JP2016065015A - メタクリル酸化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、プロピオン酸もしくはそのエステル化合物と、ホルムアルデヒドヘミアセタール、ホルムアルデヒドアセタール、1,3,5−トリオキサン及びパラホルムアルデヒドからなる群より選ばれる少なくとも1種のホルムアルデヒド化合物とを反応させて、メタクリル酸化合物を製造する方法に関する。
メタクリル酸化合物の製造方法としては、例えば、特許文献1には、カリウムを含有するシリカ触媒とシリカアルミナ触媒の存在下に、プロピオン酸と、メタノールと、メチラールとを反応させてメタクリル酸及びメタクリル酸メチルを製造する方法が提案されている。
しかしながら、前記特許文献記載の方法は、メタクリル酸骨格を有する化合物の選択率の点で必ずしも満足のいくものではなかった。本発明の目的は、メタクリル酸化合物を良好な選択率で製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成すべく鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
(1)固体酸触媒及び固体塩基触媒の存在下、式(I)
で示されるプロピオン酸化合物と、ホルムアルデヒドヘミアセタール、ホルムアルデヒドアセタール、1,3,5−トリオキサン及びパラホルムアルデヒドからなる群より選ばれる少なくとも1種のホルムアルデヒド化合物とを反応させる式(II)
で示されるメタクリル酸化合物の製造方法であって、ホルムアルデヒド化合物1モルに対して、0.005〜2.0モルの水を反応系に供給することを特徴とする製造方法。
(2)ホルムアルデヒド化合物1モルに対して、0.01〜1.5モルの水を反応系に供給することを特徴とする前項1に記載の製造方法。
(3)前記ホルムアルデヒド化合物がホルムアルデヒドアセタールである前項1または2に記載の製造方法。
(4)前記ホルムアルデヒド化合物がメチラールである前項1または2に記載の製造方法。
(5)前記固体酸触媒が、第5族元素の酸化物である前項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
(6)前記第5族元素がニオブである前項5に記載の製造方法。
(7)前記固体酸触媒がニオブ酸である前項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
(8)前記固体酸触媒が、シリカ、アルミナおよびジルコニアからなる群より選ばれる少なくとも1種に担持されているかあるいは希釈されている固体酸触媒である前項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
(9)前記固体酸触媒が、ニオブ酸であって、シリカに担持されているかあるいはシリカで希釈されている固体酸触媒である請求項8に記載の製造方法。
(10)前記固体塩基触媒が、第1族金属元素の化合物および第1族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む固体塩基触媒である前項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
(11)前記固体塩基触媒が、さらに第4族金属元素の化合物及び第4族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む固体塩基触媒である前項10に記載の製造方法。
(12)前記固体塩基触媒が、第1族金属元素の化合物及び第1族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種であって、第4族金属元素の酸化物に担持されてなる固体塩基触媒である前項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
本発明によれば、メタクリル酸化合物(II)を良好な選択率で製造することができる。
本発明では、固体酸触媒及び固体塩基触媒の存在下、プロピオン酸化合物(I)と、ホルムアルデヒドヘミアセタール、ホルムアルデヒドアセタール、1,3,5−トリオキサン及びパラホルムアルデヒドからなる群より選ばれる少なくとも1種のホルムアルデヒド化合物とを反応させる。
式(I)中、R1で表されるアルキル基としては、炭素数が1〜4のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。中でも、プロピオン酸化合物(I)として、プロピオン酸および/またはプロピオン酸メチルが、、本発明の方法においては、好ましい。
