JP2016071972A - ヒューズエレメント、ヒューズ素子、及び発熱体内蔵ヒューズ素子 - Google Patents

ヒューズエレメント、ヒューズ素子、及び発熱体内蔵ヒューズ素子 Download PDF

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Abstract

【課題】小型化が図られたヒューズ素子においても、速溶断性及び溶断後における絶縁性に優れるヒューズ素子、及びヒューズエレメントを提供する。
【解決手段】
ヒューズ素子1の通電経路を構成し、定格を超える電流が通電することによって自己発熱により溶断するヒューズエレメント5であって、通電方向の全長Lよりも通電方向と直交する幅方向の長さWが大きいヒューズエレメント5である。特に、ヒューズエレメント5は、低融点金属層5aと低融点金属層5aの上下に高融点金属層5bを有し、低融点金属層5aは、通電時に高融点金属層5bを浸食して溶断する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電流経路上に実装され、定格を超える電流が流れた時に自己発熱により溶断し当該電流経路を遮断するヒューズエレメント及びそのようなヒューズエレメントを有するヒューズ素子並びに発熱体内蔵ヒューズ素子に関し、特に速断性、溶断後の絶縁性に優れたヒューズエレメント、ヒューズ素子及び発熱体内蔵ヒューズ素子に関する。
従来、定格を超える電流が流れた時に自己発熱により溶断し、当該電流経路を遮断するヒューズエレメントが用いられている。ヒューズエレメントとしては、例えば、ハンダをガラス管に封入したホルダー固定型ヒューズや、セラミック基板表面にAg電極を印刷したチップヒューズ、銅電極の一部を細らせてプラスチックケースに組み込んだねじ止め又は差し込み型ヒューズ等が多く用いられている。
特開2011−82064号公報
しかし、上記既存のヒューズエレメントにおいては、リフローによる表面実装ができない、電流定格が低く、また大型化によって定格を上げると速断性に劣る、といった問題点が指摘されている。
また、リフロー実装用の速断ヒューズ素子を想定した場合、リフローの熱によって溶融しないように、一般的には、ヒューズエレメントには融点が300℃以上のPb入り高融点ハンダが溶断特性上好ましい。しかしながら、RoHS指令等においては、Pb含有ハンダの使用は、限定的に認められているに過ぎず、今後Pbフリー化の要求は、強まるものと考えられる。
すなわち、ヒューズエレメントとしては、リフローによる表面実装が可能でヒューズ素子への実装性に優れること、定格を上げて大電流に対応可能であること、定格を超える過電流時には速やかに電流経路を遮断する速溶断性を備えることが求められる。
そこで、本発明は、小型化が図られたヒューズ素子においても、速溶断性及び溶断後における絶縁性に優れるヒューズ素子、及びヒューズエレメントを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係るヒューズエレメントは、ヒューズ素子の通電経路を構成し、定格を超える電流が通電することによって自己発熱により溶断するヒューズエレメントであって、通電方向の長さよりも幅方向の長さが大きいものである。
また、上述した課題を解決するために、本発明に係るヒューズエレメントは、凹み又は貫通孔を有することで、通電経路を分割するものである。
上述した課題を解決するために、本発明に係るヒューズ素子は、通電経路を構成し、定格を超える電流が通電することによって自己発熱により溶断するヒューズエレメントを有するヒューズ素子であって、ヒューズエレメントは、通電方向の長さよりも幅方向の長さが大きいものである。
また、上述した課題を解決するために、本発明に係るヒューズ素子は、ヒューズエレメントに凹み又は貫通孔を有することで、通電経路を分割するものである。
上述した課題を解決するために、本発明に係る発熱体内蔵ヒューズ素子は、通電経路を構成し、定格を超える電流が通電することによって自己発熱により溶断するヒューズエレメントと、ヒューズエレメントを加熱して溶断する発熱体とを有する発熱体内蔵ヒューズ素子であって、ヒューズエレメントは、通電方向の長さよりも幅方向の長さが大きいものである。
また、上述した課題を解決するために、本発明に係る発熱体内蔵ヒューズ素子は、ヒューズエレメントに凹み又は貫通孔を有することで、通電経路を分割するものである。
本発明によれば、ヒューズエレメントの通電方向の長さよりも幅方向の長さが大きいものとしたため幅方向に凹部又は貫通孔を複数設けることが容易となり、また、凹部又は貫通孔を設けることによって通電経路を分割することができるため、凹部又は貫通孔によって形成される幅狭部分が順次溶断することで、自身の発熱により溶融、膨張してヒューズエレメントが爆発的飛散等の発生を抑止することができる。これにより、リフローによる表面実装が可能であり、定格を上げて大電流に対応可能であり、かつ定格を超える過電流時には速やかに電流経路を遮断する速溶断性を得ることが可能となる。
図1は、本発明が適用されたヒューズ素子の一例を示す断面図である。 図2は、ヒューズエレメントの一例を示す斜視図である。 図3は、ヒューズエレメントの一例を示す平面図である。 図4は、本発明が適用された他のヒューズエレメントであって、低融点金属層の上下に高融点金属層が交互に複数積層された例を示す断面図である。 図5は、本発明が適用された他のヒューズエレメントであって、低融点金属層の上下に高融点金属層を設け、さらにその上下に酸化防止膜を設けた例を示す断面図である。 図6は、本発明が適用された他のヒューズエレメントであって、低融点金属層の上下に高融点金属層を設けた貫通孔を配置した例を示す斜視図である。 図7は、本発明が適用された他のヒューズエレメントであって、低融点金属層の上下と、エレメントの幅方向側面に高融点金属層を設けた例を示す斜視図である。 図8は、保護部材が形成されたヒューズエレメントを示す斜視図である。 図9は、第1の実施形態にかかるヒューズエレメントの端部を折り曲げて端子部を形成した状態を示す斜視図である。 図10は、第1の実施形態にかかるヒューズエレメントの端部を折り曲げて端子部を形成した状態で絶縁基板上に設置した状態を示す斜視図である。 図11は、第1の実施形態にかかるヒューズエレメントの端部を折り曲げて端子部を形成したヒューズ素子の一例を示す断面図である。 図12は、第2の実施の形態にかかるヒューズエレメントの一例を示す平面図である。 図13は、第2の実施の形態にかかるヒューズエレメントの一例を示す斜視図である。 図14は、第3の実施の形態にかかるヒューズエレメントの一例を示す平面図である。 図15は、第3の実施の形態にかかるヒューズエレメントの一例を示す斜視図である。 図16は、第4の実施の形態にかかるヒューズエレメントの一例を示す平面図である。 図17は、第4の実施の形態にかかるヒューズエレメントの一例を示す斜視図である。 図18は、第5の実施の形態にかかるヒューズエレメントの一例を示す平面図である。 図19は、第5の実施の形態にかかるヒューズエレメントの一例を示す斜視図である。 図20は、第6の実施の形態にかかるヒューズエレメントの一例を示す平面図である。 図21は、第6の実施の形態にかかるヒューズエレメントの一例を示す斜視図である。 図22は、第7の実施の形態にかかるヒューズエレメントの一例を示す断面図である。 図23は、第7の実施の形態にかかるヒューズエレメントの一例を示す斜視図である。 図24は、第8の実施の形態にかかるヒューズエレメントの一例を示す断面図である。 図25は、第8の実施の形態にかかるヒューズエレメントの一例を示す斜視図である。 図26は、第8の実施の形態にかかるヒューズエレメントの他の例を示す斜視図である。 図27は、第9の実施の形態にかかる発熱体内蔵ヒューズ素子の一例を示す断面図である。 図28は、第10の実施の形態にかかるヒューズ素子の一例を示す分解斜視図である。 図29は、第10の実施の形態にかかるヒューズ素子の一例を示す斜視図である。 図30は、第10の実施の形態にかかるヒューズ素子の一例を示す断面図である。 図31は、第11の実施の形態にかかる発熱体内蔵ヒューズ素子の製造工程を示す斜視図である。 図32は、第11の実施の形態にかかる発熱体内蔵ヒューズ素子の製造工程を示す斜視図である。 図33は、第11の実施の形態にかかる発熱体内蔵ヒューズ素子の製造工程を示す斜視図である。 図34は、第11の実施の形態にかかる発熱体内蔵ヒューズ素子を示す表面側から見た斜視図である。 図35は、第11の実施の形態にかかる発熱体内蔵ヒューズ素子を示す裏面側から見た斜視図である。 図36は、第11の実施の形態にかかる発熱体内蔵ヒューズ素子のヒューズエレメントを変更した例を示す斜視図である。 図37は、第11の実施の形態にかかる発熱体内蔵ヒューズ素子のヒューズエレメントを変更した例を示す平面図である。 図38は、第12の実施の形態にかかる発熱体内蔵ヒューズ素子の製造工程を示す斜視図である。 図39は、第12の実施の形態にかかる発熱体内蔵ヒューズ素子の製造工程を示す斜視図である。 図40は、第12の実施の形態にかかる発熱体内蔵ヒューズ素子を示す表面側から見た斜視図である。 図41は、第12の実施の形態にかかる発熱体内蔵ヒューズ素子を示す裏面側から見た斜視図である。 図42は、第13の実施の形態にかかるフリップチップ型の発熱体内蔵ヒューズ素子を示す表面から見た斜視図である。 図43は、第13の実施の形態にかかるフリップチップ型の発熱体内蔵ヒューズ素子を示す裏面から見た斜視図である。 図44は、第14の実施の形態にかかるフリップチップ型のヒューズ素子の製造工程を示す斜視図である。 図45は、第14の実施の形態にかかるフリップチップ型のヒューズ素子の製造工程を示す斜視図である。 図46は、第14の実施の形態にかかるフリップチップ型のヒューズ素子を示す表面から見た斜視図である。 図47は、第14の実施の形態にかかるフリップチップ型のヒューズ素子を示す裏面から見た斜視図である。
以下、本発明が適用されたヒューズエレメント、ヒューズ素子及び発熱体内蔵ヒューズ素子について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
[第1の実施の形態]
[ヒューズ素子]
本発明に係るヒューズ素子1は、図1に示すように、絶縁基板2と、絶縁基板2に設けられた第1及び第2の電極3,4と、第1及び第2の電極3,4間にわたって実装され、定格を超える電流が通電することによって自己発熱により溶断し、第1の電極3と第2の電極4との間の電流経路を遮断するヒューズエレメント5と、ヒューズエレメント5が設けられた絶縁基板2の表面2a上を覆うカバー部材20とを備える。
絶縁基板2は、たとえば、アルミナ、ガラスセラミックス、ムライト、ジルコニアなどの絶縁性を有する部材によって方形状に形成される。その他、絶縁基板2は、ガラスエポキシ基板、フェノール基板等のプリント配線基板に用いられる材料を用いてもよい。
絶縁基板2の相対向する両端部には、第1、第2の電極3,4が形成されている。第1、第2の電極3,4は、それぞれ、CuやAg配線等の導電パターンによって形成され、Cu等酸化されやすい配線材料の場合には表面に適宜、酸化防止対策としてNi/AuメッキやSnメッキ等の保護層6が設けられている。また、第1、第2の電極3,4は、絶縁基板2の表面2aより、側面を介して裏面2bに至る。ヒューズ素子1は、裏面2bに形成された第1、第2の電極3,4を介して、回路基板の電流経路上に実装される。
ヒューズ素子1は、小型且つ高定格のヒューズ素子を実現するものであり、例えば、絶縁基板2の寸法として3〜4mm×5〜6mm程度と小型でありながら、抵抗値が0.5〜1mΩ、50〜60A定格と高定格化が図られている。なお、本発明は、あらゆるサイズ、抵抗値及び電流定格を備えるヒューズ素子に適用することができるのはもちろんである。
なお、ヒューズ素子1は、絶縁基板2の表面2a上に、内部を保護するとともに溶融したヒューズエレメント5の飛散を防止するカバー部材20を取り付けるようにしている。カバー部材20は、絶縁基板2の表面2a上に搭載される側壁20aと、ヒューズ素子1の上面を構成する天面20bとを有する。このカバー部材20は、例えば、熱可塑性プラスチック,セラミックス,ガラスエポキシ基板等の絶縁性を有する部材を用いて形成することができる。
[ヒューズエレメント]
第1及び第2の電極3,4間にわたって実装されているヒューズエレメント5は、定格を超える電流が通電することによって自己発熱(ジュール熱)により溶断し、第1の電極3と第2の電極4との間の電流経路を遮断するものである。
ヒューズエレメント5は、図1に示すように、内層と外層とからなる積層構造体であり、内層として低融点金属層5a、低融点金属層5aに積層された外層として高融点金属層5bを有し、略矩形板状に形成されている。ヒューズエレメント5は、ハンダ等の接着材料8を介して第1及び第2の電極3,4間に搭載された後、リフローはんだ付け等により絶縁基板2上に接続される。
低融点金属層5aは、好ましくは、Snを主成分とする金属であり、「Pbフリーハンダ」と一般的に呼ばれる材料である。低融点金属層5aの融点は、必ずしもリフロー炉の温度よりも高い必要はなく、200℃程度で溶融してもよい。高融点金属層5bは、低融点金属層5aの表面に積層された金属層であり、例えば、Ag若しくはCu又はこれらのうちのいずれかを主成分とする金属であり、ヒューズエレメント5をリフロー炉によって絶縁基板2上に実装を行う場合においても溶融しない高い融点を有する。
ヒューズエレメント5は、内層となる低融点金属層5aに、外層として高融点金属層5bを積層することによって、リフロー温度が低融点金属層5aの溶融温度を超えた場合であっても、ヒューズエレメント5として溶断するに至らない。したがって、ヒューズエレメント5は、リフローによって効率よく実装することができる。
