JP2016056168A - スルホニウム塩の製造方法 - Google Patents

スルホニウム塩の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016056168A
JP2016056168A JP2015162810A JP2015162810A JP2016056168A JP 2016056168 A JP2016056168 A JP 2016056168A JP 2015162810 A JP2015162810 A JP 2015162810A JP 2015162810 A JP2015162810 A JP 2015162810A JP 2016056168 A JP2016056168 A JP 2016056168A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sulfonium salt
anion
acid
salt
sulfonium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015162810A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016056168A5 (ja
Inventor
智至 榎本
Satoshi Enomoto
智至 榎本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyo Gosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Gosei Co Ltd filed Critical Toyo Gosei Co Ltd
Priority to US14/847,950 priority Critical patent/US9469604B2/en
Publication of JP2016056168A publication Critical patent/JP2016056168A/ja
Publication of JP2016056168A5 publication Critical patent/JP2016056168A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】モノスルホニウム塩の生成を抑制することが可能なスルホニウム塩の製造方法を提供する。【解決手段】本発明のいくつかの態様によれば、スルホニウムカチオンと第1アニオンとを含む第1スルホニウム塩を生成し、前記第1アニオンをハロゲン化物イオンと交換して第2スルホニウム塩を生成し、前記ハロゲン化物イオンを第2アニオンと交換して第3スルホニウム塩を生成する工程を備える、スルホニウム塩の製造方法が提供される。【選択図】図1

