JP2016056533A - 建物 - Google Patents

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基実 高木
Motomi Takagi
基実 高木
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Abstract

【課題】居室が夏季に昇温してしまうことを防止するとともに、その居室の冷房効率を高めることを提供する。
【解決手段】屋外の南に面する居室3を備える建物1が、居室3の東側に隣接する東側屋内空間11と、居室3の西側に隣接する西側屋内空間6と、居室3と東側屋内空間11との間の境界に設けられ、その境界を開閉する第一建具2uと、居室3と西側屋内空間6との間の境界に設けられ、その境界を開閉する第二建具8と、を備え、第一開口部11aが西側屋内空間6と東側屋内空間11のうち一方の屋内空間11の南面に設けられ、第二開口部2fが一方の屋内空間11の北面に設けられ、西側屋内空間6と東側屋内空間11のうち他方の屋内空間6が上階までの吹き抜けであり、第三開口部2rが他方の屋内空間6の壁に設けられ、開閉可能なトップライトが他方の屋内空間6の上部の吹き抜け部に設けられている。
【選択図】図2

Description

本発明は建物に関する。
特許文献1には、二階建ての住宅が開示されている。建物の1階の南部が壁によって三つの領域に区画されており、それら三つの領域のうち東側の区画にリビングルームが設けられ、中央の区画に居間及びキッチンが設けられ、西側の区画に和室及び廊下が設けられている。リビングルームは東側の区画全体を占めている。キッチンは中央の区画の北部を占め、居間は中央の区画の南部を占める。和室は西側の区画の北西部を占めるとともに、矩形状に設けられ、廊下は西側の区画の南部から東部にかけて占めるとともに、L字状に形作られている。居間の西側の壁に出入口が設けられて、その出入口によって居間と廊下の間を行き来することができ、居間の東側の壁に出入口が設けられ、その出入口によって居間とリビングルームの間を行き来することができる。更にキッチンの西側の壁に出入口が設けられ、その出入口によってキッチンと廊下の間を行き来することができる。また、東側、中央及び西側の何れの区画の南面にも窓が設けられている。
特許第3814101号公報
ところで、特許文献1に記載の技術では、夏季の朝日と西日の時間が長く、東側区画のリビングルーム及び西側区画の和室・廊下が長時間日に当たるので、東側区画のリビングルーム及び西側区画の和室・廊下の温度が上昇してしまう。そのため、中央区画のキッチン・居間の温度が昇温してしまい、中央区画の冷房効率が低下してしまう。
そこで、本発明の目的は、居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する居室が夏季に昇温してしまうことを防止するとともに、その居室の冷房効率を高めることである。
上記課題を解決するための請求項1に係る発明は、例えば図1〜図6に示すように、南側の屋外に面する居室3を備える建物1において、前記居室3の東側に隣接し、南側及び東側の屋外に面する東側屋内空間(例えば玄関11)と、前記居室3の西側に隣接し、南側及び西側の屋外に面する西側屋内空間(例えば廊下6)と、前記居室3と前記東側屋内空間11との間の境界に設けられ、その境界を開閉する第一建具(例えば引戸2u)と、前記居室3と前記西側屋内空間6との間の境界に設けられ、その境界を開閉する第二建具(例えば引戸8)と、を備え、前記西側屋内空間6と前記東側屋内空間11のうち一方の屋内空間11から屋外に通じた第一開口部(例えば玄関扉11a)が前記一方の屋内空間11の南面に設けられ、前記一方の屋内空間11から屋外に通じた第二開口部2fが前記一方の屋内空間11の北面に設けられ、前記西側屋内空間6と前記東側屋内空間11のうち他方の屋内空間6が上階までの吹き抜けであり、前記他方の屋内空間6から屋外に通じた第三開口部2rが前記他方の屋内空間6の壁に設けられ、開閉可能なトップライト6bが前記他方の屋内空間6の上部の吹き抜け部に設けられていることを特徴とする建物1である。
請求項1に係る発明によれば、第一建具2uを閉じれば、東側屋内空間11と居室3を仕切ることができ、東側屋内空間11を屋外からの断熱空間として利用することができる。第二建具8を閉じた場合も、西側屋内空間6を断熱空間として利用することができる。そのため、夏季の朝日や西日によって居室3の室温が上昇してしまうことを抑えることができる。
そして、第一開口部11aから第二開口部2fに向かう気流又はその逆の気流によって、一方の屋内空間11の昇温を抑えることができる。その際に居室3を冷房していれば、居室3の冷房の効率を高めることができる。
トップライト6bを開くと、第三開口部2rからトップライト6bに向かう気流によって、他方の屋内空間6の昇温を抑えることができる。その際に居室3を冷房していれば、居室3の冷房の効率を高めることができる。
第一建具2u及び第二建具8を開けば、東側屋内空間11と西側屋内空間6を通じて居室3の換気を行うことができる。例えば、第一開口部又は第二開口部から一方の屋内空間11、居室3及び他方の屋内空間6を経由してトップライト6b又は第三開口部2rに向かう気流又はその逆気流によって、居室3の換気を行うことができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の建物1において、前記第一建具2uと前記第二建具8の一方又は両方が可動ルーバー型の建具であることを特徴とする建物1である。
請求項2に係る発明によれば、第一建具2uが可動ルーバー型の建具であるので、そのルーバーを動かすことによって、東側屋内空間11と居室3の通気性を調整することができる。