また、ヒューズエレメント5は、低融点金属層5aの融点以上の温度において溶断し、第1及び第2の電極3,4間の電流経路を遮断する。このとき、ヒューズエレメント5は、溶融した低融点金属層5aが高融点金属層5bを浸食することにより、高融点金属層5bが高融点金属層5sの融点よりも低い温度で溶融を開始する。したがって、ヒューズエレメント5は、低融点金属層5aによる高融点金属層5bの浸食作用を利用して短時間で溶断することができる。加えて、ヒューズエレメント5の溶融金属は、第1及び第2の電極3,4の物理的な引き込み作用により左右に分断されることから、速やかに、かつ確実に、第1及び第2の電極3,4間の電流経路を遮断することができる。
また、ヒューズエレメント5は、図2及び図3に示すように、積層構造体が略矩形板状とされており、通電方向の全長Lよりも通電方向と直交する幅方向の長さW(以下では、単に幅Wとも記載する。)が大きい幅広構造とされている。なお、図2及び図3において、通電方向を矢印で示しているが、以後の図面においても矢印が通電方向を示すものとする。ヒューズエレメント5は、通電方向の中間部分に並列する円形の貫通孔5d,5eを有している。なお、貫通孔5d,5eは、非貫通の凹みであってもよいが、ヒューズエレメント5に凹みを設ける例は、別の実施の形態で説明する。また、貫通孔5d,5eは、円形には限られず、他の形状としてもよいいが、他の形状の例については、別の実施の形態で説明する。また、ヒューズエレメント5の貫通孔や凹みは必須ではなく、ヒューズエレメントの厚みを薄く調整することで、平坦な矩形形状のとしても良い。例えば、ヒューズエレメント5の厚みtをヒューズエレメント5の幅Wの1/30以下とすることで、良好な電流遮断を実現することができる。更に、ヒューズエレメント5の厚みtをヒューズエレメント5の幅Wの1/60以下の比率とし、ヒューズエレメント5の幅Wを適宜広くすることで、50A以上の大電流にも対応することができる。
ここで、通電方向の全長Lとは、ヒューズエレメント5の溶断部平面における通電方向の最大長とする。後に示す折り曲げ端子部は、実装ハンダ等の接続材料が多く付着し、実質的に溶断部位として機能しないため、ヒューズエレメント5の通電長さの対象としない。通電方向の全長Lがヒューズエレメント5上で不均一となる場合には、長さが最少となる部分をヒューズエレメント5の通電方向の全長Lとする。また、幅方向の長さWとは、ヒューズエレメント5の通電方向と直交する方向の長さである。幅方向の長さWがヒューズエレメント5上で不均一となる場合には、長さが最大となる部分をヒューズエレメント5の幅方向の長さWとする。
以下では、2つの貫通孔5d,5eを幅方向に並列されたヒューズエレメント5を用いた場合を例に説明する。図2及び図3に示すように、2つの貫通孔5d,5eによって、ヒューズエレメント5を幅方向に分断する複数の通電経路を構成する。そして、2つの貫通孔5d,5eに分断された複数の幅狭部分5f〜5hは、図3に示すように、定格を超える電流が通電することによって自己発熱(ジュール熱)により溶断する。ヒューズエレメント5は、すべての幅狭部分5f〜5hが溶断することにより、第1、第2の電極3,4間にわたる電流経路を遮断する。
ヒューズエレメント5は、貫通孔5d,5eを有することで、並列する複数の幅狭部分5f〜5hを形成するため、定格を超える電流が通電されると、抵抗値の低い幅狭部分に多くの電流が流れていき、自己発熱により順次溶断していき、最後に残った幅狭部分が溶断する際にのみアーク放電が発生する。したがって、ヒューズエレメント5によれば、最後に残った幅狭部分の溶断時にアーク放電が発生した場合にも、幅狭部分の体積に応じて小規模なものとなり、溶融金属の爆発的な飛散を防止することができ、また溶断後における絶縁性も大幅に向上させることができる。また、ヒューズエレメント5は、複数の幅狭部分5f〜5h毎に溶断されることから、各幅狭部分の溶断に要する熱エネルギーは少なくて済み、短時間で遮断することができる。
また、ヒューズエレメント5は、通電方向の全長Lよりも幅方向の長さWが大きい幅広構造とすることによって、ヒューズエレメント5の体積を確保しつつ、貫通孔5d,5eを並列することを容易としている。
また、ヒューズエレメント5は、定格を超える電流が通電し、溶断する際に、アーク放電が発生した場合にも、溶融したヒューズエレメントが広範囲にわたって飛散し、飛散した金属によって新たに電流経路が形成され、あるいは飛散した金属が端子や周囲の電子部品等に付着することを防止することができる。
すなわち、絶縁基板上の電極端子間にわたって広範囲に搭載されたヒューズエレメントにおいては、定格を超えた電圧が印加され大電流が流れると、全体的に発熱する。そして、ヒューズエレメントは、全体が溶融し、凝集状態となった後、大規模なアーク放電が発生しながら溶断する。このため、ヒューズエレメントの溶融物が爆発的に飛散する。このため、飛散した金属によって新たに電流経路が形成され絶縁性を損ない、あるいは、絶縁基板に形成された電極端子を溶融させて共に飛散することにより、周囲の電子部品等に付着する恐れがある。さらに、このようなヒューズエレメントは、全体的に凝集した後にこれを溶融、遮断させることから溶断に要する熱エネルギーも多くなり、速溶断性に劣る。
アーク放電を速やかに止めて回路を遮断する対策として、中空ケース内に消弧材を詰めたものや、放熱材の周りにヒューズエレメントを螺旋状に巻きつけてタイムラグを発生させる高電圧対応の電流ヒューズも提案されている。しかし、従来の高電圧対応の電流ヒューズにおいては、消弧材の封入や螺旋ヒューズの製造といった、何れも複雑な材料や加工プロセスが必要とされ、ヒューズ素子の小型化や電流の高定格化といった面で不利である。
なお、同様の効果をえるために、ヒューズエレメントを幅方向に分割した細長いエレメントを並列させることも考えられるが、細長いエレメントは急激な加熱により溶断して全体が飛散しやすいため、通電経路の一部のみを分割する2つの貫通孔5d,5eを有するヒューズエレメント5とすることが好ましい。
すなわち、ヒューズエレメント5は、通電経路を複数に分割しつつも、第1、第2の電極3,4付近は所定の熱容量を有するエレメント体積が確保されているため、2つの貫通孔5d,5e付近を先に加熱溶断することができ、溶融金属の爆発的な飛散を防止することができる。
[貫通孔]
つぎに、ヒューズエレメント5の貫通孔5d,5eを設ける位置とその大きさについて説明する。貫通孔5d,5e付近は、上述のように最も早く溶断されることとなるため、溶断位置を調整するために、特に、通電方向の長さLの中央付近とすることが好ましい。言い換えると、第1、第2の電極3,4を回路切断するために、第1、第2の電極3,4の間の中央付近とすることが好ましい。
具体的に、貫通孔5d,5eを設ける位置は、ヒューズエレメント5の通電方向の両端からそれぞれL1、L2だけ離れた位置とすることが好ましい。ここで、L1、L2の具体的な大きさは、(L/4)<L1、(L/4)<L2とする。ヒューズエレメント5の通電経路を複数に分割しつつも、第1、第2の電極3,4付近は所定の熱容量を有するエレメント体積を確保するためである。
また、貫通孔5d,5eの大きさは、その直径をL0とすると、ヒューズエレメント5の通電経路の全長Lに対し、(L/2)>L0となるように設定することが好ましい。これよりも大きくしてしまうと、第1、第2の電極3,4にかかる部分にまで貫通孔5d,5eが及んでしまいかねないからである。
上述のようなヒューズエレメント5は、内層となる低融点金属層5aに高融点金属層5bが積層されて構成されているため、溶断温度を従来の高融点金属からなるチップヒューズ等よりも大幅に低減することができる。したがって、ヒューズエレメント5は、同一サイズのチップヒューズ等に比して、断面積を大きくでき電流定格を大幅に向上させることができる。
また、同じ電流定格をもつ従来のチップヒューズよりも小型化、薄型化を図ることができ、速溶断性に優れる。また、ヒューズエレメント5は、ヒューズ素子1が組み込まれた電気系統に異常に高い電圧が瞬間的に印加されるサージへの耐性(耐パルス性)を向上することができる。すなわち、ヒューズエレメント5は、例えば100Aの電流が数msec流れたような場合にまで溶断してはならない。この点、従来のPb系ヒューズエレメントに比べSnとAgから成る本実施の形態のヒューズエレメントは比抵抗が約1/4〜1/3と小さく低抵抗であり、且つ極短時間に流れる大電流は導体の表層を流れることから(表皮効果)、ヒューズエレメント5は、外層として抵抗値の低いAgメッキ等の高融点金属層5bが設けられているため、サージによって印加された電流を流しやすく、自己発熱による溶断を防止することができる。したがって、ヒューズエレメント5は、従来のPb系ハンダ合金からなるヒューズに比して、大幅にサージに対する耐性を向上させることができる。
[耐パルス試験]
ここで、ヒューズ素子1の耐パルス試験について説明する。本試験では、ヒューズ素子として、低融点金属箔(Sn96.5/Ag/Cu)の両面にそれぞれ厚さ4μmのAgメッキを施したヒューズエレメント(実施例)と、低融点金属箔(Pb90/Sn/Ag)のみからなるヒューズエレメント(比較例)を用意した。実施例にかかるヒューズエレメントは、断面積が0.1mm2、長さLが1.5mmで、ヒューズ素子抵抗は2.4mΩである。比較例にかかるヒューズエレメントは、断面積が0.15mm2、長さLが1.5mmで、ヒューズ素子抵抗は2.4mΩである。
これら実施例及び比較例にかかるヒューズエレメントの両端を、それぞれ絶縁基板上に形成された第1、第2の電極間にハンダ接続し(図1参照)、100Aの電流を、10秒間隔で、10msec間流し(on=10msec/off=10sec)、溶断するまでのパルス数を計測した。
Figure 2016071972
表1に示すように、実施例にかかるヒューズエレメントは、溶断までに3890回のパルスに耐えられたが、比較例にかかるヒューズエレメントは、断面積が実施例にかかるヒューズエレメントよりも大きいにもかかわらず412回しか耐えられなかった。これより、低融点金属層に高融点金属層を積層したヒューズエレメントは、耐パルス性が大幅に向上されていることが分かる。
なお、ヒューズエレメント5は、低融点金属層5aの体積を高融点金属層5bの体積よりも大きくすることが好ましい。ヒューズエレメント5は、低融点金属層5aの体積を多くすることにより、効果的に高融点金属層5bの浸食による短時間での溶断を行うことができる。
具体的にヒューズエレメント5は、内層が低融点金属層5a、外層が高融点金属層5bの被覆構造であり、低融点金属層5aと高融点金属層5bとの層厚比が、低融点金属層:高融点金属層=2.1:1〜100:1としてもよい。これにより、確実に低融点金属層5aの体積を、高融点金属層5bの体積よりも多くすることができ、効果的に高融点金属層5bの浸食による短時間での溶断を行うことができる。
すなわち、ヒューズエレメント5は、内層を構成する低融点金属層5aの上下面に高融点金属層5bが積層されることから、層厚比が、低融点金属層:高融点金属層=2.1:1以上に低融点金属層5aが厚くなるほど低融点金属層5aの体積が高融点金属層5bの体積よりも多くすることができる。また、ヒューズエレメント5は、層厚比が、低融点金属層:高融点金属層=100:1を超えて低融点金属層5aが厚く、高融点金属層5bが薄くなると、高融点金属層5bが、リフロー実装時の熱で溶融した低融点金属層5aによって浸食されてしまうおそれがある。
かかる膜厚の範囲は、膜厚を変えた複数のヒューズエレメントのサンプルを用意し、ハンダペーストを介して第1及び第2の電極3,4上に搭載した後、リフロー相当の260℃の温度を掛け、ヒューズエレメントが溶断しない状態を観察することにより求めた。
100μm厚の低融点金属層5a(Sn96.5/Ag/Cu)の上下面に、厚さ1μmのAgメッキ層を形成したヒューズエレメントでは、260℃の温度下でAgメッキが溶解してエレメント形状を維持できなかった。リフローによる表面実装を考慮すると、100μm厚の低融点金属層5aに対して、高融点金属層5bの厚さは3μm以上あればリフローによる表面実装によっても確実に形状を維持することができることを確認した。なお、高融点金属としてCuを用いた場合には、厚さ0.5μm以上であればリフローによる表面実装によっても確実に形状を維持することができる。
また、高融点金属層にCuを採用することによる浸食性の軽減や、低融点金属層の材料にSn/BiやIn/Snなどの融点の低い合金を採用することによるSn含有量の低減により、低融点金属層:高融点金属層=100:1とすることも可能である。
なお、低融点金属層5aの厚みは、高融点金属層5bへの浸食を拡散し速やかに溶断すること考慮すると、ヒューズエレメントのサイズにもよるが、一般に30μm以上であることが好ましい。
[製造方法]
ヒューズエレメント5は、低融点金属層5aの表面に高融点金属層5bをメッキ技術を用いて成膜することにより製造できる。ヒューズエレメント5は、例えば、長尺状のハンダ箔の表面にAgメッキを施すことにより効率よく製造でき、使用時には、サイズに応じて切断することで、容易に用いることができる。
また、ヒューズエレメント5は、低融点金属箔と高融点金属箔とを貼りあわせることにより製造してもよい。ヒューズエレメント5は、例えば、圧延した2枚のCu箔、或いはAg箔の間に、同じく圧延したハンダ箔を挟んでプレスすることにより製造できる。この場合、低融点金属箔は、高融点金属箔よりも柔らかい材料を選択することが好ましい。これにより、厚みのばらつきを吸収して低融点金属箔と高融点金属箔とを隙間なく密着させることができる。また、低融点金属箔はプレスによって膜厚が薄くなるため、予め厚めにしておくとよい。プレスにより低融点金属箔がヒューズエレメント端面よりはみ出した場合は、切り落として形を整えることが好ましい。
