JP2016080040A - 歯車駆動伝達装置、及び画像形成装置 - Google Patents

歯車駆動伝達装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動用歯車と被駆動用歯車のかみ合い周波数における振動モードを、適切な状態である同相に設定することで、かみ合い時に発生する回転方向の振動(回転ムラ)や、歯車周辺の並進方向への振動低減(起振力の低減)や、周辺部に影響を与える振動伝播を低減することを可能にした。【解決手段】駆動歯車65と被駆動歯車75について夫々の回転速度(回転/秒)と歯数との積から求められるかみ合い周波数により発生する各歯車の軸受部(モータ軸受部、軸受部)での振動モード(振動する方向、形態、)が同相(同じ方向)となるように構成した。【選択図】図2

Description

本発明は、歯車駆動伝達装置の改良に関し、例えば画像形成装置の歯車駆動機構に適用されることにより駆動用歯車と被駆動用歯車とのかみ合い時に発生する回転ムラや、周辺部に影響を与える振動の伝播を低減することを可能とした技術に関する。
各種の機械装置、例えばプリンタ、複写機、ファクシミリ、印刷装置等々の画像形成装置に装備される駆動力伝達機構には、歯車駆動伝達装置が用いられている(特許文献1、2)。
例えば、電子写真式の画像形成装置に装備される感光体ドラムや現像ローラを駆動する歯車駆動伝達装置においては、歯面のかみ合い部にて発生する速度ムラが、画像上のバンディング(濃度むら、画像上のスジ)といった画像品質の劣化や、騒音をもたらす原因となる。
歯面のかみ合い部で生じる駆動力の伝達誤差や、振動のレベルは、歯車単体の加工精度上の誤差のみならず、かみ合う歯車同士の位置関係の誤差によっても大きく影響される。特に、回転軸の相対的な平行度、即ちアライメントは、画像品質を維持し、騒音を低減する上では、非常に重要な因子である。回転軸間のアライメントは、僅かにずれただけでも回転精度に大きな影響を与えることとなる。
特許文献1には、駆動装置の歯車に対して異なる方向に負荷がかかる場合であっても、歯車の平行度を適正に保つことができるようにした支持構造体を特徴とする駆動装置、及び画像形成装置が開示されている。
特許文献1では、モータ支持部材が変形した場合においても2つの歯車の平行度を適正に保つことはできるが、支持部材の振動特性によっては歯車のかみ合い周波数に起因して大きい振動が発生することがあり、振動増加による騒音問題や、加減速時や衝撃負荷などのインパクト的な力が加わった際の残留振動の発生によって画像品質の低下を招く虞がある。
特許文献2には、駆動モータの出力軸に片持ち支持された駆動歯車と、駆動歯車と噛合する従動歯車とからなる歯車駆動系において、両歯車のかみ合い周波数を、駆動歯車の歯幅中央部における加振力の周波数と伝達特性との関係を示す振動特性曲線の減衰領域内に設定することで、回転ムラ及び並進方向の起振力を低減させるようにした歯車駆動伝達装置、及び画像形成装置が開示されている。
特許文献2では、かみ合い力が働くモータ軸上の駆動歯車の歯幅中央部の振動量を低減することはできるが、被駆動歯車に関しては振動量の低減効果が考慮されていない。このため、被駆動歯車の振動状態によっては、歯車のかみ合い周波数に起因して大きく振動し、かみ合う歯面位置が大きく変化する場合もある。例えば、駆動歯車の振動量が小さい場合であっても、被駆動歯車の振動量が大きくなる場合もある。この場合、歯車周辺の部材(例えば、感光体ドラム、現像ローラのように画像形成に供する部材)に対する振動の影響(画像品質の低下、騒音の発生)を解消することはできない。
製品の小型、軽量化、高速化が進んでくると安価で軽いプラスチック歯車が多用されてギヤ列が増加し、その動作条件も高速回転での仕様となり、かみ合い周波数帯域も広帯域化する。特に画像形成装置では、歯車駆動系の周辺部にレーザー書き込み系などが配置されるため、歯車かみ合い時の起振力によってレーザー書き込み系内部の部品(ミラー、レンズなど)が振動し、画像品質を劣化させる問題がある。回転方向の回転ムラ解消だけでなく、歯車周辺の並進方向への振動低減(起振力の低減)、及び、振動に伴う装置の騒音低減も重要な課題となってきている。そのような中で、従来技術には前述した不具合があった。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、駆動用歯車と被駆動用歯車のかみ合い周波数における振動モードを適切な状態である同相に設定することで、かみ合い時に発生する回転方向の振動(回転ムラ)や、歯車周辺の並進方向への振動(起振力)や、周辺部に影響を与える振動伝播を夫々低減することを可能にした歯車駆動伝達装置、及び画像形成装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の歯車駆動伝達装置は、駆動歯車と、該駆動歯車と噛合して駆動される被駆動歯車と、前記駆動歯車の軸部、及び前記被駆動歯車の軸部を夫々回転自在に軸支する軸受部を有した支持部材と、を備えた歯車駆動伝達装置であって、前記駆動歯車と前記被駆動歯車について夫々の回転速度と歯数との積から求められるかみ合い周波数により発生する前記各歯車の軸受部での振動モードが同相となるように構成したことを特徴とする。
本発明によれば、2つの歯車のかみ合い時に発生する回転方向の振動(回転ムラ)や、歯車周辺の並進方向への振動(起振力)や、周辺部に影響を与える振動伝播を夫々低減することができる。
