JP2016068848A - エアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型化が可能で、安価に製造できるエアバッグ装置を提供する。【解決手段】折り畳んだ状態からガスの導入により着席した乗員Aの前方に展開する袋状のフロントエアバッグ本体部31を有するフロントエアバッグ15を備える。折り畳んだ状態からガスの導入により着席した乗員Aの頭部A5以下の領域の側方に展開する袋状の第2のサイドエアバッグ本体部41を有する第2のサイドエアバッグ23を備える。フロントエアバッグ本体部31及び第2のサイドエアバッグ本体部41が、斜め方向からの衝撃S3によりそれぞれ展開する。第2のサイドエアバッグ本体部41が、斜め方向に向かう乗員Aの頭部A5以下の領域を展開によりフロントエアバッグ本体部31に向けるように案内する。フロントエアバッグ15の拘束力を有効に利用できるので、小さく展開する第2のサイドエアバッグ本体部41を用いることができ、小型化が可能で、安価に製造できる。【選択図】図1
Description
本発明は、折り畳まれた状態からガスの導入により展開して着席した乗員を保護するエアバッグ装置に関する。
従来、例えば、自動車の座席に着座した乗員の前方及び側方にそれぞれエアバッグを展開することで、正面衝突時及び側面衝突時に乗員をそれぞれ保護する前突用及び側突用のエアバッグ装置が知られている。しかしながら、このエアバッグ装置では、車両の正面衝突及び側面衝突に対する乗員の保護が考慮されているものの、車両の進行方向とその直交方向との間の角度方向からの衝突、すなわち前方斜め方向からの衝突、いわゆる斜め(オブリーク)衝突に対する保護が充分とは言えない。
そこで、前突用のエアバッグと、側突用のエアバッグとの間、すなわち乗員の斜め前方の位置に、斜め衝突時に前方斜め方向へと投げ出される乗員を保護するためのエアバッグを展開させるエアバッグ装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。そして、このような斜め衝突用のエアバッグを備えることで、前突用のエアバッグと側突用のエアバッグとの間を乗員がすり抜けた場合でも、乗員頭部をフロントピラーなどに対して保護できる。
しかしながら、上述のような斜め衝突のエアバッグは、乗員の頭部を直接保護するものであるため、頭部が移動していくと想定される広い範囲を比較的大きいエアバッグで覆う必要がある。そのため、巨大なエアバッグとこのエアバッグを充分な内圧となるように膨張するためのインフレータが必要となるので、装置の大型化に伴う重量化やコストの増加に対応することが望まれる。
また、カーテンエアバッグの前側の内部にテザーを設定し、カーテンエアバッグが充分に展開するとこのテザーの破断によってカーテンエアバッグの前側の一部のみが車室側に膨出することで斜め衝突用のエアバッグの機能を持たせるようにする構成も開示されているが、カーテンエアバッグの体積増加にも拘らず、膨出部に横当たりする乗員の頭部の動きを制御することは容易でないとともに、通常時にはカーテンエアバッグに適した内圧を得つつ、膨出部に斜め衝突用のエアバッグとして機能できるようにするために内圧の複雑な制御が必要になる。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、小型化が可能で、安価に製造できるエアバッグ装置を提供することを目的とする。
請求項1記載のエアバッグ装置は、折り畳まれた状態からガスの導入により着席した乗員の前方に展開する袋状のフロントエアバッグ本体部を備えたフロントエアバッグと、折り畳まれた状態からガスの導入により着席した乗員の少なくとも頭部よりも下の領域の側方に展開する袋状のサイドエアバッグ本体部を備えたサイドエアバッグとを具備し、前記フロントエアバッグ本体部及び前記サイドエアバッグ本体部は、車両の進行方向とその直交方向との間の角度方向からの衝撃によりそれぞれ展開し、前記サイドエアバッグ本体部は、前記角度方向に沿って移動する乗員を前記フロントエアバッグ本体部に向かうように展開により前記領域を案内するものである。
請求項2記載のエアバッグ装置は、請求項1記載のエアバッグ装置において、サイドエアバッグ本体部は、車室にて乗員の側方に位置するドアの前側上部から車室内に向けて展開するものである。
請求項3記載のエアバッグ装置は、請求項1または2記載のエアバッグ装置において、サイドエアバッグ本体部は、乗員に対向可能な乗員対向面部を有し、車両の進行方向の直交方向からの衝撃に対して乗員の側方に前記乗員対向面部が対向するように展開し、前記進行方向と前記直交方向との間の角度方向からの衝撃に対して前記乗員対向面部が乗員の前方の側方に位置するように展開するものである。
請求項1記載のエアバッグ装置によれば、車両の進行方向とその直交方向との間の角度方向からの衝撃によりフロントエアバッグ本体部及びサイドエアバッグ本体部がそれぞれ展開し、このサイドエアバッグ本体部が、その角度方向に沿って移動する乗員の少なくとも頭部よりも下の領域をフロントエアバッグ本体部に向かうように展開により案内することで、フロントエアバッグの拘束力を有効に利用できるので、比較的小さく展開するサイドエアバッグ本体部を用いることができ、小型化が可能で、安価に製造できる。
請求項2記載のエアバッグ装置によれば、請求項1記載のエアバッグ装置の効果に加え、サイドエアバッグ本体部が車室にて乗員の側方に位置するドアの前側上部から車室内に向けて展開するので、この展開により、車両の進行方向とその直交方向との間の角度方向からの衝撃が加わった際に、乗員をより確実にフロントエアバッグ本体部に向かわせることができる。