その他、ヒューズエレメント5は、蒸着等の薄膜形成技術や、他の周知の積層技術を用いることによっても、低融点金属層5aに高融点金属層5bを積層したヒューズエレメント5を形成することができる。
また、ヒューズエレメント5は、図4に示すように、低融点金属層5aと高融点金属層5bとを交互に複数層形成してもよい。この場合、最外層としては、低融点金属層5aと高融点金属層5bのいずれでもよいが、低融点金属層20aとする方が好ましい。最外層が低融点金属層20aの場合、溶融過程において、高融点金属層21aが両面から低融点金属層20aによる浸食を受けるので効率良く短時間で溶断することができる。最外層の低融点金属層20aは、ヒューズエレメントの実装時にヒューズエレメントの表面/裏面にハンダペーストを適量塗布し、リフロー加熱により電極との接続と同時にコーティングしても良い。
また、ヒューズエレメント5は、図5に示すように、高融点金属層5bを最外層としたときに、さらに当該最外層の高融点金属層5bの表面に酸化防止膜7を形成してもよい。ヒューズエレメント5は、最外層の高融点金属層5bがさらに酸化防止膜7によって被覆されることにより、例えば高融点金属層5bとしてCuメッキやCu箔を形成した場合にも、Cuの酸化を防止することができる。したがって、ヒューズエレメント5は、Cuの酸化によって溶断時間が長くなる事態を防止することができ、短時間で溶断することができる。
また、ヒューズエレメント5は、高融点金属層5bとしてCu等の安価だが酸化しやすい金属を用いることができ、Ag等の高価な材料を用いることなく形成することができる。
高融点金属の酸化防止膜7は、内層の低融点金属層5aと同じ材料を用いることができ、例えばSnを主成分とするPbフリーハンダを用いることができる。また、酸化防止膜7は、高融点金属層5bの表面に錫メッキを施すことにより形成することができる。その他、酸化防止膜7は、Auメッキやプリフラックスによって形成することもできる。
また、ヒューズエレメント5は、図6に示すように、低融点金属層5aの上面及び裏面に高融点金属層5bが積層されてもよく、あるいは図7に示すように、低融点金属層5aの対向する2つの端面を除く外周部が高融点金属層5bによって被覆されてもよい。すなわち、通電方向の側面を高融点金属層5bによって覆うようにしてもよい。図6に示すヒューズエレメント5は、側面から低融点金属層5aが露呈しているため低融点金属が溶融し外部に流れ出すおそれがありヒューズ素子1の機能を損なう可能性がある。しかしながら、図7に示すヒューズエレメント5のような構造では、低融点金属が溶融し外部に流れ出すおそれを低減させて、ヒューズ素子1の機能を保持することが可能となる。
また、ヒューズエレメント5は、図8に示すように、外周の少なくとも一部に保護部材10を設けてもよい。保護部材10は、ヒューズエレメント5のリフロー実装時における接続用ハンダの流入や内層の低融点金属層5aの流出を防止して形状を維持するとともに、定格を超える電流が流れたときにも溶融ハンダの流入を防止して定格の上昇による速溶断性の低下を防止するものである。
すなわち、ヒューズエレメント5は、外周に保護部材10を設けることにより、リフロー温度下で溶融した低融点金属層5aの流出を防止し、エレメントの形状を維持することができる。特に、低融点金属層5aの上面及び下面に高融点金属層5bを積層し、側面から低融点金属層5aが露出しているヒューズエレメント5においては、外周部に保護部材10を設けることにより当該側面からの低融点金属の流出が防止され、形状を維持することができる。
また、ヒューズエレメント5は、保護部材10を外周に設けることにより、定格を超える電流が流れたときに溶融ハンダの流入を防止することができる。ヒューズエレメント5は、第1、第2の電極3,4上にハンダ接続される場合、定格を超える電流が流れた際の発熱により、第1、第2の電極への接続用のハンダや低融点金属層5aを構成する金属が溶融し、溶断すべきヒューズエレメント5の中央部に流入するおそれがある。ヒューズエレメント5は、ハンダ等の溶融金属が流入すると抵抗値が下がり、発熱が阻害され、所定の電流値において溶断しない、又は溶断時間が伸び、或いは、溶断後に第1、第2の電極3,4間の絶縁信頼性を損なう恐れがある。そこで、ヒューズエレメント5は、保護部材10を外周に設けることで、溶融金属の流入を防止し、抵抗値を固定させて、所定の電流値で速やかに溶断させ、かつ第1、第2の電極3,4間の絶縁信頼性を確保することができる。
このため、保護部材10としては、絶縁性やリフロー温度における耐熱性を備え、かつ溶融ハンダ等に対するレジスト性を備えた材料が好ましい。例えば、保護部材10は、ポリイミドフィルムを用い、図8に示すように、接着剤11によってテープ状のヒューズエレメント5の中央部に貼り付けることにより形成することができる。また、保護部材10は、絶縁性、耐熱性、レジスト性を備えたインクをヒューズエレメント5の外周に塗布することにより形成することができる。あるいは、保護部材10は、ソルダーレジストを用い、ヒューズエレメント5の外周に塗布することにより形成することができる。
上述したフィルム、インク、ソルダーレジスト等からなる保護部材10は、長尺状のヒューズエレメント5の外周に貼着又は塗工により形成することができ、また使用時には保護部材10が設けられたヒューズエレメント5を切断すればよく、取扱い性に優れる。
また、ヒューズエレメント5は、図6及び図7に示すように、貫通孔5d,5eを設ける方法として、パンチングマシーンによってパンチをすることで穴あけ加工をしてもよいし、鋭利な先端部分を有するポンチ等によって、穴あけ加工をするようにしてもよい。また、プレス加工によって穴あけ加工をするようにしてもよく、カッター等で切断する方法を用いてもよい。すなわち、ヒューズエレメント5に対して穴あけを行うことができる、各種の公知の加工方法を適宜採用することができる。
[実装状態]
次いで、ヒューズエレメント5の実装状態について説明する。ヒューズ素子1は、図1に示すように、ヒューズエレメント5が、絶縁基板2の表面2aから離間して実装されている。これにより、ヒューズ素子1は、定格を超える電流が流れた時に、第1、第2の電極3,4間においてヒューズエレメント5の溶融金属が絶縁基板2の表面2aに付着することなく、確実に電流経路を遮断することができる。
一方、ヒューズエレメントを絶縁基板の表面へ印刷により形成するなど、ヒューズエレメントが絶縁基板の表面と接するヒューズ素子においては、第1、第2の電極間においてヒューズエレメントの溶融金属が絶縁基板上に付着しリークが発生する。例えばAgペーストをセラミック基板へ印刷することによりヒューズエレメントを形成したヒューズ素子においては、セラミックとAgが焼結されて食い込んでしまい、第1、第2の電極間に残留してしまう。そのため、当該残留物によって第1、第2の電極間にリーク電流が流れ、電流経路を完全には遮断することができない。
この点、ヒューズ素子1においては、絶縁基板2とは別に単体でヒューズエレメント5を形成し、かつ絶縁基板2の表面2aから離間して実装させている。したがって、ヒューズ素子1は、ヒューズエレメント5の溶融時にも溶融金属が絶縁基板2へ食い込むこともなく第1、第2の電極上に引き込まれ、確実に第1、第2の電極間を絶縁することができる。
[フラックスコーティング]
また、ヒューズエレメント5は、外層の高融点金属層5b又は低融点金属層5aの酸化防止と、溶断時の酸化物除去及びハンダの流動性向上のために、図1に示すように、ヒューズエレメント5上の外層のほぼ全面にフラックス17を塗布してもよい。フラックス17を塗布することにより、低融点金属(例えばハンダ)の濡れ性を高めるとともに、低融点金属が溶解している間の酸化物を除去し、高融点金属(例えばAg)への浸食作用を用いて速溶断性を向上させることができる。
また、フラックス17を塗布することにより、最外層の高融点金属層5bの表面に、Snを主成分とするPbフリーハンダ等の酸化防止膜7を形成した場合にも、当該酸化防止膜7の酸化物を除去することができ、高融点金属層5bの酸化を効果的に防止し、速溶断性を維持、向上することができる。また、フラックス17は、電流遮断時のアーク放電による溶融飛散物の絶縁基板表面や保護部材表面への付着を抑制し、絶縁抵抗の低下をも抑制する。
かかるヒューズエレメント5は、上述したように第1、第2の電極3,4上にリフローハンダ付けによって接続することができるが、その他にも、ヒューズエレメント5は、超音波溶接によって第1、第2の電極3,4上に接続してもよい。
[溶断順序の制御]
ヒューズ素子1は、ヒューズエレメント5の各貫通孔5dの間を順次溶断させることが可能となる。
例えば、ヒューズエレメント5は、複数の通電経路のうち、中央付近の一部の断面積を他の幅狭部分の断面積よりも小さくすることにより、相対的に高抵抗化することにより、定格を超える電流が通電されると、先ず比較的低抵抗の部分から多くの電流が通電し溶断していく。この溶断は自己発熱によるアーク放電を伴うものではないため、溶融金属の爆発的な飛散もない。その後、残った当該高抵抗化された部分に電流が集中し、最後にアーク放電を伴って溶断する。これにより、ヒューズエレメント5は、各貫通孔5d,5eによって分断される幅狭部分5f〜5hを順次溶断させることができる。ヒューズエレメント5は、断面積の小さい部分の溶断時にアーク放電が発生するが、該当する部分の体積に応じて小規模なものとなり、溶融金属の爆発的な飛散を防止することができる。
このとき、ヒューズ素子1は、最初に溶断する比較的低抵抗の部分と、この部分に隣接する幅狭部分との間に絶縁部を設けるようにしてもよい。この場合には絶縁部によって、ヒューズエレメント5自身の発熱により膨張して隣接する幅狭部分同士が接触し凝集することを防止することができる。これにより、ヒューズ素子1は、幅狭部分を所定の溶断順序で溶断させるとともに、隣接する幅狭部分同士が一体化することによる溶断時間の増加やアーク放電の大規模化による絶縁性の低下を防止することができる。
具体的に、図3に示す3つの幅狭部分5f〜5hからなるヒューズエレメント5が搭載されたヒューズ素子1において、相対的に真ん中の幅狭部分5gの断面積を小さくし高抵抗化することにより、外側の幅狭部分5f、5hCから優先的に多くの電流を流し、溶断させた後、最後に真ん中の幅狭部分5gを溶断する。このとき、ヒューズ素子1は、幅狭部分5f,5hとの間、及び幅狭部分5g,5hの間の貫通孔5e,5dにそれぞれ絶縁部を設けることにより、幅狭部分5f、7hが自己発熱により溶融した際にも、隣接する幅狭部分5gと接触することなく短時間で溶断するとともに、最後に幅狭部分5gを溶断させることができる。また、断面積の小さい幅狭部分5gは、隣接する幅狭部分5f,5hとの接触もなく、溶断時におけるアーク放電も小規模なものに止まる。
なお、ヒューズエレメント5は、2つ以上の貫通孔5d,5eを設けた場合、外側の幅狭部分を最初に溶断させ、内側の幅狭部分を最後に溶断させることが好ましい。例えば、図3に示すように、ヒューズエレメント5は、3つの幅狭部分5f,5g,5hを設けるとともに、真ん中の幅狭部分5gを最後に溶断させることが好ましい。
上述したように、ヒューズエレメント5に定格を超える電流が通電されると、先ず外側に設けられた2つの幅狭部分5f,5hに多くの電流が流れて自己発熱により溶断する。これら幅狭部分5f,5hの溶断は自己発熱によるアーク放電を伴うものではないため、溶融金属の爆発的な飛散もない。
次いで、内側に設けられた幅狭部分5gに電流が集中し、アーク放電を伴いながら溶断する。このとき、ヒューズエレメント5は、内側に設けられた幅狭部分5gを最後に溶断させることにより、アーク放電が発生しても、幅狭部分5gの溶融金属の飛散を抑制し、溶融金属によるショート等を防止することができる。
このときも、ヒューズエレメント5は、3つの幅狭部分5f〜5hのうち、内側に位置する真ん中の幅狭部分5gの断面積を外側に位置する他の幅狭部分5f,5hの断面積よりも小さくすることにより、相対的に高抵抗化し、これにより真ん中の幅狭部分5gを最後に溶断させてもよい。この場合も、断面積を相対的に小さくすることにより最後に溶断させているため、アーク放電も幅狭部分5gの体積に応じて小規模なものとなり、溶融金属の爆発的な飛散をより抑制することができる。
[端子部]
ここで、ヒューズエレメント5は、図9に示すように、通電方向の両端を回路基板側に90度折り曲げて、その端面を端子部30とすることができる。
端子部30は、ヒューズエレメント5が搭載されたヒューズ素子1が回路基板に実装されると、当該回路基板に形成された接続端子に直接接続されるものであり、図9に示すように、通電方向の両端に形成されている。そして、端子部30は、図10及び図11に示すように、ヒューズ素子1が回路基板に実装されることにより、回路基板上に形成された接続端子とハンダ等を介して接続される。
ヒューズ素子1は、ヒューズエレメント5に形成した端子部30を介して回路基板と導通接続されることにより、素子全体の抵抗値を下げて、小型化且つ高定格化を図ることができる。すなわち、ヒューズ素子1は、絶縁基板2の裏面2bに回路基板との接続用電極を設けるとともに、導電ペーストが充填されたスルーホール等を介して第1、第2の電極3,4と接続する場合、スルーホールやキャスタレーションの孔径や孔数の制限や、導電ペーストの抵抗率や膜厚の制限により、ヒューズエレメントの抵抗値以下の実現が難しく、高定格化が困難となる。