本発明の実施形態に係る歯車駆動伝達装置を適用する画像形成装置の一例としてのカラープリンタの内部構成を示す概略図である。 本発明の一実施形態に係る歯車駆動伝達装置の構成を示す説明図である。 従来の歯車駆動伝達装置の概略構成を示す構成説明図であり、(a)はフレームが振動していない静止状態を示し、(b)及び(c)はフレームの振動が発生している状態を示している。 本発明に係る歯車駆動伝達装置の変形実施形態を示した図である。 (a)及び(b)は第2の実施形態に係る歯車駆動伝達装置の構成を示す正面縦断面図、及び底面図である。 本発明の第3の実施形態に係る歯車駆動伝達装置の構成を示す斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る歯車駆動伝達装置の構成説明図である。 (a)は本発明の第5の実施形態に係るはすば歯車を用いた歯車駆動伝達装置の構成を示す正面図であり、(b)は平歯歯車の場合を示した比較図である。 可視感度を考慮した許容回転ムラの一例を空間周波数との関係で示す図である。 本発明の第7の実施形態に係る歯車伝達駆動装置の説明図である。 本発明の第8の実施形態に係る歯車伝達駆動装置の説明図である。 本発明の第9の実施形態に係る歯車伝達駆動装置の説明図である。
以下、本発明を図面に示した実施の形態により詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る歯車駆動伝達装置を適用する画像形成装置の一例としてのカラープリンタの内部構成を示す概略図である。
カラープリンタ1は、記録紙上に画像を形成する画像形成部2、画像形成部に記録紙を搬送する記録紙搬送部20、記録紙上の未定着トナー像を定着させる定着部25、排紙部30、制御手段等を備えており、カラープリンタ1の歯車を用いた駆動機構には歯車駆動伝達装置50が組み込まれている。
画像形成部2は、駆動ローラ3、従動ローラ4、及び加圧ローラ5によってエンドレスに張設されて矢印方向へ走行する中間転写ベルト6と、中間転写ベルト6の一つの走行面に沿って順次配置されて一方向に回転するイエロー感光体ドラム8、シアン感光体ドラム9、マゼンタ感光体ドラム10、ブラック感光体ドラム11と、各感光体ドラム外周面に沿って夫々配置された帯電部、露光部、現像部、一次転写部、クリーニング部等と、各感光体ドラムの露光部に画像情報を書き込むレーザー書込み部12と、中間転写ベルト6を間に挟んで加圧ローラ5と対向配置された二次転写ローラ14(二次転写部)と、各可動部材を駆動するための駆動系と、を概略備えている。
記録紙搬送部20は、画像形成部2の下方に配置された給紙装置21と、給紙装置21から加圧ローラ5と二次転写ローラ14とのニップ部(二次転写部)を経て定着部25、排紙部30へ向けて延びる搬送経路22と、搬送経路を構成するローラ、ベルト等の搬送部材を駆動する搬送駆動系と、を備えている。
画像形成部2、定着部25、記録紙搬送部20等は制御手段によって制御される。
帯電部によって予め一様に帯電された各感光体ドラム8〜11の表面(露光部)には、レーザー書込み部12から色毎の画像情報に応じたレーザー光が照射されて各色の画像情報に応じた静電潜像が形成される。各感光体ドラムに配置された色毎の現像部から各静電潜像に対してトナーが供給されて可視像化される。各感光体ドラムの回転に同期して中間転写ベルト6が走行し、各一次転写部において、中間転写ベルト6上にイエロートナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像、ブラックトナー像が順次重ね転写される。この重ね転写像は二次転写部に達したときに給紙装置21から供給された記録紙上に一括転写され、その後定着部25において定着されて排紙部30へ排出される。
画像形成装置には、稼動する部品が多数あり、夫々に多数の歯車が使用されている。例えば、歯車同志の噛合部で発生した起振力が書き込みユニット内のミラー等を振動させると、濃度ムラであるバンディングとなり画像品質を低下させていた。
以下に説明する各実施形態に係る歯車駆動伝達装置を各歯車伝達機構に適用することにより、起振力を低減させ、画像品質の低下を回避できる。
即ち、本発明に係る歯車駆動伝達装置50は、例えば画像形成部2を構成する可動部材である感光体ドラム、現像部を構成する現像ローラ(現像タンク内で回転することにより周面のトナーを感光体に付着させる部材)、中間転写ベルト駆動ローラ3、二次転写ローラ14等を駆動する駆動機構に含まれる歯車伝達機構に適用されることにより、歯車同志のかみ合い時に発生する回転方向の振動(回転ムラ)や周辺部に影響を与える振動伝播を低減することを可能にする。
<第1の実施形態>
図2は本発明の一実施形態に係る歯車駆動伝達装置の構成を示す説明図である。
図3(a)(b)及び(c)は従来の歯車駆動伝達装置の概略構成を示す構成説明図であり、(a)はフレームが振動していない静止状態を示し、(b)及び(c)はフレームの振動が発生している状態を示している。
図2において、平板状の側板(ベース部材、支持部材)52の一面には、断面形状がコ字状のフレーム(支持部材)53の基端部が固定され、側板とフレームとの間には歯車等を収容する空間が形成されている。フレーム53は並行に配置された二枚の縦板54a、54bの先端縁間を側板52と並行な横板55で連結した構成を有する。側板52と横板55との間には駆動軸60と被駆動軸(従動軸)70とが並行に差し渡されている。駆動軸(軸部)60は、側板52に設けた軸受部52aとフレームの横板55に設けた軸受部55aによって両端部を回転自在に軸支されている。被駆動軸(軸部)70は、側板52に設けた軸受部52bとフレームの横板55に設けた軸受部55bによって両端部を回転自在に軸支されている。駆動軸60はモータ(駆動源)によって回転駆動される。被駆動軸70には各種負荷72、例えば感光体ドラム、現像ローラ、中間転写ベルトの駆動ローラ3等が接続されている。駆動軸60には駆動歯車65の軸心が固定されており、被駆動軸70には被駆動歯車75の軸心が固定され、両歯車はかみ合っている。
