JP2016070229A - 圧縮機 - Google Patents

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歩 小川
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Masanori Yanagisawa
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Abstract

【課題】本発明の目的は、マフラ空間で発生する共鳴に起因する騒音を抑制することができる圧縮機を提供することである。
【解決手段】ロータリ圧縮機101は、圧縮機構15と、クランクシャフト17と、リアマフラ46とを備える。圧縮機構は、リアヘッド43を有する。リアマフラは、環状のリアマフラ空間33をリアヘッドと共に形成する。リアヘッドは、リア吐出ポート43bと、マフラ締結孔43eと、リブ43gとを有する。リブは、リアマフラ空間に形成される。リアマフラ空間は、第1マフラ部分空間33aと、第2マフラ部分空間33bとを有する。第1マフラ部分空間は、リアマフラ空間の周方向においてマフラ締結孔およびリブが形成されていない範囲内にある。第2マフラ部分空間は、リアマフラ空間の周方向においてリブが形成されている範囲内にある。第2マフラ部分空間の径方向断面積は、第1マフラ部分空間の径方向断面積の70%以下である。
【選択図】図5

Description

本発明は、圧縮機に関する。
従来、特許文献1(特許平5−133377号公報)に開示されているように、マフラを備える圧縮機が用いられている。マフラは、圧縮機内部の圧縮機構に取り付けられ、圧縮機構から冷媒が吐出される際に発生する騒音を低減する効果を有する。
マフラは、圧縮機構と共に、環状のマフラ空間を形成する。圧縮機構は、吐出ポートからマフラ空間に冷媒を周期的に吐出する。これにより、マフラ空間では、冷媒の圧力脈動による共鳴が発生する。この共鳴の一次モードでは、吐出ポートの近傍の空間、および、マフラ空間の中心に対して吐出ポートの反対側の空間の2箇所において、圧力脈動の振幅が最大となる腹が形成される。一次モード共鳴のエネルギーは、マフラを振動させて、圧縮機から発生する騒音の原因となる。そのため、マフラ空間で発生する共鳴のエネルギーを低減する方法が求められている。
本発明の目的は、マフラ空間で発生する共鳴に起因する騒音を抑制することができる圧縮機を提供することである。
本発明の第1観点に係る圧縮機は、圧縮機構と、クランクシャフトと、マフラとを備える。圧縮機構は、第1部材を有する。クランクシャフトは、第1部材を貫通し、回転軸周りに回転する。マフラは、マフラ空間を第1部材と共に形成する。マフラ空間は、回転軸の周りに位置している環状空間である。第1部材は、吐出ポートと、締結孔と、リブとを有する。吐出ポートは、マフラ空間と連通する。締結孔は、マフラ空間の外側に形成され、締結部材が通る。リブは、マフラ空間に形成され、回転軸に対して吐出ポートの反対側に位置している。マフラ空間は、第1空間と、第2空間とを有する。第1空間は、マフラ空間の周方向において締結孔およびリブが形成されていない範囲内にある。第2空間は、マフラ空間の周方向においてリブが形成されている範囲内にある。第2空間の径方向断面積は、第1空間の径方向断面積の70%以下である。径方向断面積は、第1部材の径方向における断面積である。
第1観点に係る圧縮機において、マフラ空間は、圧縮機構で圧縮された冷媒が吐出ポートから周期的に吐出されて圧力脈動が発生する環状の空間である。マフラ空間では、マフラ空間の周方向に沿って、圧力脈動に起因する定常波が発生する。定常波は、圧力脈動の大きさが最大となる「腹」と、圧力脈動の大きさが最小となる「節」とを有する。定常波の腹の位置に、障害物であるリブを設けることにより、定常波の発生を抑制することができる。すなわち、リブは、マフラ空間で発生する圧力脈動を抑制する効果を有する。従って、第1観点に係る圧縮機は、マフラ空間に形成されるリブによって、マフラ空間で発生する音響共鳴に起因する騒音を抑制することができる。
本発明の第2観点に係る圧縮機は、第1観点に係る圧縮機であって、第1直線と、第2直線との間の角度は、60°以下である。第1直線は、マフラ空間の周方向におけるリブの中心位置と、回転軸とを結ぶ。第2直線は、マフラ空間の周方向における吐出ポートの中心位置と、回転軸とを結ぶ。
第2観点に係る圧縮機において、リブは、吐出ポートの反対側の空間に形成されている。マフラ空間の周方向において、リブは、所定の範囲内に形成されている。
本発明の第3観点に係る圧縮機は、第1観点または第2観点に係る圧縮機であって、第1部材は第1軸受を有する。リブは、第1軸受と連結されている。
第3観点に係る圧縮機において、第1軸受およびリブは、一体的に形成されている。
本発明の第4観点に係る圧縮機は、第1乃至第3観点のいずれか1つに係る圧縮機であって、リブは、第1部材の成形時に形成される。
第4観点に係る圧縮機において、リブを有する第1軸受は、鋳造および焼結等によって一体的に形成される。
本発明の第5観点に係る圧縮機は、第1乃至第4観点のいずれか1つに係る圧縮機であって、圧縮機構は、第2部材と、第1連通路と、第2連通路とをさらに有する。第2部材は、クランクシャフトに貫通され、かつ、回転軸の方向において第1部材と対向する。第1連通路は、マフラ空間と、第2部材の周囲の空間とを連通し、かつ、回転軸に沿って延びている。第2連通路は、マフラ空間と、第2部材の周囲の空間とを連通し、かつ、回転軸に沿って延びている。吐出ポート、第1連通路、リブおよび第2連通路は、マフラ空間の周方向に沿って、この順番で配置されている。