そこで、ヒューズ素子1は、ヒューズエレメント5に端子部30を形成する。そして、ヒューズ素子1は、図10及び図11に示すように、回路基板上に実装することにより、端子部30を直接、回路基板の接続端子に接続する。これにより、ヒューズ素子1は、導電スルーホールを介在させることによる高抵抗化を防止でき、ヒューズエレメント5によって素子の定格が決まり、小型化を図るとともに高定格化を実現できる。
また、ヒューズ素子1は、ヒューズエレメント5に端子部30を形成することにより、絶縁基板2の裏面2bに回路基板との接続用電極を形成する必要がなく、表面2aのみに第1、第2の電極3,4を形成すれば足り、製造工数の削減を図ることができる。
また、ヒューズエレメント5に端子部30を形成する方法としては、プレスマシーン等による押圧によって、両側縁部を折り曲げることにより製造することができる。また、端子部30が設けられたヒューズエレメント5は、貫通孔5e,5fを形成するためにプレス加工を用いることで、穴あけ加工とともに折り曲げ加工をすることができる。
なお、ヒューズ素子1は、端子部30を設け、かつ複数の貫通孔5d,5eとを有するヒューズエレメント5を用いる場合には、絶縁基板2に第1、第2の電極3,4を設けなくともよい。この場合、絶縁基板2は、ヒューズエレメント5の熱を放熱するために用いられ、熱伝導性の良いセラミック基板が好適に用いられる。また、ヒューズエレメント5を絶縁基板2に接続する接着剤としては、導電性は無くともよく、熱伝導性に優れるものが好ましい。
[ヒューズ素子の製造工程]
ヒューズエレメント5が用いられるヒューズ素子1は、以下の工程により製造される。ヒューズエレメント5が搭載される絶縁基板2は、表面2aに第1、第2の電極3,4が形成される。第1、第2の電極3,4は、ヒューズエレメント5がハンダ付け等により接続される。これにより、ヒューズエレメント5は、ヒューズ素子1が回路基板に実装されることにより、回路基板に形成された回路上に直列に組み込まれる。
ヒューズエレメント5は、第1、第2の電極3,4間にハンダ等の接続材料を介して搭載され、リフロー実装にて接続される。従来のPb系ハンダ(融点300℃程度)をヒューズエレメントとする場合は、Sn系ハンダ(融点220℃程度)で実装すると、250℃程度のリフロー温度でSnとPbが合金化しヒューズエレメントが溶断する為、比較的Sn比率の少ない融点が高めのPb系ハンダを用いる必要があった。しかし、低融点金属層と高融点金属層の積層エレメントを用いる事により、Sn系ハンダ(融点220℃程度)で実装してもヒューズエレメントが溶断する事はなく、実装プロセスの低温化を図ることができ、Pbフリー化も実現することができる。また、図1に示すように、ヒューズエレメント5上にはフラックス17が設けられる。フラックス17が設けられることにより、ヒューズエレメント5の酸化防止、濡れ性の向上を図り、速やかに溶断させることができる。また、フラックス5を設けることにより、アーク放電による溶融金属の絶縁基板2への付着を抑制し、溶断後における絶縁性を向上させることができる。
[第2の実施の形態]
[ヒューズエレメント]
なお、以下では、ヒューズエレメント5の他の例について説明する。ヒューズ素子1としての構造は、第1の実施の形態におけるヒューズエレメントの両端を折り曲げて端子部30を設けたものと、略同等であるため、特段図示をしない。また、第1の実施の形態におけるヒューズエレメント5の構造として同機能の部分に同じ符号を付して説明を省略する。
ヒューズエレメント5は、図12及び図13に示すように、積層構造体が略矩形板状とされており、通電方向の全長Lよりも幅方向の長さWが大きい幅広構造とされている。また、ヒューズエレメント5は、通電方向の端部が回路基板側に折り曲げられた端子部30を有する。
ヒューズエレメント5は、貫通孔5d,5eをヒューズエレメントの幅方向の側面に並列して有しており、開口形状は略半円形されている。すなわち、貫通孔5d,5eはヒューズエレメント5の幅方向の側面に露呈した状態とされている。
[貫通孔]
つぎに、ヒューズエレメント5の貫通孔5d,5eを設ける位置とその大きさについて説明する。貫通孔5d,5e付近は、他の実施の形態と同様に最も早く溶断されることとなるため、溶断位置を調整するために、特に、通電方向の全長Lの中央付近とすることが好ましい。言い換えると、第1、第2の電極3,4を回路切断するために、第1、第2の電極3,4の間の略中央付近とすることが好ましい。
具体的に、貫通孔5d,5eを設ける位置は、ヒューズエレメント5の通電方向の両端からそれぞれL1、L2だけ離れた位置とすることが好ましい。ここで、L1、L2の具体的な大きさは、(L/4)<L1、(L/4)<L2とする。ヒューズエレメント5の、通電経路を複数に分割しつつも、第1、第2の電極3,4付近は所定の熱容量を有するエレメント体積を確保するためである。
また、貫通孔5d,5eの大きさは、ヒューズエレメント5の通電方向の最大長をL0とすると、ヒューズエレメント5の通電経路の長さLに対し、(L/2)>L0となるように設定することが好ましい。これよりも大きくしてしまうと、第1、第2の電極3,4にかかる部分にまで貫通孔5d,5eが及んでしまいかねないからである。
ヒューズエレメント5は、貫通孔5d,5eの間に幅狭部分5gを有しており、通電電流によって溶断する際には幅狭部分5gから溶断する。
[第3の実施の形態]
[ヒューズエレメント]
次に、ヒューズエレメント5の他の例について説明する。ヒューズ素子1としての構造は、第1の実施の形態におけるヒューズエレメントの両端を折り曲げて端子部30を設けたものと、略同等であるため、特段図示をしない。また、第1の実施の形態におけるヒューズエレメント5の構造として同機能の部分に同じ符号を付して説明を省略する。
また、ヒューズエレメント5は、図14及び図15に示すように、積層構造体が略矩形板状とされており、通電方向の全長Lよりも幅方向の長さWが大きい幅広構造とされている。また、ヒューズエレメント5は、通電方向の端部が回路基板側に折り曲げられた端子部30を有する。
ヒューズエレメント5は、通電方向の中間部分であって、ヒューズエレメント5の幅方向に並列する円形の貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とを有している。貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とは、それぞれ、ヒューズエレメント5の通電方向に所定の間隔をあけて設けられている。貫通孔5d1,5d2とは、通電方向に並んでおり、貫通孔5e1,5e2とは、通電方向に並んでいる。すなわち、ヒューズエレメント5には、貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とがアレイ状に並んでいると言える。
[貫通孔]
つぎに、ヒューズエレメント5の貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とを設ける位置とその大きさについて説明する。貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2付近は、上述のように最も早く溶断されることとなるため、溶断位置を調整するために、特に、通電方向の全長Lの中央付近とすることが好ましい。言い換えると、第1、第2の電極3,4を回路切断するために、第1、第2の電極3,4の間の中央付近とすることが好ましい。
具体的に、貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とを設ける位置は、ヒューズエレメント5の通電方向の両端からそれぞれL1、L2だけ離れた位置とすることが好ましい。ここで、L1、L2の具体的な大きさは、(L/4)<L1、(L/4)<L2とする。ヒューズエレメント5の通電経路を複数に分割しつつも、第1、第2の電極3,4付近は所定の熱容量を有するエレメント体積を確保するためである。
また、貫通孔5d1,5d2の大きさは、それぞれの直径と貫通孔5d1,5d2の間隔を足した大きさ、すなわちヒューズエレメント5の通電方向の最大長をL0とすると、ヒューズエレメント5の通電経路の全長Lに対し、(L/2)>L0となるように設定することが好ましい。これよりも大きくしてしまうと、第1、第2の電極3,4にかかる部分にまで貫通孔5d1,5d2が及んでしまいかねないからである。また、貫通孔5e1,5e2の大きさは、貫通孔5d1,5d2の大きさと同様に定義をすることができるため説明を省略する。
ヒューズエレメント5は、貫通孔5d1,5e1の間及び貫通孔5d2,5e2の間にそれぞれ幅狭部分5gを有しており、貫通孔5d1,5d2のヒューズエレメント5の幅方向の外側に幅狭部分5fを有しており、貫通孔5e1,5e2のヒューズエレメント5の幅方向の外側に幅狭部分5hを有している。
上述のような構成とされたヒューズエレメント5は、ヒューズエレメント5の通電方向に複数の幅狭部分を有することとなり、1列のみが並列された第1の実施の形態と比較して、ヒューズエレメント5の溶断位置を複数個所でより正確にコントロールすることが可能となる。
[第4の実施の形態]
[ヒューズエレメント]
次に、ヒューズエレメント5の他の例について説明する。ヒューズ素子1としての構造は、第1の実施の形態におけるヒューズエレメントの両端を折り曲げて端子部30を設けたものと、略同等であるため、特段図示をしない。また、第1の実施の形態におけるヒューズエレメント5の構造として同機能の部分に同じ符号を付して説明を省略する。
ヒューズエレメント5は、図16及び図17に示すように、積層構造体が略矩形板状とされており、通電方向の全長Lよりも幅方向の長さWが大きい幅広構造とされている。また、ヒューズエレメント5は、通電方向の端部が回路基板側に折り曲げられた端子部30を有する。
ヒューズエレメント5は、通電方向の中間部分であって、ヒューズエレメント5の幅方向に並列する円形の貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とを有している。貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とは、それぞれ、ヒューズエレメント5の通電方向に所定の間隔をあけて設けられている。貫通孔5d1,5d2とは、通電方向に対して中心位置がずれるように並んでおり、貫通孔5e1,5e2とは、通電方向に対して中心位置がずれるように並んでいる。より具体的には、ヒューズエレメント5には、貫通孔5d1,5d2と、貫通孔5e1,5e2とが通電方向に重ならないようにそれぞれ並んでいる。
[貫通孔]
つぎに、ヒューズエレメント5の貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とを設ける位置とその大きさについて説明する。貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2付近は、上述のように最も早く溶断されることとなるため、溶断位置を調整するために、特に、通電方向の全長Lの中央付近とすることが好ましい。言い換えると、第1、第2の電極3,4を回路切断するために、第1、第2の電極3,4の間の中央付近とすることが好ましい。
具体的に、貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とを設ける位置は、ヒューズエレメント5の通電方向の両端からそれぞれL1、L2だけ離れた位置とすることが好ましい。ここで、L1、L2の具体的な大きさは、(L/4)<L1、(L/4)<L2とする。ヒューズエレメント5の、通電経路を複数に分割しつつも、第1、第2の電極3,4付近は所定の熱容量を有するエレメント体積を確保するためである。
また、貫通孔5d1,5d2の大きさは、貫通孔5d1,5d2を含めた通電方向の最大長をL0とすると、ヒューズエレメント5の通電経路の全長Lに対し、(L/2)>L0となるように設定することが好ましい。これよりも大きくしてしまうと、第1、第2の電極3,4にかかる部分にまで貫通孔5d1,5d2が及んでしまいかねないからである。また、貫通孔5e1,5e2の大きさは、貫通孔5d1,5d2の大きさと同様に定義をすることができるため説明を省略する。
ヒューズエレメント5は、貫通孔5d2,5e1の間に幅狭部分5gを有しており、貫通孔5d1のヒューズエレメント5の幅方向の外側に幅狭部分5fを有しており、貫通孔5e2のヒューズエレメント5の幅方向の外側に幅狭部分5hを有している。
上述のような構成とされたヒューズエレメント5は、ヒューズエレメント5の通電方向に複数の幅狭部分を有することとなり、1列のみが並列された第1の実施の形態と比較して、ヒューズエレメント5の溶断位置を複数個所でより正確にコントロールすることが可能となる。
[第5の実施の形態]
[ヒューズエレメント]
次に、ヒューズエレメント5の他の例について説明する。ヒューズ素子1としての構造は、第1の実施の形態におけるヒューズエレメントの両端を折り曲げて端子部30を設けたものと、略同等であるため、特段図示をしない。また、第1の実施の形態におけるヒューズエレメント5の構造として同機能の部分に同じ符号を付して説明を省略する。
ヒューズエレメント5は、図18及び図19に示すように、積層構造体が略矩形板状とされており、通電方向の全長Lよりも幅方向の長さWが大きい幅広構造とされている。また、ヒューズエレメント5は、通電方向の端部が回路基板側に折り曲げられた端子部30を有する。
ヒューズエレメント5は、通電方向の中間部分であって、ヒューズエレメント5の幅方向に並列する矩形の貫通孔5d,5eを有している。
[貫通孔]