請求項3記載のエアバッグ装置によれば、請求項1または2記載のエアバッグ装置の効果に加え、サイドエアバッグ本体部が、車両の進行方向の直交方向からの衝撃に対して乗員の側方に乗員対向面部が対向するように展開するので、この衝撃により移動する乗員を乗員対向面部によって確実に拘束できる。また、サイドエアバッグ本体部は、進行方向と直交方向との間の角度方向からの衝撃に対して乗員対向面部が乗員の前方の側方に位置するように展開するので、車両の進行方向とその直交方向との間の角度方向からの衝撃により移動する乗員を、乗員対向面部によってより確実にフロントエアバッグ本体部に向かわせることができる。そして、これら異なる方向からの衝撃に対して1つのサイドエアバッグ本体部で対応できるので、部品点数を抑制でき、より安価に製造できる。
以下、本発明のエアバッグ装置の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1ないし図4において、10はエアバッグ装置で、このエアバッグ装置10は、自動車などの車両の車室11に位置する座席(シート)Sに着座した被保護物である乗員Aの前方と、乗員Aと所定の対向面(側壁)を構成する対向物である車体のドアDとの間すなわち乗員Aの側方とにそれぞれ膨張展開して乗員Aを保護するものである。なお、乗員Aはダミーにより示し、この乗員Aは、腰部A1、腹部、胸部、肩部A4、及び頭部A5を備えている。また、前後、両側、上下などの方向は、自動車の直進方向を基準とし、図1などに示す矢印Fが前方、矢印Uが上方、矢印Wが側方(車幅方向)を示す。
そして、このエアバッグ装置10は、着座した乗員Aの前方に膨張展開するフロントエアバッグ15、このフロントエアバッグ15にガスを供給する第1のインフレータであるフロントインフレータ16、これらフロントエアバッグ15とフロントインフレータ16とを連結して座席Sの前方に位置して車幅方向に長手状に延びるインストルメントパネル部17あるいはこのインストルメントパネル部17に設けられたハンドルであるステアリングホイール(図示せず)などの内部に位置する前方取付部19に固定する前方固定具(図示せず)、これらを収納するフロントカバーである例えば樹脂製などのフロントケース体(図示せず)、着座した乗員Aの側方に膨張展開する第1及び第2のサイドエアバッグ22,23、これら第1及び第2のサイドエアバッグ22,23にガスを供給する(一方及び他方の)第2のインフレータである第1及び第2のサイドインフレータ24,25、及び、これら第1及び第2のサイドエアバッグ22,23と第1及び第2のサイドインフレータ24,25とをそれぞれ連結して座席Sの側部及びドアDの内部などに位置する第1及び第2の側方取付部26,27に固定する図示しない第1及び第2の側方固定具などを備えている。
フロントエアバッグ15は、フロントエアバッグ本体部31を備えている。このフロントエアバッグ本体部31は、単数、あるいは複数の基布を縫製、接着あるいは溶着などにより組み合わせて接合することで全体としては袋状に形成され、展開状態で乗員Aの前方に対向して上下方向及び左右方向(幅方向)に延びる前方対向面部である乗員拘束面部32を後端部に有し、この乗員拘束面部32の両側から反乗員A側すなわち乗員A側と反対側、換言すれば前側に前後方向に沿って延びる側面部33,33が連続し、これら乗員拘束面部32及び側面部33,33の上部間に前後方向に沿って延びる上面部34が連続し、かつ、乗員拘束面部32及び側面部33,33の下部間に前後方向に沿って延びる下面部35が連続している。
乗員拘束面部32は、前方へ移動してきた乗員Aに対して反力を与えることで乗員Aを拘束する部分であり、フロントエアバッグ本体部31が最大に展開した状態で乗員の頭部、胸部及び腹部に亘る面積を有するように上下及び左右方向に広がる。
各側面部33は、フロントエアバッグ本体部31が展開した状態で乗員Aに対して直接対向しない、両側方向に面方向を向けて展開する面部である。これら側面部33には、例えばガスの排出を許容する、すなわち排気用のベントホールを設けてもよい。
上面部34は、展開状態でフロントガラスに対向する部分であり、下面部35の上方に対向している。
下面部35は、乗員拘束面部32及び側面部33,33の下側を下方に突出した状態で連結する、すなわち下方へと膨出する形状に形成されている。また、この下面部35の前側には、フロントインフレータ16から噴射されたガスがフロントエアバッグ本体部31の内部へと供給される図示しないガス導入口が形成されている。
フロントインフレータ16は、例えば扁平な円柱状に形成されており、内部に点火器及び薬剤が収納され、底部に接続されたコネクタを介して伝えられる制御装置からの電気信号により、点火器が薬剤を燃焼させ、ガス噴射口から膨張用のガスをフロントエアバッグ15のフロントエアバッグ本体部31内に急速に供給するようになっている。
前方取付部19は、エアバッグ装置10が運転席用である場合、ステアリングホイールのボス部に取り付けられるパッド部の内部などに設けられ、エアバッグ装置10が助手席用である場合、インストルメントパネル部17の後部や上部などの内部に設けられている。
前方固定具は、フロントリテーナとも呼び得るもので、例えば枠状に形成されており、フロントエアバッグ本体部31(フロントエアバッグ15)とともにフロントインフレータ16を前方取付部19に取り付けるための取付ボルトが突設されている。