駆動軸60には、モータからのトルクが加わり、このトルクを駆動歯車65と被駆動歯車75とから成る歯車対により減速し、被駆動軸70に連結された負荷72を駆動する。
歯車駆動伝達装置50は、駆動歯車65と、駆動歯車と噛合して駆動される被駆動歯車75と、駆動歯車の軸部(駆動軸)60、及び被駆動歯車の軸部(被駆動軸)70を夫々回転自在に軸支する軸受部52a、52b、55a、55bを有した支持部材52、54と、を備え、駆動歯車65と被駆動歯車75について夫々の回転速度(回転/秒)と歯数との積から求められるかみ合い周波数により発生する各歯車65、75の軸受部(モータ軸受部、従動歯車軸受部)での振動モード(振動する方向、形態)が同相(同じ方向、同じ位相)となるように構成した点が特徴的である。
なお、駆動歯車とは、必ずしもモータ等の駆動源に直結されている歯車ではなく、被駆動歯車(従動歯車)に対する駆動側の歯車を意味する。
ここで振動モードとは、あるかみ合い周波数を有した駆動歯車と従動歯車が駆動した場合に、どのような方向に振動するのか、どのような形態で振動するのかを意味する。
なお、駆動歯車65と被駆動歯車75について夫々の回転速度(回転/秒)と歯数との積から求められるかみ合い周波数の値は同じである。
図3(b)及び(c)は上記かみ合い周波数が適正でないために、フレーム53(横板55)が上下に振動(変形)した際に2つの歯車65、75の歯部のかみ合いで発生する不具合を示している。この振動モードは、曲げの一次モードに対応している。
フレーム53が上下に振動する結果として、各軸受部52a、52b、55a、55bにより支持された駆動軸60と被駆動軸70が図3(a)に示した本来の並行な位置関係を維持できずに、横板55側の軸受部55a、55bが接近したり離間するように変位する。このため、各軸部によって支持された駆動歯車65と被駆動歯車75の歯面間の位置関係も接近したり離間する動作を繰り返す(かみ合い状態が悪化する)ことになる。つまり、この場合の歯車65と75とのかみ合い周波数は、夫々を反対方向(矢印D1、D2)に振動させる逆相モードとなっている。
これを更に詳述すると、2つの歯車65、75の歯部のかみ合いで発生する回転ムラや起振力の周波数は、歯車の回転速度(回転/秒)と歯数との積から求められ、これをかみ合い周波数と呼ぶ。そして、駆動歯車65の回転速度×駆動歯車の歯数、被駆動歯車75の回転速度×被駆動歯車の歯数、は同じ値となる。
負荷が加わった歯車が稼動すると、このかみ合い周波数の値が回転ムラや起振力を発生させる原因となり、駆動歯車と被駆動歯車の各軸受部52a、52b、55a、55bに作用力、反作用力として周期的な力(かみ合い周波数)を加える。特に、歯車の支持部材52、53(特に、変形し易いフレームとしての支持部材53)の固有の振動特性の影響により、軸受部が大きく振動し、かつ、相対的に逆方向への振動する場合、つまり駆動歯車と、被駆動歯車が互いに逆方向へ振動する場合には、歯面のかみ合い状態が悪化し、回転ムラ、起振力の増加を招く(図3(b)(c))。言い換えれば、かみ合い周波数により発生する起振力によって、図3(b)(c)のような振動モード(曲げの一次モード)になると、駆動軸と被駆動軸との平行度が低下し、それによって回転ムラが悪化する。
次に、図2は本発明の実施形態を示しており、支持部材である側板52とフレーム53による駆動軸60と被駆動軸70の支持位置、支持構造を適正に設定した結果、かみ合い周波数による振動モード(振動方向、振動形態)を、両軸部60、70(両歯車65、70、軸受部55a、55b)を同方向に振動させる同相(同じ方向D1、D1)とした状態を示している。この振動モードは、曲げの一次モードに対応した形態である。
つまりかみ合い周波数によってフレーム53(横板55)が上下に振動すると、フレーム上の軸受部55a、55bを介して駆動軸60と被駆動軸70が図示のように同時に同じ方向(D1、D1)に傾斜するように振動する。このため、駆動歯車65と被駆動歯車75の歯面間の位置関係の変化が少なくて済む。そして、各歯車が同じ方向に振動するため、同相モードとなる。
本例では、2つの歯車の振動モードを同相とするために支持部材(軸受部)の機械的、構造的な構成、及び駆動条件(回転速度)、ギヤ諸元(歯数)を適正に設定している。
2つの歯車の振動モードを同相とするための工夫としては種々考えられるが、一つの方法としては、図2に示したように駆動軸60と被駆動軸70を、フレームの横板55の横方向長L1の中心部C(振幅の腹)よりも一方に偏位させた領域に配置させる手法を挙げることができる。
即ち、図3の構成例では、フレームの横板55の横方向長の中心部C(振幅の腹)の左右両側に駆動軸60と被駆動軸70を振り分けて配置したため、フレーム53の上下振動に起因して各軸60、70が異なった方向へ傾斜し易くなっていた。これに対して、図2の構成例では、振幅の腹である中心部Cを回避した片側に駆動軸と被駆動軸を配置したため、振幅による影響を少なくすることが可能となった。
2つの歯車の振動モードを同相とするための別の対策としては、例えばフレームの適所、本例では縦板54a、54bや横板55の厚さを増大させたり、フレームの適所に切欠きや開口部を設ける等の手法を挙げることができる。
次に、図4は本発明に係る歯車駆動伝達装置の変形実施形態を示しており、この構成例は、所定範囲のかみ合い周波数に基づいて振動した場合にフレームの横板55の形状が図示のように変形するように支持部材の構成、軸受部の配置を予め設計することにより、かみ合い周波数に起因して発生する駆動歯車と被駆動歯車の振動モード(振動する方向、形態)を同方向(同相モード)としたものである。本例の振動モードは、曲げの二次モードに対応している。