第二建具8が可動ルーバー型の建具であるので、そのルーバーを動かすことによって、西側屋内空間6と居室3の通気性を調整することができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の建物1において、前記他方の屋内空間6に設けられ、前記他方の屋内空間6の床から上階まで上りに設けられたストリップ階段5を更に備えることを特徴とする建物1である。
請求項3に係る発明によれば、ストリップ階段5を用いたので、階段5の下のスペースにも通気性が確保される。更に、第二建具8を開けば、ストリップ階段5の下側の空間を通じて他方の屋内空間6と居室3の通気性を確保することができる。
請求項4に係る発明は、請求項1から3の何れか一項に記載の建物1において、前記居室3の南面に設けられた第四開口部2hの前記屋外側に設けられ、前記第四開口部2hを開閉する第三建具(例えば掃出窓2i)と、前記第四開口部2hの前記居室3側に設けられ、前記第四開口部2hを開閉する第四建具(例えば引戸t)と、を更に備えることを特徴とする建物1である。
請求項4に係る発明によれば、第三建具2iと第四建具2kの両方を開けば、居室3の換気等を行うことができる。
第三建具2iと第四建具2kの両方を閉じれば、第三建具2iと第四建具2kの間の空間を居室3及び屋外の両方から仕切ることができる。そのため、居室3の冷暖房効率が向上する。
第三建具2iを開いて、第四建具2kを閉じれば、第三建具2iと第四建具2kの間の空間を屋外に開放しつつ、その空間を居室3から仕切ることができる。
第三建具2iを閉じて、第四建具2kを開けば、第三建具2iと第四建具2kの間の空間を屋外から仕切りつつ、その空間を居室3に開放することができる。
請求項5に係る発明は、請求項1から4の何れか一項に記載の建物1において、前記一方の屋内空間11が上階までの吹き抜けであり、開閉可能な第二トップライトが前記一方の屋内空間11の上部の吹き抜け部に設けられていることを特徴とする建物1である。
請求項5に係る発明によれば、第二トップライトを開くと、第一開口部11a及び第二開口部2fから第二トップライトに向かう気流によって、一方の屋内空間11の昇温を抑えることができる。その際に居室3を冷房していれば、居室3の冷房の効率を高めることができる。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の建物1において、前記一方の屋内空間11の上部の吹き抜け部の南面に第五開口部25iが設けられ、前記一方の屋内空間11の上に設けられた屋根30の軒先32と前記第五開口部25iの上縁を結ぶ面の仰角が冬至の正午の日照角度に等しく、前記軒先32と前記第五開口部25iの下縁を結ぶ面の仰角が夏至の正午の日照角度に等しいことを特徴とする建物1である。
請求項6に係る発明によれば、夏季には、太陽光が第五開口部25iを通じて一方の屋内空間11に入射しづらく、一方の屋内空間11が昇温し過ぎることを抑えることができる。一方、冬季には、第五開口部25iを通じて太陽光を一方の屋内空間11に採光しやすく、一方の屋内空間11を太陽光によって暖めることができる。
本発明によれば、第一建具や第二建具を閉じれば、東側屋内空間や西側屋内空間が断熱空間となり、それゆえ、夏季の朝日や西日によって居室の室温が上昇してしまうことを抑えることができる。
第一開口部から第二開口部に向かう気流又はその逆の気流によって、一方の屋内空間の昇温を抑えることができ、居室の冷房の効率を高めることができる。
トップライトを開くと、第三開口部からトップライトに向かう気流によって、他方の屋内空間の昇温を抑えることができ、居室の冷房の効率を高めることができる。
建物の南面の正面図である。 建物の一階の平面図である。 建物の二階の平面図である。 建物の二階のロフト部分の平面図である。 図1のV−Vに沿った面の断面図である。 図1のVI−VIに沿った面の断面図である。
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているので、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1は住宅等の建物1の南面を示した正面図である。図2は住宅等の建物1の一階の平面図であり、図3はその建物1の二階の平面図であり、図4はその建物1の二階のロフトの上から見て示した二階の平面図である。図5は図1に示すVI−VI線に沿った面を矢印方向に向かって見て示した断面図である。図2〜図4に示す方位は、建物1が北半球(特に日本国内)に建設された場合の方位である。建物1は、スキップフロア構造を有する二階建ての住宅である。
図2に示すように、建物1の一階の略中央に、上から投影視して平面四角形状の領域19が配置されている。当該平面四角形状の領域19の周囲に周壁2が設けられ、領域19が周壁2によって囲まれている。周壁2が内壁及び外壁からなり、その平面四角形状の領域19の南側及び西側が屋外であり、その領域19の北側が屋外であり、その領域19の東側の南部が屋内であり、その領域19の東側の北部が屋外である。周壁2のうち南側の壁2aがダブルグリッドにより設計されたものであり、その南側の壁2aが周壁2の東側の壁2b、北側の壁2c及び西側の壁2dよりも厚くなっている。また、この壁2aは、建物1の東面、北面及び西面の外壁よりも厚く設けられている。更に、この壁2aは、建物1の二階の東西南北の外壁よりも厚く設けられている。
平面四角形状の領域19内(周壁2の内側)には、居室3、サニタリールーム4、階段5、廊下6、クローゼット7、引戸8、壁9及び通路10が設けられている。
壁9は周壁2の南側の壁2aと北側の壁2cとの間においてこれらの壁2a,2cに対して平行に設けられ、平面四角形状の領域19が壁9によって南北に仕切られている。壁9が北側の壁2c寄りに配置されており、平面四角形状の領域19のうち壁9よりも南側の領域が北側の領域よりも広い。壁9よりも北側の領域には、サニタリールーム4、クローゼット7及び通路10が設けられている。
