JP2016066781A - 研磨パッド - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、窓の裏面が接着部材に接着した構造を有しているにもかかわらず、高精度の光学的終点検知が可能な研磨パッドを提供することを目的とする。
【解決手段】 研磨領域及び光透過領域を有する研磨層と開口部を有する支持層とが、前記光透過領域と前記開口部とが重なるように接着部材を介して積層されている研磨パッドにおいて、前記開口部における前記接着部材の裏面の算術平均粗さRaが1μm以下であることを特徴とする研磨パッド。
【選択図】 図2
【解決手段】 研磨領域及び光透過領域を有する研磨層と開口部を有する支持層とが、前記光透過領域と前記開口部とが重なるように接着部材を介して積層されている研磨パッドにおいて、前記開口部における前記接着部材の裏面の算術平均粗さRaが1μm以下であることを特徴とする研磨パッド。
【選択図】 図2
Description
本発明は、半導体ウエハなどの被研磨材表面の凹凸をケミカルメカニカルポリシング(CMP)で平坦化する際に使用される研磨パッドに関し、詳しくは、研磨状況等を光学的手段により検知するための窓(光透過領域)を有する研磨パッド、及び該研磨パッドを用いた半導体デバイスの製造方法に関する。
半導体装置を製造する際には、半導体ウエハ(以下、ウエハともいう)表面に導電性膜を形成し、フォトリソグラフィー、エッチング等をすることにより配線層を形成する工程や、配線層の上に層間絶縁膜を形成する工程等が行われ、これらの工程によってウエハ表面に金属等の導電体や絶縁体からなる凹凸が生じる。近年、半導体集積回路の高密度化を目的として配線の微細化や多層配線化が進んでいるが、これに伴い、ウエハ表面の凹凸を平坦化する技術が重要となってきた。
ウエハ表面の凹凸を平坦化する方法としては、一般的にCMP法が採用されている。CMPは、ウエハの被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態で、砥粒が分散されたスラリー状の研磨剤(以下、スラリーという)を用いて研磨する技術である。
このようなCMPを行う上で、ウエハ表面平坦度の判定の問題がある。すなわち、希望の表面特性や平面状態に到達した時点を検知する必要がある。従来、酸化膜の膜厚や研磨速度等に関しては、テストウエハを定期的に処理し、結果を確認してから製品となるウエハを研磨処理することが行われてきた。
しかし、この方法では、テストウエハを処理する時間とコストが無駄になり、また、あらかじめ加工が全く施されていないテストウエハと製品ウエハでは、CMP特有のローディング効果により、研磨結果が異なり、製品ウエハを実際に加工してみないと、加工結果の正確な予想が困難である。
そのため、最近では上記の問題点を解消するために、CMPプロセス時に、その場で、希望の表面特性や厚さが得られた時点を検出できる方法が望まれている。このような検知については様々な方法が用いられているが、測定精度や非接触測定における空間分解能の点から光学的検知手段が主流となりつつある。
光学的検知手段とは、具体的には光ビームを窓(光透過領域)を通して研磨パッド越しにウエハに照射して、その反射によって発生する干渉信号をモニターすることによって研磨の終点を検知する方法である。
このような光学的手段による研磨の終点検知法に用いられる研磨パッドについては様々なものが提案されている。今後、半導体製造における高集積化・超小型化において、集積回路の配線幅はますます小さくなっていくことが予想されるため、高精度の光学的終点検知が可能な研磨パッドが求められている。
例えば、特許文献1では、半導体基材のケミカルメカニカルプラナリゼーションを実施するための研磨パッドであって、
中に形成された開口部を有する研磨パッド本体と、
基材のその場光学計測を実施するための、前記開口部中に固定された窓とを含み、前記窓が、そこに入射する光を受けることができる下面を有し、前記下面が、前記下面に存在する表面粗部を除去するためにレーザアブレーションによって処理されたものである研磨パッド、が提案されている。
中に形成された開口部を有する研磨パッド本体と、
基材のその場光学計測を実施するための、前記開口部中に固定された窓とを含み、前記窓が、そこに入射する光を受けることができる下面を有し、前記下面が、前記下面に存在する表面粗部を除去するためにレーザアブレーションによって処理されたものである研磨パッド、が提案されている。
また、特許文献2では、研磨面と研磨面の反対面の非研磨面を備えてなり、研磨面から非研磨面に光学的に通じる透光性領域を有し、該透光性領域の非研磨面の表面粗さ(Ra)が10μm以下であり、そして該透光性領域の波長633nmの光に対する透過率が12〜70%である化学機械研磨用パッド、が提案されている。
また、特許文献3では、研磨面と当該研磨面の反対面の非研磨面を備える化学機械研磨用パッドであって、
研磨面から非研磨面に光学的に通じる透光性領域を有し、
前記透光性領域における前記非研磨面の表面粗さ(Ra)は、前記研磨面の表面粗さ(Ra)より小さい化学機械研磨用パッド、が提案されている。
研磨面から非研磨面に光学的に通じる透光性領域を有し、
前記透光性領域における前記非研磨面の表面粗さ(Ra)は、前記研磨面の表面粗さ(Ra)より小さい化学機械研磨用パッド、が提案されている。
本発明は、窓の裏面が接着部材に接着した構造を有しているにもかかわらず、高精度の光学的終点検知が可能な研磨パッドを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す研磨パッドにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、研磨領域及び光透過領域を有する研磨層と開口部を有する支持層とが、前記光透過領域と前記開口部とが重なるように接着部材を介して積層されている研磨パッドにおいて、前記開口部における前記接着部材の裏面の算術平均粗さRaが1μm以下であることを特徴とする研磨パッド、に関する。
前記接着部材は、接着剤層、又は基材の両面に接着剤層を有する両面テープであることが好ましい。
また、本発明は、研磨領域、接着部材、支持層、及び両面接着シートがこの順で積層されており、研磨領域、接着部材、及び支持層を貫く開口部内かつ前記両面接着シート上に光透過領域が設けられている研磨パッドにおいて、前記開口部における前記両面接着シートの裏面の算術平均粗さRaが1μm以下であることを特徴とする研磨パッド、に関する。
光透過領域の裏面が接着部材又は両面接着シートに接着した構造を有する研磨パッドは、光透過領域の裏面が露出している研磨パッドに比べて光学的終点検知精度が非常に低くなるという問題があった。本発明者は、その原因として、光ビームが光透過領域に入射する前に、光透過領域の裏面に設けられた接着部材又は両面接着シートによって光ビームが吸収されたり、あるいは光散乱するためと考えた。そして、本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、上記のように、開口部における接着部材又は両面接着シートの裏面の算術平均粗さRaを1μm以下にすることにより、光ビームの光散乱が抑制され、高精度の光学的終点検知が可能になることを見出した。
また、本発明は、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法、に関する。
本発明の研磨パッドは、光透過領域の裏面が露出しておらず、接着部材又は両面接着シートに接着した構造を有するにもかかわらず、高精度の光学的終点検知が可能である。
本発明の研磨パッドは、研磨領域及び光透過領域を有する研磨層と開口部を有する支持層とが、前記光透過領域と前記開口部とが重なるように接着部材を介して積層されている構造を有する。
本発明の他の研磨パッドは、研磨領域、接着部材、支持層、及び両面接着シートがこの順で積層されており、研磨領域、接着部材、及び支持層を貫く開口部内かつ前記両面接着シート上に光透過領域が設けられている構造を有する。
研磨領域は、微細気泡を有する発泡体であれば特に限定されるものではない。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、エポキシ樹脂、感光性樹脂などの1種または2種以上の混合物が挙げられる。ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができるため、研磨領域の形成材料として特に好ましい材料である。以下、前記発泡体を代表してポリウレタン樹脂について説明する。
ポリウレタン樹脂は、イソシアネート成分、ポリオール成分(高分子量ポリオール、低分子量ポリオール)、及び鎖延長剤からなるものである。
イソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。イソシアネート成分としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
高分子量ポリオールとしては、ポリウレタンの技術分野において、通常用いられるものを挙げることができる。例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリエチレングリコール等に代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いでえられた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、ポリヒドロキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリオール成分として上述した高分子量ポリオールの他に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、及びトリエタノールアミン等の低分子量ポリオールを併用することができる。また、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、及びジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミンを併用することもできる。また、モノエタノールアミン、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、及びモノプロパノールアミン等のアルコールアミンを併用することもできる。これら低分子量ポリオール、低分子量ポリアミン等は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。低分子量ポリオールや低分子量ポリアミン等の配合量は特に限定されず、製造される研磨パッドに要求される特性により適宜決定される。