図4の場合、フレームの横板55の中央部C付近を振動の節とし、中央部Cの左右両側の軸受部55a、55bを設置した箇所を振動の腹としている。言い換えれば、両軸部が並行を保つように、振動の腹で同じ方向に傾くように各軸受部を位置決めして配置した構成が特徴的である。言い換えれば、振動によって各軸受部が図示の如き位置関係になるように設計した点が特徴的である。
即ち、図4では、振動時における横板55の変形後の形状を、横方向中心部Cの左側領域55Lを上向きに湾曲(膨出)させる一方で、右側領域55Rを下向きに湾曲(膨出)させた略S字型となるようにした構成が特徴的である。図示の振動状態では、左側領域55Lの中心部に設けた軸受部55aと側板52に設けた軸受部52aによって駆動軸60を斜め右方向へ傾斜した状態で支持している。また、右側領域55Rの中心部に設けた軸受部55bと側板52に設けた軸受部52bによって被駆動軸70を斜め右方向へ傾斜した状態で支持している。駆動軸60と被駆動軸70との傾斜角度は同じ(並行、平行)である。このため、かみ合い周波数による振動時においても駆動歯車65と被駆動歯車75の歯面は正常にかみ合っている。
このように構成することで、かみ合い周波数の値に起因してフレーム53がその厚さ方向(上下方向)へ振動しても、駆動歯車と被駆動歯車の歯面上の相対位置の変化を小さく維持して、回転ムラや起振力の増加、騒音の増加を防ぐことができる。
図4のように振動発生時におけるフレームの横板55の変形後の形状が予め所定形状となるように工夫することにより、かみ合い周波数に起因して発生する駆動歯車と被駆動歯車の振動モード(振動する方向、形態)を同方向(同相モード)とすることができる。このため、かみ合い周波数を原因として歯車の支持部材53が振動したとしても、駆動歯車と被駆動歯車の歯面上の相対位置の変化を小さく押さえることができ、回転ムラや起振力の増加、騒音の増加を防ぐことができる。
振動発生時におけるフレームの横板55の変形後の形状が予め図4に示した如き形状となるようにするための設計手法の一例として以下を例示することができる。
まず、FEM(有限要素法)などの手法を用いて、フレーム(横板)の共振周波数とその振動モードを事前に解析する。
次いで、ギア同志のかみ合い周波数とその振動モードを比較する。これは、かみ合い周波数に近似した共振周波数の振動モードでフレームが振動することを前提としている。
得られた振動モードが図4に図示したような変形後の形状をもたらす二次モードになっていない場合には、FEMモデルの条件(フレームの形状、板厚、固定方法等)を調整することにより、最終的に狙いの振動モードを得ることができる。
発明者による実験によれば、フレームの板厚が0.3mmの場合には、二次モードでの共振周波数は298Hzであり、板厚が0.6mmの場合には、二次モードでの共振周波数は597Hzであった。
このように板厚を調整しただけでも任意の共振周波数を得ることが可能なことから、フレーム形状、固定方法等々の各条件を変化させることにより、狙いの振動モードを微調整しながら得ることができることは明かである。
なお、共振周波数とかみ合い周波数を正確に合致させると、振動増幅により狙いの形状から外れる等の問題が起きるため、若干のずれをもたせることが実際には好ましい。
図2、図4に示した第1の実施形態では、駆動歯車65と被駆動歯車75の定常速度領域におけるかみ合い周波数を適正に設定することにより、駆動歯車と被駆動歯車の振動方向が同じ方向である同相になるようにして、歯面間の相対的な振動変位を低減させている。つまり、駆動歯車と被駆動歯車が同じように振動するようにしたため、相対的な変位を低減することができる。このため、歯車駆動伝達装置において、歯車のかみ合い周波数成分の回転ムラや振動量、外部に影響を与える起振力を低減することができるようになる。
なお、ここで定常速度領域とは、停止状態から加速して目標速度に達してからこの目標速度(一定速度)で作像作業を行い、作像作業の終了によって、減速し、停止状態になる場合の一定速度となっている定常速度領域のことである。
<第2の実施形態>
図5(a)及び(b)は第2の実施形態に係る歯車駆動伝達装置の構成を示す正面縦断面図、及び底面図である。なお、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この実施形態では、駆動歯車65と被駆動歯車75を軸支する軸受部52a、52b、55a、55bを支持した側板(ベース部材、支持部材)52と、フレーム(支持部材)54を板金により構成した点が特徴的である。
板金は、穴加工、折り曲げ等々、形状を簡単に加工できるので、かみ合い周波数における駆動歯車の軸受部と被駆動歯車の軸受部の振動モードが同相になるよう簡単に設計することが可能となる。
図5(b)には、板金製の支持部材(フレーム53の横板55)の周縁に切欠き56を設け、振動モードを調整した構成例を示している。
軸受部の振動モードが同相となったり、逆相になる原因としては、フレームの構造の違いを挙げることができる。例えば、振動により変形しているフレーム自体の板厚や、フレームの形状によって同相となったり、逆相となる。本例では、矩形の横板55の2つの長辺の両端部に夫々切欠きを設けることにより、軸受部の振動モードを調整している。切欠きの有無、切欠きの位置、切欠きの大きさ、形状等を種々工夫することにより、最適な振動モードとすることができる。
切欠きの形成による振動モードの調整は、作業性がよいという利点を有している。切欠きの大きさや位置を調整して、駆動軸60と被駆動軸70を平行に保つことを狙いとしている。なお、図5では切欠きを4箇所とした一例を示しているが、切欠きの数や形状や配置する位置を、駆動軸と被駆動軸とが平行を保つように設計することとなる。
フレーム53の厚さや、フレームに形成するリブの位置等を種々工夫することにより、フレーム振動時に駆動軸と被駆動軸とが平行を保つように設計することもできる。