壁9の西側部位には開口部9aが設けられ、その開口部9aが通路10に通じる。周壁2の北側の壁2cの西側部位には開口部2eが設けられ、その開口部2eが通路10に通じる。この通路10は開口部9aから開口部2eまで南北に延びる。
クローゼット7が通路10の西側に配置され、サニタリールーム4が通路10の東側に配置されている。クローゼット7の扉は通路10に面する。
サニタリールーム4は、平面四角形状の領域19の北東の角部に配置された水廻り室である。サニタリールーム4の北西の角部には、壁によって囲われた便所4aが設けられている。サニタリールーム4のうち便所4aの南側の領域が東西に延びる通路4bとなっており、その通路4bの西側が通路10に通じる。便所4aの出入口は通路4bに面している。サニタリールーム4のうち便所4a及び通路4bの東側の領域には、洗面所、脱衣所及び浴室を兼ねたバスルーム4cが配置されている。このバスルーム4cと便所4aと通路4bは床続きであり、バスルーム4cの床と便所4aの床と通路4bの床が同じ模様・材質の床材によって統一感を有する。通路4bとバスルーム4cが連続的な空間となっている。なお、通路4bとバスルーム4cとの境界の開口には目隠し(例えば、扉、ブラインド、カーテン)が設けられていてもよい。
バスルーム4cのうち西側の領域であって北側の壁2cには、洗面台4dが設置されている。バスルーム4cのうち東側の領域にはバスタブ4eが設置されている。このバスタブ4eは東側の壁2bに隣接する。上から投影視すると、バスタブ4eの南北方向の長さがバスタブ4eの東西方向の長さよりも長い。主に、入浴者は北向きになってバスタブ4eに浸かり、頭を南側にして、脚を北側へ伸ばす。
周壁2の北側の壁2cのうち東側の部位(洗面台4dよりも東側の部位)には、開口部2fが設けられ、その開口部2fに掃出窓2gが設けられている。バスタブ4eはその掃出窓2gの南側に設置されている。そのため、バスタブ4eに浸かる入浴者は掃出窓2gを通じてバスルーム4cの外を眺めることができる。
壁9よりも南側の領域には、居室3、階段5及び廊下6が設けられている。廊下6はクローゼット7の南側に配置され、居室3はサニタリールーム4及び通路10の南側に配置され、廊下6が居室3の西側に配置されている。通路10は居室3の北面の最も西側から北へ延びる。
居室3は、リビングダイニングルーム3aとキッチンルーム3bの機能を一室に併存させた部屋である。キッチンルーム3bは居室3のうち東北の領域であり、リビングダイニングルーム3aは居室3の残りの領域である。リビングダイニングルーム3aとキッチンルーム3bは、壁によって仕切られておらず、空間的に連続している。
リビングダイニングルーム3aは、居住者が食事をするための空間、居住者が寛ぐための寛ぎ空間、居住者が籠るための籠り空間、居住者が運動を行うためのフィットネススペース等として利用されることが想定されている。
居室3の北西の領域には、流し台3c及びダイニングテーブル3dが配置されている。流し台3cは周壁2及び壁9から離れている。ダイニングテーブル3dは、流し台3cの東側から南側にかけて流し台3cに隣接するように設けられている。流し台3c及びダイニングテーブル3dの東側には、リビングダイニングルーム3aとしての大きな空間が確保されている。
居室3には作業台3eが設けられている。この作業台3eは壁9に沿って設けられ、作業台3eの下には収納棚が設けられている。作業台3eの東側部位の上方には、カップボードが配置されており、そのカップボードは壁9に設置されている。作業台3eの西側部位には、コンロ3fが設けられている。コンロ3fと流し台3cが南北に対向し、コンロ3fと流し台3cの間のスペースがキッチンルーム3bの作業スペースとなる。
壁9には、開口部9bが設けられている。この開口部9bはコンロ3fよりも東側に配置され、カップボードよりも西側に配置されている。この開口部9bには、輻射式空調機の輻射式熱交換器9cが開口部9bに設けられている。暖房時には、高温の熱媒体が輻射式熱交換器9cに供給されることによって、輻射式熱交換器9cから居室3及びサニタリールーム4に放熱される。一方、冷房時には、低温の熱媒体が輻射式熱交換器9cに供給されることによって、居室3及びサニタリールーム4から輻射式熱交換器9cに吸熱される。ここで、輻射式熱交換器9cから居室3及びサニタリールーム4に向けた強制対流(ファンによる送風)は発生せず、居室3及びサニタリールーム4の空間と輻射式熱交換器9cとの間の熱交換は輻射によって行われる。
また、輻射式熱交換器9cにスリット、穴又は隙間等の通気路が設けられており、その通気路が居室3側からサニタリールーム4側へ通じるように設けられ、その通気路及び開口部9bを通じて居室3とサニタリールーム4の通気性が確保される。居室3とサニタリールーム4の通気性が確保されることによって、居室3の温度及び湿度とサニタリールーム4の温度及び湿度を均一にすることができる。
なお、輻射式熱交換器9cに加えて戸を開口部9bに設置してもよい。そうすると、その戸を閉じれば、居室3とサニタリールーム4の通気性を低下させることができ、その戸を開けば、居室3とサニタリールーム4の通気性を高めることができる。
周壁2のうち南側の壁2aがダブルグリッド壁である。南側の壁2aの西側部位であって居室3に面する部位には、屋外に通じる開口部2hが設けられている。この開口部2hには、掃出窓2i、カウンター2j及び引戸2kが設置されている。より具体的には、掃出窓2gが壁2aの外面に沿って開口部2hに設けられ、引戸2kが壁2aの内面に沿って開口部2hに設けられ、カウンター2jが掃出窓2gと引戸2kとの間において開口部2hに設けられている。従って、居室3側から見ると、引戸2kを閉じることによってカウンター2jが引戸2kの裏側に隠れる。