第5観点に係る圧縮機において、吐出ポートから吐出された冷媒は、マフラ空間を流れて、第1連通路および第2連通路に流入する。第1連通路および第2連通路を通過した冷媒は、圧縮機構の外部空間に供給される。
本発明の第6観点に係る圧縮機は、第1乃至第4観点のいずれか1つに係る圧縮機であって、マフラは、第1吐出孔と、第2吐出孔とを有する。第1吐出孔は、マフラ空間と、マフラの周囲の空間とを連通する。第2吐出孔は、マフラ空間と、マフラの周囲の空間とを連通する。吐出ポート、第1吐出孔、リブおよび第2吐出孔は、マフラ空間の周方向に沿って、この順番で配置されている。
第6観点に係る圧縮機において、吐出ポートから吐出された冷媒は、マフラ空間を流れて、第1吐出孔および第2吐出孔を通過する。第1吐出孔および第2吐出孔を通過した冷媒は、圧縮機構の外部空間に供給される。
本発明に係る圧縮機は、マフラ空間で発生する共鳴に起因する騒音を抑制することができる。
実施形態のロータリ圧縮機の縦断面図である。 図1の高さ位置IIにおける圧縮機構の断面図である。 フロントマフラが取り付けられたフロントヘッドの斜視図である。 図1の高さ位置IVにおける圧縮機構の断面図である。 リアヘッドの斜視図である。 リアヘッドの平面図である。 図6の線分VII―VIIにおけるリアヘッドの断面図である。 図6の線分VIII―VIIIにおけるリアヘッドの断面図である。 リブの位置を説明するためのリアヘッドの平面図である。 参考例としての仮想マフラ空間の概念図である。 参考例としての仮想マフラ空間で発生する一次共鳴モードを表す概念図である。 リアマフラ空間における冷媒の流れを表す図である。 参考例としての仮想マフラ空間で発生する二次共鳴モードを表す概念図である。 変形例Dにおけるリアヘッドの平面図である。 変形例Eにおけるフロントヘッドの斜視図である。 変形例Eにおけるフロントマフラが取り付けられたフロントヘッドの上面図である。
本発明の実施形態である圧縮機について、図面を参照しながら説明する。圧縮機は、空気調和装置等の冷凍装置に備えられる冷媒回路に取り付けられる。圧縮機は、冷媒回路を流れる冷媒ガスを圧縮する。
(1)ロータリ圧縮機の構成
図1は、本実施形態のロータリ圧縮機101の縦断面図である。ロータリ圧縮機101は、2シリンダタイプのロータリ圧縮機である。ロータリ圧縮機101は、主として、ケーシング10と、圧縮機構15と、駆動モータ16と、クランクシャフト17と、2つの吸入管19と、吐出管20とを備える。ロータリ圧縮機101で圧縮される冷媒は、例えば、R410A、R22、R32および二酸化炭素である。次に、ロータリ圧縮機101の各構成要素について説明する。
(1−1)ケーシング
ケーシング10は、円筒形の胴部11と、ボウル形の頂部12と、ボウル形の底部13とから構成される。頂部12は、胴部11の上端部と気密状に連結されている。底部13は、胴部11の下端部と気密状に連結されている。
ケーシング10は、ケーシング10の内部空間および外部空間の圧力および温度の変化によって変形および破損が起こりにくい剛性部材で成形されている。ケーシング10は、胴部11の円筒形の軸方向が鉛直方向に沿うように設置されている。ケーシング10の内部空間の下部は、潤滑油が貯留される油貯留部10aである。潤滑油は、ケーシング10の内部空間に存在する摺動部の潤滑性を向上させるために用いられる冷凍機油である。
ケーシング10は、主として、圧縮機構15と、駆動モータ16と、クランクシャフト17とを収容している。圧縮機構15は、クランクシャフト17を介して駆動モータ16と連結されている。吸入管19および吐出管20は、ケーシング10を貫通するように、ケーシング10と気密状に連結されている。
(1−2)圧縮機構
圧縮機構15は、主として、フロントマフラ26と、フロントヘッド23と、フロントシリンダ24と、フロントピストン25と、ミドルプレート31と、リアシリンダ44と、リアピストン45と、リアヘッド43と、リアマフラ46とから構成される。フロントヘッド23、フロントシリンダ24、ミドルプレート31、リアシリンダ44およびリアヘッド43は、複数のボルトによって互いに締結されている。図面において、これらのボルトが通る孔は省略されている。
圧縮機構15は、低圧の冷媒ガスを吸引して圧縮し、高圧の冷媒ガスを吐出する。圧縮機構15の上方の空間は、圧縮機構15によって圧縮された冷媒が吐出される高圧空間S1である。圧縮機構15は、油貯留部10aに貯留されている潤滑油に浸かっている。潤滑油は、圧縮機構15の摺動部に供給される。次に、圧縮機構15の各構成要素について説明する。
(1−2−1)フロントシリンダ
フロントシリンダ24は、フロントヘッド23とミドルプレート31との間に挟まれている。フロントシリンダ24の上面は、フロントヘッド23の下面と接触している。フロントシリンダ24の下面は、ミドルプレート31の上面と接触している。
図2は、図1の高さ位置IIにおける圧縮機構15の断面図である。フロントシリンダ24は、フロントシリンダ孔24aと、フロント吸入孔24bと、フロント吐出路24cと、フロントブッシュ収容孔24dと、フロントブレード収容孔24eとを有している。
フロントシリンダ孔24aは、フロントシリンダ24の上面から下面に向かって、フロントシリンダ24を鉛直方向に貫通する円柱形の孔である。フロント吸入孔24bは、フロントシリンダ24の外周面から内周面に向かって、フロントシリンダ孔24aの径方向に沿ってフロントシリンダ24を貫通する孔である。フロント吐出路24cは、フロントシリンダ24の内周面の上端部に形成される切り欠き部である。フロントブッシュ収容孔24dは、フロントシリンダ24を鉛直方向に貫通する孔である。フロントブッシュ収容孔24dは、鉛直方向に沿って見た場合において、フロント吸入孔24bとフロント吐出路24cとの間に形成されている。フロントブレード収容孔24eは、フロントシリンダ24を鉛直方向に貫通する孔である。フロントブレード収容孔24eは、フロントブッシュ収容孔24dと連通している。