<第3の実施形態>
図6は第3の実施形態に係る歯車駆動伝達装置の構成を示す斜視図である。上記各実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この実施形態では、駆動歯車65、及び被駆動歯車75と、軸受部52a、52b、55a、55bを支持した側板(ベース部材、支持部材)52と、フレーム(支持部材)53を合成樹脂材料により構成した点が特徴的である。
フレームのみを合成樹脂材料にて構成し、軸部や歯車は金属材料により構成してもよい。
合成樹脂材料は、肉厚、リブの数等の形状を簡単、且つ自由に設計できるので、かみ合い周波数における駆動歯車の軸受部と被駆動歯車の軸受部の振動モードが同相になるよう簡単に設計することが可能となる。
図6では、支持部材、即ち側板52とフレーム53を密閉型の箱形に構成し、箱形の内部に駆動歯車65(駆動軸60)と被駆動歯車75(被駆動軸70)を収容している。
このように樹脂材料を用いて支持部材を構成すれば、歯車駆動系の周囲を密閉状態で覆う形状とすることもできるので、かみ合い周波数で発生する歯面かみ合い時の騒音を遮断できる。
<第4の実施形態>
図7は本発明の第4の実施形態に係る歯車駆動伝達装置の構成説明図である。上記各実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
本実施形態に係る歯車駆動伝達装置50は、駆動用のモータ80の出力軸(駆動軸)81に、駆動歯車65を片持ちで固定したことを特徴とする。
本実施形態では、フレーム(支持部材)53の横板55の外側面に駆動用のモータ80を固定すると共に、横板55を貫通してフレーム内部に突出した出力軸81により駆動歯車65の軸心部を片持ちで支持している。
支持部材52、53、金属製であってもよいし、樹脂製であっても良い。
モータ80は、モータベース85を介して横板55に固定されている。出力軸81は、モータ軸受部82によって回転自在に軸支されている。
駆動歯車65をモータの出力軸81に固定する構成は、2つの軸受部によって軸支された駆動軸に駆動歯車を固定する図3、図4に示した方式に比べて、構成がシンプルとなって組み付けが簡単化する。更に、駆動歯車の歯数を少なくし、大きな減速比が得られるなどの利点があるため多用されている。駆動歯車65は片方の支持部材であるフレーム53のみによって支持されるので、他方の支持部材である側板52との間の部品公差などの影響をなくして、振動モードを同相に合わせる設計が簡単になる。例えば、フレームとモータの取り付けネジの位置の調整や、モータベース85の形状の変更によっても調整ができる。
ここで取付けネジの位置調整によって振動モードを調整する方法とは、例えば横板55にモータを固定する取付けネジの位置をモータ出力軸81からの離間距離で調整する場合を例示することができる。具体的には、取り付けネジの位置を、モータ回転軸を中心とした半径方向に大きく離間して配置すると、横板55とモータベース85が曲げに対してモーメント的に強くなるので曲げ振動の共振振動数が高くなる。反対に取付けネジの位置をモータ回転軸に近づけると、曲げ振動の共振振動数が小さくなる。本実施形態では、この振動特性(振動モード)を、かみ合い周波数に応じて同相となるように設計することになる。
また、モータベース85はモータの取り付け基準となる部分で、フレーム(横板55)と接触する部分である。図7の場合、軸受部を保持する軸受保持部をも共有したアルミダイキャストなどで製作する。組み付け基準面や軸受保持部は、鋳造後に後加工で精度を調整することになる。モータベース85の肉厚を調整することによって振動特性を調整することができる。
なお、本実施形態において振動モードを同相にする対象物は、厳密には駆動歯車歯面と従動歯車歯面の振動モードであるが、各歯車を支持している軸受部、即ちモータ軸受部82と従動歯車軸受部55b、52bとの振動モードを合わせることと言い換えることもできる。
<第5の実施形態>
次に、図8(a)は本発明の第5の実施形態に係るはすば歯車を用いた歯車駆動伝達装置の構成を示す説明図、(b)は平歯歯車を用いた場合の比較図である。なお、上記各実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
本実施形態に係る歯車駆動伝達装置50は、上記第1乃至第4の実施形態において、駆動歯車65と被駆動歯車75がはすば歯車であることを特徴とする。
図8(a)に示したはすば歯車は、図8(b)に示した平歯歯車に比べかみ合い率が大きく、回転ムラや起振力を小さくすることができる。さらに、各歯車65、75の軸受部(モータ軸受部、従動歯車軸受部)での振動モード(振動する方向、形態)が同相(同じ方向、同じ位相)となるように構成することで、相乗効果によって、より高い特性(低回転ムラ、低起振力)を得ることができる。
仮に、低回転ムラを狙って平歯歯車をはすば歯車に変更したとしても、振動モードが逆相ならば、低回転ムラ効果は小さく、場合によっては平歯以上の回転ムラが発生することもある。
図5の軸受部に示した矢印D1、D2、D3、D4は、かみ合い周期(かみ合周波数)で発生する起振力の向きを示している。平歯歯車の場合の起振力は軸間方向のX成分(D1、D2)のみであるが、はすば歯車では軸間方向Xと軸方向Z(D3、D4)にも起振力が働く。軸受部での振動モードを同相にすることで、起振力の方向が増えても、問題なく対応することが可能となる。
ここで振動モードを同相にするとは、例えば図2乃至図7に示された支持構造にすることを意味する。
本実施形態のはすば歯車による構成は、前記した全ての実施形態に適用することができる。
<第6の実施形態>
第6の実施形態では、歯車駆動伝達装置50は、記録紙上に画像を形成する画像形成部2、及び画像形成部に記録紙を搬送する記録紙搬送部20を備えた画像形成装置1の駆動系に組み込まれていることを特徴とする。
