を備えた顕微鏡となる。
・観測用のプローブと任意のプローブの、互いの探針の略先端を結んだ方向を走査方向Xとし、この方向に直交し、試料表面を平面と設定した際の当該平面と平行な平面上の方向を方向Yとし、制御手段は、X軸を基準とする各プローブのY方向のズレ量が記憶されて、観察に用いられているプローブと他のプローブとの位置関係を把握する。またZ方向のズレ量が記憶されていてもよく、好適には両者が記憶される。
このことは、一般に試料表面を基準として規定されるXYZ座標を用いて、各プローブの位置関係を把握するということと等価でもある。この場合は、X座標、Y座標、Z座標の値すべてを記憶されて、その値を用いて制御するようにすることが好ましい。
・観察用のプローブを用いて試料を観察する際に、画素ごとに観察用プローブの探針を試料に接近させ、観察用のプローブが試料面と接触した際の撓みが設定値以上になった際の試料とプローブ構造体との距離に基づいて前記画素における試料表面の高さの情報を作成し、制御手段がプローブ構造体と試料との位置を離した際に、その距離に応じて観測用のプローブの振幅を大きくして、当該プローブによって試料の観測を続行するようにする。
このような制御をすることにより、非観察用のプローブと試料との影響を避けるために、プローブ構造体と試料との距離を離す制御を行っても、その際に観察用のプローブを用いた観察が行うことが可能となる。
[構造]
本発明に係る第一のプローブ構造体(カンチレバーアレー)の模式図を図1に示す。図1に示すように、第一のプローブ構造体(カンチレバーアレー)1は、プローブ担体10に観察用のプローブ11と非観察用のプローブである担持用プローブ12が設けられている。第一のプローブ構造体1においては、両プローブ11、12は、それぞれプローブ担体10と脱着可能に構成されている。脱着機構としては、公知の物同士の脱着機構を適宜採用することができる。
次に、第一の走査型プローブ顕微鏡による観察方法を、特に当該顕微鏡並びにその制御手段によるプローブ構造体1の制御方法を中心に説明する。なお、本明細書においては、特許請求の範囲における「制御手段」による制御も他の制御も、走査型プローブ顕微鏡による制御として記載するが、その本質において特許請求の範囲における記載と何ら異なるものではない。
(両プローブの位置関係把握)
第一の走査型プローブ顕微鏡は、観察用のプローブ11と担持用プローブ12の位置関係を把握する。具体的には、XYZ座標における両者の位置(距離とZ軸高さ)を把握すればよい。把握の仕方としては種々の手法が採用できるが、例えば以下のような手法も採用できる。以下の手法を組み合わせて、その平均値をとるなどすることで、正確な位置関係を把握するような構成にすることも当然にできる。
・第一のプローブ構造体1の設計情報から、両者の位置関係を把握する(又は記憶される)。
・両者の状態をSEM等を用いたデータ(写真)から求める(又は計算する/入力される)。
・XY方向の距離は、観察用のプローブ11によって位置合わせ用の試料(ボード)を測定し、次いで把持用プローブ12についても同様の測定を行い、両測定から得られた試料の画像を用いて、2つのプローブの針先の距離を把握する(又は計算する/入力される)。Z方向の高さは、シリコンウエハーなどの平らの基板を傾きがないように設置し、それぞれのプローブでZ粗動を行い、フォースエリアに入る時のZ粗動のステップモータのパルス数より求めることもできる。
第一の走査型プローブ顕微鏡は、観察用のプローブ11を用いた走査方向を決定する(又は入力される)。本実施例においては、観察用のプローブ11の軌跡を把持用プローブ12がトレースするように走査方向を決定する。具体的には、各プローブ11、12の探針の略先端を結んだ線に略平行な方向を走査方向とする。
第一の走査型プローブ顕微鏡は、観察用のプローブ11を用いて、前記走査の方向にコンタクトモードで走査を行う。
観測用のプローブ11は、試料の凹凸に従いプローブ(カンチレバ−)の撓みが変わり、サーボ系が働く。そして、Z方向に設けられたピエゾが伸縮することで、試料の凹凸を回避しながら形状を測定する。