前記ホルムアルデヒド化合物としては、メチラールを使用することが、好ましい。前記ホルムアルデヒド化合物は、そのまま使用してもよいし、有機溶媒溶液として使用してもよいし、水と有機溶媒との混合溶媒の溶液として使用してもよい。該有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール等の炭素数が1〜8のアルコール;ペンタン、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられ、必要に応じてこれらの2種以上を用いることもできる。前記ホルムアルデヒド化合物としてメチラールを使用する場合、アルコール溶液又は水とアルコールとの混合溶媒の溶液として使用することもできる。前記ホルムアルデヒド化合物の使用量は、通常、プロピオン酸化合物(I)1モルに対して、ホルムアルデヒドに換算して、0.05〜20モルであり、好ましくは0.1〜5モルである。ここで、メチラール1モルは、ホルムアルデヒド1モルと換算し、1,3,5−トリオキサン1モルは、ホルムアルデヒド3モルと換算し、パラホルムアルデヒド[HO(CH2O)nH]1モルは、ホルムアルデヒドnモルと換算するものとする。ホルムアルデヒドヘミアセタール、ホルムアルデヒドアセタール、1,3,5−トリオキサン及びパラホルムアルデヒドからなる群より選ばれる少なくとも2種を使用する場合は、その合計使用量がホルムアルデヒドに換算して上記範囲となればよい。前記ホルムアルデヒド化合物とプロピオン酸化合物(I)は通常、溶液として供給し、気化した後、触媒層にて反応する。この際、溶液は前記ホルムアルデヒド化合物とプロピオン酸化合物(I)に加え、有機溶媒を使用することができる。
本発明の製造方法に用いられる固体酸触媒とは、表面が酸性(ルイス酸、ブレンステッド酸)を示す固体触媒であればよい。かかる固体酸触媒としては、例えば、、ゼオライト、メソポーラスシリケート、ヘテロポリ酸(例えば、12−リンタングステン酸、12−リンモリブデン酸等)、酸性イオン交換樹脂(例えば、スルホン酸基等を含有するイオン交換樹脂等)、酸性白土、粘土鉱物(例えば、モンモリロナイト等)、単元系金属酸化物(例えば、酸化ニオブ、酸化バナジウム、酸化タンタル等の第5族元素の酸化物、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、二酸化ジルコニウム、二酸化チタン等)あるいはこれらの複合系金属酸化物、ニオブ酸、タンタル酸、金属硫酸塩(例えば、硫酸ニッケル、硫酸銅等)、硫酸化ジルコニア、金属リン酸塩(例えば、リン酸アルミニウム、リン酸鉄等)、金属硫化物(例えば、硫化亜鉛、硫化クロム等)、金属塩化物(例えば、塩化アルミニウム、塩化第2銅等)等が例示される。前記固体酸触媒としては、第5族元素の酸化物が好ましく、特にニオブ酸が好ましい。
前記第5族元素の酸化物としては、上述のものが例示され、中でも、酸化ニオブが好ましい。酸化ニオブとしては、酸化ニオブ(II)〔NbO〕、酸化ニオブ(IV)〔NbO2〕、酸化ニオブ(V)〔Nb2O5〕等が挙げられ、中でも、酸化ニオブ(V)が好ましい。酸化ニオブ(V)には、ニオブ酸〔Nb2O5・nH2O〕も含まれる。
前記固体酸触媒は、シリカ、アルミナ、ジルコニアからなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいても良く、前記固体酸触媒がシリカ、アルミナおよびジルコニアからなる群より選ばれる少なくとも1種で希釈(物理的な混合でも、)されていてもよく、一方に他方が担持されていてもよい。好ましくはシリカ含有ニオブ酸(シリカに担持、もしくはシリカで希釈したニオブ酸)である。好ましい物理的な混合物としては、ニオブ酸とシリカの混合物である。
前記固体酸触媒が、シリカ、アルミナ、ジルコニアからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する場合、その含有量は固体酸触媒100重量部に対して、1〜10000重量部であり、好ましくは10〜5000重量部である。
本発明の製造方法に用いられる固体塩基触媒とは、表面が塩基性(ルイス塩基、ブレンステッド塩基)を示す固体触媒であり、金属酸化物、金属塩、担持塩基、複合酸化物、ゼオライト、ハイドロタルサイト、塩基性イオン交換樹脂等が例示される。金属酸化物としては、例えば、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化ランタン等が挙げられる。金属塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ルビジウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素セシウム、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭酸水素カルシウム等が挙げられる。担持塩基としては、例えば、第1族金属元素(ナトリウム、カリウム、セシウム等)が担体に担持されてなる触媒、塩基性の金属塩が担体に担持されてなる触媒等が挙げられる。該塩基性の金属塩としては、例えば、第1族金属元素の水酸化物、第1族金属元素の炭酸塩、第1族金属元素の重炭酸塩、第1金属元素のハロゲン化物、第1金属元素のアルコキシド、第1金属元素の硝酸塩、第2族金属元素の水酸化物、第2族金属元素の炭酸塩、第2族金属元素の重炭酸塩、第2族金属元素のハロゲン化物等が挙げられる。第1族金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、水酸化ルビジウム等が挙げられる。第1族金属元素の炭酸塩としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸ルビジウム等が挙げられる。第1族金属元素の重炭酸塩としては、例えば、炭酸水素カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素セシウム等が挙げられる。