図1に基づいて説明したように、画像形成装置では、中間転写ベルト6の一つの走行面に沿って4つの各色の感光体ドラム(Y;イエロー、C;シアン、M;マゼンタ、K;ブラック)を順次配置し、各色ごとに書き込み、現像などを行う。単色トナー画像を1次転写装置により中間転写材である中間転写ベルト6に順次転写した後、この中間転写ベルト上の画像を二次転写ローラ14で構成された二次転写部により、給紙装置21から点線で示す搬送経路22に沿って送られてきた記録紙に一括転写し、トナーを紙に定着する定着部25を経由して出力される。画像形成装置には、このように稼動する部品が多数あり、それぞれに多数の歯車が使用されている。ここで発生した起振力が書き込みユニット内のミラーなどを振動させると、濃度ムラであるバンディングとなり画像品質を低下させていた。
第6の実施形態によれば、画像品質を招くことのないかみ合い周波数の範囲を、人間の感度(視覚系の特性)との関連で得るようにしている。これによれば、かみ合い周波数を適正に設定することにより、起振力を低減させ、画像品質の低下を回避できる。
本実施形態では、駆動歯車65と被駆動歯車75とのかみ合い周波数f(Hz)は、記録紙搬送部20が画像形成中の画像形成部2に記録紙を搬送する紙送り速度(線速)をV(mm/sec)とした時に、0.3・V<f<2・Vの範囲であることを特徴とする。
画像の可視感度と空間周波数との関係は、人間の視覚系の特性から、可視化空間周波数のおよそ0.3〜2(line/mm)の範囲での変化が人間の目に付きやすいと言われている。このため、可視化空間周波数に合わせてかみ合い周波数fを0.3・V<f<2・Vの範囲に設定することにより、好適な結果を得ることができる。つまり、この周波数帯域内では濃度ムラ(バンディング)が目立つので、この周波数帯域において濃度ムラが目立たないようにかみ合い周波数を設定するのが好ましい。
これを言い換えると、同相とするかみ合い周波数をf、記録紙送り速度(線速)をVとすると、画像上の空間周波数はf/V(line/mm)となる。これを可視感度領域に合わせて設定すると0.3<f/V<2となり、この範囲内で濃度ムラが目立たなくなるかみ合い周波数の値を特定することができる。
図9は、この可視感度を考慮した許容回転ムラの一例を空間周波数との関係で示す図であり、縦軸は許容回転ムラを示し、横軸は空間周波数を示している。
例えば線速V=200mm/sの場合、空間周波数0.3(line/mm)での許容回転ムラはA値(かみ合い周波数f=0.3x200=60Hz)となり、空間周波数1.0ではB値(かみ合い周波数f=200Hz)、空間周波数2ではC値(かみ合い周波数f=400Hz)となる。
かみ合い周波数は、図9では、横軸に関連しており、かみ合い周波数f/線速V=空間周波数、となる。
縦軸の許容回転ムラ(単位:%)は、定常速度に対する速度変動の割合を示しており、図9のグラフラインよりも大きな回転ムラになると、画質上の問題(画質の悪化)になることを意味する。
つまり、線速Vからバンディングが目立つかみ合い周波数帯域を求め、歯車のかみ合い周波数がこの帯域内にある場合には、かみ合い周波数が同相となるように支持構造を設計する。このように人間の感度(視覚系の特性)とかみ合い周波数を考慮して許容値を設定するものである。
<第7の実施形態>
次に、図10は本発明の第7の実施形態に係る歯車伝達駆動装置の説明図である。なお、上記各実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この歯車駆動伝達装置50は、画像形成装置の画像形成部を構成する感光体ドラムを駆動する感光体ドラム駆動用であることを特徴とする。
図10では感光体ドラム8〜11に図7の支持構造を適用した構成例を示しており、各感光体ドラムが負荷72となる。
各色の感光体ドラム8乃至11の回転速度は、数rps(回転/秒)程度の低速となっており、歯車減速機を用いて駆動するのが一般的である(減速機を用いないダイレクト駆動モータでは、モータサイズが大きくコスト面などで不利)。この感光体ドラム上での回転ムラや周辺部にある書き込み系への振動は、画像品質に直接影響を与えるものであり、重要な解決課題となっている。
感光体ドラムを駆動するための歯車機構である駆動歯車65、及び被駆動歯車75のかみ合い周波数を適正に設定するための構成として、上記各実施形態の構成(本例では、図7の構成)を採用したことにより、感光体ドラムを駆動する歯車65、75における回転ムラを低減し、かみ合い時に発生する起振力を小さくすることができ、画像品質の低下を防ぐことができる。
<第8の実施形態>
次に、図11は本発明の第8の実施形態に係る歯車伝達駆動装置の説明図である。なお、上記各実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この歯車駆動伝達装置50は、画像形成装置の中間転写ベルト6を駆動する中間転写ベルト駆動用の歯車伝達装置であることを特徴とする。より具体的には、歯車駆動伝達装置50は駆動ローラ3の駆動機構に適用される。
図11では中間転写ベルトの駆動ローラ3の駆動機構に図7の構成を適用した構成例を示しており、駆動ローラ3が負荷72となる。
中間転写ベルト6上での速度ムラや周辺部にある書き込み系への振動は、画像品質に直接影響を与えるものであり、重要な解決課題となっている。
中間転写ベルト用の駆動ローラ3を駆動するための歯車機構である駆動歯車65、及び被駆動歯車75のかみ合い周波数を適正に設定するための構成として、上記各実施形態の構成(本例では、図7の構成)を採用したことにより、感光体ドラムを駆動する歯車65、75における回転ムラを低減し、かみ合い時に発生する起振力を小さくすることができ、画像品質の低下を防ぐことができる。