引戸2kと掃出窓2gの両方を開けば、居室3の換気等を行うことができる。また、引戸2kと掃出窓2gの両方を閉じれば、引戸2kと掃出窓2gの間の空間を居室3及び屋外の両方から仕切ることができる。引戸2kを閉じて、掃出窓2gを開けば、引戸2kと掃出窓2gの間の空間を屋外に開放しつつ、その空間を居室3から仕切ることができる。引戸2kを開いて、掃出窓2gを閉じれば、引戸2kと掃出窓2gの間の空間を屋外から仕切りつつ、その空間を居室3に開放することができる。このように、引戸2kと掃出窓2gの開閉によって、カウンター2jを屋外に露出したり、屋外遮断したりすることができるとともに、採光や通気の調整も行うことができる。
壁2aには、パイプスペース2m、棚2n及びクローゼット2pが設けられている。パイプスペース2mが開口部2hの東側に隣接し、棚2nがパイプスペース2mの東側に隣接し、クローゼット2pが棚2nの東側に隣接する。パイプスペース2m、棚2n及びクローゼット2pは居室3の南側に面する。更に、壁2aには、パイプスペース2qが設けられている。このパイプスペース2qは開口部2hの西側に隣接するととともに、廊下6の南側に面する。
居室3の西側及び東側には、居室でない屋内空間が配置されている。つまり、居室でない廊下6が居室3の西側に配置され、居室でない玄関11が居室3の東側に配置されている。
廊下6は平面四角形状の領域19のうち西側の端部の領域である。この廊下6は南北に延びる。
周壁2のうち西側の壁2dの南側部位(廊下6の西側の壁)には、開口部2rが設けられている。この開口部2rには、掃出窓2sが設けられている。西側の壁2dの掃出窓2sの上にも、窓(はめ殺し窓、外開き窓、内倒し窓、滑り出し窓、折り畳み窓、上げ下げ窓、回転窓、ルーバー窓)が設けられている。
廊下6上には階段5が設置されている。この階段5は、廊下6の中央部から北に向かって上り、クローゼット7の上のホール21の西側部位に至る直階段である。この階段5はストリップ階段であって、且つ力桁階段である。階段5の下には、廊下6の一部となるスペースが形成されている。階段5がストリップ階段であるので、階段5の下のスペースにも通気性が確保される。
この廊下6の上は吹き抜けとなっている。廊下6の天井には、シーリングファン6aが取り付けられている。また、廊下6の天井又はその近傍には、開閉可能なトップライト6bが設けられている。シーリングファン6aはトップライト6bの近傍に配置されている。ここで、トップライト6bとは、高窓又は天窓のことをいう。トップライト6bが天窓である場合には、トップライト6bが廊下6の吹き抜けの天井に設けられ、トップライト6bが高窓である場合には、トップライト6bが後述の外壁43(図5参照)に設けられている。
廊下6と居室3の境界には、建具としての複数枚の引戸8が設けられている。引戸8のスライド範囲は南側の壁2a(居室3の南端)から壁9(居室3の北端)にかけてである。引戸8を必要に応じてスライドさせることによって、廊下6を居室3に開放したり、廊下6と居室3を引戸8によって仕切ったりすることができる。引戸8は可動ルーバー型の引戸であるので、そのルーバーの角度を調整することによって廊下6と居室3の通気性を調整することができるとともに、採光性も調整することができる。
引戸8の上の小壁(その小壁は廊下6と居室3を区切る)にも、はめ殺し窓タイプの採光窓が設けられている。従って、引戸8を閉じても、掃出窓2sの上の窓及び引戸8の上の採光窓を通じて居室3に採光することができる。
東側の壁2bのうち壁9よりも南側の部位には、開口部2tが設けられている。この開口部2tには、建具としての複数枚の引戸2uが設けられている。引戸2uのスライド範囲は南側の壁2a(居室3の南端)から壁9(居室3の北端)にかけてである。
引戸2uは可動ルーバー型の引戸である。そのため、そのルーバーの角度を調整することによって玄関11と居室3の通気性を調整することができるとともに、採光性も調整することができる。
居室3の東側には、玄関11が設けられている。玄関11の南側には開口部が設けられ、その開口部に玄関11の扉11aが設けられている。その玄関扉11aは居室3の南側の壁2aの外面よりも北側に奥まった位置に設けられている。玄関扉11aの外側にポーチ11bが広がっており、玄関扉11aの内側に土間11cが広がっている。玄関ポーチ11bの床面と玄関土間11cの床面は高さが揃っており、玄関ポーチ11bと玄関土間11cは玄関扉11aを通じて床続きに設けられている。また、玄関ポーチ11bの床と玄関土間11cの床は同じ模様・材質の床材によって統一感を有する。
玄関ポーチ11bの東側には収納庫11dが設けられており、その収納庫11dの扉は建物1の東面に設けられている。玄関土間11cの東側に収納庫(下駄箱)11eが設けられており、その収納庫11eの扉は玄関土間11cの東側の壁に設けられている。
玄関11の北側の壁11hに開口部11fが設けられ、その開口部11fには、折り畳み型の掃出窓11gが設けられている。
玄関土間11cが居室3の東側に隣接しており、居室3が開口部2tを通じて玄関土間11cに通じている。玄関土間11cの北端と居室3の北端が揃っており、開口部2tの幅は玄関土間11cの奥行き(南北の長さ)に等しい。そのため、引戸2uを開けば、居室3と玄関土間11cとの間には往来の障害となる壁がなく、玄関土間11cは開口部2tを介して居室3と行き来自在に連通された状態となっている。居室3の床面は玄関土間11cの床面よりも高い位置に設けられ、居室3の床面と玄関土間11cの床面の間に段差がある。以上のような居室3と玄関11の空間的配置は、玄関土間11c側から居室3を見ると居室3が広く見えるという効果をもたらす上、来訪者が居室3の東の縁に腰をかけることができるという効果をもたらす。
玄関11の北側には、裏庭12が配置されている。裏庭12の東側に壁12aが立設され、その壁12aによって裏庭12とその東側の空間が仕切られ、裏庭12が壁12aの西側に隠れる。なお、壁12aを柵に代えてもよい。
裏庭12の北側と上方は開放されている。裏庭12の南側が開口部11fによって玄関土間11cに通じている。玄関土間11cの床面と裏庭12の床面は高さが揃っており、玄関土間11cと裏庭12は掃出窓11gを通じて床続きに設けられている。玄関土間11cの床と裏庭12の床は同じ模様・材質の床材によって統一感を有する。