第1族金属元素のハロゲン化物としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化セシウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化セシウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化セシウム等が挙げられる。第1金属元素のアルコキシドとしては、例えば、ナトリウムメトキシド、カリウムtert−ブトキシド等が挙げられる。第1金属元素の硝酸塩としては、例えば、硝酸ナトリウム、硝酸セシウム、硝酸セシウム等が挙げられる。第2族金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウム等が挙げられる。第2族金属元素の炭酸塩としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等が挙げられる。第2族金属元素の重炭酸塩としては、例えば、炭酸水素カルシウム等が挙げられる。第2金属元素のハロゲン化物としては、例えば、塩化カルシウム等が挙げられる。担持塩基に用いられる担体としては、上述の金属酸化物として例示したものや、ジルコニア、シリカゲル、アルミナ、炭素、チタニア、シリカ−アルミナ、ハイドロタルサイト等が挙げられる。
前記複合酸化物としては、酸化ケイ素−酸化マグネシウム複合酸化物、酸化ケイ素−酸化カルシウム複合酸化物、酸化ケイ素−酸化ストロンチウム複合酸化物等が挙げられる。表面塩基性を示すゼオライト(塩基性ゼオライト)としては、例えば、X型の塩基性ゼオライト、Y型の塩基性ゼオライト等が挙げられる。X型の塩基性ゼオライトとしては、例えば、ナトリウムイオン交換X型ゼオライト、カリウムイオン交換X型ゼオライト、セシウムイオン交換X型ゼオライト等が挙げられる。Y型の塩基性ゼオライトとしては、例えば、ナトリウムイオン交換Y型ゼオライト、カリウムイオン交換Y型ゼオライト、セシウムイオン交換Y型ゼオライト等が挙げられる。
前記固体塩基触媒としては、中でも、第1族金属元素の化合物(例えば、ナトリウム化合物、カリウム化合物、セシウム化合物等)及び第1族金属元素(例えば、ナトリウム、カリウム、セシウム等)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むものが好ましく、第1族金属元素の化合物を含むものがより好ましい。該第1族金属元素の化合物としては、中でも、セシウム化合物が好ましい。セシウム化合物としては、例えば、炭酸セシウム、塩化セシウム、水酸化セシウム、硝酸セシウム等が挙げられる。該第1金属元素としては、中でも、セシウムが好ましい。第1族金属元素の化合物及び第1族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む固体塩基触媒としては、さらに第4族金属元素の化合物(例えば、ジルコニウム化合物、チタン化合物、ハフニウム化合物等)及び第4族金属元素(例えば、ジルコニウム、チタン、ハフニウム等)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むものが好ましい。第1族金属元素の化合物及び第1族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種と、第4族金属元素の化合物及び第4族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種とを含む固体塩基触媒の中でも、第1族金属元素の化合物及び第1族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種と、第4族金属元素の化合物とを含むものが好ましい。ジルコニウム化合物としては、例えば、ジルコニア、炭酸ジルコニウム等が挙げられる。チタン化合物としては、例えば、チタニア等が挙げられる。ハフニウム化合物としては、例えば、酸化ハフニウム等が挙げられる。第4族金属元素の化合物としては、中でも、ジルコニウム化合物が好ましい。
第1族金属元素の化合物及び第1族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種と、第4族金属元素の化合物とを含む固体塩基触媒としては、第1族金属元素の化合物及び第1族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種が第4族金属元素の酸化物に担持されてなるものが好ましい。第4族金属元素の酸化物としては、ジルコニア、チタニア、酸化ハフニウム等が挙げられる。第4族金属元素の酸化物としてジルコニアを使用する場合、該ジルコニアの結晶相は、単斜晶、正方晶、立方晶のいずれかの結晶構造の単一相あるいはそれらの混合相でもよく、非晶質相が含まれていてもよい。
前記ジルコニアは、正方晶や立方晶を常温で安定または準安定化させるための安定化剤を含むことができる。安定化剤としては、CaO、Y2O3、Yb2O3、Gd2O3、Nd2O3、CeO2、MgO、TiO2、Er2O3、Ho2O3、In2O3、Sc2O3等を挙げることができるが、これら酸化物以外にも通常ジルコニアを安定化させることのできる物質であれば特に限定されない。また、これらは単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。その含有量は、通常はジルコニア1モルに対して0.01〜0.1モルである。
第1族金属元素の化合物及び第1族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種が第4族金属元素の酸化物に担持されてなる触媒を使用する場合、該触媒の調製方法としては、例えば、含浸法、共沈法、蒸発乾固法、酸化物混合法、熱分解法、混練法等の公知の方法を適宜採用することができる。具体的には、例えば、以下の(i)、(ii)に示す方法等が挙げられる。
(i)第4族金属元素の酸化物を、第1族金属元素を含む原料化合物と接触処理する方法
(ii)第4族金属元素の酸化物を、第1族金属元素を含む原料化合物と接触処理した後、焼成する方法
(i)第4族金属元素の酸化物を、第1族金属元素を含む原料化合物と接触処理する方法
(ii)第4族金属元素の酸化物を、第1族金属元素を含む原料化合物と接触処理した後、焼成する方法
前記(i)及び(ii)の方法において、第1族金属元素を含む原料化合物としては、例えば、ナトリウム化合物、カリウム化合物、セシウム化合物等が挙げられ、必要に応じて、その水和物を使用してもよいし、また、それらの2種以上を使用してもよい。中でも、セシウム化合物が好ましい。セシウム化合物としては、例えば、炭酸セシウム、塩化セシウム、水酸化セシウム、硝酸セシウム等が挙げられ、中でも、炭酸セシウムが好ましい。
前記(i)及び(ii)の方法において、接触処理としては、例えば、含浸、浸漬等が挙げられる。該接触処理の方法としては、例えば、(A)第4族金属元素の酸化物に、第1族金属元素を含む原料化合物が溶解した溶液を含浸させる方法、(B)第4族金属元素の酸化物を、第1族金属元素を含む原料化合物が溶解した溶液に浸漬させる方法等が挙げられる。該接触処理において、処理時の温度は、通常0〜100℃、好ましくは0〜50℃であり、処理時の圧力は通常0.1〜1MPa、好ましくは大気圧である。また、かかる接触処理は、空気雰囲気下や、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化酸素の如き不活性ガス雰囲気下で行うことができ、この際、水蒸気を含んでいてもよい。
前記(A)及び(B)の方法において、第1族金属元素を含む原料化合物が溶解した溶液の調製に用いられる溶媒としては、使用する第1族金属元素を含む原料化合物に応じて適宜選択されるが、水、アルコール又はこれらの混合物が好ましい。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール等が挙げられる。
前記(i)の方法においては、接触処理後に乾燥することが好ましく、前記(ii)の方法においては、接触処理後、乾燥し、焼成することが好ましい。かかる乾燥の方法としては、従来公知の方法を採用することができ、例えば、蒸発乾固法、噴霧乾燥法、ドラム乾燥法、気流乾燥法など、この分野で通常用いられる方法を採用することができる。前記乾燥は、常圧下、減圧下のいずれでも行うことができ、乾燥温度は、10〜200℃が好ましく、乾燥時間は、1〜40時間が好ましい。かかる乾燥は、空気雰囲気下や、窒素、ヘリウム、アルゴン、二酸化酸素の如き不活性ガス雰囲気下で行うことができ、この際、水蒸気を含んでいてもよい。前記乾燥後、必要に応じて粉砕処理を行ってもよい。
前記(ii)の方法において、焼成の条件は、使用する触媒原料、触媒組成、調製方法等によって適宜設定されるが、酸化性ガス、還元性ガス又は不活性ガス雰囲気下で行うことができ、これらのガス雰囲気下を組み合わせて多段階で行ってもよい。中でも、酸化性ガス又は不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。酸化性ガス、還元性ガス又は不活性ガス雰囲気下での焼成は、ガスを流通させながら行ってもよい。焼成温度は、300〜1000℃が好ましく、より好ましくは400〜800℃である。焼成時間は好ましくは0.5〜30時間、より好ましくは1〜20時間である。酸化性ガスとは、酸化性物質を含むガスであり、例えば酸素含有ガス等が挙げられ、その酸素濃度としては、好ましくは1〜30容量%程度である。この酸素源としては、通常、空気や純酸素が用いられ、必要に応じて不活性ガスや水蒸気で希釈される。酸化性ガスは、中でも、空気が好ましい。前記還元性ガスとは、還元性物質を含むガスであり、例えば水素含有ガス、一酸化炭素含有ガス、炭化水素含有ガス等が挙げられる。その濃度としては、好ましくは1〜50容量%程度であり、例えば、不活性ガスや水蒸気で濃度調整される。還元性ガスは、中でも、水素含有ガス、一酸化炭素含有ガスが好ましい。前記不活性ガスとしては、例えば窒素、ヘリウム、アルゴン等が挙げられ、必要に応じて水蒸気で希釈される。不活性ガスは、中でも、窒素が好ましい。
前記(i)及び(ii)の方法において、第4族金属元素の酸化物の調製時、前記接触処理後、前記乾燥後又は前記焼成後に、成形処理を行ってもよい。かかる成形処理は、公知の方法に基づいて行うことができる。
第1族金属元素の化合物及び第1族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種が第4族金属元素の酸化物に担持されてなる固体塩基触媒を使用する場合、該触媒における第1族金属元素の化合物及び第1族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種の含有量は、固体塩基触媒総量に対して、第1族金属元素の重量として0.1〜30重量%が好ましく、より好ましくは1〜20重量%である。2種以上の第1族金属元素が含まれる場合、第1族金属元素の合計含有量が、固体塩基触媒において上記範囲となればよい。
