JP2016076292A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高容量で、負荷特性および充放電サイクル特性に優れた非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】 正極、負極、非水電解液およびセパレータを有しており、前記正極は、リチウム含有遷移金属複合酸化物を活物質として含有する正極合剤層を有しており、前記負極は、少なくとも黒鉛質炭素材料およびリチウムと合金化する元素を含む材料を活物質として含有し、かつバインダを含有する負極合剤層を有しており、前記負極合剤層は前記バインダとして、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびフッ化ビニリデンからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体を含む2種以上の単量体に基づく構成単位を有する含フッ素弾性共重合体と、水溶性接着樹脂とを含有し、前記水溶性接着樹脂に対する前記含フッ素弾性共重合体の質量比が、0.1以上2以下であることを特徴とする非水電解液二次電池により、前記課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、負荷特性および充放電サイクル特性が良好な非水電解液二次電池に関するものである。
リチウムイオン二次電池をはじめとする非水電解液二次電池は、パーソナルコンピュータや携帯電話などのポータブル機器の電源として広く用いられているが、高電圧・高容量であることから、その発展に大きな期待が寄せられている。このような非水電解液二次電池の負極材料(負極活物質)には、リチウム(Li)やLi合金の他、Liイオンを挿入・脱離可能な、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛質炭素材料などが用いられている。
ところが、最近では、小型化および多機能化した携帯機器用の電池について更なる高容量化が望まれており、これを受けて、負極活物質として広く用いられている黒鉛質炭素材料に代わる新規負極材料が検討されている。新規負極材料としては、錫(Sn)合金、シリコン(Si)合金、Si酸化物、Li窒化物、Li金属などが注目されているが、現時点ではこれらの新規負極材料の何れもが、充放電サイクル特性に関して黒鉛質炭素材料よりも劣っている。この原因は、黒鉛質炭素材料は層状構造を有しており、充放電時にLiがこの層間にドープまたはアンドープされる際の材料膨張・収縮が、層間距離にして10%程度であるのに対して、前記の新規負極材料では、Li充放電時のLi含有量が多いために材料膨張・収縮が非常に大きくなり、結果として膨張・収縮を繰り返す充放電サイクルでは電極強度や電子伝導性が低下し、充放電サイクル特性、すなわち初期容量に対する容量維持率が、黒鉛質炭素材料に比して悪くなると考えられる。
例えば、特許文献1には、黒鉛質炭素材料およびSi酸化物を混合したものを負極活物質として用いることにより、高容量化を達成できることが記載されている。しかし、黒鉛質炭素材料の混合比率を下げると、上述したように、電極の機械的強度や電子伝導性が低下して、充放電サイクル特性の低下を引き起こすものと考えられる。
このような問題を解決する方法として、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラックなどの導電助剤を添加することにより、電子伝導性の低下を抑制し、充放電サイクル特性を向上させる方法が提案されている。最近では、特許文献2に示される気相成長炭素繊維や、特許文献3に示されるカーボンナノファイバーなどの新たな導電助剤も提案されている。
また、例えば、特許文献4では、黒鉛質材料およびSiを構成元素に含む材料を負極活物質として含む負極を備えた非水電解液二次電池において、負極用バインダとして、一般的に用いられているポリフッ化ビニリデン(PVDF)やスチレンブタジエンゴム(SBR)ではなく、ポリアクリル酸を使用することにより、電極の機械的強度を向上させ、充放電サイクル特性を向上させる方法が提案されている。更に、特許文献5では、バインダとして、テトラフルオロエチレンとプロピレンとの共重合体と、負極活物質としてニードルコークスを使用することにより、充放電サイクル特性を向上させる方法が提案されている。
特開平9−289011号公報 特開2004−103435号公報 特開2004−186067号公報 特開2007−95670号公報 国際公開第2011/055760号
前記の新規負極材料を負極活物質として用いた場合、黒鉛質炭素材料よりも高容量化を実現できる半面、充放電に伴い負極活物質の膨張・収縮も大きくなり、十分な充放電サイクル特性が得られない。特許文献4には、黒鉛質炭素材料およびSiを構成元素に含む材料を負極活物質として含む負極を備えた非水電解液二次電池において、負極用バインダとしてポリアクリル酸を用いることが提案されているが、特許文献4に記載の技術は、負極活物質としてSiを構成元素に含む材料単独で用いた場合に比べれば充放電サイクル特性を改善できるものの、負極活物質として黒鉛質炭素材料単独で用いた場合に比べると、充放電サイクル特性および負荷特性について満足するものは得られていない。また、特許文献5においても、前記の新規負極材料のように高容量であるが充放電に伴う膨張・収縮の大きな材料への適用については、特性面で検討の余地が残されている。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高容量で、負荷特性および充放電サイクル特性に優れた非水電解液二次電池を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明の非水電解液二次電池は、正極、負極、非水電解液およびセパレータを有するものであって、前記正極は、リチウム含有遷移金属複合酸化物を活物質として含有する正極合剤層を有しており、前記負極は、少なくとも黒鉛質炭素材料およびリチウムと合金化する元素を含む材料を活物質として含有し、かつバインダを含有する負極合剤層を有しており、前記負極合剤層は、前記バインダとして、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびフッ化ビニリデンからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体を含む2種以上の単量体に基づく構成単位を有する含フッ素弾性共重合体と、水溶性接着樹脂とを含有し、前記水溶性接着樹脂に対する前記含フッ素弾性共重合体の質量比が、0.1以上2以下であることを特徴とするものである。
本発明によれば、高容量で、負荷特性および充放電サイクル特性に優れた非水電解液二次電池を提供することができる。
本発明の非水電解液二次電池の一例を模式的に表す平面図である。 図1の非水電解液二次電池のA−A線断面図である。