裏庭12がサニタリールーム4の東側に隣接し、周壁2の東側の壁2bの北側の部位(この部位は建物1の外壁となる。)によって裏庭12とサニタリールーム4が東西に仕切られている。
建物1の北側部位にはテラス13、居室14及び居室15が設けられている。
テラス13は、裏庭12の西側に配置されている。このテラス13は建物1の躯体(構造体)の内側に設けられたものであるが、屋外空間である。つまり、テラス13の北側は建物1の北面の外壁によって閉塞されており、周壁2の東側の壁2bを北側へ延長した部分には外壁が設けられておらず、その領域には開口部13aが形成され、テラス13が開口部13aを通じて裏庭12に通じている。テラス13の床面は裏庭12の床面よりも高い位置に設けられ、テラス13の床面と裏庭12の床面の間に段差がある。
テラス13がサニタリールーム4の東部の北側に隣接し、テラス13とサニタリールーム4の境界には開口部2f及び掃出窓2gが設けられている。従って、掃出窓2gを通じてテラス13とサニタリールーム4の間を行き来することができる。また、バスタブ4eは掃出窓2gを通じてテラス13とサニタリールーム4との間をスライドするように設けられている。従って、掃出窓2gを開いて、バスタブ4eをサニタリールーム4からテラス13に引き出せば、バスタブ4eが開口部13aを通じて裏庭12に臨み、バスタブ4eを露天風呂のようにすることができる。そのため、屋外から玄関11及び掃出窓11gを通って裏庭12まで移動して、バスタブ4eに浸かることができる。また、バスタブ4eがテラス13に出ても、バスタブ4eが壁12aの裏に隠れるので、プライバシーを保護することができる。
居室14がテラス13の西側に隣接し、居室14の東側の壁には開口部14aが形成され、その開口部14aには掃出窓14bが設けられている。従って、屋外から玄関11及び掃出窓11gを通って裏庭12まで移動して、居室14に入ることができる。居室14は寝室として利用されることが想定されている。
居室14の北西の角部には、壁によって囲まれたクローゼット14cが設けられている。クローゼット14cの南側の壁が開口部2eの正面に配置された状態となっている。従って、居室3から居室14へ向かって通路10を通過すると、クローゼット14cの南側の壁に突き当たり、その突き当たりから東に向かって居室14の奥へ進む。そのため、開口部9a及び開口部2eは開け放たれた状態になっているものの、居室3からの視線は居室14の奥までは届きにくくなっており、プライバシーの確保を図ることができる。
居室14の西側には、居室15が配置されている。居室15の出入口は居室15の東側の壁の南側の部位にあり、居室15からその出入口を通って開口部2eの北側に出ることができる。居室14及び居室15の北側の壁が建物1の北面の外壁である。その外壁には、横開き窓(外開き窓)14d,15dが設けられている。横開き窓14dは居室14の北側の壁の西側部位にあり、横開き窓15dは居室15の北側の壁の東側部位にあり、クローゼット14cの北側の壁が横開き窓14dと横開き窓15dの間にある。なお、横開き窓14d,15dを縦すべり出し窓に代えてもよく、後述の横開き窓22b,25mについても同様である。
居室15の南側にクローゼット7が配置されているが、その居室15はクローゼット7の西端(周壁2の西側の壁2d)よりも西側に張り出している。居室15の南側の壁には開口部15aが設けられ、その開口部15aには掃出窓15bが設けられている。居室15の南側であってクローゼット7の西側には、木陰スペース16が配置されている。木陰スペース16の床の北部にはデッキ16aが設けられ、その床の南部には水盤16bが設けられている。居室15の西側の外壁は居室15の南端よりも西側に延長するように設けられ,木陰スペース16の西側がその壁によって閉塞されている。木陰スペース16の南側は開放されている。
外気の温度及び湿度が快適である場合、建物1の一階の窓を適宜開けることによって、居室3の換気を行って、居室3の温度及び湿度を快適にすることができる。例えば、掃出窓2i、引戸2k及び横開き窓14dを開けば、南風又は北風によって居室3及び居室14の換気を効率よく行うことができる。掃出窓2s、引戸8、引戸2u及び掃出窓11g(掃出窓11gの代わりに玄関扉11aでもよい)を開けば、居室3の換気を効率よく行うことができる。
外気が居室3を冷房しない程度の暖かさである場合、建物1の東の外壁が東から日射によって加熱されるときには、掃出窓11g及び玄関扉11aを開くと、北風又は南風が玄関11を通り抜けることで、玄関11の温度が上昇することを防止することができる。これにより、居室3の温度が上昇することを防止することができ、居室3に居る者にとって快適性が保たれる。
夏季の朝方、建物1の東面が東からの日射に長時間当たる。そのような場合、建物1の東の外壁が日射によって加熱される。建物1の東の外壁と居室3との間には玄関11の空間があり、引戸2uを閉じれば、玄関11の空間と居室3の空間が隔離される。そして、玄関11の空間が断熱空間として機能し、居室3の温度が短時間で上昇することを防止することができる。また、居室3を冷房している場合も、玄関11の空間が断熱空間として機能するため、居室3の冷房効率の低下を防止することができる。
夏季の昼間等において玄関11の温度が外気温よりも高くなった場合、掃出窓11g及び玄関扉11aを開くと、北風又は南風が玄関11を通り抜けるので、玄関11の温度が低下する。その際に居室3を冷房していれば、玄関11の温度が低下することによって、玄関11の温度が居室3の温度に近づくよう低下して、居室3の空間と外気が玄関11の空間によって断熱されやすくなる。玄関11の降温後に掃出窓11g及び玄関扉11aを閉じて玄関11を密閉すれば、玄関11の対流による居室3の冷房効率の低減を抑えることができる。