つぎに、ヒューズエレメント5の貫通孔5d,5eを設ける位置とその大きさについて説明する。貫通孔5d,5e付近は、上述のように最も早く溶断されることとなるため、溶断位置を調整するために、特に、通電方向の全長Lの中央付近とすることが好ましい。言い換えると、第1、第2の電極3,4を回路切断するために、第1、第2の電極3,4の間の中央付近とすることが好ましい。
具体的に、貫通孔5d,5eを設ける位置は、ヒューズエレメント5の通電方向の両端からそれぞれL1、L2だけ離れた位置とすることが好ましい。ここで、L1、L2の具体的な大きさは、(L/4)<L1、(L/4)<L2とする。ヒューズエレメント5の通電経路を複数に分割しつつも、第1、第2の電極3,4付近は所定の熱容量を有するエレメント体積を確保するためである。
また、貫通孔5d,5eの大きさは、矩形の通電方向の一辺の長さ、すなわち通電方向の最大長をL0とすると、ヒューズエレメント5の通電経路の全長Lに対し、(L/2)>L0となるように設定することが好ましい。これよりも大きくしてしまうと、第1、第2の電極3,4にかかる部分にまで貫通孔5d,5eが及んでしまいかねないからである。
ヒューズエレメント5は、貫通孔5d,5eの間に幅狭部分5gを有しており、貫通孔5dのヒューズエレメント5の幅方向の外側に幅狭部分5fを有しており、貫通孔5eのヒューズエレメント5の幅方向の外側に幅狭部分5hを有している。
[第6の実施の形態]
[ヒューズエレメント]
次に、ヒューズエレメント5の他の例について説明する。ヒューズ素子1としての構造は、第1の実施の形態におけるヒューズエレメントの両端を折り曲げて端子部30を設けたものと、略同等であるため、特段図示をしない。また、第1の実施の形態におけるヒューズエレメント5の構造として同機能の部分に同じ符号を付して説明を省略する。
ヒューズエレメント5は、図20及び図21に示すように、積層構造体が略矩形板状とされており、通電方向の全長Lよりも幅方向の長さWが大きい幅広構造とされている。また、ヒューズエレメント5は、通電方向の端部が回路基板側に折り曲げられた端子部30を有する。
ヒューズエレメント5は、通電方向の中間部分であって、ヒューズエレメント5の幅方向に並列する菱形の貫通孔5d,5eを有している。
[貫通孔]
つぎに、ヒューズエレメント5の貫通孔5d,5eを設ける位置とその大きさについて説明する。貫通孔5d,5e付近は、上述のように最も早く溶断されることとなるため、溶断位置を調整するために、特に、通電方向の長さLの中央付近とすることが好ましい。言い換えると、第1、第2の電極3,4を回路切断するために、第1、第2の電極3,4の間の中央付近とすることが好ましい。
具体的に、貫通孔5d,5eを設ける位置は、ヒューズエレメント5の通電方向の両端からそれぞれL1、L2だけ離れた位置とすることが好ましい。ここで、L1、L2の具体的な大きさは、(L/4)<L1、(L/4)<L2とする。ヒューズエレメント5の通電経路を複数に分割しつつも、第1、第2の電極3,4付近は所定の熱容量を有するエレメント体積を確保するためである。
また、貫通孔5d,5eの大きさは、通電方向の菱形の対角線の長さ、すなわち通電方向の最大長をL0とすると、ヒューズエレメント5の通電経路の全長Lに対し、(L/2)>L0となるように設定することが好ましい。これよりも大きくしてしまうと、第1、第2の電極3,4にかかる部分にまで貫通孔5d,5eが及んでしまいかねないからである。
ヒューズエレメント5は、貫通孔5d,5eの間、すなわち幅方向の菱形の頂点間で幅狭部分5gを有しており、貫通孔5dのヒューズエレメント5の幅方向の菱形の頂点の外側に幅狭部分5fを有しており、貫通孔5eのヒューズエレメント5の幅方向の菱形の頂点の外側に幅狭部分5hを有している。
上述のような構成とされたヒューズエレメント5は、第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。
[第7の実施の形態]
[ヒューズエレメント]
次に、ヒューズエレメント5の他の例について説明する。ヒューズ素子1としての構造は、第1の実施の形態におけるヒューズエレメントの両端を折り曲げて端子部30を設けたものと、略同等であるため、特段図示をしない。また、第1の実施の形態におけるヒューズエレメント5の構造として同機能の部分に同じ符号を付して説明を省略する。
ヒューズエレメント5は、図22及び図23に示すように、積層構造体が略矩形板状とされており、通電方向の全長Lよりも幅方向の長さWが大きい幅広構造とされている。また、ヒューズエレメント5は、通電方向の端部が回路基板側に折り曲げられた端子部30を有する。
ヒューズエレメント5は、通電方向の中間部分であって、ヒューズエレメント5の幅方向に並列する円形の凹み部5d3,5e3を有している。凹み部5d3,5e3は、ヒューズエレメント5を貫通しない構造とされている。具体的には、低融点金属層5aが押し出され高融点金属層5bだけからなるすり鉢状の構造とされている。
凹み部5d3,5e3は、ヒューズエレメント5を先端が鋭利でないポンチ等で押圧することによって簡単に形成することができる。また、凹み部5d3,5e3は、貫通孔を形成するよりも簡単な工程で確実に形成することができる。
[凹み部]
つぎに、ヒューズエレメント5の凹み部5d3,5e3を設ける位置とその大きさについて説明する。凹み部5d3,5e3付近は、上述のように最も早く溶断されることとなるため、溶断位置を調整するために、特に、通電方向の全長Lの中央付近とすることが好ましい。言い換えると、第1、第2の電極3,4を回路切断するために、第1、第2の電極3,4の間の中央付近とすることが好ましい。
具体的に、凹み部5d3,5e3を設ける位置は、ヒューズエレメント5の通電方向の両端からそれぞれL1、L2だけ離れた位置とすることが好ましい。ここで、L1、L2の具体的な大きさは、(L/4)<L1、(L/4)<L2とする。ヒューズエレメント5の主通電経路を複数に分割しつつも、第1、第2の電極3,4付近は所定の熱容量を有するエレメント体積を確保するためである。なお、凹み部5d3,5e3は、高融点金属層5bのみからなる領域である通電経路を構成する。しかし、通電によって低融点金属層5aが先に溶融を開始する本ヒューズエレメント5の特性を考慮して、第7の実施の形態においては、低融点金属層5aを有する積層構造部分を主通電経路と定義し、凹み部5d3,5e3の通電経路とは区別する。
また、凹み部5d3,5e3の大きさは、凹み部5d3,5e3の直径、すなわち通電方向の最大長をL0とすると、ヒューズエレメント5の通電経路の全長Lに対し、(L/2)>L0となるように設定することが好ましい。これよりも大きくしてしまうと、穴あけ加工(凹み加工)が難しくなるとともに、第1、第2の電極3,4にかかる部分にまで貫通孔5d,5eが及んでしまいかねないからである。
ヒューズエレメント5は、凹み部5d3,5e3の間に幅狭部分5gを有しており、凹み部5d3のヒューズエレメント5の幅方向の外側に幅狭部分5fを有しており、凹み部5e3のヒューズエレメント5の幅方向の外側に幅狭部分5hを有している。
上述のような構成とされたヒューズエレメント5は、凹み部5d3,5e3において通電はするものの、低融点金属層5aが高融点金属層5bによって分離されているため、ヒューズエレメント5全体で爆発的に溶融することはなく、主通電経路ごとに溶断することとなり、第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。
[第8の実施の形態]
[ヒューズエレメント]
つぎに、ヒューズエレメント5の他の例について説明する。ヒューズ素子1としての構造は、第1の実施の形態におけるヒューズエレメントの両端を折り曲げて端子部30を設けたものと、略同等であるため、特段図示をしない。また、第1の実施の形態におけるヒューズエレメント5の構造として同機能の部分に同じ符号を付して説明を省略する。
ヒューズエレメント5は、図24及び図25に示すように、積層構造体が略矩形板状とされており、通電方向の全長Lよりも幅方向の長さWが大きい幅広構造とされている。また、ヒューズエレメント5は、通電方向の端部が回路基板側に折り曲げられた端子部30を有する。
ヒューズエレメント5は、通電方向の中間部分であって、ヒューズエレメント5の幅方向に並列する矩形の切込貫通孔5d4,5e4を有している。
切込貫通孔5d4,5e4は、ヒューズエレメント5の中央部で三辺に切込を入れて、ヒューズエレメント5の一部を叩き起こして形成することができ、矩形の開口を有している。切込貫通孔5d4,5e4は、端子部30を形成するプレス加工と同時に三辺に切込を入れることができ、該当する領域を叩き起こして形成することができるため、容易に加工することができる。
切込貫通孔5d4,5e4は、ヒューズエレメント5の幅方向に切り口が露呈するように叩き起こす向きを定めている。
[切込貫通孔]
つぎに、ヒューズエレメント5の切込貫通孔5d4,5e4を設ける位置とその大きさについて説明する。切込貫通孔5d4,5e4付近は、上述のように最も早く溶断されることとなるため、溶断位置を調整するために、特に、通電方向の全長Lの中央付近とすることが好ましい。言い換えると、第1、第2の電極3,4を回路切断するために、第1、第2の電極3,4の間の中央付近とすることが好ましい。
具体的に、切込貫通孔5d4,5e4を設ける位置は、ヒューズエレメント5の通電方向の両端からそれぞれL1、L2だけ離れた位置とすることが好ましい。ここで、L1、L2の具体的な大きさは、(L/4)<L1、(L/4)<L2とする。ヒューズエレメント5の通電経路を複数に分割しつつも、第1、第2の電極3,4付近は所定の熱容量を有するエレメント体積を確保するためである。
また、切込貫通孔5d4,5e4の大きさは、矩形の通電方向の一辺の長さ、すなわち通電方向の最大長をL0とすると、ヒューズエレメント5の通電経路の全長Lに対し、(L/2)>L0となるように設定することが好ましい。これよりも大きくしてしまうと、第1、第2の電極3,4にかかる部分にまで切込貫通孔5d4,5e4が及んでしまいかねないからである。
ヒューズエレメント5は、切込貫通孔5d4,5e4の間に幅狭部分5gを有しており、切込貫通孔5d4のヒューズエレメント5の幅方向の外側に幅狭部分5fを有しており、切込貫通孔5e4のヒューズエレメント5の幅方向の外側に幅狭部分5hを有している。
上述のような構成とされたヒューズエレメント5は、より簡単な加工方法によって製造することができ、第1の実施の形態と同等の効果を得ることができる。
また、切込貫通孔5d4,5e4は、図26に示すように、ヒューズエレメント5の通電方向に切り口が露呈するように叩き起こす向きを定めてもよい。すなわち、図25で説明した切込貫通孔5d4,5e4の切れ込み位置と叩き起こす向きを90度回転させてもよい。
[第9の実施の形態]
[発熱体内蔵ヒューズ素子]
なお、本発明に係るヒューズ素子1は、発熱体内蔵ヒューズ素子についても適用することができる。具体的には、図27に示すように、発熱体内蔵ヒューズ素子100は、絶縁基板2と、絶縁基板2に積層され、絶縁部材15に覆われた発熱体14と、絶縁部材15上に発熱体14と重畳するように積層された発熱体引出電極16と、端子部30を両端に有し回路基板上の回路パターンにハンダペースト等の接着材料8によって端子部30が接続され、中央部が発熱体引出電極16に接続されたヒューズエレメント5と、ヒューズエレメント5上に設けられ、ヒューズエレメント5に発生する酸化膜を除去するとともにヒューズエレメント5の濡れ性を向上させる複数のフラックス17と、ヒューズエレメント5を覆う外装体となるカバー部材20とを備える。
ヒューズエレメント5の構造については、第1の実施の形態で説明した、端子部30を有する場合と略同等であるため、詳細な説明を省略するが、貫通孔5dを設ける位置は、発熱体引出電極16の端部からブリッジ部、すなわち端子部30側に向かってまたがるように設置することが好ましい。また、ヒューズエレメント5の厚みtを調整することで、貫通孔は無くても良い。
ヒューズエレメント5は、図27に示すように、内層と外層とからなる積層構造体であり、内層として低融点金属層5a、低融点金属層5aに積層された外層として高融点金属層5bを有し、略矩形板状に形成されている。ヒューズエレメント5は、ハンダ等の接着材料8を介して回路基板上の回路パターンに接続される。また、絶縁基板2の通電方向の両端に設けた電極ともハンダ等の接着材料8を介して接続しても良い。この場合、端子部の熱を絶縁基板を介した放熱により、定格通電時の素子表面温度を下げることができ、定格電流を高く設定できる。
発熱体14は、比較的抵抗値が高く通電すると発熱する導電性を有する部材であって、たとえばW、Mo、Ru等からなる。これらの合金あるいは組成物、化合物の粉状体を樹脂バインダ等と混合して、ペースト状にしたものを絶縁基板2上にスクリーン印刷技術を用いてパターン形成して、焼成する等によって形成する。
発熱体14を覆うように絶縁部材15が配置され、この絶縁部材15を介して発熱体14に対向するように発熱体引出電極16が配置される。発熱体14の熱を効率良くヒューズエレメント5に伝えるために、発熱体14と絶縁基板11の間に絶縁部材15を積層しても良い。絶縁部材15としては、例えばガラスを用いることができる。
発熱体引出電極16は、発熱体14の一端と連続されるとともに、一端が図示しない発熱体電極に接続され、他端が発熱体14を介して他方の図示しない発熱体電極に接続されている。
発熱体14は、図示しない電極より電流が供給されることで発熱し、ヒューズエレメント5を加熱することができる。
従って、発熱体内蔵ヒューズ素子100は、ヒューズエレメント5に定格電流を超える異常な電流が流れない場合であっても、発熱体14に電流を流すことによって、ヒューズエレメント5を加熱し、所望の条件でヒューズエレメント5を溶断することが可能である。
[第10の実施の形態]
[ヒューズ素子]