非水電解液二次電池の負極に係るバインダとしては、一般的には、有機溶剤系のポリフッ化ビニリデン(PVDF)や、水分散系のスチレンブタジエンゴム(SBR)が使用されている。有機溶剤系のPVDFは、集電体である金属箔との接着性が黒鉛質炭素材料の種類によって大きく変化するため、黒鉛質炭素材料と、リチウムと合金化する元素含む材料とを併用した負極では使用範囲が限定される。特に、黒鉛質炭素材料として鱗片形状を有する天然黒鉛を用いた場合には、極めて接着性が劣る。一方、水分散系のSBRは、増粘剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)などの水溶性接着樹脂を併用する必要があるが、負荷特性などにおいて十分な特性が実現できないなどの問題がある。
これに対し、本発明者が鋭意検討した結果、黒鉛質炭素材料およびリチウムと合金化する元素に含む材料を負極活物質として含む負極合剤層を有する負極を備えた非水電解液二次電池において、負極合剤層のバインダにテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびフッ化ビニリデンからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体を含む2種以上の単量体に基づく構成単位を有する含フッ素弾性共重合体(含フッ素ゴムともいう。)と、水溶性接着樹脂とを使用し、前記水溶性接着樹脂に対する前記含フッ素弾性共重合体の質量比を、0.1以上3以下とした場合には、負荷特性および充放電サイクル特性を改善させ得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
以下に、本発明の非水電解液二次電池の各構成要素について説明する。
<負極>
本発明の非水電解液二次電池に係る負極は、負極活物質およびバインダを含有する負極合剤層を、例えば集電体の片面または両面に有するものである。
本発明に係る負極は、例えば、負極活物質、バインダなどを含む混合物(負極合剤)に、適当な溶媒〔N−メチル−2−ピロリドン(NMP)など〕を加えて十分に混練して得たペースト状やスラリー状の負極合剤含有組成物を、負極集電体の片面または両面に塗布し、乾燥などにより溶媒を除去して、所定の厚みおよび密度を有する負極合剤層を形成することによって製造することができる。なお、本発明に係る負極の製造方法は、前記の製造方法に限られない。
負極合剤層に係るバインダには、テトラフルオロエチレン(以下TFEともいう。)、ヘキサフルオロプロピレン(以下HFPともいう。)、およびフッ化ビニリデン(以下VdFともいう。)からなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体を含む2種以上の単量体に基づく構成単位を有する含フッ素弾性共重合体を使用する。前記含フッ素弾性共重合体は、例えばPVDFに比べて接着力が大きく、負極合剤層と集電体との密着性をより良好にし得ることから、非水電解液二次電池の負荷特性や充放電サイクル特性を高めることができる。
また、前記含フッ素弾性共重合体における2種以上の単量体に基づく構成単位は、例えば、TFE、HFP、およびVdFからなる群より選ばれる2種または3種の単量体に基づく構成単位であってもよく、TFE、HFP、およびVdFからなる群より選ばれる1種以上の単量体に基づく構成単位と、該単量体と共重合可能な他の単量体の1種以上に基づく構成単位とであってもよい。
前記含フッ素弾性共重合体のフッ素含有量は、50質量%以上であることが好ましく、53質量%以上であることがより好ましく、また、74質量%以下であることが好ましく、70質量%以下であることがより好ましい。含フッ素弾性共重合体のフッ素含有量が低すぎると、耐アルカリ性や耐電圧性が不十分となりやすい。
含フッ素弾性共重合体のフッ素含有量は、フッ素含有量分析により得られ、含フッ素弾性共重合体を構成するすべての原子の総質量に対するフッ素原子の質量の割合を示す。
前記含フッ素弾性共重合体が、TFEに基づく構成単位、HFPに基づく構成単位、VdFに基づく構成単位以外に、その他の単量体に基づく構成単位を有する場合には、その他の単量体としては、プロピレン(以下Pともいう。)、エチレン(以下Eともいう。)、またはペルフルオロ(アルキルビニルエーテル)(以下PAVEともいう。)が好ましく、プロピレンがより好ましい。
PAVEとしては、例えばペルフルオロ(メチルビニルエーテル)(以下PMVEともいう。)、ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル)(以下PPVEともいう。)などが挙げられ、これらをそれぞれ単独で、または2種以上の任意の組み合わせで用いることができる。
前記含フッ素弾性共重合体の具体例としては、TFE/P共重合体(TFEに基づく構成単位とPに基づく構成単位とからなる共重合体を意味する。以下同様。)、TFE/P/VdF共重合体、VdF/HFP共重合体、VdF/TFE共重合体、TFE/VdF/HFP共重合体、TFE/PAVE共重合体、E/HFP共重合体、TFE/P/E共重合体、TFE/P/PAVE共重合体、TFE/P/VdF/PAVE共重合体、VdF/PAVE共重合体、VdF/TFE/PAVE共重合体、VdF/TFE/HFP/PAVE共重合体などが挙げられる。
これらのうち、TFE/P共重合体、TFE/P/VdF共重合体、VdF/HFP共重合体、VdF/TFE共重合体、TFE/VdF/HFP共重合体、TFE/PAVE共重合体、TFE/P/PAVE共重合体、またはTFE/P/VdF/PAVE共重合体が好ましく、TFE/P共重合体、またはTFE/P/VdF共重合体が特に好ましい。
前記含フッ素弾性共重合体のより好ましい組成を以下に述べる。組成が以下の範囲であると、正極集電体との密着性に優れ、優れた耐アルカリ性および耐電圧性が得られやすい。
TFE/P共重合体:
TFEに基づく構成単位/Pに基づく構成単位の比率が、30〜80/70〜20(モル%)(ただし合計で100モル%である。以下同じ。)であることが好ましく、40〜70/60〜30(モル%)であることがより好ましく、60〜50/40〜50(モル%)であることが最も好ましい。
TFE/P/VdF共重合体:
TFEに基づく構成単位/Pに基づく構成単位/VdFに基づく構成単位の比率が、30〜85/15〜70/0.01〜50(モル%)の範囲であることが好ましく、より好ましくは30〜70/20〜60/1〜40(モル%)である。
本発明における含フッ素弾性共重合体のムーニー粘度は、10以上であることが好ましく、50以上であることがより好ましく、80以上であることが更に好ましく、また、200以下であることが好ましく、180以下であることがより好ましく、150以下であることが更に好ましい。