ポリウレタン樹脂発泡体をプレポリマー法により製造する場合において、プレポリマーの硬化には鎖延長剤を使用する。鎖延長剤は、少なくとも2個以上の活性水素基を有する有機化合物であり、活性水素基としては、水酸基、第1級もしくは第2級アミノ基、チオール基(SH)等が例示できる。具体的には、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルメタン、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、及びp−キシリレンジアミン等に例示されるポリアミン類、あるいは、上述した低分子量ポリオールや低分子量ポリアミンを挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
イソシアネート成分、ポリオール成分、及び鎖延長剤の比は、各々の分子量や研磨パッドの所望物性などにより種々変え得る。所望する研磨特性を有する研磨パッドを得るためには、ポリオール成分と鎖延長剤の合計活性水素基(水酸基+アミノ基)数に対するイソシアネート成分のイソシアネート基数は、0.80〜1.20であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.15である。イソシアネート基数が前記範囲外の場合には、硬化不良が生じて要求される比重及び硬度が得られず、研磨特性が低下する傾向にある。
ポリウレタン樹脂発泡体は、溶融法、溶液法など公知のウレタン化技術を応用して製造することができるが、コスト、作業環境などを考慮した場合、溶融法で製造することが好ましい。
ポリウレタン樹脂発泡体の製造は、プレポリマー法、ワンショット法のどちらでも可能であるが、事前にイソシアネート成分とポリオール成分からイソシアネート末端プレポリマーを合成しておき、これに鎖延長剤を反応させるプレポリマー法が、得られるポリウレタン樹脂の物理的特性が優れており好適である。
ポリウレタン樹脂発泡体の製造方法としては、中空ビーズを添加させる方法、機械的発泡法、化学的発泡法などが挙げられる。
特に、ポリアルキルシロキサンとポリエーテルの共重合体であって活性水素基を有しないシリコーン系界面活性剤を使用した機械的発泡法が好ましい。
なお、必要に応じて、酸化防止剤等の安定剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤を加えてもよい。
ポリウレタン樹脂発泡体は独立気泡タイプであってもよく、連続気泡タイプであってもよい。
ポリウレタン樹脂発泡体の製造は、各成分を計量して容器に投入し、撹拌するバッチ方式であっても、また撹拌装置に各成分と非反応性気体を連続して供給して撹拌し、気泡分散液を送り出して成形品を製造する連続生産方式であってもよい。
また、ポリウレタン樹脂発泡体の原料となるプレポリマーを反応容器に入れ、その後鎖延長剤を投入、撹拌後、所定の大きさの型に流し込みブロックを作製し、そのブロックを鉋状、あるいはバンドソー状のスライサーを用いてスライスする方法、又は前述の型に流し込む段階で、薄いシート状にしても良い。また、原料となる樹脂を溶解し、Tダイから押し出し成形して直接シート状のポリウレタン樹脂発泡体を得ても良い。
ポリウレタン樹脂発泡体の平均気泡径は、30〜80μmであることが好ましく、より好ましくは30〜60μmである。この範囲から逸脱する場合は、研磨速度が低下したり、研磨後の被研磨材(ウエハ)のプラナリティ(平坦性)が低下する傾向にある。
ポリウレタン樹脂発泡体の比重は、0.5〜1.3であることが好ましい。比重が0.5未満の場合、研磨領域の表面強度が低下し、被研磨材のプラナリティが低下する傾向にある。また、1.3より大きい場合は、研磨領域表面の気泡数が少なくなり、プラナリティは良好であるが、研磨速度が低下する傾向にある。
ポリウレタン樹脂発泡体の硬度は、アスカーD硬度計にて、40〜75度であることが好ましい。アスカーD硬度が40度未満の場合には、被研磨材のプラナリティが低下し、また、75度より大きい場合は、プラナリティは良好であるが、被研磨材のユニフォーミティ(均一性)が低下する傾向にある。
研磨領域の被研磨材と接触する研磨表面は、スラリーを保持・更新するための凹凸構造を有することが好ましい。発泡体からなる研磨領域は、研磨表面に多くの開口を有し、スラリーを保持・更新する働きを持っているが、研磨表面に凹凸構造を形成することにより、スラリーの保持と更新をさらに効率よく行うことができ、また被研磨材との吸着による被研磨材の破壊を防ぐことができる。凹凸構造は、スラリーを保持・更新する形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、XY格子溝、同心円状溝、開口部、貫通していない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放射状溝、及びこれらの溝を組み合わせたものが挙げられる。また、これらの凹凸構造は規則性のあるものが一般的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものにするため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を変化させることも可能である。