なお、以下では、ヒューズ素子1の他の例について説明する。ヒューズ素子1としての構造は、第1の実施の形態におけるヒューズエレメントの両端を折り曲げて端子部30を設けたものと、略同等であり、これ以外の構造については特段図示をしない。また、第1の実施の形態におけるヒューズ素子1の構造として同機能の部分に同じ符号を付して説明を省略する。
具体的には、図28〜図30に示すように、ヒューズ素子1は、絶縁基板2と、ヒューズエレメント5と、カバー部材20とを備える。
絶縁基板2は、長手方向の両端に設けられた側壁2cと、短手方向の両端に設けられた側壁2dと、側壁2c,2dによって囲まれた凹部2eを有している。側壁2c間の距離は、ヒューズエレメント5の通電方向と直交する幅方向の長さWよりも大きく、幅方向の長さWに加え所定のクリアランスを空けて離間されている。
カバー部材20は、短手方向の両端に側壁20aを有している。側壁20a間の距離は、ヒューズエレメント5の通電方向の全長Lよりも大きく、通電方向の全長L加え所定のクリアランスを持った距離で離間されている。
ヒューズエレメント5は、積層構造体が略矩形板状とされており、通電方向の全長Lよりも通電方向と直交する幅方向の長さWが大きい幅広構造とされている。また、ヒューズエレメント5は、通電方向の端部が複数回折り曲げられた端子部30を有する。通電方向の全長Lは、通電方向の両端で中央部からみて最初に折り曲げられた部分間の長さとする
特に、ヒューズエレメント5は、通電方向の両端部が3段階にわたって折り曲げられて端子部30が形成されている。
より具体的に、ヒューズエレメント5は、通電方向の両端が図示しない回路基板側に90度の角度で折り曲げられ、更にその先で、回路基板と並行となるように90度折り曲げられ、更にその先で、回路基板と垂直方向に立ち上がるように90度折り曲げられた構造体とされている。すなわち、ヒューズエレメント5の通電方向の端面は、回路基板に対して上方に向く形とされている点で、第1の実施の形態におけるヒューズエレメントの両端を折り曲げて端子部30を設けたものと違いがある。
ヒューズエレメント5の折り曲げ加工は、端子部30に対応する形状を有する図示しない治具に、図28に示すように、下側のベース部材である絶縁基板2を載置し、絶縁基板2の側壁2c間に、矩形平板状のヒューズエレメント5を載置し、ヒューズエレメント5の上部にカバー部材20を載置し、カバー部材20を押圧することで折り曲げ加工をすることができる。
ヒューズエレメント5の折り曲げ位置は、カバー部材20の側壁20a及び絶縁基板2の側壁2dによって定まると言える。カバー部材20と絶縁基板2を組み合わせたとき、カバー部材20の側壁20aと絶縁基板2の側壁2dとの間は、ヒューズエレメント5の膜厚よりも十分に離間された距離が保たれるようになっている。すなわち、ヒューズ素子1は、カバー部材20の側壁20aと絶縁基板2の側壁2dとの間の空間にヒューズエレメント5を保持するようになっている。そして、端子部30は、図10及び図11に示すように、ヒューズ素子1が回路基板に実装されることにより、回路基板上に形成された接続端子とハンダ等を介して接続される。
ヒューズ素子1は、ヒューズエレメント5に形成した端子部30を介して回路基板と導通接続されることにより、素子全体の抵抗値を下げて、小型化且つ高定格化を図ることができる。すなわち、導電スルーホールを介在させることによる高抵抗化を防止でき、ヒューズエレメント5によって素子の定格が決まり、小型化を図るとともに高定格化を実現できる。
また、ヒューズ素子1は、ヒューズエレメント5に端子部30を形成することにより、絶縁基板2に回路基板との接続用電極を形成する必要がなく製造工数の削減を図ることができる。
また、ヒューズ素子1は、ヒューズエレメント5の端子部30が複数回折り曲げられたことにより回路基板と対向する位置が平面となり、回路基板との接続安定性を向上させることができる。
また、ヒューズ素子1は、ヒューズエレメント5の端子部30が複数回折り曲げられた構造ではあるが、上述で説明したように、治具を用いたプレス加工によって、平板上のヒューズエレメントを容易に折り曲げ加工することができるので、生産性を向上させることができる。
なお、図30に示す、絶縁基板2の凹部2eには、発熱体を配設するようにすることで、容易に発熱体内蔵ヒューズ素子を構成することができる。
[第11の実施の形態]
[発熱体内蔵ヒューズ素子]
つぎに、発熱体内蔵ヒューズ素子の他の構成例について説明するが、第1の実施の形態におけるヒューズ素子の構造として同機能の部分に同じ符号を付して説明を省略する。
具体的には、図31〜図35に示すように、発熱体内蔵ヒューズ素子100は、絶縁基板2と、絶縁基板2に積層され、絶縁部材15に覆われた発熱体14と、絶縁部材15上に発熱体14と重畳するように積層された発熱体引出電極16と、絶縁基板2に設けられた第1及び第2の電極3,4と、第1及び第2の電極3,4間にわたって実装されるとともに央部が発熱体引出電極16に接続され、定格を超える電流が通電することによって自己発熱によりまたは発熱体14による加熱で溶断し、第1の電極3と第2の電極4との間の電流経路を遮断するヒューズエレメント5、ヒューズエレメント5上に設けられ、ヒューズエレメント5に発生する酸化膜を除去するとともにヒューズエレメント5の濡れ性を向上させる複数のフラックス17と、ヒューズエレメント5を覆う外装体となるカバー部材20とを備える。
ここで、図31は、絶縁基板2上にヒューズエレメント5を載置する前の状態を示しており、図32は、絶縁基板2上にヒューズエレメント5を載置した状態を示しており、図33は、ヒューズエレメント5上にフラックス17を塗布した状態を示しており、図34は、フラックス17を塗布した後にカバー部材20を取り付けた状態を示している。すなわち、図31〜図34の順に従い発熱体内蔵ヒューズ素子100を製造する工程を説明する図である。なお、図35は、発熱体内蔵ヒューズ素子100の裏面を説明する図である。
ヒューズエレメント5は、積層構造体が略矩形板状とされており、通電方向の全長Lよりも通電方向と直交する幅方向の長さWが大きい幅広構造とされている。
発熱体14は、電流が供給されることで発熱し、ヒューズエレメント5を加熱することができる。
従って、発熱体内蔵ヒューズ素子100は、ヒューズエレメント5に定格電流を超える異常な電流が流れない場合であっても、発熱体14に電流を流すことによって、ヒューズエレメント5を加熱し、所望の条件でヒューズエレメント5を溶断することが可能である。
なお、発熱体内蔵ヒューズ素子100は、絶縁基板2の表面2a及び裏面2bを接続する第1の電極3及び第2の電極4をスルーホールによって絶縁基板2の表裏の導通を確保し、ヒューズエレメント5の通電経路を構成する。
なお、ヒューズエレメント5は、図36及び図37に示すように、貫通孔5d1,5e1や貫通孔5d2,5e2を設けるようにしてもよい。
具体的に、ヒューズエレメント5は、通電方向の中間部分であって、ヒューズエレメント5の幅方向に並列する円形の貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とを有している。貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とは、それぞれ、ヒューズエレメント5の通電方向に所定の間隔をあけて設けられている。貫通孔5d1,5d2とは、通電方向に対して中心位置がずれるように並んでおり、貫通孔5e1,5e2とは、通電方向に対して中心位置がずれるように並んでいる。より具体的には、ヒューズエレメント5には、貫通孔5d1,5d2と、貫通孔5e1,5e2とが通電方向に重ならないようにそれぞれ並んでいる。
[貫通孔]
つぎに、ヒューズエレメント5の貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とを設ける位置とその大きさについて説明する。貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2付近は、上述のように最も早く溶断されることとなるため、溶断位置を調整するために、特に、通電方向の全長Lの中央付近とすることが好ましい。言い換えると、第1、第2の電極3,4を回路切断するために、第1、第2の電極3,4の間の中央付近とすることが好ましい。
具体的に、貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とを設ける位置は、ヒューズエレメント5の通電方向の両端からそれぞれL1、L2だけ離れた位置とすることが好ましい。ここで、L1、L2の具体的な大きさは、(L/4)<L1、(L/4)<L2とする。ヒューズエレメント5の、通電経路を複数に分割しつつも、第1、第2の電極3,4付近は所定の熱容量を有するエレメント体積を確保するためである。また、貫通孔5d1,5e1,5d2,5e2を設ける位置は、発熱体引出電極16の端部からブリッジ部、すなわち端子部30側に向かってまたがるように設置することが好ましい。
また、貫通孔5d1,5d2の大きさは、貫通孔5d1,5d2を含めた通電方向の最大長をL0とすると、ヒューズエレメント5の通電経路の全長Lに対し、(L/2)>L0となるように設定することが好ましい。これよりも大きくしてしまうと、第1、第2の電極3,4にかかる部分にまで貫通孔5d1,5d2が及んでしまいかねないからである。また、貫通孔5e1,5e2の大きさは、貫通孔5d1,5d2の大きさと同様に定義をすることができるため説明を省略する。
ヒューズエレメント5は、貫通孔5d2,5e1の間に幅狭部分5gを有しており、貫通孔5d1のヒューズエレメント5の幅方向の外側に幅狭部分5fを有しており、貫通孔5e2のヒューズエレメント5の幅方向の外側に幅狭部分5hを有している。
上述のような構成とされたヒューズエレメント5は、ヒューズエレメント5の通電方向に複数の幅狭部分を有することとなり、1列のみが並列された第1の実施の形態と比較して、ヒューズエレメント5の溶断位置を複数個所でより正確にコントロールすることが可能となる。
[第12の実施の形態]
[発熱体内蔵ヒューズ素子]
つぎに、発熱体内蔵ヒューズ素子の他の構成例について説明するが、第1の実施の形態におけるヒューズ素子の構造として同機能の部分に同じ符号を付して説明を省略する。
具体的には、図38〜図41に示すように、発熱体内蔵ヒューズ素子100は、絶縁基板2と、絶縁基板2に積層され、絶縁部材15に覆われた発熱体14と、絶縁部材15上に発熱体14と重畳するように積層された発熱体引出電極16と、央部が発熱体引出電極16に接続され、通電方向の両端に端子部30を有し、端子部30間の間で定格を超える電流が通電することによって自己発熱によりまたは発熱体14による加熱で溶断し、電流経路を遮断するヒューズエレメント5と、ヒューズエレメント5上に設けられ、ヒューズエレメント5に発生する酸化膜を除去するとともにヒューズエレメント5の濡れ性を向上させる複数のフラックス17と、ヒューズエレメント5を覆う外装体となるカバー部材20とを備える。
ここで、図38は、絶縁基板2上にヒューズエレメント5を載置した状態を示しており、図39は、ヒューズエレメント5上にフラックス17を塗布した状態を示しており、図40は、フラックス17を塗布した後にカバー部材20を取り付けた状態を示している。すなわち、図38〜図41の順に従い発熱体内蔵ヒューズ素子100を製造する工程を説明する図である。なお、図41は、発熱体内蔵ヒューズ素子100の裏面を説明する図である。なお、絶縁基板2上にヒューズエレメント5を載置する前の状態は、図31とほぼ同様であるため、図面を省略する。
ヒューズエレメント5は、積層構造体が略矩形板状とされており、通電方向の全長Lよりも通電方向と直交する幅方向の長さWが大きい幅広構造とされている。なお、全長Lや幅Wについては、図37とほぼ同様であるため、図面と説明を省略する。
また、ヒューズエレメント5は、通電方向の両端を回路基板側に90度折り曲げて、その端面を端子部30としている。
端子部30は、ヒューズエレメント5が搭載された発熱体内蔵ヒューズ素子100が回路基板に実装されると、当該回路基板に形成された接続端子に直接接続されるものであり、通電方向の両端に形成されている。そして、端子部30は、図40及び図41に示すように、ヒューズ素子1が回路基板に実装されることにより、回路基板上に形成された接続端子とハンダ等を介して接続される。
発熱体内蔵ヒューズ素子100は、ヒューズエレメント5に形成した端子部30を介して回路基板と導通接続されることにより、素子全体の抵抗値を下げて、小型化且つ高定格化を図ることができる。これにより、発熱体内蔵ヒューズ素子100は、導電スルーホールを介在させることによる高抵抗化を防止でき、ヒューズエレメント5によって素子の定格が決まり、小型化を図るとともに高定格化を実現できる。
また、ヒューズエレメント5は、図38に示すように、貫通孔5d1,5e1や貫通孔5d2,5e2を設けるようにしている。なお、貫通孔5d1,5e1や貫通孔5d2,5e2を設ける位置については、図37とほぼ同様であるため、図面と説明を省略する。
具体的に、ヒューズエレメント5は、通電方向の中間部分であって、ヒューズエレメント5の幅方向に並列する円形の貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とを有している。貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とは、それぞれ、ヒューズエレメント5の通電方向に所定の間隔をあけて設けられている。貫通孔5d1,5d2とは、通電方向に対して中心位置がずれるように並んでおり、貫通孔5e1,5e2とは、通電方向に対して中心位置がずれるように並んでいる。より具体的には、ヒューズエレメント5には、貫通孔5d1,5d2と、貫通孔5e1,5e2とが通電方向に重ならないようにそれぞれ並んでいる。