夏季の昼過ぎ、建物1の西面が西からの日射に長時間当たる。そのような場合でも、引戸8を閉じれば、廊下6の空間が断熱空間として機能し、居室3の温度が短時間で上昇することを防止することができるとともに、居室3の冷房効率の低下を防止することができる。
廊下6の温度が外気温よりも高くなった場合、掃出窓2s及びトップライト6bを開いた上で、シーリングファン6aによって上昇気流を発生させると、廊下6の空気がトップライト6bを通って排気され、廊下6の熱も廃熱される。その際に居室3を冷房していれば、廊下6の降温によって、居室3の空間と外気が廊下6の空間によって断熱されやすくなる。よって、居室3の冷房効率の低減を抑えることができる。
冬季等に居室3を暖房している場合、引戸2u、掃出窓11g及び玄関扉11aを閉じて、玄関11の空間が断熱空間として機能する。そのため、居室3の暖房効率の低下を防止することができる。同様に、掃出窓2s及びトップライト6bを閉じて、シーリングファン6aを止めれば、廊下6に強制対流が起きないので、廊下6の空間が断熱空間として機能する。よって、居室3の暖房効率の低下を抑えることができる。
図2及び図3に示すように、建物1の二階には、ホール21、部屋22、部屋23、収納室24、部屋25、バルコニー26及びロフト27等が設けられている。
ホール21は、階段5の登り切った位置から東側に延びる。このホール21は、一階のサニタリールーム4の西側部位、クローゼット7及び通路10の上に配置されている。
部屋22はホール21の東側に配置されている。部屋22はサニタリールーム4の東側部位、居室14の東側部位及びテラス13の上に配置されている。部屋22の出入口22aはホール21の東側の突き当たりに設けられている。部屋22の東側の壁には、横開き窓22bが設けられている。
部屋23はホール21の北側に配置されているとともに、部屋22の北側部位の西側に配置されている。部屋23は居室14の西側部位の上に配置されている。この部屋23の出入口23aはこの部屋23の南側の壁の西側部位に設けられ、その出入口23aがホール21の北面にある。部屋23の天井には、天窓23bが設けられている。
収納室24は部屋23の西側に配置されているとともに、階段5を上り切った位置の北側に配置されている。収納室24の天井高はホール21、部屋22、部屋23及び部屋25の天井高よりも低い。例えば、収納室24の天井高は0.8〜1.4mの範囲の所定値に設定されている。収納室24の天井高が0.8〜1.4mであると、人が収納室24内において何とか作業ができるとともに、建物1の高さが高くなることによって隣接する建物に及ぼす日照減少等の影響を極力少なくすることができる。この収納室24の出入口24bが収納室24の南側の壁の東側部位に設けられ、その出入口24bがホール21の北面にある。収納室24は居室15の上に配置されている。収納室24の西側の壁には、窓24aが設けられている。
ホール21、部屋22、部屋23及び収納室24は床面の高さが等しい。
収納室24の上にロフト27が配置され、ロフト27と収納室24が収納室24の天井(ロフト27の床)によって区切られている。従って、ロフト27の床面の高さはホール21、部屋22、部屋23及び収納室24の床面の高さよりも高い。ロフト27の西側の壁には、窓27aが設けられている。
ホール21の西側には、ホール21の西側の突き当たりから西側に向かってロフト27の階にまで上りの階段28が設けられている。この階段28の北側に収納室24及びロフト27が配置され、この階段28の南側にバルコニー26が配置されている。ロフト27の南側が開放されており、階段28を上ってロフト27に進入することができる。なお、ロフト27の南面の開口のうち東側の部位が壁又はガラス板等によって塞がれており、階段28を上り切った位置の北側にロフト27の出入口が設けられていてもよい。
バルコニー26はホール21の西側に配置されている。階段28を上り切った位置の南側の壁にバルコニー26の出入口26aが設けられている。このバルコニー26は木陰スペース16の上に配置されている。
ホール21及び部屋22の南側には、部屋25が配置されている。この部屋25は居室3及び玄関11の上に配置されている。部屋25の床面は、ホール21、部屋22、部屋23及び収納室24の床面よりも高い位置に設けられているとともに、ロフト27の床面よりも低い位置に設けられている。ホール21の床の南端に腰壁が立設されており、部屋25の床が腰壁の上から南側へ広がっている。その腰壁はホール21と居室3の上部の空間とを仕切るものである。その腰壁には、棚(カウンター)21bが設けられている。
部屋25の出入口25aは部屋25の北面の西側に設けられている。出入口25aの東側には内壁25bが設けられ、内壁25bの東側に柵25cが設けられている。内壁25b及び柵25cはホール21と部屋25を仕切るものであり、内壁25b及び柵25cが部屋25の北面の壁として機能する。内壁25b及び柵25cは、ホール21の床の南端に立設された腰壁から上に連続するようにして、部屋25の床に立設されている。柵25cは縦連子(縦格子)、横連子(横格子)又は格子である。柵25cは、ホール21と部屋25との間における空気の流通と、視線や音の通過を可能としている。
出入口25aの北側には、ホール21から部屋25へ上るための階段29が設置されている。
部屋25が目隠し壁25dによって東西に仕切られて、目隠し壁25dよりも西側の領域が目隠し壁25eによって南北に仕切られ、目隠し壁25dよりも東側の領域が目隠し壁25fによって南北に仕切られている。
目隠し壁25dの北端が部屋25の北側の壁から離れており、目隠し壁25dの南端が部屋25の南側の壁から離れ、通路としての開口が目隠し壁25dの北側と南側にそれぞれ設けられている。目隠し壁25eの西端が部屋25の西側の壁から離れており、目隠し壁25eの東端が目隠し壁25dから離れており、通路としての開口が目隠し壁25dの東側と西側にそれぞれ設けられている。目隠し壁25fは目隠し壁25dの中央部から東側へ延出して、その延出した先から南側へ延出し、その延出した先から東側へ延出する。そして目隠し壁25fの東端が部屋25の東側の壁から離れており、通路としての開口が目隠し壁25fの東側に設けられている。目隠し壁25dと目隠し壁25fとによって挟まれる入隅には収納庫25gが設けられている。