研磨領域の形状は特に制限されず、円形状であってもよく、長尺状であってもよい。研磨領域の大きさは使用する研磨装置に応じて適宜調整することができるが、円形状の場合には直径は30〜150cm程度であり、長尺状の場合には長さ5〜15m程度、幅60〜250cm程度である。
研磨領域の厚みは特に制限されないが、通常0.8〜4mm程度であり、1.2〜2.5mmであることが好ましい。
光透過領域の形成材料は特に制限されないが、研磨を行っている状態で高精度の光学終点検知を可能とし、波長400〜700nmの全範囲で光透過率が10%以上である材料を用いることが好ましく、より好ましくは光透過率が20%以上の材料であり、さらに好ましくは光透過率が50%以上の材料である。そのような材料としては、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂などの熱硬化性樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース系樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、及びオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)などの熱可塑性樹脂、ブタジエンゴムやイソプレンゴムなどのゴム、紫外線や電子線などの光により硬化する光硬化性樹脂、及び感光性樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光透過領域に用いる材料は、研磨領域に用いる材料よりも研削性が同じか大きいものが好ましい。研削性とは、研磨中に被研磨材やドレッサーにより削られる度合いをいう。上記のような場合、光透過領域が研磨領域より突き出ることがなく、被研磨材へのスクラッチや研磨中のデチャックエラーを防ぐことができる。
また、研磨領域に用いられる形成材料、又は研磨領域の物性に類似する材料を用いることが好ましい。特に、研磨中のドレッシング痕による光透過領域の光散乱を抑制できる耐摩耗性の高いポリウレタン樹脂が望ましい。
光透過領域の形状、大きさは特に制限されないが、研磨領域の開口部と同様の形状、大きさにすることが好ましい。
光透過領域のアスカーD硬度は、30〜75度であることが好ましい。該硬度の光透過領域を用いることにより、ウエハ表面のスクラッチの発生や光透過領域の変形を抑制できる。また、光透過領域表面の傷の発生も抑制することができ、それにより高精度の光学的終点検知を安定的に行うことが可能になる。光透過領域のアスカーD硬度は40〜75度であることがより好ましい。
支持層は、研磨領域の特性を補うものである。支持層としては、研磨領域より弾性率が低い層(クッション層)を用いてもよく、研磨領域より弾性率が高い層(高弾性層)を用いてもよい。クッション層は、CMPにおいて、トレードオフの関係にあるプラナリティとユニフォーミティの両者を両立させるために必要なものである。プラナリティとは、パターン形成時に発生する微小凹凸のある被研磨材を研磨した時のパターン部の平坦性をいい、ユニフォーミティとは、被研磨材全体の均一性をいう。研磨領域の特性によって、プラナリティを改善し、クッション層の特性によってユニフォーミティを改善する。高弾性層は、CMPにおいて、スクラッチの発生を抑制するために柔らかい研磨領域を用いた場合に、研磨パッドの平坦化特性を向上させるために用いられる。また、高弾性層を用いることにより、被研磨材のエッジ部の削り過ぎを抑制することが可能である。
クッション層としては、例えば、ポリエステル不織布、ナイロン不織布、及びアクリル不織布などの繊維不織布;ポリウレタンを含浸したポリエステル不織布のような樹脂含浸不織布;ポリウレタンフォーム及びポリエチレンフォームなどの高分子樹脂発泡体;ブタジエンゴム及びイソプレンゴムなどのゴム性樹脂;感光性樹脂などが挙げられる。
クッション層の厚みは特に制限されないが、300〜1800μmであることが好ましく、より好ましくは700〜1400μmである。
高弾性層としては、例えば、金属シート、樹脂フィルムなどが挙げられる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム及びポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステルフィルム;ポリエチレンフィルム及びポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム;ナイロンフィルム;ポリイミドフィルムなどが挙げられる。
高弾性層としては、150℃で30分加熱した後と加熱前との寸法変化率が1.2%以下の樹脂フィルムを用いることが好ましい。より好ましくは寸法変化率が0.8%以下の樹脂フィルムであり、特に好ましくは寸法変化率が0.4%以下の樹脂フィルムである。このような特性の樹脂フィルムとしては、例えば、熱収縮処理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、及びポリイミドフィルムなどが挙げられる。