フロントケース体は、略箱状に形成されたフロントケース体本体と、このフロントケース体本体に設けられたフロント開口部であるフロント突出口を覆うカバー体とを備えている。このフロントケース体の内部が、折り畳まれた状態のフロントエアバッグ本体部31(フロントエアバッグ15)を収納するフロントエアバッグ収納部とされているとともに、通常時にはフロント突出口がカバー体により覆われている。そして、このカバー体が、あるいはインストルメントパネル部17などと一体あるいは別体をなして形成され、他の部分より薄肉で容易に破断するテアラインが形成されている。
一方、第1のサイドエアバッグ22は、第1のサイドエアバッグ本体部36、及びこの第1のサイドエアバッグ本体部36内に第1のサイドインフレータ24からのガスを導入する第1のサイドガス導入部(図示せず)を備えている。
第1のサイドエアバッグ本体部36は、エネルギ吸収エアバッグ本体部、あるいは後部サイドエアバッグ本体部とも呼び得るもので、単数、あるいは複数の基布を縫製、接着あるいは溶着などにより組み合わせて接合することで全体としては車幅方向に扁平な袋状に形成された第1の膨出部37を備え、この第1の膨出部37の反ドアD側すなわち乗員Aに対向する側面が第1の乗員対向面部38となるとともに、この第1の膨出部37の後端部の下側部に、第1のサイドガス導入部が設定されている。
そして、第1の乗員対向面部38(第1の膨出部37)は、側方すなわちドアD側へ移動してきた乗員Aに対して反力を与えることで乗員Aを拘束する部分であり、第1のサイドエアバッグ本体部36が最大に展開した状態で乗員Aの頭部A5よりも下の領域、すなわち腰部A1、腹部、胸部及び肩部A4に亘る面積(ドアDの窓部DWの下縁部までの高さ)を有するように上下及び前後方向に広がる。
第1のサイドインフレータ24は、例えば細長い円柱状に形成されており、一端部に接続されたコネクタを介して伝えられる制御装置からの電気信号により、他端部から第1のサイドエアバッグ本体部36内にそれぞれガスを供給するようになっている。
また、サイドエアバッグである第2のサイドエアバッグ23は、サイドエアバッグ本体部である第2のサイドエアバッグ本体部41、及びこの第2のサイドエアバッグ本体部41内に第2のサイドインフレータ25からのガスを導入する第2のサイドガス導入部(図示せず)を備えている。
第2のサイドエアバッグ本体部41は、コントロールエアバッグ本体部、あるいは前部サイドエアバッグ本体部とも呼び得るもので、単数、あるいは複数の基布を縫製、接着あるいは溶着などにより組み合わせて接合することで全体としては車幅方向に扁平な袋状に形成された膨出部である第2の膨出部42を備え、この第2の膨出部42の反ドアD側すなわち乗員Aに対向する側面が乗員対向面部である第2の乗員対向面部43となるとともに、この第2の膨出部42の前端部に、サイドガス導入部である第2のサイドガス導入部が設定されている。
そして、第2の乗員対向面部43(第2の膨出部42)は、斜め前方すなわちドアDの前部側へと移動しようとする乗員Aをフロントエアバッグ本体部31(フロントエアバッグ15)の乗員拘束面部32へと導くように姿勢を制御する部分であり、第2のサイドエアバッグ本体部41が最大に展開した状態で乗員Aの頭部A5よりも下の領域、すなわち腰部A1、腹部、胸部及び肩部A4に亘る面積(ドアDの窓部DWの下縁部までの高さ)を有するように上下及び前後方向に広がる。このため、第2のサイドエアバッグ本体部41(第2の膨張部42)は、第1のサイドエアバッグ本体部36(第1の膨張部37)よりも内圧を高い状態で維持できるように、乗員Aとの衝突によって内部のガスが逃げない(逃げにくい)ように気密に密閉されたシールエアバッグとなっている。
なお、第1及び第2のサイドエアバッグ本体部36,41は、展開状態で互いにラップしない、すなわち車幅方向及び前後方向に互いに重ならないように、換言すれば互いに離間されるように大きさが設定されている。
第2のサイドインフレータ25は、例えば細長い円柱状に形成されており、一端部に接続されたコネクタを介して伝えられる制御装置からの電気信号により、他端部から第2のサイドエアバッグ本体部41内にそれぞれガスを供給するようになっている。
ドアDは、車体の側部であるインストルメントパネル部17の端部、すなわち車室11の前部の両側に設定される構造物であるフロントピラーFPと車体の側部の前後方向の中間位置に設定される構造物であるセンターピラー(図示せず)との間に設定されるフロントドアであり、車外に位置するドアパネル(図示せず)の車室11側を内装材であるドアトリム51により覆って構成されている。また、このドアDの内部、すなわちドアパネルとドアトリム51との間には、フロントピラーFPとセンターピラーとの間の窓(図示せず)をドアDの上縁部から上下に出し入れする駆動装置などが収納されている。なお、このドアDは、窓を区画するフレーム部を設け、このフレーム部の前縁部や後縁部によってフロントピラーFPやセンターピラーの一部を構成してもよい。
また、ドアトリム51には、アームレスト部52が設定されている。このアームレスト部52は、ドアDの前側上部の位置から後方に向けて下方へ傾斜する前側部である傾斜部52aと、この傾斜部52aの下端部から後方へと略水平状に延びる後側部であるアームレスト本体部52bとを一体的に備えており、傾斜部52aの位置に、第2のサイドエアバッグ本体部41が折り畳まれた状態で収納されている。