部屋25の南側の壁の西側部位には、横開き窓25hが設けられている。部屋25の南側の壁の東側部位に開口部25iが設けられ、その開口部25iに窓25jが設けられている。部屋25の東側の壁には窓25kが設けられている。部屋25は部屋22の東側の壁よりも東側に張り出しており、その張り出した部分の北側の壁には横開き窓25mが設けられている。
図5に示すように、部屋25の上には、屋根30が設けられている。この屋根30は南に向かって下りに傾斜した片流れ屋根である。この屋根30の軒31が部屋25の南側の外壁53の上端から南側へ延び出ている。図6に示すように、その軒先32と開口部25i(その開口部25iには窓25jが設けられている。)の上縁とを結ぶ面の仰角θ1は、建物1が建設された土地における冬至の正午の日照角度に等しい。その軒先32と開口部25iの下縁とを結ぶ面の仰角θ2は、建物1が建設された土地における夏至の正午の日照角度に等しい。従って、夏季には、太陽光が開口部25iを通じて部屋25に入射しづらく、部屋25が昇温し過ぎることを抑えることができる。一方、冬季には、開口部25iを通じて太陽光を部屋25に採光しやすく、部屋25を太陽光によって暖めることができる。
この建物1には、一階に設けられた輻射式熱交換器9cによって調整された空気を、建物1の二階との間で流通させるための通気構造が採用されている。
このような通気構造は、図5に示すように、輻射式熱交換器9cが配置された壁9の上方への延長線に沿って配置されている。
すなわち、ホール21、部屋22,23及び収納室24の床20aが壁9の上端から北側に広がって設けられている。そして、上述したように、その床20aの南端に腰壁が立設され、部屋25の床25nがその腰壁の上端から南側に広がって設けられている。その腰壁には、輻射式熱交換器9cの上方の位置する開口部42が形成されている。また、当該開口部42にはガラリ42aが嵌め込まれた状態となっている。
このような構成によれば、輻射式熱交換器9cによって調整された空気が開口部42を通じて一階から二階へ流れる。
部屋25の床25nの北端には、上述のように連子型又は格子型の柵25nが設けられている。したがって、ホール21まで上昇した空気が柵25cを通じて部屋25へ流れる。
柵25c及び内壁25bの上方には、ホール21、部屋22,23及びロフト27の上方にある屋根よりも上方に位置する外壁43が設けられている。外壁43は、部屋22と部屋25を仕切る内壁25p(図3参照)と、ホール21と部屋25を仕切る内壁25b及び柵25cとを上方に延長させた面に沿って設けられている。この外壁43は部屋23の北側の壁の一部を成す。そして、当該外壁43には、開閉自在に構成された高窓44が設けられている。したがって、部屋25まで上昇した空気がさらに高窓44を通じて屋外へ排出される。また、この外壁43の西側の部位が廊下6の吹き抜け部の北側の壁を成し、トップライト6bが高窓である場合にはトップライト6bがその外壁43の西側の部位に設けられている。
図5に示すように、この建物1は、居室3とサニタリールーム4の境界に沿った鉛直面Sの南側の造りと北側の造りに高低差を持たせた構造となっている。この鉛直面Sは、部屋25の北面(内壁25p、柵25c、内壁25b等)、壁9及び外壁43に沿う。
建物1の一階について説明すると、鉛直面Sの南側となる居室3の床から二階の部屋25の床25nまでの高さh1が高く設定され、鉛直面Sの北側となるサニタリールーム4及び居室14,15の床から二階のホール21及び部屋22,23の床20aまでの高さh2が低く設定され、高さh2が高さh1よりも低い。
建物1の二階について説明すると、境界面Sの南側となる部屋25の床25nから部屋25の南側の外壁の上端部までの高さh3が低く設定され、境界面Sの北側となるホール21及び部屋22,23の床20aから部屋22及び部屋23の北側の外壁の上端部までの高さh4が高く設定され、高さh4が高さh3よりも低い。
すなわち、境界面Sの南北の造りに高低差を生じさせるために、各高さh1,h2,h3,h4に対応する壁51,52,53,54が利用されている。
そして、このような高さの異なる壁51〜54に対応して、高低差のある二階の床20a,25nが設けられている。
このような構造の建物1は、境界面Sの南北の造りに高低差を持たせるために、各高さh1,h2,h3,h4に対応する壁51,52,53,54が利用され、これに伴って床20a,25nを高さの異なるスキップ床とすることができ、南北の高低差を吸収するために境界面Sに沿って様々な高さの壁が設けられた状態となっている。
そして、このような境界面Sに沿った壁に開口部9b、柵25c、開口部42、高窓44を配置することで、建物1の上下方向における通気構造を構成することが可能となっている。
壁51,52,53,54は、例えば建築用壁パネルによって構成されている。つまり、建物1自体の壁や床等が、建築用パネルを用いて構成されている。つまり、この建物1はいわゆるパネル工法によって建設されたものである。
ここで、建築用パネルとは、縦横の框材が矩形状に組み立てられるとともに、矩形枠の内部に補助桟材が縦横に組み付けられて枠体が構成され、この枠体の両面もしくは片面に、面材が貼設されたものであり、内部中空な構造となっている。さらに、その内部中空な部分には、通常、グラスウールやロックウール等の断熱材が装填されるものである。