<第9の実施形態>
次に、図12は本発明の第9の実施形態に係る歯車伝達駆動装置の説明図である。なお、上記各実施形態と同一部分には同一符号を付して説明する。
この歯車駆動伝達装置50は、画像形成装置の二次転写ローラ14用の歯車伝達装置であることを特徴とする。
図12では二次転写ローラ14の駆動機構に図7の構成を適用した構成例を示しており、二次転写ローラが負荷72となる。
二次転写ローラ14は中間転写ベルト上の画像を記録紙に転写する際の紙送りを制御しており、中間転写ベルト6上での速度ムラや周辺部にある書き込み系への振動は、画像品質に直接影響を与えるものであり、重要な解決課題となっている。
二次転写ローラ14を駆動するための歯車機構である駆動歯車65、及び被駆動歯車75のかみ合い周波数を適正に設定するための構成として、上記各実施形態の構成(本例では、図7の構成)を採用したことにより、二次転ローラを駆動する歯車65、75での回転ムラを低減し、かみ合い時に発生する起振力を小さくすることができ、画像品質の低下を防ぐことができる。
<本発明の構成、作用、効果のまとめ>
第1の本発明に係る歯車駆動伝達装置50は、駆動歯車65と、駆動歯車と噛合して駆動される被駆動歯車75と、駆動歯車65の軸部60(モータ出力軸81)、及び被駆動歯車75の軸部70を夫々回転自在に軸支する軸受部52a、52b、55a、55b、82を有した支持部材52、55(特に、支持部材55)と、を備え、駆動歯車65と被駆動歯車75について夫々の回転速度(回転/秒)と歯数との積から求められる各かみ合い周波数により発生する前記各歯車の軸受部(特に、支持部材55側の軸受部55a、55b、及びモータ軸受部82)での振動モード(振動する方向、形態)が同相(同じ方向)となるように構成したことを特徴とする。
歯車の定常速度領域におけるかみ合い周波数を、駆動歯車65と被駆動歯車75の振動方向が同じ方向(同相)になるように調整、設定することにより、歯面間の相対的な振動変位を低減させることができる。つまり、駆動歯車と被駆動歯車が駆動する際に支持部材が振動したとしても、各歯車が同じ方向、同じ形態で動作するように支持部材による軸部や軸受部の支持構造を設計すれば、相対的な変位を減らせることができる。このため、かみ合い周波数成分に起因した回転ムラや振動量、外部に影響を与える起振力を低減することができる。
第2の本発明に係る歯車駆動伝達装置50は、駆動歯車65の軸部60、及び被駆動歯車75の軸部70を夫々回転自在に軸支する軸受部52a、52b、55a、55b、82を備えた支持部材52、55を板金、または樹脂によって構成したことを特徴とする。
これによれば、支持部材を板金とすることで、歯車かみ合い周波数における振動モード(振動方向、形態)を同相にする設定が簡単に行えることとなる。
板金は、穴加工、折り曲げ、形状など簡単に加工できるので、かみ合い周波数における駆動歯車と被駆動歯車の軸受部の振動モードを同相になるよう合わせるための設計、製造が容易となる。
その結果、各歯車のかみ合い周波数における各軸部60、70(各軸部の軸受部)の振動モード(振動方向)を同相にする設定が簡単に行えることなり、かみ合い周波数成分の回転ムラや振動量、外部に影響を与える起振力を低減できる。
更に、支持部材を樹脂により構成することで、軽量化しつつ、支持部材の肉厚、リブの数や形状などを自由に設定できるので、かみ合い周波数における駆動歯車と被駆動歯車の軸受部の振動モードを同相になるように容易に設計することができる。また、支持部材を箱状のように歯車駆動系の周囲を覆う形状にして騒音の低減を図ることもできる。
各歯車をも樹脂製としてもよい。
その結果、歯車かみ合い周波数に起因した騒音を低減化でき、かみ合い周波数成分の回転ムラや振動量、外部に影響を与える起振力を低減できる。
第3の本発明に係る歯車駆動伝達装置50は、駆動歯車の軸部60としての駆動用のモータの出力軸81に、駆動歯車を片持ちで固定したことを特徴とする。
これによれば、歯車かみ合い周波数に起因した2つの軸部(各軸部の軸受部)の振動モード(振動方向)を同相にする設定が簡単に行えることとなる。
駆動歯車をモータの出力軸81(駆動歯車の軸部60)に固定したことで、片方の支持部材53(横板55)のみによって駆動歯車が支持されることとなり、複数部品の部品公差の積重による影響を受けにくくなり、振動モードを同相に合わせる設計が簡単となる。
その結果、歯車のかみ合い周波数に起因した2つの軸部(各軸部の軸受部)の振動モード(振動方向)を同相にする設定が簡単に行えることとなり、かみ合い周波数成分の回転ムラや振動量、外部に影響を与える起振力を低減できる。
第4の本発明に係る歯車駆動伝達装置50は、駆動歯車と被駆動歯車は、はすば歯車であることを特徴とする。
これによれば、各歯車をはすば歯車としたので、より精密な歯車駆動伝達装置においても、歯面間の相対的な振動変位を低減させることで、かみ合い周波数成分の回転ムラや振動量、外部に影響を与える起振力を低減することが可能となる。
駆動歯車と被駆動歯車をはすば歯車とすることで、起振力が小さくなる。さらに振動する方向が同相なので、かみ合い周波数によって支持部材が振動しても、駆動歯車と被駆動歯車の歯面上の相対位置の変化を小さく抑えることができる。
第5の本発明に係る歯車駆動伝達装置50は、記録紙上に画像を形成する画像形成部2、及び画像形成部に記録紙を搬送する記録紙搬送部20を備えた画像形成装置1の駆動系に組み込まれていることを特徴とする。
これによれば、かみ合い周波数における振動が減少し、画像形成装置1内の駆動用に用いられる歯車から発生する起振力を低減し、周辺ユニットに与える影響を抑えることで、高画像な印字品質を得ることが可能になる。