第1の側方取付部26は、折り畳まれた第1のサイドエアバッグ本体部36を収納するもので、座席SのドアDに対向する側部のフレームなどに設けられており、折り畳まれた第1のサイドエアバッグ本体部36が座席Sの側部に沿って前方に向けて膨張展開するようになっている。
第2の側方取付部27は、折り畳まれた第2のサイドエアバッグ本体部41を収納するもので、ドアDの前側上部であるアームレスト部52の傾斜部52aに設けられており、折り畳まれた第2のサイドエアバッグ本体部41がドアDの車室11側に沿って、後方に向けて車室11内へと膨張展開するようになっている。
第1及び第2の側方固定具は、例えば第1及び第2のサイドインフレータ24,25の外周に沿って湾曲されて形成され、第1及び第2のサイドインフレータ24,25をそれぞれ保持した状態で各サイドエアバッグ本体部36,41とともに各側方取付部26,27に対して例えばねじ止めなどにより固定されている。
そして、このエアバッグ装置10は、フロントエアバッグ本体部31を所定の方法で折り畳んだフロントエアバッグ15をフロントインフレータ16とともに前方固定具に固定してフロントケース体に取り付け、前方取付部19に配置するとともに、第1及び第2のサイドエアバッグ本体部36,41を所定の方法で折り畳んだ第1及び第2のサイドエアバッグ22,23を第1及び第2のサイドインフレータ24,25と第1及び第2の側方固定具とを組み合わせた組立体とともに必要に応じて第1及び第2のケース体に収納した上で第1及び第2の側方取付部26,27にそれぞれ固定することで、車体に取り付けられる。この後、フロントインフレータ16と、第1及び第2のサイドインフレータ24,25とをそれぞれ車両に備えられた制御装置に電気的に接続する。
そこで、車両が衝撃を受けると、制御装置がセンサなどによりその衝撃の大きさ及び角度方向を検出し、その衝撃の大きさが所定以上である場合に、その衝撃の角度方向に応じてエアバッグ装置10を作動させる。
すなわち、例えば通常のエアバッグ装置10の収納状態(図4(a)及び図4(b))から、車両が正面方向から衝撃S1を受けた場合(図2(a)及び図2(b))には、フロントエアバッグ15のフロントエアバッグ本体部31のみが膨張展開し、第1及び第2のサイドエアバッグ22,23の第1及び第2のサイドエアバッグ本体部36,41は膨張展開しない。すなわち、エアバッグ装置10は、制御装置がフロントインフレータ16を起動してガスを噴射することで、このガスの圧力によりフロントエアバッグ本体部31が折り畳まれた状態から急速に膨張し、その膨張圧力でカバー体をテアラインから開裂させてフロント突出口を開口させ、このフロント突出口から乗員Aの前方に向けて膨張展開する。この結果、乗員拘束面部32が乗員Aの上体全体に対向し、衝撃S1の反力によって前方に投げ出されてくる乗員Aを拘束する。
また、車両が側面方向、すなわち進行方向に対する直交方向から衝撃S2を受けた場合(図3(a)及び図3(b))には、第1のサイドエアバッグ22の第1のサイドエアバッグ本体部36のみが膨張展開し、第2のサイドエアバッグ23の第2のサイドエアバッグ本体部41、及びフロントエアバッグ15のフロントエアバッグ本体部31はそれぞれ膨張展開しない。すなわち、エアバッグ装置10は、制御装置が第1のサイドインフレータ24を起動してガスを噴射することで、このガスの圧力により第1のサイドエアバッグ本体部36が折り畳まれた状態から急速に膨張し、膨張圧力で座席SのドアD側の側部の表皮を開裂させて前方に向けて車室11内に突出し、乗員Aの頭部A5よりも下の領域とドアD(ドアトリム51)との間に膨張展開する。この結果、第1の乗員対向面部38が乗員Aの側部の頭部A5よりも下の領域全体に対向し、衝撃S2の反力によって側方すなわちドアD側に投げ出されてくる乗員Aを拘束する。
さらに、車両が斜め方向、すなわち進行方向とその直交方向との間の角度範囲から衝撃S3を受けた場合(図1(a)及び図1(b))には、フロントエアバッグ15のフロントエアバッグ本体部31と、第1及び第2のサイドエアバッグ22,23の第1及び第2のサイドエアバッグ本体部36,41とが全て膨張展開する。すなわち、エアバッグ装置10は、制御装置がフロントインフレータ16と、第1及び第2のサイドインフレータ24,25とをそれぞれ起動してガスを噴射することで、このガスの圧力によりフロントエアバッグ本体部31と、第1及び第2のサイドエアバッグ本体部36,41とがそれぞれ折り畳まれた状態から急速に膨張する。そして、フロントエアバッグ本体部31は、その膨張圧力でカバー体をテアラインから開裂させてフロント突出口を開口させ、このフロント突出口から乗員Aの前方に向けて膨張展開する。また、第1のサイドエアバッグ本体部36は、その膨張圧力で座席SのドアD側の側部の表皮を開裂させて座席Sの側部から前方に向けて車室11内に突出し、乗員Aの頭部A5よりも下の領域とドアD(ドアトリム51)との間に膨張展開する。さらに、第2のサイドエアバッグ本体部41は、その膨張圧力でドアトリム51のアームレスト部52の傾斜部52aを開裂させてドアDの前部上側から後方に向けて車室11内に突出し、第1のサイドエアバッグ本体部36の前方の位置、すなわちフロントエアバッグ本体部31と第1のサイドエアバッグ本体部36との間の位置、換言すればフロントピラーFPと乗員Aとの間にて乗員Aの頭部A5よりも下の領域とドアD(ドアトリム51)との間に膨張展開する。この結果、第2の乗員対向面部43が乗員Aの側部の頭部A5よりも下の領域の前方斜めの位置に対向して、衝撃S3の反力によってドアD(フロントピラーFP)に接近する斜め前方へと投げ出されてくる乗員Aを、乗員Aの前方に展開する乗員拘束面部32へと導き、この乗員拘束面部32が乗員Aを拘束する。