観察用のプローブ11が試料の凸部を測定後、把持用プローブ12の探針がこの凸部に差し掛かるまでの時間遅れは、観測用のプローブ11と把持用プローブ12の距離と、走査スピードとを勘案することで推定される。このように推定された時間において(担持用プローブ12と試料とが互いに衝突するなど影響しあうと推定される位置関係にある場合において)、把持用プローブ12が凸部を通過する時間だけZ軸微動機構(Zスキャナー)によって、第一のプローブ構造体を、担持用プローブ12が凸部と影響しあわなくする分以上、試料から引き離す。これによって、把持用プローブ12が試料の凸部に引っ掛かるなど、非観察用のプローブと試料とが、観察用のプローブを用いて観察を行っている際に(走査中に)、互いに影響しあうということを防止できる。
以上の処理について、本願発明者らが実際に制作し、測定した各プローブ11、12と試料Sとの位置関係を示した図2乃至図4を用いてより詳細に説明する。
・プローブ11、12の探針間の相対距離(X軸方向の距離)は4μmとした。
・観測用のプローブ11と把持用プローブ12の共振周波数は異なるものを採用した。そのため、観測用のプローブ(カンチレバー)11を共振させ、試料Sの像を確認し、位置合わせを行った。
・試料S表面Ssと観察用のプローブ11探針先端11pとのZ方向の距離は、観察用のプローブ11の共振の振幅(A0)程度とした。一般には、最大100nm程度とする。
・把持用プローブ12は、試料面Ssからおよそこの距離(フライングハイトFd、=A0)となる。第一のプローブ構造体は上記した構造を有しているため、当然、担持用のプローブ12は、観察用のプローブ11に同期してZ方向に移動する。
・走査方向は、図2に示す断面模式図において矢印で示す左方向とした。つまり、観察用のプローブ11と担持用のプローブ12との両先端を結んだ方向において、観察用のプローブ11の方が進行方向(走査方向)前側に位置するようにした。
つまり、把持する試料の位置を特定する際に基板の広い領域を走査し、その後所定の位置をズームアップして、2本のプローブの間に試料を挿入させ、把持用プローブを動かし試料の把持を行うことが実質的に可能となった。それは、把持用のプローブを観測用のプローブに追従して移動させる、プローブ担体を構成する上で実際的に実現性のある構成を提供し、さらには、観測中に担持用のプローブによって試料を移動・散乱させることを極めて有効に防止できるからである。試料の観察結果を用いて、把持用のプローブと試料とが影響しあってしまう位置を予測し、プローブ担体を引き上げるからである。その結果、観察用のプローブによって観察した後に試料の状態が担持用のプローブによって変化してしまうことを防止できるため、試料の情報をより正確に把握できるようになり、その結果、試料の特定部位(目標位置)を確実に把持できるようになった。
また、1組のZサーボ系(一つのZ軸微動機構)によって2本以上のプローブの制御を行う、実質的に実現可能な構成を提供することが可能となった。
次に、本発明に係る第二のプローブ構造体並びにこれを装着した第二の走査型プローブ顕微鏡について説明する。
第二のプローブ構造体は、第一のプローブ構造体と同等の構造を備え、また、第二の走査型プローブ顕微鏡は、基本的に第一の走査型プローブ顕微鏡と同等の制御を行う。ただし、担持用のプローブが試料表面の凸部を通過する制御する際の、観察用のプローブの制御方法(観察方法)が以下のようにされた点が異なり、この構成の相違により、より優れた効果を奏する。
第三のプローブ構造体は、第一のプローブ構造体と同等の構造を備え、また、第三の走査型プローブ顕微鏡は、基本的に第一の走査型プローブ顕微鏡と同等の制御を行うが、観察用のプローブを用いた試料の観察方法が、プローブの探針を常に試料に接触させて観察するコンタクトモードを採用した点が異なる。すなわち、コンタクトモードにおいて特に優れた方法である。