ムーニー粘度は、JIS K6300に準じ、直径38.1mm、厚さ5.54mmのL型ローターを用い、100℃で、予熱時間を1分間、ローター回転時間を10分間に設定して測定され、主にゴムなどの高分子材料の分子量の目安である。また、値が大きいほど、間接的に高分子量であることを示す。ムーニー粘度が上記の範囲にあると、負極合剤層の機械的強度を高めて非水電解液二次電池の充放電サイクル特性を更に向上させることができる。
前記含フッ素弾性共重合体の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、特許文献5に記載の製造方法を用いることで製造することができる。なかでも、含フッ素弾性共重合体は、乳化重合によって製造されることが好ましい。
本発明では、負極合剤層に係るバインダとして、水溶性接着樹脂を前記含フッ素弾性共重合体と併用する。これにより、負極の伝導性を高めて非水電解液二次電池の負荷特性を更に向上させ得ると共に、負極合剤層の機械的強度を高めて非水電解液二次電池の充放電サイクル特性を更に向上させることができる。
水溶性接着樹脂の具体例としては、例えば、セルロース類、アクリル酸系ポリマーおよびアルギン酸系ポリマーよりなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。より具体的には、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびその塩類、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)およびその塩類、アルギン酸およびその塩類、ポリアクリル酸およびその塩類などが挙げられる。
負極合剤層における水溶性接着樹脂の質量(M)に対する含フッ素弾性共重合体の質量(M)の比:M/Mは、小さすぎると、前記の両バインダを併用することによる非水電解液二次電池の負荷特性向上効果が小さくなる傾向にあることから、0.1以上とすればよく、0.2以上であることが好ましく、0.3以上であることがより好ましい。
一方、前記質量比:M/Mは、大きすぎると、前記の両バインダを併用することによる非水電解液二次電池の充放電サイクル特性向上効果が小さくなる傾向にあることから、2以下とすればよく、1.5以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。
本発明に係る負極の負極合剤層に用いられる負極活物質は、黒鉛質炭素材料、およびリチウムと合金化する元素を含む材料である。
黒鉛質炭素材料としては、例えば、鱗片状黒鉛などの天然黒鉛;熱分解炭素類、メソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB)、炭素繊維などの易黒鉛化炭素を2800℃以上で黒鉛化処理した人造黒鉛;などが挙げられる。
リチウムと合金化する元素を含む材料に係る前記元素としては、Si、Sn、Ga、Ge、In、Alなどが挙げられる。負極活物質となる前記元素を含む材料としては、前記元素単体または前記元素同士の合金のほか、前記元素とCo、Ni、Fe、Mn、Ti、Zrなどとの合金、前記元素の酸化物、窒化物、炭化物などの化合物を例示することができる。なかでも、リチウムと合金化する元素としては、SiまたはSnが好ましく、これら元素の単体、これら元素を含む合金、これら元素の酸化物が活物質として好ましく用いられる。
前記例示のリチウムと合金化する元素を含む材料の中でも、特に非水電解液二次電池の高容量化を図るには、一般式SiO(ただし、Siに対するOの原子比xは、0.5≦x≦1.5である)で表される材料(以下、当該材料を単に「SiO」と記載する)を用いることが好ましい。
SiOは、Siの酸化物のみに限定されず、Siの微結晶または非晶質相を含んでいてもよく、この場合、SiとOの原子比は、Siの微結晶または非晶質相のSiを含めた比率となる。すなわち、SiOには、非晶質のSiOマトリックス中に、Si(例えば、微結晶Si)が分散した構造のものが含まれ、この非晶質のSiOと、その中に分散しているSiを合わせて、前記の原子比xが0.5≦x≦1.5を満足していればよい。例えば、非晶質のSiOマトリックス中に、Siが分散した構造で、SiOとSiのモル比が1:1の材料の場合、x=1であるので、本発明においてはSiOで表記される。このような構造の材料の場合、例えば、X線回折分析では、Si(微結晶Si)の存在に起因するピークが観察されない場合もあるが、透過型電子顕微鏡で観察すると、微細なSiの存在が確認できる。
SiOの粒径としては、後述する炭素材料との複合化の効果を高め、また、充放電での微細化を防ぐため、レーザー回折散乱式粒度分布測定装置、例えば、日機装社製の「マイクロトラックHRA」などにより測定される数平均粒子径として、およそ0.5〜10μmのものが好ましく用いられる。
SiOの粒子形態は、一次粒子であってもよいし、複数の一次粒子が複合した複合粒子であってもよい。
SiOは、炭素材料と複合化した複合体であることが好ましく、例えば、SiOの表面が炭素材料で被覆されていることが望ましい。SiOは導電性が乏しいため、これを負極活物質として用いる際には、良好な電池特性確保の観点から、導電性材料(導電助剤)を使用し、負極内におけるSiOと導電性材料との混合・分散を良好にして、優れた導電ネットワークを形成する必要がある。SiOを炭素材料と複合化した複合体であれば、例えば、単にSiOと炭素材料などの導電性材料とを混合して得られた材料を用いた場合よりも、負極における導電ネットワークが良好に形成される。
SiOと炭素材料との複合体としては、前記のように、SiOの表面を炭素材料で被覆したものの他、SiOと炭素材料との造粒体などが挙げられる。
また、前記の、SiOの表面を炭素材料で被覆した複合体を、更に導電性材料(炭素材料など)と複合化して用いることで、負極において更に良好な導電ネットワークの形成が可能となるため、より高容量で、より電池特性(例えば、充放電サイクル特性)に優れたリチウム二次電池の実現が可能となる。炭素材料で被覆されたSiOと炭素材料との複合体としては、例えば、炭素材料で被覆されたSiOと炭素材料との混合物を更に造粒した造粒体などが挙げられる。
また、表面が炭素材料で被覆されたSiOとしては、SiOとそれよりも比抵抗値が小さい炭素材料との複合体(例えば造粒体)の表面が、更に炭素材料で被覆されてなるものも、好ましく用いることができる。前記造粒体内部でSiOと炭素材料とが分散した状態であると、より良好な導電ネットワークを形成できるため、SiOを負極活物質として含有する負極を有する非水電解液二次電池において、重負荷放電特性などの電池特性を更に向上させることができる。
SiOとの複合体の形成に用い得る前記炭素材料としては、例えば、低結晶性炭素、カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維などの炭素材料が好ましいものとして挙げられる。