前記固体酸触媒及び前記固体塩基触媒は、成形体として使用することができる。その形状としては、例えば、球形粒状、円柱状、ペレット状、押出形状、リング形状、ハニカム状あるいは成形後に粉砕分級した適度の大きさの顆粒状等が挙げられる。かかる成形は、公知の方法に基づいて行うことができる。
前記固体酸触媒と前記固体塩基触媒との使用割合は、好ましくは前記固体塩基触媒100重量部に対して、前記固体酸触媒が1〜10000重量部となるように選択され、より好ましくは前記固体塩基触媒100重量部に対して、前記固体酸触媒が1〜1000重量部となるように選択される。前記固体酸触媒と前記固体塩基触媒とは、混合された状態で前記反応に使用されることが好ましい。
前記反応において、反応方式は特に限定されないが、好ましくは連続式である。反応温度は、200〜600℃が好ましく、より好ましくは250〜400℃である。反応圧力は、好ましくは0.1〜10MPaである。例えば、気相条件下に、固定床形式又は流動床形式を採用して前記反応を行うことができる。また、前記反応を行う場合、不活性ガスや酸化性ガスを原料とともに供給してもよい。前記不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム、二酸化炭素等が挙げられる。前記酸化性ガスとしては、空気、酸素等が挙げられる。前記反応を連続式で行う場合、プロピオン酸化合物(I)の供給速度は、触媒1kgあたりの供給速度(kg/h)、すなわち空間速度WHSV(h−1)として、0.01〜100h−1が好ましい。
かくして、メタクリル酸化合物(II)を含む反応混合物を得ることができる。反応後の後処理操作については適宜選択されるが、例えば、必要に応じて濾過やデカンテーション等により反応混合物から前記触媒を分離した後、抽出、蒸留、晶析等の操作を行うことにより、メタクリル酸化合物(II)を分離することができる。
尚、プロピオン酸化合物(I)として、プロピオン酸〔式(I)中、R1が水素原子である化合物〕を使用する場合、上記の炭素数が1〜4のアルコールを存在させて前記反応を行うことにより、メタクリル酸化合物(II)として、メタクリル酸〔式(II)中、R1が水素原子である化合物〕と該アルコールとのエステルであるメタクリル酸アルキルエステル〔式(II)中、R1が炭素数1〜4のアルキル基である化合物〕を得ることができる。また、プロピオン酸化合物(I)として、プロピオン酸アルキルエステル〔式(I)中、R1がアルキル基である化合物〕を使用する場合、メタクリル酸化合物(II)として、メタクリル酸アルキルエステル〔式(II)中、R1がアルキル基である化合物〕が生成するとともに、プロピオン酸アルキルエステルとホルムアルデヒド化合物との反応により副生した水や、該反応に好ましく使用される水の存在により、プロピオン酸アルキルエステル及び/又は該反応による生成物が加水分解され、メタクリル酸が生成し得る。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されるものではない。
参考例1
<セシウム担持ジルコニア触媒の調製>
炭酸セシウム〔Cs2CO3〕1g(3.1ミリモル)を5mLの水に溶解させ、これをα液とした。撹拌機を備えた容器内に、ジルコニア〔ZrO2〕(Chempur Feinchemikalien und Forschungsbedarf GmbH社製、SZ 31152、tetragonal)20gを入れ、室温で撹拌しながら、α液を滴下して加えた。得られた固体を、空気雰囲気下にて常圧下、100℃で一昼夜乾燥させ、得られた固体を、油圧式プレス機を用いて20MPaの圧力をかけてプレスした後、得られた固形物を粉砕し、篩い分けして200μm〜400μmのペレットに成形することにより、触媒(A)〔セシウム担持ジルコニア〕を得た。
参考例2
<80%シリカ含有ニオブ酸触媒の調製>
粉末ニオブ酸(CBMM社製、HY340)5gとシリカゲル(Merck製、シリカゲル60)20gを乳鉢に入れて混合した後、油圧式プレス機を用いて20MPaの圧力をかけてプレスした後、得られた固形物を粉砕し、篩い分けして200μm〜400μmのペレットに成形することにより、触媒(B)〔80%シリカ含有ニオブ酸〕を得た。
参考例3
<超安定化Y型ゼオライト触媒の調製>
超安定化Y型ゼオライト〔USYゼオライト〕(PQ zeolites B.V.社製、Si/Al=30/1[原子比])を、油圧式プレス機を用いて20MPaの圧力をかけてプレスした後、得られた固形物を粉砕し、篩い分けして200μm〜400μmのペレットに成形することにより、触媒(C)超安定化Y型ゼオライト触媒を得た。
<セシウム担持ジルコニア触媒の調製>
炭酸セシウム〔Cs2CO3〕1g(3.1ミリモル)を5mLの水に溶解させ、これをα液とした。撹拌機を備えた容器内に、ジルコニア〔ZrO2〕(Chempur Feinchemikalien und Forschungsbedarf GmbH社製、SZ 31152、tetragonal)20gを入れ、室温で撹拌しながら、α液を滴下して加えた。得られた固体を、空気雰囲気下にて常圧下、100℃で一昼夜乾燥させ、得られた固体を、油圧式プレス機を用いて20MPaの圧力をかけてプレスした後、得られた固形物を粉砕し、篩い分けして200μm〜400μmのペレットに成形することにより、触媒(A)〔セシウム担持ジルコニア〕を得た。
参考例2
<80%シリカ含有ニオブ酸触媒の調製>