また、フロントシリンダ24は、2つのフロントシリンダ連通孔24hを有している。フロントシリンダ連通孔24hは、後述するマフラ空間連通路34a,34bの一部である。
(1−2−2)フロントピストン
フロントピストン25は、フロントヘッド23とミドルプレート31との間に挟まれている。フロントピストン25の上面は、フロントヘッド23の下面と接触している。フロントピストン25の下面は、ミドルプレート31の上面と接触している。
フロントピストン25は、円筒形のフロントローラ25aと、板状のフロントブレード25bとから構成される。フロントブレード25bは、フロントローラ25aの径方向に沿って、フロントローラ25aから突出している。
フロントローラ25aは、フロントシリンダ24のフロントシリンダ孔24aに収容される。フロントローラ25aは、クランクシャフト17のフロント偏心軸部17aが嵌め込まれている。クランクシャフト17が回転すると、フロントローラ25aは、クランクシャフト17の回転軸を中心とする公転運動を行う。フロントローラ25aは、鉛直方向に沿って上から見た場合において、時計回りに公転する。
フロントブレード25bは、主として、フロントシリンダ24のフロントブッシュ収容孔24dおよびフロントブレード収容孔24eに収容される。クランクシャフト17が回転すると、フロントブレード25bは、フロントブッシュ22と摺動しながら往復運動を行う。
フロントブッシュ22は、一対の半円柱形の部材である。フロントブッシュ22は、フロントピストン25のフロントブレード25bを挟み込むようにして、フロントシリンダ24のフロントブッシュ収容孔24dに収容される。
圧縮機構15は、フロント圧縮室40を有している。フロント圧縮室40は、冷媒が供給される空間である。フロント圧縮室40は、フロントシリンダ24と、フロントピストン25と、フロントヘッド23と、ミドルプレート31とによって囲まれた空間である。フロント圧縮室40は、フロント吸入孔24bと連通するフロント吸入室40aと、フロント吐出路24cと連通するフロント吐出室40bとに区画されている。フロント吸入室40aおよびフロント吐出室40bの容積は、フロントピストン25の位置に応じて変化する。
(1−2−3)フロントヘッド
フロントヘッド23は、フロントシリンダ24の上面と接触している。フロントヘッド23は、フロントシリンダ24のフロントシリンダ孔24aを覆っている。フロントヘッド23は、ケーシング10の内周面に固定されている。フロントヘッド23は、クランクシャフト17を支持するためのフロント軸受23aを有している。フロントヘッド23は、フロント吐出ポート23bを有している。フロント吐出ポート23bは、フロント吐出路24cおよび後述のフロントマフラ空間32と連通している。フロント吐出ポート23bは、フロント圧縮室40で圧縮された冷媒をフロントマフラ空間32に送るための流路である。
フロントヘッド23の上面には、フロント吐出弁23cが取り付けられている。フロント吐出弁23cは、フロント吐出ポート23bの開口に取り付けられる。フロント吐出弁23cは、フロントマフラ空間32からフロント圧縮室40への冷媒の逆流を防ぐ。フロント吐出弁23cの一端は、フロントヘッド23に固定されている。フロント吐出弁23cの他端は、フロント吐出ポート23bの圧力が上昇すると、フロントヘッド23から離れる。これにより、フロント圧縮室40は、フロント吐出ポート23bを介してフロントマフラ空間32と連通する。
(1−2−4)フロントマフラ
フロントマフラ26は、フロントヘッド23の上面に固定されている。図3は、フロントマフラ26が取り付けられたフロントヘッド23の斜視図である。フロントマフラ26は、固定部26aと、突出部26bとから構成される。固定部26aは、フロントヘッド23の上面に固定される環状の部分である。突出部26bは、固定部26aから上方に向かって突出している部分である。フロントマフラ26は、フロントヘッド23のフロント吐出ポート23bから冷媒が吐出される際に発生する騒音を低減するために取り付けられている。
フロントマフラ26は、フロントヘッド23と共にフロントマフラ空間32を形成する。フロントマフラ26は、フロントヘッド23のフロント軸受23aが貫通するフロント軸受貫通孔26cを有している。フロントマフラ26は、2つのフロントマフラ吐出孔26dを有している。フロントマフラ吐出孔26dは、フロント軸受貫通孔26cと接続されている。フロントマフラ吐出孔26dは、フロントマフラ空間32と高圧空間S1とを連通する。
(1−2−5)ミドルプレート
ミドルプレート31は、フロントシリンダ24とリアシリンダ44との間に挟まれている。ミドルプレート31の上面は、フロントシリンダ24の下面と接触している。ミドルプレート31の下面は、リアシリンダ44の上面と接触している。ミドルプレート31は、フロントシリンダ24のフロントシリンダ孔24a、および、リアシリンダ44のリアシリンダ孔44aを覆っている。
(1−2−6)リアシリンダ
リアシリンダ44は、ミドルプレート31とリアヘッド43との間に挟まれている。リアシリンダ44の上面は、ミドルプレート31の下面と接触している。リアシリンダ44の下面は、リアヘッド43の上面と接触している。