前記炭素材料の詳細としては、繊維状またはコイル状の炭素材料、カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラックを含む)、人造黒鉛、易黒鉛化炭素および難黒鉛化炭素よりなる群から選ばれる少なくとも1種の材料が好ましい。繊維状またはコイル状の炭素材料は、導電ネットワークを形成し易く、かつ表面積の大きい点において好ましい。カーボンブラック(アセチレンブラック,ケッチェンブラックを含む)、易黒鉛化炭素および難黒鉛化炭素は、高い電気伝導性、高い保液性を有しており、さらに、SiO粒子が膨張収縮しても、その粒子との接触を保持し易い性質を有している点において好ましい。
また、負極活物質として使用される黒鉛質炭素材料を、SiOと炭素材料との複合体に係る炭素材料として使用することもできる。黒鉛質炭素材料も、カーボンブラックなどと同様に、高い電気伝導性、高い保液性を有しており、更に、SiO粒子が膨張収縮しても、その粒子との接触を保持しやすい性質を有しているため、SiOとの複合体形成に好ましく使用することができる。
前記例示の炭素材料の中でも、SiOとの複合体が造粒体である場合に用いるものとしては、繊維状の炭素材料が特に好ましい。繊維状の炭素材料は、その形状が細い糸状であり柔軟性が高いために電池の充放電に伴うSiOの膨張収縮に追従でき、また、嵩密度が大きいために、SiO粒子と多くの接合点を持つことができるからである。繊維状の炭素としては、例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、カーボンナノチューブなどが挙げられ、これらの何れを用いてもよい。
なお、繊維状の炭素材料は、例えば、気相法にてSiO粒子の表面に形成することもできる。
SiOの比抵抗値が、通常、10〜10kΩcmであるのに対して、前記例示の炭素材料の比抵抗値は、通常、10−5〜10kΩcmである。
負極にSiOと炭素材料との複合体を使用する場合、SiOと炭素材料との比率は、炭素材料との複合化による作用を良好に発揮させる観点から、SiO:100質量部に対して、炭素材料が、5質量部以上であることが好ましく、10質量部以上であることがより好ましい。また、前記複合体において、SiOと複合化する炭素材料の比率が多すぎると、負極合剤層中のSiO量の低下に繋がり、高容量化の効果が小さくなる虞があることから、SiO:100質量部に対して、炭素材料は、100質量部以下であることが好ましく、50質量部以下であることがより好ましく、40質量部以下であることが最も好ましい。
SiOの一次粒子は、例えば、SiとSiOとの混合物を加熱し、生成した酸化ケイ素のガスを冷却して析出させるなどの方法によって得ることができる。更に、得られたSiOを不活性ガス雰囲気下で熱処理することにより、粒子内部に微小なSi相を形成させることができる。このときの熱処理温度および時間を調整することにより、形成されるSi相の(111)回折ピークの半値幅を制御できる。通常、熱処理温度は、約900〜1400℃の範囲内に設定され、熱処理時間は、約0.1〜10時間の範囲内に設定される。
また、前記のSiOと炭素材料との複合体は、例えば下記の方法によって得ることができる。
まず、SiOを複合化する場合の作製方法について説明する。SiOが分散媒に分散した分散液を用意し、それを噴霧し乾燥して、複数の粒子を含む複合粒子を作製する。分散媒としては、例えば、エタノールなどを用いることができる。分散液の噴霧は、通常、50〜300℃の雰囲気内で行うことが適当である。前記の方法以外にも、振動型や遊星型のボールミルやロッドミルなどを用いた機械的な方法による造粒方法においても、同様の複合粒子を作製することができる。
なお、SiOと、SiOよりも比抵抗値の小さい炭素材料との造粒体を作製する場合には、SiOが分散媒に分散した分散液中に前記炭素材料を添加し、この分散液を用いて、SiOを複合化する場合と同様の手法によって複合粒子(造粒体)とすればよい。また、前記と同様の機械的な方法による造粒方法によっても、SiOと炭素材料との造粒体を作製することができる。
次に、SiO粒子(SiO複合粒子、またはSiOと炭素材料との造粒体)の表面を炭素材料で被覆して複合体とする場合には、例えば、SiO粒子と炭化水素系ガスとを気相中にて加熱して、炭化水素系ガスの熱分解により生じた炭素を、粒子の表面上に堆積させる。このように、気相成長(CVD)法によれば、炭化水素系ガスが複合粒子の隅々にまで行き渡り、粒子の表面や表面の空孔内に、導電性を有する炭素材料を含む薄くて均一な皮膜(炭素材料被覆層)を形成できることから、少量の炭素材料によってSiO粒子に均一性よく導電性を付与できる。
炭素材料で被覆されたSiOの製造において、気相成長(CVD)法の処理温度(雰囲気温度)については、炭化水素系ガスの種類によっても異なるが、通常、600〜1200℃が適当であり、中でも、700℃以上であることが好ましく、800℃以上であることが更に好ましい。処理温度が高い方が不純物の残存が少なく、かつ導電性の高い炭素を含む被覆層を形成できるからである。
炭化水素系ガスの液体ソースとしては、トルエン、ベンゼン、キシレン、メシチレンなどを用いることができるが、取り扱い易いトルエンが特に好ましい。これらを気化させる(例えば、窒素ガスでバブリングする)ことにより炭化水素系ガスを得ることができる。また、メタンガスやアセチレンガスなどを用いることもできる。
また、気相成長(CVD)法にてSiO粒子(SiO複合粒子、またはSiOと炭素材料との造粒体)の表面を炭素材料で覆った後に、石油系ピッチ、石炭系のピッチ、熱硬化性樹脂、およびナフタレンスルホン酸塩とアルデヒド類との縮合物よりなる群から選択される少なくとも1種の有機化合物を、炭素材料を含む被覆層に付着させた後、前記有機化合物が付着した粒子を焼成してもよい。
具体的には、炭素材料で被覆されたSiO粒子(SiO複合粒子、またはSiOと炭素材料との造粒体)と、前記有機化合物とが分散媒に分散した分散液を用意し、この分散液を噴霧し乾燥して、有機化合物によって被覆された粒子を形成し、その有機化合物によって被覆された粒子を焼成する。
前記ピッチとしては等方性ピッチを、熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂、フラン樹脂、フルフラール樹脂などを用いることができる。ナフタレンスルホン酸塩とアルデヒド類との縮合物としては、ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物を用いることができる。
炭素材料で被覆されたSiO粒子と前記有機化合物とを分散させるための分散媒としては、例えば、水、アルコール類(エタノールなど)を用いることができる。分散液の噴霧は、通常、50〜300℃の雰囲気内で行うことが適当である。焼成温度は、通常、600〜1200℃が適当であるが、中でも700℃以上が好ましく、800℃以上であることが更に好ましい。処理温度が高い方が不純物の残存が少なく、かつ導電性の高い良質な炭素材料を含む被覆層を形成できるからである。ただし、処理温度はSiOの融点以下であることを要する。