粉末ニオブ酸(CBMM社製、HY340)5gとシリカゲル(Merck製、シリカゲル60)20gを乳鉢に入れて混合した後、油圧式プレス機を用いて20MPaの圧力をかけてプレスした後、得られた固形物を粉砕し、篩い分けして200μm〜400μmのペレットに成形することにより、触媒(B)〔80%シリカ含有ニオブ酸〕を得た。
参考例3
<超安定化Y型ゼオライト触媒の調製>
超安定化Y型ゼオライト〔USYゼオライト〕(PQ zeolites B.V.社製、Si/Al=30/1[原子比])を、油圧式プレス機を用いて20MPaの圧力をかけてプレスした後、得られた固形物を粉砕し、篩い分けして200μm〜400μmのペレットに成形することにより、触媒(C)超安定化Y型ゼオライト触媒を得た。
実施例1
<混合触媒の調製>
参考例1で得られた触媒(A)3gと、参考例2で得られた触媒(B)1.67gとを混合し、混合触媒(D)を調製した。
<混合触媒の調製>
参考例1で得られた触媒(A)3gと、参考例2で得られた触媒(B)1.67gとを混合し、混合触媒(D)を調製した。
<触媒の活性試験>
上記で得られた混合触媒(D)4.67gを、内径6mmのステンレス製反応管中に充填して触媒層を形成させ、さらに触媒層の上にガラスビーズを充填して、触媒層とガラスビーズ層を合わせて40cmの長さになるようにした。窒素を75ml/minの速度で供給し、反応管を450℃に加熱して、450℃で3時間保持した後、室温まで冷却した。
上記で得られた混合触媒(D)4.67gを、内径6mmのステンレス製反応管中に充填して触媒層を形成させ、さらに触媒層の上にガラスビーズを充填して、触媒層とガラスビーズ層を合わせて40cmの長さになるようにした。窒素を75ml/minの速度で供給し、反応管を450℃に加熱して、450℃で3時間保持した後、室温まで冷却した。
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/0.021[モル比])を、275℃に加熱した上記の触媒充填済みの反応管の入口から、反応管に1.2ml/hの速度で供給するとともに、窒素を253ml/minの速度で供給し、反応を開始した。反応開始から120分間経過した時点で、反応管出口ガスをガスクロマトグラフィーにより分析して、下記式に基づき、プロピオン酸メチル転化率(%)、メタクリル酸メチル〔式(II)中、R1がメチル基である化合物〕選択率(%)、及びメタクリル酸メチル収率(%)を求めたところ、プロピオン酸メチル転化率は15.6%、メタクリル酸メチル選択率は89%であり、メタクリル酸メチル収率は13.9%であった。
プロピオン酸メチル転化率(%)=〔生成した生成物の合計モル数÷供給したプロピオン酸メチルのモル数〕×100
メタクリル酸メチル選択率(%)=〔生成したメタクリル酸メチルのモル数÷生成した生成物の合計モル数〕×100
メタクリル酸メチル収率(%)=〔プロピオン酸メチル転化率(%)×(メタクリル酸メチル選択率(%)〕÷100
メタクリル酸メチル選択率(%)=〔生成したメタクリル酸メチルのモル数÷生成した生成物の合計モル数〕×100
メタクリル酸メチル収率(%)=〔プロピオン酸メチル転化率(%)×(メタクリル酸メチル選択率(%)〕÷100
実施例2
<触媒の活性試験>
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/0.040[モル比])を供給したこと以外は、実施例1<触媒の活性試験>と同様の方法で活性試験を行った。プロピオン酸メチル転化率は17.0%、メタクリル酸メチル選択率は89%、メタクリル酸メチル収率は15.1%であった。
<触媒の活性試験>
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/0.040[モル比])を供給したこと以外は、実施例1<触媒の活性試験>と同様の方法で活性試験を行った。プロピオン酸メチル転化率は17.0%、メタクリル酸メチル選択率は89%、メタクリル酸メチル収率は15.1%であった。
実施例3
<触媒の活性試験>
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/0.086[モル比])を供給したこと以外は、実施例1<触媒の活性試験>と同様の方法で活性試験を行った。プロピオン酸メチル転化率は16.7%、メタクリル酸メチル選択率は89%、メタクリル酸メチル収率は14.9%であった。
<触媒の活性試験>
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/0.086[モル比])を供給したこと以外は、実施例1<触媒の活性試験>と同様の方法で活性試験を行った。プロピオン酸メチル転化率は16.7%、メタクリル酸メチル選択率は89%、メタクリル酸メチル収率は14.9%であった。
実施例4
<触媒の活性試験>
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/0.23[モル比])を供給したこと以外は、実施例1<触媒の活性試験>と同様の方法で活性試験を行った。プロピオン酸メチル転化率は17.4%、メタクリル酸メチル選択率は90%、メタクリル酸メチル収率は15.7%であった。
<触媒の活性試験>
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/0.23[モル比])を供給したこと以外は、実施例1<触媒の活性試験>と同様の方法で活性試験を行った。プロピオン酸メチル転化率は17.4%、メタクリル酸メチル選択率は90%、メタクリル酸メチル収率は15.7%であった。