このように、本実施の形態によれば、車両の進行方向とその直交方向との間の角度方向からの衝撃S3によりフロントエアバッグ本体部31及び第2のサイドエアバッグ本体部41がそれぞれ展開し、この第2のサイドエアバッグ本体部41が、その角度方向に沿って斜め前方に移動する乗員Aの頭部A5よりも下の領域、すなわち乗員Aの最大質量部をフロントエアバッグ本体部31(乗員拘束面部32)に向かうように展開により早期に前方よりの動きに整える(案内する)ことで、フロントエアバッグ15の拘束力を有効に利用して乗員Aを確実に保護拘束できるので、第2のサイドエアバッグ23(第2のサイドエアバッグ本体部41)を必要以上に大きく形成することなく、比較的小さく展開する第2のサイドエアバッグ本体部41を用いることができる。この結果、小型化及び軽量化が可能で、安価に製造できる。
特に、乗員Aの肩部や胸部を第2のサイドエアバッグ本体部41によって押すので、斜め前方に向かって移動する乗員Aをフロントエアバッグ本体部31へと、より確実に向かわせることができる。
また、第2のサイドエアバッグ本体部41が車室11にて乗員Aの側方に位置するドアDの前側上部から車室11内に向けて展開するので、この展開方向が、車両の進行方向とその直交方向との間の角度方向、すなわち斜め方向からの衝撃S3の反力により移動する乗員Aに対向する方向となる。したがって、この第2のサイドエアバッグ本体部41の展開により、衝撃S3が加わった際に乗員Aをより確実にフロントエアバッグ本体部31に向かわせることができる。
さらに、第2のサイドエアバッグ本体部41の内圧を、側突用の第1のサイドエアバッグ本体部36の内圧よりも大きく設定しているので、側方からの衝撃S2に対しては、相対的に内圧が小さい第1のサイドエアバッグ本体部36を用いて乗員Aをソフトに保護できるとともに、斜め方向からの衝撃S3に対しては、相対的に内圧が大きい第2のサイドエアバッグ本体部41を用いて乗員Aを確実に押しやってフロントエアバッグ本体部31へと向けることができる。すなわち、第1及び第2のサイドエアバッグ本体部36,41は、それぞれの用途に適した内圧に設定され、それぞれの用途に効果的に用いることができる。
なお、上記の第1の実施の形態において、図5に示す第2の実施の形態のように、第1のサイドエアバッグ本体部36(第1の膨出部37)の前縁部、すなわち第2のサイドエアバッグ本体部41側の位置に、例えば基布などにより形成されたガイド補助部としてのフラップ部(フラップ布)55を延出してもよい。このフラップ部55は、第1のサイドエアバッグ本体部36(第1の膨出部37)の前側の上端部から下端部近傍に亘る上下寸法を有しており、第1及び第2のサイドエアバッグ本体部36,41が膨張展開した状態で、乗員Aの頭部A5よりも下の領域、すなわち腰部A1、腹部、胸部及び肩部A4の位置で第1及び第2のサイドエアバッグ本体部36,41(第1及び第2の膨出部37,42)間の前後方向の隙間を埋めるようになっている。したがって、斜め方向からの衝撃S3の反力により、第1のサイドエアバッグ本体部36と第2のサイドエアバッグ本体部41との間へと向かう乗員Aの姿勢を、フラップ部55によって制御でき、乗員Aをより確実にフロントエアバッグ本体部31へと向かうようにすることができる。
次に、第3の実施の形態を図6ないし図10を参照して説明する。なお、上記第1の実施の形態と同様の構成及び作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
この第3の実施の形態は、上記の第1の実施の形態の第1及び第2のサイドエアバッグ22,23と、第1及び第2のサイドインフレータ24,25と、第1及び第2の側方取付部26,27と第1及び第2の側方固定具に代えて、サイドエアバッグ61と、第2のインフレータであるサイドインフレータ62と、側方取付部63と、側方固定具64などを備えているものである。
サイドエアバッグ61は、サイドエアバッグ本体部66を備えている。このサイドエアバッグ本体部66は、単数、あるいは複数の基布を縫製、接着あるいは溶着などにより組み合わせて接合することで全体としては車幅方向に扁平な袋状に形成された膨出部69と、この膨出部69の基端側に連続する導管部70とを備え、膨出部69の反ドアD側すなわち乗員Aに対向する側面が乗員対向面部71となり、ドアD側の側面がドア対向面部72となるとともに、導管部70の後端部がサイドガス導入部となっている。さらに、このサイドエアバッグ本体部66には、導管部70の展開を規制する規制手段としての規制布73が取り付けられている。
膨出部69(乗員対向面部71)は、サイドエアバッグ本体部66が最大に展開した状態で例えば上下方向に長手状となっており、本実施の形態では、座席Sの側部全体を覆う、すなわち乗員Aの頭部A5を含む側部全体に対向する、いわゆるヘッドソラックスタイプのものとなっている。
導管部70は、膨出部69の後側の下端部から後方に突出しており、前後方向に沿って伸縮可能となっている。この導管部70は、膨出部69と直接連通しており、サイドインフレータ62が後部に内挿され、このサイドインフレータ62から噴射されたガスを膨出部69内へと直接導くようになっている。