図4は、図1の高さ位置IVにおける圧縮機構15の断面図である。リアシリンダ44は、リアシリンダ孔44aと、リア吸入孔44bと、リア吐出路44cと、リアブッシュ収容孔44dと、リアブレード収容孔44eとを有している。
リアシリンダ44は、基本的に、フロントシリンダ24と同じ構成を有している。すなわち、リアシリンダ孔44a、リア吸入孔44b、リア吐出路44c、リアブッシュ収容孔44dおよびリアブレード収容孔44eは、それぞれ、フロントシリンダ孔24a、フロント吸入孔24b、フロント吐出路24c、フロントブッシュ収容孔24dおよびフロントブレード収容孔24eと同じ形状および同じ作用を有している。しかし、リア吐出路44cは、リアシリンダ44の内周面の下端部に形成される切り欠き部である。
また、リアシリンダ44は、2つのリアシリンダ連通孔44hを有している。リアシリンダ連通孔44hは、後述するマフラ空間連通路34a,34bの一部である。
(1−2−7)リアピストン
リアピストン45は、ミドルプレート31とリアヘッド43との間に挟まれている。リアピストン45の上面は、ミドルプレート31の下面と接触している。リアピストン45の下面は、リアヘッド43の上面と接触している。
リアピストン45は、円筒形のリアローラ45aと、板状のリアブレード45bとから構成される。リアブレード45bは、リアローラ45aの径方向に沿って、リアローラ45aから突出している。
リアローラ45aは、リアシリンダ44のリアシリンダ孔44aに収容される。リアローラ45aは、クランクシャフト17のリア偏心軸部17bが嵌め込まれている。鉛直方向に沿って見た場合において、リア偏心軸部17bは、クランクシャフト17の回転軸の周りにフロント偏心軸部17aを180°回転させた位置と同じ位置に設けられている。クランクシャフト17が回転すると、リアローラ45aは、クランクシャフト17の回転軸を中心とする公転運動を行う。リアローラ45aは、鉛直方向に沿って上から見た場合に、時計回りに公転する。
リアブレード45bは、主として、リアシリンダ44のリアブッシュ収容孔44dおよびリアブレード収容孔44eに収容される。クランクシャフト17が回転すると、リアブレード45bは、リアブッシュ42と摺動しながら往復運動を行う。
リアブッシュ42は、一対の略半円柱形の部材である。リアブッシュ42は、リアピストン45のリアブレード45bを挟み込むようにして、リアシリンダ44のリアブッシュ収容孔44dに収容される。
圧縮機構15は、リア圧縮室41を有している。リア圧縮室41は、冷媒が供給される空間である。リア圧縮室41は、リアシリンダ44と、リアピストン45と、リアヘッド43と、ミドルプレート31とによって囲まれた空間である。リア圧縮室41は、リア吸入孔44bと連通するリア吸入室41aと、リア吐出路44cと連通するリア吐出室41bとに区画されている。リア吸入室41aおよびリア吐出室41bの容積は、リアピストン45の位置に応じて変化する。
(1−2−8)リアヘッド
リアヘッド43は、リアシリンダ44の下面と接触している。リアヘッド43は、リアシリンダ44のリアシリンダ孔44aを覆っている。リアヘッド43は、クランクシャフト17を支持するためのリア軸受43aを有している。リアヘッド43は、リア吐出ポート43bを有している。リア吐出ポート43bは、リア吐出路44cおよび後述のリアマフラ空間33と連通している。リア吐出ポート43bは、リア圧縮室41で圧縮された冷媒をリアマフラ空間33に送るための流路である。
リアヘッド43の下面には、リア吐出弁43cが取り付けられている。リア吐出弁43cは、リア吐出ポート43bの開口に取り付けられる。リア吐出弁43cは、リアマフラ空間33からリア圧縮室41への冷媒の逆流を防ぐ。リア吐出弁43cの一端は、リアヘッド43に固定されている。リア吐出弁43cの他端は、リア吐出ポート43bの圧力が上昇すると、リアヘッド43から離れる。これにより、リア圧縮室41は、リア吐出ポート43bを介してリアマフラ空間33と連通する。
図5は、リアヘッド43の斜視図である。図6は、リアヘッド43の平面図である。図5および図6には、リアヘッド43の下面が示されている。リアヘッド43は、外壁43dを有している。外壁43dは、リアヘッド43の下面の外縁部に形成される環状の部分である。外壁43dの高さは、リア軸受43aの高さより短い。外壁43dは、複数のマフラ締結孔43eを有している。マフラ締結孔43eは、リアマフラ46をリアヘッド43に固定するボルトが通る孔である。外壁43dは、マフラ締結孔43eが形成されている部分において、リアヘッド43の中心43iに向かって突出している。リアヘッド43の中心43iは、クランクシャフト17の回転軸が通過するポイントである。
リアヘッド43は、マフラ底面43fおよび2つのリアヘッド連通孔43hを有している。マフラ底面43fは、外壁43dとリア軸受43aとの間に位置するリアヘッド43の下面である。リアヘッド連通孔43hは、後述するマフラ空間連通路34a,34bの一部である。リアヘッド連通孔43hは、マフラ底面43fに開口している。
圧縮機構15は、2つのマフラ空間連通路34a,34bを有している。マフラ空間連通路34a,34bは、フロントマフラ空間32とリアマフラ空間33と連通する。図1に示されるように、マフラ空間連通路34a,34bは、フロントヘッド23、フロントシリンダ24、ミドルプレート31、リアシリンダ44およびリアヘッド43を貫通する。マフラ空間連通路34a,34bは、フロントシリンダ連通孔24h、リアシリンダ連通孔44hおよびリアヘッド連通孔43hを含む。以下、必要に応じて、2つのマフラ空間連通路34a,34bを、それぞれ、第1マフラ空間連通路34aおよび第2マフラ空間連通路34bと呼ぶ。