[貫通孔]
つぎに、ヒューズエレメント5の貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とを設ける位置とその大きさについて説明する。貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2付近は、上述のように最も早く溶断されることとなるため、溶断位置を調整するために、特に、通電方向の全長Lの中央付近とすることが好ましい。言い換えると、端子部30間を回路切断するために、端子部30間の中央付近とすることが好ましい。
具体的に、貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とを設ける位置は、ヒューズエレメント5の通電方向の両端からそれぞれL1、L2だけ離れた位置とすることが好ましい。ここで、L1、L2の具体的な大きさは、(L/4)<L1、(L/4)<L2とする。ヒューズエレメント5の、通電経路を複数に分割しつつも、第1、第2の電極3,4付近は所定の熱容量を有するエレメント体積を確保するためである。また、貫通孔5d1,5e1,5d2,5e2を設ける位置は、発熱体引出電極16の端部からブリッジ部、すなわち端子部30側に向かってまたがるように設置することが好ましい。
また、貫通孔5d1,5d2の大きさは、貫通孔5d1,5d2を含めた通電方向の最大長をL0とすると、ヒューズエレメント5の通電経路の全長Lに対し、(L/2)>L0となるように設定することが好ましい。これよりも大きくしてしまうと、折り曲げ部分にまで貫通孔5d1,5d2が及んでしまいかねないからである。また、貫通孔5e1,5e2の大きさは、貫通孔5d1,5d2の大きさと同様に定義をすることができるため説明を省略する。
ヒューズエレメント5は、貫通孔5d2,5e1の間に幅狭部分5gを有しており、貫通孔5d1のヒューズエレメント5の幅方向の外側に幅狭部分5fを有しており、貫通孔5e2のヒューズエレメント5の幅方向の外側に幅狭部分5hを有している。なお、幅狭部分5g〜5fについては、図37とほぼ同様であるため、図面と説明を省略する。
上述のような構成とされたヒューズエレメント5は、ヒューズエレメント5の通電方向に複数の幅狭部分を有することとなり、1列のみが並列された第1の実施の形態と比較して、ヒューズエレメント5の溶断位置を複数個所でより正確にコントロールすることが可能となる。
発熱体14は、図示しない電極より電流が供給されることで発熱し、ヒューズエレメント5を加熱することができる。
従って、発熱体内蔵ヒューズ素子100は、ヒューズエレメント5に定格電流を超える異常な電流が流れない場合であっても、発熱体14に電流を流すことによって、ヒューズエレメント5を加熱し、所望の条件でヒューズエレメント5を溶断することが可能である。
[第13の実施の形態]
[発熱体内蔵ヒューズ素子]
つぎに、発熱体内蔵ヒューズ素子の他の構成例について説明するが、第1の実施の形態におけるヒューズ素子の構造として同機能の部分に同じ符号を付して説明を省略する。本実施の形態におけるヒューズ素子は、フリップチップ型の発熱体内蔵ヒューズ素子の一例である。
具体的には、図42及び図43に示すように、発熱体内蔵ヒューズ素子100は、絶縁基板2と、絶縁基板2に積層され、絶縁部材に覆われた発熱体と、絶縁部材上に発熱体と重畳するように積層された発熱体引出電極16と、央部が発熱体引出電極16に接続され、通電方向の両端に端子部30を有し、端子部30間の間で定格を超える電流が通電することによって自己発熱によりまたは発熱体による加熱で溶断し、電流経路を遮断するヒューズエレメント5と、ヒューズエレメント5上に設けられ、ヒューズエレメント5に発生する酸化膜を除去するとともにヒューズエレメント5の濡れ性を向上させるフラックスと、ヒューズエレメント5を覆う外装体となるカバー部材20とを備える。
ここで、図42は、発熱体内蔵ヒューズ素子100の表面を説明する図であり、図43は、発熱体内蔵ヒューズ素子100の裏面を説明する図である。なお、内部の詳細な構造については、第12の実施の形態と略同等であるため図面及び説明を省略する。
ヒューズエレメント5は、積層構造体が略矩形板状とされており、通電方向の全長Lよりも通電方向と直交する幅方向の長さWが大きい幅広構造とされている。
また、ヒューズエレメント5は、通電方向の両端を回路基板側に90度折り曲げて、その端面を端子部30としている。なお、本実施の形態における発熱体内蔵ヒューズ素子100は、フリップチップ型であるため、回路基板に実装される向きが他の実施の形態と異なり表裏が逆となる(フェースダウン)。従って、ヒューズエレメント5は、端面を折り曲げる向きが、絶縁基板2に対して垂直方向に立ち上がる向きとなる。また、発熱体引出電極16も同様に、絶縁基板2に対して垂直方向に接続経路を確保するための端子部40を搭載している。
端子部30は、ヒューズエレメント5が搭載された発熱体内蔵ヒューズ素子100が回路基板に実装されると、当該回路基板に形成された接続端子に直接接続されるものであり、通電方向の両端に形成されている。そして、端子部30は、図43に示すように、ヒューズ素子1がフェースダウンで回路基板に実装されることにより、回路基板上に形成された接続端子とハンダ等を介して接続される。また、端子部40も同様にフェースダウンで回路基板に実装される。
発熱体内蔵ヒューズ素子100は、ヒューズエレメント5に形成した端子部30を介して回路基板と導通接続されることにより、素子全体の抵抗値を下げて、小型化且つ高定格化を図ることができる。これにより、発熱体内蔵ヒューズ素子100は、導電スルーホールを介在させることによる高抵抗化を防止でき、ヒューズエレメント5によって素子の定格が決まり、小型化を図るとともに高定格化を実現できる。
[第14の実施の形態]
[ヒューズ素子]
つぎに、フリップチップ型のヒューズ素子の他の構成例について説明するが、第1の実施の形態におけるヒューズ素子の構造として同機能の部分に同じ符号を付して説明を省略する。
具体的には、図44〜図47に示すように、ヒューズ素子1は、絶縁基板2と、絶縁基板2に積層され、通電方向の両端に端子部30を有し、端子部30間の間で定格を超える電流が通電することによって自己発熱により溶断し、電流経路を遮断するヒューズエレメント5と、ヒューズエレメント5上に設けられ、ヒューズエレメント5に発生する酸化膜を除去するとともにヒューズエレメント5の濡れ性を向上させる複数のフラックス17と、ヒューズエレメント5を覆う外装体となるカバー部材20とを備える。
ここで、図44は、絶縁基板2上にヒューズエレメント5を載置した状態を示しており、図45は、ヒューズエレメント5上にフラックス17を塗布した状態を示しており、図46は、フラックス17を塗布した後にカバー部材20を取り付けた状態を示している。すなわち、図44〜図46の順に従いヒューズ素子1を製造する工程を説明する図である。なお、図47は、ヒューズ素子1の裏面を説明する図である。
ヒューズエレメント5は、積層構造体が略矩形板状とされており、通電方向の全長Lよりも通電方向と直交する幅方向の長さWが大きい幅広構造とされている。なお、全長Lや幅Wについては、図37とほぼ同様であるため、図面と説明を省略する。
また、ヒューズエレメント5は、通電方向の両端を回路基板側に90度折り曲げて、その端面を端子部30としている。
端子部30は、ヒューズエレメント5が搭載されたヒューズ素子1が回路基板に実装されると、当該回路基板に形成された接続端子に直接接続されるものであり、通電方向の両端に形成されている。そして、端子部30は、図47に示すように、ヒューズ素子1がフェースダウンで回路基板に実装されることにより、回路基板上に形成された接続端子とハンダ等を介して接続される。
ヒューズ素子1は、ヒューズエレメント5に形成した端子部30を介して回路基板と導通接続されることにより、素子全体の抵抗値を下げて、小型化且つ高定格化を図ることができる。これにより、ヒューズ素子1は、導電スルーホールを介在させることによる高抵抗化を防止でき、ヒューズエレメント5によって素子の定格が決まり、小型化を図るとともに高定格化を実現できる。
また、ヒューズエレメント5は、図43に示すように、貫通孔5d1,5e1や貫通孔5d2,5e2を設けるようにしている。また、貫通孔形状ではなく凹み形状としても良い。なお、貫通孔5d1,5e1や貫通孔5d2,5e2を設ける位置については、図37とほぼ同様であるため、図面と説明を省略する。
具体的に、ヒューズエレメント5は、通電方向の中間部分であって、ヒューズエレメント5の幅方向に並列する円形の貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とを有している。貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とは、それぞれ、ヒューズエレメント5の通電方向に所定の間隔をあけて設けられている。貫通孔5d1,5d2とは、通電方向に対して中心位置がずれるように並んでおり、貫通孔5e1,5e2とは、通電方向に対して中心位置がずれるように並んでいる。より具体的には、ヒューズエレメント5には、貫通孔5d1,5d2と、貫通孔5e1,5e2とが通電方向に重ならないようにそれぞれ並んでいる。
[貫通孔]
つぎに、ヒューズエレメント5の貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とを設ける位置とその大きさについて説明する。貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2付近は、上述のように最も早く溶断されることとなるため、溶断位置を調整するために、特に、通電方向の全長Lの中央付近とすることが好ましい。言い換えると、端子部30間を回路切断するために、端子部30間の中央付近とすることが好ましい。
具体的に、貫通孔5d1,5e1と、貫通孔5d2,5e2とを設ける位置は、ヒューズエレメント5の通電方向の両端からそれぞれL1、L2だけ離れた位置とすることが好ましい。ここで、L1、L2の具体的な大きさは、(L/4)<L1、(L/4)<L2とする。ヒューズエレメント5の、通電経路を複数に分割しつつも、第1、第2の電極3,4付近は所定の熱容量を有するエレメント体積を確保するためである。
また、貫通孔5d1,5d2の大きさは、貫通孔5d1,5d2を含めた通電方向の最大長をL0とすると、ヒューズエレメント5の通電経路の全長Lに対し、(L/2)>L0となるように設定することが好ましい。これよりも大きくしてしまうと、折り曲げ部分にまで貫通孔5d1,5d2が及んでしまいかねないからである。また、貫通孔5e1,5e2の大きさは、貫通孔5d1,5d2の大きさと同様に定義をすることができるため説明を省略する。
ヒューズエレメント5は、貫通孔5d2,5e1の間に幅狭部分5gを有しており、貫通孔5d1のヒューズエレメント5の幅方向の外側に幅狭部分5fを有しており、貫通孔5e2のヒューズエレメント5の幅方向の外側に幅狭部分5hを有している。なお、幅狭部分5g〜5fについては、図37とほぼ同様であるため、図面と説明を省略する。
上述のような構成とされたヒューズエレメント5は、ヒューズエレメント5の通電方向に複数の幅狭部分を有することとなり、1列のみが並列された第1の実施の形態と比較して、ヒューズエレメント5の溶断位置を複数個所でより正確にコントロールすることが可能となる。
[まとめ]
以上のように、本発明を適用した各実施の形態におけるヒューズエレメントは、通電方向の全長Lよりも通電方向と直交する幅方向の長さWが大きい幅広構造とされており、特に低融点貴族層と高融点金属層の積層構造体とすることで小型且つ大電流に対応することが可能なヒューズ素子又は発熱体内蔵ヒューズ素子を簡易な構造で提供することが可能となる。
また、ヒューズエレメントに貫通孔又は凹み部を設けることにより、ヒューズエレメントの爆発的な溶融を抑止することができ、ヒューズエレメントの溶断後も、絶縁性が担保される安全性の高いヒューズ素子及び発熱体内蔵ヒューズ素子を提供することができる。
なお、ヒューズエレメントに設ける貫通孔又は凹み部の数や種類は、適宜選択することができるものとし、端子部の有無を含め、各実施の形態で説明した構造を適宜組み合わせて用いることがでる。
また、本発明を適用した各実施の形態におけるヒューズエレメントは、全て発熱体内蔵ヒューズ素子に適用可能であり、大電流化に対応できる小型の表面実装型のヒューズ素子を容易に得ることができる。
1 ヒューズ素子、2 絶縁基板、2a 表面、2b 裏面、3 第1の電極、4 第2の電極、5 ヒューズエレメント、5a 低融点金属層、5b 高融点金属層、5e〜5d 貫通孔(凹み部)、5f〜5h 幅狭部分、6 保護層、7 酸化防止膜、8 接着材料、10 保護部材、11 接着剤、14 発熱体、15 絶縁部材、16 発熱体引出電極、20 カバー部材、20a 側壁、20b 天面、30 端子部、40 端子部、100 発熱体内蔵ヒューズ素子

Claims (75)

  1. ヒューズ素子の通電経路を構成し、定格を超える電流が通電することによって自己発熱により溶断するヒューズエレメントにおいて、
    通電方向の全長よりも通電方向と直交する幅方向の長さが大きいヒューズエレメント。
  2. 低融点金属層と、
    上記低融点金属層に積層された高融点金属層とを有する請求項1に記載のヒューズエレメント。
  3. 上記低融点金属層と上記低融点金属層の上下に上記高融点金属層を有する請求項2に記載のヒューズエレメント。