乗員対向面部71(膨出部69)は、側方すなわちドアD側へ移動してきた乗員Aに対して反力を与えることで乗員Aを拘束する部分であり、サイドエアバッグ本体部66が最大に展開した状態で乗員Aの頭部A5及びこの頭部A5よりも下の領域、すなわち腰部A1、腹部、胸部及び肩部A4に亘る面積、すなわち頭部A5以下の乗員Aの側部全体に対向する面積を有するように上下及び前後方向に広がる。
そして、規制布73は、本実施の形態では、例えば膨出部69の両側面、すなわち乗員対向面部71及びドア対向面部72のそれぞれに設定されており、基端部がこれら乗員対向面部71及びドア対向面部72の後端部に固定され、導管部70側である後方へと先端側が自由端状に延びる、フラップ状となっている。これら規制布73は、先端側である後端側に、それぞれ孔部76が開口されており、これら孔部76を介して、アクチュエータ77により保持可能となっている。さらに、これら規制布73は、膨出部69に設けられた図示しない可変排気構造と連結されている。
アクチュエータ77は、制御装置からの信号に応じて動作可能であり、例えば孔部76に挿入可能な長尺状の保持部であるピン77aを備え、このピン77aを伸縮させるようになっている。また、このアクチュエータ77は、側方固定具64によってサイドエアバッグ本体部66(サイドエアバッグ61)及びサイドインフレータ62とともに、ピン77aが後方を向くように側方取付部63に固定されている。
可変排気構造は、膨出部69に開口された排気孔と、この排気孔を開閉する開閉弁とを備えており、この開閉弁による排気孔の開閉を制御することで、膨出部69の内部のガスの外部への排気量を可変させるものである。そして、これら可変排気構造は、アクチュエータ77によって保持された各規制布73によって開閉弁を開いて排気孔から膨出部69の内部のガスを排出し、アクチュエータ77による各規制布73の保持の解除によって開閉弁を閉じて膨出部69の内部にガスを保持するようになっている。
サイドインフレータ62は、例えば細長い円柱状に形成されており、一端部に接続されたコネクタを介して伝えられる制御装置からの電気信号により、他端部からサイドエアバッグ本体部66内にそれぞれガスを供給するようになっている。
側方取付部63は、折り畳まれたサイドエアバッグ本体部66を収納するもので、座席SのドアDに対向する側部のフレームなどに設けられており、折り畳まれたサイドエアバッグ本体部66が座席Sの側部に沿って前方に向けて膨張展開するようになっている。
側方固定具64は、サイドインフレータ62及びアクチュエータ77をそれぞれ保持した状態でサイドエアバッグ本体部66とともに側方取付部63に対して例えばねじ止めなどにより固定されている。
そして、このエアバッグ装置10は、フロントエアバッグ本体部31を所定の方法で折り畳んだフロントエアバッグ15をフロントインフレータ16とともに前方固定具に固定してフロントケース体に取り付け、前方取付部19に配置するとともに、サイドエアバッグ本体部66を所定の方法で折り畳むとともに各規制布73の孔部76をアクチュエータ77の伸張したピン77aに挿通して保持したサイドエアバッグ61をサイドインフレータ62及びアクチュエータ77と側方固定具64とを組み合わせた組立体とともに必要に応じてサイドケースに収納した上で側方取付部63に固定することで、車体に取り付けられる。この後、フロントインフレータ16と、サイドインフレータ62と、アクチュエータ77とをそれぞれ車両に備えられた制御装置に電気的に接続する。
そして、通常のエアバッグ装置10の収納状態(図8(a)、図10(a)及び図10(b))から、車両が正面方向から衝撃S1を受けた場合には、図示しないが、上記の各実施の形態と同様にフロントエアバッグ15のフロントエアバッグ本体部31のみが膨張展開し、乗員Aの上体全体に対向する乗員拘束面部32により、衝撃S1の反力によって前方に投げ出されてくる乗員Aを拘束する。
また、車両が側面方向、すなわち進行方向に対する直交方向から衝撃S2を受けた場合(図7(a)、図7(b)及び図8(b))には、サイドエアバッグ61のサイドエアバッグ本体部66のみが膨張展開し、フロントエアバッグ15のフロントエアバッグ本体部31は膨張展開しない。すなわち、エアバッグ装置10は、制御装置がサイドインフレータ62を起動してガスを噴射することで、このガスの圧力によりサイドエアバッグ本体部66が折り畳まれた状態から急速に膨張し、膨張圧力で座席SのドアD側の側部の表皮を開裂させて前方に向けて車室11内に突出する。このとき、各規制布73がアクチュエータ77のピン77aによって保持されていることで、サイドエアバッグ本体部66は、前方への展開が規制され、導管部70が折り畳まれて前後方向に収縮した状態を維持するので、乗員対向面部71(膨出部69)が乗員Aの頭部A5を含む側部全体の領域とドアD(ドアトリム51)との間に膨張展開する。また、このとき、各規制布73によって可変排気構造の排気孔が開かれて膨出部69から排気可能な状態となるため、衝撃S2の反力によって側方すなわちドアD側に投げ出されてくる乗員Aを適切な反力で拘束する。