リアヘッド43は、リブ43gを有している。リブ43gは、マフラ底面43fおよびリア軸受43aと連結されている。リブ43gは、リアヘッド43の一部である。そのため、リブ43gは、リアヘッド43の成形時において、一体的に形成される。例えば、鋳造および焼結によって、リブ43gを備えるリアヘッド43が製造されてもよい。図6に示されるように、リブ43gは、リア軸受43aに対して、リア吐出ポート43bの反対側に位置している。
(1−2−9)リアマフラ
リアマフラ46は、リアヘッド43の外壁43dの下面にボルトによって固定されている。リアマフラ46は、板状の部材である。リアマフラ46は、リア吐出ポート43bから冷媒が吐出される際に発生する騒音を低減するために取り付けられている。
リアマフラ46は、リアヘッド43のリア軸受43aが貫通するリア軸受貫通孔46aを有している。リアマフラ46は、リアヘッド43の下面を覆うことで、リアヘッド43と共にリアマフラ空間33を形成する。次に、リアマフラ空間33について説明する。
(1−2−10)リアマフラ空間
リアマフラ空間33は、実質的に環状の空間である。リアマフラ空間33は、第1マフラ部分空間33aと第2マフラ部分空間33bとを有している。第1マフラ部分空間33aは、リアマフラ空間33の周方向において、マフラ締結孔43eおよびリブ43gが形成されていない領域における空間である。第2マフラ部分空間33bは、リアマフラ空間33の周方向において、リブ43gが形成されている領域における空間である。
図7は、図6の線分VII―VIIにおけるリアヘッド43の断面図である。図8は、図6の線分VIII―VIIIにおけるリアヘッド43の断面図である。図7および図8には、参考として、リアマフラ46が示されている。図8に示されるように、リアマフラ46は、ボルト47によって、リアヘッド43に固定されている。図7および図8は、リアヘッド43の中心43iを通過し、かつ、リアヘッド43の径方向に沿った断面図である。図7は、第1マフラ部分空間33aを通過する断面図である。図8は、第2マフラ部分空間33bを通過する断面図である。
第1マフラ空間連通路34aおよび第2マフラ空間連通路34bは、第2マフラ部分空間33bを除くリアマフラ空間33に開口している。第1マフラ空間連通路34aおよび第2マフラ空間連通路34bは、リアマフラ空間33の周方向において、リア吐出ポート43bとリブ43gとの間に位置している。図6に示されるように、リア吐出ポート43b、第1マフラ空間連通路34a、リブ43gおよび第2マフラ空間連通路34bは、リアマフラ空間33の周方向に沿って、この順番で配置されている。
リアヘッド43の径方向における第2マフラ部分空間33bの断面積C2は、リアヘッド43の径方向における第1マフラ部分空間33aの断面積C1の70%以下であり、好ましくは50%以下である。図7および図8には、それぞれ、断面積C1および断面積C2が点線のハッチングで示されている。リブ43gは、リアマフラ空間33を局所的に狭くするために設けられている。
リアマフラ空間33の周方向におけるリブ43gの位置について説明する。図9は、図6と同様のリアヘッド43の平面図である。しかし、図9では、説明の便宜上、リブ43gの位置が図6と異なっている。図9には、第1直線L1および第2直線L2が示されている。第1直線L1は、リアマフラ空間33の周方向におけるリブ43gの中心位置と、リアヘッド43の中心43iとを結ぶ。第2直線L2は、リアマフラ空間33の周方向におけるリア吐出ポート43bの中心位置と、リアヘッド43の中心43iとを結ぶ。図9に示されるように、第1直線L1と第2直線L2との間の角度Rは、60°以下であり、好ましくは30°以下である。
(1−3)駆動モータ
駆動モータ16は、圧縮機構15の上方に設置されるブラシレスDCモータである。駆動モータ16は、主として、ステータ51と、ロータ52とから構成される。ステータ51は、ケーシング10の胴部11の内周面に固定される円筒形の部材である。ロータ52は、ステータ51の内側に設置される円柱形の部材である。ステータ51とロータ52との間には、わずかな隙間が形成されている。
ステータ51は、ステータコア61と、一対のインシュレータ62とを有する。一対のインシュレータ62は、ステータコア61の鉛直方向の両端面に取り付けられる。ステータコア61は、円筒部と、複数のティースとを有する。ティースは、円筒部の内周面から径方向内側に向かって突出している。ステータコア61のティースは、一対のインシュレータ62と共に、導線が巻き付けられている。これにより、ステータコア61の各ティースには、コイル72aが形成されている。
ステータ51の外側面には、ステータ51の上端面から下端面に亘って複数のコアカットが形成されている。コアカットは、ステータ51の周方向に沿って、所定の間隔で形成されている溝である。コアカットは、胴部11とステータ51との間を鉛直方向に延びる通路を形成する。
ロータ52は、ロータコア52aと、複数の磁石52bとを有する。ロータコア52aは、鉛直方向に積層された複数の金属板から構成される。磁石52bは、ロータコア52aに埋め込まれている。磁石52bは、ロータコア52aの周方向に沿って、等間隔に配置されている。
ロータ52は、クランクシャフト17に連結されている。クランクシャフト17は、ロータ52を鉛直方向に貫通する。ロータ52は、クランクシャフト17を介して、圧縮機構15と接続されている。
(1−4)クランクシャフト