Description

本発明のいくつかの観点は、光酸発生剤として有用なスルホニウム塩の製造方法に関する。
従来、光カチオン重合開始能が高い重合開始剤として、トリアリールスルホニウムとフッ素含有アニオン(BF、PF、AsFおよびSbFなど)との塩が知られている。
しかし、従来提案されているスルホニウム塩の製造方法では、例えば、硫酸などの無機酸及びメタンスルホン酸などの強有機酸のうちの少なくともいずれかの酸の存在下、スルフィドとスルホキシドとを縮合させた後、強有機酸由来のアニオンを、フッ素含有アニオンと交換させる方法(例えば、特許文献1参照)が知られている。この方法では、1分子中に1個のスルホニオ基を有するモノスルホニウム塩以外に、1分子中に2個のスルホニオ基を有するビススルホニウム塩が生成する。
特開昭61−100557号公報
本発明者らの検討によると、ビススルホニウム塩は、水溶解度がモノスルホニウム塩よりも大きい。このため、電解めっき工程のようなフォトレジストを水中に浸漬させる工程で使用するフォトレジストに添加するスルホニウム塩は、モノスルホニウム塩の方が好ましい。しかし、従来技術においては、ビススルホニウム塩は副反応によって生じるものであり、その割合を低減することは容易ではない。
本発明のいくつかの態様はこのような事情に鑑みてなされたものであり、モノスルホニウム塩の生成を抑制することが可能なスルホニウム塩の製造方法を提供するものである。
本発明のいくつかの態様によれば、スルホニウムカチオンと第1アニオンとを含む第1スルホニウム塩を生成し、前記第1アニオンをハロゲン化物イオンと交換して第2スルホニウム塩を生成し、前記ハロゲン化物イオンを第2アニオンと交換して第3スルホニウム塩を生成する工程を備える、スルホニウム塩の製造方法が提供される。
本発明者がビススルホニウム塩の生成を抑制すべく検討を行ったところ、スルホニウム塩の第1アニオンを直接第2アニオンに交換する代わりに、第1アニオンをハロゲン化物イオンと交換し、ハロゲン化物イオンを第2アニオンと交換することによって、ビススルホニウム塩の生成を抑制することができることを見出し、本発明の完成に到った。本発明の方法によって得られたスルホニウム塩は、光酸発生剤として機能するものである。このような光酸発生剤は、フォトレジストに添加して、カチオン重合開始剤として利用することができる。また、酸によって分解されるポリマーを含む組成物に添加して、光の照射によってポリマーの分解反応を開始させる用途に用いてもよい。さらに、酸の存在下で別の物質と反応する前駆体を含む組成物に添加して、光の照射によって反応を開始させる用途に用いてもよい。
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
好ましくは、前記スルホニウムカチオンは、少なくとも1つのアリール基を有する。
好ましくは、前記第1スルホニウム塩を、スルホキシド化合物とアリール化合物とを酸の存在下で縮合させることにより生成する。
好ましくは、前記スルホキシド化合物は、置換されていてもよいジアリールスルホキシド化合物である。
好ましくは、前記アリール化合物は、置換されていてもよいジアリールスルフィド化合物である。
好ましくは、前記酸は、硫酸又はスルホン酸である。
好ましくは、前記第2スルホニウム塩を、前記ハロゲン化物イオンを含むハロゲン化物を前記第1スルホニウム塩と反応させることによって生成する。
好ましくは、前記第3スルホニウム塩を、第2アニオンを含む金属塩を第2スルホニウム塩反応させることによって生成する。
好ましくは、前記第2アニオンは、少なくとも1つのフッ素原子を含む。
好ましくは、前記第2アニオンは、CFSO 、CFCFCFCFSO 、AsF 、PF 、SbF 、BF 及びB(C からなる群から選択される1つである。
(a)〜(e)は、光酸発生剤を含むフォトレジストを用いて集積回路(IC)のようなデバイスを製造する製造プロセスに含まれる電解めっき工程を示す。 (a)〜(c)は、図1(e)の後に続く、電解めっき工程を示す。 (a)〜(c)は、図2(c)の後に続く、電解めっき工程を示す。
以下本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴事項について独立して発明が成立する。
1.スルホニウム塩の製造方法
本発明の一実施形態のスルホニウム塩の製造方法は、スルホニウムカチオンと第1アニオンとを含む第1スルホニウム塩を生成し、前記第1アニオンをハロゲン化物イオンと交換して第2スルホニウム塩を生成し、前記ハロゲン化物イオンを第2アニオンと交換して第3スルホニウム塩を生成する工程を備える。
<第1スルホニウム塩の生成工程>
この工程では、スルホニウムカチオンと第1アニオンとを含む第1スルホニウム塩を生成する。スルホニウムカチオンは、下記一般式(1)で表される。第1アニオンは、スルホニウムカチオンの対アニオンとなりかつ、第2アニオンの共役酸よりも弱酸を発生するアニオンである。
(式中、R〜Rは、互いに同一であっても異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、置換基で置換されていてもよい炭化水素基、又は置換基で置換されていてもよい複素環基の何れかである。R〜Rのうちの2つ又は3つは、互いに結合して環を形成していてもよい。)
炭化水素基としては、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基等が挙げられる。複素環基としては、ピリジル基、フルフリル基等の芳香族複素環基等が挙げられる。