さらに、車両が斜め方向、すなわち進行方向とその直交方向との間の角度範囲から衝撃S3を受けた場合(図6(a)、図6(b)及び図8(c))には、フロントエアバッグ15のフロントエアバッグ本体部31と、サイドエアバッグ61のサイドエアバッグ本体部66とが全て膨張展開する。すなわち、エアバッグ装置10は、制御装置がフロントインフレータ16と、サイドインフレータ62をそれぞれ起動してガスを噴射することで、このガスの圧力によりフロントエアバッグ本体部31と、サイドエアバッグ本体部66とがそれぞれ折り畳まれた状態から急速に膨張するとともに、アクチュエータ77のピン77aを収縮させる。そして、フロントエアバッグ本体部31は、その膨張圧力でカバー体をテアラインから開裂させてフロント突出口を開口させ、このフロント突出口から乗員Aの前方に向けて膨張展開する。また、サイドエアバッグ本体部66は、その膨張圧力で座席SのドアD側の側部の表皮を開裂させて座席Sの側部から前方に向けて車室11内に突出する。このとき、アクチュエータ77のピン77aによる各規制布73の保持が解除されているため、各規制布73がフリーとなり、サイドエアバッグ本体部66は膨出部69とともに導管部70が膨張し、この導管部70の長さにより座席Sに対して前方へと膨出部69が移動した位置に展開する。したがって、膨出部69がフロントピラーFPと乗員Aとの間にて乗員Aの頭部A5以下の領域とドアDとの間に膨張展開する。また、このとき、各規制布73によって可変排気構造の排気孔が閉じられて膨出部69及び導管部70から排気しない状態となる。この結果、乗員対向面部71が乗員Aの側部の頭部A5を含む側部全体の領域の前方斜めの位置に対向して、衝撃S3の反力によってドアD(フロントピラーFP)に接近する斜め前方へと投げ出されてくる乗員Aを、乗員Aの前方に展開する乗員拘束面部32へと相対的に強い反力で導き、この乗員拘束面部32が乗員Aを拘束する。
このように、サイドエアバッグ本体部66が、車両の進行方向の直交方向からの衝撃S2に対して乗員Aの側方に乗員対向面部71が対向するように展開するので、この衝撃S2により移動する乗員Aを乗員対向面部71によって確実に拘束できる。
また、サイドエアバッグ本体部66は、進行方向と直交方向との間の角度方向、すなわち斜め前方からの衝撃S3に対して乗員対向面部71が乗員Aの前方の側方に位置するように展開するので、斜め前方からの衝撃S3により移動する乗員Aを、乗員対向面部71によってより確実にフロントエアバッグ本体部31(乗員拘束面部32)に向かわせることができる。そして、これら異なる方向からの衝撃S2,S3に対して、1つのサイドエアバッグ本体部66で対応できるので、部品点数を抑制でき、より安価に製造できる。
また、乗員対向面部71を座席Sに着座した乗員Aの頭部A5以下の側部全体の領域に対向する大きさとしたことにより、頭部A5以下の一連の領域を広範囲に保護することができるとともに、乗員Aの頭部A5の振れを抑制できる。
さらに、車両の進行方向の直交方向からの衝撃S2と、進行方向と直交方向との間の角度方向(斜め前方)からの衝撃S3とのそれぞれに対応できるようにサイドエアバッグ本体部66(サイドエアバッグ61)の展開モードを変える構成を、規制布73とアクチュエータ77とを用いた比較的簡単な構成としたので、安価に構成できる。
しかも、アクチュエータ77による規制布73の保持及びその解除を利用して、可変排気構造の動作を切り換えることにより、側方から衝撃S2が加わったときと、斜め前方から衝撃S3が加わったときとのサイドエアバッグ本体部66の容積の変化に対応して必要でかつ適切な内圧を得ることができる。
なお、上記の第3の実施の形態において、図11に示す第4の実施の形態のように、規制布73を座席Sに設定してもよい。すなわち、この規制布73は、基端部が座席Sに連結されており、自由端状の他端部がアクチュエータ77によって保持された状態で、サイドエアバッグ本体部66(サイドエアバッグ61)を水平方向に沿うループ状に保持するようになっている(図11(a))。そして、車両が側面方向、すなわち進行方向に対する直交方向から衝撃S2を受けた場合には、サイドエアバッグ61では、規制布73がアクチュエータ77のピン77aによって保持されていることで、サイドエアバッグ本体部66の前方への展開が規制され、導管部70が折り畳まれて前後方向に収縮した状態を維持するので、ループ状の規制布73の上部から乗員対向面部71が乗員Aの頭部A5を含む側部全体の領域とドアD(ドアトリム51)との間に膨張展開する(図11(b))。また、車両が斜め方向、すなわち進行方向とその直交方向との間の角度範囲から衝撃S3を受けた場合には、サイドエアバッグ61では、アクチュエータ77のピン77aの収縮により規制布73がフリーとなり、膨出部69とともに導管部70が膨張展開し、この導管部70の長さにより座席Sに対して前方へと膨出部69が移動した位置に展開する(図11(c))。したがって、このように座席Sに規制布73を設定した場合でも、上記の第3の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
また、図12に示す第5の実施の形態のように、規制布73をサイドエアバッグ本体部66の内部に設定してもよい。すなわち、この規制布73は、サイドエアバッグ本体部66の内部に前後方向に沿って挿入され、前端部がサイドエアバッグ本体部66(膨出部69)内の前部に連結されているとともに、後端部が自由端状となって、導管部70の後端部からサイドエアバッグ本体部66の後部へと孔部76の位置が延出してアクチュエータ77のピン77aにより保持可能となっている。そして、このようにサイドエアバッグ本体部66の内部に規制布73を設定した場合でも、上記の第3及び第4の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、上記の第5の実施の形態において、図13に示す第6の実施の形態のように、規制布73に代えて、テザー79(ストラップ)を規制手段として用いても同様の作用効果を奏することができる。