第6の本発明に係る歯車駆動伝達装置50では、かみ合い周波数f(Hz)は、記録紙搬送部20が画像形成部2(二次転写部)に記録紙を搬送する速度(線速)をV(mm/sec)とした時に、0.3・V<f<2・Vの範囲であることを特徴とする。
これによれば、人の目の感度に対応させるように効率的に高画像な印字品質を得ることができる。
画像を形成する際の記録紙の紙送り速度(線速)をV(mm/sec)とした時に、かみ合い周波数f(Hz)を0.3・V<f<2・Vの範囲に設定するように支持部材等の構成を設計することで、人の目の感度に対応させるように効率的にかみ合い周波数を特定、設置することができる。
その結果、高画像な印字品質を提供することができる。
第7の本発明に係る画像形成装置1は、歯車駆動伝達装置50を備えた画像形成装置であって、歯車駆動伝達装置は、該画像形成装置の画像形成部2を構成する感光体ドラム8乃至11を夫々駆動する感光体ドラム駆動用であることを特徴とする。
これによれば、画像形成装置内の感光体ドラム駆動用に用いられる歯車から発生する起振力を低減し、周辺ユニットに与える影響を抑え、また、感光体ドラムの回転ムラをも低減することで、高画像な印字品質を提供することができる。
第8の本発明に係る画像形成装置1では、歯車駆動伝達装置50は、画像形成装置の中間転写ベルト6を駆動する中間転写ベルト駆動用であることを特徴とする。
これによれば、画像形成装置内の中間転写ベルト駆動用に用いられる駆動ローラ3を駆動するための歯車から、かみ合い周波数に起因して発生する起振力を低減し、周辺ユニットに与える影響を抑え、また、中間転写ベルト速度ムラ(歯車の回転ムラ)も低減することで、高画像な印字品質を得ることができる。
第9の本発明に係る画像形成装置1では、歯車駆動伝達装置50は、該画像形成装置の二次転写ローラを駆動する二次転写ローラ駆動用の歯車駆動伝達装置であることを特徴とする。
これによれば、画像形成装置内の二次転写ローラ駆動用に用いられる歯車から、かみ合い周波数に起因して発生する起振力を低減し、周辺ユニットに与える影響を抑え、また、二次転写ローラの回転ムラ(歯車の回転ムラ)も低減することで、高画像な印字品質を提供することが可能となる。
なお、本発明の歯車駆動伝達装置は、歯車機構系を用いた精密機械製品である情報機器(複写機、プリンタ等の画像形成装置)以外であっても、家電製品、ロボット等幅広い分野での設計工程に応用することができる。
1…画像形成装置(カラープリンタ)、2…画像形成部、3…駆動ローラ、4…従動ローラ、5…加圧ローラ、6…中間転写ベルト、8〜11…感光体ドラム、12…光書込み部、14…二次転写ローラ、20…記録紙搬送部、21…給紙装置、22…搬送経路、25…定着部、30…排紙部、50…歯車駆動伝達装置、52…側板(支持部材)、52a…軸受部、52b…軸受部、53…フレーム(支持部材)、54a…縦板、55…横板(支持部材)、55L…左側領域、55R…右側領域、55a…軸受部、55b…軸受部、60…駆動軸(軸部)、65…駆動歯車、70…被駆動軸(軸部)、72…負荷、75…被駆動歯車、80…モータ、81…モータ出力軸、82…モータ軸受部、85…モータベース。
特開2006−64134公報 特開2014−95456公報

Claims (9)

  1. 駆動歯車と、該駆動歯車とかみ合って駆動される被駆動歯車と、前記駆動歯車の軸部、及び前記被駆動歯車の軸部を夫々回転自在に軸支する軸受部を有した支持部材と、を備えた歯車駆動伝達装置であって、前記駆動歯車と前記被駆動歯車について夫々の回転速度と歯数との積から求められるかみ合い周波数により発生する前記各歯車の軸受部での振動モードが同相となるように構成したことを特徴とする歯車駆動伝達装置。
  2. 前記駆動歯車の軸部、及び前記被駆動歯車の軸部を夫々回転自在に軸支する軸受部を備えた支持部材を板金、または樹脂によって構成したことを特徴とする請求項1に記載の歯車駆動伝達装置。
  3. 前記駆動歯車の軸部としての駆動用のモータの出力軸に、前記駆動歯車を片持ちで固定したことを特徴とする請求項1又は2に記載の歯車駆動伝達装置。
  4. 前記駆動歯車と前記被駆動歯車は、はすば歯車であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の歯車駆動伝達装置。
  5. 前記歯車駆動伝達装置は、記録紙上に画像を形成する画像形成部、及び該画像形成部に記録紙を搬送する記録紙搬送部を備えた画像形成装置の駆動系に組み込まれていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の歯車駆動伝達装置。
  6. 前記かみ合い周波数f(Hz)は、前記記録紙搬送部が前記画像形成部に記録紙を搬送する速度(線速)をV(mm/sec)とした時に、0.3・V<f<2・Vの範囲であることを特徴とする請求項5に記載の歯車駆動伝達装置。
  7. 請求項1乃至6に記載の歯車駆動伝達装置を備えた画像形成装置であって、前記歯車駆動伝達装置は、該画像形成装置の画像形成部を構成する感光体ドラムを駆動する感光体ドラム駆動用であることを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至6に記載の歯車駆動伝達装置を備えた画像形成装置であって、前記歯車駆動伝達装置は、該画像形成装置の中間転写ベルトを駆動する中間転写ベルト駆動用であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 請求項1乃至6に記載の歯車駆動伝達装置を備えた画像形成装置であって、
    前記歯車駆動伝達装置は、該画像形成装置の二次転写ローラを駆動する二次転写ローラ駆動用であることを特徴とする画像形成装置。
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