クランクシャフト17は、その軸方向が鉛直方向に沿うように配置されている。クランクシャフト17は、駆動モータ16のロータ52、および、圧縮機構15のフロントピストン25およびリアピストン45に連結されている。クランクシャフト17は、フロント偏心軸部17aおよびリア偏心軸部17bを有している。フロント偏心軸部17aは、フロントピストン25のフロントローラ25aと連結されている。リア偏心軸部17bは、リアピストン45のリアローラ45aと連結されている。
クランクシャフト17の上端部は、駆動モータ16のロータ52と連結されている。クランクシャフト17の下端部は、フロントヘッド23のフロント軸受部23a、および、リアヘッド43のリア軸受部43aによって支持されている。
(1−5)吸入管
吸入管19は、ケーシング10の胴部11を貫通する管である。ケーシング10の内部空間において、2つの吸入管19の端部は、それぞれ、フロントシリンダ24のフロント吸入孔24b、および、リアシリンダ44のリア吸入孔44bに嵌め込まれている。ケーシング10の外部空間において、吸入管19の端部は、冷媒回路に接続されている。吸入管19は、冷媒回路から圧縮機構15に冷媒を供給するための管である。
(1−6)吐出管
吐出管20は、ケーシング10の頂部12を貫通する管である。ケーシング10の内部空間において、吐出管20の端部は、駆動モータ16の上方の空間に位置している。ケーシング10の外部空間において、吐出管20の端部は、冷媒回路に接続されている。吐出管20は、圧縮機構15によって圧縮された冷媒を冷媒回路に供給するための管である。
(2)ロータリ圧縮機の動作
ロータリ圧縮機101の動作について説明する。駆動モータ16が始動すると、クランクシャフト17のフロント偏心軸部17aおよびリア偏心軸部17bは、クランクシャフト17の回転軸を中心に偏心回転する。
フロント偏心軸部17aに連結されているフロントピストン25は、フロントシリンダ孔24aにおいて公転運動を行う。公転運動の間、フロントピストン25のフロントローラ25aの外周面は、フロントシリンダ24の内周面と接触している。公転運動の間、フロントピストン25のフロントブレード25bは、フロントブッシュ22に挟まれながら往復運動を行う。フロントブッシュ22は、フロントシリンダ24およびフロントブレード25bと摺動しながら、フロントブッシュ収容孔24dで揺動する。
フロントローラ25aの公転運動により、フロント吸入孔24bと連通するフロント吸入室40aの容積は、徐々に増加する。これにより、吸入管19からフロント吸入孔24bを経由してフロント吸入室40aに低圧の冷媒が吸入される。フロントローラ25aの公転運動により、フロント吸入室40aは、フロント吐出路24cと連通するフロント吐出室40bとなり、フロント吐出室40bの容積が徐々に減少して、フロント吐出室40bは、フロント吸入室40aとなる。これにより、フロント吸入室40aに吸入された低圧の冷媒は、フロント吐出室40bで圧縮される。フロント吐出室40bで圧縮された高圧の冷媒は、フロント吐出路24cおよびフロント吐出ポート23bを経由して、フロントマフラ空間32に吐出される。フロントマフラ空間32には、圧縮された冷媒がフロント吐出ポート23bから周期的に吐出される。
一方、リア偏心軸部17bに連結されているリアピストン45は、リアシリンダ孔44aにおいて公転運動を行う。公転運動の間、リアピストン45のリアローラ45aの外周面は、リアシリンダ44の内周面と接触している。公転運動の間、リアピストン45のリアブレード45bは、リアブッシュ42に挟まれながら往復運動を行う。リアブッシュ42は、リアシリンダ44およびリアブレード45bと摺動しながら、リアブッシュ収容孔44dで揺動する。
リアローラ45aの公転運動により、リア吸入孔44bと連通するリア吸入室41aの容積は、徐々に増加する。これにより、吸入管19からリア吸入孔44bを経由してリア吸入室41aに低圧の冷媒が吸入される。リアローラ45aの公転運動により、リア吸入室41aは、リア吐出路44cと連通するリア吐出室41bとなり、リア吐出室41bの容積が徐々に減少して、リア吐出室41bは、リア吸入室41aとなる。これにより、リア吸入室41aに吸入された低圧の冷媒は、リア吐出室41bで圧縮される。リア吐出室41bで圧縮された高圧の冷媒は、リア吐出路44cおよびリア吐出ポート43bを経由して、リアマフラ空間33に吐出される。リアマフラ空間33には、圧縮された冷媒がリア吐出ポート43bから周期的に吐出される。
リアマフラ空間33に吐出された冷媒は、リアマフラ空間33を流れて、第1マフラ空間連通路34aおよび第2マフラ空間連通路34bに流入する。その後、冷媒は、第1マフラ空間連通路34aおよび第2マフラ空間連通路34bを通過して、フロントマフラ空間32に流入する。
フロントマフラ空間32に供給された冷媒は、フロントマフラ26のフロントマフラ吐出孔26dを通過して、高圧空間S1に供給される。高圧空間S1に供給された冷媒は、上方に向かって流れて、吐出管20に供給される。
(3)ロータリ圧縮機の特徴
図10は、参考例としての仮想マフラ空間93の概念図である。仮想マフラ空間93は、吐出ポート93bから冷媒が周期的に吐出される環状の空間である。吐出ポート93bから吐出された冷媒は、仮想マフラ空間93を時計回りの方向に流れる冷媒と、仮想マフラ空間93を反時計回りの方向に流れる冷媒とに分かれる。図10において、冷媒の流れは、点線の矢印で示されている。
仮想マフラ空間93では、吐出ポート93bから周期的に吐出される冷媒により、圧力脈動が発生する。仮想マフラ空間93では、圧力脈動に起因して、仮想マフラ空間93の周方向に沿って、定常波が発生する。この定常波は、仮想マフラ空間93で発生する音響共鳴の一次共鳴モードに相当する。図11は、仮想マフラ空間93で発生する一次共鳴モードを表す概念図である。一次共鳴モードは、圧力脈動の大きさが最大となる一対の「腹」と、圧力脈動の大きさが最小となる一対の「節」とを有する。図11において、一次共鳴モードの腹は、「+」および「−」の符号が付されている領域である。「+」の符号は、圧力脈動の振幅の値が最大となる腹を表す。「−」の符号は、圧力脈動の振幅の値が最小となる腹を表す。