SiOなどの、リチウムと合金化する元素を含む材料は、非水電解液二次電池の負極活物質として汎用されている炭素材料に比べて高容量である一方で、電池の充放電に伴う体積変化量が大きいため、リチウムと合金化する元素を含む材料の含有量の高い負極合剤層を有する負極を用いた非水電解液二次電池では、充放電の繰り返しによって負極(負極合剤層)が大きく体積変化して劣化し、容量が低下する(すなわち充放電サイクル特性が低下する)虞がある。黒鉛質炭素材料は、非水電解液二次電池の負極活物質として汎用されており、比較的容量が大きい一方で、リチウムと合金化する元素を含む材料に比べて、電池の充放電に伴う体積変化量が小さい。よって、負極活物質に黒鉛質炭素材料とリチウムと合金化する元素を含む材料とを併用することで、リチウムと合金化する元素を含む材料の使用量の低減に伴って電池の容量向上効果が小さくなることを可及的に抑制しつつ、電池の充放電サイクル特性の低下を良好に抑えることができる。
リチウムと合金化する元素を含む材料(例えば、SiO)の全負極活物質中における含有量は、前記材料を使用することによる高容量化の効果を良好に確保する観点から、0.01質量%以上であることが好ましく、1質量%以上であることがより好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。また、充放電に伴うリチウムと合金化する元素を含む材料の体積変化による問題をより良好に回避する観点から、リチウムと合金化する元素を含む材料(例えば、SiO)の全負極活物質中における含有量は、20質量%以下であることが好ましく、15質量%以下であることがより好ましい。
本発明に係る負極の負極合剤層には、更に導電助剤として導電性材料を添加してもよい。このような導電性材料としては、非水電解液二次電池内において化学変化を起こさないものであれば特に限定されず、例えば、アセチレンブラック、ケッチェンブラック(商品名)、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラックなどのカーボンブラック;炭素繊維、金属繊維などの導電性繊維;アルミニウム粉、ニッケル粉、銅粉、銀粉などの金属粉末;フッ化炭素;酸化亜鉛;チタン酸カリウムなどからなる導電性ウィスカー;酸化チタンなどの導電性金属酸化物;ポリフェニレン誘導体(特開昭59−20971号公報に記載のもの)などの有機導電性材料;などが挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、吸液性に優れたカーボンブラックが好ましく、ケッチェンブラックやアセチレンブラックがより好ましい。また、導電助剤の形態としては、一次粒子に限定されず、二次凝集体や、チェーンストラクチャーなどの集合体の形態のものも用いることができる。このような集合体の方が、取り扱いが容易であり、生産性が良好となる。
負極合剤層に係る導電助剤として使用する炭素材料の粒径は、例えば、前記のレーザー回折散乱式粒度分布測定装置を用いて測定される数平均粒子径で、0.01μm以上であることが好ましく、0.02μm以上であることがより好ましく、また、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましい。
負極合剤層の厚みは、負極集電体の片面あたり、10〜100μmであることが好ましい。負極合剤層の密度(負極集電体に積層した単位面積あたりの負極合剤層の質量と、厚みから算出される)は、1.0g/cm以上1.9g/cm以下であることが好ましい。
負極合剤層の組成としては、例えば、負極活物質の量(黒鉛質炭素材料とリチウムと合金化する元素を含む材料との総量)が80〜99質量%であることが好ましく、バインダの量が1〜20質量%であることが好ましい。また、負極合剤層に導電助剤を含有させる場合には、導電助剤は、負極活物質の量およびバインダの量が、前記の好適値を満足する範囲内で使用することが好ましい。
負極に係る集電体としては、銅製やニッケル製の箔、パンチングメタル、網、エキスパンドメタルなどを用い得るが、通常、銅箔が用いられる。この負極集電体は、高エネルギー密度の電池を得るために負極全体の厚みを薄くする場合、厚みの上限は30μmであることが好ましく、機械的強度を確保するために下限は5μmであることが望ましい。
<正極>
本発明の非水電解液二次電池に係る正極は、正極活物質などを含有する正極合剤層を、例えば集電体の片面または両面に有するものである。
本発明に係る正極は、例えば、正極活物質や、バインダ、導電助剤などを含む混合物(正極合剤)に、溶剤(NMPなど)を加えて十分に混練して得たペースト状やスラリー状の正極合剤含有組成物を、正極集電体の片面または両面に塗布し、所定の厚みおよび密度を有する正極合剤層を形成することによって製造することができる。なお、本発明に係る正極の製造方法は、前記の製造方法に限られない。
正極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能なリチウム含有遷移金属複合酸化物が使用される。リチウム含有遷移金属複合酸化物としては、従来から知られているリチウムイオン二次電池などの非水電解液二次電池に使用されているもの、具体的には、LiCoO(ただし、0≦y≦1.1である。)、LiNiO(ただし、0≦z≦1.1である。)、LiMnO(ただし、0≦e≦1.1である。)、LiCo 1-b(ただし、Mは、Mg、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn、Al、Ti、GeおよびCrよりなる群から選択される少なくとも1種の金属元素であり、0≦a≦1.1、0<b<1.0である。)、LiNi1−d (ただし、Mは、Mg、Mn、Fe、Co、Cu、Zn、Al、Ti、GeおよびCrよりなる群から選択される少なくとも1種の金属元素であり、0≦c≦1.1、0<d<1.0である。)、LiMnNiCo1−g−h(ただし、0≦f≦1.1、0<g<1.0、0<h<1.0である。)などの層状構造を有するリチウム含有遷移金属複合酸化物などが挙げられ、これらのうちの1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