図5に、第四のプローブ構造体を示す。第四のプローブ構造体2は、観察用のプローブ(カンチレバー)である第1のプローブ21、担持用のプローブである第2のプローブ22、その他の非観察用のプローブであって本例では所定の作業用のプローブである第3のプローブ23...第(i+1)のプローブ2(i+1)がプローブ担体(カンチレバーアレー)20に担持された構造をとる。各プローブは、第一〜第三のプローブ構造体におけるプローブと同様に、それぞれプローブ担体20から脱着可能であってもよく、固定されていてもよい。第一のプローブと第二のプローブとの間隔、より正確には両者の探針間の間隔をPl1、第二のプローブと第三のプローブとの間隔をPl2...第iのプローブと第i+1のプローブとの間隔をPliとする。各プローブの長さは、付された番号が大きくなればなるほど短くなるようにした。つまり、第1のプローブの長さ≧第2のプローブ≧....≧第iのプローブ≧第i+1のプローブという長さの関係となる。
観察用のプローブ(第1のプローブ)でライン走査を行うと、前記同様に試料の突起(凸部)の高さDとX方向の広がりXlが測定できる。観測用探針が通り過ぎてから、PL1/Vx時間経過後に、プローブ担体の引き上げ量をD以上にしてXl/Vx時間以上保持すれば、把持用のプローブ(第2のプローブ)は、凸部の上方を通過し、両者の衝突を防げる。これと同様の処理を、第1のプローブと第iのプローブとの間で随時行う。具体的には、第i番目のプローブについては、(ΣPli−1/Vx)+Round[(Yi/Yl)]*(L/Vx)時間経過後に後に、引き上げ量をD以上にしてXl/Vx時間以上保持すれば、第2のプローブと同様、第iのプローブは、凸部の上方を通過し、凸部と衝突しない。なお、Round[m]という関数は、mを整数化する関数である。
プローブ担体を引き上げた場合に、プローブの振幅を、引き上げない場合と比べて必要なだけ大きくし、観察用のプローブが試料の情報を良好に取得できるようにしてもよい。
Z方向の制御によって凸部等を回避するだけでなく、XY方向やXYZ方向を総合的に勘案して回避することも当然に可能である。
1)観測用探針と作業用探針の距離と高さの違いを事前に測定する。
2)作業用探針が、観測用探針の走査の軌跡になるべく近いところを走査するように走査方向を決定する。
3)作業用探針が、試料の突起部を通過する前に探針引き上げ量を突起部高さ以上に設定し、引き上げて測定する。
Claims (17)
- 少なくとも一本の観察用のプローブと、一又は複数本の非観察用のプローブとを備え、走査型プローブ顕微鏡に装着されて、当該装置において、一本又は複数本(全部を含む。)のプローブがその目的に沿って同時に使用される、走査型プローブ顕微鏡に用いられるプローブ構造体。
- 前記プローブの内の一本又は複数本(全部を含む。)を前記構造体に脱着する機構が備えられた、請求項1に記載のプローブ構造体。
- 非観察用のプローブの内の一本又は複数本(全部を含む。)が、試料に対して加工を行うための作業用のプローブである、請求項1又は2に記載のプローブ構造体。
- 作業用のプローブの一本又は複数本(全部を含む。)が、試料を切断する構造を備えたプローブである、請求項3に記載のプローブ構造体。
- 観察用のプローブの少なくとも一本と非観察用のプローブの少なくとも一本とが、それらによって試料を担持するように構成された、請求項1から4のいずれか一項に記載のプローブ構造体。
- 複数の非観察用のプローブが、それらによって試料を担持するように構成された、請求項1から5のいずれか一項に記載のプローブ構造体。
- 請求項1から6のいずれか一項に記載のプローブ構造体を備え、観察用のプローブで試料の観察を行い、観察結果を用いて非観察用のプローブによって当該プローブの用途に沿った作業を行う、走査型プローブ顕微鏡。
- 前記走査型プローブ顕微鏡は、観察用のプローブを使用して試料の観察を行う際に、他のプローブと試料とが互いに影響を及ぼさないように各プローブ及びプローブ構造体の少なくとも一方の試料との位置関係を制御する、請求項7に記載の走査型プローブ顕微鏡。
- 前記プローブ構造体は、非使用時における任意の一本の観察用プローブの位置を基準として他のプローブの相対的位置が略固定されており、