本実施形態において、圧縮機構15のリアマフラ空間33は、圧縮された冷媒がリア吐出ポート43bから周期的に吐出される環状の空間である。リア吐出ポート43bから吐出された冷媒は、リアマフラ空間33を時計回りの方向に流れる冷媒と、リアマフラ空間33を反時計回りの方向に流れる冷媒とに分かれる。図12は、リアマフラ空間33における冷媒の流れを表す図である。図12において、冷媒の流れは、点線の矢印で示されている。
上述の仮想マフラ空間93と同様に、リアマフラ空間33では、リア吐出ポート43bから周期的に吐出される冷媒により、圧力脈動が発生する。リアマフラ空間33では、圧力脈動に起因して、リアマフラ空間33の周方向に沿って、定常波が発生する。この定常波は、リアマフラ空間33で発生する音響共鳴の一次共鳴モードに相当する。この定常波は、圧力脈動の大きさが最大となる一対の「腹」と、圧力脈動の大きさが最小となる一対の「節」とを有する。リアマフラ空間33において、定常波の腹の位置には、リブ43gが設けられている。リブ43gは、定常波の発生を抑制する障害物として機能する。これにより、リアマフラ空間33において、定常波の腹の位置における圧力脈動の振幅の大きさが低減される。すなわち、リブ43gは、リアマフラ空間33で発生する圧力脈動を抑制する作用効果を有する。
従って、リアマフラ空間33にリブ43gを設けることにより、リアマフラ空間33で発生する音響共鳴に起因する騒音が抑制される。特に、リアマフラ空間33で発生する一次共鳴モードに起因する騒音が効果的に抑制される。
(4)変形例
(4−1)変形例A
実施形態では、リアヘッド43のリブ43gは、マフラ底面43fおよびリア軸受43aと連結されている。しかし、リブ43gは、例えば、マフラ底面43fおよび外壁43dと連結されてもよく、マフラ底面43fのみと連結されてもよい。
また、リアヘッド43がリブ43gを有する代わりに、リアマフラ46は、リブ43gとして機能することができる突起を有してもよい。この場合、リアマフラ46をリアヘッド43に固定することにより、リアマフラ46の突起は、リアマフラ空間33においてリブ43gと同じ効果を奏する。
(4−2)変形例B
実施形態では、リアヘッド43は、鋳造および焼結等によって一体的に形成される。すなわち、リブ43gは、リアヘッド43の一部である。しかし、リブ43gは、リアヘッド43とは別の部材であってもよい。この場合、リブ43gは、リアヘッド43に溶接等によって固定される。
(4−3)変形例C
実施形態では、マフラ空間連通路34a,34bは、リアマフラ空間33の周方向において、リア吐出ポート43bとリブ43gとの間に位置している。図6に示されるように、リア吐出ポート43b、第1マフラ空間連通路34a、リブ43gおよび第2マフラ空間連通路34bは、リアマフラ空間33の周方向に沿って、この順番で配置されている。
しかし、マフラ空間連通路34a,34bは、リアマフラ空間33で発生する一次共鳴モードの節の位置において、リアマフラ空間33に開口することが好ましい。一次共鳴モードの節は、圧力脈動の大きさが最小となるポイントである。そのため、マフラ空間連通路34a,34bを節の位置に設けることで、マフラ空間連通路34a,34bに圧力脈動が伝達されることが抑制される。その結果、フロントマフラ空間33で発生する圧力脈動が抑制される。
(4−4)変形例D
実施形態では、リアヘッド43は、1つのリブ43gを有している。しかし、リアヘッド43は、複数のリブ43gを有してもよい。この場合、複数のリブ43gは、リアマフラ空間33で発生する高次共鳴モードの圧力脈動を抑制することができる。
例として、リアマフラ空間33で発生する二次共鳴モードの圧力脈動を抑制することができるリアヘッド143について説明する。図13は、図11と同様の参考例に関し、仮想マフラ空間93で発生する二次共鳴モードを表す概念図である。二次共鳴モードでは、二対の腹、および、二対の節が形成される。図14は、本変形例のリアヘッド143の平面図である。図14において、実施形態のリアヘッド43と同じ構成要素には、同じ参照符号が付されている。リアヘッド143は、3つのリブ143gを有している。3つのリブ143gは、図13で示される二次共鳴モードの腹の位置に形成されている。従って、リアヘッド143によって形成されるリアマフラ空間で発生する二次共鳴モードに起因する騒音が効果的に抑制される。
(4−5)変形例E
実施形態では、リアヘッド43は、1つのリブ43gを有している。しかし、フロントヘッド23も、リブ43gに相当する構成要素を有してもよい。図15は、本変形例のフロントヘッド223の斜視図である。図16は、フロントマフラ226が取り付けられたフロントヘッド223の上面図である。フロントマフラ226は、フロントヘッド223の上面に固定されている。フロントヘッド223およびフロントマフラ226は、フロントマフラ空間232を形成する。フロントマフラ空間232は、環状の空間である。フロントマフラ226は、第1フロントマフラ吐出孔226dおよび第2フロントマフラ吐出孔226eを有している。フロントマフラ吐出孔226d,226eは、フロントマフラ空間232と高圧空間S1とを連通する。図16において、冷媒の流れは、点線の矢印で示されている。