高弾性層の厚みは特に制限されないが、剛性、及び加熱時の寸法安定性等の観点から10〜200μmであることが好ましく、より好ましくは15〜55μmである。
図2は、本発明の研磨パッドの一例を示す概略断面図である。研磨領域8には、研磨を行っている状態で光学的終点検知をするための光透過領域9が設けられている。光透過領域9は、研磨領域8に設けた開口部10に嵌め込み、研磨領域8下の接着部材11に接着させることにより固定する。支持層12は、光を透過させるための開口部13を有する。開口部13は、開口部10と同じ大きさであってもよく、開口部10よりも小さくてもよく、あるいは開口部10よりも大きくてもよい。
接着部材11としては、感圧性接着剤又はホットメルト接着剤を含む接着剤層、又は基材の両面に前記接着剤層が設けられた両面テープを用いることが好ましい。両面テープは、基材により支持層側へのスラリーの浸透を防止し、支持層と接着剤層との間での剥離を効果的に防止することができるため好適である。
基材としては樹脂フィルムなどが挙げられ、樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム及びポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステルフィルム;ポリエチレンフィルム及びポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム;ナイロンフィルム;ポリイミドフィルムなどが挙げられる。これらのうち、水の透過を防ぐ性質に優れるポリエステルフィルムを用いることが好ましい。
基材の表面には、コロナ処理、プラズマ処理などの易接着処理を施してもよい。
基材の厚みは特に制限されないが、透明性、柔軟性、剛性、及び加熱時の寸法安定性等の観点から10〜200μmであることが好ましく、より好ましくは15〜55μmである。
接着剤層の厚みは10〜300μmであることが好ましく、より好ましくは25〜200μmである。
開口部13における接着部材11の裏面14の算術平均粗さRaは1μm以下であり、好ましくは0.5μm以下であり、より好ましくは0.3μm以下であり、さらに好ましくは0.2μm以下である。
算術平均粗さRaを1μm以下にする方法は特に制限されないが、例えば以下の方法が挙げられる。
接着剤層又は両面テープの表面には通常、接着面を保護するための離型フィルムが設けられており、使用時に剥離除去される。一般的な離型フィルムの表面の算術平均粗さRaは2〜3μm程度であり、当該離型フィルムに密着している接着剤層の表面の算術平均粗さRaも2〜3μm程度である。この離型フィルムとして、表面の算術平均粗さRaが1μm以下のものを用いることにより、その表面粗さを接着剤層の表面に転写して、接着剤層又は両面テープの表面の算術平均粗さRaを1μm以下にすることができる。
表面の算術平均粗さRaが1μm以下の離型フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム及びポリエチレンナフタレートフィルムなどのポリエステルフィルム;ポリエチレンフィルム及びポリプロピレンフィルムなどのポリオレフィンフィルム;ナイロンフィルム;ポリイミドフィルムなどが挙げられる。
図3は、本発明の研磨パッドの他の一例を示す概略断面図である。当該研磨パッド1は、研磨層8、接着部材11、支持層12、及び両面接着シート15がこの順で積層されており、研磨層8、接着部材11、及び支持層12を貫く開口部16内かつ両面接着シート15上に光透過領域9が設けられている。
両面接着シート15は、基材の両面に接着剤層を有するものであり、前記両面テープを用いることができる。両面接着シート15は、研磨パッド1を研磨定盤2に貼り合せるために用いられる。
前記研磨パッド1は、例えば以下の方法により製造することができる。まず、研磨層8と支持層12とを接着部材11を介して積層して積層シートを作製する。作製した積層シートに開口部16を形成する。開口部16を形成した積層シートの支持層12に両面接着シート15を貼り付ける。その後、開口部16内かつ両面接着シート15上に光透過領域9を設ける。また、開口部16内に光透過領域9を挿入した後に、支持層12及び光透過領域9に両面接着シート15を貼り付けてもよい。
開口部16における両面接着シート15の裏面14の算術平均粗さRaは1μm以下であり、好ましくは0.5μm以下であり、より好ましくは0.3μm以下であり、さらに好ましくは0.2μm以下である。
算術平均粗さRaを1μm以下にする方法は特に制限されないが、例えば前記と同様の方法が挙げられる。
光透過領域9の表面高さは、研磨領域8の表面高さと同一高さ、又は研磨領域8の表面高さより低くすることが好ましい。光透過領域9の表面高さが研磨領域8の表面高さより高い場合には、研磨中に突き出た部分により被研磨材を傷つける恐れがある。また、研磨の際にかかる応力により光透過領域9が変形し、光学的に大きく歪むため研磨の光学終点検知精度が低下する恐れがある。