前記走査型プローブ顕微鏡は、観察用のプローブを使用して試料の観察を行う際に、他のプローブと試料とが互いに影響を及ぼさないように、観察を行っているプローブと試料との相対的な位置関係を制御する制御手段を備えた、請求項7に記載の走査型プローブ顕微鏡。 - 前記制御手段は、プローブ構造体及び試料を担持した台の少なくとも一方を相対的に移動させて前記した制御を行う、請求項9に記載の走査型プローブ顕微鏡。
- 前記プローブ構造体が、観測用のプローブと非観測用のプローブとをそれぞれ一本ずつ備え、
観察用のプローブが、各プローブの探針の略先端を結んだ直線に略平行に走査するようにし、
前記制御手段は、観察用のプローブを用いた試料の情報に基づいて非観測用のプローブと試料とが互いに影響を及ぼさないように、プローブ構造体と試料との位置を制御する、請求項9又は10に記載の走査型プローブ顕微鏡。 - 前記制御手段は、
観察に用いられているプローブと他のプローブとの位置関係を記憶され、
観察用のプローブを用いて作成された試料表面の情報から、試料表面の凹凸形状を把握し、
これらの情報から、観察に用いていないプローブと試料とが互いに影響しあう試料表面における位置を判断し、
影響すると判断した試料表面における位置に対象となるプローブが位置する際に、プローブ構造体と試料との相対的な距離を制御して互いが影響しないようにする、請求項9又は10に記載の走査型プローブ顕微鏡。 - 前記制御手段は、観察に用いていないプローブと試料とが互いに影響し合う試料表面における位置の代わりに、互いに衝突する位置を判断し、
衝突すると判断した試料表面における位置に対象となるプローブが位置する際に、プローブ構造体と試料との相対的な距離を制御して互いが衝突しないようにする、請求項12に記載の走査型プローブ顕微鏡。 - 観測用のプローブと任意のプローブの、互いの探針の略先端を結んだ方向を走査方向Xとし、この方向に直交し、試料表面を平面と設定した際の当該平面と平行な平面上の方向を方向Yとし、
制御手段は、X軸を基準とする各プローブのY方向のズレ量が記憶されて、観察に用いられているプローブと他のプローブとの相対的位置関係を把握する、請求項12又は13に記載の走査型プローブ顕微鏡。 - 観測用のプローブと任意のプローブの、互いの探針の略先端を結んだ方向を走査方向Xとし、この方向に直交し、試料表面を平面と設定した際の当該平面と平行な平面上の方向を方向Yとし、X及びYそれぞれに直交する方向をZとし、
制御手段は、X軸を基準とする各プローブのY方向のズレ量及びZ方向のズレ量が記憶されて、観察に用いられているプローブと他のプローブとの位置関係を把握する、請求項12又は13に記載の走査型プローブ顕微鏡。 - 前記走査型プローブ顕微鏡は、
観察用のプローブを用いて試料を観察する際に、画素ごとに観察用のプローブの探針を試料に接近させ、当該プローブの共振による振幅を試料との相互作用によって減衰させ、振幅が設定値以下になった際の試料とプローブ構造体との相対的距離に基づいて前記画素における試料表面の高さの情報を作成し、
制御手段がプローブ構造体と試料との位置を離した際に、その距離に応じて観測用のプローブの振幅を大きくして、当該プローブによって試料の観測を行う、請求項9から14のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。 - 前記走査型プローブ顕微鏡は、観察用のプローブを用いて試料を観察する際に、画素ごとに観察用プローブの探針を試料に接近させ、観察用のプローブが試料面と接触した際の撓みが設定値以上になった際の試料とプローブ構造体との距離に基づいて前記画素における試料表面の高さの情報を作成し、
制御手段がプローブ構造体と試料との位置を離した際に、その距離に応じて観測用のプローブの振幅を大きくして、当該プローブによって試料の観測を行う、請求項9から14のいずれか一項に記載の走査型プローブ顕微鏡。
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