置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;メトキシ基等のアルキルオキシ基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;メチルチオ基等のアルキルチオ基;フェニルチオ基等のアリールチオ基;アセチル基等のアシル基;ベンゾイル基等のアロイル基;アセトキシ基等のアシロキシ基;ベンゾイロキシ基等のアロイロキシ基;さらには、ニトリル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、およびハロゲン原子等が挙げられる。
スルホニウムカチオンは、一例では、少なくとも1つのアリール基を有するスルホニウムカチオンであり、より具体的には、トリアリールスルホニウムカチオンであり、さらに具体的には、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]−スルホニウムカチオンである。第1アニオンの共役酸は、一例では、スルホン酸であり、より具体的にはアルキルスルホン酸であり、さらに具体的には炭素数1〜8のアルキルスルホン酸であり、さらに具体的には、メタンスルホン酸である。
第1スルホニウム塩の生成方法は、特に限定されず、例えば、スルホキシド化合物とアリール化合物を酸の存在下で縮合させることによって生成させることができる。例えば、酸からなる反応溶媒中にスルホキシド化合物とアリール化合物を加えて、撹拌することによって縮合反応を進行させることができる。また、この方法で、第1スルホニウム塩を生成した場合、上記の酸の共役塩基からなるアニオンが第1スルホニウム塩の第1アニオンとなる。また、縮合反応を阻害しない溶媒と酸の混合物を反応溶媒として用いてもよい。
スルホキシド化合物は、下記一般式(2)で表される。
(式中、R〜Rは、一般式(1)と同様に定義される。RとRは、互いに結合して環を形成していてもよい。)
スルホキシド化合物の具体例としては、ジメチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、ジベンゾチオフェン−S−オキシド、(4−メチルフェニル)フェニルスルホキシド、4,4'−ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4'−ジメトキシジフェニルスルホキシド、4−メチルチオジフェニルスルホキシド、(4−フェニルチオフェニル)フェニルスルホキシド、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'−ジフルオロジフェニルスルホキシド、4,4'−ジクロロジフェニルスルホキシド、4,4'−ジニトロジフェニルスルホキシド、4−ベンゾイルジフェニルスルホキシド、4,4'−カルボキシジフェニルスルホキシド等が挙げられる。これらのスルホキシド化合物は、単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
前記スルホキシド化合物のうち好ましいものは、置換されていてもよいジアリールスルホキシド化合物、特に、ジフェニルスルホキシド、ジベンゾチオフェン−S−オキシド、4,4'−ジメチルジフェニルスルホキシド、4,4'−ジメトキシジフェニルスルホキシド、4,4'−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4'−ジフルオロジフェニルスルホキシド、4,4'−ジクロロジフェニルスルホキシドである。
アリール化合物は、一般式(1)におけるRを導入する作用を果たす化合物である。スルホキシド化合物とアリール化合物の間の縮合反応によって第1スルホニウム塩を生成すべく、アリール化合物は、縮合の際に脱離する水素原子を少なくとも1つ有していることが好ましい。また、アリール化合物が縮合の際に脱離する水素原子を2つ以上有している場合に、ビススルホニウム塩が生成されやすいので、このような場合に、本発明の技術的優位性が顕著になる。
アリール化合物としては、単環式または縮合多環式の無置換のアリール化合物、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、ナフタセン、ピレン;アルキル基で置換されたアリール化合物、例えば、トルエン、クメン、tert−ブチルベンゼン、キシレン、エチルベンゼン、ドデシルベンゼン、1−メチルナフタレン、1H−インデン;アリール基で置換されたアリール化合物、例えば、ビフェニル、ビフェニレン、1,2'−ビナフチル、2−フェニルナフタレン;置換されていてもよいアルコキシ基で置換されたアリール化合物、例えば、アニソール、エトキシベンゼン、1−メトキシナフタレン、ベンジルフェニルエーテル、ベンゾフラン;置換されていてもよいアリールオキシ基で置換されたアリール化合物、例えば、ジフェニルエーテル、2−エトキシナフタレン、4−フェノキシフェノール、キサンテン;アルキルスルホニル基で置換されたアリール化合物、例えば、メチルフェニルスルホン;アリールスルホニル基で置換されたアリール化合物、例えば、ジフェニルスルホン;置換されていてもよいアルキルチオ基で置換されたアリール化合物、例えば、チオアニソール、エチルチオベンゼン、ベンゾチオフェン、ベンジルフェニルスルフィド、フェナシルフェニルスルフィド;置換されていてもよいアリールチオ基で置換されたアリール化合物(つまり、ジアリールスルフィド化合物)、例えば、ジフェニルスルフィド、ジベンゾチオフェン、(2−メチルフェニル)フェニルスルフィド、(4−メチルフェニル)フェニルスルフィド、2,2'−ジトリルスルフィド、2,3'−ジトリルスルフィド、2−フェニルチオナフタレン、9−フェニルチオアントラセン、(3−クロロフェニル)フェニルスルフィド、(4−クロロフェニル)フェニルスルフィド、3,3'−ジクロロジフェニルスルフィド、(3−ブロモフェニル)フェニルスルフィド、2,2'−ジブロモジフェニルスルフィド、3,3'−ジブロモジフェニルスルフィド、(2−メトキシフェニル)フェニルスルフィド、フェノキサチイン、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−メトキシチオキサントン、4,4'−ジフェニルチオベンゾフェノン、4,4'−ジフェニルチオジフェニルエーテル、4,4'−ジフェニルチオビフェニル、(4−フェニルチオフェニル)フェニルスルフィド、(4−ベンゾイルフェニル)フェニルスルフィド、(2−クロロ−4−ベンゾイルフェニル)フェニルスルフィド、(2−メチルチオベンゾイルフェニル)フェニルスルフィド等が挙げられる。
酸は、スルホキシド化合物とアリール化合物の間の縮合反応を促進させると共に、縮合反応の反応溶媒としての役割を果たす。利用可能な酸としては、スルホン酸やカルボン酸などの有機酸や硫酸などの無機酸が挙げられる。
スルホン酸としては、アルキルスルホン酸、芳香族スルホン酸等が挙げられる。これらの中でも、アルキルスルホン酸が好ましく、炭素数1〜8のアルキルスルホン酸がより好ましい。具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、オクタンスルホン酸等が挙げられる。
カルボン酸としては、アルキルカルボン酸、芳香族カルボン酸等が挙げられる。これらの中でも、アルキルカルボン酸が好ましく、炭素数1〜8のアルキルカルボン酸がより好ましい。具体的には、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸等が挙げられる。
また、反応溶媒中に脱水剤を添加することが好ましい。この場合、縮合反応によって生じた水が反応系から取り除かれて、縮合反応が促進される。脱水剤としては、五酸化リン等の無機酸化物、ポリリン酸等の無機酸、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水フタル酸等の有機酸無水物などが挙げられる。これらの脱水剤は、単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。これらのうち好ましいものは、無水酢酸等の有機酸無水物、特に、無水酢酸である。
<第2スルホニウム塩の生成工程>
この工程では、第1スルホニウム塩の第1アニオンをハロゲン化物イオンと交換して第2スルホニウム塩を生成する。
第2スルホニウム塩は、例えば、前記ハロゲン化物イオンを含むハロゲン化物を第1スルホニウム塩と反応させることによって生成させることができる。この反応は、例えば、水層と有機層を形成する溶媒中に第1スルホニウム塩とハロゲン化物を添加して撹拌することによって起こさせることができる。例えば、スルホニウムカチオンとハロゲン化物イオンで構成される第2スルホニウム塩の有機層への溶解度がハロゲン化物の対カチオンと第1アニオンで構成される塩の有機層への溶解度よりも大きい場合には、第1スルホニウム塩とハロゲン化物を溶媒中に存在させた状態で撹拌することによって、第2スルホニウム塩を選択的に有機層に取り込むことができる。
有機層を構成する有機溶媒としては、第2スルホニウム塩を溶解可能な有機溶媒、例えばジクロロメタンなどが挙げられる。
ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)としては、ハロゲン化水素、ハロゲンのアルカリ金属(リチウム、ナトリウム、カリウムなど)塩などが挙げられる。一例では、ハロゲン化水素としては塩化水素及び臭化水素等が挙げられ、ハロゲンのアルカリ金属塩としては塩化ナトリウム及び臭化ナトリウム等が挙げられる。
<第3スルホニウム塩の生成工程>
この工程では、第2スルホニウム塩のハロゲン化物イオンを第2アニオンと交換して第3スルホニウム塩を生成する。
第2アニオンの共役酸は、第1アニオンの共役酸よりも強い酸であることが好ましい。この場合、スルホニウム塩の第1アニオンを第2アニオンと交換することによって、スルホニウム塩が光酸発生剤として機能したときに発生する酸の強度が高められる。
第2アニオンの共役酸としては、無機酸や有機酸が挙げられる。無機酸としては、ヘキサフルオロアンチモン酸、ヘキサフルオロヒ酸、ヘキサフルオロリン酸、ペンタフルオロヒドロキソアンチモン酸、テトラフルオロホウ酸、トリフルオロトリストリフルオロメチルリン酸、トリフルオロトリスペンタフルオロエチルリン酸、トリフルオロトリスヘプタフルオロプロピルリン酸、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸、テトラキス(トリフルオロメチルフェニル)ホウ酸、トリフルオロ(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸、テトラキス(ジフルオロフェニル)ホウ酸、ジフルオロビス(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸等が挙げられる。有機酸としては、炭素数1〜8のアルキルスルホン酸、又はそのアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたものが挙げられる。アルキルスルホン酸としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、オクタンスルホン酸等が挙げられる。