半導体デバイスは、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を経て製造される。半導体ウエハとは、一般にシリコンウエハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半導体ウエハの研磨方法、研磨装置は特に制限されず、例えば、図1に示すように研磨パッド1を支持する研磨定盤2と、半導体ウエハ4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤3の供給機構を備えた研磨装置などを用いて行われる。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と半導体ウエハ4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際しては、研磨定盤2と支持台5とを回転させつつ半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付け、スラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整して行う。
これにより半導体ウエハ4の表面の突出した部分が除去されて平坦状に研磨される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。
以下、本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[測定、評価方法]
(算術平均粗さの測定)
作製した研磨パッドから、開口部における光透過領域と接着剤層との積層部分を切り取ってサンプルを得た。JIS B0601−1994に準拠して、サンプルの接着剤層表面の算術平均粗さRa(μm)を測定した。
(算術平均粗さの測定)
作製した研磨パッドから、開口部における光透過領域と接着剤層との積層部分を切り取ってサンプルを得た。JIS B0601−1994に準拠して、サンプルの接着剤層表面の算術平均粗さRa(μm)を測定した。
(終点検出の評価)
研磨装置としてMIRRA(AMAT社製)を用い、作製した積層研磨パッドを用いて、8インチのシリコンウエハ上にタングステン膜を10000Å製膜したウエハを1枚につき60秒研磨し、光学的終点検出をチェックした。
○:終点検出可
×:終点検出不可
研磨装置としてMIRRA(AMAT社製)を用い、作製した積層研磨パッドを用いて、8インチのシリコンウエハ上にタングステン膜を10000Å製膜したウエハを1枚につき60秒研磨し、光学的終点検出をチェックした。
○:終点検出可
×:終点検出不可
実施例1
〔光透過領域の作製〕
ポリエーテル系プレポリマー(ユニロイヤル社製、アジプレンL−325、NCO濃度:2.22meq/g)100重量部を予め70℃に温調し、そこに120℃に温調した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンMT)26重量部を加え、約1分間撹拌した。そして、100℃に保温した金型に該混合液を流し込み、100℃で8時間ポストキュアを行ってポリウレタン樹脂を作製した。作製したポリウレタン樹脂を所定のサイズのトムソン刃で裁断し、光透過領域(55.8mm×19.8mm、厚さ1.95mm)を作製した。
〔光透過領域の作製〕
ポリエーテル系プレポリマー(ユニロイヤル社製、アジプレンL−325、NCO濃度:2.22meq/g)100重量部を予め70℃に温調し、そこに120℃に温調した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンMT)26重量部を加え、約1分間撹拌した。そして、100℃に保温した金型に該混合液を流し込み、100℃で8時間ポストキュアを行ってポリウレタン樹脂を作製した。作製したポリウレタン樹脂を所定のサイズのトムソン刃で裁断し、光透過領域(55.8mm×19.8mm、厚さ1.95mm)を作製した。
〔両面テープ付き研磨層の作製〕
反応容器内に、ポリエーテル系プレポリマー(ユニロイヤル社製、アジプレンL−325、NCO濃度:2.22meq/g)100重量部、及びシリコーン系界面活性剤(東レダウコーニングシリコーン社製、SH−192)3重量部を混合し、温度を80℃に調整した。撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように約4分間激しく撹拌を行った。そこへ予め120℃で溶融した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンMT−N)26重量部を添加した。その後、約1分間撹拌を続けてパン型のオープンモールドへ反応溶液を流し込んだ。この反応溶液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、110℃で6時間ポストキュアを行い、ポリウレタン発泡体ブロックを得た。このポリウレタン発泡体ブロックをバンドソータイプのスライサー(フェッケン社製)を用いてスライスし、ポリウレタン発泡体シートを得た。次にこのシートをバフ機(アミテック社製)を使用して、所定の厚さに表面バフをし、厚み精度を整えたシートとした(シート厚み:2.00mm)。このバフ処理をしたシートを所定の直径(76cm)に打ち抜き、溝加工機(東邦鋼機社製)を用いて表面に溝幅0.40mm、溝ピッチ3.10mm、溝深さ0.76mmの同心円状の溝加工を行った。その後、この溝加工したシートの所定位置に光透過領域をはめ込むための開口部(56mm×20mm)を形成して研磨領域を作製した。その後、研磨領域の溝加工面と反対側の面に、ラミ機を使用して、基材の両面に接着剤層を有しており、前記接着剤層の表面が離型フィルム(接着剤層と接する表面の算術平均粗さRa:0.17μm)で保護された両面テープ(積水化学工業社製、厚さ:0.15mm)を、離型フィルムを剥離しながら貼り合わせ、さらに研磨領域の開口部内に光透過領域をはめ込んで前記両面テープに貼り合せて、両面テープ付き研磨層を作製した。