正極合剤層に係るバインダとしては、例えば、でんぷん、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、CMC、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロースなどの多糖類やそれらの変成体;ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、PVDF、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドイミド、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂やそれらの変成体;ポリイミド;エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、SBR、ブタジエンゴム、ポリブタジエン、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシドなどのゴム状弾性を有するポリマーやそれらの変成体;などが挙げられ、これらのうちの1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
正極合剤層に係る導電助剤には、負極合剤層に係る導電助剤として先に例示した各導電助剤を使用できる。
正極集電体としては、従来から知られている非水電解液二次電池の正極に使用されているものと同様のものが使用でき、正極集電体の材質は、構成された非水電解液二次電池において化学的に安定な電子伝導体であれば特に限定されない。例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、炭素、導電性樹脂などの他に、アルミニウム、アルミニウム合金またはステンレス鋼の表面に炭素層またはチタン層を形成した複合材などを用いることができる。これらの中でも、アルミニウムまたはアルミニウム合金が特に好ましい。これらは、軽量で電子伝導性が高いからである。正極集電体には、例えば、前記材質からなるフォイル、フィルム、シート、ネット、パンチングシート、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体などが使用される。また、正極集電体の表面に、表面処理を施して凹凸を付けることもできる。正極集電体の厚みは特に限定されないが、通常1〜500μmである。
正極合剤層の厚みは、例えば、正極集電体の片面あたり10〜100μmであることが好ましい。正極合剤層の密度は、正極集電体に積層した単位面積あたりの正極合剤層の質量と厚みとから算出され、3.0〜4.5g/cmであることが好ましい。
正極合剤層の組成としては、例えば、正極活物質の量が60〜98質量%であることが好ましく、バインダの量が1〜15質量%であることが好ましく、導電助剤の量が1〜25質量%であることが好ましい。
<非水電解液>
本発明の非水電解液二次電池に係る非水電解液には、有機溶媒にリチウム塩(無機リチウム塩もしくは有機リチウム塩またはその両者)を溶解させることによって調製した電解液を使用することができる。
非水電解液に係る有機溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC),ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルフォキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、蟻酸メチル、酢酸メチル、燐酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、ジエチルエーテル、1,3−プロパンサルトンなどの非プロトン性有機溶媒が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。また、アミンイミド系有機溶媒や、含イオウまたは含フッ素系有機溶媒なども用いることができる。これらの中でも、ECとMECとDECとの混合溶媒が好ましく、この場合、混合溶媒の全容量に対して、DECを15容量%以上80容量%以下の量で含むことがより好ましい。このような混合溶媒であれば、電池の低温特性や充放電サイクル特性を高く維持しつつ、高電圧充電時における溶媒の安定性を高めることができるからである。
非水電解液を構成するための無機リチウム塩としては、LiClO、LiBF、LiPF、LiCFSO、LiCFCO、LiAsF、LiSbF、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸Li、LiAlCl、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランLi、四フェニルホウ酸Liなどが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を用いることができる。
非水電解液を構成するための有機リチウム塩としては、LiCFSO、LiCFCO、Li(SO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiC2n+1SO(2≦n≦7)、LiN(RfOSO〔ここでRfはフルオロアルキル基を示す。〕などが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を用いることができる。
これらの非水電解液の中でも、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートおよびメチルエチルカーボネートより選ばれる少なくとも1種の鎖状カーボネートと、エチレンカーボネートおよびプロピレンカーボネートより選ばれる少なくとも1種の環状カーボネートとを含む溶媒に、LiPFを溶解した電解液が好ましい。
非水電解液中のリチウム塩の濃度は、例えば、0.2〜3.0mol/Lであることが適当であり、0.8〜2.0mol/Lであることが好ましく、0.9〜1.6mol/Lであることがより好ましい。
また、充放電サイクル特性の改善、高温貯蔵性や過充電防止などの安全性を向上させる目的で、前記の非水電解液に、例えば、無水酸、スルホン酸エステル、ジニトリル、1,3−プロパンサルトン、ジフェニルジスルフィド、シクロヘキシルベンゼン、ビニレンカーボネート(VC)、ビフェニル、フルオロベンゼン、t−ブチルベンゼン、環状フッ素化カーボネート〔トリフルオロプロピレンカーボネート(TFPC)、フルオロエチレンカーボネート(FEC)など〕、または、鎖状フッ素化カーボネート〔トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)、トリフルオロジエチルカーボネート(TFDEC)、トリフルオロエチルメチルカーボネート(TFEMC)など〕など(前記の各化合物の誘導体も含む)を適宜含有させることもできる。なお、前記環状フッ素化カーボネートおよび鎖状フッ素化カーボネートは、エチレンカーボネートなどのように、溶媒として用いることもできる。
<セパレータ>
本発明の非水電解液二次電池に係るセパレータとしては、強度が十分で、かつ非水電解液を多く保持できるものがよく、例えば、厚みが5〜50μmで開口率が30〜70%の、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン製の微多孔膜を用いることができる。セパレータを構成する微多孔膜は、例えば、PEのみを使用したものやPPのみを使用したものであってもよく、エチレン−プロピレン共重合体を含んでいてもよく、また、PE製の微多孔膜とPP製の微多孔膜との積層体であってもよい。