別の表現では、第2アニオンは、少なくとも1つのフッ素原子を含むものが好ましく、CFSO 、CFCFCFCFSO 、AsF 、PF 、SbF 、BF 及びB(C からなるものがより好ましい。
第3スルホニウム塩は、例えば、第2アニオンを含む金属塩を第2スルホニウム塩と反応させることによって生成させることができる。この反応は、例えば、水層と有機層を形成する溶媒中に第2スルホニウム塩と金属塩を添加して撹拌することによって起こさせることができる。例えば、スルホニウムカチオンと第2アニオンで構成される第3スルホニウム塩の有機層への溶解度が第2アニオンの対カチオンとハロゲン化物イオンで構成される塩の有機層への溶解度よりも大きい場合には、第2スルホニウム塩と金属塩を溶媒中に存在させた状態で撹拌することによって、第3スルホニウム塩を選択的に有機層に取り込むことができる。
有機層を構成する有機溶媒としては、第3スルホニウム塩を溶解可能な有機溶媒、例えばジクロロメタンなどを挙げられる。第2アニオンの金属塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩が好ましい。
以上の工程により、本実施形態のスルホニウム塩の製造が完了する。本実施形態は、スルホニウム塩の第1アニオンを直接第2アニオンに交換する代わりに、第1アニオンをハロゲン化物イオンと交換し、ハロゲン化物イオンを第2アニオンと交換することを特徴としており、このような工程を通じてスルホニウム塩を製造することによってビススルホニウム塩の生成を抑制することができる。この点は、後述する実施例で実証されている。
また、ビススルホニウム塩は、モノスルホニウム塩よりも水への溶解度が大きいので、ビススルホニウム塩の含有量が少ない本実施形態のスルホニウム塩は、電解めっき工程のようなフォトレジストを水中に浸漬させる工程で使用するフォトレジストに添加する光酸発生剤として好適に利用可能である。
2.電解めっき工程
ここで、上記方法で製造したスルホニウム塩を光酸発生剤として含むフォトレジストを用いた電解めっき工程について説明する。フォトレジストは、ポリマーと、上記スルホニウム塩を含む。ポリマーは、一例では、下記ポリマーAとポリマーBを含む。スルホニウム塩の一例は、後述する実施例で得られるジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]−スルホニウムノナフレートである。電解めっき工程は、集積回路(IC)のようなデバイスの製造プロセスに含まれる工程である。この電解めっき工程では、フォトリソグラフィープロセスによって形成されるスルーホールに導電部が形成される。
まず、図1(a)に示すように、コア基板1を準備し、図1(b)に示すように、コア基板1の表面上にパターン化された導体層2を形成する。
次に、図1(c)に示すように、導体層2及びコア基板1を覆うように熱硬化性樹脂を塗布し、熱硬化性樹脂を熱硬化させることによって厚さ約20μmのソルダーレジスト層3を形成する。
次に、図1(d)に示すように、ソルダーレジスト層3にレーザー光を照射することによって第1スルーホール4を形成して、導体層2の一部を露出させる。第1スルーホール4内に残ったスメアは、デスミア処理によって除去する。
次に、図1(e)に示すように、上記工程において第1スルーホール4が形成された部材を、ニッケル塩、硫酸銅、水酸化ナトリウム、錯化剤及びキレート剤を含む溶液に浸漬させることによって、第1導電部5を形成する。
次に、図2(a)に示すように、無電解めっき工程によって介在層6及び無電解めっき層7を形成する。
次に、図2(b)に示すように、介在層6及び無電解めっき層7を覆うようにフォトレジスト層8を厚さ20μm以上になるように形成する。フォトレジスト層8の厚さは30μm以上が好ましく、40μm以上が好ましい。
次に、図2(c)に示すように、介在層6が表面に露出するように、フォトリソグラフィープロセスによって第2スルーホール9を形成する。具体的には、第2スルーホール9に対応する部位を遮光パターンで覆った状態でフォトレジスト層8を露光して硬化させた後に、遮光パターンで覆った部位を溶解させることによって第2スルーホール9を形成する。フォトレジスト層8を例えば波長365nmの光で露光すると、光酸発生剤が光を吸収して分解され、第2アニオンの共役酸が発生する。この酸によってポリマーA及びBのカチオン重合が開始されて、フォトレジスト層8が硬化される。
次に、図3(a)に示すように、無電解めっき層7を電極として用いて電圧を印加することによって、電解めっきにより第2導電部10を形成する。この電解めっきでは、フォトレジスト層8が水を溶媒とする電解液に浸漬される。このため、スルホニウム塩中の水溶成分の割合が小さいと、メッキ液を汚染せず、さらにはメッキ液中での酸の発生が抑制されることで装置や作業環境の汚染が抑制されるという利点がある。そして、本実施形態のスルホニウム塩は、水溶性のビススルホニウム塩の割合が非常に小さいので、上記利点が得られる。
次に、図3(b)に示すように、上記工程で第2導電部10を形成した部材を、アミンを含む剥離液に浸漬させることによってフォトレジスト層8を除去する。
次に、図3(c)に示すように、上記工程で得られた部材に対してリフロー処理を施すことによって導電ポスト11を形成する。リフロー処理は、第2導電部10の少なくとも一成分の融点よりも高い温度のリフロー炉で行う。
上記の導電部又は導電ポストの製造方法は、電子デバイスや電気光学デバイスなどのデバイスの製造に適用可能である。電子デバイスにはICチップが含まれ、電気光学デバイスにはディスプレイ装置が含まれる。