反応容器内に、ポリエーテル系プレポリマー(ユニロイヤル社製、アジプレンL−325、NCO濃度:2.22meq/g)100重量部、及びシリコーン系界面活性剤(東レダウコーニングシリコーン社製、SH−192)3重量部を混合し、温度を80℃に調整した。撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように約4分間激しく撹拌を行った。そこへ予め120℃で溶融した4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(イハラケミカル社製、イハラキュアミンMT−N)26重量部を添加した。その後、約1分間撹拌を続けてパン型のオープンモールドへ反応溶液を流し込んだ。この反応溶液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、110℃で6時間ポストキュアを行い、ポリウレタン発泡体ブロックを得た。このポリウレタン発泡体ブロックをバンドソータイプのスライサー(フェッケン社製)を用いてスライスし、ポリウレタン発泡体シートを得た。次にこのシートをバフ機(アミテック社製)を使用して、所定の厚さに表面バフをし、厚み精度を整えたシートとした(シート厚み:2.00mm)。このバフ処理をしたシートを所定の直径(76cm)に打ち抜き、溝加工機(東邦鋼機社製)を用いて表面に溝幅0.40mm、溝ピッチ3.10mm、溝深さ0.76mmの同心円状の溝加工を行った。その後、この溝加工したシートの所定位置に光透過領域をはめ込むための開口部(56mm×20mm)を形成して研磨領域を作製した。その後、研磨領域の溝加工面と反対側の面に、ラミ機を使用して、基材の両面に接着剤層を有しており、前記接着剤層の表面が離型フィルム(接着剤層と接する表面の算術平均粗さRa:0.17μm)で保護された両面テープ(積水化学工業社製、厚さ:0.15mm)を、離型フィルムを剥離しながら貼り合わせ、さらに研磨領域の開口部内に光透過領域をはめ込んで前記両面テープに貼り合せて、両面テープ付き研磨層を作製した。
〔研磨パッドの作製〕
表面をバフがけし、コロナ処理したポリエチレンフォーム(東レ社製、トーレペフ、厚さ:0.8mm)からなるクッション層を、作製した両面テープ付き研磨層の接着剤層にラミ機を用いて貼り合わせて研磨シートを作製した。次に、研磨シートのクッション層に両面接着シートを貼り合わせて積層体を得た。その後、積層体のクッション層と両面接着シートのみに60mm×20mmの大きさの開口部を形成して、図2の構造の研磨パッドを作製した。
表面をバフがけし、コロナ処理したポリエチレンフォーム(東レ社製、トーレペフ、厚さ:0.8mm)からなるクッション層を、作製した両面テープ付き研磨層の接着剤層にラミ機を用いて貼り合わせて研磨シートを作製した。次に、研磨シートのクッション層に両面接着シートを貼り合わせて積層体を得た。その後、積層体のクッション層と両面接着シートのみに60mm×20mmの大きさの開口部を形成して、図2の構造の研磨パッドを作製した。
実施例2
〔両面テープ付き研磨領域の作製〕
実施例1と同様の方法で研磨領域を作製した。その後、研磨領域の溝加工面と反対側の面に、ラミ機を用いて両面テープを貼り合わせて、両面テープ付き研磨領域を作製した。
〔両面テープ付き研磨領域の作製〕
実施例1と同様の方法で研磨領域を作製した。その後、研磨領域の溝加工面と反対側の面に、ラミ機を用いて両面テープを貼り合わせて、両面テープ付き研磨領域を作製した。
〔研磨パッドの作製〕
表面をバフがけし、コロナ処理したポリエチレンフォーム(東レ社製、トーレペフ、厚さ:0.8mm)からなるクッション層を、作製した両面テープ付き研磨領域の接着剤層にラミ機を用いて貼り合わせて研磨シートを作製した。次に、研磨シートに60mm×20mmの大きさの開口部を形成した。その後、基材の両面に接着剤層を有しており、前記接着剤層の表面が離型フィルム(接着剤層と接する表面の算術平均粗さRa:0.17μm)で保護された両面接着シート(基材:ポリエチレンテレフタレート、厚さ25μm)を、離型フィルムを剥離しながら、研磨シートのクッション層にラミ機を用いて貼り合わせて積層体を得た。その後、積層体の開口部に実施例1で作製した光透過領域をはめ込んで前記両面接着シートに貼り合せて、図3の構造の研磨パッドを作製した。
表面をバフがけし、コロナ処理したポリエチレンフォーム(東レ社製、トーレペフ、厚さ:0.8mm)からなるクッション層を、作製した両面テープ付き研磨領域の接着剤層にラミ機を用いて貼り合わせて研磨シートを作製した。次に、研磨シートに60mm×20mmの大きさの開口部を形成した。その後、基材の両面に接着剤層を有しており、前記接着剤層の表面が離型フィルム(接着剤層と接する表面の算術平均粗さRa:0.17μm)で保護された両面接着シート(基材:ポリエチレンテレフタレート、厚さ25μm)を、離型フィルムを剥離しながら、研磨シートのクッション層にラミ機を用いて貼り合わせて積層体を得た。その後、積層体の開口部に実施例1で作製した光透過領域をはめ込んで前記両面接着シートに貼り合せて、図3の構造の研磨パッドを作製した。