なお、この第6の実施の形態において、テザー79は、上記の第3の実施の形態のように、サイドエアバッグ本体部66(膨出部69)の外部(側部)に設定することもできるし、上記の第4の実施の形態のように座席Sに設定することもできる。
また、上記の第3ないし第6の実施形態において、サイドエアバッグ本体部66は、少なくとも乗員Aの側部の頭部A5よりも下の領域、すなわち腰部A1、腹部、胸部及び肩部A4の位置に対向する乗員対向面部71を有していればよい。
そして、上記の各実施の形態において、エアバッグ装置は、前席用のものとして説明したが、後席の前部にフロントエアバッグ15を展開させるようにすれば、後席用のものとしても利用できる。
本発明は、例えば、自動車の運転席あるいは助手席などの前席の前方と側方とに展開して乗員を保護するエアバッグ装置として用いられる。
10 エアバッグ装置
11 車室
15 フロントエアバッグ
23 サイドエアバッグである第2のサイドエアバッグ
31 フロントエアバッグ本体部
41 サイドエアバッグ本体部である第2のサイドエアバッグ本体部
61 サイドエアバッグ
66 サイドエアバッグ本体部
71 乗員対向面部
A 乗員
A5 頭部
D ドア
11 車室
15 フロントエアバッグ
23 サイドエアバッグである第2のサイドエアバッグ
31 フロントエアバッグ本体部
41 サイドエアバッグ本体部である第2のサイドエアバッグ本体部
61 サイドエアバッグ
66 サイドエアバッグ本体部
71 乗員対向面部
A 乗員
A5 頭部
D ドア
Claims (3)
- 折り畳まれた状態からガスの導入により着席した乗員の前方に展開する袋状のフロントエアバッグ本体部を備えたフロントエアバッグと、
折り畳まれた状態からガスの導入により着席した乗員の少なくとも頭部よりも下の領域の側方に展開する袋状のサイドエアバッグ本体部を備えたサイドエアバッグとを具備し、
前記フロントエアバッグ本体部及び前記サイドエアバッグ本体部は、車両の進行方向とその直交方向との間の角度方向からの衝撃によりそれぞれ展開し、
前記サイドエアバッグ本体部は、前記角度方向に沿って移動する乗員を前記フロントエアバッグ本体部に向かうように展開により前記領域を案内する
ことを特徴とするエアバッグ装置。 - サイドエアバッグ本体部は、車室にて乗員の側方に位置するドアの前側上部から車室内に向けて展開する
ことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。 - サイドエアバッグ本体部は、乗員に対向可能な乗員対向面部を有し、車両の進行方向の直交方向からの衝撃に対して乗員の側方に前記乗員対向面部が対向するように展開し、前記進行方向と前記直交方向との間の角度方向からの衝撃に対して前記乗員対向面部が乗員の前方の側方に位置するように展開する
ことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014202056A JP2016068848A (ja) | 2014-09-30 | 2014-09-30 | エアバッグ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2014202056A JP2016068848A (ja) | 2014-09-30 | 2014-09-30 | エアバッグ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2016068848A true JP2016068848A (ja) | 2016-05-09 |
Family
ID=55865847
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2014202056A Pending JP2016068848A (ja) | 2014-09-30 | 2014-09-30 | エアバッグ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2016068848A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018090009A (ja) * | 2016-11-30 | 2018-06-14 | ダイハツ工業株式会社 | エアバッグ装置 |
US10099647B2 (en) | 2016-09-21 | 2018-10-16 | Ford Global Technologies, Llc | Airbag assembly |
DE112017001763T5 (de) | 2016-03-30 | 2018-12-20 | Nec Corporation | Antennenvorrichtung |
-
2014
- 2014-09-30 JP JP2014202056A patent/JP2016068848A/ja active Pending
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US10099647B2 (en) | 2016-09-21 | 2018-10-16 | Ford Global Technologies, Llc | Airbag assembly |
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