特に、上記の導電部又は導電ポストの製造方法は、高密度実装に適している。
以下に示す実験手順に従って、直接塩交換法(方法A)及び間接塩交換法(方法B)によってジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]−スルホニウムノナフレート(PSDPS−Nf)を合成し、生成物中に含まれるビススルホニウム塩の割合を比較した。
(1)直接塩交換法(方法A)によるPSDPS−Nfの合成
10.0gのジフェニルスルホキシド及び11.1gのジフェニルスルフィドを26.5gのメタンスルホン酸に溶解させた。3.16gの酸化リンをジフェニルスルホキシド及びジフェニルスルフィドを含むメタンスルホン酸溶液へ10分に渡って添加した。得られた混合物を25℃で3時間攪拌した。その後、得られた混合物を5℃にまで冷却し、60.0gの水を添加した後、さらに10分間攪拌した。その後、得られた溶液を20gの酢酸エチルで洗浄し、水層を回収した。この水層中には、ジフェニルスルホキシドとジフェニルスルフィドの縮合反応によって生成されたジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]−スルホニウムメタンスルホネートが含まれている。
次に、上記水層からなる水溶液中に、17.5gのカリウムノナフレート(ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム)及び40gのジクロロメタンを添加して25℃で1時間攪拌することによって、PSDPS−Nfをジクロロメタン層中に抽出し、ジクロロメタン層を回収した。その後、ジクロロメタン層からなるジクロロメタン溶液を水で4回洗浄し、ジクロロメタンを留去した。それによって27.1gのPSDPS−Nfを得た。その後、HPLCを用いて内部標準法によって生成物の純度を測定した。その結果、2.4%のビス−[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]−スルフィドビス−ノナフレートが不純物として生成物に含まれていることが確認された。
PSDPS−Nfの構造式を以下に示す
(2)ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]−スルホニウムブロマイド(PSDPS−Br)の合成
20.0gのジフェニルスルホキシド及び22.1gのジフェニルスルフィドを57.0gのメタンスルホン酸に溶解させた。6.32gの酸化リンをジフェニルスルホキシド及びジフェニルスルフィドを含むメタンスルホン酸溶液へ10分に渡って添加した。得られた混合物を25℃で3時間攪拌した。その後、得られた混合物を5℃へ冷却し、120.0gの水の添加後、さらに10分間攪拌した。その後、得られた溶液を40gの酢酸エチルで洗浄し、水層を回収した。この水層中には、ジフェニルスルホキシドとジフェニルスルフィドの縮合反応によって生成されたジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]−スルホニウムメタンスルホネートが含まれている。
次に、上記水層からなる水溶液中に、16.67gの48%臭化水素水溶液及び180gのジクロロメタンを添加して25℃で1時間攪拌することによって、PSDPS−Brをジクロロメタン層中に抽出し、ジクロロメタン層を回収した。その後、ジクロロメタン層からなるジクロロメタン溶液を水で2回洗浄し、ジクロロメタンを留去した。それによって48.2gのPSDPS−Brを得た。
(3)間接塩交換法(方法B)によるPSDPS−Nfの合成
20.0gの上記(2)で得られたPSDPS−Br及び15.7gのカリウムノナフレートを40gの水及び80gのジクロロメタンからなる2層溶媒へ添加した。得られた混合物を25℃で1時間攪拌することによって、PSDPS−Nfをジクロロメタン層中に抽出し、ジクロロメタン層を回収した。その後、ジクロロメタン層からなるジクロロメタン溶液を水で2回洗浄し、ジクロロメタンを留去した。それによって26.3gのPSDPS−Nfを得た。HPLCを用いて内部標準法によって生成物の純度を測定した。その結果、0.2%のビス−[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]−スルフィドビス−ノナフレートが不純物として生成物に含まれていることが確認された。
(4)水溶解度測定の実験手順
0.1gのPSDPS−Nfを10.0gの水へ添加した。得られた混合物を80℃で1時間攪拌した。その後、得られた混合物を25℃へ冷却し、内部標準物質として0.02gの安息香酸ナトリウムの添加後、さらに10分間攪拌した。その後、得られた混合物をろ過し、ろ液を回収した。その後、HPLCを用いて内部標準法によってPSDPS−Nfの水溶解度を測定した。
その結果を表1に示す。表1は、方法A及びBで得られた生成物の水への溶解度(wt%)を示す。
方法Aによって合成した評価サンプル1は、方法Bによって合成した評価サンプル2よりも水溶性が高かった。これは、ビス−[4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル]−スルフィドビス−ノナフレートが評価サンプル中の主要な水溶性成分であることを示している。言い換えると、水に対しては、ジカチオン構造がモノカチオン構造よりも容易に溶出される。モノカチオンを含む有機塩の水溶性が低いことは、フォトリソグラフィパターニング工程などによる、Cuピラー構造のような導電部の形成に適用されるプロセスを含むめっき工程において有利である。