実施例5
<触媒の活性試験>
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/1.02[モル比])を供給したこと以外は、実施例1<触媒の活性試験>と同様の方法で活性試験を行った。プロピオン酸メチル転化率は17.8%、メタクリル酸メチル選択率は88%、メタクリル酸メチル収率は15.7%であった。
<触媒の活性試験>
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/1.02[モル比])を供給したこと以外は、実施例1<触媒の活性試験>と同様の方法で活性試験を行った。プロピオン酸メチル転化率は17.8%、メタクリル酸メチル選択率は88%、メタクリル酸メチル収率は15.7%であった。
比較例1
<触媒の活性試験>
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/0.0021[モル比])を供給したこと以外は、実施例1<触媒の活性試験>と同様の方法で活性試験を行った。プロピオン酸メチル転化率は8.1%、メタクリル酸メチル選択率は87%、メタクリル酸メチル収率は7.0%であった。
<触媒の活性試験>
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/0.0021[モル比])を供給したこと以外は、実施例1<触媒の活性試験>と同様の方法で活性試験を行った。プロピオン酸メチル転化率は8.1%、メタクリル酸メチル選択率は87%、メタクリル酸メチル収率は7.0%であった。
比較例2
<触媒の活性試験>
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/4.24[モル比])を供給したこと以外は、実施例1<触媒の活性試験>と同様の方法で活性試験を行った。プロピオン酸メチル転化率は13.9%、メタクリル酸メチル選択率は81%、メタクリル酸メチル収率は11.3%であった。
実施例6
<混合触媒の調製>
参考例1で得られた触媒(A)3.04gと、参考例4で得られた触媒(C)0.31gとを混合し、混合触媒(E)を調製した。
<触媒の活性試験>
上記で得られた混合触媒(E)3.35gとガラスビーズ4.06gを混合した後、内径6mmのステンレス製反応管中に充填して触媒層を形成させ、さらに触媒層の上にガラスビーズを充填して、触媒層とガラスビーズ層を合わせて40cmの長さになるようにした。窒素を75ml/minの速度で供給し、反応管を450℃に加熱して、450℃で3時間保持した後、室温まで冷却した。
<触媒の活性試験>
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/4.24[モル比])を供給したこと以外は、実施例1<触媒の活性試験>と同様の方法で活性試験を行った。プロピオン酸メチル転化率は13.9%、メタクリル酸メチル選択率は81%、メタクリル酸メチル収率は11.3%であった。
実施例6
<混合触媒の調製>
参考例1で得られた触媒(A)3.04gと、参考例4で得られた触媒(C)0.31gとを混合し、混合触媒(E)を調製した。
<触媒の活性試験>
上記で得られた混合触媒(E)3.35gとガラスビーズ4.06gを混合した後、内径6mmのステンレス製反応管中に充填して触媒層を形成させ、さらに触媒層の上にガラスビーズを充填して、触媒層とガラスビーズ層を合わせて40cmの長さになるようにした。窒素を75ml/minの速度で供給し、反応管を450℃に加熱して、450℃で3時間保持した後、室温まで冷却した。
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/0.021[モル比])を、275℃に加熱した上記の触媒充填済みの反応管の入口から、反応管に1.2ml/hの速度で供給するとともに、窒素を253ml/minの速度で供給し、反応を開始した。反応開始から120分間経過した時点で、反応管出口ガスをガスクロマトグラフィーにより分析して、プロピオン酸メチル転化率(%)、メタクリル酸メチル〔式(II)中、R1がメチル基である化合物〕選択率(%)、及びメタクリル酸メチル収率(%)を求めたところ、プロピオン酸メチル転化率は14.3%、メタクリル酸メチル選択率は91%であり、メタクリル酸メチル収率は13.0%であった。
実施例7
<触媒の活性試験>
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/0.11[モル比])を供給したこと以外は、実施例10<触媒の活性試験>と同様の方法で活性試験を行った。プロピオン酸メチル転化率は13.1%、メタクリル酸メチル選択率は89%、メタクリル酸メチル収率は11.7%であった。
実施例8
<触媒の活性試験>
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/0.15[モル比])を供給したこと以外は、実施例10<触媒の活性試験>と同様の方法で活性試験を行った。プロピオン酸メチル転化率は12.5%、メタクリル酸メチル選択率は89%、メタクリル酸メチル収率は11.1%であった。
実施例9
<触媒の活性試験>