フロントヘッド223は、フロント軸受223a、フロント吐出ポート223bおよびリブ223gを有している。リブ223gは、フロントヘッド223の上面と連結されている。リブ223gは、フロント軸受223aの中心223iに対して、フロント吐出ポート223bの反対側の空間に位置している。フロント吐出ポート223bから吐出された冷媒は、図16に示されるように、フロントマフラ空間232を時計回りに流れる冷媒の流れと、フロントマフラ空間232を反時計回りに流れる冷媒の流れとに分かれる。本変形例では、実施形態と同じ原理により、リブ223gによってフロントマフラ空間232で発生する圧力脈動が抑制される。従って、フロントマフラ空間232にリブ223gを設けることにより、フロントマフラ空間232で発生する音響共鳴に起因する騒音が抑制される。
また、第1フロントマフラ吐出孔226dおよび第2フロントマフラ吐出孔226eは、フロントマフラ空間232の周方向において、フロント吐出ポート223bとリブ223gとの間に位置している。図16に示されるように、フロント吐出ポート223b、第1フロントマフラ吐出孔226d、リブ223gおよび第2フロントマフラ吐出孔226eは、フロントマフラ空間232の周方向に沿って、この順番で配置されていてもよい。
(4−6)変形例F
実施形態では、ロータリ圧縮機101は、2シリンダタイプのロータリ圧縮機である。しかし、ロータリ圧縮機101は、1シリンダタイプのロータリ圧縮機であってもよい。1シリンダタイプのロータリ圧縮機では、通常、圧縮機構は、リアマフラを有さず、フロントマフラのみを有する。そのため、本変形例のロータリ圧縮機は、変形例Eのフロントヘッド223およびフロントマフラ226を有してもよい。
本発明に係る圧縮機は、マフラ空間で発生する共鳴に起因する騒音を抑制することができる。
15 圧縮機構
17 クランクシャフト
23 フロントヘッド(第2部材)
33 リアマフラ空間(マフラ空間)
33a 第1マフラ部分空間(第1空間)
33b 第2マフラ部分空間(第2空間)
34a 第1マフラ空間連通路(第1連通路)
34b 第2マフラ空間連通路(第2連通路)
43 リアヘッド(第1部材)
43a リア軸受(第1軸受)
43b リア吐出ポート(吐出ポート)
43e マフラ締結孔(締結孔)
43g リブ
46 リアマフラ(マフラ)
101 ロータリ圧縮機(圧縮機)
226d 第1フロントマフラ吐出孔(第1吐出孔)
226e 第2フロントマフラ吐出孔(第2吐出孔)
L1 第1直線
L2 第2直線
特許平5−133377号公報

Claims (6)

  1. 第1部材(43)を有する圧縮機構(15)と、
    前記第1部材を貫通し、回転軸周りに回転するクランクシャフト(17)と、
    前記回転軸の周りに位置している環状空間であるマフラ空間(33)を前記第1部材と共に形成するマフラ(46)と、
    を備え、
    前記第1部材は、
    前記マフラ空間と連通する吐出ポート(43b)と、
    前記マフラ空間の外側に形成され、締結部材が通る締結孔(43e)と、
    前記マフラ空間に形成され、前記回転軸に対して前記吐出ポートの反対側に位置しているリブ(43g)と、
    を有し、
    前記マフラ空間は、
    前記マフラ空間の周方向において前記締結孔および前記リブが形成されていない範囲内にある第1空間(33a)と、
    前記マフラ空間の周方向において前記リブが形成されている範囲内にある第2空間(33b)と、
    を有し、
    前記第2空間の径方向断面積は、前記第1空間の径方向断面積の70%以下である、
    圧縮機(101)。
  2. 前記マフラ空間の周方向における前記リブの中心位置と、前記回転軸とを結ぶ第1直線(L1)と、前記マフラ空間の周方向における前記吐出ポートの中心位置と、前記回転軸とを結ぶ第2直線(L2)との間の角度は、60°以下である、
    請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記第1部材は、第1軸受(43a)を有し、
    前記リブは、前記第1軸受と連結されている、
    請求項1または2に記載の圧縮機。
  4. 前記リブは、前記第1部材の成形時に形成される、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の圧縮機。
  5. 前記圧縮機構は、
    前記クランクシャフトに貫通され、かつ、前記回転軸の方向において前記第1部材と対向する第2部材(23)と、
    前記マフラ空間と、前記第2部材の周囲の空間とを連通し、かつ、前記回転軸に沿って延びている第1連通路(34a)と、
    前記マフラ空間と、前記第2部材の周囲の空間とを連通し、かつ、前記回転軸に沿って延びている第2連通路(34b)と、
    をさらに有し、
    前記吐出ポート、前記第1連通路、前記リブおよび前記第2連通路は、前記マフラ空間の周方向に沿って、この順番で配置されている、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の圧縮機。
  6. 前記マフラは、
    前記マフラ空間と、前記マフラの周囲の空間とを連通する第1吐出孔(226d)と、
    前記マフラ空間と、前記マフラの周囲の空間とを連通する第2吐出孔(226e)と、
    を有し、
    前記吐出ポート、前記第1吐出孔、前記リブおよび前記第2吐出孔は、前記マフラ空間の周方向に沿って、この順番で配置されている、
    請求項1から4のいずれか1項に記載の圧縮機。
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