Claims (10)

  1. スルホニウムカチオンと第1アニオンとを含む第1スルホニウム塩を生成し、
    前記第1アニオンをハロゲン化物イオンと交換して第2スルホニウム塩を生成し、
    前記ハロゲン化物イオンを第2アニオンと交換して第3スルホニウム塩を生成する工程を備える、スルホニウム塩の製造方法。
  2. 前記スルホニウムカチオンは、少なくとも1つのアリール基を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1スルホニウム塩を、スルホキシド化合物とアリール化合物とを酸の存在下で縮合させることにより生成する、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 前記スルホキシド化合物は、置換されていてもよいジアリールスルホキシド化合物である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記アリール化合物は、置換されていてもよいジアリールスルフィド化合物である、請求項3又は請求項4に記載の方法。
  6. 前記酸は、硫酸又はスルホン酸である、請求項3〜請求項5の何れか1つに記載の方法。
  7. 前記第2スルホニウム塩を、前記ハロゲン化物イオンを含むハロゲン化物を前記第1スルホニウム塩と反応させることによって生成する、請求項1〜請求項6の何れか1つに記載の方法。
  8. 前記第3スルホニウム塩を、第2アニオンを含む金属塩を第2スルホニウム塩反応させることによって生成する、請求項1〜請求項7の何れか1つに記載の方法。
  9. 前記第2アニオンは、少なくとも1つのフッ素原子を含む、請求項1〜請求項8の何れか1つに記載の方法。
  10. 前記第2アニオンは、CFSO 、CFCFCFCFSO 、AsF 、PF 、SbF 、BF 及びB(C からなる群から選択される1つである、請求項1〜請求項9の何れか1つに記載の方法。
JP2015162810A 2014-09-08 2015-08-20 スルホニウム塩の製造方法 Pending JP2016056168A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US14/847,950 US9469604B2 (en) 2014-09-08 2015-09-08 Method of manufacturing sulfonium salt