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/0.21[モル比])を供給したこと以外は、実施例10<触媒の活性試験>と同様の方法で活性試験を行った。プロピオン酸メチル転化率は13.1%、メタクリル酸メチル選択率は89%、メタクリル酸メチル収率は11.7%であった。
実施例10
<触媒の活性試験>
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/0.42[モル比])を供給したこと以外は、実施例10<触媒の活性試験>と同様の方法で活性試験を行った。プロピオン酸メチル転化率は12.2%、メタクリル酸メチル選択率は89%、メタクリル酸メチル収率は10.9%であった。
実施例7
<触媒の活性試験>
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/0.11[モル比])を供給したこと以外は、実施例10<触媒の活性試験>と同様の方法で活性試験を行った。プロピオン酸メチル転化率は13.1%、メタクリル酸メチル選択率は89%、メタクリル酸メチル収率は11.7%であった。
実施例8
<触媒の活性試験>
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/0.15[モル比])を供給したこと以外は、実施例10<触媒の活性試験>と同様の方法で活性試験を行った。プロピオン酸メチル転化率は12.5%、メタクリル酸メチル選択率は89%、メタクリル酸メチル収率は11.1%であった。
実施例9
<触媒の活性試験>
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/0.21[モル比])を供給したこと以外は、実施例10<触媒の活性試験>と同様の方法で活性試験を行った。プロピオン酸メチル転化率は13.1%、メタクリル酸メチル選択率は89%、メタクリル酸メチル収率は11.7%であった。
実施例10
<触媒の活性試験>
プロピオン酸メチル〔式(I)中、R1がメチル基である化合物〕、メチラール、メタノール及び水の混合溶液(プロピオン酸メチル/メチラール/メタノール/水=2/1/4/0.42[モル比])を供給したこと以外は、実施例10<触媒の活性試験>と同様の方法で活性試験を行った。プロピオン酸メチル転化率は12.2%、メタクリル酸メチル選択率は89%、メタクリル酸メチル収率は10.9%であった。
Claims (12)
- ホルムアルデヒド化合物1モルに対して、0.01〜1.5モルの水を反応系に供給することを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
- 前記ホルムアルデヒド化合物がホルムアルデヒドアセタールである請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記ホルムアルデヒド化合物がメチラールである請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記固体酸触媒が、第5族元素の酸化物である請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
- 前記第5族元素がニオブである請求項5に記載の製造方法。
- 前記固体酸触媒がニオブ酸である請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法。
- 前記固体酸触媒が、シリカ、アルミナおよびジルコニアからなる群より選ばれる少なくとも1種に担持されているかあるいは希釈されている固体酸触媒である請求項1〜7のいずれかに記載の製造方法。
- 前記固体酸触媒が、ニオブ酸であって、シリカに担持されているかあるいはシリカで希釈されている固体酸触媒である請求項8に記載の製造方法。
- 前記固体塩基触媒が、第1族金属元素の化合物および第1族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む固体塩基触媒である請求項1〜9のいずれかに記載の製造方法。
- 前記固体塩基触媒が、さらに第4族金属元素の化合物及び第4族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む固体塩基触媒である請求項10に記載の製造方法。
- 前記固体塩基触媒が、第1族金属元素の化合物及び第1族金属元素からなる群より選ばれる少なくとも1種であって、第4族金属元素の酸化物に担持されてなる固体塩基触媒である請求項1〜11のいずれかに記載の製造方法。
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JP2014194869A JP2016065015A (ja) | 2014-09-25 | 2014-09-25 | メタクリル酸化合物の製造方法 |
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CN114478254A (zh) * | 2020-10-23 | 2022-05-13 | 中国石油化工股份有限公司 | 一种复合催化剂床层及制备丙烯酸甲酯的方法及应用 |
-
2014
- 2014-09-25 JP JP2014194869A patent/JP2016065015A/ja active Pending
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