更に、セパレータには、融点が140℃以下の樹脂を主体とした多孔質層と、融点が150℃以上の樹脂または耐熱温度が150℃以上の無機フィラーを主体として含む多孔質層とから構成された積層型のセパレータを使用することができる。ここで、「融点」とは日本工業規格(JIS) K 7121の規定に準じて、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定される融解温度を意味し、「耐熱温度が150℃以上」とは、少なくとも150℃において軟化などの変形が見られないことを意味している。
セパレータ(ポリオレフィン製の微多孔膜からなるセパレータや、前記積層型のセパレータ)の厚みは、10〜30μmであることがより好ましい。
<電池の形態>
本発明の非水電解液二次電池の形態としては、特に制限はない。例えば、コイン形、ボタン形、シート形、積層形、円筒形、扁平形、角形、電気自動車などに用いる大型のものなど、いずれであってもよい。
また、非水電解液二次電池に正極、負極およびセパレータを導入するにあたっては、電池の形態に応じて、複数の正極と複数の負極とをセパレータを介して積層した積層電極体や、正極と負極とをセパレータを介して積層し、更にこれを渦巻状に巻回した巻回電極体として使用することができる。
本発明の非水電解液二次電池は、高容量であり、かつ優れた電池特性を有していることから、これらの特性を生かして、小型で多機能な携帯機器の電源を始めとして、従来から知られている非水電解液二次電池が適用されている各種用途に好ましく用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
実施例1
<正極の作製>
正極活物質であるLiCoO:93質量部、導電助剤であるカーボンブラック:3質量部、およびバインダであるPVDF:4質量部を、溶媒であるNMPを用いて均一になるように混合して正極合剤含有スラリーを調製した。この正極合剤含有スラリーを、厚みが15μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の片面に塗布し、乾燥した後、ローラープレス機により加圧成形することにより、正極集電体の片面に厚みが70μmの正極合剤層を形成した。その後、これを25mm×35mmに切断して短冊状の正極を得た。
<負極の作製>
負極活物質として、SiO(非晶質のSiOマトリックス中にSiが分散した構造で、SiOとSiとのモル比が1:1である材料)と黒鉛とを、4:1の質量比で含む混合物を用意した。この負極活物質と、導電助剤であるカーボンブラックと、乳化重合により得られたTFE/P=56/44(モル比)の含フッ素弾性共重合体(フッ素含有量57質量%、ムーニー粘度90)を32質量%の含有量で含む水分散体と、CMC水溶液(CMC濃度が2質量%)とを混合して負極合剤含有スラリーを調製した。なお、この負極合剤含有スラリーにおいては、負極活物質と、カーボンブラックと、含フッ素弾性共重合体と、CMCとの比率(質量比)が、94:1.5:1.5:3となるようにした。ここで、水溶性接着樹脂(CMC)に対する含フッ素弾性共重合体の質量比は0.5であった。
前記の負極合剤含有スラリーを、厚みが10μmの銅箔からなる負極集電体の片面に塗布し、乾燥した後、ローラープレス機により加圧成形することにより、負極集電体の片面に厚みが50μmの負極合剤層を形成した。その後、これを30mm×35mmに切断して短冊状の負極を得た。
<電池の組み立て>
前記の正極と前記の負極とを、PE製微多孔膜セパレータ(厚み25μm、空孔率45%)を介在させつつ重ね合わせて積層電極体とした。この積層電極体を10cm×20cmのアルミニウムラミネートフィルムからなる外装体内に挿入した。次に、ECとDECとMECとを1:1:1の体積比で混合した溶液にLiPFを1mol/Lの濃度で溶解させた後、更にVCを1質量%となる量で溶解させて調製した非水電解液:1gを外装体内に注入した。その後、外装体の開口部を封口して、図1に示す外観で、図2に示す断面構造の非水電解液二次電池を作製した。
ここで、図1および図2について説明すると、図1は非水電解液二次電池を模式的に表す平面図であり、図2は、図1のA−A線断面図である。非水電解液二次電池1は、2枚のラミネートフィルムで構成した外装体2内に、正極5と負極6とをセパレータ7を介して積層して構成した積層電極体と、非水電解液(図示しない)とを収容しており、外装体2は、その外周部において、上下のラミネートフィルムを熱融着することにより封止されている。なお、図2では、図面が煩雑になることを避けるために、外装体2を構成している各層、並びに正極5および負極6の各層を区別して示していない。
正極5は、電池1内でリード体を介して正極外部端子3と接続しており、また、図示していないが、負極6も、電池1内でリード体を介して負極外部端子4と接続している。そして、正極外部端子3および負極外部端子4は、外部の機器などと接続可能なように、片端側がラミネートフィルム外装体2の外側に引き出されている。
実施例2
沸騰床反応器中において、約1000℃に加熱されたSiO粒子(平均粒子径D50:5μm)にメタンと窒素ガスからなる25℃の混合ガスを接触させ、気相成長法により、表面に低結晶性炭素の被覆層が形成されたSiO粒子(SiOと炭素材料との複合体)を作製した。この複合体における炭素材料の割合は、SiO:100質量部に対して20質量部であった。このSiOと炭素材料との複合体と黒鉛とを4:1の質量比で混合し、この混合物を負極活物質として用いた以外は実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
実施例3
実施例1の含フッ素弾性共重合体に代えて、乳化重合により得られたTFE/P=56/44(モル比)の含フッ素弾性共重合体(フッ素含有量57質量%、ムーニー粘度130)を32質量%の含有量で含む水分散体を使用した以外は実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
実施例4
負極活物質と、カーボンブラックと、含フッ素弾性共重合体と、CMCとの比率(質量比)を、93.5:1.5:2:2.5とし、水溶性接着樹脂に対する含フッ素弾性共重合体の質量の比を0.8とした以外は実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
実施例5
負極活物質と、カーボンブラックと、含フッ素弾性共重合体と、CMCとの比率(質量比)を、94:1.5:2.5:2とし、水溶性接着樹脂に対する含フッ素弾性共重合体の質量の比を1.25とした以外は実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
実施例6