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201462047478P 2014-09-08 2014-09-08
US62/047,478 2014-09-08

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016056168A true JP2016056168A (ja) 2016-04-21
JP2016056168A5 JP2016056168A5 (ja) 2018-09-20

Family

ID=55757435

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015162810A Pending JP2016056168A (ja) 2014-09-08 2015-08-20 スルホニウム塩の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016056168A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11269169A (ja) * 1998-03-20 1999-10-05 Nippon Kayaku Co Ltd スルホニウム塩の製造方法
JP2001183832A (ja) * 1999-12-24 2001-07-06 Jsr Corp ネガ型感放射線性樹脂組成物
JP2002229192A (ja) * 2001-02-02 2002-08-14 Jsr Corp 感放射線性樹脂組成物
JP2005041857A (ja) * 2003-01-22 2005-02-17 Jsr Corp スルホニウム塩化合物、感放射線性酸発生剤およびポジ型感放射線性樹脂組成物
WO2011070947A1 (ja) * 2009-12-08 2011-06-16 Jsr株式会社 感放射線性樹脂組成物、重合体、単量体及び感放射線性樹脂組成物の製造方法
JP2013075963A (ja) * 2011-09-29 2013-04-25 Jsr Corp 化合物、重合体及びフォトレジスト組成物

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11269169A (ja) * 1998-03-20 1999-10-05 Nippon Kayaku Co Ltd スルホニウム塩の製造方法
JP2001183832A (ja) * 1999-12-24 2001-07-06 Jsr Corp ネガ型感放射線性樹脂組成物
JP2002229192A (ja) * 2001-02-02 2002-08-14 Jsr Corp 感放射線性樹脂組成物
JP2005041857A (ja) * 2003-01-22 2005-02-17 Jsr Corp スルホニウム塩化合物、感放射線性酸発生剤およびポジ型感放射線性樹脂組成物
WO2011070947A1 (ja) * 2009-12-08 2011-06-16 Jsr株式会社 感放射線性樹脂組成物、重合体、単量体及び感放射線性樹脂組成物の製造方法
JP2013075963A (ja) * 2011-09-29 2013-04-25 Jsr Corp 化合物、重合体及びフォトレジスト組成物

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5100115B2 (ja) スルホニウム塩及び酸発生剤
CN104557552B (zh) 一种星形四苯基乙烯衍生物分子玻璃、正性光刻胶、正性光刻胶涂层及其应用
JP6278550B2 (ja) めっき浴および方法
KR101218468B1 (ko) 신규 오늄 및 전이 금속 착물의 불소화 알킬플루오로인산염
TWI428326B (zh) 鍍覆浴及方法
TWI427066B (zh) 鍍覆浴及方法
JP5724068B2 (ja) 新規化合物およびその利用
TW201105621A (en) Salt and photoresist composition containing the same
TWI545157B (zh) Photosensitive resin composition
JP5837069B2 (ja) 立体特異性多環式2,3−ジオールモノマーから誘導される繰り返し単位を有するポリカーボネートを含む犠牲ポリマー組成物
KR102636084B1 (ko) 트리페닐술포늄 염 화합물 및 이의 응용
CN101827813A (zh) 砜化合物、磺酸盐和放射线敏感性树脂组合物
JP2007091628A (ja) スルホニウム塩の製造方法
JP5116311B2 (ja) スルホニウム塩
JP2023536387A (ja) レベリング剤、及び該レベリング剤を含む、回路パターン形成用の電気めっき組成物
JP4921160B2 (ja) 感光性樹脂及び感光性組成物
TW201638207A (zh) 有機層組合物、有機層以及形成圖案的方法
US9469604B2 (en) Method of manufacturing sulfonium salt
JP2016056168A (ja) スルホニウム塩の製造方法
JP5116310B2 (ja) スルホニウム塩
JP2009019022A (ja) 感放射線性化合物及びフォトレジスト組成物
CN108241256A (zh) 化学增幅型正型感光性树脂组成物、附有铸模的基板的制造方法以及电镀成形体的制造方法
TWI820792B (zh) 用於填充穿孔的整平劑及電解組合物
TW201414710A (zh) 光酸化合物、光酸發生劑與其製備方法以及包含該光酸發生劑的抗蝕劑組成物
KR20040010341A (ko) 아다만탄 화합물 및 절연 필름을 형성하는 코팅 용액

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180807

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180807

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190820

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200324