比較例1
実施例1の両面テープ付き研磨層の作製において、基材の両面に接着剤層を有しており、前記接着剤層の表面が離型フィルム(接着剤層と接する表面の算術平均粗さRa:1.5μm)で保護された両面テープ(基材:ポリエチレンテレフタレート、厚さ25μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で図2の構造の研磨パッドを作製した。
実施例1の両面テープ付き研磨層の作製において、基材の両面に接着剤層を有しており、前記接着剤層の表面が離型フィルム(接着剤層と接する表面の算術平均粗さRa:1.5μm)で保護された両面テープ(基材:ポリエチレンテレフタレート、厚さ25μm)を用いた以外は実施例1と同様の方法で図2の構造の研磨パッドを作製した。
本発明の研磨パッドは、レンズ、反射ミラー等の光学材料やシリコンウエハ、ハードディスク用のガラス基板、アルミ基板、及び一般的な金属研磨加工等の高度の表面平坦性を要求される材料の平坦化加工に用いられる。本発明の研磨パッドは、特にシリコンウエハ並びにその上に酸化物層、金属層等が形成されたデバイスを、さらにこれらの酸化物層や金属層を積層・形成する前に平坦化する工程に好適に使用される。
1:研磨パッド
2:研磨定盤
3:研磨剤(スラリー)
4:被研磨材(半導体ウエハ)
5:支持台(ポリシングヘッド)
6、7:回転軸
8:研磨領域
9:光透過領域
10、13、16:開口部
11:接着部材
12:支持層
14:開口部における接着部材又は両面接着シートの裏面
15:両面接着シート
2:研磨定盤
3:研磨剤(スラリー)
4:被研磨材(半導体ウエハ)
5:支持台(ポリシングヘッド)
6、7:回転軸
8:研磨領域
9:光透過領域
10、13、16:開口部
11:接着部材
12:支持層
14:開口部における接着部材又は両面接着シートの裏面
15:両面接着シート
Claims (4)
- 研磨領域及び光透過領域を有する研磨層と開口部を有する支持層とが、前記光透過領域と前記開口部とが重なるように接着部材を介して積層されている研磨パッドにおいて、前記開口部における前記接着部材の裏面の算術平均粗さRaが1μm以下であることを特徴とする研磨パッド。
- 前記接着部材は、接着剤層、又は基材の両面に接着剤層を有する両面テープである請求項1記載の研磨パッド。
- 研磨領域、接着部材、支持層、及び両面接着シートがこの順で積層されており、研磨領域、接着部材、及び支持層を貫く開口部内かつ前記両面接着シート上に光透過領域が設けられている研磨パッドにおいて、前記開口部における前記両面接着シートの裏面の算術平均粗さRaが1μm以下であることを特徴とする研磨パッド。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
PCT/JP2015/075714 WO2016047451A1 (ja) | 2014-09-24 | 2015-09-10 | 研磨パッド |
TW104131108A TW201620027A (zh) | 2014-09-24 | 2015-09-21 | 硏磨墊 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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JP2014193635 | 2014-09-24 |
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Family Applications (1)
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JP2015133264A Pending JP2016066781A (ja) | 2014-09-24 | 2015-07-02 | 研磨パッド |
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TW (1) | TW201620027A (ja) |
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2015
- 2015-07-02 JP JP2015133264A patent/JP2016066781A/ja active Pending
- 2015-09-21 TW TW104131108A patent/TW201620027A/zh unknown
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Publication number | Publication date |
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TW201620027A (zh) | 2016-06-01 |
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