壁51,52,53,54として建築用壁パネルを用いた場合、高さh2,h3に設定された部屋(居室14、サニタリールーム4及び部屋25等)に使用される建築用壁パネルは通常の高さとなっている。一方、高さh1,h4に設定された部屋(居室3,ホール21、部屋22及び部屋23等)に使用される建築用壁パネルは、前記通常の高さの建築用壁パネルよりも高さが高く設定されている。ただし、当該高さの高い建築用壁パネルは、輸送車両の輸送制限に抵触しないものであり、かつ、通常の高さの建築用壁パネルと同様に施工を行うことができる。したがって、左右の造りに高低差を持たせるために、高さの高い建築用壁パネルを使用しても、施工や輸送の面で不都合は生じない。
〔変形例〕
以下、上記実施形態から変更した変形例について以下に説明する。変形例については上記実施形態から変更箇所の説明をし、変形例と上記実施形態が共通する部分に同一の符号を付し、変形例と上記実施形態の共通点の説明を省略する。また、以下の複数の変形例の変更箇所を組み合わせて適用してもよい。
〔変形例1〕
上述の実施の形態では、玄関11の上方に部屋25の東側部位が配置されている。それに対して、次のように変更してもよい。
玄関11の上には部屋25の床25nが設けられておらず、玄関11が屋根30の下まで至る吹き抜けとなっている。そのため、部屋25の床25nの東側の縁には壁が立設されており、その壁によって玄関11の吹き抜け部と部屋25が仕切られている。
玄関11の天井には、第二シーリングファンが取り付けられている。また、玄関11の天井又はその近傍には、開閉可能な第二トップライトが設けられている。その第二シーリングファンは第二トップライトの近傍に配置されている。その第二トップライトは、屋根30に設けられた高窓であるか、北側の外壁43の上部に設けられた高窓である。
第二トップライト、玄関扉11a及び掃出窓11gを開いて、第二シーリングファンによって上昇気流を発生させると、玄関扉11a及び掃出窓11gから第二トップライトに向かう気流によって、玄関11の昇温を抑えることができる。そのため、居室3の冷房効率の低減を抑えることができる。
また、開口部25i及び窓25jは、玄関11の上の吹き抜け部となる空間の南側の壁に設けられているとともに、玄関扉11aの上に配置されている。図6を用いて説明したように、その軒先32と開口部25iの上縁とを結ぶ面の仰角θ1が冬至の正午の日照角度に等しく、その軒先32と開口部25iの下縁とを結ぶ面の仰角θ2が夏至の正午の日照角度に等しいので、冬季は玄関11が暖かくなりやすく、夏季は玄関11が涼しくなりやい。
〔変形例2〕
変形例2では、建物1の間取りを東西反転させる。つまり、図1、図2、図3及び図4を東西反転(左右反転)させて得られた図面によって具現される建物(その建物は建物1と鏡像の関係にある。)も本明細書によって開示されたものである。変形例1についても同様である。
〔変形例3〕
上述の実施の形態では、引戸8と引戸2uの両方が可動ルーバー型引戸であった。
それに対して、変形例3では、引戸8と引戸2uのどちらか一方が可動ルーバー型引戸であり、他方が可動ルーバー型でない引戸である。
1 建物
2h 開口部(第四開口部)
2i 掃出窓(第三建具)
2k 引戸(第四建具)
2u 引戸(第一建具)
3 居室
5 階段(ストリップ階段)
6 廊下(西側屋内空間、他方の屋内空間)
6b トップライト
8 引戸(第二建具)
11 玄関(東側屋内空間、一方の屋内空間)
11a 玄関扉(第一開口部)
11f 開口部(第二開口部)
25i 開口部(第五開口部)
30 屋根
32 軒先

Claims (6)

  1. 南側の屋外に面する居室を備える建物において、
    前記居室の東側に隣接し、南側及び東側の屋外に面する東側屋内空間と、
    前記居室の西側に隣接し、南側及び西側の屋外に面する西側屋内空間と、
    前記居室と前記東側屋内空間との間の境界に設けられ、その境界を開閉する第一建具と、
    前記居室と前記西側屋内空間との間の境界に設けられ、その境界を開閉する第二建具と、を備え、
    前記西側屋内空間と前記東側屋内空間のうち一方の屋内空間から屋外に通じた第一開口部が前記一方の屋内空間の南面に設けられ、前記一方の屋内空間から屋外に通じた第二開口部が前記一方の屋内空間の北面に設けられ、
    前記西側屋内空間と前記東側屋内空間のうち他方の屋内空間が上階までの吹き抜けであり、前記他方の屋内空間から屋外に通じた第三開口部が前記他方の屋内空間の壁に設けられ、開閉可能なトップライトが前記他方の屋内空間の上部の吹き抜け部に設けられている
    ことを特徴とする建物。
  2. 請求項1に記載の建物において、
    前記第一建具と前記第二建具の一方又は両方が可動ルーバー型の建具である
    ことを特徴とする建物。
  3. 請求項1又は2に記載の建物において、
    前記他方の屋内空間に設けられ、前記他方の屋内空間の床から上階まで上りに設けられたストリップ階段を更に備える
    ことを特徴とする建物。
  4. 請求項1から3の何れか一項に記載の建物において、
    前記居室の南面に設けられた第四開口部の前記屋外側に設けられ、前記第四開口部を開閉する第三建具と、
    前記第四開口部の前記居室側に設けられ、前記第四開口部を開閉する第四建具と、を更に備える
    ことを特徴とする建物。
  5. 請求項1から4の何れか一項に記載の建物において、
    前記一方の屋内空間が上階までの吹き抜けであり、開閉可能な第二トップライトが前記一方の屋内空間の上部の吹き抜け部に設けられている
    ことを特徴とする建物。
  6. 請求項5に記載の建物において、
    前記一方の屋内空間の上部の吹き抜け部の南面に第五開口部が設けられ、
    前記一方の屋内空間の上に設けられた屋根の軒先と前記第五開口部の上縁を結ぶ面の仰角が冬至の正午の日照角度に等しく、
    前記軒先と前記第五開口部の下縁を結ぶ面の仰角が夏至の正午の日照角度に等しい
    ことを特徴とする建物。
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