  4. 上記低融点金属層は、通電方向の両側面に高融点金属層を有する請求項3に記載のヒューズエレメント。
  5. 凹み又は貫通孔を有する請求項1〜4の何れか1項に記載のヒューズエレメント。
  6. 当該ヒューズエレメントの通電方向の全長Lに対して、上記凹み又は貫通孔の通電方向の最大長L0が(1/2)Lより小さい請求項5に記載のヒューズエレメント。
  7. 上記凹み又は貫通孔は、当該凹み又は貫通孔と通電方向の両端部までの距離をそれぞれL1,L2とすると、L1が(1/4)Lより大きく、L2が(1/4)Lより大きくなる位置に設けられている請求項6に記載のヒューズエレメント。
  8. 上記凹み又は貫通孔は、幅方向に複数並んでいる請求項5〜7の何れか1項に記載のヒューズエレメント。
  9. 上記凹み又は貫通孔は、円形,矩形もしくは菱型のいずれかである請求項5〜8の何れか1項に記載のヒューズエレメント。
  10. 上記低融点金属層は、ハンダであり、
    上記高融点金属層は、Ag、Cu、Ag又はCuを主成分とする合金である請求項2〜9の何れか1項に記載のヒューズエレメント。
  11. 上記低融点金属層は、上記高融点金属層よりも体積が多い請求項2〜10の何れか1項に記載のヒューズエレメント。
  12. 上記低融点金属層と上記高融点金属層との膜厚比が低融点金属層:高融点金属層=2:1〜100:1である請求項2〜11の何れか1項に記載のヒューズエレメント。
  13. 上記低融点金属層の膜厚は、30μm以上であり、
    上記高融点金属層の膜厚は、3μm以上である請求項12記載のヒューズエレメント。
  14. 上記高融点金属層は、上記低融点金属層の表面にメッキすることにより形成される請求項2〜13の何れか1項に記載のヒューズエレメント。
  15. 上記高融点金属層は、上記低融点金属層の表面に金属箔を貼着させることにより形成される請求項2〜13の何れか1項に記載のヒューズエレメント。
  16. 上記高融点金属層は、上記低融点金属層の表面に薄膜形成工程により形成される請求項2〜13の何れか1項に記載のヒューズエレメント。
  17. 上記高融点金属層の表面に、さらに酸化防止膜が形成されている請求項2〜13の何れか1項に記載のヒューズエレメント。
  18. 上記低融点金属層と上記高融点金属層とが、交互に複数層積層されている請求項2〜13の何れか1項に記載のヒューズエレメント。
  19. 上記低融点金属層の対向する2端面を除く外周部が上記高融点金属層によって被覆されている請求項2〜13の何れか1項に記載のヒューズエレメント。
  20. 外周の少なくとも一部が保護部材によって保護されている請求項2〜13の何れか1項に記載のヒューズエレメント。
  21. 前記凹み又は貫通孔によって、並列する複数の幅狭部分を有し、
    上記複数の幅狭部分が、定格を超える電流の通電による自己発熱により溶断する請求項5〜13の何れか1項に記載のヒューズエレメント。
  22. 上記複数の幅狭部分が順次溶断する請求項21に記載のヒューズエレメント。
  23. 1つの上記幅狭部分は、一部又は全部の断面積が他の幅狭部分の断面積よりも小さい請求項21又は22に記載のヒューズエレメント。
  24. 3つの上記幅狭部分が並列され、
    真ん中の上記幅狭部分が最後に溶断する請求項21又は22に記載のヒューズエレメント。
  25. 真ん中の上記幅狭部分は、一部又は全部の断面積が両側の幅狭部分の断面積よりも小さい請求項24に記載のヒューズエレメント。
  26. 上記ヒューズ素子の外部接続端子となる端子部が形成されている請求項1〜25の何れか1項に記載のヒューズエレメント。
  27. 上記高融点金属層の膜厚は、0.5μm以上である請求項13記載のヒューズエレメント。
  28. 当該ヒューズエレメントの厚みtが、通電方向と直交する幅方向の長さWの1/30以下である請求項1〜27の何れか1項に記載のヒューズエレメント。
  29. 当該ヒューズエレメントの厚みtが、通電方向と直交する幅方向の長さWの1/60以下とする請求項28に記載のヒューズエレメント。
  30. 通電経路を構成し、定格を超える電流が通電することによって自己発熱により溶断するヒューズエレメントを有するヒューズ素子において、
    上記ヒューズエレメントは、通電方向の全長よりも通電方向と直交する幅方向の長さが大きいヒューズ素子。
  31. 低融点金属層と、
    上記低融点金属層に積層された高融点金属層とを有する請求項30に記載のヒューズエレメント。
  32. 上記ヒューズエレメントは、上記低融点金属層と上記低融点金属層の上下に上記高融点金属層を有する請求項31に記載のヒューズ素子。
  33. 上記低融点金属層は、通電方向の両側面に高融点金属層を有する請求項32に記載のヒューズ素子。
  34. 前記ヒューズエレメントは、凹み又は貫通孔を有する請求項30〜33の何れか1項に記載のヒューズ素子。
  35. 上記ヒューズエレメントにおける通電方向の全長Lに対して、上記凹み又は貫通孔の通電方向の最大長L0が(1/2)Lより小さい請求項34に記載のヒューズ素子。
  36. 上記凹み又は貫通孔は、当該凹み又は貫通孔と通電方向の両端部までの距離をそれぞれL1,L2とすると、L1が(1/4)Lより大きく、L2が(1/4)Lより大きくなる位置に設けられている請求項34に記載のヒューズ素子。
  37. 上記凹み又は貫通孔は、幅方向に複数並んでいる請求項34〜36の何れか1項に記載のヒューズ素子。
  38. 上記凹み又は貫通孔は、円形,矩形もしくは菱型のいずれかである請求項34〜37の何れか1項に記載のヒューズ素子。
  39. 上記絶縁基板に設けられた第1及び第2の電極を有し、
    上記ヒューズエレメントは、上記第1及び第2の電極間にわたって実装されている請求項30〜38のいずれか1項に記載のヒューズ素子。
  40. 上記ヒューズエレメントは、上記第1及び第2の電極と、SnもしくはSnを主体とするハンダにて接続されている請求項39に記載のヒューズ素子。
  41. 上記ヒューズエレメントは、上記第1及び第2の電極と、超音波溶接により接続されている請求項39に記載のヒューズ素子。
  42. 上記ヒューズエレメントは、上記絶縁基板から離間して実装されている請求項30〜41のいずれか1項に記載のヒューズ素子。
  43. 上記ヒューズエレメントの表面がフラックスでコーティングされている請求項30〜42のいずれか1項に記載のヒューズ素子。
  44. カバー部材によって上記絶縁基板上が覆われている請求項30〜43のいずれか1項に記載のヒューズ素子。
  45. 前記凹み又は貫通孔によって、並列する複数の幅狭部分を有する上記ヒューズエレメントを有し、
    上記ヒューズエレメントが、定格を超える電流の通電による自己発熱により溶断する請求項30〜44のいずれか1項に記載のヒューズ素子。
  46. 複数の幅狭部分が、順次溶断する請求項45に記載のヒューズ素子。
  47. 1つの上記幅狭部分は、一部又は全部の断面積が他の幅狭部分の断面積よりも小さい請求項45又は46に記載のヒューズ素子。
  48. 3つの幅狭部分が並列され、
    真ん中の上記幅狭部分は、最後に溶断する請求項45又は46に記載のヒューズ素子。
  49. 真ん中の上記幅狭部分は、一部又は全部の断面積が両側の幅狭部分の断面積よりも小さい請求項48に記載のヒューズ素子。
  50. 上記ヒューズエレメントに、外部接続端子となる端子部が形成されている請求項30〜49のいずれか1項に記載のヒューズ素子。
  51. 上記ヒューズエレメントの厚みtが、通電方向と直交する幅方向の長さWの1/30以下である請求項30〜50の何れか1項に記載のヒューズ素子。
  52. 当該ヒューズエレメントの厚みtが、通電方向と直交する幅方向の長さWの1/60以下とする請求項51に記載のヒューズ素子。
  53. 通電経路を構成し、定格を超える電流が通電することによって自己発熱により溶断するヒューズエレメントと、上記ヒューズエレメントを加熱して溶断する発熱体とを有する発熱体内蔵ヒューズ素子において、
    前記ヒューズエレメントは、通電方向の全長よりも通電方向と直交する幅方向の長さが大きい発熱体内蔵ヒューズ素子。
  54. 低融点金属層と、
    上記低融点金属層に積層された高融点金属層とを有する請求項53に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  55. 低融点金属層と上記低融点金属層の上下に高融点金属層を有る請求項54に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  56. 上記低融点金属層は、通電方向の両側面に高融点金属層を有する請求項55に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  57. 上記ヒューズエレメントは、凹み又は貫通孔を有する請求項53〜56の何れか1項に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  58. 上記ヒューズエレメントの通電方向の全長Lに対して、上記凹み又は貫通孔の通電方向の最大長L0が(1/2)Lよりも小さい請求項57に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  59. 上記凹み又は貫通孔は、当該凹み又は貫通孔と通電方向の両端部までの距離をそれぞれL1,L2とすると、L1が(1/4)Lより大きく、L2が(1/4)Lより大きくなる位置に設けられている請求項58に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  60. 上記凹み又は貫通孔は、幅方向に複数並んでいる請求項57〜59の何れか1項に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  61. 上記凹み又は貫通孔は、円形,矩形もしくは菱型のいずれかである請求項57〜60の何れか1項に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  62. 上記絶縁基板に設けられた第1及び第2の電極を有し、
    上記ヒューズエレメントは、上記第1及び第2の電極間にわたって実装されている請求項53〜61のいずれか1項に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  63. 上記ヒューズエレメントは、上記第1及び第2の電極と、SnもしくはSnを主体とするハンダにて接続されている請求項62に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  64. 上記ヒューズエレメントは、上記第1及び第2の電極と、超音波溶接により接続されている請求項62に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  65. 上記ヒューズエレメントは、上記絶縁基板から離間して実装されている請求項53〜64のいずれか1項に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  66. 上記ヒューズエレメントの表面がフラックスでコーティングされている請求項53〜65のいずれか1項に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  67. カバー部材によって上記絶縁基板上が覆われている請求項53〜66のいずれか1項に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  68. 前記凹み又は貫通孔によって、並列する複数の幅狭部分を有する上記ヒューズエレメントを有し、
    上記ヒューズエレメントが、定格を超える電流の通電による自己発熱により溶断する請求項53〜67のいずれか1項に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  69. 複数の幅狭部分が、順次溶断する請求項68記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  70. 1つの上記幅狭部分は、一部又は全部の断面積が他の幅狭部分の断面積よりも小さい請求項68又は69に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  71. 3つの幅狭部分が並列され、
    真ん中の上記幅狭部分は、最後に溶断する請求項68又は69に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  72. 真ん中の上記幅狭部分は、一部又は全部の断面積が両側の幅狭部分の断面積よりも小さい請求項71に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  73. 上記ヒューズエレメントに、外部接続端子となる端子部が形成されている請求項53〜72のいずれか1項に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  74. 上記ヒューズエレメントの厚みtが、通電方向と直交する幅方向の長さWの1/30以下である請求項53〜73の何れか1項に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
  75. 上記ヒューズエレメントの厚みtが、通電方向と直交する幅方向の長さWの1/60以下とする請求項74に記載の発熱体内蔵ヒューズ素子。
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