負極活物質と、カーボンブラックと、含フッ素弾性共重合体と、CMCとの比率(質量比)を、93.5:1.5:1.05:3.45とし、水溶性接着樹脂に対する含フッ素弾性共重合体の質量の比を0.3とした以外は実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
実施例7
CMCに代えてポリアクリル酸を使用した以外は実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
比較例1
含フッ素弾性共重合体に代えてSBRを使用した以外は実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
比較例2
実施例1の含フッ素弾性共重合体に代えて、ポリテトラフルオロエチレン(フッ素含有量76%)の水分散体を使用した以外は実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
比較例3
負極活物質と、カーボンブラックと、含フッ素弾性共重合体と、CMCとの比率(質量比)を、93.5:1.5:0.33:4.17とし、水溶性接着樹脂に対する含フッ素弾性共重合体の質量の比を0.08とした以外は実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
比較例4
負極活物質と、カーボンブラックと、含フッ素弾性共重合体と、CMCとの比率(質量比)を、93.5:1.5:3.5:1.0とし、水溶性接着樹脂に対する含フッ素弾性共重合体の質量の比を3.5とした以外は実施例1と同様にして負極を作製し、この負極を用いた以外は実施例1と同様にして非水電解液二次電池を作製した。
実施例1〜7および比較例1〜4の各非水電解液二次電池について、以下の充放電サイクル特性評価および負荷特性評価を行った。
<充放電サイクル特性評価>
実施例および比較例の各電池について、電流10mAの定電流で電圧4.2Vまで充電し、続いて4.2Vの定電圧で充電する定電流−定電圧充電(充電の合計時間:5時間)を行った後、10mAの定電流で2.5Vまで定電流放電させる充放電サイクルを、温度20℃で500回繰り返した。そして、1サイクル目の放電容量、100サイクル目の放電容量、および500サイクル目の放電容量を測定し、下記式(1)および(2)によって100サイクル後の容量維持率と、500サイクル後の容量維持率とを求めた。
100サイクル後の容量維持率(%)=(100サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量)×100・・・(1)
500サイクル後の容量維持率(%)=(500サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容)量×100・・・(2)
<負荷特性評価>
実施例および比較例の各電池について、前記の充放電サイクル特性評価時と同じ条件で充放電サイクルを繰り返し行うが、1サイクル目と100サイクル目については、放電を20mAの定電流で2.5Vまで定電流放電させて、1サイクル目の放電容量および100サイクル目の放電容量(20mA放電時の放電容量)を測定した。そして、この測定結果と、前記の充放電サイクル特性評価において測定した1サイクル目および100サイクル目の放電容量(10mA放電時の放電容量)の値とを用いて、下記式(3)および(4)によって初期負荷特性および100サイクル後の負荷特性を求めた。
初期負荷特性(%)=(1サイクル目の20mA放電時の放電容量/1サイクル目の10mA放電時の放電容量)×100・・・(3)
100サイクル後の負荷特性(%)=(100サイクル目の20mA放電時の放電容量/100サイクル目の10mA放電時の放電容量)×100・・・(4)
前記の各評価結果を表1に示す。
Figure 2016076292
表1に示す通り、負極合剤層に係るバインダに、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびフッ化ビニリデンからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体を含む2種以上の単量体に基づく構成単位を有する含フッ素弾性共重合体と、水溶性接着樹脂とを使用し、前記水溶性接着樹脂に対する前記含フッ素弾性共重合体の質量比を適正値とした実施例1〜6の非水電解液二次電池は、初期および100サイクル後の負荷特性が良好であり、また、100サイクル後および500サイクル後の容量維持率が高く充放電サイクル特性も良好である。
これに対し、負極合剤層に係るバインダにSBRやポリテトラフルオロエチレンを用いた比較例1、2の電池は、初期負荷特性は実施例の電池と同様に良好であるものの、100サイクル後では負荷特性が低下しており、また、充放電サイクル特性も劣っている。また、前記水溶性接着樹脂に対する前記含フッ素弾性共重合体の質量比が小さすぎる比較例3の電池では、負荷特性が大幅に低下した。一方、前記質量比が大きすぎる比較例4の電池では、初期負荷特性は実施例1〜7と同様に高いものの、100サイクル後では容量維持率が低下し、負荷特性も悪くなった。
1 非水電解液二次電池
2 外装体
5 正極
6 負極
7 セパレータ

Claims (5)

  1. 正極、負極、非水電解液およびセパレータを有する非水電解液二次電池であって、
    前記正極は、リチウム含有遷移金属複合酸化物を活物質として含有する正極合剤層を有しており、
    前記負極は、少なくとも黒鉛質炭素材料、およびリチウムと合金化する元素を含む材料を活物質として含有し、かつバインダを含有する負極合剤層を有しており、
    前記負極合剤層は、前記バインダとして、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、およびフッ化ビニリデンからなる群より選ばれる少なくとも1種の単量体を含む2種以上の単量体に基づく構成単位を有する含フッ素弾性共重合体と、水溶性接着樹脂とを含有し、
    前記水溶性接着樹脂に対する前記含フッ素弾性共重合体の質量比が、0.1以上2以下であることを特徴とする非水電解液二次電池。
  2. 水溶性接着樹脂が、セルロース類である請求項1に記載の非水電解液二次電池。
  3. 含フッ素弾性共重合体が、プロピレンに基づく構成単位を有する請求項1または2に記載の非水電解液二次電池。
  4. リチウムと合金化する元素を含む材料が、一般式SiO(ただし、Siに対するOの原子比xは0.5≦x≦1.5である)で表される材料である請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解液二次電池。
  5. 一般式SiOで表される材料の表面が炭素材料で被覆されている請求項4に記載の非水電解液二次電池。
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